JPH10301977A - 電磁界強度算出装置及び方法並びにプログラム記憶媒体 - Google Patents
電磁界強度算出装置及び方法並びにプログラム記憶媒体Info
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- JPH10301977A JPH10301977A JP9112632A JP11263297A JPH10301977A JP H10301977 A JPH10301977 A JP H10301977A JP 9112632 A JP9112632 A JP 9112632A JP 11263297 A JP11263297 A JP 11263297A JP H10301977 A JPH10301977 A JP H10301977A
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Abstract
築することで、電気回路装置から放射される電磁界強度
を高精度で算出できるようにする電磁界強度算出装置の
提供を目的とする。 【解決手段】電気回路装置の構造情報を入力する入力手
段と、その入力情報から多層プリント板の構造情報を抽
出する抽出手段と、その抽出情報に基づき、電源層/グ
ランド層を碁盤の目状に分割し、その分割の区画単位線
から互いに接続されない形式で直立して設けられる第1
/第2の導電性パッチを生成し、更に、対となる第1/
第2の導電性パッチの間にコンデンサを設け、更に、電
源層/グランド層に三角形状パッチを生成して、その頂
点間にノイズ源を設けることで多層プリント板のモデル
を生成する生成手段と、その生成モデルに基づいて電気
回路装置の放射する電磁界強度を算出する算出手段とを
備えるように構成する。
Description
って、電気回路装置の放射する電磁界強度を算出する電
磁界強度算出装置及び方法と、その電磁界強度算出装置
を実現するプログラムを記憶するプログラム記憶媒体と
に関し、特に、電気回路装置に実装される多層プリント
板の高精度のモデルを構築することで、電気回路装置か
ら放射される電磁界強度を高精度で算出できるようにす
る電磁界強度算出装置及び方法と、その電磁界強度算出
装置を実現するプログラムを記憶するプログラム記憶媒
体とに関する。
一定のレベル以上の不要な電波やノイズを放射してはな
らないということがあり、各国の規格で厳しく規定され
るようになってきた。
シールド技術やフィルタ技術等のような種々の対策技術
が用いられるが、これらの対策技術の採用に当たって、
それらがどの程度電波を減少できるのかを定量的に算出
できるようにするシミュレーション技術の開発が必要で
ある。
は、モーメント法を使って、電気回路装置の放射する電
磁界強度を算出するシミュレーション技術の発明を開示
してきた。このシミュレーション技術を確立していくに
は、電気回路装置の正確なモデルを構築していく必要が
ある。
に流れる電流や磁流を求めて、それを公知の電磁波放射
の理論式に代入することでシミュレーションできる。こ
の物体各部に流れる電流や磁流は、理論的には、マック
スウェルの電磁波方程式を与えられた境界条件の下に解
くことで得られる。
る。モーメント法は、マックスウェルの電磁波方程式か
ら導かれる積分方程式の解法の1つで、物体を小さな要
素に分割して電流や磁流の計算を行う手法であり、3次
元の任意形状物体を扱うことができる。このモーメント
法についての参考文献としては、「H.N.Wang, J.H.Rich
mond and M.C.Gilreath:"Sinusoidal reaction formula
tion for radiation andscattering from cond-ucting
surface" IEEE TRANSACTIONS ANTENNAS PROPAGATION vo
l.AP-23 1975 」がある。
対象となる電気回路装置の構造をメッシュ化し、処理対
象の周波数を選択すると、その周波数について、メッシ
ュ化された要素間の相互インピスーダンスや相互アドミ
ッタスや相互リアクションを所定の計算処理によって求
めて、その求めた相互インピスーダンス等と構造情報で
指定される波源とをモーメント法の連立方程式に代入
し、それを解くことで各要素に流れる電流や磁流を求め
ることになる。
属部分を解析対象としてメッシュ化し、メッシュ化した
金属要素間の相互インピーダンスZijを求め、この相互
インピーダンスZijと、波源Vi と、メッシュ化した金
属要素に流れる電流Ii との間に成立するモーメント法
の連立方程式 〔Zij〕〔Ii 〕=〔Vi 〕 を解くことで電流Ii を求めて、この結果から電磁界強
度を算出する方法を採っている。「〔 〕」はマトリッ
クスを表している。
リアクタンスが存在するときには、それらは、そのメッ
シュの自己インピーダンス成分に加わることになる。と
ころで、電気回路装置では、高密度実装を実現する場
合、電源層とグランド層と信号層とが絶縁物を介して層
構造で配設される多層プリント板を実装することが多
い。
ので説明するならば、図15(a)に示すように、第1
の信号層20と、ガラスエポキシ等で構成される第1の
コア材21と、厚み調整や接着等のために用意される絶
縁材で構成される第1のプリプレグ22と、電源層23
と、ガラスエポキシ等で構成される第2のコア材24
と、グランド層25と、厚み調整や接着等のために用意
される絶縁材で構成される第2のプリプレグ26と、ガ
ラスエポキシ等で構成される第3のコア材27と、第2
の信号層28という9つの層が積層されることで構成さ
れている。
は、銅箔等の金属で構成される回路パターンを実装する
ものであって、図15(b)に示すように、その上に、
チップ部品等の回路部品を配置することで電子回路を実
装する。この電子回路と電源層23やグランド層25と
の間には、Viaと呼ばれる層間を電気的に接続するた
めの穴が用意されていて、このViaを介して、電子回
路に電源やアースが供給されることになる。
は、電子回路が実装され、この電子回路から強い電磁界
強度が放射されることになる。これから、従来では、シ
ミュレーション対象となる電気回路装置が多層プリント
板を持つときには、多層プリント板の電源層とグランド
層との間に備えられる誘電体を無視して、電源層を厚さ
のない金属板に置き換えるとともに、グランド層を厚さ
のない金属板に置き換えることで、多層プリント板をモ
デル化するという構成を採っていた。
ト板の信号層に実装される電子回路が動作することでノ
イズが発生し、このノイズに従って、多層プリント板の
電源層やグランド層にも高周波電流が流れ、これによ
り、電源層とグランド層との間に設けられる誘電体が共
振現象を引き起こしマイクロストリップアンテナとして
働くことで、多層プリント板から無視できない電磁界強
度が放射されることになる。
ント板で説明するならば、電源層23が、Viaを介し
て、第1の信号層20や第2の信号層28に電源を供給
し、グランド層25が、Viaを介して、第1の信号層
20や第2の信号層28にアースを供給することから、
第1及び第2の信号層20,28に実装される電子回路の
動作に応じて、図16に示すように、電源層23とグラ
ンド層25との間にノイズ源が存在することになる。
うに、電源層23及びグランド層25に高周波電流を流
し、これにより、電源層とグランド層との間に設けられ
る誘電体が共振現象を引き起こしマイクロストリップア
ンテナとして働くことで、多層プリント板から無視でき
ない電磁界強度が放射されることになる。
るMPU等の高速化に伴って、この電源層やグランド層
に流れる高周波電流が無視できなくなり、それに伴っ
て、この誘電体の共振現象により多層プリント板から放
射される電磁界強度が無視できなくなってきた。
とグランド層との間に設けられる誘電体を無視して、電
源層を厚さのない金属板に置き換えるとともに、グラン
ド層を厚さのない金属板に置き換えることで、多層プリ
ント板をモデル化するという構成を採っていたのでは、
この誘電体の共振現象により多層プリント板から放射さ
れる電磁界強度を算出することができず、これがため
に、多層プリント板から放射される電磁界強度を正確に
算出できないという問題点があった。
であって、電気回路装置に実装される多層プリント板の
高精度のモデルを構築することで、電気回路装置から放
射される電磁界強度を高精度に算出できるようにする新
たな電磁界強度算出装置及び方法の提供と、その電磁界
強度算出装置を実現するプログラムを記憶する新たなプ
ログラム記憶媒体の提供とを目的とする。
を図示する。図中、1は本発明を具備する電磁界強度算
出装置であって、モーメント法を使って、電気回路装置
の放射する電磁界強度を算出するものである。
段10と、抽出手段11と、モデル生成手段12と、生
成手段13と、算出手段14とを備える。入力手段10
は、解析対象となる電気回路装置の構造情報を入力す
る。抽出手段11は、入力手段10の入力する電気回路
装置の構造情報から、電源層とグランド層とその2つの
層の間に誘電体とを持つ多層プリント板の構造情報を抽
出する。
力する電気回路装置の構造情報から、モーメント法を適
用するための電気回路装置のモデルを生成する。生成手
段13は、モデル生成手段12に展開されて、抽出手段
11の抽出する多層プリント板の構造情報に基づいて、
モーメント法を適用するための多層プリント板のモデル
を生成する。
成した電気回路装置のモデルに基づき、モーメント法を
用いて電気回路装置の放射する電磁界強度を算出する。
ここで、本発明の電磁界強度算出装置1の持つ電磁界強
度算出機能は具体的にはプログラムで実現されるもので
あり、このプログラムは媒体で提供されて、電磁界強度
算出装置1に格納されてメモリ上で動作することで、本
発明を実現することになる。
算出装置1では、抽出手段11が多層プリント板の構造
情報を抽出すると、生成手段13は、その抽出された多
層プリント板の構造情報に基づき、電源層を碁盤の目形
状に分割することで金属パッチを生成して、その分割の
区画単位線毎に、それらの区画単位線からグランド層に
向けて互いに接続されない形式で直立して設けられる第
1の導電性パッチを生成し、更に、グランド層を電源層
と同一の碁盤の目形状に分割することで金属パッチを生
成して、その分割の区画単位線毎に、それらの区画単位
線から電源層に向けて互いに接続されない形式で直立し
て設けられるとともに、対となる第1の導電性パッチと
僅かな隙間をもって設けられる第2の導電性パッチを生
成し、更に、対となる第1の導電性パッチと第2の導電
性パッチとの間にコンデンサを設け、更に、電源層の金
属パッチを分割することで三角形状パッチを生成すると
ともに、グランド層の金属パッチを分割することで三角
形状パッチを生成して、その2つの三角形状パッチの頂
点間に波源となるノイズ源を設けることで、多層プリン
ト板のモデルを生成する。
対して、抵抗とリアクタンスのいずれか一方又は双方を
直列接続する多層プリント板のモデルを生成することが
ある。また、電源層とグランド層との間にバイパスコン
デンサが設けられるときには、そのバイパスコンデンサ
の配設位置に設けられる第1の導電性パッチと第2の導
電性パッチとの間に、バイパスコンデンサを設ける多層
プリント板のモデルを生成することがある。
て、算出手段14は、その生成された多層プリント板の
モデルに基づき、モーメント法を用いて電気回路装置の
放射する電磁界強度を算出する。
ランド層の金属パッチが抵抗成分を持つことを想定しつ
つ、モーメント法を用いて電子回路装置の放射する電磁
界強度を算出することがある。
1によれば、モーメント法を使って、電気回路装置の放
射する電磁界強度を算出する構成を採るときにあって、
電気回路装置に実装される多層プリント板を高精度にモ
デル化できるようになることから、多層プリント板から
放射される電磁界強度を高精度に算出できるようになる
ことで、電気回路装置から放射される電磁界強度を高精
度に算出できるようになる。
を詳細に説明する。図2に、本発明の電磁界強度算出装
置1の実行する処理フローの一実施例を図示する。ここ
で、図中、100は入力データファイルであって、解析
対象となる電気回路装置の構造情報を格納するもの、2
00は出力データファイルであって、算出結果の電磁界
強度を格納するものである。
れると、図2の処理フローに示すように、先ず最初に、
ステップ1で、入力データファイル100から、解析対
象となる電気回路装置の構造情報を読み込み、続くステ
ップ2で、この読み込んだ構造情報に基づいて、解析対
象の電気回路装置をメッシュに分割してモーメント法を
適用するためのモデルを生成する。このモデル化処理に
ついては後述する。
波数の中から未処理のものを1つ選択し、続くステップ
4で、全周波数の選択を完了したのか否かを判断して、
全周波数の選択を完了したことを判断するときには、処
理を終了する。
とを判断するとき、すなわち、ステップ3で周波数を選
択できたことを判断するときには、ステップ5に進ん
で、グリーン関数を使って、分割されたメッシュ間の相
互インピーダンスZij(i=1〜n,j=1〜n)を算
出する。なお、説明の便宜上、ここでは、解析対象が金
属物であることを想定して、相互インピーダンスのみを
算出することを想定している。
した相互インピーダンスZijと、構造情報で指定される
波源の電圧値Vi とを使い、モーメント法の連立方程式 〔Zij〕〔Ii 〕=〔Vi 〕 を解くことで、各メッシュに流れる電流Ii を算出す
る。
測点の中から未処理のものを1つ選択し、続くステップ
8で、全観測点の選択を完了したのか否かを判断して、
全観測点の選択を完了したことを判断するときには、次
の周波数を処理すべくステップ3に戻っていく。
とを判断するとき、すなわち、ステップ7で観測点を選
択できたことを判断するときには、ステップ9に進ん
で、ステップ6で算出した各メッシュに流れる電流Ii
が、ステップ7で選択した観測点にもたらす電磁界強度
を算出して、その算出結果を出力データファイル200
に格納してから、次の観測点を処理すべくステップ7に
戻っていく。
装置1は、モーメント法を用いて、解析対象となる電気
回路装置から放射される電磁界強度を算出していくよう
に処理するのである。
2の処理フローのステップ2で実行するモデル化処理に
ついて説明する。本発明の電磁界強度算出装置1は、モ
デル化処理に入ると、図3の処理フローに示すように、
先ず最初に、ステップ1で、解析対象となる電気回路装
置の構造情報から、その電気回路装置が多層プリント板
を持つのか否かを判断して、多層プリント板を持つこと
を判断するときには、ステップ2に進んで、その多層プ
リント板の構造情報を抽出する。
ント板の構造情報から、その多層プリント板の電源層を
碁盤の目形状に分割することで金属パッチを生成すると
ともに、その多層プリント板のグランド層を電源層と同
一の碁盤の目形状に分割することで金属パッチを生成す
る。
ト板30の電源層31を長方形状の金属パッチ33に分
割するとともに、多層プリント板30のグランド層32
を同一長方形状の金属パッチ34に分割するのである。
する区画単位線毎に、それらの区画単位線からグランド
層32に向けて互いに接続されない形式で直立して設け
られる長方形状の導電性パッチを生成し、更に、グラン
ド層32を分割する区画単位線毎に、それらの区画単位
線から電源層31に向けて互いに接続されない形式で直
立して設けられるとともに、対となる電源層31の導電
性パッチと僅かな隙間をもって設けられる長方形状の導
電性パッチを生成する。
の区画単位線35からグランド層32に向けて互いに接
続されない形式で直立して設けられる長方形状の導電性
パッチ36を生成するとともに、グランド層32の区画
単位線37から電源層31に向けて互いに接続されない
形式で直立して設けられるとともに、対となる導電性パ
ッチ36と僅かな隙間をもって設けられる長方形状の導
電性パッチ38を生成するのである。
ように、対となる導電性パッチ36と導電性パッチ38
との間に、コンデンサ39を設ける。このとき、導電性
パッチ36,38の中間位置に設けることが好ましい。
は、電源層31とグランド層32との間に設けられる誘
電体が形成するコンデンサの容量をC、対となる導電性
パッチ36と導電性パッチ38との組の数をNで表すな
らば、「Cp =C/N」で決定する。
に設けられる誘電体の誘電体損を考慮することで、より
高精度の多層プリント板モデルを構築する場合には、図
6(b)に示すように、コンデンサ39に対して、抵抗
RとリアクタンスLとを直列接続する構成を採る。
ンド層32との間に存在するノイズ源をモデル化するた
めに、ノイズ源位置に設けられる電源層31の金属パッ
チ33を分割することで、その金属パッチ33から三角
形状パッチを生成するとともに、ノイズ源位置に設けら
れるグランド層32の金属パッチ34を分割すること
で、その金属パッチ34から三角形状パッチを生成し
て、その2つの三角形状パッチの頂点間にノイズ源を設
ける。
置(例えば図4のA点)に設けられる電源層31の金属
パッチ33を分割することで三角形状パッチ40を生成
し、ノイズ源位置に設けられるグランド層32の金属パ
ッチ34を分割することで三角形状パッチ41を生成し
て、その2つの三角形状パッチ40,41の頂点間に、金
属ワイヤ42を使ってノイズ源43を設けるのである。
ル100から読み込んだ構造情報に従って、電源層31
とグランド層32との間にバイパスコンデンサが設けら
れているのか否かを判断して、設けられていることを判
断するときには、ステップ8に進んで、図8に示すよう
に、バイパスコンデンサ位置(例えば図4のB点)に設
けられる導電性パッチ36,38の間に、読み込んだ構造
情報の指定する容量を持つバイパスコンデンサ44を設
ける。このとき、導電性パッチ36,38の中間位置に設
けることが好ましい。
た、ステップ1で、多層プリント板が存在しないことを
判断し、また、ステップ7で、バイパスコンデンサが存
在しないことを判断するときには、ステップ9に進ん
で、解析対象となる電気回路装置の残りの部分のモデル
を生成する。
装置1は、図2及び図3の処理フローに従って、解析対
象となる電気回路装置が多層プリント板30を持つとき
には、その多層プリント板30の持つ電源層31とグラ
ンド層32とその2つの層の間に設けられる誘電体と
を、導電性パッチ36と導電性パッチ38とコンデンサ
39とノイズ源43とでモデル化する構成を採って、こ
のモデルを使って、電気回路装置から放射される電磁界
強度をモーメント法を使ってシミュレーションする構成
を採るのである。
31及びグランド層32の金属表皮効果による損失を考
慮する(電源層31及びグランド層32の金属の厚みや
材料を考慮する)ことで、より高精度に電磁界強度を算
出する構成を採る場合には、電源層31の金属パッチ3
3と、グランド層32の金属パッチ34とが抵抗値を持
つことを想定して、電磁界強度を算出していく構成を採
ることになる。
するプログラムは、媒体で提供されて、本発明の電磁界
強度算出装置1に格納されてメモリ上で動作することに
なる。
成した多層プリント板モデルの生成理由について説明す
る。この多層プリント板モデルに用いた導電性パッチ3
6,38は長方形状を示す。このような長方形状のパッチ
には、図9(a)に示すように、長辺と短辺に平行とな
る電流が流れる。
間の相互インピーダンスは、図9(b)に示すように、
ワイヤ間の相互インピーダンスを積分していくことで求
めるのが効率的である。これから、サーフェィスパッチ
を流れる電流として直交する電流を想定することで、サ
ーフェィスパッチ間の相互インピーダンスが求められる
ことになる。従って、長方形状パッチには、図9(a)
に示すように、長辺と短辺に平行となる電流が流れるの
である。
グランド層32との間に設けられる誘電体には、電源層
31からグランド層32に向けて、あたかも雨が降るよ
うな形態で変位電流が流れる。従って、電源層31とグ
ランド層32との間に設けられる誘電体の高精度モデル
を構築するには、この変位電流を実現するモデルを生成
する必要がある。
に、互いに接続されることのない導電性パッチ36と、
互いに接続されることない導電性パッチ38とを用いる
多層プリント板モデルを生成した。
は切断されていることから、電源層31に接続される導
電性パッチ36を流れる電流は、電源層31からグラン
ド層32に向かうもののみとなるとともに、隣接する導
電性パッチ38の間は切断されていることから、グラン
ド層32に接続される導電性パッチ38を流れる電流
は、電源層31からグランド層32に向かうもののみと
なり、電源層31とグランド層32との間に設けられる
誘電体を流れる変位電流の向きと一致する。
持つことで2次元的な形態で電流を流すとともに、導電
性パッチ38は、長方形状を持つことで2次元的な形態
で電流を流し、あたかも雨が降るような形態で流れる変
位電流をよくモデル化する。これに対して、図7に示し
たノイズ源モデルを利用して、図11に示すような誘電
体モデルを用いると、電流がまばらに流れることになっ
て、あたかも雨が降るような形態で流れる変位電流をよ
くモデル化できないことになる。
ッチ38とコンデンサ39とで定義されるモデルは、多
層プリント板30の電源層31とグランド層32との間
に設けられる誘電体を高精度にモデル化することにな
る。
1では、多層プリント板30の電源層31とグランド層
32との間に設けられる誘電体を、導電性パッチ36と
導電性パッチ38とコンデンサ39とでモデル化する構
成を採ったのである。
界強度算出装置1では、電源層31の金属パッチ33を
分割することで三角形状パッチ40を生成し、グランド
層32の金属パッチ34を分割することで三角形状パッ
チ41を生成して、その2つの三角形状パッチ40,41
の頂点間に、金属ワイヤ42を使ってノイズ源43を設
けるモデルを生成する。
に、三角形の頂点に向かう(三角形の頂点から出る)形
態で電流が流れる。そのような向きにワイヤを配置する
ことで、相互インピーダンスを求めることが効率的だか
らである。
の任意の点に、ノイズ源43に接続される金属ワイヤ4
2を接続していくことは不可能である。金属ワイヤ42
から流れ出る電流や、金属ワイヤ42に流れ込む電流の
向きは、その性格上、接続点を中心とする放射形態とな
るからである。しかるに、長方形状のパッチには、図9
(a)に示したように、長辺と短辺に平行となる電流が
流れ、放射形態を示す電流は流れない。
では、放射形態の電流が流れる三角形状パッチ40,41
を生成して、その2つの三角形状パッチ40,41の頂点
間に、金属ワイヤ42を使ってノイズ源43を設けるモ
デルを生成することで、電源層31とグランド層32と
の間に設けられるノイズ源43を高精度にモデル化する
構成を採ったのである。
ッチ40,41の頂点位置は金属パッチ33,34の任意の
点に設定することができるので、金属パッチ33,34の
大きさが大きくても、ノイズ源43を本来の位置にモデ
ル化できることになる。
界強度算出装置1では、電源層31とグランド層32と
の間にバイパスコンデンサが設けられているときには、
電源層31に接続される導電性パッチ36と、グランド
層32に接続される導電性パッチ38との間に、バイパ
スコンデンサ43を設けるモデルを生成する。
1では、導電性パッチ36,38を利用してバイパスコン
デンサ43を設けるモデルを生成するので、バイパスコ
ンデンサ43を設けるモデルを簡単に生成できるように
なる。
モデルの有効性を検証するために行った検証実験の結果
について説明する。この検証実験では、図13に示すよ
うに、大きさが13cm×13cmで、厚さが0.9mm
で、上面及び下面に銅箔面を持つガラスエポキシ(εr
=4.7という誘電率を持つ)のプリント板を想定すると
ともに、実際にそのプリント板を用意し、そして、図中
に示すそのプリント板のA点の上下面に、実効値1Vの
正弦波を出力するノイズ源(50Ωの抵抗を介して、上
下面の間に接続される)が存在することを想定するとと
もに、実際にそのノイズ源を用意することで行った。従
って、このプリント板は、615pFの容量を持つ。な
お、以下では、説明の便宜上、このプリント板を検証用
プリント板と称することにする。
リント板を想定して、本発明者が提案したモデルに従っ
て、想定した検証用プリント板をモデルに変換し、それ
に対してモーメント法を適用することで、ノイズの周波
数を20MHzから1000MHzまでスイープすると
きの、A点におけるインピーダンス(上下面の間のイン
ピーダンス)を算出する。ここで、このときの検証用プ
リント板の上下面のメッシュサイズは、1cm×1cm
である。
のA点の上下面に、実際に用意したノイズ源を使って、
周波数を20MHzから1000MHzまでスイープし
ながら、実効値が1Vの正弦波を示すノイズを与え、イ
ンピーダンス測定器を用いて、そのときのA点における
インピーダンス(上下面の間のインピーダンス)を測定
して、その測定値と、先に算出したモーメント法による
算出値とを比較することで行った。
する。図中に示す実線が、モーメント法による計算値で
あり、□印が、インピーダンス測定器による測定値であ
る。この両者がよく一致することで、本発明者が提案し
たモデルの有効性を検証できた。
度算出装置によれば、モーメント法を使って、電気回路
装置の放射する電磁界強度を算出する構成を採るときに
あって、電気回路装置に実装される多層プリント板を高
精度にモデル化できるようになることから、多層プリン
ト板から放射される電磁界強度を高精度に算出できるよ
うになることで、電気回路装置から放射される電磁界強
度を高精度に算出できるようになる。
る。
る。
ある。
ある。
である。
明図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 モーメント法を使って、電気回路装置の
放射する電磁界強度を算出する電磁界強度算出装置にお
いて、 解析対象となる電気回路装置の構造情報を入力する入力
手段と、 入力された電気回路装置の構造情報から、電源層とグラ
ンド層とその2つの層の間に誘電体とを持つ多層プリン
ト板の構造情報を抽出する抽出手段と、 抽出された多層プリント板の構造情報に基づき、電源層
を碁盤の目形状に分割することで金属パッチを生成し
て、その分割の区画単位線毎に、該区画単位線からグラ
ンド層に向けて互いに接続されない形式で直立して設け
られる第1の導電性パッチを生成し、更に、グランド層
を電源層と同一の碁盤の目形状に分割することで金属パ
ッチを生成して、その分割の区画単位線毎に、該区画単
位線から電源層に向けて互いに接続されない形式で直立
して設けられるとともに、対となる該第1の導電性パッ
チと僅かな隙間をもって設けられる第2の導電性パッチ
を生成し、更に、対となる該第1の導電性パッチと該第
2の導電性パッチとの間にコンデンサを設けることで、
多層プリント板のモデルを生成する生成手段と、 生成された多層プリント板モデルに基づき、モーメント
法を用いて電気回路装置の放射する電磁界強度を算出す
る算出手段とを備えることを、 特徴とする電磁界強度算出装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の電磁界強度算出装置にお
いて、 生成手段は、電源層の金属パッチを分割することで三角
形状パッチを生成するとともに、グランド層の金属パッ
チを分割することで三角形状パッチを生成して、その2
つの三角形状パッチの頂点間にノイズ源を設けるモデル
を生成することを、 特徴とする電磁界強度算出装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の電磁界強度算出装
置において、 生成手段は、コンデンサに対して、抵抗とリアクタンス
のいずれか一方又は双方を直列接続するモデルを生成す
ることを、 特徴とする電磁界強度算出装置。 - 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の電磁界強度算
出装置において、 生成手段は、対となる第1の導電性パッチと第2の導電
性パッチとの間に、バイパスコンデンサを設けるモデル
を生成することを、 特徴とする電磁界強度算出装置。 - 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の電磁界強
度算出装置において、 算出手段は、電源層及びグランド層の金属パッチが抵抗
成分を持つことを想定しつつ、モーメント法を用いて電
気回路装置の放射する電磁界強度を算出することを、 特徴とする電磁界強度算出装置。 - 【請求項6】 モーメント法を使って、電気回路装置の
放射する電磁界強度を算出する電磁界強度算出方法にお
いて、 解析対象となる電気回路装置の構造情報を入力する第1
の処理過程と、 入力された電気回路装置の構造情報から、電源層とグラ
ンド層とその2つの層の間に誘電体とを持つ多層プリン
ト板の構造情報を抽出する第2の処理過程と、 抽出された多層プリント板の構造情報に基づき、電源層
を碁盤の目形状に分割することで金属パッチを生成し
て、その分割の区画単位線毎に、該区画単位線からグラ
ンド層に向けて互いに接続されない形式で直立して設け
られる第1の導電性パッチを生成し、更に、グランド層
を電源層と同一の碁盤の目形状に分割することで金属パ
ッチを生成して、その分割の区画単位線毎に、該区画単
位線から電源層に向けて互いに接続されない形式で直立
して設けられるとともに、対となる該第1の導電性パッ
チと僅かな隙間をもって設けられる第2の導電性パッチ
を生成し、更に、対となる該第1の導電性パッチと該第
2の導電性パッチとの間にコンデンサを設け、更に、電
源層の金属パッチを分割することで三角形状パッチを生
成するとともに、グランド層の金属パッチを分割するこ
とで三角形状パッチを生成して、その2つの三角形状パ
ッチの頂点間にノイズ源を設けることで、多層プリント
板のモデルを生成する第3の処理過程と、 生成された多層プリント板モデルに基づき、モーメント
法を用いて電気回路装置の放射する電磁界強度を算出す
る第4の処理過程とを備えることを、 特徴とする電磁界強度算出方法。 - 【請求項7】 モーメント法を使って、電気回路装置の
放射する電磁界強度を算出する電磁界強度算出装置を実
現するプログラムが記憶されるプログラム記憶媒体であ
って、 解析対象となる電気回路装置の構造情報を入力する入力
手段と、 入力された電気回路装置の構造情報から、電源層とグラ
ンド層とその2つの層の間に誘電体とを持つ多層プリン
ト板の構造情報を抽出する抽出手段と、 抽出された多層プリント板の構造情報に基づき、電源層
を碁盤の目形状に分割することで金属パッチを生成し
て、その分割の区画単位線毎に、該区画単位線からグラ
ンド層に向けて互いに接続されない形式で直立して設け
られる第1の導電性パッチを生成し、更に、グランド層
を電源層と同一の碁盤の目形状に分割することで金属パ
ッチを生成して、その分割の区画単位線毎に、該区画単
位線から電源層に向けて互いに接続されない形式で直立
して設けられるとともに、対となる該第1の導電性パッ
チと僅かな隙間をもって設けられる第2の導電性パッチ
を生成し、更に、対となる該第1の導電性パッチと該第
2の導電性パッチとの間にコンデンサを設け、更に、電
源層の金属パッチを分割することで三角形状パッチを生
成するとともに、グランド層の金属パッチを分割するこ
とで三角形状パッチを生成して、その2つの三角形状パ
ッチの頂点間にノイズ源を設けることで、多層プリント
板のモデルを生成する生成手段と、 生成された多層プリント板モデルに基づき、モーメント
法を用いて電気回路装置の放射する電磁界強度を算出す
る算出手段とを実現するプログラムが記憶されること
を、 特徴とするプログラム記憶媒体。
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- 1997-04-30 JP JP11263297A patent/JP3825133B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1997-11-13 US US08/969,659 patent/US5940310A/en not_active Expired - Lifetime
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