JPH10305500A - 複合管状体およびその製法 - Google Patents

複合管状体およびその製法

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JPH10305500A
JPH10305500A JP9115833A JP11583397A JPH10305500A JP H10305500 A JPH10305500 A JP H10305500A JP 9115833 A JP9115833 A JP 9115833A JP 11583397 A JP11583397 A JP 11583397A JP H10305500 A JPH10305500 A JP H10305500A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高画質なトナー画像を得ることができる複合管
状体およびその製法を提供する。 【解決手段】導電性ポリイミド樹脂からなる管状内層1
1と、この管状内層11の外周面に導電性シリコーンゴ
ムまたは導電性フッ素ゴムからなる管状外層12が設け
られた少なくとも二層からなる複合管状体であって、上
記管状内層11の表面抵抗が、101 〜108 Ω/□の
範囲に設定され、かつ上記管状外層12の表面抵抗が、
105 〜1012Ω/□の範囲に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機、プリンタ(レーザービームプリンタ等)、ファク
シミリ等の画像形成装置の定着部分において、ベルト定
着方式の定着用ベルトを構成するエンドレスベルト(無
端ベルト)等として用いられる複合管状体およびその製
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の画像形成装置にお
ける転写紙への画像定着方法の一例として、熱ローラ定
着方式がある。この熱ローラ定着方式は、図4に示すよ
うに、熱ローラ1と加圧ローラ2とを上下に対向配置
し、転写紙3を両ローラ1、2の間に送紙し、熱ローラ
1に内蔵されるヒータ4の発熱により、転写紙3に仮着
されたトナー5を溶解定着させるとともに、加圧ローラ
2により加圧して定着を強固にするという方法である。
【0003】上記熱ローラ定着方式では、熱ローラの表
面温度をトナーの融解温度以上にしなければならないた
め、定着作業ごとに熱ローラの表面温度がトナーの融解
温度に達するまで待たねばならず(通常20秒から10
分)効率が悪い。そのため、事務所等で多数の人間が使
用する場合には、使用する時間帯は電源をオンにして直
ちに定着作業ができるようにしているが、この方法で
は、熱ローラに対して常に電力を供給する必要があるた
め、消費電力が極めて多くなり経済的に好ましくない。
【0004】そこで、この定着可能になるまでの待ち時
間短縮と省電力のため、ベルト定着方式が開発された。
このベルト定着方式は、図5に示すように、互いに隔離
状態にある2つのローラ7、8およびヒータ9にエンド
レスの定着ベルト10を掛け渡し、ヒータ9と対向させ
て加圧ローラ2を配置し、トナー5が仮着された転写紙
3を定着ベルト10と加圧ローラ2の間に送紙し、トナ
ー5を融解定着させて画像6を形成するという方法であ
る。この方式によれば、上記定着ベルト10を極めて薄
く形成して、熱容量を小さくすることができるため、ヒ
ータ9の発熱が直ちに定着ベルト10に伝導する。した
がって、電源を入れると、直ちに定着ベルト10の表面
温度が所定の温度まで昇温するため、待ち時間が著しく
短縮されると同時に省電力を実現できるという利点があ
る。
【0005】このようなベルト定着方式に用いる定着ベ
ルトとしては、耐熱性や機械強度に優れたポリイミド樹
脂からなる管状体、あるいはポリイミド樹脂製管状内層
とフッ素樹脂製管状外層からなる複合管状体(特開平3
−130149号公報)等が知られている。そして、上
記複合管状体は、つぎのようにして製造される。すなわ
ち、まずポリイミド前駆体溶液(ポリアミド酸溶液)を
シリンダ(金型)内周面に塗布してシリンダ内に弾丸状
または球状の走行体を走行させる。ついで、上記ポリア
ミド酸をイミド化してポリイミド樹脂製管状体としたの
ちシリンダから取り出し、このポリイミド樹脂製管状体
の外周面に導電性物質が分散されたフッ素樹脂溶液をス
プレーコートして導電性フッ素樹脂層を形成することに
より複合管状体を製造する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記複
合管状体は、各層のマトリックス成分として樹脂を用い
ているため、全体として柔軟性に劣り、それゆえより高
いトナー定着性が得られず鮮明なトナー画像を得難いと
いう問題がある。また、定着ベルトと加圧ローラの間に
トナー付転写紙を送紙するため、これらの摩擦によって
静電荷が発生してトナー画像が乱れやすいという問題が
ある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、高画質なトナー画像を得ることができる複合管
状体およびその製法の提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、導電性ポリイミド樹脂からなる管状内層
と、この管状内層の外周面に導電性シリコーンゴムまた
は導電性フッ素ゴムからなる管状外層が設けられた少な
くとも二層からなる複合管状体であって、上記管状内層
の表面抵抗が、101 〜108 Ω/□の範囲に設定さ
れ、かつ上記管状外層の表面抵抗が、105 〜1012Ω
/□の範囲に設定されている複合管状体を第一の要旨と
し、導電性ポリイミド樹脂からなる管状体の外周面に導
電性シリコーンゴム溶液または導電性フッ素ゴム溶液を
塗布した後、この塗布済管状体に円筒体を外挿配置して
上記塗布済管状体に対して円筒体を相対的に走行させ、
これにより上記管状体の外周面に導電性シリコーンゴム
または導電性フッ素ゴムからなる管状外層を形成する複
合管状体の製法を第二の要旨とし、導電性ポリイミド樹
脂からなる管状体の外周面に導電性シリコーンゴム溶液
または導電性フッ素ゴム溶液をスプレー塗布して上記管
状体の外周面に導電性シリコーンゴムまたは導電性フッ
素ゴムからなる管状外層を形成する複合管状体の製法を
第三の要旨とする。
【0009】すなわち、本発明の複合管状体は、特定の
表面抵抗を有するポリイミド樹脂製管状内層と、特定の
表面抵抗を有するシリコーンゴム製管状外層または特定
の表面抵抗を有するフッ素ゴム製管状外層を有するもの
であり、ゴム製の管状外層が設けられているため、従来
のものと比較して柔軟性に優れており、それゆえより高
いトナー定着性を備えている。また、上記管状内層およ
び管状外層がそれぞれ特定の表面抵抗を有し、導電性を
備えているため、ベルト定着方式の定着ベルトとして用
いた場合、転写紙との摩擦により静電荷を生じたとして
も即座に除電でき、トナー画像が乱れることもない。し
たがって、トナー画像の高画質化を実現できるという利
点を有している。また、上記複合管状体の外周面に耐熱
離型保護層を設けた場合は、耐熱離型保護層を設けてい
ない複合管状体と比較して、耐熱性およびトナー離型性
に関してより優れたものとなるため、耐久性に優れ、長
期使用に適すようになる。そして、特に、上記耐熱離型
保護層を、フッ素樹脂またはシリコーン系材料で形成す
ることにより、ベルト定着方式の定着ベルトとして用い
た場合に、オフセット性が良好となるという利点を有す
る。
【0010】また、本発明の第1の複合管状体の製法
は、導電性ポリイミド樹脂からなる管状体の外周面に導
電性シリコーンゴム溶液または導電性フッ素ゴム溶液を
塗布し、この塗布済管状体に円筒体を外挿配置して相対
的に走行させることにより、管状外層を形成するように
したものであり、塗布むらを略完全になくすことができ
る。このため、厚みが均一で表面平滑性に優れた管状外
層が得られるという利点を有する。
【0011】さらに、本発明の第2の複合管状体の製法
は、導電性ポリイミド樹脂からなる管状体の外周面に導
電性シリコーンゴム溶液または導電性フッ素ゴム溶液を
スプレー塗布して管状外層を形成するようにしたもので
あるため、トナー定着性に優れ、トナー画像の高画質化
を実現できる複合管状体が簡単に得られるという利点を
有する。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0013】まず、本発明の複合管状体の一例を図1に
示す。この複合管状体は、導電性ポリイミド樹脂からな
る管状内層11と、導電性シリコーンゴムまたは導電性
フッ素ゴムからなる管状外層12とを備えた二層構造の
ものである。
【0014】上記導電性ポリイミド樹脂からなる管状内
層11の形成材料としては、導電性物質と、ポリイミド
前駆体溶液(ポリアミド酸溶液)とを含有する材料が用
いられる。
【0015】上記導電性物質としては、導電性を付与で
きるものであれば特に限定されるものではなく、例えば
カーボン、グラファイト、金属粉末等の導電性粉末や、
導電性を有する有機化合物、無機化合物等が用いられ
る。なかでも、得られる管状内層11の機械的特性を良
好なものとする、金属粉末等の導電性粉末を用いること
が好ましい。なお、上記導電性物質は、得られる管状内
層11の機械的特性に悪影響を与える可能性があるの
で、その選択および配合割合には充分に配慮する必要が
ある。具体的には、上記導電性物質は、上記管状内層1
1に対して、0.5〜50重量%の範囲内となるよう配
合することが好ましい。また、上記導電性物質の粒径と
しては、得られる複合管状体の摺動性を考慮して、管状
内層11の厚み以下であることが好ましい。
【0016】上記導電性物質とともに用いられるポリイ
ミド前駆体溶液は、テトラカルボン酸二無水物あるいは
その誘導体と、ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で重
合反応させることにより得られるものである。
【0017】上記テトラカルボン酸二無水物としては、
下記の一般式で表されるものがあげられる。
【0018】
【化1】
【0019】このようなテトラカルボン酸二無水物の具
体例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3′,
4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、2,2′−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,
4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレ
ンテトラカルボン酸二無水物等があげられる。
【0020】また、このようなテトラカルボン酸二無水
物と反応させるジアミン化合物の具体例としては、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメ
タン、3,3′−ジクロロベンジジン、4,4′−ジア
ミノジフェニルスルフィド−3,3′−ジアミノジフェ
ニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェ
ニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3′−
ジメチル−4,4′−ビフェニルジアミン、ベンジジ
ン、3,3′−ジメチルベンジジン、3,3′−ジメト
キシベンジジン、4,4′−ジアミノフェニルスルホ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,
4′−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β
−アミノ−第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミ
ノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メ
チル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−
(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼ
ン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミ
ン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメ
チレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチ
レンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジ
アミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチル
ヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチ
レンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−
ビス−3−アミノプロポキシエタン、2,2−ジメチル
プロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジア
ミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,
5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプ
タメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミ
ン、2,11−ジアミノドデカン、2,17−ジアミノ
エイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、
1,10−ジアミノ−1,10−ジアミノ−1,10−
ジメチルデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、ピペラジン、H2 N(CH2 3 O(C
2 2 OCH2 NH2 、H2 N(CH2 3 S(CH
2 3 NH2 、H2 N(CH2 3 N(CH3 2 (C
23 NH2 等があげられる。
【0021】上記テトラカルボン酸二無水物とジアミン
化合物を反応させる際に用いられる有機極性溶媒は、そ
の官能基がテトラカルボン酸二無水物またはジアミン化
合物と反応しない双極子を有するものである。そして、
系に対し不活性であり、かつ生成物であるポリアミド酸
に対して溶媒として作用しなければならない。しかも、
反応成分の少なくとも一方、好ましくは両者に対して溶
媒として作用しなければならない。上記有機極性溶媒と
しては、特に、N,N−ジアルキルアミド類が有用であ
り、例えばこれの低分子量のものであるN,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等があ
げられる。これらは蒸発,置換または拡散によりポリア
ミド酸およびポリアミド酸成形品から容易に除去するこ
とができる。また、上記以外の有機極性溶媒として、
N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセ
トアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメ
チレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が
あげられる。これらは単独で使用してもよいし、併せて
用いても差し支えない。さらに、上記有機極性溶媒にク
レゾール,フェノール,キシレノール等のフェノール
類、ベンゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクトン、キ
シレン、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン等を単独でもしくは併せて混合することもできるが、
水の添加は好ましくない。すなわち、水の存在によって
ポリアミド酸が加水分解して低分子量化するため、ポリ
アミド酸の合成は実質上無水条件下で行う必要がある。
【0022】上記ポリイミド前駆体溶液は、上記テトラ
カルボン酸二無水物(a)とジアミン化合物(b)とを
有機極性溶媒中で、0.5〜10時間程度反応させるこ
とにより得られる。なお、0.5時間未満であると反応
が不十分となり、10時間を超えてもそれ以上の効果が
得られないからである。また、反応時におけるモノマー
濃度〔上記溶媒中における(a)+(b)の濃度〕は種
々の要因に応じて設定できるが、通常5〜30重量%で
ある。また、反応温度は80℃以下に設定することが好
ましい。なかでも、反応温度を5〜50℃に設定するこ
とが好適である。
【0023】また、このようにして有機極性溶媒中でテ
トラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを反応させ
ると、その反応の進行に伴い溶液の粘度が上昇するが、
本発明においては対数粘度(η)が0.5以上となった
ポリイミド前駆体溶液を用いることが好ましい。すなわ
ち、対数粘度(η)が0.5以上のポリイミド前駆体溶
液を用いて形成される管状内層11は、熱劣化に対する
信頼性(耐熱性)が対数粘度0.5未満のものと比較し
て特に優れているという利点がある。なお、上記対数粘
度(η)は毛細管粘度計を用いてポリイミド前駆体溶液
と溶媒の落下時間を各々測定し、下記の数式(1)によ
り算出される値である。
【0024】
【数1】
【0025】このようにして得られたポリイミド前駆体
溶液中に、前記導電性物質を添加して、ボールミル、三
本ロール等にて均一に混合することにより、導電性ポリ
イミド前駆体溶液を調製することができる。なお、予め
上記有機極性溶媒中に導電性物質を含有させ、この導電
性物質含有有機極性溶媒中で、テトラカルボン酸二無水
物とジアミン化合物とを反応させるようにしてもよい。
この方法によれば、反応終了と同時に、導電性ポリイミ
ド前駆体溶液を得ることができるという利点がある。
【0026】上記導電性ポリイミド前駆体溶液は、使用
する際、粘度が高い場合には適当な溶媒で希釈して粘度
を低くして用いる。上記導電性ポリイミド前駆体溶液の
粘度は、塗布厚み、シリンダの内径、溶液温度、走行体
の形状等に応じて設定されるが、通常、10〜1000
0ポイズ(塗布作業時の温度で、B型粘度計での測定
値)の範囲に設定されることが好ましい。また、導電性
ポリイミド前駆体溶液中のポリアミド酸濃度は、効果の
点から、すでに述べたように5〜30重量%の範囲に設
定することが好ましく、特に好ましくは10〜20重量
%の範囲である。
【0027】上記管状内層11の外周面に形成される管
状外層12の形成材料としては、導電性シリコーンゴム
または導電性フッ素ゴムが用いられる。
【0028】上記導電性シリコーンゴムとしては、特に
限定されるものではないが、液状のものが好適に用いら
れ、例えば市販されている熱硬化性シリコーンゴム(シ
リコーンRTVゴム)等のシリコーンゴムに導電性物質
を配合したものがあげられる。
【0029】上記導電性フッ素ゴムとしては、特に限定
されるものではないが、溶液状(ディスパージョンを含
む)のものが好適に用いられ、例えば市販されているF
KM(VDF−HFP系フッ素ゴムの二次元系および三
次元系共重合体)系ラテックス等のフッ素ゴムに導電性
物質を配合したものがあげられる。
【0030】上記シリコーンゴムおよびフッ素ゴムに配
合する導電性物質としては、前記管状内層11の形成材
料として用いる導電性物質と同様のものがあげられる。
なかでも、管状外層12の機械的特性を良好なものとす
る、金属粉末等の導電性粉末を用いることが好ましい。
なお、上記導電性物質は、得られる管状外層12の機械
的特性に悪影響を与える可能性があるので、その選択お
よび配合割合には充分に配慮する必要がある。具体的に
は、上記導電性物質は、上記管状外層12に対して、
0.5〜50重量%の範囲内となるよう配合することが
好ましい。また、上記導電性物質の粒径としては、得ら
れる複合管状体の摺動性を考慮して、管状外層12の厚
み以下であることが好ましい。
【0031】本発明の複合管状体は、上記各材料を用
い、例えばつぎのようして製造することができる。すな
わち、まず従来の方法にしたがって導電性ポリイミド樹
脂製管状体(管状内層11に相当)を作製する。上記導
電性ポリイミド樹脂製管状体は、例えば、上記導電性ポ
リイミド前駆体溶液をシリンダの周面に均一に塗布し、
これをイミド転化したのちシリンダから取り出すことに
よって得られる。
【0032】上記塗布方法としては、上記導電性物質含
有ポリイミド前駆体溶液中に上記シリンダを浸漬して引
き上げる方法や、シリンダの片端部付近に導電性ポリイ
ミド前駆体溶液を供給したのちこのシリンダと一定のク
リアランスを有する走行体を走行させる方法があげられ
る。また、シリンダと一定のクリアランスを有する孔内
に、導電性ポリイミド前駆体溶液が全面または一部に供
給されたシリンダを通過させる方法や、導電性ポリイミ
ド前駆体溶液をシリンダの周面にスプレー塗布する方法
を用いてもよい。これらは、状況等に応じて適宜に選択
される。
【0033】なお、上記導電性ポリイミド前駆体溶液を
シリンダの片端に供給した後、シリンダ内を走行させる
際に用いる走行体としては、例えば、金属製、硬質プラ
スチック製、硬質ガラス製等のものを用いることができ
る。そして、この走行は、圧縮空気、ガス爆発等により
走行体を押す方法、牽引ワイヤー等により牽引する方
法、減圧法あるいは自重走行法(シリンダを垂直にた
て、走行体をその自重により下方に走行させる)等によ
り行うことができる。この走行をいずれの方法で行うに
しても、塗布厚みを均一にするため、シリンダを垂直あ
るいは水平に維持することが好ましい。また、シリンダ
自体や走行体自体を、上記走行に際して回転させること
もできる。
【0034】また、シリンダ周面に塗布された導電性ポ
リイミド前駆体溶液のイミド転化は、加熱によって行わ
れる。なお、上記加熱により、イミド転化とともに溶媒
の除去がなされる。上記加熱温度は、特に限定するもの
ではなく適宜に設定することができるが、まず、80〜
180℃程度の低温で加熱して溶媒を蒸発除去し、つい
で250〜400℃程度に昇温してイミド転化を終了す
るという多段加熱法を用いるのが好ましい。加熱時の所
要時間は加熱温度に応じて適宜に設定するが、通常、低
温加熱およびその後の高温加熱とも20〜60分程度で
ある。このような多段加熱法を用いれば、イミド転化に
伴い発生する閉環水や溶媒の蒸発に起因する導電性ポリ
イミド樹脂製管状体における微小ボイドの発生を防止で
きる。
【0035】上記イミド転化によって得られた導電性ポ
リイミド樹脂製管状体をシリンダ周面から剥離する作業
は、例えばシリンダの壁に小さな貫通孔を予め設けてお
き、この孔に空気を圧送してその圧力で導電性ポリイミ
ド樹脂製管状体をシリンダ壁から剥離させる方法等によ
り行うことができる。このようにして得られた導電性ポ
リイミド樹脂製管状体の厚みは、画像形成装置への組み
込み等を考慮して、10〜150μmの範囲に設定され
ていることが好ましい。
【0036】つぎに、上記導電性ポリイミド樹脂製管状
体の外周面に導電性シリコーンゴム溶液または導電性フ
ッ素ゴム溶液を塗布する。なお、塗布作業の際、上記導
電性ポリイミド樹脂製管状体の内側に、形状保持のため
のシリンダを嵌挿してもよい。そして、上記溶液の塗布
された導電性ポリイミド樹脂製管状体に円筒体を外挿配
置させ、その状態から、上記円筒体または導電性ポリイ
ミド樹脂製管状体を走行させるか、もしくは上記両者を
互いに反対方向に走行させて塗布厚みを均一にする。そ
して、導電性シリコーンゴム溶液塗布の場合は、温度2
0〜150℃で1〜24時間放置して硬化させることに
より導電性シリコーンゴムからなる管状外層が形成され
た複合管状体を得る。また、導電性フッ素ゴム溶液塗布
の場合は、温度80〜150℃で10〜30分間加熱し
て溶媒を除去し、ついで温度200〜350℃で1〜6
0分間加熱することにより導電性フッ素ゴムからなる管
状外層が形成された複合管状体を得る。上記導電性シリ
コーンゴム製管状外層および導電性フッ素ゴム製管状外
層の厚みは、画像形成装置への組み込み等を考慮して、
1〜300μmの範囲に設定されていることが好まし
い。
【0037】なお、本発明の複合管状体は、他の製法に
よっても得ることができる。すなわち、前述と同様の方
法により得られた導電性ポリイミド樹脂製管状体の外周
面に、導電性シリコーンゴム溶液または導電性フッ素ゴ
ム溶液をスプレーガン等でスプレーコートして均一に塗
布する。ついで、導電性シリコーンゴム溶液塗布の場合
は、温度20〜150℃で1〜24時間放置して硬化さ
せることにより導電性シリコーンゴムからなる管状外層
が形成された複合管状体を得る。また、導電性フッ素ゴ
ム溶液塗布の場合は、温度80〜150℃で10〜30
分間加熱して溶媒を除去し、ついで温度200〜350
℃で1〜60分間加熱することにより導電性フッ素ゴム
からなる管状外層が形成された複合管状体を得る。な
お、上記スプレーコートに用いられるガンは特に限定さ
れるものではないが、均一に塗布するには、ノズル径は
小さい方が好ましく、通常、ノズル径0.1〜2.0m
mのものが用いられる。また、通常、スプレー圧は1.
0〜5.0kg/cm2 の範囲に設定される。すなわ
ち、スプレー圧が低すぎるとスプレー塗布された溶液の
乾きが悪くなり形成される管状外層にクラックやピンホ
ールを生じやすく、逆にスプレー圧が高くなりすぎると
ノズル先端に溶液の詰まりが発生しやすく塗布作業の観
点から好ましくない。
【0038】このようにして、導電性ポリイミド樹脂か
らなる管状内層11と、導電性シリコーンゴムまたは導
電性フッ素ゴムのいずれか一方からなる管状外層12の
二層からなる、図1に示す複合管状体が得られる。
【0039】上記管状内層11の表面抵抗は、101
108 Ω/□(Ω/cm2 )の範囲に設定されていなけ
ればならない。より好ましくは102 〜107 Ω/□
(Ω/cm2 )の範囲である。すなわち、表面抵抗が上
記範囲内であると、管状外層12の残存電荷を効果的に
逃がすことができ、より良好なトナー画像を得ることが
できる。
【0040】上記管状外層12の表面抵抗は、105
1012Ω/□(Ω/cm2 )の範囲に設定されていなけ
ればならない。より好ましくは、106 〜1011Ω/□
(Ω/cm2 )の範囲である。すなわち、表面抵抗が上
記範囲内であると、摩擦により発生する静電荷を効果的
に逃がすことができ、高画質なトナー画像を得ることが
できる。
【0041】このようにして得られた複合管状体は、特
定の表面抵抗を有する導電性ポリイミド樹脂からなる管
状内層と、特定の表面抵抗を有する導電性シリコーンゴ
ムからなる管状外層または特定の表面抵抗を有する導電
性フッ素ゴムからなる管状外層を有しているため、トナ
ー定着性に優れている。このため、高画質化が要求され
る画像形成装置の定着ベルト等に極めて有用である。
【0042】また、本発明の複合管状体は、上記二層構
造に限定されるものではなく、三層以上の構造であって
もよい。例えば、図2に示すように上記二層構造の複合
管状体の内周面に、導電性物質を含有していないポリイ
ミド樹脂からなるポリイミド樹脂製管状層13が設けら
れた三層構造であってもよい。そして、この三層構造の
複合管状体は、例えば、つぎのようにして作製される。
すなわち、まず導電性物質を含有していないポリイミド
前駆体溶液をシリンダの周面に塗布する。塗布方法とし
ては、前述の導電性ポリイミド前駆体溶液の塗布方法と
同様の方法が採用される。そして、塗布されたポリアミ
ド酸を加熱することによりイミド化する。このイミド化
における加熱は、まず温度80〜180℃で20〜60
分間加熱して溶媒を除去する。その後、冷却して上記シ
リンダから取り出す。そして、得られたポリイミド樹脂
製管状体(ポリイミド樹脂製管状層13に相当)の外周
面に導電性ポリイミド前駆体溶液をスプレー塗布し、つ
いで温度250〜400℃で20〜60分間加熱するこ
とにより、ポリイミド樹脂製管状層13の外周面に導電
性ポリイミド樹脂製管状内層11を形成する。そして、
この管状内層11の外周面に、前述と同様にして導電性
シリコーンゴムまたは導電性フッ素ゴムからなる管状外
層12を形成することにより、三層構造の複合管状体を
得ることができる。この場合は、上記ポリイミド樹脂製
管状層13の厚みは、10〜150μmの範囲に設定さ
れ、導電性ポリイミド樹脂からなる管状内層11の厚み
は、0.5〜100μmの範囲に設定されていることが
好ましい。
【0043】さらに、本発明の複合管状体は、図3の
(A)に示すように、上記複合管状体の管状外層12の
外周面に、耐熱離型性保護層14が設けられたものであ
ってもよい。もちろん、図3の(B)に示すように、三
層構造の複合管状体の管状外層12の外周面に、上記耐
熱離型性保護層14を設けて四層構造にすることもでき
る。このように耐熱離型性保護層14を設けると、画像
形成装置の定着ベルトとして使用した際のオフセット性
がより優れたものとなり、紙詰まりが生じにくいものと
なる。
【0044】上記耐熱離型性保護層14の形成材料とし
ては、耐熱性およびトナー離型性を付与できるものであ
れば特に限定されるものではないが、フッ素樹脂、シリ
コーン系材料等が用いられる。上記フッ素樹脂として
は、溶液状(ディスパージョンも含む)のものが好まし
く、例えば、市販されているポリフッ化エチレン樹脂
(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン
共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン−パーフロロ
アルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)等の溶液
(ディスパージョンを含む)が用いられる。なかでも、
ディスパージョン状態のものが好適に用いられる。上記
シリコーン系材料としては、溶液状のものが好ましく、
例えば、市販されているストレートシリコーンレジン、
シリコーン変性有機レジン、室温硬化型レジン系コーテ
ィング剤、室温硬化型ゴム系コーティング剤、加熱硬化
型ゴム系コーティング剤、フレキシブルコーティング剤
等が用いられる。
【0045】なお、本発明の複合管状体の製法におい
て、導電性ポリイミド前駆体溶液を用いているが、有機
極性溶媒可溶性のポリイミド樹脂が既に知られているの
で、このようなポリイミド樹脂溶液に導電性物質を添加
した導電性ポリイミド樹脂溶液を用いて導電性ポリイミ
ド樹脂製管状体を形成することもできる。ポリイミド樹
脂溶液を使用すれば、当然のことながらイミド転化は不
要となる。
【0046】また、上記複合管状体を製造する際に、管
状内層11、管状外層12等の各層間の接着強度を向上
させるため、少なくとも一方の層表面に公知の接着処
理、例えばアルカリ処理、プライマ処理、超音波処理、
エッチング処理等のウェット処理、コロナ処理、プラズ
マ処理、紫外線(UV)照射処理、電子線照射処理、レ
ーザー処理等のドライ処理を施してもよい。
【0047】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0048】
【実施例1】3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンの略等モ
ルを、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」と
略す)に溶解し(モノマー濃度20重量%)、温度20
℃で5時間反応させて回転粘度35000ポイズ(B型
粘度計にて測定)、対数粘度2.8のポリアミド酸溶液
を作製した。ついで、この溶液100重量部に対して、
NMPを33重量部添加して希釈し、さらに50℃に加
温して粘度2100ポイズのポリアミド酸溶液に調製し
た。
【0049】上記ポリアミド酸溶液を、内径50mm、
肉厚5mm、長さ500mmで内周面を平滑に仕上げら
れたステンレス製シリンダの内周面に塗布し、外径4
9.4mmの弾丸状走行体を用いて自重走行法により速
度50mm/分で走行させて、ポリアミド酸溶液をシリ
ンダ内周面に均一に塗布した。塗布した後、温度70℃
で60分間乾燥させ、さらに70℃から300℃まで
0.8℃/分の速度で昇温した。その後、温度300℃
で60分間加熱して溶媒の除去、閉環水の除去、イミド
化を行い、室温まで冷却してポリイミド樹脂製管状体を
得た。
【0050】ついで、シリンダ両端開口部を栓して、予
めシリンダ開口部付近に設けられた小貫通孔から空気を
圧送することによって、ポリイミド樹脂製管状体をシリ
ンダから剥離し取り出した。なお、上記ポリイミド樹脂
製管状体は、両端を切捨て、外径50mm、内径49.
94mm、長さ450mm、厚み30μmのポリイミド
樹脂製管状体とした。
【0051】このようにして得られたポリイミド樹脂製
管状体の外周面に、上記で得られたポリアミド酸溶液の
固形分に対して15重量%になるようカーボン(バルカ
ンXC−72、バルカン社製)を添加し、さらにNMP
を加えて溶液の濃度が8重量%になるよう希釈して調製
した導電性ポリアミド酸溶液を均一にスプレーコートし
た。スプレーコート後、温度150℃で30分間加熱
し、さらに温度400℃で10分間加熱した後、冷却し
てポリイミド樹脂製管状体の外周面に導電性ポリイミド
樹脂製管状体が形成された二層構造の管状体を得た。な
お、上記導電性ポリイミド樹脂製管状層の厚みは1μm
で表面抵抗は3×104 Ω/□であった。
【0052】この二層構造の管状体を、外径49.92
mm、肉厚5mm、長さ500mmで外周面を平滑に仕
上げたステンレス製シリンダの外周に嵌挿した。そし
て、上記二層構造の管状体における導電性ポリイミド樹
脂製管状体の外周面に、導電性酸化チタン(FT−20
00、石原産業社製)が30重量%配合されたRTVシ
リコーンゴム(KE−1833、信越化学工業社製)を
塗布した。この際、シリンダに嵌挿した二層構造の管状
体の外周面に沿って、内径50.2mmの円筒状の走行
体を用いて自重走行法により速度50mm/分で走行さ
せ導電性シリコーンゴム溶液を上記二層構造の管状体の
外周面に均一に塗布した。塗布した後、温度120℃で
10分間加熱し、さらに温度180℃で30分間加熱し
て二層構造の管状体の外周面に導電性シリコーンゴムか
らなる管状外層を設けた三層構造の複合管状体を得た。
この複合管状体の総厚みは121μmであり、そのうち
管状外層の厚みは90μmであった。また、管状外層の
表面抵抗は4×107 Ω/□であった。
【0053】さらに、上記三層構造の複合管状体の外周
面に、シリコーンレジン(SR2306、東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン社製)を均一にスプレーコート
し、温度110℃で30分間加熱して、厚み5μmのシ
リコーンレジンからなる耐熱離型保護層を形成した。こ
のようにして、四層構造からなる複合管状体を得た。
【0054】上記四層構造の複合管状体を、図5に示す
ようなカラー画像定着装置の定着ベルト10として用い
たところ、トナーの定着性が良好なカラー定着システム
が得られ、これによって得られたトナー画像は品質の優
れたものであった。
【0055】
【実施例2】NMPにポリアミド酸溶液の固形分に対し
て15重量%になるようカーボン(バルカンXC−7
2、バルカン社製)を添加し、ボールミルで12時間分
散させたNMP溶液中に3,3′,4,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミ
ンの略等モルを添加し(モノマー濃度20重量%)、温
度20℃で5時間反応させて回転粘度35000ポイズ
(B型粘度計にて測定)、対数粘度2.8の導電性ポリ
アミド酸溶液を作製した。ついで、この溶液100重量
部に対して、NMPを33重量部添加して希釈し、さら
に50℃に加温して粘度2600ポイズの導電性ポリア
ミド酸溶液を調製した。
【0056】上記導電性ポリアミド酸溶液を、内径50
mm、肉厚5mm、長さ500mmで内周面を平滑に仕
上げられたステンレス製シリンダの内周面に塗布し、外
径49.4mmの弾丸状走行体を用いて自重走行法によ
り速度50mm/分で走行させて、導電性ポリアミド酸
溶液をシリンダ内周面に均一に塗布した。塗布した後、
温度70℃で60分間乾燥させ、さらに70℃から30
0℃まで0.8℃/分の速度で昇温した。その後、温度
300℃で60分間加熱して溶媒の除去、閉環水の除
去、イミド化を行い、室温まで冷却して導電性ポリイミ
ド樹脂製管状体を得た。
【0057】ついで、シリンダ両端開口部を栓して、予
めシリンダ開口部付近に設けられた小貫通孔から空気を
圧送することによって、導電性ポリイミド樹脂製管状体
をシリンダから剥離し取り出した。なお、上記導電性ポ
リイミド樹脂製管状体は、両端を切捨て、外径50m
m、内径49.94mm、長さ450mm、厚み30μ
mの導電性ポリイミド樹脂製管状体とした。なお、上記
導電性ポリイミド樹脂製管状体の表面抵抗は1×104
Ω/□であった。
【0058】この導電性ポリイミド樹脂製管状体を、外
径49.92mm、肉厚5mm、長さ500mmで外周
面を平滑に仕上げたステンレス製シリンダの外周に嵌挿
した。そして、上記導電性ポリイミド樹脂製管状体の外
周面に、導電性酸化チタン(FT−2000、石原産業
社製)が30重量%配合されたRTVシリコーンゴム
(KE−1833、信越化学工業社製)を塗布した。こ
の際、シリンダに嵌挿した導電性ポリイミド樹脂製管状
体の外周面に沿って、内径50.2mmの円筒状の走行
体を用いて自重走行法により速度50mm/分で走行さ
せ導電性シリコーンゴム溶液を上記導電性ポリイミド樹
脂製管状体の外周面に均一に塗布した。塗布した後、温
度120℃で10分間加熱し、さらに温度180℃で3
0分間加熱して導電性ポリイミド樹脂製管状体の外周面
に導電性シリコーンゴムからなる管状外層を設けた二層
構造の複合管状体を得た。この複合管状体の総厚みは1
20μmであり、そのうち管状外層の厚みは90μmで
あった。また、管状外層の表面抵抗は2×107 Ω/□
であった。
【0059】さらに、上記二層構造の複合管状体の外周
面に、シリコーンレジン(SR2306、東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン社製)を均一にスプレーコート
し、温度110℃で30分間加熱して、厚み5μmのシ
リコーンレジンからなる耐熱離型保護層を形成した。こ
のようにして、三層構造からなる複合管状体を得た。
【0060】上記三層構造の複合管状体を、図5に示す
ようなカラー画像定着装置の定着ベルト10として用い
たところ、トナーの定着性が良好なカラー定着システム
が得られ、これによって得られたトナー画像は品質の優
れたものであった。
【0061】
【実施例3】実施例1と同様にして作製した二層構造の
管状体の外周面に、導電性酸化チタン(FT−200
0、石原産業社製)が30重量%配合され、かつ固形分
濃度が30重量%になるようトルエンを用いて希釈して
調製された導電性シリコーンゴム溶液を、スプレーガン
にて均一にスプレーコートした。スプレーコートした
後、温度120℃で10分間加熱し、さらに温度180
℃で30分間加熱して二層構造の管状体の外周面に導電
性シリコーンゴムからなる管状外層が形成された三層構
造の複合管状体を得た。この複合管状体の総厚みは12
1μmであり、管状外層の厚みは90μmであった。ま
た、管状外層の表面抵抗は4×107 Ω/□であった。
【0062】さらに、上記三層構造の複合管状体の外周
面に、シリコーンレジン(SR2306、東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン社製)を均一にスプレーコート
し、温度110℃で30分間加熱して、厚み5μmのシ
リコーンレジンからなる耐熱離型保護層を形成した。こ
のようにして、四層構造からなる複合管状体を得た。
【0063】上記四層構造の複合管状体を、図5に示す
ようなカラー画像定着装置の定着ベルト10として用い
たところ、トナーの定着性が良好なカラー定着システム
が得られ、これによって得られたトナー画像は品質の優
れたものであった。
【0064】
【実施例4】実施例1と同様にして作製した二層構造の
管状体の外周面に、フッ素ゴム溶液(ダイエルラテック
ス、GLS−213、ダイキン社製)にカーボンブラッ
クディスパージョン(W−311N、ライオン社製、固
形分濃度16.5重量%、平均粒径0.35μm、フッ
素ゴム固形分に対して2.5重量%)を混合した導電性
フッ素ゴム溶液を、エアースプレーガンにて均一にスプ
レーコートした。スプレーコートした後、温度100℃
で15分間加熱して、さらに100℃から300℃まで
2℃/分の速度で昇温し、それから温度300℃で5分
間加熱した。その後、室温まで冷却して上記二層構造の
管状体の外周面に導電性フッ素ゴムからなる管状外層が
形成された三層構造の複合管状体を得た。この複合管状
体の総厚みは90μmであり、そのうち管状外層の厚み
は60μmであった。また、管状外層の表面抵抗は、2
×108 Ω/□であった。
【0065】上記三層構造の複合管状体を、図5に示す
ようなカラー画像定着装置の定着ベルト10として用い
たところ、トナーの定着性が良好なカラー定着システム
が得られ、これによって得られたトナー画像は品質に優
れたものであった。
【0066】
【実施例5】実施例2と同様にして作製した導電性ポリ
イミド樹脂製管状体の外周面に、フッ素ゴム溶液(ダイ
エルラテックス、GLS−213、ダイキン社製)にカ
ーボンブラックディスパージョン(W−311N、ライ
オン社製、固形分濃度16.5重量%、平均粒径0.3
5μm、フッ素ゴム固形分に対して2.5重量%)を混
合した導電性フッ素ゴム溶液を、エアースプレーガンに
て均一にスプレーコートした。スプレーコートした後、
温度100℃で15分間加熱して、さらに100℃から
300℃まで2℃/分の速度で昇温し、それから温度3
00℃で5分間加熱した。その後、室温まで冷却して上
記導電性ポリイミド樹脂製管状体の外周面に導電性フッ
素ゴムからなる管状外層が形成された二層構造の複合管
状体を得た。この複合管状体の総厚みは90μmであ
り、そのうち管状外層の厚みは60μmであった。ま
た、管状外層の表面抵抗は、5×108 Ω/□であっ
た。
【0067】さらに、上記二層構造の複合管状体の外周
面に、シリコーンレジン(SR2306、東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン社製)を均一にスプレーコート
し、温度110℃で30分間加熱して、厚み5μmのシ
リコーンレジンからなる耐熱離型保護層を形成した。こ
のようにして、三層構造からなる複合管状体を得た。
【0068】上記三層構造の複合管状体を、図5に示す
ようなカラー画像定着装置の定着ベルト10として用い
たところ、トナーの定着性が良好なカラー定着システム
が得られ、これによって得られたトナー画像は品質に優
れたものであった。
【0069】
【実施例6】NMPにポリアミド酸溶液の固形分に対し
て20重量%になるようカーボン(バルカンXC−7
2、バルカン社製)を添加し、ボールミルで12時間分
散させたNMP溶液中に3,3′,4,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミ
ンの略等モルを添加し(モノマー濃度20重量%)、温
度20℃で5時間反応させて回転粘度35000ポイズ
(B型粘度計にて測定)、対数粘度2.8の導電性ポリ
アミド酸溶液を作製した。ついで、この溶液100重量
部に対して、NMPを33重量部添加して希釈し、さら
に50℃に加温して粘度2600ポイズの導電性ポリア
ミド酸溶液を調製した。
【0070】上記導電性ポリアミド酸溶液を、内径50
mm、肉厚5mm、長さ500mmで内周面を平滑に仕
上げられたステンレス製シリンダの内周面に塗布し、外
径49.4mmの弾丸状走行体を用いて自重走行法によ
り速度50mm/分で走行させて、導電性ポリアミド酸
溶液をシリンダ内周面に均一に塗布した。塗布した後、
温度70℃で60分間乾燥させ、さらに70℃から30
0℃まで0.8℃/分の速度で昇温した。その後、温度
300℃で60分間加熱して溶媒の除去、閉環水の除
去、イミド化を行い、室温まで冷却して導電性ポリイミ
ド樹脂製管状体を得た。
【0071】ついで、シリンダ両端開口部を栓して、予
めシリンダ開口部付近に設けられた小貫通孔から空気を
圧送することによって、導電性ポリイミド樹脂製管状体
をシリンダから剥離し取り出した。なお、上記導電性ポ
リイミド樹脂製管状体は、両端を切捨て、外径50m
m、内径49.94mm、長さ450mm、厚み30μ
mの導電性ポリイミド樹脂製管状体とした。なお、上記
導電性ポリイミド樹脂製管状体の表面抵抗は1×101
Ω/□であった。
【0072】この導電性ポリイミド樹脂製管状体を、外
径49.92mm、肉厚5mm、長さ500mmで外周
面を平滑に仕上げたステンレス製シリンダの外周に嵌挿
した。そして、上記導電性ポリイミド樹脂製管状体の外
周面に、導電性酸化チタン(FT−2000、石原産業
社製)が40重量%配合されたRTVシリコーンゴム
(KE−1833、信越化学工業社製)を塗布した。こ
の際、シリンダに嵌挿した導電性ポリイミド樹脂製管状
体の外周面に沿って、内径50.2mmの円筒状の走行
体を用いて自重走行法により速度50mm/分で走行さ
せ導電性シリコーンゴム溶液を上記導電性ポリイミド樹
脂製管状体の外周面に均一に塗布した。塗布した後、温
度120℃で10分間加熱し、さらに温度180℃で3
0分間加熱して導電性ポリイミド樹脂製管状体の外周面
に導電性シリコーンゴムからなる管状外層を設けた二層
構造の複合管状体を得た。この複合管状体の総厚みは1
20μmであり、そのうち管状外層の厚みは90μmで
あった。また、管状外層の表面抵抗は1×105 Ω/□
であった。
【0073】さらに、上記二層構造の複合管状体の外周
面に、シリコーンレジン(SR2306、東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン社製)を均一にスプレーコート
し、温度110℃で30分間加熱して、厚み5μmのシ
リコーンレジンからなる耐熱離型保護層を形成した。こ
のようにして、三層構造からなる複合管状体を得た。
【0074】上記三層構造の複合管状体を、図5に示す
ようなカラー画像定着装置の定着ベルト10として用い
たところ、トナーの定着性が良好なカラー定着システム
が得られ、これによって得られたトナー画像は品質の優
れたものであった。
【0075】
【実施例7】NMPにポリアミド酸溶液の固形分に対し
て80重量%になるようカーボン(バルカンXC−7
2、バルカン社製)を添加し、ボールミルで12時間分
散させたNMP溶液中に3,3′,4,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミ
ンの略等モルを添加し(モノマー濃度20重量%)、温
度20℃で5時間反応させて回転粘度35000ポイズ
(B型粘度計にて測定)、対数粘度2.8の導電性ポリ
アミド酸溶液を作製した。ついで、この溶液100重量
部に対して、NMPを33重量部添加して希釈し、さら
に50℃に加温して粘度2600ポイズの導電性ポリア
ミド酸溶液を調製した。
【0076】上記導電性ポリアミド酸溶液を、内径50
mm、肉厚5mm、長さ500mmで内周面を平滑に仕
上げられたステンレス製シリンダの内周面に塗布し、外
径49.4mmの弾丸状走行体を用いて自重走行法によ
り速度50mm/分で走行させて、導電性ポリアミド酸
溶液をシリンダ内周面に均一に塗布した。塗布した後、
温度70℃で60分間乾燥させ、さらに70℃から30
0℃まで0.8℃/分の速度で昇温した。その後、温度
300℃で60分間加熱して溶媒の除去、閉環水の除
去、イミド化を行い、室温まで冷却して導電性ポリイミ
ド樹脂製管状体を得た。
【0077】ついで、シリンダ両端開口部を栓して、予
めシリンダ開口部付近に設けられた小貫通孔から空気を
圧送することによって、導電性ポリイミド樹脂製管状体
をシリンダから剥離し取り出した。なお、上記導電性ポ
リイミド樹脂製管状体は、両端を切捨て、外径50m
m、内径49.94mm、長さ450mm、厚み30μ
mの導電性ポリイミド樹脂製管状体とした。なお、上記
導電性ポリイミド樹脂製管状体の表面抵抗は1×108
Ω/□であった。
【0078】この導電性ポリイミド樹脂製管状体を、外
径49.92mm、肉厚5mm、長さ500mmで外周
面を平滑に仕上げたステンレス製シリンダの外周に嵌挿
した。そして、上記導電性ポリイミド樹脂製管状体の外
周面に、導電性酸化チタン(FT−2000、石原産業
社製)が20重量%配合されたRTVシリコーンゴム
(KE−1833、信越化学工業社製)を塗布した。こ
の際、シリンダに嵌挿した導電性ポリイミド樹脂製管状
体の外周面に沿って、内径50.2mmの円筒状の走行
体を用いて自重走行法により速度50mm/分で走行さ
せ導電性シリコーンゴム溶液を上記導電性ポリイミド樹
脂製管状体の外周面に均一に塗布した。塗布した後、温
度120℃で10分間加熱し、さらに温度180℃で3
0分間加熱して導電性ポリイミド樹脂製管状体の外周面
に導電性シリコーンゴムからなる管状外層を設けた二層
構造の複合管状体を得た。この複合管状体の総厚みは1
20μmであり、そのうち管状外層の厚みは90μmで
あった。また、管状外層の表面抵抗は1×1012Ω/□
であった。
【0079】さらに、上記二層構造の複合管状体の外周
面に、シリコーンレジン(SR2306、東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン社製)を均一にスプレーコート
し、温度110℃で30分間加熱して、厚み5μmのシ
リコーンレジンからなる耐熱離型保護層を形成した。こ
のようにして、三層構造からなる複合管状体を得た。
【0080】上記三層構造の複合管状体を、図5に示す
ようなカラー画像定着装置の定着ベル10として用いた
ところ、トナーの定着性が良好なカラー定着システムが
得られ、これによって得られたトナー画像は品質の優れ
たものであった。
【0081】
【比較例1】実施例1と同様にして作製した二層構造の
管状体の外周面に、フッ素樹脂用プライマをエアースプ
レーガンにて均一にスプレーコートした。スプレーコー
トした後、10分間風乾し、さらに温度100℃で30
分間乾燥した。このようにして二層構造の管状体の外周
面にフッ素樹脂製プライマー層を形成した。そして、上
記フッ素樹脂製プライマー層の外周面にフッ素樹脂ディ
スパージョン(TE−334J、デュポン社製、固形分
濃度60%)にカーボンブラックディスパージョン(W
−311N、ライオン社製、固形分濃度16.5重量
%、平均粒径0.35μm、フッ素樹脂に対して固形分
濃度5重量%)を混合した導電性フッ素樹脂溶液をエア
ースプレーガンにて均一にスプレーコートした。スプレ
ーコート後、10分間風乾し、温度100℃で10分間
加熱し、さらに温度400℃で5分間加熱した。このよ
うにして外周面に導電性フッ素樹脂層を有する塗布むら
のない四層構造の複合管状体を得た。なお、スプレーコ
ートは吐出量を少なくし、エアー圧2kg/cm2 以上
に設定して5回繰り返してスプレーコートし、所定の厚
みとした。
【0082】上記複合管状体を、図5に示すようなカラ
ー画像定着装置の定着ベルト10として用いたところ、
トナーの定着性が悪くトナーの溶解不良でトナー粒子間
にエアーギャップが生じ、空気との界面での光の散乱に
よりトナー色素本来の色調が損なわれた画像が得られ
た。
【0083】
【発明の効果】以上のように、本発明の複合管状体は、
導電性ポリイミド樹脂からなる特定の表面抵抗を有する
管状内層と、導電性シリコーンゴムまたは導電性フッ素
ゴムからなる特定の表面抵抗を有する管状外層とを設け
ている。このため、従来の複合管状体に比較して、全体
としての柔軟性に優れており、また、上記管状内層およ
び管状外層の表面抵抗が特定の範囲に設定されているた
め、この複合管状体との摩擦により発生する静電荷の除
電を即座に行うことができる。したがって、本発明の複
合管状体を画像形成装置に組み込んで用いた場合、トナ
ー定着性が良好となって、得られる画像の高画質化を実
現できる。
【0084】また、上記複合管状体の管状外層の外周面
に耐熱離型保護層を形成すると、耐熱性およびトナー離
型性に関してより優れたものとなるため、長期に渡って
使用することができるという利点を有する。
【0085】特に、上記耐熱離型保護層を、フッ素樹脂
またはシリコーン系材料で形成すると、定着ベルトとし
て使用した際のオフセット性が良好となり、紙詰まり等
の不具合を生じにくいものとなるという利点を有する。
【0086】また、本発明の第1の複合管状体の製法
は、導電性ポリイミド樹脂からなる管状体の外周面に導
電性シリコーンゴム溶液または導電性フッ素ゴム溶液を
塗布し、この塗布済管状体に円筒体を外挿配置して相対
的に走行させることにより、管状外層を形成するように
したものであるため、塗布むらがなく、それゆえ厚みが
均一で表面が平滑な管状外層を有する複合管状体を得る
ことができる。また、このようにして得られた複合管状
体は、トナー定着性に優れ、それゆえ高画質なトナー画
像が得られるという利点を有する。
【0087】さらに、本発明の第2の複合管状体の製法
は、導電性ポリイミド樹脂からなる管状体の外周面に導
電性シリコーンゴム溶液または導電性フッ素ゴム溶液を
スプレー塗布して管状外層を形成するようにしたもの
で、トナー定着性に優れ、トナー画像の高画質化を実現
できる複合管状体が簡単に得られるという利点を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合管状体の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の複合管状体の他の例を示す断面図であ
る。
【図3】(A)および(B)は、ともに本発明の複合管
状体のさらに他の例を示す断面図である。
【図4】熱ローラ定着法の説明図である。
【図5】定着ベルトを使用した定着法の説明図である。
【符号の簡単な説明】
11 管状内層 12 管状外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 15/20 103 G03G 15/20 103

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性ポリイミド樹脂からなる管状内層
    と、この管状内層の外周面に導電性シリコーンゴムまた
    は導電性フッ素ゴムからなる管状外層が設けられた少な
    くとも二層からなる複合管状体であって、上記管状内層
    の表面抵抗が、101 〜108 Ω/□の範囲に設定さ
    れ、かつ上記管状外層の表面抵抗が、105 〜1012Ω
    /□の範囲に設定されていることを特徴とする複合管状
    体。
  2. 【請求項2】 上記管状外層の外周面に、耐熱離型保護
    層が設けられている請求項1記載の複合管状体。
  3. 【請求項3】 上記耐熱離型保護層が、フッ素樹脂また
    はシリコーン系材料で形成されている請求項2記載の複
    合管状体。
  4. 【請求項4】 導電性ポリイミド樹脂からなる管状体の
    外周面に導電性シリコーンゴム溶液または導電性フッ素
    ゴム溶液を塗布した後、この塗布済管状体に円筒体を外
    挿配置して上記塗布済管状体に対して円筒体を相対的に
    走行させ、これにより上記管状体の外周面に導電性シリ
    コーンゴムまたは導電性フッ素ゴムからなる管状外層を
    形成することを特徴とする複合管状体の製法。
  5. 【請求項5】 導電性ポリイミド樹脂からなる管状体の
    外周面に導電性シリコーンゴム溶液または導電性フッ素
    ゴム溶液をスプレー塗布して上記管状体の外周面に導電
    性シリコーンゴムまたは導電性フッ素ゴムからなる管状
    外層を形成することを特徴とする複合管状体の製法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002072698A (ja) * 2000-08-28 2002-03-12 Hokushin Ind Inc 転写ベルト
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