JPH10298839A - 高収縮性軽量嵩高加工糸 - Google Patents

高収縮性軽量嵩高加工糸

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JPH10298839A
JPH10298839A JP10575297A JP10575297A JPH10298839A JP H10298839 A JPH10298839 A JP H10298839A JP 10575297 A JP10575297 A JP 10575297A JP 10575297 A JP10575297 A JP 10575297A JP H10298839 A JPH10298839 A JP H10298839A
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JP
Japan
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yarn
shrinkage
hot water
shrinkable
constituting
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JP10575297A
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English (en)
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Kunio Akasaki
久仁夫 赤崎
Shuhei Kurata
修平 倉田
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に、かつ安価に得ることが可能な加工糸
であり、製織時に特別な高密度化を要せず、布帛にした
後の熱収縮によって高密度化が可能であり、また、得ら
れる布帛は高密度であるにもかかわらず軽量で、かつ、
スパン調の毛羽感を有するものとなる高収縮性軽量嵩高
加工糸を提供する。 【解決手段】 糸条を構成する単糸が中空断面形状を有
するポリエステル高配向未延伸糸の冷延伸処理糸で、熱
収縮応力が0.35g/d以上の高収縮性糸Aと、前記高収
縮性糸Aより熱水収縮率が5パーセント以上低いポリエ
ステル系の低収縮性糸Bとで構成された混繊交絡糸条で
ある。前記混繊交絡糸条は、熱水収縮率が15%以上で、
かつ、熱水処理後における1m当たりのループ毛羽数が
10個以上となるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパン調高密度織
物用の糸条として好適な高収縮性軽量嵩高加工糸に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】高密度織物用の素材としては、一般に細
番手の綿糸が用いられており、この綿糸を経、緯に高密
度に打込んで高密度織物としている。しかしながら、こ
のような方法で綿糸から織物を製造する場合、製織効率
が悪く、製品の風合も硬くなる上に製品が重くなるこ
と、さらには、大量の高級糸を使用するため高価なもの
となり、一般衣料への普及が妨げられるという欠点を有
していた。
【0003】上記の欠点を解消するために、たとえば特
開昭60−94636 号公報には、熱収縮率差のある芯糸と鞘
糸で芯鞘型混繊交絡糸を形成し、芯鞘間の熱収縮率差を
利用して布帛にスパン調のふくらみや、毛羽感を付与す
る方法が提案されている。しかしながら、この交絡糸
は、芯糸と鞘糸間の熱収縮差が少ないので布帛に十分な
毛羽感を付与することができず、しかも、糸条全体の熱
収縮率が低いことから、布帛にした後の熱収縮によって
織物組織の高密度化を図ることが困難であった。
【0004】また、特開平3−294535号公報には、熱水
収縮率の高い高収縮性糸と低収縮性糸を混繊交絡処理し
た糸条を熱処理し、高収縮性糸の収縮効果で糸条全体を
収縮させて布帛の高密度化を図るとともに、高収縮性糸
と低収縮性糸との熱収縮差で嵩高性を増し、同時に布帛
の表面にループ毛羽を多数浮き出させてスパン調の毛羽
感を付与する方法が提案されている。しかしながら、こ
の方法は、糸条の収縮によって布帛を高密度にできる反
面、それに比例して得られる布帛が重くなってしまう欠
点は解消されていない。
【0005】そこで、本発明者らは、特願平9− 31641
号において、中空断面形状を有する高収縮性糸と低収縮
性糸とからなり、布帛に軽量性を付与できる加工糸を提
案した。しかしながら、高収縮性糸を得るためには、特
殊な共重合ポリマーが必要でコスト高となってしまい、
しかも、中空断面形状を得るのが非常に難しく、紡糸工
程での歩留まりが悪いという欠点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑みて行われたもので、容易に、かつ安価に得る
ことが可能な加工糸であり、製織時に特別な高密度化を
要せず、布帛にした後の熱収縮によって高密度化が可能
であり、また、得られる布帛は高密度であるにもかかわ
らず軽量で、かつ、スパン調の毛羽感を有するものとな
る高収縮性軽量嵩高加工糸を提供することを技術的な課
題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、高配向未延伸糸
を冷延伸処理し得られる高熱収縮応力の高収縮性糸と、
低収縮性糸を混繊交絡処理して得られる糸条は、布帛に
した後の熱処理によって高収縮性糸の収縮効果で糸条全
体が収縮し、布帛の高密度化を図れるとともに、高収縮
性糸と低収縮性糸との熱収縮差で嵩高性が発現又は増大
し、布帛の表面にループ毛羽が多数浮き出てスパン調の
毛羽感を付与することができ、さらに、少なくとも高収
縮性糸、すなわち、高配向未延伸糸に中空断面糸を用い
れば、高密度でありながら非常に軽量な布帛が得られる
ことを見出して本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、糸条を構成する単糸
が中空断面形状を有するポリエステル高配向未延伸糸の
冷延伸処理糸で、熱収縮応力が0.35g/d以上の高収縮
性糸Aと、前記高収縮性糸Aより熱水収縮率が5パーセ
ント以上低いポリエステル系の低収縮性糸Bとで構成さ
れた混繊交絡糸条であって、前記混繊交絡糸条は、熱水
収縮率が15%以上で、かつ、熱水処理後における1m当
たりのループ毛羽数が10個以上となるものであることを
特徴とする高収縮性軽量嵩高加工糸を要旨とするもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の高収縮性軽量嵩高加工糸(以下、加工糸
という。)は、ポリエステル高配向未延伸糸を冷延伸処
理した高収縮性糸Aとポリエステル系の低収縮性糸Bで
構成された混繊交絡糸条である。
【0010】高収縮性糸Aを構成する単糸は中空断面形
状を有しており、中空断面形状を有することにより、本
発明の特徴である布帛に軽量性を付与することができる
ものである。高収縮性糸Aを構成する単糸の横断面の形
状は特に限定されるものではなく、円形や3角形等いず
れでもよく、また、横断面の形状と中空部の形状との関
係は、相似形もしくは非相似形のいずれであってもよ
い。さらに、中空部から繊維表面にかけて連通孔を有す
るような、いわゆる開放型の中空断面形状のものでもよ
い。また、中空部の数についても特に限定されるもので
はなく、1個でも、2個以上でもよい。
【0011】図5は、本発明に適用される高収縮性糸A
を構成する単糸の横断面の例を示すものであって、
(a)は円形断面、(b)は3角断面、(C)は中空部
から繊維表面にかけて連通孔を有する開放型の中空断
面、(d)は複数の中空部を有する例であり、(a)は
中空単糸の横断面と中空部の横断面との形状が相似形の
もの、(b)は非相似形のものである。
【0012】上記単糸の中空率は特に限定されるもので
はないが、5%以上、70%未満のものを選定するのが好
ましい。中空度が5%未満では、得られる加工糸の軽量
効果が低下しやすく、また70%以上では、製織時や染色
加工時に中空断面形状が破壊する可能性があり、布帛の
物性低下が懸念されるので好ましくない。 (S1 /S0)×100 ………(3) ここで、中空率とは、糸条を構成する単糸の横断面にお
いて、中空部の面積が横断面の全面積に占める割合のこ
とをいい、具体的には糸条の断面を撮影又は投影して、
面積測定装置、たとえばサンエンジアニング(株)製の
デジタイザ等を使用して、単糸全体の面積S0 と中空部
の面積S1 をそれぞれ測定して、上記式(3)で算出す
るものである。
【0013】次に、ポリエステル系の低収縮性糸Bは、
前記した高収縮性糸Aより熱水収縮率が5パーセント以
上低いものである。本発明の加工糸は、布帛にした後の
熱処理によってループ毛羽を発現又は増大させ、スパン
調の毛羽感を付与する点に特徴がある。熱処理効果で糸
条表面のループ毛羽を発現又は増大させるためには、高
収縮性糸Aと低収縮性糸Bの熱水収縮差を利用するのが
効果的であり、本発明の加工糸は、この収縮効果を最大
限に活用したものである。
【0014】すなわち、本発明の加工糸は、高収縮性糸
Aと低収縮性糸Bとを流体処理して得られた混繊交絡糸
条で、具体的には1図に示された、ループ毛羽を形成し
ない、いわゆるインターレース混繊を施した糸条や、3
図に示された、アーチ状ループ毛羽やクルノードルルー
プ毛羽を形成する、いわゆるタスラン混繊を施した糸条
をいい、この加工糸を熱水処理すれば、2図や4図に示
すように、高収縮性糸Aが収縮して加工糸の芯部を形成
し、低収縮性糸Bが鞘部を形成した嵩高な2層構造の加
工糸となり、同時に鞘部の低収縮性糸Bは、その複雑な
屈曲状態で糸条表面が浮き出てループを形成することと
なる。この糸条表面に浮き出たループによってスパン調
の毛羽感を得ることができるのである。また、この嵩高
な2層構造により、多数の空隙部が生じることとなり、
軽量性をさらに増大させることができるものである。
【0015】したがって、低収縮性糸Bの熱水収縮率が
高収縮性糸Aの熱水収縮率と近似し、両糸の熱水収縮率
差が5%未満になると、嵩高な2層構造の加工糸となら
ないばかりか、糸条表面に十分なループ毛羽を形成させ
ることができず、本発明の目的を達することができな
い。
【0016】また、本発明の加工糸は、熱水処理後の1
m当たりのループ毛羽数が10個以上、好ましくは20個以
上となるものであることが必要である。熱水処理後のル
ープ毛羽の形成量は、加工糸を製織し得られる布帛のス
パン調の毛羽感を決定する要因となり、熱水処理後のル
ープ毛羽数が10個未満では、スパン調の毛羽感を得るこ
とができず、スパン調効果が乏しいものとなり、かつ、
軽量性も乏しいものとなる。
【0017】本発明の加工糸の特徴は、製織時に特別な
高密度化を要せず、布帛にした後の熱収縮によって高密
度化を図ることができるものである。そのために、本発
明の加工糸は、熱水収縮率が15%以上、好ましくは20%
以上であることが必要である。熱水収縮率が15%未満で
は、布帛を熱水処理しても収縮が小さく、十分な高密度
化を図ることができない。
【0018】さらに、熱収縮を利用して布帛の高密度化
を図るためには、熱水収縮率が上記条件を満たし、か
つ、熱収縮応力も高いものであることが必要である。本
発明者らは、まず、本発明の加工糸の熱収縮応力と布帛
の熱収縮能との関係を種々検討した結果、本発明の加工
糸の熱収縮応力が0.2g/d以上になると、布帛の組織に束
縛されず、十分な収縮力を発揮することを見出した。さ
らに、高収縮性糸Aと本発明の加工糸の熱収縮応力の関
係を種々検討した結果、低収縮性糸Bの繊度が高収縮性
糸Aの繊度の5倍未満という実用上の繊度関係を満足す
る場合、高収縮性糸Aの熱収縮応力を0.35g/d 以上とす
れば、本発明の加工糸の熱収縮応力が0.2g/d以上となる
ことを見出した。
【0019】すなわち、熱収縮能が布帛の組織に束縛さ
れず、十分な収縮力を発揮するためには、本発明の加工
糸を構成する高収縮性糸Aの熱収縮応力が0.35g/d以上
である必要がある。このような条件を十分に満足する高
収縮性糸Aは、単糸が中空断面形状を有するポリエステ
ル高配向未延伸糸を冷延伸処理することにより得ること
ができる。
【0020】上記のポリエステルとは、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)又はポリブチレンテレフタレー
ト(PBT)等のホモポリエステルをいうが、その性質
を本質的に変えない範囲で、第3成分として、例えば、
イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の
ジカルボン酸、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル等のジオール類を共重合したコポリエステルでもよ
く、また、これらのポリエステルに艶消し剤、安定剤、
着色剤、難燃剤、表面改良剤等を添加したものでもよ
い。
【0021】また、ポリエステル高配向未延伸糸とは、
中空紡糸ノズルを用いた常法の高速紡糸によって得られ
る、切断伸度が80〜 150%のポリエステルマルチフィラ
メントをいう。前述したポリエステルはコスト的に安価
であり、しかも中空断面形状を有するポリエステル高配
向未延伸糸を安定して紡糸することができる。次に、ポ
リエステル高配向未延伸糸の切断伸度は80〜 150%であ
る必要があり、切断伸度が 150%を超えると、配向度が
低すぎて繊維の特性が経時変化しやすく、一定品質の高
配向未延伸糸を冷延伸に供することが困難となり、結果
的に得られる加工糸の品質のバラツキが大きくなる。ま
た、切断伸度が80%未満では、配向度が高すぎて冷延伸
処理後に満足できる熱収縮応力や熱水収縮率が得られな
い。
【0022】また、冷延伸処理とは、ポリエステル高配
向未延伸糸のガラス転移温度以下の温度条件で、1.2〜
2.0倍の延伸倍率で延伸処理することをいう。ガラス転
移温度より高温で延伸処理を行うと、実質熱延伸処理と
なり、また、1.2倍未満の延伸倍率で延伸を行うと十分
な延伸効果が得られないため、いずれも、満足できる熱
収縮応力や熱水収縮率が得られない。また、2.0倍を超
えた倍率で延伸を行うと、冷延伸処理時に糸切れや単糸
切断による毛羽が発生するため、安定して高収縮性糸A
が得られない。上記の冷延伸処理は、低収縮性糸Bと混
繊交絡を行う際に、同一加工機で同時に連続工程で行っ
てもよく、また、あらかじめ別個に冷延伸処理だけを実
施しておき、その後、混繊交絡に供してもよい。
【0023】なお、熱収縮応力とは、次のものである。
すなわち、糸条を0.1g/dの張力下、一定長で把持
し、これを加熱昇温していくと、糸条は熱収縮しようと
するが、両端が固定されているため実際の収縮は起こら
ず、その代わり糸条に収縮しようとする内部応力が生じ
るが、この応力を熱収縮応力という。
【0024】本発明の加工糸において、高収縮性糸Aと
低収縮性糸Bとの構成比率は、低収縮性糸Bの繊度が高
収縮性糸Aの繊度の5倍未満という実用上の範囲であれ
ば特に限定されるものでなく、目的とする熱水収縮率
と、ループ毛羽が発現する範囲で適宜選定すればよい。
【0025】本発明の加工糸は、上記の構成を有するの
で、製織時に特別な高密度化を要せず、布帛にした後の
熱収縮によって高密度化が可能であり、また、得られる
布帛は高密度であるにもかかわらず軽量で、かつ、スパ
ン調の毛羽感を有するものとなるという効果を奏するも
のであるが、さらに、次のような構成にすれば、上記の
効果を一層向上させることができる。まず、高収縮性糸
Aと低収縮性糸Bの単糸繊度が前記式(1),(2)で
規定したように、高収縮性糸Aの単糸繊度aが2d以上
であり、かつ、低収縮性糸Bの単糸繊度bが2d未満で
あることが好ましい。高収縮性糸Aの単糸繊度が2d以
上になると、本発明の加工糸を製織して得られる布帛の
ハリ、腰が一層よくなり、また、低収縮性糸Bの単糸繊
度が2d未満になると、得られる布帛のソフト感やしな
やかさが一層向上する。特に、ピーチスキン調のスパン
調のソフトな毛羽感を得るためには、低収縮性糸Bの単
糸繊度を0.8d未満にするのが好ましい。
【0026】また、低収縮性糸Bとしては、延伸や仮撚
捲縮加工が施されたものを用いることができるが、本発
明の加工糸の特徴の一つである軽量性をさらに向上させ
るためには、低収縮性糸Bを構成する単糸も中空断面形
状を有するものを用いるのが好ましい。この場合、低収
縮性糸Bを構成する単糸の横断面や中空部の形状は、前
述した高収縮性糸Aの中空断面形状の中から適当なもの
を選択すればよい。
【0027】なお、本発明でいうループ毛羽数とは、顕
微鏡下で任意の20個所、各5cm間の部分において、糸条
軸中心より1mm以上の高さを有するループ毛羽数を目視
にて計測し、1m当たりに換算するものである。
【0028】また、熱水処理後のループ毛羽数は、上記
測定法で求めるが、熱水処理は、枠周1.125mの検尺機を
用いて試料に0.1g/dの張力をかけながら巻数10の小綛を
作り、この小綛を自由状態で98℃の沸騰水中に30分間浸
漬することによって行い、その後、水平な台上に置いて
無緊張状態で自然乾燥させた試料を用いた。
【0029】さらに、熱水収縮率は、JIS L101
9に準拠して測定し、熱収縮応力は、市販のカネボウ熱
応力測定器KE−2型(カネボウエンジニアリング株式
会社製)を用いて、温度に対応する応力を記録計に記録
し、ピーク応力値を糸条の繊度(デニール)で除した値
とした。
【0030】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、実施例における軽量性の評価は、織物の目
付T(g/m2)及び厚さL(mm)をJIS L 1018に
準拠して測定し、下記式(4)で算出した布帛密度(g/
m2・mm)で行った。 布帛密度=T/L ………(4) この布帛密度の値は、小さいほど軽量効果が優れている
ことを示すものである。また、切断伸度は、JIS L
1013に準拠して測定した。
【0031】実施例1 中空紡糸ノズルを用いた常法の高速紡糸によって得た切
断伸度が 110%のPET高配向未延伸糸を、室温雰囲気
(25℃) 中で1.5倍の冷延伸を行い、円形断面の内部に
中空率18%の円形中空部を1個所有し、かつ、熱収縮応
力0.40g/d で、熱水収縮率38%の高収縮性糸70d/18f
を得た。この高収縮性糸と、低収縮性糸として熱水収縮
率8%のPET糸75d/72fとを引き揃え、インターレ
ースノズルの空気圧力2Kg/cm2で流体処理して 145d/
90fの高収縮性軽量嵩高加工糸を得た。
【0032】比較例1 高収縮性糸として、円形中実断面で、かつ、熱収縮応力
0.20g/d で熱水収縮率10%のPET糸85d/18fを用い
た以外は実施例1と同様に加工し、 160d/90fの加工
糸を得た。
【0033】実施例2 中空紡糸ノズルを用いた常法の高速紡糸によって得た切
断伸度が 115%のPET高配向未延伸糸を、室温雰囲気
(25℃) 中で1.55倍の冷延伸を行い、円形断面の内部に
中空率24%で、繊維表面にかけて連通孔を有する円形中
空部を1個所有し、かつ、熱収縮応力0.41g/d で、熱水
収縮率42%の高収縮性糸30d/6fを得た。次いで、低
収縮性糸として熱水収縮率11%のPET仮撚加工糸60d
/72fを用い、前記高収縮性糸と引き揃え、オーバーフ
ィード率5%、タスランノズルの空気圧力5Kg/cm2で流
体処理して90d/78fの高収縮性軽量嵩高加工糸を得
た。
【0034】実施例3 低収縮性糸として、熱水収縮率10%で、円形断面の内部
に中空率12%の円形中空部を1個所有する55d/36fの
PET非仮撚糸を用いた以外は、実施例2と同様に加工
して、85d/42fの高収縮性軽量嵩高加工糸を得た。
【0035】比較例2 PET高配向未延伸糸を、40d/6fの円形中実断面と
した以外は実施例2と同様に加工し、 100d/78fの加
工糸を得た。
【0036】実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた
加工糸をそれぞれ経糸と緯糸に用いて製織し、平組織の
織物を得た。得られた加工糸と織物の性状を表1に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、実施例1〜3で
得られた織物は、沸水処理時の熱収縮によって組織が高
密度化するとともに、ループ毛羽が形成され、スパン調
の高密度織物となった。しかも、高密度織物にかかわら
ず、軽量性に優れていた。その中でも,実施例2のもの
は、表面に鞘糸の極細単糸で構成されたループ毛羽が緻
密に浮き出て、特にピーチスキン調のソフトな風合に優
れたものであり、また、実施例3のものは、特に軽量性
に優れたものであった。
【0039】一方、高収縮性糸として、円形中実断面を
有し、熱収縮応力が低い糸条を用いた比較例1で得られ
た織物は、ループ毛羽が形成されず、スパン調の風合に
乏しく、かつ、軽量性にも乏しいものであった。また、
高収縮性糸として、円形中実断面を有する高熱収縮応力
の糸条を用いた比較例2で得られた織物は、高密度にな
り、ピーチスキン調のソフトな風合を有していたが、軽
量性に乏しいものであった。
【0040】
【発明の効果】本発明の高収縮性軽量嵩高加工糸は、加
工糸の一方を構成する高収縮性糸がポリエステル高配向
未延伸糸を冷延伸処理して得られるたものであるため、
特殊な共重合ポリマーを使用することなく、PETやP
BT等のホモポリエステルから容易に、かつ安価に得る
ことができる。また、製織時に特別な高密度化を要せ
ず、布帛にした後の熱収縮によって高密度化が可能であ
り、しかも熱処理によってループ毛羽が発現、増大する
ので、製織性を低下させることなく、高密度でスパン調
の毛羽感を有する布帛を得ることができ、さらに得られ
る布帛は高密度であるにもかかわらず軽量なものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高収縮性軽量嵩高加工糸の一実施態様
を示す外観模式図である。
【図2】図1の加工糸の熱水処理後の外観模式図であ
る。
【図3】本発明の高収縮性軽量嵩高加工糸の他の実施態
様を示す外観模式図である。
【図4】図3の加工糸の熱水処理後の外観模式図であ
る。
【図5】(a),(b),(c),(d)は、高収縮性
糸Aを構成する単糸の横断面図である。
【符号の説明】
A 高収縮性糸 B 低収縮性糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D02J 1/22 D02J 1/22 J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸条を構成する単糸が中空断面形状を有
    するポリエステル高配向未延伸糸の冷延伸処理糸で、熱
    収縮応力が0.35g/d以上の高収縮性糸Aと、前記高収
    縮性糸Aより熱水収縮率が5パーセント以上低いポリエ
    ステル系の低収縮性糸Bとで構成された混繊交絡糸条で
    あって、前記混繊交絡糸条は、熱水収縮率が15%以上
    で、かつ、熱水処理後における1m当たりのループ毛羽
    数が10個以上となるものであることを特徴とする高収縮
    性軽量嵩高加工糸。
  2. 【請求項2】 高収縮性糸Aと低収縮性糸Bとを構成す
    る単糸の繊度が下記式(1),(2)を同時に満足する
    請求項1記載の高収縮性軽量嵩高加工糸。 a≧2.0 ………(1) b<2.0 ………(2) ここで、aとbは、それぞれ高収縮性糸A及び低収縮性
    糸Bを構成する単糸の繊度(デニール:d)である。
  3. 【請求項3】 低収縮性糸Bを構成する単糸が中空断面
    形状を有する請求項1又は請求項2記載の高収縮性軽量
    嵩高加工糸。
JP10575297A 1997-04-23 1997-04-23 高収縮性軽量嵩高加工糸 Pending JPH10298839A (ja)

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JP10575297A JPH10298839A (ja) 1997-04-23 1997-04-23 高収縮性軽量嵩高加工糸

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006094538A1 (en) 2005-03-09 2006-09-14 Oerlikon Textile Gmbh & Co. Kg Melt spinning method for producing a composite yarn as well as a composite yarn
JP2009108453A (ja) * 2007-11-01 2009-05-21 Toray Ind Inc スパンライク織物

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