JPH10297205A - 車両用ハブ - Google Patents

車両用ハブ

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JPH10297205A
JPH10297205A JP10940597A JP10940597A JPH10297205A JP H10297205 A JPH10297205 A JP H10297205A JP 10940597 A JP10940597 A JP 10940597A JP 10940597 A JP10940597 A JP 10940597A JP H10297205 A JPH10297205 A JP H10297205A
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JP
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hub
flange
pair
supported rotating
coupling
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JP10940597A
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Takatsugu Nakano
隆次 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外力が加えられても壊れにくい車両用ハブを
提供する。 【解決手段】 ハブ鍔体32は、碗部32aと結合部3
2cと鍔部32bとを、一体に形成することにより構成
されている。したがって、碗部32aと鍔部32bとの
間になんらかの外力が加えられたとしても、碗部32a
と鍔部32bとが外れることはない。また、碗部32a
と鍔部32bとの境目近傍に位置する結合部32cにお
いて、ハブ鍔体32とハブ胴34とを固定的に結合して
いる。したがって、結合部分の直径すなわちハブ胴34
の端部34aの直径Dを大きくすることができる。した
がって、ハブ胴34と鍔部32bとの間に捩り力が作用
した場合であっても、結合部分が外れにくい。また、結
合部分の直径が大きい分、結合面積が大きくなるので、
結合部分が外れにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用ハブに関
し、特に、車両用ハブの強度を高める技術に関する。
【0002】
【従来の技術】自転車など車両に用いられる車輪の中央
部を構成する部品として、ハブが知られている。図11
に、従来のハブ2の構成の一例を示す。このハブ2は、
自転車の前車輪に用いられるハブである。ハブ2は、ハ
ブ軸4に対して回動可能に支持されたハブ体10を備え
ている。すなわち、ハブ体10は、ハブ軸4に固定され
た一対の玉押し体6、複数の鋼球8を介して、ハブ軸4
に対して、軸方向に移動不能に、かつ、軸周りに回動可
能に支持されている。ハブ体10は、一対のハブ鍔体1
2と、これらを相互に固定的に連結する円筒状のハブ胴
14とを備えている。ハブ鍔体12は、一体に形成され
た碗部12aおよび鍔部12bを備えている。
【0003】ハブ体10は、鍔部12bに設けられたス
ポーク穴12cに通された複数のスポーク(図示せず)
を介して、リム(図示せず)と連結される。リムにはタ
イヤ(図示せず)がはめ込まれる。一方、ハブ軸4は、
締付けナット16を用いて、自転車の車体の一部を構成
する前フォーク(図示せず)に取付けられる。すなわ
ち、ハブ2は、自転車および乗者の重量を支えるととも
に車輪を円滑に回転させる重要な部品である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のハブ2には、つぎのような問題があった。従
来のハブ2においては、ハブ鍔体12を構成する碗部1
2aと鍔部12bとが一体に形成されている。したがっ
て、碗部12aと鍔部12bとの間になんらかの外力が
加えられたとしても、碗部12aと鍔部12bとが外れ
るようなことはない。
【0005】しかし、従来のハブ2においては、ハブ鍔
体12の碗部12aの中央に形成された開口部12dに
ハブ胴14の端部を圧入することで、ハブ鍔体12とハ
ブ胴14とを結合している。開口部12dの直径は、ハ
ブ軸4の直径よりやや大きい程度である。したがって、
開口部12dの直径、すなわちハブ胴14とハブ鍔体1
2との結合部分の直径が、比較的小さいため、ハブ胴1
4とハブ鍔体12の間に捩り力が作用した場合、該結合
部分が外れやすかった。
【0006】また、結合部分の直径が小さいので、結合
面積も小さくなる。このため、ハブ2に過大な力や衝撃
が加わった場合等に、結合部分が外れやすかった。すな
わち、車輪の組みつけ作業時や、車両の走行時に受ける
外力により壊れやすいという問題があった。
【0007】この発明は、このような従来の問題点を解
消し、外力が加えられても壊れにくい車両用ハブを提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の車両用ハブ
は、固定軸に対し回動可能に支持された略円筒状の内面
を有する一対の被支持回動部と、各被支持回動部の半径
方向略外方に、当該被支持回動部に対し固定的に設けら
れた略円板状の一対の鍔部と、一対の鍔部相互を、前記
固定軸の軸方向に所定距離を隔てて実質的に固定的に連
結する連結筒と、を備えた車両用ハブにおいて、少なく
とも一方の前記被支持回動部と鍔部とを、一体に形成
し、一体に形成された被支持回動部と鍔部との境目近傍
において、当該一体に形成された被支持回動部および鍔
部と、前記連結筒とを固定的に結合したこと、を特徴と
する。
【0009】請求項2の車両用ハブは、請求項1の車両
用ハブにおいて、前記境目近傍に、略円筒状の結合面を
有する結合部を、前記被支持回動部および鍔部と一体に
形成し、当該結合部の結合面と前記連結筒の端部とを嵌
め合わせることにより、固定的に結合したこと、を特徴
とする。
【0010】請求項3の車両用ハブは、請求項1の車両
用ハブにおいて、前記境目近傍に、略ドーナツ形状の結
合凹部を有する結合部を、前記被支持回動部および鍔部
と一体に形成し、当該結合部の結合凹部と前記連結筒の
端部とを嵌め合わせることにより、固定的に結合したこ
と、を特徴とする。
【0011】請求項4の車両用ハブは、請求項2ないし
請求項3のいずれかの車両用ハブにおいて、前記固定軸
の軸方向における、前記一対の鍔部相互の距離が、前記
一対の被支持回動部の略円筒状の内面相互の距離より小
さいこと、を特徴とする。
【0012】請求項5の車両用ハブは、請求項1ないし
請求項4のいずれかの車両用ハブにおいて、前記一対の
被支持回動部の各被支持回動部と、前記一対の鍔部の各
鍔部とを、それぞれ一体に形成し、一体に形成された被
支持回動部と鍔部との境目近傍において、当該一体に形
成された一対の被支持回動部および鍔部相互と、前記連
結筒とを固定的に結合したこと、を特徴とする。
【0013】請求項6の車両用ハブは、請求項1ないし
請求項5のいずれかの車両用ハブにおいて、前記一対の
鍔部の一方に駆動力が与えられ、かつ、他方に駆動力が
与えられず、または、前記一対の鍔部の一方に制動力が
与えられ、かつ、他方に制動力が与えられないこと、を
特徴とする。
【0014】
【発明の作用および効果】請求項1の車両用ハブは、少
なくとも一方の被支持回動部と鍔部とを一体に形成し、
一体に形成された被支持回動部と鍔部との境目近傍にお
いて、当該一体に形成された被支持回動部および鍔部
と、連結筒とを固定的に結合したことを特徴とする。
【0015】したがって、被支持回動部と鍔部とを一体
に形成したから、被支持回動部と鍔部との間になんらか
の外力が加えられたとしても、被支持回動部と鍔部とが
外れることはない。また、被支持回動部と鍔部との境目
近傍において、連結筒と結合したから、結合部分の直径
を大きくすることができる。したがって、連結筒と鍔部
との間に捩り力が作用した場合であっても、結合部分が
外れにくい。また、結合部分の直径が大きい分、結合面
積が大きくなる。したがって、車両用ハブに過大な力や
衝撃が加わった場合であっても、結合部分が外れにく
い。すなわち、車輪の組みつけ作業時や、車両の走行時
等に外力を受けた場合であっても壊れにくい車両用ハブ
を実現することができる。さらに、被支持回動部と鍔部
とを一体に形成したから、部品点数を少なくすることが
でき、その分、車両用ハブの製造コストを低く抑えるこ
とができる。
【0016】請求項2の車両用ハブは、被支持回動部と
鍔部との境目近傍に、略円筒状の結合面を有する結合部
を一体に形成し、当該結合部の結合面と連結筒の端部と
を嵌め合わせることにより結合したことを特徴とする。
【0017】すなわち、たとえば、結合部の結合面を略
円筒状内面として、当該略円筒状内面と連結筒の端部の
略円筒状外面とを圧入状態で嵌め合わせるか、または、
結合部の結合面を略円筒状外面として、当該略円筒状外
面と連結筒の端部の略円筒状内面とを圧入状態で嵌め合
わせることにより、一体に形成された被支持回動部およ
び鍔部と、連結筒とを結合することができる。
【0018】したがって、結合部の結合面を略円筒状に
するという簡単な構造で、連結筒を強固に結合すること
ができる。
【0019】請求項3の車両用ハブは、被支持回動部と
鍔部との境目近傍に、略ドーナツ形状の結合凹部を有す
る結合部を一体に形成し、当該結合部の結合凹部と連結
筒の端部とを嵌め合わせることにより結合したことを特
徴とする。
【0020】すなわち、たとえば、略ドーナツ形状の結
合凹部の略円筒状内面と連結筒の端部の略円筒状外面と
を圧入状態で嵌め合わせるとともに、略ドーナツ形状の
結合凹部の略円筒状外面と連結筒の端部の略円筒状内面
とを圧入状態で嵌め合わせることができる。
【0021】したがって、連結筒の端部を、略ドーナツ
形状の結合凹部で挟み込むように圧入することで、連結
筒をより強固に結合することができる。
【0022】請求項4の車両用ハブは、固定軸の軸方向
における、一対の鍔部相互の距離が、一対の被支持回動
部の略円筒状の内面相互の距離より小さいことを特徴と
する。
【0023】したがって、たとえば、結合部の結合面を
略円筒状内面として、当該略円筒状内面と連結筒の端部
の略円筒状外面とを圧入状態で嵌め合わせる場合や、略
ドーナツ形状の結合凹部の略円筒状内面と連結筒の端部
の略円筒状外面とを圧入状態で嵌め合わせる場合には、
固定軸の軸方向における嵌め合わせ長さを、大きくする
ことができる。このため、連結筒をさらに強固に結合す
ることができる。
【0024】請求項5の車両用ハブは、一対の被支持回
動部の各被支持回動部と一対の鍔部の各鍔部とをそれぞ
れ一体に形成し、一体に形成された被支持回動部と鍔部
との境目近傍において、当該一体に形成された一対の被
支持回動部および鍔部相互と、連結筒とを固定的に結合
したことを特徴とする。
【0025】したがって、一方の被支持回動部および鍔
部のみを一体に形成したり、一方の被支持回動部と鍔部
との境目近傍においてのみ連結筒と結合したりする場合
に比べ、外力を受けた場合に壊れにくい。
【0026】請求項6の車両用ハブは、一対の鍔部の一
方に駆動力が与えられ、かつ、他方に駆動力が与えられ
ず、または、一対の鍔部の一方に制動力が与えられ、か
つ、他方に制動力が与えられないことを特徴とする。
【0027】したがって、たとえば、駆動輪、制動輪、
または駆動輪兼制動輪に用いられる車両用ハブのよう
に、一対の鍔部相互間に大きい捩り力が作用する車両用
ハブにおいて、壊れにくい車両用ハブを実現することが
できる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1に、この発明の一実施形態に
よる車両用ハブである、自転車用のハブ20の構成を表
わす半断面図を示す。このハブ20は、自転車の前車輪
に用いるハブである。図2は、図1に示すハブ20をV
1から見た矢視図である。図3は、図1に示すハブ体3
0を構成するハブ鍔体32およびハブ胴34を分解した
状態の拡大図である。
【0029】図1〜図3に基づいて、ハブ20の構成を
説明する。図1に示す固定軸であるハブ軸22の外周に
は、おねじが形成されており、玉押し体26およびロッ
クナット24には、それぞれ、めねじが形成されてい
る。玉押し体26およびロックナット24をハブ軸22
にねじ込み、軸方向の所望の位置で互いに締め合わせる
ことで、ダブルナットの原理を利用して、玉押し体26
をハブ軸22に固定している。
【0030】ハブ体30は、連結筒であるハブ胴34を
用いて一対のハブ鍔体32を固定的に連結した構成を有
しており、ハブ軸22に対して回動可能に支持される。
すなわち、ハブ体30は、上述のようにしてハブ軸22
に固定された一対の玉押し体26、複数の鋼球28を介
して、ハブ軸22に対して、軸方向(図中、X方向)に
移動不能に、かつ、軸周りに回動可能に支持される。
【0031】ハブ体30は、後述する鍔部32bに設け
られたスポーク穴33に通された複数のスポーク(図示
せず)を介して、リム(図示せず)と連結される。リム
にはタイヤ(図示せず)がはめ込まれる。一方、ハブ軸
22は、自転車の車体の一部を構成する前フォーク(図
示せず)に取付けられる。すなわち、ロックナット24
と座金38との間に、前フォークの先端の爪部(図示せ
ず)を差込み、締め付けナット36をハブ軸22に締め
込むことで、ハブ軸22を前フォークに固定する。
【0032】上述のように、ハブ体30は、一対のハブ
鍔体32と、これらを相互に固定的に連結するハブ胴3
4とを備えている。図3に基づいて、ハブ体30の構成
を詳しく説明する。ハブ鍔体32は、被支持回動部であ
る碗部32aと、結合部32cと、鍔部32bとを、一
体に形成することにより構成されている。
【0033】碗部32aは、略円筒状の内面32dを備
えている。内面32dは、鋼球28(図1参照)の当接
する面であり、ハブ鍔体32は、内面32dを介して、
ハブ軸22(図1参照)に対して軸周りに回動可能に支
持される。
【0034】鍔部32bは、碗部32aの半径方向略外
方に、結合部32cを介して、中抜き円板状に形成され
ている。鍔部32bには、スポーク穴33が、同一円周
状に複数あけられている(図2参照)。
【0035】結合部32cは、鍔部32bと碗部32a
との境目近傍を構成する部位であり、略ドーナツ形状の
結合凹部32eを備えている。すなわち、鍔部32bか
ら連続する円筒状内面32fと、碗部32aから連続す
る円筒状外面32gと、これらをつなぐ底面32hとに
より3方を囲まれた空間が、略ドーナツ形状の結合凹部
32eとなっている。
【0036】ハブ鍔体32の結合凹部32eと、ハブ胴
34の端部34aとを、圧入状態で嵌め合わせることに
より、ハブ鍔体32とハブ胴34とを固定的に結合す
る。すなわち、ハブ鍔体32の結合凹部32eの円筒状
内面32fとハブ胴34の端部34aの円筒状外面34
bとを圧入状態で嵌め合わせるとともに、結合凹部32
eの円筒状外面32gと端部34aの略円筒状内面34
cとを圧入状態で嵌め合わせる。このように、ハブ胴3
4の端部34aを、略ドーナツ形状の結合凹部32eで
挟み込むように圧入することで、ハブ鍔体32とハブ胴
34とを強固に結合することができる。また、結合部3
2cを深く絞り出すことで嵌め合わせ長さL3を簡単に
大きくすることができるので、結合力をさらに大きくす
ることが可能となる。
【0037】この実施形態においては、ハブ鍔体32の
結合凹部32eの円筒状内面32fに、X方向を長手方
向とする所定ピッチの平行な凹凸条(ローレット目)を
形成してある。熱処理によりハブ鍔体32の円筒状内面
32fの硬度を高くするとともに、ハブ胴34の端部3
4aの円筒状外面34bの硬度をこれより低くしてい
る。これにより、圧入後のハブ鍔体32とハブ胴34と
の相対回転を確実に防止することができる。
【0038】なお、ローレット目は、ハブ鍔体32の結
合凹部32eの円筒状内面32f以外の箇所、たとえ
ば、結合凹部32eの円筒状外面32g、ハブ胴34の
端部34aの円筒状外面34b、円筒状内面34cのい
ずれかに設けるよう構成することができる。また、2以
上の円筒面に設けることもできる。たとえば、ローレッ
ト目を、ハブ鍔体32の結合凹部32eの円筒状内面3
2fおよび円筒状外面32gに設けることにより、ハブ
鍔体32とハブ胴34との相対回転を、より確実に防止
することができる。
【0039】ただし、この実施形態のように、ハブ鍔体
32の結合凹部32eの円筒状内面32fにのみローレ
ット目を設けるように構成すれば、圧入により碗部32
aの略円筒状の内面32dに生ずる歪を小さくすること
ができる。
【0040】上述のように、ハブ20(図1参照)は、
ハブ鍔体32の碗部32aと鍔部32bとを一体に形成
し、碗部32aと鍔部32bとの境目近傍に位置する結
合部32cにおいて、ハブ鍔体32とハブ胴34とを固
定的に結合したことを特徴とする。
【0041】したがって、碗部32aと鍔部32bとを
一体に形成したから、碗部32aと鍔部32bとの間に
なんらかの外力が加えられたとしても、碗部32aと鍔
部32bとが外れることはない。また、碗部32aと鍔
部32bとの境目近傍において、ハブ胴34と結合した
から、結合部分の直径すなわちハブ胴34の端部34a
の直径Dを大きくすることができる。したがって、ハブ
胴34と鍔部32bとの間に捩り力が作用した場合であ
っても、結合部分が外れにくい。また、結合部分の直径
が大きい分、結合面積が大きくなる。したがって、ハブ
20に過大な力や衝撃が加わった場合であっても、結合
部分が外れにくい。さらに、碗部32aと鍔部32bと
を一体に形成することにより、ハブ20の構成部品点数
を少なくすることができる。このため、ハブ20の製造
コストを低減することができる。
【0042】また、図1に示すように、ハブ20は、碗
部32aと鍔部32bとを一体に形成したハブ鍔体32
を一対用意し、これら一対のハブ鍔体32を、碗部32
aと鍔部32bとの境目近傍に設けた結合部32cにお
いて、ハブ胴34を介して固定的に結合している。した
がって、一方の碗部32aおよび鍔部32bのみを一体
に形成したり、一方の碗部32aと鍔部32bとの境目
近傍においてのみハブ胴22と結合したりする場合に比
べ、外力を受けた場合にハブ20が壊れにくい。
【0043】つぎに、図4に、この発明の他の実施形態
による車両用ハブである、自転車用のハブ40の構成を
表わす半断面図を示す。このハブ40は、自転車の後車
輪(駆動輪)に用いるハブである。図5は、ハブ鍔体3
2とハブ胴34との結合部分の近傍を拡大した図面であ
る。
【0044】図4、図5に基づいて、ハブ40の構成を
説明する。図4に示すハブ40は、図1に示すハブ20
の場合と同様に、ハブ胴34を用いて一対のハブ鍔体3
2を固定的に連結した構成のハブ体30を備えており、
ハブ体30は、ハブ軸22に対して回動可能に支持され
ている。
【0045】また、図5に示すように、ハブ鍔体32
は、碗部32aと、結合部32cと、鍔部32bとを、
一体に形成することにより構成されている。結合部32
cは、略ドーナツ形状の結合凹部32eを備えており、
該結合凹部32eと、ハブ胴34の端部34aとを、圧
入状態で嵌め合わせることにより、ハブ鍔体32とハブ
胴34とを固定的に結合する点も、図1に示すハブ20
の場合と同様である。
【0046】ただし、ハブ20と異なり、一対のハブ鍔
体32のうち、一方(図中、向かって右側)のハブ鍔体
32の結合部32cの外径部32iにのみ、おねじが形
成され、ワンウェイクラッチ機構を備えたギヤ(図示せ
ず)等が取付けられる。したがって、当該ハブ鍔体32
の鍔部32bには、チェーン(図示せず)、当該ギヤお
よび結合部32cの外径部32iを介して、駆動力が与
えられる。
【0047】一方、他方のハブ鍔体32(図4の向かっ
て左側のハブ鍔体)には、駆動力が直接与えられない。
駆動力は、ハブ胴34を介して他方のハブ鍔体32の鍔
部32bに伝達される。なお、両方のハブ鍔体32の鍔
部32bに伝達された駆動力は、図示しないスポーク、
リムを介して、タイヤに伝達される。
【0048】このように、駆動輪に用いられるハブ40
においては、一対のハブ鍔体32の一方に駆動力が与え
られ、かつ、他方に駆動力が与えられない。したがっ
て、一対のハブ鍔体32相互間に、駆動力を伝達するた
めの大きい捩り力が作用する。このため、駆動輪ではな
い前車輪に用いられる前述のハブ20(図1参照)以上
に、捩りに強いハブ胴34とハブ鍔体32との結合構造
が要求されるのである。
【0049】また、図4に示すように、ハブ40におい
ては、一対の鍔部32b相互の距離L1が、一対の碗部
32aの略円筒状の内面32d相互の距離L2より小さ
くなるよう構成している。したがって、図5に示すよう
に、ハブ鍔体32の結合凹部32e円筒状内面32fと
ハブ胴34の端部34aの円筒状外面34bとの嵌め合
わせ長さL3を、さらに大きくすることができる。この
ため、ハブ鍔体32とハブ胴34とを、いっそう強固に
結合することができる。
【0050】つぎに、図6に、この発明のさらに他の実
施形態による車両用ハブである、自転車用のハブ50の
構成を表わす半断面図を示す。図7は、図6に示すハブ
50をV2から見た矢視図である。
【0051】図6、図7に基づいて、ハブ50の構成を
説明する。図6に示すハブ50は、自転車の後車輪(駆
動輪)に用いるハブである点で、図4に示すハブ40と
同様である。しかし、ハブ50は、ユニットハブと呼ば
れ、ワンウェイクラッチ機構(図示せず)を備えたギヤ
60が組込まれている点で、図4に示すハブ40と異な
る。
【0052】図6に示すハブ50の左側部分52は、図
4に示すハブ40の左側部分と同様の構成である。ハブ
50の右側部分54は、碗体56、鍔体58、ギヤ60
を備えている。碗体56は、円筒状の第1胴部56a
と、第1胴部56aより小径の円筒状の第2胴部56b
とを備えている。第2胴部56bの外面にはX方向に長
手方向を持つローレット目が形成されている。
【0053】鍔体58は、略円筒状の第1胴部58a
と、第1胴部58aより小径の円筒状の第2胴部58b
と、略円板状の鍔部58cとを備えている。第1胴部5
8aの内面にはX方向に長手方向を持つローレット目が
形成されている。
【0054】鍔体58の第1胴部58aの内面に、碗体
56の第1胴部56aを圧入する。また、鍔体58の第
1胴部58aの内面と碗体56の第2胴部56bの外面
との間に形成される略ドーナツ形状の空間に、ハブ胴3
4の端部34aを圧入する。このようにして、碗体5
6、鍔体58およびハブ胴34が固定的に結合される。
【0055】固定的に結合された碗体56、鍔体58お
よびハブ胴34は、ハブ軸22に固定された玉押し体2
6、複数の鋼球28を介し、ハブ軸22に対し回動可能
に保持される。
【0056】鍔体58の第2胴部58bの外径部に螺入
されたネジ蓋64の傾斜状外径部と鍔体58の第1胴部
58aの傾斜状外径部とにより形成されたV字状空間に
複数個配置された鋼球62を介して、ギヤ60が、鍔体
58に対し回動可能に保持されている。なお、ギヤ60
は、歯部60aおよび胴部60bを備えている。ギヤ6
0の胴部60bと鍔体58の第1胴部58aとの間に
は、ワンウェイクラッチ機構(図示せず)が設けられて
いる。また、ギヤ60の胴部60bと鍔体58の第1胴
部58aとの隙間を塞ぐために防塵キャップ66が設け
られている。このように、この発明は、ユニットハブに
も適用することができる。
【0057】なお、上述の実施形態(図4、図6参照)
においては、一対の鍔部の一方に駆動力が与えられ、か
つ、他方に駆動力が与えられない場合を例に説明した
が、一対の鍔部の一方に制動力が与えられ、かつ、他方
に制動力が与えられない場合にも、この発明を適用する
ことができる。
【0058】さらに、一対の鍔部の一方に駆動力が与え
られ、かつ、他方に制動力が与えられるような場合にも
適用することができる。一般に駆動力と制動力とは逆方
向に働くので、この場合には、さらに大きい捩り力が、
一対の鍔部間に生ずることになる。したがって、このよ
うな場合には、この発明を適用する意義がさらに大き
い。
【0059】なお、上述の各実施形態においては、ハブ
胴34の端部34aを、略ドーナツ形状の結合凹部32
eで挟み込むように圧入することで、ハブ鍔体32とハ
ブ胴34とを結合するよう構成したが、この発明はこれ
に限定されるものではない。たとえば、図8に示すよう
に、鍔部32bに続けて、略円筒状の結合面である円筒
状内面32fを形成し、当該円筒状内面32fとハブ胴
34の端部34aの円筒状外面34bとを嵌め合わせる
ことにより結合してもよい。
【0060】このように構成すれば、結合部分の直径す
なわちハブ胴34の端部34aの直径Dを大きくするこ
とができる。したがって、ハブ胴34と鍔部32bとの
間に大きい捩り力が作用した場合であっても、結合部分
が外れにくい。また、結合部分の直径が大きい分、結合
面積が大きくなる。したがって、ハブに過大な力や衝撃
が加わった場合であっても、結合部分の外れがさらに生
じにくくなる。
【0061】また、このように構成すれば、圧入の際、
碗部32aには、ほとんど歪が生じない。このため、鋼
球28の転動面となる略円筒状の内面32dにも、ほと
んど歪が生じない。また、このように構成すれば、結合
部32cの円筒状内面32fと円筒状外面32gとの距
離を大きくすることができるので、プレス加工等の加工
作業が容易になる。なお、この実施形態においても、上
述の各実施形態同様、ハブ鍔体32の円筒状内面32f
に、X方向を長手方向とする所定ピッチのローレット目
を形成してある。
【0062】また、図9に示すように、碗部32aに続
けて、略円筒状の結合面である円筒状外面32gを形成
し、当該円筒状外面32gとハブ胴34の端部34aの
円筒状内面34cとを嵌め合わせることにより結合して
もよい。
【0063】このように構成すれば、ハブ鍔体32の形
状を、さらに単純化することができる。なお、この実施
形態においても、上述の各実施形態同様、ハブ鍔体32
の円筒状外面32gに、X方向を長手方向とする所定ピ
ッチのローレット目を形成してある。
【0064】なお、上述の各実施形態においては、ハブ
鍔体32とハブ胴34とを結合する際、結合部分にロー
レット目を形成することで、結合力を確保するよう構成
したが、結合部分にローレット目を形成しないで、たと
えば接着剤を用いて結合力を確保するよう構成すること
もできる。また、圧入のみにより、結合力を確保するよ
う構成することもできる。
【0065】また、上述の各実施形態においては、ハブ
鍔体32とハブ胴34とを結合する際、圧入により両部
材を結合するよう構成したが、結合方法は圧入に限定さ
れるものではない。たとえば、ハブ鍔体32とハブ胴3
4との結合部分に、それぞれ所定の凹凸形状を形成し、
これらを噛み合わせることにより結合することもでき
る。
【0066】また、図9におけるハブ胴34の端面34
dと、ハブ鍔体32の鍔部32bの内側面32jとを突
き合せ、摩擦溶接等の方法を用いて結合するよう構成す
ることもできる。
【0067】なお、上述の各実施形態においては、ハブ
鍔体32の碗部32aの内面32dと、玉押し体26と
の間に、複数の鋼球28を配置した構成を有するハブ
に、この発明を適用した場合を例に説明したが、この発
明はこのようなタイプのハブに限定されるものではな
い。
【0068】図10に示すように、内外輪を有するベア
リング72を備えたタイプのハブ70にも適用すること
ができる。ベアリング72は、外輪74と内輪78との
間に複数の鋼球76を保持しており、ベアリング72の
外輪74の外径部74aを、碗部32aの略円筒状の内
面32dに圧入することにより、ベアリング72とハブ
鍔体32とを結合する。内輪78の内径部78aを、ブ
ッシュ80の外径部80aに圧入する。ブッシュ80の
内径部80bは、ハブ軸(図示せず)に嵌め込まれ、所
定の固定方法により、ハブ軸に固定される。したがっ
て、ハブ鍔体32は、ブッシュ80およびベアリング7
2を介し、ハブ軸に対し回動可能に保持される。上述の
実施形態(図1参照)同様、ハブ胴34の端部34a
を、結合部34cの略ドーナツ形状の結合凹部32eに
圧入することで、ハブ胴34とハブ鍔体32とを結合す
る。
【0069】なお、上述の各実施形態においては、たと
えば図1に示すように、連結筒として、大径円筒状の端
部34aと小径円筒状の中央部34fとを円錐台状の中
間部34eでつないだ形状のハブ胴を34を用いたが、
連結筒はこれに限定されるものではない。連結筒とし
て、たとえば、単純な円筒形状のものや球面、回転双曲
面などを利用した形状とすることもできる。
【0070】また、上述の各実施形態においては、自転
車のハブにこの発明を適用した場合を例に説明したが、
この発明は、オートバイのハブ、自動車のハブ、その他
車両用ハブ一般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による車両用ハブである
自転車用のハブ20の構成を表わす半断面図である。
【図2】図1に示すハブ20をV1から見た矢視図であ
る。
【図3】図1に示すハブ体30を構成するハブ鍔体32
およびハブ胴34を分解した状態の拡大図である。
【図4】この発明の他の実施形態による自転車用のハブ
40の構成を表わす半断面図である。
【図5】ハブ40のハブ鍔体32とハブ胴34との結合
部分の近傍を拡大した図面である。
【図6】この発明のさらに他の実施形態による自転車用
のハブ50の構成を表わす半断面図である。
【図7】図6に示すハブ50をV2から見た矢視図であ
る。
【図8】この発明のさらに他の実施形態によるハブ鍔体
32とハブ胴34との結合方法を説明するための図面で
ある。
【図9】この発明のさらに他の実施形態によるハブ鍔体
32とハブ胴34との結合方法を説明するための図面で
ある。
【図10】この発明のさらに他の実施形態による自転車
用のハブ70の構成を表わす半断面図である。
【図11】従来のハブ2の構成の一例を示す図面であ
る。
【符号の説明】
32・・・・・・ハブ鍔体 32a・・・・・碗部 32b・・・・・鍔部 32c・・・・・結合部 34・・・・・・ハブ胴 34a・・・・・端部 D・・・・・・・直径

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定軸に対し回動可能に支持された略円筒
    状の内面を有する一対の被支持回動部と、 各被支持回動部の半径方向略外方に、当該被支持回動部
    に対し固定的に設けられた略円板状の一対の鍔部と、 一対の鍔部相互を、前記固定軸の軸方向に所定距離を隔
    てて実質的に固定的に連結する連結筒と、 を備えた車両用ハブにおいて、 少なくとも一方の前記被支持回動部と鍔部とを、一体に
    形成し、 一体に形成された被支持回動部と鍔部との境目近傍にお
    いて、当該一体に形成された被支持回動部および鍔部
    と、前記連結筒とを固定的に結合したこと、 を特徴とする車両用ハブ。
  2. 【請求項2】請求項1の車両用ハブにおいて、 前記境目近傍に、略円筒状の結合面を有する結合部を、
    前記被支持回動部および鍔部と一体に形成し、当該結合
    部の結合面と前記連結筒の端部とを嵌め合わせることに
    より、固定的に結合したこと、 を特徴とするもの。
  3. 【請求項3】請求項1の車両用ハブにおいて、 前記境目近傍に、略ドーナツ形状の結合凹部を有する結
    合部を、前記被支持回動部および鍔部と一体に形成し、
    当該結合部の結合凹部と前記連結筒の端部とを嵌め合わ
    せることにより、固定的に結合したこと、 を特徴とするもの。
  4. 【請求項4】請求項2ないし請求項3のいずれかの車両
    用ハブにおいて、 前記固定軸の軸方向における、前記一対の鍔部相互の距
    離が、前記一対の被支持回動部の略円筒状の内面相互の
    距離より小さいこと、 を特徴とするもの。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかの車両
    用ハブにおいて、 前記一対の被支持回動部の各被支持回動部と、前記一対
    の鍔部の各鍔部とを、それぞれ一体に形成し、 一体に形成された被支持回動部と鍔部との境目近傍にお
    いて、当該一体に形成された一対の被支持回動部および
    鍔部相互と、前記連結筒とを固定的に結合したこと、 を特徴とするもの。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかの車両
    用ハブにおいて、 前記一対の鍔部の一方に駆動力が与えられ、かつ、他方
    に駆動力が与えられず、または、前記一対の鍔部の一方
    に制動力が与えられ、かつ、他方に制動力が与えられな
    いこと、 を特徴とするもの。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013518763A (ja) * 2010-02-09 2013-05-23 グリエムラ、ステファン 自転車のハブ及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013518763A (ja) * 2010-02-09 2013-05-23 グリエムラ、ステファン 自転車のハブ及びその製造方法
US9238385B2 (en) 2010-02-09 2016-01-19 Stefan Griemla Bicycle hub and method for the production thereof

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