JP2017145274A - 共重合ポリエステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】凝縮器および真空発生装置への留出物の付着を防止して高品質のポリエステルを安定して生産することのできる共重合ポリエステルの製造方法を提供する。【解決手段】テレフタル酸55〜93モル%とイソフタル酸7〜45モル%から成るジカルボン酸成分とグリコール成分を原料とし、これらの原料を用いて回分式エステル反応装置で得られたポリエステル低重合体を回分式重縮合反応装置に供給し重縮合反応して共重合ポリエステルを製造する方法において、真空回路にエリミネーターを設けて重縮合反応で発生する昇華物を加熱したグリコール洗浄液による洗浄で効率よく系外に排出する共重合ポリエステルの製造方法。グリコール洗浄液を蒸留精製せずに液中の未溶解物を遠心分離処理した後、原料の一部または全量をそのまま原料として再利用する、共重合ポリエステルの製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、共重合ポリエステルの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、テレフタル酸およびイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、グリコールまたはそのエステル形成性誘導体を使用し、高品質のポリエステルを安定して生産することのできる共重合ポリエステルの製造方法に関するものである。
従来、例えば、ポリエステルのひとつであるポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称することがある。)は、まず、テレフタル酸(以下、TPAと称することがある。)とエチレングリコール(以下、EGと称することがある。)がエステル化反応装置に送られてエステル化反応をさせた後、生成されたポリエステル低重合体が続いて重縮合反応装置に送られ、重縮合反応させることにより製造される。この重縮合反応において、ジオールや水などの蒸気が発生するために、この蒸気を真空回路を通して系外に排出させることが必要となる。このような留出物は凝縮器などで液化され、回収される。
このようにして得られたPETは、その優れた特性により、繊維、フィルム、ボトルおよびプラスチック等として広く用いられている。
また、近年、不織布用途においては、その構成繊維としてポリエステル繊維の用いられる割合が大きくなってきたことに伴い、そのポリエステル繊維との熱接着性が好適で良好なポリエステル系ポリマーを熱接着成分とする熱接着繊維が望まれるようになってきている。
さらに、不織布等の製造においては、生産効率および省エネルギーの観点から、100〜140℃の温度の比較的低温で、かつ短時間で熱接着する接着性の良好なポリエステル系ポリマーからなる熱接着繊維が望まれている。このような接着性を有する不織布用途に用いられるポリエステル系ポリマーからなる熱接着繊維を構成する共重合ポリエステルとしては、例えば、共重合成分としてイソフタル酸を共重合させた非晶性の共重合ポリエステルが主に用いられている。このイソフタル酸を用いた重縮合反応は、高温高真空下で行われるため、この蒸気中には未反応のジオール化合物や低重合体などが昇華により少量含まれて留出してくる。これらの留出物が生産中に凝縮器の壁面および真空回路に付着して閉塞するために、重縮合反応装置内の真空度が悪化し重合反応時間が遅延してポリエステルの品質悪化や品質バラツキの増大となり、生産性に支障が発生する。
このような課題を解決するために、蒸気発生器からジオール化合物の蒸気を供給して付着物を除去する方法が提案されている(特許文献1参照。)。また別に、真空ラインのバイパス配管に流体吹き込み管を設けて留出物を捕集する方法が提案されている((特許文献2参照。)。しかしながら、これらの提案の方法では、付着物が排出されずに真空発生装置に飛散し、詰まりを生じて能力低下となり重合反応時間遅延など工程異常が発生し、品質を低下させるという課題がある。
そこで本発明の目的は、上述した課題を解決し、従来技術では達成できなかった、凝縮器および真空発生装置への留出物の付着を防止して高品質のポリエステルを安定して生産することのできる共重合ポリエステルの製造方法を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決せんとするものであって、本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、テレフタル酸55〜93モル%とイソフタル酸7〜45モル%から成るジカルボン酸成分とグリコール成分を原料とし、これらの原料を用いて回分式エステル反応装置で得られたポリエステル低重合体を回分式重縮合反応装置に供給し重縮合反応して共重合ポリエステルを製造する方法において、真空回路にエリミネーターを設けて前記の重縮合反応で発生する昇華物を加熱したグリコール洗浄液による洗浄で効率よく系外に排出できることを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法である。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法の好ましい態様によれば、前記のグリコール洗浄液を蒸留精製せずに液中の未溶解物を遠心分離処理した後、原料の一部または全量をそのまま原料として再利用することである。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法の好ましい態様によれば、前記のグリコール成分は、チレングリコールおよび1,4−ブタンジオールからなる群から選ばれた少なくとも1種のリコール成分である。
本発明によれば、従来技術では達成できなかった、凝縮器および真空発生装置への留出物の付着を防止して安定した重合反応性と生産効率の向上が図れ、高品質のポリエステルを安定して生産することのできる共重合ポリエステルが得られる。
次に、本発明の共重合ポリエステルの製造方法を実施するための形態について説明する。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、テレフタル酸55〜93モル%とイソフタル酸7〜45モル%から成るジカルボン酸成分とグリコール成分を原料とし、これらの原料を用いて回分式エステル反応装置で得られたポリエステル低重合体を回分式重縮合反応装置に供給し重縮合反応して共重合ポリエステルを製造する方法において、真空回路にエリミネーターを設けて前記の重縮合反応で発生する昇華物を加熱したグリコール洗浄液による洗浄で効率よく系外に排出することができる共重合ポリエステルの製造方法である。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法で得られる共重合ポリエステルは、主にエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルであり、ジカルボン酸成として、テレフタル酸およびイソフタル酸またはその低級アルキルエステルが用いられる。具体的に、ジカルボン酸成分は、テレフタル酸55〜93モル%とイソフタル酸7〜45モル%から成り、本発明においては、そのジカルボン酸成分の一部を、ナフタレンジカルボン酸およびジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸や、ドデカンジオン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸およびデカンジカルボン酸などの脂肪族カルボン酸、さらにはシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸およびヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸などで置き換えることもできる。これらの成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、好ましくは50モル%までの範囲で置き換えることができる。
本発明において、上記のジカルボン酸成分は、製糸性の観点から、好ましくはテレフタル酸55〜65モル%とイソフタル酸35〜45モル%から成る。
また、グリコール成分としては、耐熱性の点で、エチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールからなる群から選ばれた少なくとも1種のグリコール成分が好ましく用いられる。また、そのグリコール成分の一部を、ポリテトラメチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、p−キシレングリコール、1,4−シクロヘキサジメタノール、ビスフェノールなどの脂肪族、脂環族および芳香族のジオール化合物で置き換えることもできる。これらの成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、好ましくは90モル%までの範囲で置き換えることができる。
本発明において、さらに熱可塑性を損なわない程度であれば、三官能以上の多官能性化合物を共重合することができる。三官能以上の多官能性化合物としては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレートおよびポリエチレングリコールジアクリレートなどが挙げられる。これらは、本発明の効果を損なわない範囲で、好ましくは5モル%までの範囲で共重合させることができる。
また、本発明で得られる共重合ポリエステルには、顔料、耐熱材および蛍光増白剤などの添加物を含有させることができる。これらの添加剤としては、具体的に、二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウムなどが挙げられ、その添加割合は、本発明の効果を損なわない範囲で好ましくは0.3質量%以下である。
本発明においては、これらのジカルボン酸成分とグリコール成分からなる原料を、第1の回分式反応装置に供給してエステル化反応を行い、得られたポリエステル低重合体を第2の回分式反応装置に供給して、さらに重縮合反応して共重合ポリエステルを製造する。本発明で得られる共重合ポリエステルは、熱接着用に好適な熱接着繊維として使用されることから、その融点は100〜130℃の範囲であることが好ましい。
次に、本発明の共重合ポリエステルの製造方法を、図面を用いて詳しく説明する。ここではグリコール成分としてEGを用いたものについて説明しているが、本発明はEGのみに限定されるものではない。
図1は、本発明の共重合ポリエステルの製造方法の一例を説明するためのフローチャートを示す正面図である。図1には、2槽構成の共重合ポリエステル重合方法を示したが、反応容器数(回分式反応装置数)は、これに限られるものではない。
共重合ポリエステルの製造方法では、一般的に、あらかじめポリエステル低重合体が存在する第1の回分式反応装置に、テレフタル酸およびイソフタル酸とEGとを一定モル比(好ましくは1.25〜1.30)で投入し、圧力を好ましくは0.18〜0.20MPaの範囲でエステル化反応させる。
図1において、回分式エステル反応装置1では、温度を好ましくは240〜250℃の範囲で、上記の加圧の条件でエステル化反応を行うことが好ましい態様である。エステル化反応温度を240℃未満でエステル化反応を行うと、反応速度が遅くなる。
エステル化反応の留出水量および精留塔温度など終了条件が完了すれば、エステル化反応完了とし、生成したポリエステル低重合体が回分式重縮合反応装置2に送られる。
回分式重縮合反応装置2では、温度を好ましくは270〜300℃の範囲とし、圧力を好ましくは0.02〜30KPaの範囲で、攪拌しながら徐々に温度と真空度を上げていくと、目標粘度の共重合ポリエステルのポリマーが合成される。重縮合反応によって発生した蒸気は、凝縮器3を通ってエリミネーター5を経由して真空発生装置7に導かれ系外に排出される。
重縮合反応終了後、凝縮器3およびエリミネーター5をEG加熱器6で加熱したジオールを5L/分×20分間洗浄を行う。ジオールの加熱温度は、55℃以上であることが好ましい。加熱温度が55℃以下では、付着した留出物のジオールへの溶解度が低かったり、低重合体の分解速度が遅かったりして、十分な洗浄効果を得られない場合がある。また、ジオールの沸点以上に加熱した、蒸気噴霧でも良好な洗浄効果を得ることができる。
回分式重縮合反応における洗浄頻度は、適宜設定される。洗浄は、反応終了後、毎回実施してもよいく、数回の重縮合反応に1回の割合で実施することもできる。通常、できるだけ洗浄頻度が高いようにすれば良好な結果を得ることができる。ここでは、グリコール成分としてEGを用いたものについて説明しているが、本発明はEGのみに限定されるものではない。
洗浄で使用したジオールは、留出EG受槽4に送られ遠心分離器8に通して固形物が除去され、原料EG貯槽9に送られて原料として再利用される。
本発明により得られた共重合ポリエステルは、溶融紡糸され、特にポリエステル繊維不織布の熱接着用に好適な熱接着繊維として用いられる。
また、本発明により得られた共重合ポリエステルは、溶融紡糸され、衣料や産業資材などの用途として好適に用いられ、さらにルーフィング基材、自動車天井材および緩衝材等に用いられる繊維クッション材として好適に使用される。
次に、実施例を挙げて本発明の共重合ポリエステルの製造方法について、さらに具体的に説明する。
本発明の実施例でいう「部」とは、質量部を意味する。また、特性値の測定方法は、次のとおりであり、3点測定してその平均値をとった。
(1)固有粘度(以下、IVと略称することがある。):
チップから切り出した試料を2.0g計量し、オルソクロロフェノールに0.012g/mlの濃度に溶解し、25℃の温度まで冷却し、15mlをオストワルド粘度計に入れ、落下秒数を測定し、下式により算出した。
チップから切り出した試料を2.0g計量し、オルソクロロフェノールに0.012g/mlの濃度に溶解し、25℃の温度まで冷却し、15mlをオストワルド粘度計に入れ、落下秒数を測定し、下式により算出した。
・ KI=KB×t
(ここで、KIは相対粘度、KBはオストワルド粘度計計数、tは25℃の温度における試料溶液の流下秒数を、それぞれ表す。)
・生IV=0.0242×KI+0.2634
・IV=生IV×f
(ここで、fは標準チップ基準値/標準チップ測定値を表す。)。
(ここで、KIは相対粘度、KBはオストワルド粘度計計数、tは25℃の温度における試料溶液の流下秒数を、それぞれ表す。)
・生IV=0.0242×KI+0.2634
・IV=生IV×f
(ここで、fは標準チップ基準値/標準チップ測定値を表す。)。
(2)色調(b値):
スガ試験機(株)製のSC3Pカラーマシンを使用して、色調(b値)を測定した。b値は、黄−青系の色相(+は黄味、−は青味)を表し、ポリマーの色調として極端に小さくならない限りb値が小さいほど良好である。
スガ試験機(株)製のSC3Pカラーマシンを使用して、色調(b値)を測定した。b値は、黄−青系の色相(+は黄味、−は青味)を表し、ポリマーの色調として極端に小さくならない限りb値が小さいほど良好である。
(3)ジエチレングリコール(DEG)含有率:
試料1.0gに1級モノエタノールアミン2.5mlを加え、全還流下280℃の温度で40分間加熱後、内部標準液を加える。さらに、特級テレフタル酸40gと1級エタノール5mlを加え測定用試料を調製する。得られた測定用試料を、島津製ガスクロマトグラフィーGC−9A(使用カラム:島津C−R3A)を用いて、ポリマー中に含まれるDEGの含有率を測定した。
試料1.0gに1級モノエタノールアミン2.5mlを加え、全還流下280℃の温度で40分間加熱後、内部標準液を加える。さらに、特級テレフタル酸40gと1級エタノール5mlを加え測定用試料を調製する。得られた測定用試料を、島津製ガスクロマトグラフィーGC−9A(使用カラム:島津C−R3A)を用いて、ポリマー中に含まれるDEGの含有率を測定した。
(4)カルボキシル基含有量:
ベンジルアルコールに、得られた共重合ポリエステルを溶解し、0.01規定の水酸化ナトリウム水溶液で滴定することにより求めた。
ベンジルアルコールに、得られた共重合ポリエステルを溶解し、0.01規定の水酸化ナトリウム水溶液で滴定することにより求めた。
(実施例1)
凝縮器とエリミネーターを加熱したジオールで5L/分×20分間洗浄を実施した後、テレフタル酸951質量部(55モル%)、イソフタル酸778質量部(45モル%)およびEG723質量部(100モル%)を第1の回分式反応装置に仕込み、温度が245℃で、圧力0.18〜0.20MPaの条件でエステル化反応を開始した。その後、徐々に昇温しエステル化反応を開始してから3時間20分後に、エステル化反応終了となった。このときの反応生成物であるポリエステル低重合体を第2の回分式反応装置に移液し、温度が284℃で、減圧下(0.3mmHg)で重縮合反応を行った。その後、重縮合反応を開始して2時間50分後に重縮合反応終了となり、固有粘度が0.600のポリマーを得た。得られたポリマー(共重合ポリエステル)中のDEG含有量は1.37質量%であり、COOH含有量は18.5eq/tonとなっており、得られた共重合ポリエステルの色調はb値5.5であった。
凝縮器とエリミネーターを加熱したジオールで5L/分×20分間洗浄を実施した後、テレフタル酸951質量部(55モル%)、イソフタル酸778質量部(45モル%)およびEG723質量部(100モル%)を第1の回分式反応装置に仕込み、温度が245℃で、圧力0.18〜0.20MPaの条件でエステル化反応を開始した。その後、徐々に昇温しエステル化反応を開始してから3時間20分後に、エステル化反応終了となった。このときの反応生成物であるポリエステル低重合体を第2の回分式反応装置に移液し、温度が284℃で、減圧下(0.3mmHg)で重縮合反応を行った。その後、重縮合反応を開始して2時間50分後に重縮合反応終了となり、固有粘度が0.600のポリマーを得た。得られたポリマー(共重合ポリエステル)中のDEG含有量は1.37質量%であり、COOH含有量は18.5eq/tonとなっており、得られた共重合ポリエステルの色調はb値5.5であった。
(実施例2)
実施例1と同じ方法で、テレフタル酸1072質量部(62モル%)、イソフタル酸657質量部(38モル%)およびEG723質量部(100モル%)を第1の回分式反応装置に仕込み温度が245℃で、圧力を0.18〜0.20MPaとしてエステル化反応を開始した。その後、徐々に昇温しエステル化反応を開始してから3時間18分後にエステル化反応終了となった。このときの反応生成物であるポリエステル低重合体を第2の回分式反応装置に移液し、温度が284℃で、減圧下(0.2mmHg)で重縮合反応を行った。その後、重縮合反応を開始して2時間49分後に重縮合反応終了となり、固有粘度が0.597のポリマーを得た。得られたポリマー(共重合ポリエステル)中のDEG含有量は1.27質量%であり、COOH含有量は18.8eq/tonとなっており、得られた共重合ポリエステルの色調はb値5.1であった。
実施例1と同じ方法で、テレフタル酸1072質量部(62モル%)、イソフタル酸657質量部(38モル%)およびEG723質量部(100モル%)を第1の回分式反応装置に仕込み温度が245℃で、圧力を0.18〜0.20MPaとしてエステル化反応を開始した。その後、徐々に昇温しエステル化反応を開始してから3時間18分後にエステル化反応終了となった。このときの反応生成物であるポリエステル低重合体を第2の回分式反応装置に移液し、温度が284℃で、減圧下(0.2mmHg)で重縮合反応を行った。その後、重縮合反応を開始して2時間49分後に重縮合反応終了となり、固有粘度が0.597のポリマーを得た。得られたポリマー(共重合ポリエステル)中のDEG含有量は1.27質量%であり、COOH含有量は18.8eq/tonとなっており、得られた共重合ポリエステルの色調はb値5.1であった。
(実施例3)
実施例1と同じ方法で、テレフタル酸1210質量部(70モル%)、イソフタル酸519質量部(20モル%)およびEG723質量部(100モル%)を第1の回分式反応装置に仕込み温度が245℃で、圧力を0.18〜0.20MPaとしてエステル化反応を開始した。その後、徐々に昇温し、エステル化反応を開始してから3時間17分後にエステル化反応終了となった。このときの反応生成物であるポリエステル低重合体を第2の回分式反応装置に移液し、温度が284℃で、減圧下(0.4mmHg)で重縮合反応を行った。その後、重縮合反応を開始して2時間45分後に重縮合反応終了となり、固有粘度温度が0.605のポリマーを得た。得られたポリマー(共重合ポリエステル)中のDEG含有量は1.46質量%であり、COOH含有量は19.1eq/tonとなっており、得られた共重合ポリエステルの色調はb値4.6であった。
実施例1と同じ方法で、テレフタル酸1210質量部(70モル%)、イソフタル酸519質量部(20モル%)およびEG723質量部(100モル%)を第1の回分式反応装置に仕込み温度が245℃で、圧力を0.18〜0.20MPaとしてエステル化反応を開始した。その後、徐々に昇温し、エステル化反応を開始してから3時間17分後にエステル化反応終了となった。このときの反応生成物であるポリエステル低重合体を第2の回分式反応装置に移液し、温度が284℃で、減圧下(0.4mmHg)で重縮合反応を行った。その後、重縮合反応を開始して2時間45分後に重縮合反応終了となり、固有粘度温度が0.605のポリマーを得た。得られたポリマー(共重合ポリエステル)中のDEG含有量は1.46質量%であり、COOH含有量は19.1eq/tonとなっており、得られた共重合ポリエステルの色調はb値4.6であった。
(比較例1)
凝縮器とエリミネーターを洗浄しない方法で、テレフタル酸951質量部(55モル%)、イソフタル酸778質量部(45モル%)およびEG723質量部(100モル%)を第1の回分式反応装置に仕込み、温度が245℃で、圧力が0.18〜0.20MPaの条件でエステル化反応を開始した。その後、徐々に昇温しエステル化反応を開始してから3時間22分後に、エステル化反応終了となった。このときの反応生成物であるポリエステル低重合体を第2の回分式反応装置に移液し、温度が284℃で、減圧下(0.7mmHg)で重縮合反応を行った。その後、重縮合反応を開始して3時間25分後に重縮合反応終了となり、固有粘度が0.627のポリマーを得た。得られたポリマー中のDEG含有量は1.64質量%であり、COOH含有量は29.8eq/tonとなっており、得られた共重合ポリエステルの色調はb値7.5であった。
凝縮器とエリミネーターを洗浄しない方法で、テレフタル酸951質量部(55モル%)、イソフタル酸778質量部(45モル%)およびEG723質量部(100モル%)を第1の回分式反応装置に仕込み、温度が245℃で、圧力が0.18〜0.20MPaの条件でエステル化反応を開始した。その後、徐々に昇温しエステル化反応を開始してから3時間22分後に、エステル化反応終了となった。このときの反応生成物であるポリエステル低重合体を第2の回分式反応装置に移液し、温度が284℃で、減圧下(0.7mmHg)で重縮合反応を行った。その後、重縮合反応を開始して3時間25分後に重縮合反応終了となり、固有粘度が0.627のポリマーを得た。得られたポリマー中のDEG含有量は1.64質量%であり、COOH含有量は29.8eq/tonとなっており、得られた共重合ポリエステルの色調はb値7.5であった。
(比較例2)
比較例1と同じ方法で、テレフタル酸1210質量部(70モル%)、イソフタル酸519質量部(30モル%)およびEG723質量部(100モル%)を第1の回分式反応装置に仕込み、温度が245℃で、圧力が0.18〜0.20MPaの条件でエステル化反応を開始した。その後、徐々に昇温しエステル化反応を開始してから3時間21分後に、エステル化反応終了となった。このときの反応生成物であるポリエステル低重合体を第2の回分式反応装置に移液し、温度が284℃で、減圧下(0.9mmHg)で重縮合反応を行った。その後、重縮合反応を開始して3時間32分後に重縮合反応終了となり、固有粘度が0.630のポリマーを得た。得られたポリマー中のDEG含有量は、1.81質量%であり、COOH含有量は33.7eq/tonとなっており、得られた共重合ポリエステルの色調はb値8.0であった。
比較例1と同じ方法で、テレフタル酸1210質量部(70モル%)、イソフタル酸519質量部(30モル%)およびEG723質量部(100モル%)を第1の回分式反応装置に仕込み、温度が245℃で、圧力が0.18〜0.20MPaの条件でエステル化反応を開始した。その後、徐々に昇温しエステル化反応を開始してから3時間21分後に、エステル化反応終了となった。このときの反応生成物であるポリエステル低重合体を第2の回分式反応装置に移液し、温度が284℃で、減圧下(0.9mmHg)で重縮合反応を行った。その後、重縮合反応を開始して3時間32分後に重縮合反応終了となり、固有粘度が0.630のポリマーを得た。得られたポリマー中のDEG含有量は、1.81質量%であり、COOH含有量は33.7eq/tonとなっており、得られた共重合ポリエステルの色調はb値8.0であった。
1:回分式エステル反応装置
2:回分式重縮合反応装置
3:凝縮器
4:留出EG受槽
5:エリミネーター
6:EG加熱器
7:真空発生装置
8:遠心分離器
9:原料EG貯槽
2:回分式重縮合反応装置
3:凝縮器
4:留出EG受槽
5:エリミネーター
6:EG加熱器
7:真空発生装置
8:遠心分離器
9:原料EG貯槽
Claims (3)
- テレフタル酸55〜93モル%とイソフタル酸7〜45モル%から成るジカルボン酸成分とグリコール成分を原料とし、これらの原料を用いて回分式エステル反応装置で得られたポリエステル低重合体を、回分式重縮合反応装置に供給し重縮合反応して共重合ポリエステルを製造する方法において、真空回路にエリミネーターを設けて前記重縮合反応で発生する昇華物を加熱したグリコール洗浄液による洗浄で効率よく系外に排出することを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法。
- グリコール洗浄液を蒸留精製せずに液中の未溶解物を遠心分離処理した後、原料の一部または全量をそのまま原料として再利用することを特徴とする請求項1記載の共重合ポリエステルの製造方法。
- グリコール成分が、エチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールからなる群から選ばれた少なくとも1種のグリコールであることを特徴とする請求項1または2記載の共重合ポリエステルの製造方法。
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