JPH10297969A - 圧電磁器組成物 - Google Patents
圧電磁器組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 （Ｂａ1-x Ｓｒx ）2 ＮａＮｂ5 Ｏ15（０≦
ｘ≦１）セラミックの圧電特性の向上を図り、鉛を含有
せず、かつ、圧電セラミックフィルタ等の圧電セラミッ
ク素子の材料としての実用が可能な圧電磁器組成物を提
供する。 【解決手段】 一般式：（１−ｙ）（Ｂａ1-x Ｓｒx ）
Ｎｂ2 Ｏ6 −ｙＮａＮｂＯ3 で表され、かつ、ｘが０≦
ｘ≦１、ｙが０．１５≦ｙ＜１／３の範囲にある、磁器
成分を圧電磁器組成物の主成分とする。好ましくは、副
成分として、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｗ、Ｓｉ、Ｍｏ、Ｎｉ、Ｃ
ｏ、Ｓｎ、Ｍｇ、Ｓｂ、Ｔｉ、ＺｒおよびＦｅの各酸化
物からなる群から選ばれた少なくとも１種を、それぞ
れ、ＭｎＯ2 、Ｃｒ2 Ｏ3 、ＷＯ3 、ＳｉＯ2 、ＭｏＯ
3 、ＮｉＯ、Ｃｏ2 Ｏ3 、ＳｎＯ2 、ＭｇＯ、Ｓｂ2 Ｏ
3 、ＴｉＯ2 、ＺｒＯ2 およびＦｅ2 Ｏ3 に換算して、
全量で５重量％以下含有する。
ｘ≦１）セラミックの圧電特性の向上を図り、鉛を含有
せず、かつ、圧電セラミックフィルタ等の圧電セラミッ
ク素子の材料としての実用が可能な圧電磁器組成物を提
供する。 【解決手段】 一般式：（１−ｙ）（Ｂａ1-x Ｓｒx ）
Ｎｂ2 Ｏ6 −ｙＮａＮｂＯ3 で表され、かつ、ｘが０≦
ｘ≦１、ｙが０．１５≦ｙ＜１／３の範囲にある、磁器
成分を圧電磁器組成物の主成分とする。好ましくは、副
成分として、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｗ、Ｓｉ、Ｍｏ、Ｎｉ、Ｃ
ｏ、Ｓｎ、Ｍｇ、Ｓｂ、Ｔｉ、ＺｒおよびＦｅの各酸化
物からなる群から選ばれた少なくとも１種を、それぞ
れ、ＭｎＯ2 、Ｃｒ2 Ｏ3 、ＷＯ3 、ＳｉＯ2 、ＭｏＯ
3 、ＮｉＯ、Ｃｏ2 Ｏ3 、ＳｎＯ2 、ＭｇＯ、Ｓｂ2 Ｏ
3 、ＴｉＯ2 、ＺｒＯ2 およびＦｅ2 Ｏ3 に換算して、
全量で５重量％以下含有する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧電磁器組成物
に関するもので、特に、電子部品の分野において、圧電
セラミックフィルタ、圧電セラミック発振子等の圧電セ
ラミック素子の材料として有用な圧電磁器組成物に関す
るものである。
に関するもので、特に、電子部品の分野において、圧電
セラミックフィルタ、圧電セラミック発振子等の圧電セ
ラミック素子の材料として有用な圧電磁器組成物に関す
るものである。
【０００２】
【従来の技術】圧電セラミックフィルタ等の圧電セラミ
ック素子には、チタン酸ジルコン酸鉛、またはチタン酸
鉛を主成分とする圧電磁器組成物が広く用いられてい
る。他方、この発明にとって興味ある圧電材料として、
Ｂａ、Ｓｒ、Ｎａ、Ｎｂ、Ｏ等を含有する化合物があ
り、たとえば、Ｂａ2 ＮａＮｂ5 Ｏ15、Ｓｒ2 ＮａＮｂ
5 Ｏ15等が圧電特性および電気光学効果を有する材料と
して知られており、それらの単結晶を用いて広く研究さ
れている。しかしながら、セラミックでの研究は少な
い。わずかに、１９８９年にＪ．Ｒ．Ｏｌｉｖｅｒ等に
よって、（Ｂａ1- x Ｓｒx ）2 ＮａＮｂ5 Ｏ15（０≦ｘ
≦１）セラミックの強誘電性についての報告がなされて
いるが、圧電特性については詳しく言及されていない。
ック素子には、チタン酸ジルコン酸鉛、またはチタン酸
鉛を主成分とする圧電磁器組成物が広く用いられてい
る。他方、この発明にとって興味ある圧電材料として、
Ｂａ、Ｓｒ、Ｎａ、Ｎｂ、Ｏ等を含有する化合物があ
り、たとえば、Ｂａ2 ＮａＮｂ5 Ｏ15、Ｓｒ2 ＮａＮｂ
5 Ｏ15等が圧電特性および電気光学効果を有する材料と
して知られており、それらの単結晶を用いて広く研究さ
れている。しかしながら、セラミックでの研究は少な
い。わずかに、１９８９年にＪ．Ｒ．Ｏｌｉｖｅｒ等に
よって、（Ｂａ1- x Ｓｒx ）2 ＮａＮｂ5 Ｏ15（０≦ｘ
≦１）セラミックの強誘電性についての報告がなされて
いるが、圧電特性については詳しく言及されていない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】従来、広く用いられて
いるチタン酸ジルコン酸鉛、あるいはチタン酸鉛を主成
分とする圧電磁器組成物は、鉛を含有しており、環境保
護の観点からは、あまり好ましいとは言えない。また、
製造過程において、一般的に鉛酸化物が用いられるので
あるが、この鉛酸化物の蒸発のため、得られた製品間に
おいて品質の均一性を図ることが比較的困難である。
いるチタン酸ジルコン酸鉛、あるいはチタン酸鉛を主成
分とする圧電磁器組成物は、鉛を含有しており、環境保
護の観点からは、あまり好ましいとは言えない。また、
製造過程において、一般的に鉛酸化物が用いられるので
あるが、この鉛酸化物の蒸発のため、得られた製品間に
おいて品質の均一性を図ることが比較的困難である。
【０００４】他方、（Ｂａ1-x Ｓｒx ）2 ＮａＮｂ5 Ｏ
15（０≦ｘ≦１）セラミックは、鉛を含有しないので、
上述した問題には遭遇しない。しかしながら、当該セラ
ミックは、その電気機械結合係数、圧電定数等の圧電特
性において、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸鉛を主成
分とする圧電磁器組成物に比べて劣るため、圧電セラミ
ックフィルタ、圧電セラミック発振子等の圧電セラミッ
ク素子の材料として、実用化されるには至っていない。
15（０≦ｘ≦１）セラミックは、鉛を含有しないので、
上述した問題には遭遇しない。しかしながら、当該セラ
ミックは、その電気機械結合係数、圧電定数等の圧電特
性において、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸鉛を主成
分とする圧電磁器組成物に比べて劣るため、圧電セラミ
ックフィルタ、圧電セラミック発振子等の圧電セラミッ
ク素子の材料として、実用化されるには至っていない。
【０００５】そこで、この発明の目的は、（Ｂａ1-x Ｓ
ｒx ）2 ＮａＮｂ5 Ｏ15（０≦ｘ≦１）セラミックの圧
電特性の向上を図り、鉛を含有せず、かつ、圧電セラミ
ックフィルタ、圧電セラミック発振子等の圧電セラミッ
ク素子の材料としての実用が可能な圧電磁器組成物を提
供しようとすることである。
ｒx ）2 ＮａＮｂ5 Ｏ15（０≦ｘ≦１）セラミックの圧
電特性の向上を図り、鉛を含有せず、かつ、圧電セラミ
ックフィルタ、圧電セラミック発振子等の圧電セラミッ
ク素子の材料としての実用が可能な圧電磁器組成物を提
供しようとすることである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】この発明に係る圧電磁器
組成物は、上述した技術的課題を解決するため、一般
式：（１−ｙ）（Ｂａ1-x Ｓｒx ）Ｎｂ2 Ｏ6 −ｙＮａ
ＮｂＯ3 で表され、かつ、ｘが０≦ｘ≦１、ｙが０．１
５≦ｙ＜１／３の範囲にある、磁器成分を主成分とする
ことを特徴としている。
組成物は、上述した技術的課題を解決するため、一般
式：（１−ｙ）（Ｂａ1-x Ｓｒx ）Ｎｂ2 Ｏ6 −ｙＮａ
ＮｂＯ3 で表され、かつ、ｘが０≦ｘ≦１、ｙが０．１
５≦ｙ＜１／３の範囲にある、磁器成分を主成分とする
ことを特徴としている。
【０００７】上記ｙの範囲に関して、ｙ≧０．１５とし
たのは、ｙ＜０．１５では分極可能な圧電磁器が得られ
ないからであり、ｙ＜１／３としたのは、ｙ≧１／３で
は十分な圧電特性が得られないからである。上述の圧電
磁器組成物において、副成分として、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｗ、
Ｓｉ、Ｍｏ、Ｎｉ、Ｃｏ、Ｓｎ、Ｍｇ、Ｓｂ、Ｔｉ、Ｚ
ｒおよびＦｅの各酸化物からなる群から選ばれた少なく
とも１種を、それぞれ、ＭｎＯ2 、Ｃｒ2 Ｏ3 、Ｗ
Ｏ3 、ＳｉＯ2 、ＭｏＯ3 、ＮｉＯ、Ｃｏ2 Ｏ3 、Ｓｎ
Ｏ2 、ＭｇＯ、Ｓｂ2 Ｏ3 、ＴｉＯ2 、ＺｒＯ2 および
Ｆｅ2 Ｏ3 に換算して、全量で５重量％以下含有するこ
とが好ましい。
たのは、ｙ＜０．１５では分極可能な圧電磁器が得られ
ないからであり、ｙ＜１／３としたのは、ｙ≧１／３で
は十分な圧電特性が得られないからである。上述の圧電
磁器組成物において、副成分として、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｗ、
Ｓｉ、Ｍｏ、Ｎｉ、Ｃｏ、Ｓｎ、Ｍｇ、Ｓｂ、Ｔｉ、Ｚ
ｒおよびＦｅの各酸化物からなる群から選ばれた少なく
とも１種を、それぞれ、ＭｎＯ2 、Ｃｒ2 Ｏ3 、Ｗ
Ｏ3 、ＳｉＯ2 、ＭｏＯ3 、ＮｉＯ、Ｃｏ2 Ｏ3 、Ｓｎ
Ｏ2 、ＭｇＯ、Ｓｂ2 Ｏ3 、ＴｉＯ2 、ＺｒＯ2 および
Ｆｅ2 Ｏ3 に換算して、全量で５重量％以下含有するこ
とが好ましい。
【０００８】このような副成分の添加は、圧電特性のさ
らなる向上に効果があり、副成分の添加量を５重量％以
下としたのは、５重量％を超えると分極可能な圧電磁器
が得られにくいからである。この発明の他の局面によれ
ば、一般式：（Ｂａ1-x Ｓｒx ）2 ＮａＮｂ5 Ｏ15で表
され、かつ、ｘが０≦ｘ≦１の範囲にある、磁器成分を
主成分とし、副成分として、Ｍｎの酸化物をＭｎＯ2 に
換算して５重量％以下含有する、圧電磁器組成物が提供
される。
らなる向上に効果があり、副成分の添加量を５重量％以
下としたのは、５重量％を超えると分極可能な圧電磁器
が得られにくいからである。この発明の他の局面によれ
ば、一般式：（Ｂａ1-x Ｓｒx ）2 ＮａＮｂ5 Ｏ15で表
され、かつ、ｘが０≦ｘ≦１の範囲にある、磁器成分を
主成分とし、副成分として、Ｍｎの酸化物をＭｎＯ2 に
換算して５重量％以下含有する、圧電磁器組成物が提供
される。
【０００９】ここで、Ｍｎの酸化物の添加量を５重量％
以下としたのは、前述した場合と同様、５重量％を超え
ると分極可能な圧電磁器が得られにくいからである。
以下としたのは、前述した場合と同様、５重量％を超え
ると分極可能な圧電磁器が得られにくいからである。
【００１０】
【実施例１】まず、出発原料として、ＢａＣＯ3 、Ｓｒ
ＣＯ3 、Ｎａ2 ＣＯ3 、Ｎｂ2 Ｏ5、およびＭｎＣＯ3
を用意した。次いで、これらの原料を、（Ｂａ1-x Ｓｒ
x ）2 ＮａＮｂ5 Ｏ15の一般式において、表１に示すよ
うなｘとなるように、また、特定の試料については、Ｍ
ｎＯ 2 を表１に示すような添加量で含有する組成となる
ように秤取して、エタノールを溶媒として用いて、ボー
ルミルにより約４時間湿式混合し、得られた混合物を乾
燥した後、７００〜９００℃で仮焼した。
ＣＯ3 、Ｎａ2 ＣＯ3 、Ｎｂ2 Ｏ5、およびＭｎＣＯ3
を用意した。次いで、これらの原料を、（Ｂａ1-x Ｓｒ
x ）2 ＮａＮｂ5 Ｏ15の一般式において、表１に示すよ
うなｘとなるように、また、特定の試料については、Ｍ
ｎＯ 2 を表１に示すような添加量で含有する組成となる
ように秤取して、エタノールを溶媒として用いて、ボー
ルミルにより約４時間湿式混合し、得られた混合物を乾
燥した後、７００〜９００℃で仮焼した。
【００１１】次いで、これら各乾燥混合物を粗粉砕した
後、有機バインダを適量加えてボールミルを用いて約４
時間湿式粉砕し、４０メッシュのふるいを通して粒度調
整を行なった。次いで、これら粒度調整された各試料
を、１０００ｋｇ／cm2 の圧力で、直径１２mm、厚さ
１．２mmの円板に成形した後、１１５０〜１３５０℃の
温度で、通常の焼成方法を用いて焼成を行ない、円板状
の磁器焼結体を得た。
後、有機バインダを適量加えてボールミルを用いて約４
時間湿式粉砕し、４０メッシュのふるいを通して粒度調
整を行なった。次いで、これら粒度調整された各試料
を、１０００ｋｇ／cm2 の圧力で、直径１２mm、厚さ
１．２mmの円板に成形した後、１１５０〜１３５０℃の
温度で、通常の焼成方法を用いて焼成を行ない、円板状
の磁器焼結体を得た。
【００１２】これら各磁器焼結体の両主面に、通常の方
法により、銀ペーストを塗布および焼付けして銀電極を
形成した後、１００〜２００℃の絶縁オイル中で５〜１
５ｋＶ／mmの直流電圧を３０〜１２０分間印加して分極
処理を施し、最終試料としての圧電磁器円板を得た。こ
れら試料について、比誘電率ε、厚み方向の振動におけ
る電気機械結合係数Ｋt 、および圧電定数ｄ33を測定し
た。その結果を表１に示す。
法により、銀ペーストを塗布および焼付けして銀電極を
形成した後、１００〜２００℃の絶縁オイル中で５〜１
５ｋＶ／mmの直流電圧を３０〜１２０分間印加して分極
処理を施し、最終試料としての圧電磁器円板を得た。こ
れら試料について、比誘電率ε、厚み方向の振動におけ
る電気機械結合係数Ｋt 、および圧電定数ｄ33を測定し
た。その結果を表１に示す。
【００１３】
【表１】
【００１４】表１において、試料６〜１３は、この発明
の範囲、すなわち請求項３に記載の範囲内のものであ
り、試料１〜５および１４は、請求項３に記載の範囲外
のものである。表１に示すように、請求項３に記載の範
囲内にある試料６〜１３については、いずれも、既存の
（Ｂａ1-x Ｓｒx ）2 ＮａＮｂ5 Ｏ15（０≦ｘ≦１）セ
ラミック、すなわち試料１〜５と比較して、厚み方向の
振動における電気機械結合係数Ｋt の向上が見られる。
の範囲、すなわち請求項３に記載の範囲内のものであ
り、試料１〜５および１４は、請求項３に記載の範囲外
のものである。表１に示すように、請求項３に記載の範
囲内にある試料６〜１３については、いずれも、既存の
（Ｂａ1-x Ｓｒx ）2 ＮａＮｂ5 Ｏ15（０≦ｘ≦１）セ
ラミック、すなわち試料１〜５と比較して、厚み方向の
振動における電気機械結合係数Ｋt の向上が見られる。
【００１５】なお、試料１４は、ＭｎＯ2 を６．０重量
％含有しており、５重量％以下の条件を満たしていな
い。この試料１４では、分極可能な圧電磁器が得られて
いない。
％含有しており、５重量％以下の条件を満たしていな
い。この試料１４では、分極可能な圧電磁器が得られて
いない。
【００１６】
【実施例２】まず、出発原料として、ＢａＣＯ3 、Ｓｒ
ＣＯ3 、Ｎａ2 ＣＯ3 、Ｎｂ2 Ｏ5、ＭｎＣＯ3 、Ｃｒ
2 Ｏ3 、ＷＯ3 、ＳｉＯ2 、ＭｏＯ3 、ＮｉＯ、Ｃｏ2
Ｏ3、ＳｎＯ2 、ＭｇＯ、Ｓｂ2 Ｏ3 、ＴｉＯ2 、Ｚｒ
Ｏ2 およびＦｅ2 Ｏ3 を用意した。
ＣＯ3 、Ｎａ2 ＣＯ3 、Ｎｂ2 Ｏ5、ＭｎＣＯ3 、Ｃｒ
2 Ｏ3 、ＷＯ3 、ＳｉＯ2 、ＭｏＯ3 、ＮｉＯ、Ｃｏ2
Ｏ3、ＳｎＯ2 、ＭｇＯ、Ｓｂ2 Ｏ3 、ＴｉＯ2 、Ｚｒ
Ｏ2 およびＦｅ2 Ｏ3 を用意した。
【００１７】次いで、これらの原料を、（１−ｙ）（Ｂ
ａ1-x Ｓｒx ）Ｎｂ2 Ｏ6 −ｙＮａＮｂＯ3 の一般式に
おいて、表２に示すようなｘおよびｙとなるように、ま
た、特定の試料については、表２に示すような副成分を
同じく表２に示すような添加量で含有する組成となるよ
うに秤取し、以後、実施例１と同様の操作を実施するこ
とによって、最終試料としての圧電磁器円板を得た。
ａ1-x Ｓｒx ）Ｎｂ2 Ｏ6 −ｙＮａＮｂＯ3 の一般式に
おいて、表２に示すようなｘおよびｙとなるように、ま
た、特定の試料については、表２に示すような副成分を
同じく表２に示すような添加量で含有する組成となるよ
うに秤取し、以後、実施例１と同様の操作を実施するこ
とによって、最終試料としての圧電磁器円板を得た。
【００１８】これら試料について、比誘電率ε、厚み方
向の振動における電気機械結合係数Ｋt 、および圧電定
数ｄ33を測定した。その結果を表２に示す。
向の振動における電気機械結合係数Ｋt 、および圧電定
数ｄ33を測定した。その結果を表２に示す。
【００１９】
【表２】
【００２０】表２において、試料番号１８〜２９および
３０〜４９は、この発明の範囲、すなわち請求項１に記
載の範囲内のものである。また、試料番号１８〜２８お
よび３０〜４９は、請求項２に記載の範囲内のものであ
る。表２に示すように、試料１８〜２８および３０〜４
９については、いずれも、既存の（Ｂａ1-x Ｓｒx ）2
ＮａＮｂ5 Ｏ15（０≦ｘ≦１）セラミック、すなわち前
掲の表１にある試料１〜５と比較して、厚み方向の振動
における電気機械結合係数Ｋt の向上が見られる。
３０〜４９は、この発明の範囲、すなわち請求項１に記
載の範囲内のものである。また、試料番号１８〜２８お
よび３０〜４９は、請求項２に記載の範囲内のものであ
る。表２に示すように、試料１８〜２８および３０〜４
９については、いずれも、既存の（Ｂａ1-x Ｓｒx ）2
ＮａＮｂ5 Ｏ15（０≦ｘ≦１）セラミック、すなわち前
掲の表１にある試料１〜５と比較して、厚み方向の振動
における電気機械結合係数Ｋt の向上が見られる。
【００２１】特に、請求項２に記載の範囲内にある試料
２６〜２８および３０〜４６のように、副成分として、
ＭｎＯ2 、Ｃｒ2 Ｏ3 、ＷＯ3 、ＳｉＯ2 、ＭｏＯ3 、
ＮｉＯ、Ｃｏ2 Ｏ3 、ＳｎＯ2 、ＭｇＯ、Ｓｂ2 Ｏ3 、
ＴｉＯ2 、ＺｒＯ2 およびＦｅ2 Ｏ3 のいずれかを、５
重量％以下含有するものにおいては、電気機械結合係数
Ｋt の一層の向上が見られる。
２６〜２８および３０〜４６のように、副成分として、
ＭｎＯ2 、Ｃｒ2 Ｏ3 、ＷＯ3 、ＳｉＯ2 、ＭｏＯ3 、
ＮｉＯ、Ｃｏ2 Ｏ3 、ＳｎＯ2 、ＭｇＯ、Ｓｂ2 Ｏ3 、
ＴｉＯ2 、ＺｒＯ2 およびＦｅ2 Ｏ3 のいずれかを、５
重量％以下含有するものにおいては、電気機械結合係数
Ｋt の一層の向上が見られる。
【００２２】上述の副成分としては、添加量が全量で５
重量％以下にされるのであれば、２種以上の酸化物を併
せて添加してもよいことが確認されている。なお、試料
２９は、この発明の範囲、すなわち請求項１に記載の範
囲内のものであるが、副成分としてのＭｎＯ2 を６．０
重量％含有しており、請求項２に規定する、５重量％以
下の条件を満たしていない。そのため、表２に示すよう
に、前述したような本実験例において採用された分極処
理条件では、分極が不可能であった。このことから、副
成分を含有する場合、分極を容易に行なえるようにする
ためには、当該副成分の含有量を５重量％以下にするこ
とが望ましいことがわかる。
重量％以下にされるのであれば、２種以上の酸化物を併
せて添加してもよいことが確認されている。なお、試料
２９は、この発明の範囲、すなわち請求項１に記載の範
囲内のものであるが、副成分としてのＭｎＯ2 を６．０
重量％含有しており、請求項２に規定する、５重量％以
下の条件を満たしていない。そのため、表２に示すよう
に、前述したような本実験例において採用された分極処
理条件では、分極が不可能であった。このことから、副
成分を含有する場合、分極を容易に行なえるようにする
ためには、当該副成分の含有量を５重量％以下にするこ
とが望ましいことがわかる。
【００２３】他方、表２において、試料番号１５〜１７
および５０〜５２は、この発明の範囲外のものである。
試料１５〜１７は、ｙ＝１／３であり、ｙ＜１／３の条
件を満たしていない。これら試料１５〜１７では、十分
な電気機械結合係数Ｋt が得られていない。また、試料
５０〜５２は、ｙ＝０．１であり、ｙ≧０．１５の条件
を満たしていない。これら試料５０〜５２では、分極可
能な圧電磁器が得られていない。
および５０〜５２は、この発明の範囲外のものである。
試料１５〜１７は、ｙ＝１／３であり、ｙ＜１／３の条
件を満たしていない。これら試料１５〜１７では、十分
な電気機械結合係数Ｋt が得られていない。また、試料
５０〜５２は、ｙ＝０．１であり、ｙ≧０．１５の条件
を満たしていない。これら試料５０〜５２では、分極可
能な圧電磁器が得られていない。
【００２４】
【他の実施例】この発明に係る圧電磁器組成物は、上記
実施例１または２において採用された組成に限定される
ものではなく、この発明の範囲内において、その組成を
変化させることができる。
実施例１または２において採用された組成に限定される
ものではなく、この発明の範囲内において、その組成を
変化させることができる。
【００２５】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、上述
した実施例１および２からわかるように、既存の（Ｂａ
1-x Ｓｒx ）2 ＮａＮｂ5 Ｏ15（０≦ｘ≦１）セラミッ
クの圧電特性の向上を図り、鉛を含有せず、かつ、圧電
セラミックフィルタ、圧電セラミック発振子等の圧電セ
ラミック素子の材料としての実用が可能な圧電磁器組成
物を得ることができる。
した実施例１および２からわかるように、既存の（Ｂａ
1-x Ｓｒx ）2 ＮａＮｂ5 Ｏ15（０≦ｘ≦１）セラミッ
クの圧電特性の向上を図り、鉛を含有せず、かつ、圧電
セラミックフィルタ、圧電セラミック発振子等の圧電セ
ラミック素子の材料としての実用が可能な圧電磁器組成
物を得ることができる。
【００２６】特に、一般式：（１−ｙ）（Ｂａ1-x Ｓｒ
x ）Ｎｂ2 Ｏ6 −ｙＮａＮｂＯ3 で表され、かつ、ｘが
０≦ｘ≦１、ｙが０．１５≦ｙ＜１／３の範囲にある、
磁器成分を主成分とする圧電磁器組成物にあっては、副
成分として、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｗ、Ｓｉ、Ｍｏ、Ｎｉ、Ｃ
ｏ、Ｓｎ、Ｍｇ、Ｓｂ、Ｔｉ、ＺｒおよびＦｅの各酸化
物からなる群から選ばれた少なくとも１種を、それぞ
れ、ＭｎＯ2 、Ｃｒ2 Ｏ3、ＷＯ3 、ＳｉＯ2 、ＭｏＯ
3 、ＮｉＯ、Ｃｏ2 Ｏ3 、ＳｎＯ2 、ＭｇＯ、Ｓｂ 2 Ｏ
3 、ＴｉＯ2 、ＺｒＯ2 およびＦｅ2 Ｏ3 に換算して、
全量で５重量％以下含有していると、圧電特性の向上に
一層の効果をもたらすことができる。
x ）Ｎｂ2 Ｏ6 −ｙＮａＮｂＯ3 で表され、かつ、ｘが
０≦ｘ≦１、ｙが０．１５≦ｙ＜１／３の範囲にある、
磁器成分を主成分とする圧電磁器組成物にあっては、副
成分として、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｗ、Ｓｉ、Ｍｏ、Ｎｉ、Ｃ
ｏ、Ｓｎ、Ｍｇ、Ｓｂ、Ｔｉ、ＺｒおよびＦｅの各酸化
物からなる群から選ばれた少なくとも１種を、それぞ
れ、ＭｎＯ2 、Ｃｒ2 Ｏ3、ＷＯ3 、ＳｉＯ2 、ＭｏＯ
3 、ＮｉＯ、Ｃｏ2 Ｏ3 、ＳｎＯ2 、ＭｇＯ、Ｓｂ 2 Ｏ
3 、ＴｉＯ2 、ＺｒＯ2 およびＦｅ2 Ｏ3 に換算して、
全量で５重量％以下含有していると、圧電特性の向上に
一層の効果をもたらすことができる。
Claims (3)
- 【請求項１】 一般式：（１−ｙ）（Ｂａ1-x Ｓｒx ）
Ｎｂ2 Ｏ6 −ｙＮａＮｂＯ3 で表され、かつ、ｘが０≦
ｘ≦１、ｙが０．１５≦ｙ＜１／３の範囲にある、磁器
成分を主成分とする、圧電磁器組成物。 - 【請求項２】 副成分として、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｗ、Ｓｉ、
Ｍｏ、Ｎｉ、Ｃｏ、Ｓｎ、Ｍｇ、Ｓｂ、Ｔｉ、Ｚｒおよ
びＦｅの各酸化物からなる群から選ばれた少なくとも１
種を、それぞれ、ＭｎＯ2 、Ｃｒ2 Ｏ3 、ＷＯ3 、Ｓｉ
Ｏ2 、ＭｏＯ 3 、ＮｉＯ、Ｃｏ2 Ｏ3 、ＳｎＯ2 、Ｍｇ
Ｏ、Ｓｂ2 Ｏ3 、ＴｉＯ2 、ＺｒＯ2およびＦｅ2 Ｏ3
に換算して、全量で５重量％以下含有する、請求項１に
記載の圧電磁器組成物。 - 【請求項３】 一般式：（Ｂａ1-x Ｓｒx ）2 ＮａＮｂ
5 Ｏ15で表され、かつ、ｘが０≦ｘ≦１の範囲にある、
磁器成分を主成分とし、副成分として、Ｍｎの酸化物を
ＭｎＯ2 に換算して５重量％以下含有する、圧電磁器組
成物。
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