JPH10298274A - ポリエステルの製造方法および重縮合反応装置 - Google Patents

ポリエステルの製造方法および重縮合反応装置

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JPH10298274A
JPH10298274A JP10938697A JP10938697A JPH10298274A JP H10298274 A JPH10298274 A JP H10298274A JP 10938697 A JP10938697 A JP 10938697A JP 10938697 A JP10938697 A JP 10938697A JP H10298274 A JPH10298274 A JP H10298274A
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JP
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diol
polyester
polycondensation reaction
heated
condenser
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JP10938697A
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Shin Ito
紳 伊藤
Yoshitada Katou
義匡 加藤
Yukio Hachitsuka
幸雄 八塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】排気ラインへの留出物の付着、堆積を防止し
て、高品質のポリエステルを安定的に生産することがで
きるポリエステルの製造方法および重縮合反応装置を提
供する。 【解決手段】ポリエステルの回分式重縮合反応におい
て、重縮合反応終了後、反応により発生する蒸気を凝縮
・捕集する凝縮器の内部および/または排気管の内部
を、加熱したジオール、または加熱したジオールと熱
水、または加熱したジオールと水蒸気により洗浄するこ
とを特徴とするポリエステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高品質のポリエス
テルを安定して生産することのできるポリエステルの製
造方法および重縮合反応装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルは、一般にジカルボン酸と
ジオールとをエステル化させてオリゴマーとし、これを
減圧下に加熱して重縮合させることによって製造されて
いる。この重縮合反応において、ジオールや水などの蒸
気が発生するため、排気管を通して系外に排出させるこ
とが必要である。一般にこの重縮合反応は、高温高真空
下で行なわれるため、この蒸気中にはテレフタル酸等の
低分子未反応原料や初期重縮合物であるオリゴマーが、
飛沫同伴作用や昇華により少量含まれて留出してくる。
これらの留出物は降温によって凝固する性質をもってい
るため、長期間運転を続けると、ジオールや水の凝縮器
などに接続されている排気管や凝縮器の内壁、および凝
縮器の伝熱部表面に、留出物が付着、堆積し、排気ライ
ン系を閉塞させる。このため、重縮合反応槽内部の真空
度が悪化し、重合反応を遅延したり、また、重合反応の
遅延によるポリエステルの品質の悪化、品質バラツキの
増大など、生産・品質上の問題が生じる。このため、従
来、重縮合反応槽内部の真空度が悪化すれば、生産を中
断し、排気管や凝縮器などに付着、堆積した留出物を取
り除く作業を行なっていた。
【0003】この問題を解決する手段として、実用新案
登録第2512792号公報では、排気管の閉塞を防ぐ
ため、排気管にジャケットを設け、熱媒体等によって2
50〜300℃に熱し、留出物を溶融させて多量の蒸気
ととも系外に排出させるという対策が講じられている。
しかしながら、排気管を高温に加熱すると、付着した留
出物の一部が炭化したり、高融点化したりして、排出さ
れずに堆積し、時々剥離して反応物中に混入し、製品ポ
リエステルの品質を低下させるという不都合が生じる。
【0004】また他の解決手段として、特公平6−10
2729号公報では、生産の中断や、排気ラインの解体
をすることなく、排気管内に付着した堆積物を機械的に
除去する掻き取り機構付きの重縮合反応装置が提案され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蒸気の
沸点以下の温度に冷却するという目的上、凝縮器内部へ
の留出物の付着、堆積は免れ難かった。また、凝縮器の
入口部あるいは出口部近傍の排気管などは、凝縮器の冷
却の影響を受け、温度低下が生じ、この部位において留
出物が固化し、付着、堆積するという問題も依然として
解消されていなかった。
【0006】また、排気管内に付着した堆積物を機械的
に掻き取る方法も、凝縮器の内部の形状が複雑であった
り、また冷却捕集器の近傍は排気管が直線的でないこと
から、採用が困難な場合が多かった。特に多管型熱交換
器を凝縮器として用いる重縮合反応装置では、凝縮器内
部に伝熱管が複雑に入り組んでいることが多いため、付
着・堆積物を機械的に掻き取る方法は、実際上、採用す
ることは極めてむつかしいことである。
【0007】本発明の目的は、上記したような従来の問
題点を解消し、排気ラインへの留出物の付着、堆積を防
止して、高品質のポリエステルを安定的に生産すること
ができるポリエステルの製造方法および重縮合反応装置
を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、次の構成を採用する。すなわち、 (1)ポリエステルの回分式重縮合反応において、重縮
合反応終了後、反応により発生する蒸気を凝縮・捕集す
る凝縮器の内部および/または排気管の内部を、加熱し
たジオール、または加熱したジオールと熱水、または加
熱したジオールと水蒸気により洗浄することを特徴とす
るポリエステルの製造方法。
【0009】(2)ポリエステルの主たる繰り返し単位
が、ポリエチレンテレフタレートであり、ジオールがエ
チレングリコールであることを特徴とする前記(1)に
記載のポリエステルの製造方法。
【0010】(3)ポリエステルの主たる繰り返し単位
が、ポリブチレンテレフタレートであり、ジオールが
1.4−ブダンジオールであることを特徴とする前記
(1)に記載のポリエステルの製造方法。
【0011】(4)ポリエステルが、ポリテトラメチレ
ングリコールをソフトセグメントとするポリブチレンテ
レフタレート系のポリエステルエラストマーであり、ジ
オールが1.4−ブダンジオールであることを特徴とす
る前記(1)に記載のポリエステルの製造方法。
【0012】(5)ポリエステルの回分式重縮合反応装
置において、重縮合反応により発生する蒸気を凝縮・捕
集する凝縮器および/または排気管の内部を、加熱した
ジオール、または加熱したジオールと熱水、または加熱
したジオールと水蒸気により洗浄する機構を備えたこと
を特徴とする重縮合反応装置。
【0013】(6)凝縮器が、多管型熱交換器であるこ
とを特徴とする前記(5)に記載の重縮合反応装置であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリエステルの製
造方法について更に詳しく説明する。
【0015】本発明のポリエステルは特に限定されない
が、ジカルボン酸単位の主体はテレフタル酸(以下、T
PAという)単位であり、グリコール単位の主体はエチ
レングリコール(以下、EGという)単位または1、4
−ブタンジオール(以下、BDという)単位であり、テ
レフタル酸単位がジカルボン酸単位の45〜100モル
%を占め、かつEG単位またはBD単位がグリコール単
位の50〜100モル%を占める場合が好ましい。
【0016】また、本発明のポリエステルの製造方法
は、ポリエステルエラストマーにも適応できる。適応で
きるポリエステルエラストマーは特に限定されないが、
ソフトセグメントがポリエチレングリコール(以下、P
EGという)、またはポリテトラメチレングルコール
(以下、PTMGという)であるポリエチレンテレフタ
レート(以下、PETという)系、またはポリブチレン
テレフタレート(以下、PBTという)系のポリエステ
ルエラストマーが好ましい。中でもソフトセグメント
が、PTMGであるPBT系のポリエステルエラストマ
ーが、洗浄液としてEGまたはBDを使用できることか
ら、良好な結果を得ることができる。
【0017】本発明におけるポリエステルは、全構造単
位の45モル%以下程度であれば、テレフタル酸単位以
外のジカルボン酸単位の1種または2種以上を含むこと
ができ、また同様にEG単位またはBD単位以外のグリ
コール単位の1種または2種以上を含むことができる。
TPA以外のジカルボン酸単位として、たとえば、イソ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカル
ボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族
ジカルボン酸;ドデカンジオン酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、などの脂肪
族カルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環
族ジカルボン酸;ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸、
ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン
酸の単位が挙げられる。また、EG単位またはBD単位
以外のグリコール単位としては、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、p−キシレングリコール、1,4−シクロヘキサジ
メタノール、ビスフェノールなどが挙げられる。
【0018】本発明のポリエステルの製造方法では、回
分式重縮合反応において、重縮合反応終了後、凝縮器お
よび排気管の洗浄を行なう。連続式重縮合反応では、運
転時間が長いため、凝縮器および排気管への留出物の付
着・堆積量が多く、運転中に排気ライン系の閉塞を招い
たり、反応終了後、洗浄を実施しても十分な効果が得ら
れない場合がある。
【0019】回分式重縮合反応における洗浄の頻度は、
特に限定されるものではない。反応終了後、毎回実施し
てもよいし、1回の重縮合反応における留出物の付着・
堆積の程度が軽微であれば、数回の重縮合反応に1回の
割合で実施してもよい。通常、できるだけ洗浄頻度が高
いようにすれば、良好な結果を得ることができる。
【0020】洗浄は、重縮合反応終了後であればポリマ
ーの吐出やその他の製造作業と並行して実施してよい
し、洗浄のみ時間をとって実施してもよい。しかし、重
縮合反応中に、洗浄を行なうと、洗浄液が気化し、重縮
合反応槽内部の真空度を悪化させたり、付着・堆積した
留出物を溶解、分解して、洗い流すことなく、真空発生
装置より系外に排出され、十分な洗浄効果が得られない
ので好ましくない。
【0021】洗浄液としては、加熱したジオール、また
は加熱したジオールと熱水、または加熱したジオールと
水蒸気であれば、そのいずれでもよいが、この中で加熱
したジオール成分を用いることが重要である。これは、
ポリエステルの構成成分であるジオールを用いることに
より、付着・堆積した留出物の成分であるオリゴマーを
加溶媒分解し、短時間で十分な洗浄効果を得るためであ
る。
【0022】本発明で使用するジオールは特に限定され
ないが、製造しているポリエステルのグリコール単位の
主体であるジオール、まはたEG、またはBGを使用す
ることが好ましい。また、熱水や水蒸気と組み合わせて
使用する場合は、水と相溶するジオールを選択すること
が好ましい。特に、EGは本発明に使用するに適当な沸
点を有し、水と相溶し、ジオールの中では比較的安価な
ため、洗浄液として特に好ましい。洗浄液として使用し
たジオールを回収、精製後、再利用する場合は、製造ポ
リエステルの主たるグリコール単位であるジオールを使
用することが、精製が容易で好ましい。
【0023】ジオールの加熱温度は特に限定されない
が、通常、50℃以上であることが好ましい。50℃以
下では、付着・堆積した留出物のジオールへの溶解度が
低かったり、オリゴマーの加溶媒分解速度が遅かったり
して、十分な洗浄効果を得られない場合がある。また、
ジオールの沸点以上に加熱した、蒸気噴霧でも良好な洗
浄効果を得ることができる。
【0024】また、加熱したジオールと組み合わせて、
熱水や水蒸気(沸点以上の熱水)を使用してもよい。こ
れは付着・堆積した留出物に水溶性成分が存在すること
や、オリゴマーが加水分解することにより、洗浄効果が
得られるからである。この場合も、熱水の温度は上記と
同様の理由により、50℃以上であることが好ましい。
水蒸気の温度は特に限定されないが、特に高温高圧の蒸
気を用いる必要はなく、100〜150℃の蒸気で十分
な効果を得ることができる。
【0025】加熱したジオールと組み合わせて熱水や水
蒸気を使用する場合、これらを混合して洗浄液としても
よいし、また、加熱したジオールで洗浄後、熱水や水蒸
気で洗浄したり、この逆の順にするなど、別個に、順に
洗浄してもよい。
【0026】洗浄時間、洗浄液量、および洗浄液は、重
縮合反応装置の大きさや製造するポリエステルの昇華性
・飛散性、洗浄液への溶解性により異なるので、各反応
装置や製造するポリエステルに応じて最適の条件を設定
する。
【0027】次に、最も一般的かつ工業的に製造される
一例として、回分式重縮合反応でPETまたはPBTを
1バッチあたり1〜4t生産する場合の洗浄条件につい
て説明すると、洗浄液は、50〜195℃に加熱したE
GまたはBG単独、または50〜130℃の熱水または
水蒸気と加熱したEGまたはBGの1:4〜4:1混合
液(重量比)を使用し、流量:1〜20l/hrで5〜
30分間、洗浄液ノズルから排気管および凝縮器内部に
噴射すれば良好な洗浄効果を得ることができる。
【0028】次に、本発明のポリエステルの製造方法に
好ましく用いられる重縮合反応装置を図面により具体的
に説明する。
【0029】図1は、凝縮器として多管型熱交換器を使
用した場合の本発明の装置の一例を示す概略説明図であ
り、図2は、湿式凝縮器を使用した場合の本発明の装置
の一例を示す概略説明図である。
【0030】1は重縮合反応槽、2はポリマー吐出口、
3はオリゴマー供給ライン、4は排気管、5は凝縮器、
6は洗浄液噴射ノズル、7は留出液貯槽、8は真空発生
装置、9はジオール加熱用熱交換器、10はジオール供
給ライン、11は洗浄液排出ライン、12は熱水・水蒸
気供給ライン、13は凝縮液冷却器である。
【0031】本発明は、熱交換器9で加熱したジオー
ル、または加熱したジオールと熱水、または加熱したジ
オールと水蒸気の洗浄液を、洗浄液噴射ノズル6から供
給し、凝縮器5と排気管4の内部を洗浄できるようにし
たものである。
【0032】本発明の装置を用いて重縮合反応を行なう
には、ジカルボン酸とジオールとをエステル化反応させ
て得られたオリゴマーと触媒などの添加剤をオリゴマー
供給ライン3より受入れ、撹拌しながら、減圧下に加熱
する。
【0033】重縮合反応によって発生した蒸気は排気管
4を通って凝縮器5に導かれ、非凝縮性の蒸気はさらに
真空発生装置に導かれ、系外に排出される。
【0034】所定の重合度のポリエステルが得られるま
で重縮合反応を続けた後、撹拌、減圧を停止し、重縮合
反応槽を加圧してポリエステルをポリマー吐出口2から
吐出する。
【0035】反応期間中に発生した蒸気と一緒に排出さ
れるオリゴマーなどの留出物は、排気管4や凝縮器5の
内部に付着・堆積するが、重縮合反応終了後、熱交換器
9で加熱したジオール、または加熱したジオールと熱
水、または加熱したジオールと水蒸気の洗浄液を、洗浄
液噴射ノズル6から供給し、洗浄液で溶解したり、洗浄
液による加溶媒分解により留出物を分解して、排気管4
や凝縮器5の内部に付着・堆積した留出物を除去する。
本発明では、洗浄液にジオールを使用しているため、留
出物が洗浄液に溶解、加溶媒分解しやすく、容易にかつ
効果的に排気管や凝縮器内部を洗浄できる。
【0036】
【実施例】次に、本発明の製造方法と装置を用いて、重
縮合反応を実施した実施例と比較例とをあげて本発明を
より具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0037】実施例1 TPA:1730kg、EG:775kgを用いてエス
テル化反応を行ない、次いで図1に示す重縮合反応装置
を用いて重縮合反応を行なった。
【0038】まずTPAとEG全所要量を精留塔のつい
た反応容器に仕込み、200℃、1.5kg/cm2
加圧下にエステル化反応を開始した。その後、徐々に昇
温するとともに、反応途中から反応圧力を常圧に変更し
た。また、反応の進行に伴い、生成する水を精留塔を経
由して留去した。エステル化反応を開始してから3時間
56分後(この時の温度:250℃)にエステル化反応
を終了した。この時の反応率は98.3%であった。
【0039】この反応生成物であるビス(ω−ヒドロキ
シエチル)テレフタレートおよびその低重合体(BHE
T)(温度:240℃)を重合反応槽に移し、三酸価ア
ンチモン700gをEG:10kgに溶解、添加した。
その後、常圧から30分かけて高真空まで減圧し、同時
に290℃まで加熱、昇温して重縮合反応を行なった。
この時、真空発生装置での真空度は、抽気量:1kg/
cm2 で吸入圧力は0.3Torrである。
【0040】重縮合反応終了後、毎回、ジオール加熱用
熱交換器により180℃に加熱したEG:5l/min
を洗浄液噴射ノズル6から排気管4および凝縮器5の内
部に噴射し、20分間洗浄した。この回分式重縮合反応
を繰り返す運転を、連続:200回行なったところ、真
空度の悪化、重合時間の遅延は軽微であった。
【0041】実施例2 実施例1と同様に、TPA:1730kg、EG:77
5kgを用いてエステル化反応を行ない、次いで図1に
示す重縮合反応装置を用いて重縮合反応を行なった。
【0042】重縮合反応終了後、毎回、ジオール加熱用
熱交換器により180℃に加熱したEG:5l/min
と95℃の熱水:5l/minを混合し、洗浄液噴射ノ
ズル6から排気管4および凝縮器5の内部に噴射し、2
0分間洗浄した。この回分式重縮合反応を繰り返す運転
を、連続:200回行なったところ、真空度の悪化、重
合時間の遅延は軽微であった。
【0043】実施例3 実施例1と同様に、TPA:1730kg、EG:77
5kgを用いてエステル化反応を行ない、次いで図1に
示す重縮合反応装置を用いて重縮合反応を行なった。
【0044】重縮合反応終了後、毎回、95℃の熱水:
5l/minを、洗浄液噴射ノズル6から排気管4およ
び凝縮器5の内部に噴射し、10分間洗浄した後、ジオ
ール加熱用熱交換器により180℃に加熱したEG:5
l/minで10分間洗浄した。この回分式重縮合反応
を繰り返す運転を、連続:200回行なったところ、真
空度の悪化、重合時間の遅延は軽微であった。
【0045】比較例1 実施例1と同様に、TPA:1730kg、EG:77
5kgを用いてエステル化反応を行ない、次いで図1に
示す重縮合反応装置を用いて重縮合反応を行なった。
【0046】重縮合反応終了後、洗浄を実施せずに、こ
の回分式重縮合反応を繰り返す運転を行なったところ、
連続:150回目で真空度の悪化、重合時間の遅延が顕
著になり、排気管および凝縮器を解体し、内部に付着・
堆積した留出物の除去作業を実施した。
【0047】実施例4 TPA:2264kg、BD:1473kgを用いてエ
ステル化反応を行ない、ついで図1に示す重縮合反応装
置を用いて重縮合反応を行なった。
【0048】まずTPAの全所要量と上記、BD:11
31kgおよびテトラ−n−ブチルチタネ−ト(以下、
TBT)1.5kgを精留塔のついた反応容器に仕込
み、190℃、450mmHgの減圧下にエステル化反
応を開始した。その後、徐々に昇温するとともに残りの
BDを連続的に追加添加した。なお、反応途中から反応
圧力を300mmHgに変更した。また、反応の進行に
伴い、生成する水とテトラヒドロフラン(以下、TH
F)を精留塔を経由して留去した。
【0049】エステル化反応を開始してから2時間56
分後(この時の温度:239℃)にエステル化反応を終
了した。この時の反応率は97.9%であった。
【0050】この反応生成物であるビス(ω−ヒドロキ
シブチル)テレフタレ−トおよびその低重合体(BHB
T)(温度:237℃)に、TBT1.5kg、BG2
48kg(対TPAモル比:0.20)を添加した。そ
の後、15分間かけて重縮合反応槽に移し、常圧から
1.0mmHg以下まで徐々に減圧にし、同時に247
℃まで昇温して重縮合反応を行なった。この時、真空発
生装置での真空度は、抽気量:1kg/hrで吸入圧
力:0.3Torrである。
【0051】重縮合反応終了後、毎回、ジオール加熱用
熱交換器により160℃に加熱したBG:5l/min
を洗浄液噴射ノズル6から排気管4および凝縮器5の内
部に噴射し、20分間洗浄した。この回分式重縮合反応
を繰り返す運転を、連続:200回行なったところ、真
空度の悪化、重合時間の遅延は軽微であった。
【0052】比較例2 実施例4と同様に、TPA:2264kg、BD:14
73kgを用いてエステル化反応を行ない、次いで図1
に示す重縮合反応装置を用いて重縮合反応を行なった。
【0053】重縮合反応終了後、洗浄を実施せずに、こ
の回分式重縮合反応を繰り返す運転を行なったところ、
連続:170回目で真空度の悪化、重合時間の遅延が顕
著になり、排気管および凝縮器を解体し、内部に付着・
堆積した留出物の除去作業を実施した。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明のポリエステルの製造方法および
重縮合反応装置を用いることにより、排気管および凝縮
器への留出物の付着・堆積を防止でき、高品質のポリエ
ステルを安定的に生産することができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】凝縮器として多管型熱交換器を使用した場合の
本発明の装置の一例を示す概略説明図である。
【図2】湿式凝縮器を使用した場合の本発明の装置の一
例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1:重縮合反応槽 2:ポリマー吐出口 3:オリゴマー供給ライン 4:排気管 5:凝縮器 6:洗浄液噴射ノズル 7:留出液貯槽 8:真空発生装置 9:ジオール加熱用熱交換器 10:ジオール供給ライン 11:洗浄液排出ライン 12:熱水・水蒸気供給ライン 13:凝縮液冷却器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルの回分式重縮合反応におい
    て、重縮合反応終了後、反応により発生する蒸気を凝縮
    ・捕集する凝縮器の内部および/または排気管の内部
    を、加熱したジオール、または加熱したジオールと熱
    水、または加熱したジオールと水蒸気により洗浄するこ
    とを特徴とするポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】ポリエステルの主たる繰り返し単位が、ポ
    リエチレンテレフタレートであり、ジオールがエチレン
    グリコールであることを特徴とする請求項1に記載のポ
    リエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】ポリエステルの主たる繰り返し単位が、ポ
    リブチレンテレフタレートであり、ジオールが1.4−
    ブダンジオールであることを特徴とする請求項1に記載
    のポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】ポリエステルが、ポリテトラメチレングリ
    コールをソフトセグメントとするポリブチレンテレフタ
    レート系のポリエステルエラストマーであり、ジオール
    が1.4−ブダンジオールであることを特徴とする請求
    項1に記載のポリエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】ポリエステルの回分式重縮合反応装置にお
    いて、重縮合反応により発生する蒸気を凝縮・捕集する
    凝縮器および/または排気管の内部を、加熱したジオー
    ル、または加熱したジオールと熱水、または加熱したジ
    オールと水蒸気により洗浄する機構を備えたことを特徴
    とする重縮合反応装置。
  6. 【請求項6】凝縮器が、多管型熱交換器であることを特
    徴とする請求項5に記載の重縮合反応装置。
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JP (1) JPH10298274A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002030138A (ja) * 2000-07-14 2002-01-31 Toray Ind Inc ポリエステルの製造方法
JP2007238889A (ja) * 2006-03-13 2007-09-20 Sumitomo Chemical Co Ltd 芳香族ポリエステル製造装置の洗浄方法
JP2009167366A (ja) * 2008-01-21 2009-07-30 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 光学材料用調合装置の洗浄方法
JP2011052054A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Ueno Fine Chem Ind Ltd 液晶ポリマー溶融重合装置の洗浄方法

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