JPH10298922A - 橋梁用支承装置 - Google Patents

橋梁用支承装置

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JPH10298922A
JPH10298922A JP12779197A JP12779197A JPH10298922A JP H10298922 A JPH10298922 A JP H10298922A JP 12779197 A JP12779197 A JP 12779197A JP 12779197 A JP12779197 A JP 12779197A JP H10298922 A JPH10298922 A JP H10298922A
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裕一 合田
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Ippei Nakamura
一平 中村
Tetsuo Korechika
哲男 是近
Eiji Uematsu
英司 上松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 橋梁用支承装置として、既設支承装置との交
換作業が容易で、かつ大地震の震動を円滑に免震できる
装置を提供する。 【解決手段】 上部構造物を荷重支持用弾性支承部材を
介して下部構造物に支持する橋梁用支承装置であって、
前記上部構造物を水平方向に摩擦摺動可能に支持する荷
重支持用弾性支承部材27と、前記上部構造物と下部構
造物17との間を弾性体を介して非荷重支持的に連結
し、かつ上部構造物の全方向の揺れを吸収する緩衝部材
34とを、前記上部構造物と前記下部構造物との間に互
いに横方向に間隔をあけて設置した構成を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁用支承装置に
係り、特に分散構造、免震構造を備えた橋梁用支承装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】橋台や橋脚に対する橋梁の既設の支持構
造には、鋼製支承(鋼製沓)が多く存在するが、先頃の
阪神大地震後、橋梁の支持構造に対する耐震構造の見直
し作業が全国規模で行なわれており、その支承構造が、
阪神大地震規模の地震に耐えられないと認められた場合
は、支承装置の交換が順次行なわれている。
【0003】従来構造の橋梁用支承装置は新道示に十分
対応できる構造とはいえず、したがって、多くの支承構
造は、新道示の条件を満たす支承に交換せざるを得ない
のが現状である。また、新旧支承の交換は、橋台や橋脚
などの下部構造と橋梁との間の狭い作業空間で行なうた
め施工上の問題があり、さらに、橋梁の地震の際の揺れ
に対する分散構造や長周期化等による免震及び、橋梁と
支承装置とのノージョイント化等の厳しい条件が要求さ
れるため、従来(既設)の支承構造とは基本的に異なっ
た発想が必要となる。
【0004】本発明者は、種々研究の結果、既設支承の
交換用としての支承装置に必要とされる条件は下記のよ
うなものがあることを確認した。 支承厚 従来の支承部の厚み内で処理できる構造であること。 弾性支持 橋梁の荷重を出来るだけ弾性支持できる構造であるこ
と。 長周期化 橋梁の橋軸方向の横揺れは、長周期化による免震が図れ
る構造であること。 連続化 橋梁は、支承装置に対しノージョイントとし、橋軸方向
に連続化が図れる構造であること。 上揚力対策 橋梁の最大0.3Rdの上揚力に対応できる構造とする
こと。 支承交換簡易型 簡単な交換作業で支承部品の交換が出来る構造とするこ
と。 橋軸直角方向の弾性支持化及び免震化 橋軸直角方向を弾性支持とし、衝撃の緩衝及び免震を図
れる構造であること。 温度変化による伸縮の対応 温度変化による橋梁の伸縮に対応できる構造であるこ
と。
【0005】本発明は、前記の検討結果にもとづき、前
記〜の諸条件を最大限満たし得ると共に、新設の橋
梁支承における支承装置に使用しても有益な橋梁用支承
装置の提供を目的としている。
【0006】ここで、従来技術の一例を図15,図16
によって説明する(なお、これの詳細は特公平5−17
325号公報に開示されている)。各図において、左右
両側の前部および後部に係止用突出部1を備えている鋼
製支承板2の中間部が、前後方向に延長する鋼桁3の下
部フランジ16に固着され、前記支承板2と支持構造物
4の上部に固定された鋼製台盤5との間にゴム支承6が
介在されている。
【0007】また、前記鋼製台盤5の左右両側には、支
持用上面7および横圧支承用突出部8を有する鋼製支承
部材9が固定され、支持用上面7に押え部材高さ調整用
座板17を介して載置された鋼製押え部材10と横圧支
承用突出部8との間に横圧緩衝支承用弾性スペーサ11
が介在されている。
【0008】また、鋼製押え部材10の横圧支承面12
が支承板2の側面に当接されると共に、鋼製押え部材1
0の上側支承部13が支承板2の上面に対向し、鋼製押
え部材10は鋼製支承部材9に対し取付用ボルト14に
より取付けられ、前記鋼製支承部材9の前後両端部に、
前記係止用突出部1との間の橋軸方向遊間を調整するた
めの遊間調整弾性支承部材15が取付けられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記従来構造による
と、上部構造物の大地震時における橋軸方向、橋軸直角
方向、回転等のあらゆる方向の振動を吸収し、しかも、
大きな揺れに対しても十分強度的に対応できる構造とす
るという面で未だ改良の余地が残されていた。
【0010】本発明は、この従来技術を改良し、前述の
ように〜の諸条件に可及的に満たすことができ、か
つ、新設の橋梁支承における支承装置としても有益な橋
梁用支承装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め本発明は、上部構造物を荷重支持用弾性支承部材を介
して下部構造物に支持する橋梁用支承装置であって、前
記上部構造物を水平方向に摩擦摺動可能に支持する荷重
支持用弾性支承部材と、前記上部構造物と下部構造物と
の間を弾性体を介して非荷重支持的に連結し、かつ上部
構造物の全方向の揺れを吸収する緩衝部材とを、前記下
部構造物に互いに横方向に間隔をあけて固定した構成を
特徴とする。また本発明は、前記荷重支持用弾性支承部
材をゴム支圧板で構成し、このゴム支圧板に設けた上部
金属板の上面と、ソールプレート付きの前記上部構造物
との摩擦摺動支持面において、その上下面のいずれかに
テフロン層を設けたことを特徴とする。また本発明は、
下部構造物に固定したベースプレート上に支承壁を設
け、この支承壁内に前記荷重支持用弾性支承部材を収納
したことを特徴とする。また本発明は前記緩衝部材を、
上部構造物に固定した上部支持フレームの複数の垂下支
持部材と、下部構造物に固定した下部支持フレームの複
数の垂下支持部材とを水平方向及び、上下方向に間隙を
有して噛み合わしその間隙に配設した前記弾性体の側面
をそれぞれ前記垂下支持部と前記起立支持部とに固定し
たことを特徴とする。また本発明は、前記弾性体はブロ
ック状のゴムダンパーで構成され、このゴムダンパー
は、前記上部構造物の鉛直方向と水平方向と回転方向の
全方向震動を受けることにより、圧縮変形と、せん断変
形して落橋を防止するように上部構造物を移動拘束的に
支持している構造をを特徴とする。
【0012】本発明によると、橋梁の荷重と地震時の上
下方向の揺れは、荷重支持用弾性支承部材で緩衝し、地
震時の橋軸方向の揺れと橋軸直角方向の揺れは、上部構
造物と荷重支持用弾性支承部材との摩擦摺動及び、その
際の緩衝部材の弾性変形で分散及び免震し、橋梁の回転
に対しては、荷重支持用弾性支承部材と緩衝部材とが相
俟って作用して弾性支持することで対応する。さらに、
前記構造としたので支承装置の上下方向の寸法が増大せ
ず、既設支承装置の設置スペース内に納まり、その交換
作業にも手間がかからない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を図を参照して説明す
る。図1〜図11は本発明の第1実施形態を示し、図1
は橋台又は橋脚等の下部構造物17の上面に設置された
橋梁用支承装置18を示す縦断面図、図2は図1のA−
A断面図である。前記支承装置18は、荷重支持用弾性
支承部材27と緩衝部材34とから構成される。前記弾
性支承部材27によって、道路橋等の橋梁を構成する上
部構造物としてのH型鋼からなる鋼桁19が平行に支持
され、この鋼桁19によって床版20が支持されてい
る。また、前記緩衝部材34によって、上部構造物の水
平力、上揚力、回転力の全方向の揺れが緩衝される。さ
らに、左右の鋼桁19の間は、連結梁21で連結し補強
されている。図3,図4は図1に示す弾性支承部材27
の拡大断面図、図5,図6は緩衝部材34の拡大側面図
と横断面図、図7〜図11は部品図である。
【0014】図1〜図4に示すように荷重支持用弾性支
承部材27において、ベースプレート22が、台座23
を介してアンカー部材24により下部構造物17の上面
に固着されている。ベースプレート22は橋軸直角方向
に長い長辺形の鋼板であって、このベースプレート22
の上面中央部には、平面から見て方形の支承部材収納用
囲い支承壁25が溶接により固着されている。
【0015】前記ベースプレート22上面の囲い支承壁
25の内側に、荷重支持用弾性支承部材27が収納され
る。弾性支承部材27は、所定の厚みを有するゴム支圧
板27aと、ゴム支圧板27aの下面に固着される薄鋼
板製の下部金属板27bと、ゴム支圧板27aの上面に
固着され、当該ゴム支圧板27aとほぼ同程度の厚みを
有するステンレス板からなる上部金属板27cとで構成
されている。この上部金属板27cの上面には薄いテフ
ロン層28が貼着形成されている。また、図4に示され
るように、弾性部材収納用の囲い支承壁25の高さHよ
りも、弾性支承部材27の高さH1 が少し高くなるよう
に設けられていて、上部金属板27cを含む弾性支承部
材27の動きが水平方向に拘束される構造とされてい
る。また、ゴム支圧板27aと囲い壁25との間には、
ゴムの弾性変形許容空間35が形成されている。
【0016】前記弾性支承部材27において、従来は、
高応力によるゴム支圧板27aと上部金属板27cとの
接着部、及び局部せん断ひずみなど高応力に耐えるに
は、構造的に問題があった。本発明の実施形態では、前
記ゴム支圧板27aと上部金属板27cとの接着力の問
題を改善するために、また高応力による接着界面の外周
方向へのせん断力を拘束するために、前記弾性変形許容
空間(つまり、ポット部)35を作ることで、この変形
許容空間におけるゴム層は高応力に対して、接着界面の
せん断力を低減させ、一種の体積弾性率(Eb=200N/mm2)
を発現させるようにしてある。よって、中間のゴム層
は、前記補強用の上部金属板27cを除き単層構成と
し、高応力による接着力の長耐久性の不安を解消した。
ついで、ゴム支圧板27aの局部せん断ひずみについて
は、ゴム膨張面へのR加工によるフィレット部を設け、
局部せん断ひずみによる応力集中の分散を図り、長期の
耐久性に有効な形状としてある。
【0017】また、本発明の実施の形態は、ゴム支圧板
27aのせん断変形による過大なせん断ひずみを排除す
る構造とするため、ゴム支圧板27aの上下部の金属板
27b,27cが上部構造物の水平方向に移動、伸縮に
より位置ずれしない(つまり、ゴム部がせん断変形しな
い)よう、これらの部材をベースプレート22に設けた
囲い壁25内に設置することで、その水平方向移動を拘
束し、かつ、上部金属板27cの上面での上部構造物を
次に述べるようにスライド支持形式としている。
【0018】前記弾性支承部材27は鋼桁19の荷重を
支持するもので、特に、鋼桁19はボルトレス方式で弾
性支承部材27に支持されている。すなわち、H型鋼か
らなる鋼桁19の下部フランジ30の下面には、鋼板製
の既設のソールプレート(又は上沓)29がボルト31
又は溶接等の固着手段により固着されており、その下面
には必要に応じてボルト32等の固着手段により薄鋼板
33が固着されている(この薄鋼板32は設けなくても
よい)。このように、鋼桁19と、その荷重を受ける弾
性支承部材27とは剛結合ではなく、前記既設のソール
プレート29と薄鋼板33を弾性支承部材27の上部金
属板27cの上面に摺動自在に載置してなるボルトレス
支持構造とされている。
【0019】前記荷重支持用弾性支承部材27と一定の
間隔をあけ、横方向に並べて緩衝部材34が設けられ
る。つまり、緩衝部材34は下部構造物17と上部構造
物(この場合、平行な隣合う鋼桁19間を連結する連結
用鋼桁)37の間に配設され、主に、地震時に鋼桁19
に加わる水平方向と回転方向の揺れを吸収するものであ
る。緩衝手段34の具体的構造はゴム,バネ等を用いた
緩衝手段であれば特に限定されないが、本発明の実施形
態ではゴムダンパーを使用した例を示している。
【0020】緩衝部材34において、連結用横桁37の
下部には、この下部にボルト51等で固着した取付けプ
レート38aと、取付けプレート38aと一体に、かつ
略櫛歯状に間隔をあけて複数設けた垂下支持部材38b
とからなる上部支持フレーム38が設けられている。下
部構造物17の上部には、この上部にアンカーボルト4
3等で固着した取付けプレート39aと一体に、かつ略
櫛歯状に間隔をあけて複数設けられた起立支持部材39
bとからなる下部支持フレーム39が設けられている。
そして、垂下支持部材38bと起立支持部材39bとを
上下方向から相互に噛み合わせ、かつ水平方向に一定の
間隙(イ)が複数形成され、また上下方向に一定の間隙
(ロ)が形成されるように設けてある。さらに、水平方
向の間隙(イ)に充填するように弾性体の具体例として
ブロック状のゴムダンパー34aが配設され、このゴム
ダンパー34aの一側が前記垂下支持部材38bに固着
され、他側が前記起立支持部材39bに固着されてい
る。
【0021】前記ゴムダンパー34aは具体的には図1
1に部品図として示すように、所定の厚み幅Wと、高さ
H及び、長さLを有する長方体であって、その両側面に
取付け板34bを貼着して固定されている。取付け板3
4bは、ゴムダンパー34aの側縁から突出する耳部3
4cを有しており、この耳部34cに複数のボルト挿入
孔40が設けられている。
【0022】ゴムダンパー34aの一側に取付けた取付
け板34bは、垂下支持部材38bに当てがわれ、両端
部に開設のボルト挿入孔40,44にボルト41を挿入
し、そのネジ部に締結ナット45を螺合することで、複
数のゴムダンパー34aと複数の垂下支持部材38bと
がそれぞれ結合される。また、ゴムダンパー34aの他
側に取付けた取付け板34bは、起立支持部材39bに
当てがわれ、両部材に開設のボルト挿入孔40,44に
ボルト41を挿入し、そのネジ部に締結ナット45を螺
合することで、複数のゴムダンパー34aと複数の起立
支持部材39bとがそれぞれ結合される。
【0023】なお、前記ゴムダンパー34aと、垂下支
持部材38bおよび、起立支持部材39bとの結合手段
は、前記ボルト,ナットによる結合方式の他にも、ゴム
の加硫一体成形による結合方式、あるいは、接着剤によ
る結合方式を用いることができる。ゴムの加硫一体成形
の場合は、垂下支持部材38bと起立支持部材39bと
を櫛歯状に噛み合わせその間隙(イ)に原料ゴムを配設
し、加熱,加硫して一体成形する。したがって、この場
合は、取付け板34bは使用しない。
【0024】本発明の第1実施形態は前記の構成からな
り、次のように作用する。鋼桁19で支持される道路橋
などの橋梁等の上部構造物の荷重は、前記弾性支承部材
27のゴム支圧板27aで受けられ、緩衝部材34に対
しては無負荷である。大地震が発生した際、鋼桁19に
働く下向きの力に対しては、ゴム支圧板27aが変形許
容空間35を介して弾性部材収納用の囲い支承壁25内
で圧縮変形することで分散し、免震できる。鋼桁19に
働く上揚力に対しては、ゴムダンパー34aと、上部フ
レーム38と、下部フレーム39とを有する緩衝部材3
4を介して鋼桁19と、下部構造物17とが結合されて
いることにより、前記ゴムダンパー34aのせん断変形
でその上揚力が円滑に制御される。
【0025】また、地震により鋼桁19に働く水平方向
の力、つまり橋軸方向と、橋軸直角方向の力に対して
は、鋼桁19の下面のソールプレート29が薄鋼板33
を介して弾性支承部材27の上部金属板27cの上面テ
フロン層28と圧接して、その圧接支持部42がスライ
ド自在に接合していることにより、相互間の摺動摩擦に
よりその水平力が減衰される。これに加えて、同時に橋
軸方向に対しては緩衝部材34のゴムダンパー34aが
せん断変形することで減衰され、また、橋軸直角方向に
対しては、前記ゴムダンパー34aが圧縮変形すること
で減衰される。
【0026】さらに、地震により鋼桁19に働く回転力
に対しては、荷重支持用弾性支承部材27のゴム支圧板
27aの圧縮変形と、緩衝部材34のゴムダンパー34
aのせん断変形との相互作用で有効に減衰することがで
きる。
【0027】図12〜図15には、本発明の第2の実施
形態に係る橋梁用支承装置が示されている。本発明の第
1実施形態では、橋梁の主桁が鋼桁19であったのに対
し、第2実施形態では、PCコンクリートからなる箱桁
46で橋梁の主桁が構成されている点及び、それに伴う
支承装置48の箱桁46への取付け構造が発明の第1実
施形態と相違している。また、緩衝部材34におけるゴ
ムダンパー34aは、加硫一体形成によりその両側面が
垂下支持部材38bと起立支持部材39bに固着されて
いる。他の構成は第1実施形態と同じである。
【0028】図12に示すように、橋脚である下部構造
物17の上面には、中央に配置した緩衝部材34と、そ
の橋軸直角方向両側に一定の間隔をあけて配置された荷
重支持用弾性支承部材27が固定されていて、これらの
各部材34,27を介して上部スラブ46aの上面に道
路46cが設けられた2つの箱桁46が平行に設置され
ている。
【0029】荷重支持用弾性支承部材27におけるベー
スプレート22は、そのボルト挿入孔を下部構造物17
に固定したアンカー部材24に嵌合し、アンカー部材2
4のネジ部にナット24aを締結することで下部構造物
17に固定されている。弾性支承部材27における上部
金属板27cは、これに固定のソールプレート29にに
螺着の取付けボルト47を、箱桁46の下スラブ46b
に開設のボルト挿入孔に挿入し、下スラブ46bの上面
において、取付けボルト47のネジ部にナット47aを
締結することで、荷重支持用弾性支承部材27の上部が
箱桁46に結合されている。
【0030】緩衝部材34における下部フレーム39
は、取付け板39aに開設のボルト挿入孔を下部構造物
17に植設したアンカー部材49に嵌合し、アンカー部
材49のネジ部にナット49aを締結することで下部構
造物17に固定されている。緩衝部材34における上部
フレーム38は、左右の箱桁46を連結する任意の断面
構造のコンクリート製(又は鋼製でもよい)の連結部材
50の下部フランジ部50aに当接し、この下部フラン
ジ50aに開設のボルト挿入孔を通して、下部フランジ
50aの上面から取付けボルト52を上部フレーム38
のネジ穴53に締結することで、連結部材50と緩衝部
材34とが結合されている。
【0031】したがって、本発明の第2実施形態におい
ても、上部構造物である箱桁46の荷重を、荷重支持用
弾性支承部材27で弾性的に支持できる。また、地震に
より箱桁46に働く水平方向の力、つまり橋軸方向と、
橋軸直角方向の力に対しては、箱桁46が弾性支承部材
27により水平方向に摩擦摺動可能に支持されているの
で、地震時に分散,免震される。これに加えて、同時に
橋軸方向に対しては緩衝部材34のゴムダンパー34a
がせん断変形することで減衰され、また、橋軸直角方向
に対しては、前記ゴムダンパー34aが圧縮変形するこ
とで減衰される。
【0032】さらに、地震により箱桁46に働く回転力
に対しては、荷重支持用弾性支承部材27のゴム支圧板
27aの圧縮変形と、緩衝部材34のゴムダンパー34
aのせん断変形との相互作用で有効に減衰することがで
きる。
【0033】なお、本発明において、囲い支承壁25、
反力壁26、緩衝部材34等の構造や、固定手段は適宜
設計変更しても構わない。また、荷重支持用弾性支承部
材27の上部金属板27cと、鋼桁19や箱桁46に固
定のソールプレート29(上沓)やこれらとの間に介在
するテフロン層28を省略し、又はこれらに加え、或い
はこれらに代えて他の部材を介在させることも可能であ
る(但し、いずれも図示省略する)。さらに、本発明は
既設鋼製支承の交換用支承装置として使用できるだけで
なく、新設の橋梁用支承装置としても有益である。
【0034】
【発明の効果】本発明の橋梁用支承装置は、下記のすぐ
れた効果を有する。 a.上部構造物に既設のソールプレートが装着された状
態で、かつ、超薄型で簡潔構造の弾性支承部材を用いて
橋梁の荷重を支持できるので、従来の支承部が設置され
た厚み内で処理でき、構造物のハツリ等も不要な構造で
ある。 b.橋梁の荷重は、前記の弾性支承部材を用いて弾性的
に支持できる。 c.上部構造物と荷重支持用弾性支承部材とは、摺動摩
擦可能な支持構造であるので、橋梁の橋軸方向の横揺れ
は、前記緩衝部材による長周期化での有効な免震が可能
となる。 d.前記のように、上部構造物と荷重支持用弾性支承部
材とが剛結合でなく、摺動可能な接合構造であるので、
上部構造物の橋軸方向の横揺れが前記弾性支承部材によ
って拘束されず、それ故に、橋梁の橋軸方向への連続化
が図れるという効果がある。 e.しかも、上部構造物は、緩衝部材を介してベースプ
レートに固定されているので、橋梁は、地震により作用
する上揚力、水平力、回転力等の全方向の力に対し有効
に緩衝され、かつ連結化によるノージョイントにより落
橋を防止することができる。 f.特に、荷重支持しない緩衝手段(ダンパー)を使用
する事により隣接橋梁の固有周期を任意に選定出来る特
長が有る。そして、前記の特長により、従来の免震分散
構造よりも隣接桁遊間及び伸縮継手を40%程小さく出
来る効果がある。 g.新旧支承装置の交換に際して、上部構造物を仮支承
したうえ、新しい荷重支持用弾性支承部材27と、緩衝
部材を簡易な作業で迅速に取付けることができる。 h.橋梁の橋軸直角方向の横揺れに対しても、緩衝部材
の弾性体の圧縮変形により緩衝を図ることができる。 i.温度変化による鋼桁等上部構造物の伸縮によって
も、支承装置には負荷が作用せず、前記温度変化に円滑
に対応できる。 j.支承装置は、構造が簡潔なので、製品コスト、施工
コスト等の経費を従来に比べ大幅にダウンできるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る橋梁用支承装置の
設置状態を示す縦断面図である。
【図2】図1のAーA断面図である。
【図3】荷重支持用弾性支承部材と鋼桁との支持状態を
示す断面図である。
【図4】図3において荷重支持用弾性支承部材から鋼桁
を持上げた状態の断面図である。
【図5】緩衝部材と下部構造物と鋼桁との連結状態を示
す側面図である。
【図6】図5のBーB断面図である。
【図7】ベースプレートの断面図である。
【図8】図7の平面図である。
【図9】荷重支持用弾性支承部材の平面図である。
【図10】図9の荷重支持用弾性支承部材の縦断面図で
ある。
【図11】(A),(B),(C)は、緩衝部材におけ
るゴムダンパーの縦断面図と、側面図と、横断平面図で
ある。
【図12】本発明の第2実施形態に係る橋梁用支承装置
の設置状態を示す縦断面図である。
【図13】図12における緩衝部材の設置状態を示す拡
大断面図である。
【図14】図13のCーC断面図である。
【図15】従来例に係る支承装置の破断平面図である。
【図16】図9のDーD断面図である。
【符号の説明】
1 係止用突出部 2 鋼製支承板 3 鋼桁 4 支持構造物 5 鋼製台座 6 ゴム支承 7 支持用上面 8 横圧支承用突出部 9 鋼製支承部材 10 鋼製押え部材 11 横圧緩衝支承用弾性スペーサ 12 押圧支承面 13 上側支承部 14 取付用ボルト 15 遊間調整弾性支承部材 16 下部フランジ 17 下部構造物 18 橋梁用支承装置 19 鋼桁 20 床版 21 連結梁 22 ベースプレート 23 台座 24 アンカー部材 25 囲い支承壁 26 反力壁 27 荷重支持用弾性支承部材 28 テフロン層 29 ソールプレート(上沓) 30 下部フランジ 31 ボルト 32 ボルト 33 薄鋼板 34 緩衝部材 34a ゴムダンパー 35 弾性変形許容空間 36 弾性変形許容空間 37 連結用横桁 38 上部支持フレーム 38b 垂下支持部材 39 下部支持フレーム 40 ボルト挿入孔 41 ボルト 42 圧接支持部 43 アンカーボルト 44 ボルト挿入孔 45 締結ナット 46 箱桁 47 取付けボルト 48 支承装置 49 アンカー部材 50 連結部材 51 ボルト 52 ボルト 53 ネジ穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 一平 大阪市中央区西心斎橋1−2−4 三栄ビ ル 阪神高速道路公団第1建設部内 (72)発明者 是近 哲男 大阪市中央区西心斎橋1−2−4 三栄ビ ル 阪神高速道路公団第1建設部内 (72)発明者 上松 英司 大阪市中央区西心斎橋1−2−4 三栄ビ ル 阪神高速道路公団第1建設部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部構造物を荷重支持用弾性支承部材を
    介して下部構造物に支持する橋梁用支承装置であって、
    前記上部構造物を水平方向に摩擦摺動可能に支持する荷
    重支持用弾性支承部材と、前記上部構造物と下部構造物
    との間を弾性体を介して非荷重支持的に連結し、かつ上
    部構造物の全方向の揺れを吸収する緩衝部材とを、前記
    上部構造物と前記下部構造物との間に互いに横方向に間
    隔をあけて設置した構成を特徴とする橋梁用支承装置。
  2. 【請求項2】 前記荷重支持用弾性支承部材をゴム支圧
    板で構成し、このゴム支圧板に設けた上部金属板の上面
    と、ソールプレート付きの前記上部構造物との摩擦摺動
    支持面において、その上下面のいずれかにテフロン層を
    設けたことを特徴とする請求項1記載の橋梁用支承装
    置。
  3. 【請求項3】 下部構造物に固定したベースプレート上
    に支承壁を設け、この支承壁内に前記荷重支持用弾性支
    承部材を収納したことを特徴とする請求項1または2記
    載の橋梁用支承装置。
  4. 【請求項4】 前記緩衝部材を、上部構造物に固定した
    上部支持フレームの複数の垂下支持部材と、下部構造物
    に固定した下部支持フレームの複数の起立支持部材とを
    水平方向及び、上下方向に間隙を有して噛み合わせその
    水平方向間隙に配設した前記弾性体の側面を、それぞれ
    前記垂下支持部材と前記起立支持部材とに固定したこと
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の橋梁
    用支承装置。
  5. 【請求項5】 前記弾性体はブロック状のゴムダンパー
    で構成され、このゴムダンパーは、前記上部構造物の鉛
    直方向と水平方向と回転方向の全方向震動を受けること
    により、圧縮変形と、せん断変形して落橋を防止するよ
    うに上部構造物を移動拘束的に支持している構造を特徴
    とする請求項1ないし4のいずれかに記載の橋梁用支承
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030075361A (ko) * 2002-03-18 2003-09-26 박재만 내진보강용 합성교좌장치
CN107794839A (zh) * 2017-11-30 2018-03-13 中铁二院工程集团有限责任公司 一种减隔震支座的限位装置
CN111665083A (zh) * 2020-07-21 2020-09-15 河南理工大学 一种富有机质泥岩段高效取样装置

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