JPH10299665A - 圧縮機の制御方法及びその装置 - Google Patents

圧縮機の制御方法及びその装置

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JPH10299665A
JPH10299665A JP11086097A JP11086097A JPH10299665A JP H10299665 A JPH10299665 A JP H10299665A JP 11086097 A JP11086097 A JP 11086097A JP 11086097 A JP11086097 A JP 11086097A JP H10299665 A JPH10299665 A JP H10299665A
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blow
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JP11086097A
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Mitsutaka Morimoto
光孝 森本
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出圧力の上昇幅を小さく抑え,且つ圧力制
御の動作を迅速に行うことにより,吐出圧力を一定に制
御することができ,無駄のない効率的な制御を行うこと
が可能な圧縮機の制御方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 吸込容量調節装置の開度を制御する第1
の圧力制御ループと,放風弁の開度を制御する第2の圧
力制御ループとを具備してなる圧縮機の制御方法におい
て,放風弁が開状態の時には,その開度に応じて,第
1,第2の圧力制御ループの設定圧力値の差を保ったま
まそれぞれの設定圧力値が所定の補正式により下方修正
される。更に,放風弁が開状態の時に,吸込容量調節装
置の制御信号の微分値に基づいて,上記第2の圧力制御
ループの補正設定圧力値が更に補正される。更に,放風
弁が全閉状態の時に,流量検出器からの流量信号の微分
値に基づいて,上記第1の圧力制御ループの補正設定圧
力値が更に補正される。これにより,吐出圧力の上昇幅
を小さく抑え,且つ圧力制御の動作を迅速に行うことに
より,吐出圧力を一定に制御することができ,無駄のな
い効率的な制御を行うことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,ターボ圧縮機の制
御方法及びその装置に係り,詳しくは,流量検出器から
の信号に基づいて放風弁の開度を制御する流量制御ルー
プと,圧力検出器からの信号に基づいて吸込容量調節装
置の開度を制御する第1の圧力制御ループと,圧力検出
器からの信号に基づいて放風弁の開度を制御する第2の
圧力制御ループとにより制御される圧縮機の制御方法及
びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ターボ圧縮機の制御装置として,例えば
図5に示すような構成を有する制御装置A0が既に知ら
れている。上記制御装置A0は,電動機31により動作
する圧縮機21を中心に構成され,該圧縮機21の吸込
側には吸込容量調節装置22が,吐出側には流量検出器
24,圧力検出器25,及び放風弁23がそれぞれ設置
されている。上記流量検出器24には,該流量検出器2
4の信号に基づいて,吐出流量が所定の設定流量(図
6,FCライン)を下回らないような上記放風弁の制御
量を演算する流量調節計28が接続されている。また,
上記圧力検出器25には,該圧力検出器25の信号に基
づいて,吐出圧力が所定の設定圧力値を維持するような
上記吸込容量調節装置22の制御量を演算する圧力調節
計26と,上記圧力検出器25の信号に基づいて,吐出
圧力が所定の設定圧力値を維持するような上記放風弁2
3の制御量を演算する圧力調節計27とが接続されてい
る。また,上記電動機31には電流検出器32が設置さ
れており,更に該電流検出器32には,該電流検出器3
2の信号に基づいて,上記電動機31の電流が所定の上
限値を超えないような上記吸込容量調節装置22の制御
量を演算する電流調節計33が接続されている。上記圧
力調節計26,及び上記電流調節計33によりそれぞれ
演算された上記吸込容量調節装置22の制御量は,ロー
セレクタ29により低い方の値が選択され,上記吸込容
量調節装置22に送られる。また,圧力調節計27,及
び流量調節計28によりそれぞれ演算された上記放風弁
23の制御量は,ローセレクタ30により低い方の値が
選択され,上記放風弁23に送られる。
【0003】以上のように,上記制御装置A0では,流
量検出器24,流量調節計28,ローセレクタ30,及
び放風弁23で構成される流量制御ループにより流量制
御を行うことでサージ発生を防止している。また,圧力
検出器25,圧力調節計26,ローセレクタ29,及び
吸込容量調節装置22で構成される第1の圧力制御ルー
プにより吐出圧力を一定に制御している。また,該第1
の圧力制御ループに,電流検出器32,及び電流調節計
33を接続することにより,上記電動機31の過電流を
防止している。更に,圧力検出器25,圧力調節計2
7,ローセレクタ30,及び放風弁23で構成される第
2の圧力制御ループにより,上記第1の圧力制御ループ
では制御が追いつかない場合の吐出圧力の上昇を防止し
ている。ここで,上記制御装置A0の圧力制御における
上記第1,第2の圧力制御ループの関係について簡単に
説明する。上述のように,制御装置A0の圧力制御では
上記第1の圧力制御ループが主として用いられ,上記第
2の圧力制御ループは,上記第1の圧力制御ループの制
御が追いつかない場合に補助的に用いられる。従って,
上記第1,第2の圧力制御ループにおけるそれぞれの設
定圧力値をそれぞれPPC1 ,PPC2 とすると,それらの
値は図6に示すように設定される。即ち,設定圧力値P
PC1 が吐出圧力の制御目標値に設定され,設定圧力値P
PC2 は上記設定圧力値PPC1 よりも所定値だけ高い値に
設定される。これにより,通常は上記第1の圧力制御ル
ープにより,吐出圧力が制御目標値,即ち設定圧力値P
PC1 を維持するように制御されるが,急激な圧力上昇に
より上記第1の圧力制御ループによる圧力制御が追いつ
かず,吐出圧力が上記設定圧力値PPC2 を超えた場合に
は,上記第2の圧力制御ループは吐出圧力が上記設定圧
力値PPC2 を超えないように圧力制御を行う。そして,
上記第1の圧力制御ループにより,上記設定圧力値P
PC2 付近の吐出圧力が上記設定圧力値PPC1 まで徐々に
低下させられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが,以上説明し
た制御装置A0の圧力制御には以下のような問題点があ
った。上記設定圧力値PPC2 を図6の一点鎖線で示すよ
うにPPC1 に近い値に設定すると,吐出圧力上昇の早い
段階で第2の圧力制御ループが働くため,吐出圧力の上
昇幅を小さく抑えることができる。しかしながら,吐出
圧力が上昇しても,第2の圧力制御ループの制御により
その圧力値はPPC2 ,即ちPPC1 と近い値で一時安定す
るため,上記第1の圧力制御ループによる制御,即ち吐
出圧力値をPPC 2 からPPC1 まで減少させる制御動作は
鈍くなり,制御目標値に安定するまでに時間がかかって
しまうという問題点があった。更にその結果,上記第2
の圧力制御ループによる圧力制御が行われる時間,即ち
放風弁23からの放風時間が長くなってしまい,動力を
無駄に使ってしまうという問題点があった。これは,放
風弁23による制御と吸込容量調節装置22による制御
との干渉が原因である。一方,上記設定圧力値PPC2
図6の二点鎖線で示すようにPPC1 から離れた値に設定
すると,上記とは逆に,無駄な放風を少なくできる半
面,吐出圧力の上昇幅は大きくなり,吐出圧力上昇防止
の効果は小さくなってしまうという問題点がある。本発
明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的と
するところは,吐出圧力の上昇幅を小さく抑え,且つ圧
力制御の動作を迅速に行うことにより,吐出圧力を一定
に制御することができ,無駄のない効率的な制御を行う
ことが可能な圧縮機の制御方法及びその装置を提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明の方法は,圧縮機の吐出流量を検出する流量
検出器と,該流量検出器からの信号に基づいて上記圧縮
機の吐出側に設けられた放風弁の開度を制御する流量調
節計とを具備して構成される流量制御ループと,上記圧
縮機の吐出圧力を検出する圧力検出器と,該圧力検出器
からの信号に基づいて吐出圧力が所定の設定圧力値にな
るように上記圧縮機の吸込側に設けられた吸込容量調節
装置の開度を制御する第1の圧力調節計とを具備して構
成される第1の圧力制御ループと,上記圧力検出器から
の信号に基づいて吐出圧力が所定の設定圧力値になるよ
うに上記放風弁の開度を制御する第2の圧力調節計とを
具備して構成される第2の圧力制御ループとを具備して
なる圧縮機の制御方法において,上記第1の圧力調節計
における上記所定の設定圧力値,及び上記第2の圧力調
節計における上記所定の設定圧力値として,それぞれの
圧力調節計の基準設定圧力値に対して所定の補正を行っ
て得られた補正設定圧力値を用いることを特徴とする圧
縮機の制御方法として構成されている。上記所定の補正
は,例えば上記放風弁の開度,及び/若しくは吐出流量
に応じて行われ,それによって得られた第1,第2の補
正設定圧力値を,それぞれ上記第1,第2の圧力調節計
で用いることができる。また,上記補正設定圧力値とし
て,上記第1の圧力調節計では,該第1の圧力調節計の
基準設定圧力値に対して吐出流量と上記放風弁の開度に
応じた所定の補正を行って得られた第1の補正設定圧力
値を用い,上記第2の圧力調節計では,該第2の圧力調
節計の基準設定圧力値に対して吐出流量と上記放風弁の
開度に応じた補正を行って得られた第2の補正設定圧力
値に対して,更に上記吸込容量調節装置の制御信号の微
分値と上記放風弁の開度に応じた補正を行って得られた
第3の補正設定圧力値を用いることもできる。また,上
記補正設定圧力値として,上記第1の圧力調節計では,
該第1の圧力調節計の基準設定圧力値に対して吐出流量
と上記放風弁の開度に応じた所定の補正を行って得られ
た第1の補正設定圧力値に対して,更に上記流量検出器
からの信号の微分値と上記放風弁の開度に応じた所定の
補正を行って得られた第4の補正設定圧力値を用い,上
記第2の圧力調節計では,該第2の圧力調節計の基準設
定圧力値に対して吐出流量と上記放風弁の開度に応じた
所定の補正を行って得られた第2の補正設定圧力値を用
いることもできる。
【0006】また,上記補正設定圧力値として,上記第
1の圧力調節計では,該第1の圧力調節計の基準設定圧
力値に対して吐出流量と上記放風弁の開度に応じた所定
の補正を行って得られた第1の補正設定圧力値に対し
て,更に上記流量検出器からの信号の微分値と上記放風
弁の開度に応じた所定の補正を行って得られた第4の補
正設定圧力値を用い,上記第2の圧力調節計では,該第
2の圧力調節計の基準設定圧力値に対して吐出流量と上
記放風弁の開度に応じた所定の補正を行って得られた第
2の補正設定圧力値に対して,更に上記吸込容量調節装
置の制御信号の微分値と上記放風弁の開度に応じた所定
の補正を行って得られた第3の補正設定圧力値を用いる
こともできる。例えば,上記第1,第2,第3,第4の
補正設定圧力値Ui ,Uo ,W,Yは,それぞれ, Ui =PPC1 −ui (100−m)/α Uo =PPC2 −uo (100−m)/α W =Uo −V(100−m)/α Y =Ui +X{m−(100−ε)}/ε 但し,V =tg×β,X =tf×δであり, (100−m)/α>1となる場合は(100−m)/
α=1, {m−(100−ε)}/ε<0となる場合は{m−
(100−ε)}/ε=0, V>γとなる場合はV=γ,X>τとなる場合はX=τ
とし,PPC2 とPPC1 とは所定の関係を有する。 ここで,PPC1 :第1の圧力調節計における基準設定圧
力値。 PPC2 :第2の圧力調節計における基準設定圧力値。 ui :q<Fcのとき 0, Fc+i≦qのとき h, となり,Fc≦q<Fc+iでは所定の関数で表される
第1の補正設定圧力値の補正量の最大値。 uo :q<Fcのとき 0, Fc+i≦qのとき g, となり,Fc≦q<Fc+iでは所定の関数で表される
第2の補正設定圧力値の補正量の最大値。 q :吐出流量。 Fc:制御流量。 i :所定の範囲内で設定される任意の定数。 h :所定の範囲内で設定される任意の定数。 g :所定の範囲内で設定される任意の定数。 m :放風弁の制御値(0(全開)〜100(全閉)
%)。 α :Ui ,Uo を変化させる範囲となる放風弁の開度
(%)。 ε :Xを変化させる範囲となる放風弁の開度(%)。 tf:流量検出器からの信号の微分値。 δ :補正ゲイン。 τ :Xの最大値。 tg:吸込容量調節装置の制御信号の微分値。 β :補正ゲイン。 γ :Vの最大値。 により求められる。
【0007】尚,上記PPC2 とPPC1 との所定の関係
は,例えば PPC2 =PPC1 +uo により表され,Fc≦q<Fc+iの範囲での上記
i ,uo の値を表す上記所定の関数は,それぞれ,例
えば h(q−Fc)/i, g(q−Fc)/i, により表される。また,上記目的を達成するために,本
発明の装置は,圧縮機の吐出流量を検出する流量検出器
と,上記圧縮機の吐出側に設けられた放風弁と,上記流
量検出器からの信号に基づいて上記放風弁の開度を制御
する流量調節計と,上記圧縮機の吐出圧力を検出する圧
力検出器と,上記圧縮機の吸込側に設けられた吸込容量
調節装置と,上記圧力検出器からの信号に基づいて吐出
圧力が所定の設定圧力値になるように上記吸込容量調節
装置の開度を制御する第1の圧力調節計と,上記圧力検
出器からの信号に基づいて吐出圧力が所定の設定圧力値
になるように上記放風弁の開度を制御する第2の圧力調
節計とを具備してなる圧縮機の制御装置において,上記
第1,第2の圧力調節計の基準設定圧力値に対してそれ
ぞれ所定の補正を行うことにより,上記各圧力調節計の
上記所定の設定圧力値として用いられる補正設定圧力値
を求める設定圧力補正手段を具備してなることを特徴と
する圧縮機の制御装置として構成されている。
【0008】
【作用】本発明によれば,設定圧力補正手段により,第
1,第2の圧力制御ループの設定圧力値が以下のように
逐次補正される。まず,放風弁が開状態の時には,その
開度に応じて,第1,第2の圧力調節計の設定圧力値の
差を保ったままそれぞれの設定圧力値が所定の補正式に
より下方修正される。これにより,放風弁が開状態の時
でも,上記第2の圧力制御ループの制御動作により,吐
出圧力が制御圧力値に近い値に保たれ,また上記第1,
第2の圧力調節計の設定圧力値の差は変わらないので,
第1の圧力制御ループの制御動作も鈍くなることはな
く,迅速に吸込容量制御装置の開度が絞られる。そし
て,吐出流量が減少して制御流量(FCライン)に近づ
いてきたところで,各設定圧力値は徐々に基準設定圧力
値に戻される。従って,吐出圧力は常に一定に保たれる
と共に,迅速な制御動作により放風弁からの無駄な放風
を抑えることが可能となる。更に,放風弁が開状態の時
に,吸込容量調節装置の制御信号の微分値に基づいて,
上記第2の圧力調節計の補正設定圧力値が更に補正され
る。これにより,吸込容量調節装置の動作による今後の
吐出圧力の変化を見越して,第2の圧力制御ループの補
正設定圧力値が求められるため,吸込容量調節装置と放
風弁との干渉が最小限に抑えられ,より安定的,且つ効
率的な制御を行うことが可能となる。更に,放風弁が全
閉状態(実際には,全閉から所定の開度まで)の時に,
流量検出器からの流量信号の微分値に基づいて,上記第
1の圧力調節計の補正設定圧力値が更に補正される。こ
れにより,吐出流量の変化による今後の吐出圧力の変化
を見越して,第1の圧力制御ループの補正設定圧力値が
求められるため,吐出圧力の変化への対応をより迅速に
行うことが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して,本発明
の実施の形態及び実施例につき説明し,本発明の理解に
供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を
具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定す
る性格のものではない。ここに,図1は本発明の実施の
形態に係る圧縮機の制御装置A1の概略構成を示すブロ
ック図,図2は第1,第2の圧力制御ループにおける基
準設定圧力値L1′,L2′と,補正設定圧力値の最大
値L1,L2との関係を示す図,図3は設定圧力値の補
正量の係数の設定例を示す図,図4は本発明の実施の形
態に制御方法と従来技術に係る制御方法による動作曲線
の比較図である。本実施の形態に係る圧縮機の制御装置
A1は,図1に示すような構成を有する。尚,該制御装
置A1の構成において,上記従来技術に係る制御装置A
0と共通する要素については同符号を付し,その説明は
省略する。本実施の形態に係る制御装置A1が上記従来
技術に係る制御装置A0と構成上異なるのは,設定圧力
補正部1,及び微分器2,3を具備している点のみであ
る。制御装置A1では,上記設定圧力補正部1におい
て,流量検出器24からの流量信号q,該流量信号qの
上記微分器3による微分値tf,放風弁23の制御出力
値m,及び吸込容量調節装置22の制御出力値の上記微
分器2による微分値tgに基づいて,圧力調節計26,
27のそれぞれの設定圧力値(言い換えれば,第1,第
2の圧力制御ループの設定圧力値)PPC1 ,PPC2 を逐
次補正(最終的な補正設定出力値をそれぞれY,Wとす
る)することにより,上記目的を達成するように動作す
る。
【0010】以下,上記設定圧力補正部1における処理
内容を詳細に説明し,本実施の形態に係る圧縮機の制御
方法の理解に供する。上述のように,本制御方法では,
上記従来の制御方法に対して,圧力調節計26,27の
それぞれの設定圧力値PPC1 ,PPC2 を補正する処理が
追加される。以下,この設定圧力値PPC1 ,PPC2 の補
正方法を,(A)〜(C)の3段階に分けて説明する。 (A)上述のように,上記従来技術では,上記設定圧力
値PPC2 をPPC1 に近い値に設定すると,制御目標値に
安定するまでに時間がかかり,放風弁からの放風時間が
長くなってしまうという問題点があり,逆に上記設定圧
力値PPC2 をPPC1 から離れた値に設定すると,今度は
吐出圧力上昇防止の効果が小さくなってしまうという問
題点があった。また,そういった問題が発生するのは,
放風弁23が開状態(以下,開状態とは全閉でない状態
をいう),即ち,第1,第2の圧力制御ループが共に動
作している場合に限られる。そこで,上記相反する2つ
の問題点を解決すべく,放風弁23が開状態の時にその
開度に応じて,上記設定圧力値P PC2 ,PPC1 の差を保
ったまま,PPC2 の値を(PPC1 と共に)適宜下方修正
する。これにより,放風弁32が開状態の時でも,第2
の圧力制御ループの制御動作により,吐出圧力がPPC1
(制御圧力値)に近い値に保たれ,また第1,第2の圧
力制御ループの設定圧力の差は変わらないので,第1の
圧力制御ループの制御動作も鈍くなることはなく,迅速
に吸込容量制御装置22の開度が絞られる。これにより
吐出流量が減少して制御流量(FCライン)に近づいて
きたところで,上記下方補正していた設定圧力値をP
PC1 ,PPC2 に戻していく。
【0011】以下,更に具体的に説明する。尚,以下の
説明では,上記PPC1 ,PPC2 を基準設定圧力値と称す
る。まず,上記基準設定圧力値PPC1 ,PPC2 の補正範
囲の最大幅を設定する(図2参照)。図2中,L1′,
L2′がそれぞれ基準設定圧力値PPC1 ,PPC2 を,L
1,L2がそれぞれ上記L1′,L2′の補正設定圧力
値の最小値(最大補正幅のときの補正設定圧力値)を表
す。このように,補正設定圧力値の最小値L1,L2
は,基本的にそれぞれL1′,L2′を任意の設定幅
h,gだけ下方に補正したものであり,吐出流量が(F
Cライン+i)→(FCライン)の範囲でL1′,L
2′に接近し,吐出流量が(FCライン)と一致すれば
補正幅はゼロとなる。また,L2の最小値はPPC1 と同
程度,望ましくは同じ値になるように設定される。尚,
上記h,g,iのそれぞれの値は,実際のシステムの状
況に合わせて任意に設定されるが,h,gに関しては定
格圧力の0〜10%,iに関しても定格流量の0〜10
%程度に設定することが望ましい。また,図2では,吐
出流量が(FCライン+i)→(FCライン)の範囲で
L1,L2を線形変化させているが,これに限られるも
のではない。以上のように補正設定圧力値の最小値が設
定されるが,実際の制御では,圧力調節計26,27の
補正設定圧力値は,放風弁23の開度に応じてそれぞれ
L1′とL1,L2′とL2の間の所定の値が用いられ
る。つまり,放風弁23が全閉の時には上記設定圧力値
の補正量はゼロであり,放風弁23がある開度まで開い
たときに上記設定圧力値が最小値L1及びL2となるよ
うに設定される。その設定例を図3(a)に示す。同図
は,放風弁23の制御値m(0%を全開,100%を全
閉とする)と上記設定圧力値の補正量に掛かる係数(0
〜1の範囲で変動)との関係を示している。このよう
に,補正量に掛かる係数を変化させる範囲をα(放風弁
23の全閉からの開度で表す)とし,補正量に掛かる係
数を(100−m)/α(但し,1を超える場合は1と
する)とすることにより,放風弁23の制御値mが(1
00−α)〜100(%)の間で設定圧力値の補正量に
掛かる係数が1〜0まで変化するように設定できる。こ
のαの値は実際のシステムの状況に合わせて任意に設定
されるが,αの値により制御の感度が変化するため,0
〜10%程度の範囲で最適な値に調整することが望まし
い。また,図3(a)の例では,設定圧力値の補正量に
掛かる係数を放風弁23の制御値mが(100−α)〜
100(%)の間で線形変化させているが,もちろんこ
れに限られるものではない。
【0012】以上説明した補正設定圧力値の設定方法を
まとめると,圧力調節計26,27における補正設定圧
力値Ui ,Uo は,それぞれ次式により表される。 Ui =PPC1 −ui (100−m)/α … (1) Uo =PPC2 −uo (100−m)/α … (2) 但し,(100−m)/α>1となる場合は(100−
m)/α=1とし,PPC2 =PPC1 +uo とする。 ここで,PPC1 :圧力調節計26における基準設定圧力
値。 PPC2 :圧力調節計27における基準設定圧力値。 ui :q<Fcのとき 0, Fc≦q<Fc+iのとき h(q−Fc)/i Fc+i≦qのとき h, となる,圧力調節計26における補正設定圧力値の補正
量の最大値(L1′−L1)。 uo :q<Fcのとき 0, Fc≦q<Fc+iのとき g(q−Fc)/i Fc+i≦qのとき h, となる,圧力調節計27における補正設定圧力値の補正
量の最大値(L2′−L2)。 q :吐出流量。 Fc:制御流量。 i :所定の範囲内で設定される任意の定数。 h :所定の範囲内で設定される任意の定数。 g :所定の範囲内で設定される任意の定数。 m :放風弁の制御値(0(全開)〜100(全閉)
%)。 α :Ui ,Uo を変化させる範囲となる放風弁の開度
(%)。 上記(1),(2)式により求められた補正設定圧力値
i ,Uo を圧力調節計26,27の設定圧力値として
制御を行うことにより,放風弁23が開状態の時にその
開度に応じて,上記圧力調節計26,27の設定圧力値
の差を保ったままそれぞれの設定圧力値が下方修正され
る。これにより,放風弁32が開状態の時でも,上記圧
力調節計27(第2の圧力制御ループ)の制御動作によ
り,吐出圧力がPPC1 (制御圧力値)に近い値に保た
れ,また上記圧力調節計26,27の設定圧力値の差は
変わらないので,第1の圧力制御ループの制御動作も鈍
くなることはなく,迅速に吸込容量制御装置22の開度
が絞られる。そして,吐出流量が減少して制御流量(F
Cライン)に近づいてきたところで,各設定圧力値は徐
々に基準設定圧力値PPC1 ,PPC2 に戻される。従っ
て,吐出圧力は常に一定に保たれると共に,迅速な制御
動作により放風弁23からの無駄な放風を抑えることが
可能となる。
【0013】(B)以上説明したように,上記(A)で
求めた補正設定圧力値を用いて圧力制御を行うことによ
り,吐出圧力は常に一定に保たれ,迅速な制御動作によ
り放風弁23からの無駄な放風を抑えることが可能とな
る。ところが,上記(A)による補正は,圧力調節計2
6,27の設定圧力値をその差を保ったまま補正するも
のであり,上記圧力調節計26,27による圧力制御は
共に圧力検出器25からの信号のみに基づいて行われる
ことに変わりはないため,放風弁23が開状態のときに
は,依然として吸込容量調節装置22と放風弁23との
干渉が発生する。そこで,放風弁23が開状態の時に,
吸込容量調節装置22の制御信号の微分値に基づいて,
上記(A)で求めた第2の圧力制御ループ(圧力調節計
27)の補正設定圧力値Uo を更に補正する。これによ
り,吸込容量調節装置22の動作による今後の吐出圧力
の変化を見越して,第2の圧力制御ループ(圧力調節計
27)の補正設定圧力値を求めることができるため,吸
込容量調節装置22と放風弁23との干渉を最小限に抑
え,より安定的,且つ効率的な制御を行うことが可能と
なる。以下,更に具体的に説明する。まず,吸込容量調
節装置22の制御信号の微分値に基づく設定圧力の補正
値の最大値Vを,次式により求める。 V =tg×β … (3) ただし,V>γとなる場合はV=γとする。 ここで,tg:吸込容量調節装置22の制御信号の微分
値。 β :補正ゲイン。 γ :Vの上限値。 上記Vの値は,tgが正,即ち吸込容量調節装置22の
動作が開く方向であれば正となり,tgが負,即ち吸込
容量調節装置22の動作が閉じる方向であれば負とな
る。また,吸込容量調節装置22の動作が開く方向であ
れば吐出圧力は今後上昇し,逆に閉じる方向であれば吐
出圧力は今後下降する傾向にあると考えられる。そこ
で,次式により,上記(A)により求められた補正設定
圧力値Uo を更に補正し,第2の圧力制御ループ(圧力
調節計27)の最終的な補正設定圧力値Wを求める。 W =Uo −V(100−m)/α … (4) 但し,(100−m)/α>1となる場合は(100−
m)/α=1とする。上式により,吐出圧力が今後上昇
する傾向にある時には,第2の圧力制御ループ(圧力調
節計27)の設定圧力値は更に低く補正される。なお,
上記Vの係数(100−m)/αは,上記(A)で
i ,uo の係数として用いたものと同様であり(図3
(a)参照),これにより放風弁23が開状態の時にそ
の開度に応じた補正を行うことができる。以上のよう
に,第2の圧力制御ループ(圧力調節計27)の最終的
な補正設定圧力値として上記Wを用いることにより,吸
込容量調節装置22の動作による今後の吐出圧力の変化
を見越して,第2の圧力制御ループ(圧力調節計27)
の補正設定圧力値を求めることができるため,吸込容量
調節装置22と放風弁23との干渉を最小限に抑え,よ
り安定的,且つ効率的な制御を行うことが可能となる。
【0014】(C)上記(A),(B)による設定圧力
値の補正は,共に放風弁23が開状態にある場合にのみ
行われるため,放風弁23が全閉状態の場合の制御は上
記従来技術の場合と同様である。ところが,放風弁23
が全閉状態,即ち圧力制御が第1の圧力制御ループのみ
により行われている場合でも,吐出圧力の急激な変化へ
の対応をより迅速に行うことができれば,第2の圧力制
御ループによる圧力制御を行う機会を最小限に抑えるこ
とができ,より安定的,且つ効率的な制御を行うことが
可能となる。そこで,放風弁23が全閉状態(実際に
は,全閉から所定の開度まで)の時に,流量検出器24
からの流量信号の微分値に基づいて,上記(A)で求め
た第1の圧力制御ループ(圧力調節計26)の補正設定
圧力値Ui を更に補正する。これにより,吐出流量の変
化による今後の吐出圧力の変化を見越して,第1の圧力
制御ループ(圧力調節計26)の補正設定圧力値を求め
ることができるため,吐出圧力の変化への対応をより迅
速に行うことが可能となる。以下,更に具体的に説明す
る。まず,流量検出器24からの流量信号の微分値に基
づく設定圧力の補正値の最大値Xを,次式により求め
る。 X =tf×δ … (5) ただし,X>τとなる場合はX=τとする。 ここで,tf:流量検出器24からの流量信号の微分
値。 δ :補正ゲイン。 τ :Xの上限値。 上記Xの値は,tfが正,即ち吐出流量が増加する方向
であれば正となり,tfが負,即ち吐出流量が減少する
方向であれば負となる。また,吐出流量が増加する方向
であれば吐出圧力は今後下降し,逆に減少する方向であ
れば吐出圧力は今後上昇する傾向にあると考えられる。
そこで,次式により,上記(A)により求められた補正
設定圧力値Ui を更に補正し,第1の圧力制御ループ
(圧力調節計26)の最終的な補正設定圧力値Yを求め
る。 Y =Ui +X{m−(100−ε)}/ε … (6) 但し,{m−(100−ε)}/ε<0となる場合は
{m−(100−ε)}/ε=0とする。 上式により,吐出圧力が今後上昇する傾向にある時に
は,第1の圧力制御ループ(圧力調節計26)の設定圧
力値は更に低く補正される。なお,上記Xの係数{m−
(100−ε)}/εは,図3(b)に示すように設定
される。即ち,Xに掛かる係数を変化させる範囲をε
(放風弁23の全閉からの開度で表す)とし,Xに掛か
る係数を{m−(100−ε)}/ε(但し,0を下回
る場合は0とする)とすることにより,放風弁23の制
御値mが(100−ε)〜100(%)の間で上記Xに
掛かる係数が1〜0まで変化するように設定できる。こ
れにより,放風弁23が全閉の時に,上記Xに係る補正
量は最大となり,放風弁23がある開度まで開いたとき
に上記Xに係る補正量はゼロとなる。尚,上記εの値は
実際のシステムの状況に合わせて任意に設定されるが,
εの値により制御の感度が変化するため,0〜10%程
度の範囲で最適な値に調整することが望ましい。また,
図3(b)の例では,設定圧力値の補正量に掛かる係数
を放風弁23の開度が0〜ε(%)の間で線形変化させ
ているが,もちろんこれに限られるものではない。
【0015】以上説明したように,放風弁23が全閉状
態(実際には,全閉から所定の開度まで)の時に,流量
検出器24からの流量信号の微分値に基づいて,上記
(A)で求めた第1の圧力制御ループ(圧力調節計2
6)の補正設定圧力値Ui を更に補正することにより,
吐出流量の変化による今後の吐出圧力の変化を見越し
て,第1の圧力制御ループ(圧力調節計26)の補正設
定圧力値を求めることができるため,吐出圧力の変化へ
の対応をより迅速に行うことが可能となる。上記設定圧
力補正部1では,以上説明した(A)〜(C)の処理が
行われ,それによって求められた最終的な補正設定圧力
値W(上式(4)),Y(上式(6))が,第1,第2
の圧力制御ループ(圧力調節計26,27)の設定圧力
として用いられる。本実施の形態に係る制御方法による
動作曲線は,例えば図4の実線ABCのようになる。
尚,上記従来技術に係る制御方法による動作曲線は,例
えば破線ADEFのようになる。この動作曲線の比較に
より明らかなように,本実施の形態に係る制御方法は,
上記従来技術に係る制御方法に比べて,吐出圧力をより
安定的に制御することができる。また,動作曲線がFC
ラインをサージライン側に超えることが少ないため,F
Cラインをよりサージラインに近づけることができる。
これにより,流量制御を行う領域,即ち放風を行う領域
を狭くできるため,動力の無駄の少ない,効率的な運転
を行うことが可能となる。
【0016】
【実施例】上記実施の形態では,設定圧力補正部1によ
り圧力調節計26,27の設定圧力値の補正のみを行
う。従って,上記設定圧力補正部1の処理に直接関連し
ない部分の構成については様々な変形が可能である。例
えば,上記圧縮機21が電動機駆動でなければ,電流検
出器32,及び電流調節計33による過電流防止手段は
必要ない。また,吐出側だけでなく吸込側にも圧力検出
器を設置し,該圧力検出器の信号に基づいて吸込容量調
節装置22の制御を行う圧力調節計を上記ローセレクタ
29に接続して,吸込圧力をも考慮しうる構成とするこ
ともできる。
【0017】
【発明の効果】本発明に係る圧縮機の制御方法は,圧縮
機の吐出流量を検出する流量検出器と,該流量検出器か
らの信号に基づいて上記圧縮機の吐出側に設けられた放
風弁の開度を制御する流量調節計とを具備して構成され
る流量制御ループと,上記圧縮機の吐出圧力を検出する
圧力検出器と,該圧力検出器からの信号に基づいて吐出
圧力が所定の設定圧力値になるように上記圧縮機の吸込
側に設けられた吸込容量調節装置の開度を制御する第1
の圧力調節計とを具備して構成される第1の圧力制御ル
ープと,上記圧力検出器からの信号に基づいて吐出圧力
が所定の設定圧力値になるように上記放風弁の開度を制
御する第2の圧力調節計とを具備して構成される第2の
圧力制御ループとを具備してなる圧縮機の制御方法にお
いて,上記第1の圧力調節計における上記所定の設定圧
力値,及び上記第2の圧力調節計における上記所定の設
定圧力値として,それぞれの圧力調節計の基準設定圧力
値に対して所定の補正を行って得られた補正設定圧力値
を用いることを特徴とする圧縮機の制御方法として構成
されているため,操業状態に合わせて各圧力制御ループ
の設定圧力値を適宜補正することにより,簡易な構成で
吐出圧力の安定的,且つ効率的な制御を行うことが可能
となる。また,上記所定の補正を,上記放風弁の開度,
及び/若しくは吐出流量に応じて行うことにより,放風
弁が開状態の時でも,上記第2の圧力制御ループの制御
動作により,吐出圧力が制御圧力値に近い値に保たれ,
また上記第1,第2の圧力調節計の設定圧力値の差は変
わらないので,第1の圧力制御ループの制御動作も鈍く
なることはなく,迅速に吸込容量制御装置の開度が絞ら
れる。従って,吐出圧力は常に一定に保たれると共に,
迅速な制御動作により放風弁からの無駄な放風を抑える
ことが可能となる。また,上記補正設定圧力値として,
上記第1の圧力調節計では,該第1の圧力調節計の基準
設定圧力値に対して吐出流量と上記放風弁の開度に応じ
た所定の補正を行って得られた第1の補正設定圧力値を
用い,上記第2の圧力調節計では,該第2の圧力調節計
の基準設定圧力値に対して吐出流量と上記放風弁の開度
に応じた補正を行って得られた第2の補正設定圧力値に
対して,更に上記吸込容量調節装置の制御信号の微分値
と上記放風弁の開度に応じた補正を行って得られた第3
の補正設定圧力値を用いることにより,吸込容量調節装
置の動作による今後の吐出圧力の変化を見越して,第2
の圧力制御ループの補正設定圧力値が求められるため,
吸込容量調節装置と放風弁との干渉が最小限に抑えら
れ,より安定的,且つ効率的な制御を行うことが可能と
なる。
【0018】また,上記補正設定圧力値として,上記第
1の圧力調節計では,該第1の圧力調節計の基準設定圧
力値に対して吐出流量と上記放風弁の開度に応じた所定
の補正を行って得られた第1の補正設定圧力値に対し
て,更に上記流量検出器からの信号の微分値と上記放風
弁の開度に応じた所定の補正を行って得られた第4の補
正設定圧力値を用い,上記第2の圧力調節計では,該第
2の圧力調節計の基準設定圧力値に対して吐出流量と上
記放風弁の開度に応じた所定の補正を行って得られた第
2の補正設定圧力値を用いることにより,吐出流量の変
化による今後の吐出圧力の変化を見越して,第1の圧力
制御ループの補正設定圧力値が求められるため,吐出圧
力の変化への対応をより迅速に行うことが可能となる。
【0019】また,上記補正設定圧力値として,上記第
1の圧力調節計では,該第1の圧力調節計の基準設定圧
力値に対して吐出流量と上記放風弁の開度に応じた所定
の補正を行って得られた第1の補正設定圧力値に対し
て,更に上記流量検出器からの信号の微分値と上記放風
弁の開度に応じた所定の補正を行って得られた第4の補
正設定圧力値を用い,上記第2の圧力調節計では,該第
2の圧力調節計の基準設定圧力値に対して吐出流量と上
記放風弁の開度に応じた所定の補正を行って得られた第
2の補正設定圧力値に対して,更に上記吸込容量調節装
置の制御信号の微分値と上記放風弁の開度に応じた所定
の補正を行って得られた第3の補正設定圧力値を用いる
ことにより,吸込容量調節装置の動作による今後の吐出
圧力の変化を見越して,第2の圧力制御ループの補正設
定圧力値が求められるため,吸込容量調節装置と放風弁
との干渉が最小限に抑えられ,より安定的,且つ効率的
な制御を行うことが可能となると共に,吐出流量の変化
による今後の吐出圧力の変化を見越して,第1の圧力制
御ループの補正設定圧力値が求められるため,吐出圧力
の変化への対応をより迅速に行うことが可能となる。更
に,以上のように吐出圧力を常に一定に制御できること
により,動作曲線がFCラインをサージライン側に超え
ることが少ないため,FCラインをよりサージラインに
近づけることができる。これにより,流量制御を行う領
域,即ち放風を行う領域を狭くできるため,動力の無駄
の少ない,効率的な運転を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る圧縮機の制御装置
A1の概略構成を示すブロック図。
【図2】 第1,第2の圧力制御ループにおける基準設
定圧力値L1′,L2′と,補正設定圧力値の最大値L
1,L2との関係を示す図。
【図3】 設定圧力値の補正量の係数の設定例を示す
図。
【図4】 本発明の実施の形態に制御方法と従来技術に
係る制御方法による動作曲線の比較図。
【図5】 従来技術に係る圧縮機の制御装置A0の概略
構成を示すブロック図。
【図6】 第1,第2の圧力制御ループにおける設定圧
力値PPC1 ,PPC2 の設定例を示す図。
【符号の説明】
1…設定圧力補正部 2…微分器 3…微分器 21…圧縮機 22…吸込容量調節装置 23…放風弁 24…流量検出器 25…圧力検出器 26…圧力調節計 27…圧力調節計 28…流量調節計

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機の吐出流量を検出する流量検出器
    と,該流量検出器からの信号に基づいて上記圧縮機の吐
    出側に設けられた放風弁の開度を制御する流量調節計と
    を具備して構成される流量制御ループと,上記圧縮機の
    吐出圧力を検出する圧力検出器と,該圧力検出器からの
    信号に基づいて吐出圧力が所定の設定圧力値になるよう
    に上記圧縮機の吸込側に設けられた吸込容量調節装置の
    開度を制御する第1の圧力調節計とを具備して構成され
    る第1の圧力制御ループと,上記圧力検出器からの信号
    に基づいて吐出圧力が所定の設定圧力値になるように上
    記放風弁の開度を制御する第2の圧力調節計とを具備し
    て構成される第2の圧力制御ループとを具備してなる圧
    縮機の制御方法において,上記第1の圧力調節計におけ
    る上記所定の設定圧力値,及び上記第2の圧力調節計に
    おける上記所定の設定圧力値として,それぞれの圧力調
    節計の基準設定圧力値に対して所定の補正を行って得ら
    れた補正設定圧力値を用いることを特徴とする圧縮機の
    制御方法。
  2. 【請求項2】 上記所定の補正が,上記放風弁の開度,
    及び/若しくは吐出流量に応じて行われる請求項1記載
    の圧縮機の制御方法。
  3. 【請求項3】 上記第1,第2の圧力調節計の上記補正
    設定圧力値である第1,第2の補正設定圧力値Ui ,U
    o が,それぞれ, Ui =PPC1 −ui (100−m)/α Uo =PPC2 −uo (100−m)/α 但し,(100−m)/α>1となる場合は(100−
    m)/α=1とし,PPC2 とPPC1 とは所定の関係を有
    する。 ここで,PPC1 :第1の圧力調節計における基準設定圧
    力値。 PPC2 :第2の圧力調節計における基準設定圧力値。 ui :q<Fcのとき 0, Fc+i≦qのとき h, となり,Fc≦q<Fc+iでは所定の関数で表される
    第1の補正設定圧力値の補正量の最大値。 uo :q<Fcのとき 0, Fc+i≦qのとき g, となり,Fc≦q<Fc+iでは所定の関数で表される
    第2の補正設定圧力値の補正量の最大値。 q :吐出流量。 Fc:制御流量。 i :所定の範囲内で設定される任意の定数。 h :所定の範囲内で設定される任意の定数。 g :所定の範囲内で設定される任意の定数。 m :放風弁の制御値(0(全開)〜100(全閉)
    %)。 α :Ui ,Uo を変化させる範囲となる放風弁の開度
    (%)。 により求められる請求項1又は2記載の圧縮機の制御方
    法。
  4. 【請求項4】 上記補正設定圧力値として,上記第1の
    圧力調節計では,該第1の圧力調節計の基準設定圧力値
    に対して吐出流量と上記放風弁の開度に応じた所定の補
    正を行って得られた第1の補正設定圧力値を用い,上記
    第2の圧力調節計では,該第2の圧力調節計の基準設定
    圧力値に対して吐出流量と上記放風弁の開度に応じた補
    正を行って得られた第2の補正設定圧力値に対して,更
    に上記吸込容量調節装置の制御信号の微分値と上記放風
    弁の開度に応じた補正を行って得られた第3の補正設定
    圧力値を用いる請求項1記載の圧縮機の制御方法。
  5. 【請求項5】 上記第1,第2,第3の補正設定圧力値
    i ,Uo ,Wが,それぞれ, Ui =PPC1 −ui (100−m)/α Uo =PPC2 −uo (100−m)/α W =Uo −V(100−m)/α 但し,V =tg×βであり, (100−m)/α>1となる場合は(100−m)/
    α=1, V>γとなる場合はV=γとし,PPC2 とPPC1 とは所
    定の関係を有する。 ここで,PPC1 :第1の圧力調節計における基準設定圧
    力値。 PPC2 :第2の圧力調節計における基準設定圧力値。 ui :q<Fcのとき 0, Fc+i≦qのとき h, となり,Fc≦q<Fc+iでは所定の関数で表される
    第1の補正設定圧力値の補正量の最大値。 uo :q<Fcのとき 0, Fc+i≦qのとき g, となり,Fc≦q<Fc+iでは所定の関数で表される
    第2の補正設定圧力値の補正量の最大値。 q :吐出流量。 Fc:制御流量。 i :所定の範囲内で設定される任意の定数。 h :所定の範囲内で設定される任意の定数。 g :所定の範囲内で設定される任意の定数。 m :放風弁の制御値(0(全開)〜100(全閉)
    %)。 α :Ui ,Uo ,Vを変化させる範囲となる放風弁の
    開度(%)。 tg:吸込容量調節装置の制御信号の微分値。 β :補正ゲイン。 γ :Vの上限値。 により求められる請求項4記載の圧縮機の制御方法。
  6. 【請求項6】 上記補正設定圧力値として,上記第1の
    圧力調節計では,該第1の圧力調節計の基準設定圧力値
    に対して吐出流量と上記放風弁の開度に応じた所定の補
    正を行って得られた第1の補正設定圧力値に対して,更
    に上記流量検出器からの信号の微分値と上記放風弁の開
    度に応じた所定の補正を行って得られた第4の補正設定
    圧力値を用い,上記第2の圧力調節計では,該第2の圧
    力調節計の基準設定圧力値に対して吐出流量と上記放風
    弁の開度に応じた所定の補正を行って得られた第2の補
    正設定圧力値を用いる請求項1記載の圧縮機の制御方
    法。
  7. 【請求項7】 上記第1,第2,第4の補正設定圧力値
    i ,Uo ,Yが,それぞれ, Ui =PPC1 −ui (100−m)/α Uo =PPC2 −uo (100−m)/α Y =Ui +X{m−(100−ε)}/ε 但し,X =tf×δであり, (100−m)/α>1となる場合は(100−m)/
    α=1, {m−(100−ε)}/ε<0となる場合は{m−
    (100−ε)}/ε=0, X>τとなる場合はX=τとし,PPC2 とPPC1 とは所
    定の関係を有する。 ここで,PPC1 :第1の圧力調節計における基準設定圧
    力値。 PPC2 :第2の圧力調節計における基準設定圧力値。 ui :q<Fcのとき 0, Fc+i≦qのとき h, となり,Fc≦q<Fc+iでは所定の関数で表される
    第1の補正設定圧力値の補正量の最大値。 uo :q<Fcのとき 0, Fc+i≦qのとき g, となり,Fc≦q<Fc+iでは所定の関数で表される
    第2の補正設定圧力値の補正量の最大値。 q :吐出流量。 Fc:制御流量。 i :所定の範囲内で設定される任意の定数。 h :所定の範囲内で設定される任意の定数。 g :所定の範囲内で設定される任意の定数。 m :放風弁の制御値(0(全開)〜100(全閉)
    %)。 α :Ui ,Uo を変化させる範囲となる放風弁の開度
    (%)。 ε :Xを変化させる範囲となる放風弁の開度(%)。 tf:流量検出器からの信号の微分値。 δ :補正ゲイン。 τ :Xの上限値。 により求められる請求項6記載の圧縮機の制御方法。
  8. 【請求項8】 上記補正設定圧力値として,上記第1の
    圧力調節計では,該第1の圧力調節計の基準設定圧力値
    に対して吐出流量と上記放風弁の開度に応じた所定の補
    正を行って得られた第1の補正設定圧力値に対して,更
    に上記流量検出器からの信号の微分値と上記放風弁の開
    度に応じた所定の補正を行って得られた第4の補正設定
    圧力値を用い,上記第2の圧力調節計では,該第2の圧
    力調節計の基準設定圧力値に対して吐出流量と上記放風
    弁の開度に応じた所定の補正を行って得られた第2の補
    正設定圧力値に対して,更に上記吸込容量調節装置の制
    御信号の微分値と上記放風弁の開度に応じた所定の補正
    を行って得られた第3の補正設定圧力値を用いる請求項
    1記載の圧縮機の制御方法。
  9. 【請求項9】 上記第1,第2,第3,第4の補正設定
    圧力値Ui ,Uo ,W,Yが,それぞれ, Ui =PPC1 −ui (100−m)/α Uo =PPC2 −uo (100−m)/α W =Uo −V(100−m)/α Y =Ui +X{m−(100−ε)}/ε 但し,V =tg×β,X =tf×δであり, (100−m)/α>1となる場合は(100−m)/
    α=1, {m−(100−ε)}/ε<0となる場合は{m−
    (100−ε)}/ε=0, V>γとなる場合はV=γ,X>τとなる場合はX=τ
    とし,PPC2 とPPC1 とは所定の関係を有する。 ここで,PPC1 :第1の圧力調節計における基準設定圧
    力値。 PPC2 :第2の圧力調節計における基準設定圧力値。 ui :q<Fcのとき 0, Fc+i≦qのとき h, となり,Fc≦q<Fc+iでは所定の関数で表される
    第1の補正設定圧力値の補正量の最大値。 uo :q<Fcのとき 0, Fc+i≦qのとき g, となり,Fc≦q<Fc+iでは所定の関数で表される
    第2の補正設定圧力値の補正量の最大値。 q :吐出流量。 Fc:制御流量。 i :所定の範囲内で設定される任意の定数。 h :所定の範囲内で設定される任意の定数。 g :所定の範囲内で設定される任意の定数。 m :放風弁の制御値(0(全開)〜100(全閉)
    %)。 α :Ui ,Uo を変化させる範囲となる放風弁の開度
    (%)。 ε :Xを変化させる範囲となる放風弁の開度(%)。 tf:流量検出器からの信号の微分値。 δ :補正ゲイン。 τ :Xの最大値。 tg:吸込容量調節装置の制御信号の微分値。 β :補正ゲイン。 γ :Vの最大値。 により求められる請求項8記載の圧縮機の制御方法。
  10. 【請求項10】 上記PPC2 とPPC1 との所定の関係
    が, PPC2 =PPC1 +uo により表される請求項3,5,7,9のいずれかに記載
    の圧縮機の制御方法。
  11. 【請求項11】 Fc≦q<Fc+iの範囲での上記u
    i ,uo の値を表す上記所定の関数が,それぞれ, h(q−Fc)/i, g(q−Fc)/i, により表される請求項3,5,7,9,10のいずれか
    に記載の圧縮機の制御方法。
  12. 【請求項12】 圧縮機の吐出流量を検出する流量検出
    器と,上記圧縮機の吐出側に設けられた放風弁と,上記
    流量検出器からの信号に基づいて上記放風弁の開度を制
    御する流量調節計と,上記圧縮機の吐出圧力を検出する
    圧力検出器と,上記圧縮機の吸込側に設けられた吸込容
    量調節装置と,上記圧力検出器からの信号に基づいて吐
    出圧力が所定の設定圧力値になるように上記吸込容量調
    節装置の開度を制御する第1の圧力調節計と,上記圧力
    検出器からの信号に基づいて吐出圧力が所定の設定圧力
    値になるように上記放風弁の開度を制御する第2の圧力
    調節計とを具備してなる圧縮機の制御装置において,上
    記第1,第2の圧力調節計の基準設定圧力値に対してそ
    れぞれ所定の補正を行うことにより,上記各圧力調節計
    の上記所定の設定圧力値として用いられる補正設定圧力
    値を求める設定圧力補正手段を具備してなることを特徴
    とする圧縮機の制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19916768A1 (de) * 1999-03-04 2000-09-14 Kaeser Kompressoren Gmbh Vorrichtung und Verfahren zur Regelung eines Kompressors durch Drosselung des Ansaugvolumenstroms
JP2008061393A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Mitsubishi Electric Corp インバータ装置

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