JPH10296567A - 工具ホルダ - Google Patents
工具ホルダInfo
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- JPH10296567A JPH10296567A JP11324697A JP11324697A JPH10296567A JP H10296567 A JPH10296567 A JP H10296567A JP 11324697 A JP11324697 A JP 11324697A JP 11324697 A JP11324697 A JP 11324697A JP H10296567 A JPH10296567 A JP H10296567A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tool
- cap
- axis
- chuck
- groove
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Jigs For Machine Tools (AREA)
- Gripping On Spindles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ドリル等の工具4の中心軸線Qを、主軸の回
転軸線から偏心させることが可能な工具ホルダを提供す
る。 【解決手段】 ホルダ本体1の先端に、大径円筒状のキ
ャップ2を、その軸線O,P回りに回転可能に取り付け
るとともに、このキャップ2の内周部に、工具4を保持
する小径円筒状のチャック3を、軸線O,Pに対する径
方向に移動可能に収容し、このチャック3の外周面に
は、周方向に向けて溝深さが変化する凹溝40を形成す
る一方、キャップ2の内周面には、ボールプランジャ3
1のボール部32によって凹溝40の底面に当接する凸
部を突設するとともに、付勢部材36によってチャック
3をこの凸部側に付勢する付勢手段を設ける。
転軸線から偏心させることが可能な工具ホルダを提供す
る。 【解決手段】 ホルダ本体1の先端に、大径円筒状のキ
ャップ2を、その軸線O,P回りに回転可能に取り付け
るとともに、このキャップ2の内周部に、工具4を保持
する小径円筒状のチャック3を、軸線O,Pに対する径
方向に移動可能に収容し、このチャック3の外周面に
は、周方向に向けて溝深さが変化する凹溝40を形成す
る一方、キャップ2の内周面には、ボールプランジャ3
1のボール部32によって凹溝40の底面に当接する凸
部を突設するとともに、付勢部材36によってチャック
3をこの凸部側に付勢する付勢手段を設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドリル等の工具を
工作機械の主軸に装着するための工具ホルダに関するも
のである。
工作機械の主軸に装着するための工具ホルダに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】この種の工具を工作機械の主軸に取り付
ける際、特に工作機械がマシニングセンタ等である場合
には、工具を工具ホルダに保持して主軸に取り付け、自
動工具交換装置等による工具の交換を可能とするように
している。ここで、このような工具ホルダとしては、工
具のシャンクを保持するチャックが先端部に設けられる
とともに、後端部は自動工具交換装置用のグリップ部が
設けられたシャンクとされ、さらにこのシャンクの後端
にプルスタッドボルトが取り付けられたものが一般的で
ある。
ける際、特に工作機械がマシニングセンタ等である場合
には、工具を工具ホルダに保持して主軸に取り付け、自
動工具交換装置等による工具の交換を可能とするように
している。ここで、このような工具ホルダとしては、工
具のシャンクを保持するチャックが先端部に設けられる
とともに、後端部は自動工具交換装置用のグリップ部が
設けられたシャンクとされ、さらにこのシャンクの後端
にプルスタッドボルトが取り付けられたものが一般的で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
工具ホルダに取り付けられた例えばドリルによって、穴
径の異なる加工穴を形成しようとする場合には、この穴
径の差がどんなに小さなものであっても、工具ホルダか
らドリルを取り外して切刃の外径の異なるドリルに取り
付け直したり、あるいは予め切刃の外径の異なる複数の
ドリルをそれぞれ別の工具ホルダに装着しておいて、加
工穴径が変わる度に自動工具交換装置によってこれらの
工具ホルダを交換したりしなければならない。このた
め、ドリルや工具ホルダの交換に時間を要するととも
に、複数のドリルや工具ホルダを用意しておかなければ
ならず、非経済的であった。
工具ホルダに取り付けられた例えばドリルによって、穴
径の異なる加工穴を形成しようとする場合には、この穴
径の差がどんなに小さなものであっても、工具ホルダか
らドリルを取り外して切刃の外径の異なるドリルに取り
付け直したり、あるいは予め切刃の外径の異なる複数の
ドリルをそれぞれ別の工具ホルダに装着しておいて、加
工穴径が変わる度に自動工具交換装置によってこれらの
工具ホルダを交換したりしなければならない。このた
め、ドリルや工具ホルダの交換に時間を要するととも
に、複数のドリルや工具ホルダを用意しておかなければ
ならず、非経済的であった。
【0004】その一方で、近年では、先端に一対の切刃
が内周側と外周側とに偏って配置されたドリルが多用さ
れるようになってきているが、このようなドリルでは、
その中心軸線を主軸の回転軸線から偏心させることがで
きれば、外周側の切刃の回転径が変化するので、穴径の
差が小さい場合には、異なる穴径の加工穴を一つのドリ
ルで形成することができる。このため、このようなドリ
ルを用いた場合に、ドリルの中心軸線を主軸の回転軸線
から偏心させることを可能とする手段が強く要望されて
いた。
が内周側と外周側とに偏って配置されたドリルが多用さ
れるようになってきているが、このようなドリルでは、
その中心軸線を主軸の回転軸線から偏心させることがで
きれば、外周側の切刃の回転径が変化するので、穴径の
差が小さい場合には、異なる穴径の加工穴を一つのドリ
ルで形成することができる。このため、このようなドリ
ルを用いた場合に、ドリルの中心軸線を主軸の回転軸線
から偏心させることを可能とする手段が強く要望されて
いた。
【0005】本発明は、このような背景の下になされた
ものであって、ドリル等の工具の中心軸線を、主軸の回
転軸線から偏心させることが可能な工具ホルダを提供す
ることを目的としている。
ものであって、ドリル等の工具の中心軸線を、主軸の回
転軸線から偏心させることが可能な工具ホルダを提供す
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、ホルダ本体
の先端に、大径円筒状のキャップを、その軸線回りに回
転可能に取り付けるとともに、このキャップの内周部
に、工具を保持する小径円筒状のチャックを、上記軸線
に対する径方向に移動可能に収容し、上記チャックの外
周面には、周方向に向けて溝深さが変化する凹溝を形成
する一方、上記キャップの内周面には、上記凹溝の底面
に当接する凸部を突設するとともに、上記チャックをこ
の凸部側に付勢する付勢手段を備えたことを特徴とす
る。
のような目的を達成するために、本発明は、ホルダ本体
の先端に、大径円筒状のキャップを、その軸線回りに回
転可能に取り付けるとともに、このキャップの内周部
に、工具を保持する小径円筒状のチャックを、上記軸線
に対する径方向に移動可能に収容し、上記チャックの外
周面には、周方向に向けて溝深さが変化する凹溝を形成
する一方、上記キャップの内周面には、上記凹溝の底面
に当接する凸部を突設するとともに、上記チャックをこ
の凸部側に付勢する付勢手段を備えたことを特徴とす
る。
【0007】しかるに、このように構成された工具ホル
ダでは、上記キャップを回転させることにより、その内
周面に突設された凸部が凹溝に沿って周方向に移動する
が、このときチャックは、キャップの径方向に移動可能
とされるとともに、付勢手段によって上記凸部側に付勢
されていて、凸部の先端が凹溝の底面に当接した状態が
維持される。従って、凹溝の溝深さの変化に応じて、チ
ャックは凸部に離接するようにキャップ内を径方向に移
動することとなるので、チャックの中心軸、すなわち工
具の中心軸線を、キャップの軸線、すなわちホルダ本体
の軸線に対して偏心させることができ、さらに言い換え
れば主軸の回転軸線に対して偏心させることが可能とな
る。
ダでは、上記キャップを回転させることにより、その内
周面に突設された凸部が凹溝に沿って周方向に移動する
が、このときチャックは、キャップの径方向に移動可能
とされるとともに、付勢手段によって上記凸部側に付勢
されていて、凸部の先端が凹溝の底面に当接した状態が
維持される。従って、凹溝の溝深さの変化に応じて、チ
ャックは凸部に離接するようにキャップ内を径方向に移
動することとなるので、チャックの中心軸、すなわち工
具の中心軸線を、キャップの軸線、すなわちホルダ本体
の軸線に対して偏心させることができ、さらに言い換え
れば主軸の回転軸線に対して偏心させることが可能とな
る。
【0008】ここで、上記凹溝の溝深さの変化を、これ
に伴う該凹溝の底面と上記チャックの中心軸との間の距
離の変化が、上記キャップの軸線と上記凸部の先端との
間の距離を含む範囲となるように設定すれば、工具の切
刃の回転径を、工具の中心軸線が主軸の回転軸線と一致
した通常の状態から、拡径する方向にも縮径する方向に
も調整することが可能となる。また、上記キャップに、
上記軸線に対する径方向にネジ穴を貫設し、このネジ穴
にボールプランジャをねじ込むことにより、上記凸部を
形成するようにすれば、このボールプランジャのねじ込
み量に応じて上記凸部の突出量を調整することができ、
これによって工具の切刃の回転径の調整量を変化させる
ことができる。さらに、上記キャップに、上記軸線を挟
んで上記凸部に対向するようにネジ穴を貫設し、このネ
ジ穴に、上記チャックを付勢するスプリングを備えた付
勢部材をねじ込むことにより、上記付勢手段を構成する
ようにすれば、この付勢部材のねじ込み量に応じて上記
スプリングによるチャックの付勢力を調節することがで
きるので、工具の切刃の回転径の変化に伴う切削抵抗の
変動等に拘わらず、安定して工具を保持することが可能
となる。
に伴う該凹溝の底面と上記チャックの中心軸との間の距
離の変化が、上記キャップの軸線と上記凸部の先端との
間の距離を含む範囲となるように設定すれば、工具の切
刃の回転径を、工具の中心軸線が主軸の回転軸線と一致
した通常の状態から、拡径する方向にも縮径する方向に
も調整することが可能となる。また、上記キャップに、
上記軸線に対する径方向にネジ穴を貫設し、このネジ穴
にボールプランジャをねじ込むことにより、上記凸部を
形成するようにすれば、このボールプランジャのねじ込
み量に応じて上記凸部の突出量を調整することができ、
これによって工具の切刃の回転径の調整量を変化させる
ことができる。さらに、上記キャップに、上記軸線を挟
んで上記凸部に対向するようにネジ穴を貫設し、このネ
ジ穴に、上記チャックを付勢するスプリングを備えた付
勢部材をねじ込むことにより、上記付勢手段を構成する
ようにすれば、この付勢部材のねじ込み量に応じて上記
スプリングによるチャックの付勢力を調節することがで
きるので、工具の切刃の回転径の変化に伴う切削抵抗の
変動等に拘わらず、安定して工具を保持することが可能
となる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1ないし図8は、本発明の一実
施形態を示すものである。これらの図に示すように、本
実施形態においてホルダ本体1は軸線Oを中心とした概
略円柱状をなし、その先端部には大径円筒状のキャップ
2が、その中心軸線Pをホルダ本体1の軸線Oと同軸に
して取り付けられるとともに、このキャップ2の内周部
に小径円筒状のチャック3が収容されており、さらにこ
のチャック3に、当該工具ホルダに保持される工具4が
取り付けられる。なお、このホルダ本体1の後端部は、
後端側に向かうに従い軸線Oを中心として円錐状に縮径
するテーパシャンク部5とされており、その後端にはネ
ジ穴6が形成されてプルスタッドボルト7が取り付けら
れている。さらに、このテーパシャンク部5の先端側の
ホルダ本体1外周面には、フランジ状のグリップ部8が
形成されている。
施形態を示すものである。これらの図に示すように、本
実施形態においてホルダ本体1は軸線Oを中心とした概
略円柱状をなし、その先端部には大径円筒状のキャップ
2が、その中心軸線Pをホルダ本体1の軸線Oと同軸に
して取り付けられるとともに、このキャップ2の内周部
に小径円筒状のチャック3が収容されており、さらにこ
のチャック3に、当該工具ホルダに保持される工具4が
取り付けられる。なお、このホルダ本体1の後端部は、
後端側に向かうに従い軸線Oを中心として円錐状に縮径
するテーパシャンク部5とされており、その後端にはネ
ジ穴6が形成されてプルスタッドボルト7が取り付けら
れている。さらに、このテーパシャンク部5の先端側の
ホルダ本体1外周面には、フランジ状のグリップ部8が
形成されている。
【0010】ここで、この工具ホルダに保持される上記
工具4は、本実施形態においては、その工具本体9の先
端部に形成された一対の切屑排出溝10,10の先端
に、切刃11を備えたスローアウェイチップ12がそれ
ぞれ着脱自在に装着されて成るスローアウェイ式ドリル
であって、これらのスローアウェイチップ12,12は
工具本体9の中心軸線Qに対して外周側と内周側とに偏
って配置されており、外周側のスローアウェイチップ1
2の切刃11は工具本体9の先端部外周から突出する一
方、内周側のスローアウェイチップ12の切刃11は軸
線Qを跨いでオーバーセンターとなるように配設されて
いる。また、この工具本体9の軸線Q方向中央部外周に
は、先端部よりも一段拡径するようにして円錐台状のフ
ランジ部13が形成されるとともに、このフランジ部1
3よりも後端側は、上記チャック3の内周部に嵌挿可能
な略円柱状のシャンク部14とされていて、このシャン
ク部14の外周面には、後端側に向かうに従い工具本体
9の内周側に向かって傾斜する取付面15が形成されて
おり、さらにこの取付面15には円錐状に窪む凹部16
が形成されている。
工具4は、本実施形態においては、その工具本体9の先
端部に形成された一対の切屑排出溝10,10の先端
に、切刃11を備えたスローアウェイチップ12がそれ
ぞれ着脱自在に装着されて成るスローアウェイ式ドリル
であって、これらのスローアウェイチップ12,12は
工具本体9の中心軸線Qに対して外周側と内周側とに偏
って配置されており、外周側のスローアウェイチップ1
2の切刃11は工具本体9の先端部外周から突出する一
方、内周側のスローアウェイチップ12の切刃11は軸
線Qを跨いでオーバーセンターとなるように配設されて
いる。また、この工具本体9の軸線Q方向中央部外周に
は、先端部よりも一段拡径するようにして円錐台状のフ
ランジ部13が形成されるとともに、このフランジ部1
3よりも後端側は、上記チャック3の内周部に嵌挿可能
な略円柱状のシャンク部14とされていて、このシャン
ク部14の外周面には、後端側に向かうに従い工具本体
9の内周側に向かって傾斜する取付面15が形成されて
おり、さらにこの取付面15には円錐状に窪む凹部16
が形成されている。
【0011】一方、上記ホルダ本体1の先端面の内周側
には、先端側に一段盛り上がるようにして上記軸線Oを
中心とした外形円板状の段部17が形成されるととも
に、この段部17のさらに内周側には、逆に後端側に一
段凹むようにして、やはり軸線Oを中心とした断面円形
の凹部18が形成されており、この凹部18の底面に
は、上記軸線Oについて対称に、かつ凹部18の内壁面
との間に間隔を開けて、一対の円柱状のピン19,19
が軸線Oに平行にこの底面から突出するように埋設され
ている。なお、これらピン19,19よりも内周側の凹
部18の底面中央部には、上記工具4のシャンク部14
の後端部を収容可能な凹部20が形成されており、さら
にこの凹部20の底面中央部からは上記軸線Oに沿って
後端側に貫通孔21が形成されていて、この貫通孔21
はホルダ本体1後端の上記ネジ穴6に連通させられてい
る。また、上記段部17の先端面には、上記キャップ2
を固定するためのクランプネジ22がねじ込まれる複数
(本実施形態では3つ)のクランプネジ穴23…が、そ
れぞれ軸線Oに平行に、かつ互いに軸線Oから等しい径
でホルダ本体1の周方向に等間隔に形成されている。
には、先端側に一段盛り上がるようにして上記軸線Oを
中心とした外形円板状の段部17が形成されるととも
に、この段部17のさらに内周側には、逆に後端側に一
段凹むようにして、やはり軸線Oを中心とした断面円形
の凹部18が形成されており、この凹部18の底面に
は、上記軸線Oについて対称に、かつ凹部18の内壁面
との間に間隔を開けて、一対の円柱状のピン19,19
が軸線Oに平行にこの底面から突出するように埋設され
ている。なお、これらピン19,19よりも内周側の凹
部18の底面中央部には、上記工具4のシャンク部14
の後端部を収容可能な凹部20が形成されており、さら
にこの凹部20の底面中央部からは上記軸線Oに沿って
後端側に貫通孔21が形成されていて、この貫通孔21
はホルダ本体1後端の上記ネジ穴6に連通させられてい
る。また、上記段部17の先端面には、上記キャップ2
を固定するためのクランプネジ22がねじ込まれる複数
(本実施形態では3つ)のクランプネジ穴23…が、そ
れぞれ軸線Oに平行に、かつ互いに軸線Oから等しい径
でホルダ本体1の周方向に等間隔に形成されている。
【0012】さらに、大径円筒状の上記キャップ2は、
その外径がホルダ本体1の先端部の外径と等しくされる
とともに、その内径はホルダ本体1の上記凹部18の内
径と等しくされており、円環状をなすその後端面の内周
側には、上記段部17が嵌挿可能な凹部24が、該キャ
ップ2の上記軸線Pを中心として環状に形成される一
方、その内周面の先端側には、この内周面から一段縮径
するように突出する段部25が、やはり上記軸線Pを中
心として環状に形成されている。また、このキャップ2
には、上記軸線Pを中心として周方向に円弧状に延びる
とともに該キャップ2を軸線Pに平行に貫通する長孔2
6が、上記クランプネジ穴23…と同じ数だけキャップ
2の周方向に等間隔に、かつ上記軸線Pからの径がホル
ダ本体1の軸線Oから上記クランプネジ穴23までの径
と等しくなるように形成されている。なお、この長孔2
6内には、先端側から後端側に向かう途中で軸線Pに対
する径方向の幅が一段幅狭となるように、段部27が形
成されている。
その外径がホルダ本体1の先端部の外径と等しくされる
とともに、その内径はホルダ本体1の上記凹部18の内
径と等しくされており、円環状をなすその後端面の内周
側には、上記段部17が嵌挿可能な凹部24が、該キャ
ップ2の上記軸線Pを中心として環状に形成される一
方、その内周面の先端側には、この内周面から一段縮径
するように突出する段部25が、やはり上記軸線Pを中
心として環状に形成されている。また、このキャップ2
には、上記軸線Pを中心として周方向に円弧状に延びる
とともに該キャップ2を軸線Pに平行に貫通する長孔2
6が、上記クランプネジ穴23…と同じ数だけキャップ
2の周方向に等間隔に、かつ上記軸線Pからの径がホル
ダ本体1の軸線Oから上記クランプネジ穴23までの径
と等しくなるように形成されている。なお、この長孔2
6内には、先端側から後端側に向かう途中で軸線Pに対
する径方向の幅が一段幅狭となるように、段部27が形
成されている。
【0013】さらにまた、このキャップ2には、周方向
に互いに隣り合う上記長孔26…同士の間の3つの部分
に、第1の取付ネジ穴28と、第2の取付ネジ穴29
と、キャップ2の周方向に並列に延びる一対の長孔3
0,30とが、それぞれ上記軸線Pに対する径方向にキ
ャップ2を貫通するように、かつ上記長孔26…とは重
なり合わないように形成されている。このうち、上記第
1、第2の取付ネジ穴28,29は、キャップ2をホル
ダ本体1に取り付けた状態で、ホルダ本体1に埋設され
た上記一対のピン19,19が並ぶ方向に平行な上記軸
線Pに対する一の直径方向上に形成されており、第1の
取付ネジ穴28にはボールプランジャネジ31がねじ込
まれていて、その先端のボール部32がキャップ2の内
周面に突出することにより、本実施形態における凸部が
形成されている。また、第2取付ネジ穴29には、キャ
ップ2の内周面から出没自在とされて上記チャック3の
外周面に当接する球状の当接部33と、この当接部33
の外周側に位置して該当接部33を上記ボール部32に
向け付勢するコイルスプリング34と、このコイルスプ
リング34のさらに外周側に位置して上記第2の取付ネ
ジ穴29にねじ込まれるバックサポートネジ35とから
成る付勢部材36が取り付けられており、この付勢部材
36によって本実施形態における付勢手段が構成されて
いる。
に互いに隣り合う上記長孔26…同士の間の3つの部分
に、第1の取付ネジ穴28と、第2の取付ネジ穴29
と、キャップ2の周方向に並列に延びる一対の長孔3
0,30とが、それぞれ上記軸線Pに対する径方向にキ
ャップ2を貫通するように、かつ上記長孔26…とは重
なり合わないように形成されている。このうち、上記第
1、第2の取付ネジ穴28,29は、キャップ2をホル
ダ本体1に取り付けた状態で、ホルダ本体1に埋設され
た上記一対のピン19,19が並ぶ方向に平行な上記軸
線Pに対する一の直径方向上に形成されており、第1の
取付ネジ穴28にはボールプランジャネジ31がねじ込
まれていて、その先端のボール部32がキャップ2の内
周面に突出することにより、本実施形態における凸部が
形成されている。また、第2取付ネジ穴29には、キャ
ップ2の内周面から出没自在とされて上記チャック3の
外周面に当接する球状の当接部33と、この当接部33
の外周側に位置して該当接部33を上記ボール部32に
向け付勢するコイルスプリング34と、このコイルスプ
リング34のさらに外周側に位置して上記第2の取付ネ
ジ穴29にねじ込まれるバックサポートネジ35とから
成る付勢部材36が取り付けられており、この付勢部材
36によって本実施形態における付勢手段が構成されて
いる。
【0014】さらに、小径円筒状の上記チャック3は、
その外径がキャップ2の内径およびホルダ本体1の上記
凹部18の内径よりも僅かに小さくされるとともに、こ
のチャック3の先端部外周側には、当該チャック3の軸
線Rを中心とした環状溝37が形成されており、この環
状溝37の外周側を向く壁面38の外径は、キャップ2
の内周面先端側に形成された上記段部25の内径よりも
僅かに小さくされている。一方、このチャック3の後端
面には、当該チャック3の中心軸線Rに対する一の直径
方向に、ホルダ本体1の上記ピン19,19が嵌合可能
な嵌合溝39が形成されており、この嵌合溝39は、そ
の長さが上記ピン19,19の互いに反対側を向く外周
面同士の間の幅よりも長くされている。そして、この嵌
合溝39に上記ピン19,19を嵌合させてチャック3
の後端面を上記凹部18の底面に密着させ、キャップ2
をホルダ本体1の先端に取り付けた状態で、チャック3
は、その先端面がキャップ2の先端面に面一とされると
ともに、キャップ2の上記段部25が上記環状溝37に
当接して先端側への脱落が拘束され、さらにピン19,
19と嵌合溝39とが係合することにより、ホルダ本体
1およびキャップ2と一体にホルダ本体1の上記軸線O
回りに回転可能、かつ嵌合溝39が形成された上記一の
直径方向について移動可能とされている。
その外径がキャップ2の内径およびホルダ本体1の上記
凹部18の内径よりも僅かに小さくされるとともに、こ
のチャック3の先端部外周側には、当該チャック3の軸
線Rを中心とした環状溝37が形成されており、この環
状溝37の外周側を向く壁面38の外径は、キャップ2
の内周面先端側に形成された上記段部25の内径よりも
僅かに小さくされている。一方、このチャック3の後端
面には、当該チャック3の中心軸線Rに対する一の直径
方向に、ホルダ本体1の上記ピン19,19が嵌合可能
な嵌合溝39が形成されており、この嵌合溝39は、そ
の長さが上記ピン19,19の互いに反対側を向く外周
面同士の間の幅よりも長くされている。そして、この嵌
合溝39に上記ピン19,19を嵌合させてチャック3
の後端面を上記凹部18の底面に密着させ、キャップ2
をホルダ本体1の先端に取り付けた状態で、チャック3
は、その先端面がキャップ2の先端面に面一とされると
ともに、キャップ2の上記段部25が上記環状溝37に
当接して先端側への脱落が拘束され、さらにピン19,
19と嵌合溝39とが係合することにより、ホルダ本体
1およびキャップ2と一体にホルダ本体1の上記軸線O
回りに回転可能、かつ嵌合溝39が形成された上記一の
直径方向について移動可能とされている。
【0015】さらに、このチャック3の外周面には、そ
の一部に周方向に沿って凹溝40が形成されている。こ
の凹溝40は、チャック3の軸線Rを含む断面において
その底面が略半円状をなし、チャック3の上記軸線R方
向において、上述のように該チャック3およびキャップ
2をホルダ本体1に取り付けた状態で、キャップ2の上
記第1の取付ネジ穴28に臨む位置に形成されるととも
に、チャック3の周方向においては、上記軸線Rと上記
嵌合溝39が形成される上記一の直径方向とを含む平面
とチャック3の外周面との交差稜線の位置から、本実施
形態では図5に示すように軸線R方向先端側から見て反
時計回り方向に延びるように形成されており、しかもこ
の交差稜線の位置から反時計回り方向側に向かうに従
い、その溝深さが漸次浅くなるようにされている。さら
にまた、この凹溝40は、上記キャップ2の軸線Pと上
記ボールプランジャ31のボール部32先端との間の距
離Eに対し、その溝深さが最も深くなる位置における該
凹溝40の底面とチャック3の軸線Rとの距離D1と、
最も浅い位置における上記底面と軸線Rとの距離D2と
が、D1<E<D2となる関係に溝深さが変化するように
設定されている。
の一部に周方向に沿って凹溝40が形成されている。こ
の凹溝40は、チャック3の軸線Rを含む断面において
その底面が略半円状をなし、チャック3の上記軸線R方
向において、上述のように該チャック3およびキャップ
2をホルダ本体1に取り付けた状態で、キャップ2の上
記第1の取付ネジ穴28に臨む位置に形成されるととも
に、チャック3の周方向においては、上記軸線Rと上記
嵌合溝39が形成される上記一の直径方向とを含む平面
とチャック3の外周面との交差稜線の位置から、本実施
形態では図5に示すように軸線R方向先端側から見て反
時計回り方向に延びるように形成されており、しかもこ
の交差稜線の位置から反時計回り方向側に向かうに従
い、その溝深さが漸次浅くなるようにされている。さら
にまた、この凹溝40は、上記キャップ2の軸線Pと上
記ボールプランジャ31のボール部32先端との間の距
離Eに対し、その溝深さが最も深くなる位置における該
凹溝40の底面とチャック3の軸線Rとの距離D1と、
最も浅い位置における上記底面と軸線Rとの距離D2と
が、D1<E<D2となる関係に溝深さが変化するように
設定されている。
【0016】また、このチャック3には、上述した取付
状態においてキャップ2の上記一対の長孔30,30に
臨む位置に、一対の工具取付ネジ穴41,41が互いに
上記軸線R方向に並ぶように、かつそれぞれチャック3
を軸線Rの径方向に貫通するように形成されている。こ
れらの工具取付ネジ穴41,41は、キャップ2の回転
位置に拘わらず、上記長穴30,30から当該工具ホル
ダの外周側に露出する位置に形成されており、このうち
先端側の工具取付ネジ穴41には、先端が円錐状に突出
した工具取付ネジ42がねじ込まれる一方、後端側の工
具取付ネジ穴41には、先端が平坦とされた工具取付ネ
ジ43がねじ込まれている。
状態においてキャップ2の上記一対の長孔30,30に
臨む位置に、一対の工具取付ネジ穴41,41が互いに
上記軸線R方向に並ぶように、かつそれぞれチャック3
を軸線Rの径方向に貫通するように形成されている。こ
れらの工具取付ネジ穴41,41は、キャップ2の回転
位置に拘わらず、上記長穴30,30から当該工具ホル
ダの外周側に露出する位置に形成されており、このうち
先端側の工具取付ネジ穴41には、先端が円錐状に突出
した工具取付ネジ42がねじ込まれる一方、後端側の工
具取付ネジ穴41には、先端が平坦とされた工具取付ネ
ジ43がねじ込まれている。
【0017】しかるに、本実施形態の工具ホルダは、上
述のように嵌合溝39をピン19,19に嵌合させてチ
ャック3をホルダ本体1に装着し、次いで段部17に凹
部24を嵌挿させてチャック3を収容するようにキャッ
プ2をホルダ本体1の先端に装着し、さらに図3に示す
ようにキャップ2の長孔26…に挿通したクランプネジ
22…をホルダ本体1のクランプネジ穴23…にねじ込
んでホルダ本体1、キャップ2、およびチャック3を一
体化した上で、第1の取付ネジ穴28にボールプランジ
ャ31をねじ込んでそのボール部32をチャック3の凹
溝40の底面に当接させるとともに、第2の取付ネジ穴
29に付勢部材36を取り付けることにより、組み立て
られる。また、上記工具4は、そのシャンク部14がチ
ャック3の内周部に嵌挿されるとともに、フランジ部1
3の後端面がチャック3の先端面に当接されて当該工具
ホルダに装着され、さらに上記工具取付ネジ42,43
をねじ込むことにより、先端側の工具取付ネジ42の円
錐状の先端部によって取付面15の凹部16が押圧され
て後端側に引き込まれるとともに、後端側の工具取付ネ
ジ43によって取付面15が押圧されてチャック3に固
定される。
述のように嵌合溝39をピン19,19に嵌合させてチ
ャック3をホルダ本体1に装着し、次いで段部17に凹
部24を嵌挿させてチャック3を収容するようにキャッ
プ2をホルダ本体1の先端に装着し、さらに図3に示す
ようにキャップ2の長孔26…に挿通したクランプネジ
22…をホルダ本体1のクランプネジ穴23…にねじ込
んでホルダ本体1、キャップ2、およびチャック3を一
体化した上で、第1の取付ネジ穴28にボールプランジ
ャ31をねじ込んでそのボール部32をチャック3の凹
溝40の底面に当接させるとともに、第2の取付ネジ穴
29に付勢部材36を取り付けることにより、組み立て
られる。また、上記工具4は、そのシャンク部14がチ
ャック3の内周部に嵌挿されるとともに、フランジ部1
3の後端面がチャック3の先端面に当接されて当該工具
ホルダに装着され、さらに上記工具取付ネジ42,43
をねじ込むことにより、先端側の工具取付ネジ42の円
錐状の先端部によって取付面15の凹部16が押圧され
て後端側に引き込まれるとともに、後端側の工具取付ネ
ジ43によって取付面15が押圧されてチャック3に固
定される。
【0018】このようにして工具4が取り付けられた工
具ホルダは、上記プルスタッドボルト7が後端側に引き
込まれることにより、そのテーパシャンク部5が工作機
械の主軸に形成された取付穴に嵌挿されて固定され、こ
の主軸の回転に伴い、ホルダ本体1の軸線O回りに回転
されて、上記工具4により被削材に加工を施す。ここ
で、本実施形態では、上記工具4が先端に切刃11,1
1が設けられたスローアウェイ式ドリルであるので、工
具4の軸線Qがホルダ本体1の軸線Oと同軸に配置され
ている場合には、上記切刃11の軸線Q回りの回転径、
すなわち切刃11の外径を加工穴径とする穴明け加工が
被削材に施される。そして、このように構成された工具
ホルダにおいて、工具4の軸線Qをホルダ本体1の軸線
Oから偏心させて、工具4の切刃11による加工穴径を
調整するには、上記クランプネジ22…を緩めてキャッ
プ2を周方向に回動させてやればよい。
具ホルダは、上記プルスタッドボルト7が後端側に引き
込まれることにより、そのテーパシャンク部5が工作機
械の主軸に形成された取付穴に嵌挿されて固定され、こ
の主軸の回転に伴い、ホルダ本体1の軸線O回りに回転
されて、上記工具4により被削材に加工を施す。ここ
で、本実施形態では、上記工具4が先端に切刃11,1
1が設けられたスローアウェイ式ドリルであるので、工
具4の軸線Qがホルダ本体1の軸線Oと同軸に配置され
ている場合には、上記切刃11の軸線Q回りの回転径、
すなわち切刃11の外径を加工穴径とする穴明け加工が
被削材に施される。そして、このように構成された工具
ホルダにおいて、工具4の軸線Qをホルダ本体1の軸線
Oから偏心させて、工具4の切刃11による加工穴径を
調整するには、上記クランプネジ22…を緩めてキャッ
プ2を周方向に回動させてやればよい。
【0019】すなわち、本実施形態では、ホルダ本体1
の先端にキャップ2が互いの軸線O,Pを同軸として取
り付けられる一方、工具4はチャック3に互いの軸線
Q,Rを同軸として取り付けられ、かつこのチャック3
は、その後端面の嵌合溝39にホルダ本体1のピン1
9,19が嵌合することにより、このホルダ本体1の軸
線Oに対する径方向に移動可能とされている。そして、
チャック3に形成された凹溝40の底面にキャップ2の
ボールプランジャ31先端のボール部32が凸部として
当接するとともに、付勢部材36によってチャック3が
上記凸部側に付勢されており、さらに上記凹溝40の溝
深さがチャック3の周方向に向けて変化しているので、
図6に示すように上記各軸線O〜Rが同軸とされている
状態から、この図6においてキャップ2を時計回り方向
に回転させて、図7に示すように凹溝40の溝深さが深
い位置にボール部32を当接させることにより、チャッ
ク3および工具4は、工具4の外周側に偏った切刃11
がホルダ本体1の内周側に向かうように移動し、その軸
線Q,Rが上記軸線O,Pに対して偏心する。
の先端にキャップ2が互いの軸線O,Pを同軸として取
り付けられる一方、工具4はチャック3に互いの軸線
Q,Rを同軸として取り付けられ、かつこのチャック3
は、その後端面の嵌合溝39にホルダ本体1のピン1
9,19が嵌合することにより、このホルダ本体1の軸
線Oに対する径方向に移動可能とされている。そして、
チャック3に形成された凹溝40の底面にキャップ2の
ボールプランジャ31先端のボール部32が凸部として
当接するとともに、付勢部材36によってチャック3が
上記凸部側に付勢されており、さらに上記凹溝40の溝
深さがチャック3の周方向に向けて変化しているので、
図6に示すように上記各軸線O〜Rが同軸とされている
状態から、この図6においてキャップ2を時計回り方向
に回転させて、図7に示すように凹溝40の溝深さが深
い位置にボール部32を当接させることにより、チャッ
ク3および工具4は、工具4の外周側に偏った切刃11
がホルダ本体1の内周側に向かうように移動し、その軸
線Q,Rが上記軸線O,Pに対して偏心する。
【0020】また、逆に図6に示す状態からキャップ2
を反時計回り方向に回転させて、図8に示すように凹溝
40の溝深さが浅い位置にボール部32を当接させる
と、チャック3および工具4は、その外周側に偏った切
刃11がホルダ本体1の外周側に向かうように移動し
て、軸線Q,Rが軸線O,Pに対して偏心することとな
る。従って、本実施形態の工具ホルダによれば、上述の
ようにキャップ2を周方向に回動させることにより、ホ
ルダ本体1の軸線O回りにおける切刃11の回転径を縮
径または拡径させてその外径を調整することができるの
であり、これにより、加工穴径の異なる穴明け加工を、
当該工具ホルダに装着された一つの工具4で行うことが
可能となる。このため、従来のように切刃の外径の異な
る複数の工具を用意しておく必要がなくなって経済的で
あるとともに、工具や工具ホルダを交換する必要もなく
なって、かかる切刃の外径調整を短時間で行うことが可
能となり、作業効率の向上を図ることができる。また、
本実施形態によれば、クランプネジ22…を緩めてキャ
ップ2を回動させるという簡単な操作で切刃11の外径
調整が可能であり、しかもこのキャップ2の回転位置に
応じて、より精密に工具4を偏心させることができると
いう利点も得られる。
を反時計回り方向に回転させて、図8に示すように凹溝
40の溝深さが浅い位置にボール部32を当接させる
と、チャック3および工具4は、その外周側に偏った切
刃11がホルダ本体1の外周側に向かうように移動し
て、軸線Q,Rが軸線O,Pに対して偏心することとな
る。従って、本実施形態の工具ホルダによれば、上述の
ようにキャップ2を周方向に回動させることにより、ホ
ルダ本体1の軸線O回りにおける切刃11の回転径を縮
径または拡径させてその外径を調整することができるの
であり、これにより、加工穴径の異なる穴明け加工を、
当該工具ホルダに装着された一つの工具4で行うことが
可能となる。このため、従来のように切刃の外径の異な
る複数の工具を用意しておく必要がなくなって経済的で
あるとともに、工具や工具ホルダを交換する必要もなく
なって、かかる切刃の外径調整を短時間で行うことが可
能となり、作業効率の向上を図ることができる。また、
本実施形態によれば、クランプネジ22…を緩めてキャ
ップ2を回動させるという簡単な操作で切刃11の外径
調整が可能であり、しかもこのキャップ2の回転位置に
応じて、より精密に工具4を偏心させることができると
いう利点も得られる。
【0021】一方、本実施形態では、チャック3に形成
された上記凹溝40が、このチャック3の周方向うちの
一方向(図5〜図8において反時計回り方向)に向かう
に従い、その溝深さが漸次浅くなるように形成されてお
り、この凹溝40が最も深くなる位置における該凹溝4
0の底面とチャック3の上記軸線Rとの間の径方向の距
離D1と、最も浅くなる位置における上記距離D2とが、
キャップ2の軸線Pと凸部となるボールプランジャ31
のボール部32の先端との間の距離Eに対してD1<E
<D2となるように設定されている。そして、これによ
り、上述の通り図6に示すように軸線O〜Rが一致した
状態から、図7に示すように切刃11の外径が縮径する
方向にも、また図8に示すように切刃11の外径が拡径
する方向にも、上記軸線O,Pに対して軸線Q,Rを偏
心させることができるので、本実施形態によれば、工具
4に与えられた所定の切刃11の外径より大きい加工穴
の形成にも、小さい加工穴の形成にも適用できる汎用性
の高い工具ホルダを提供することが可能となる。
された上記凹溝40が、このチャック3の周方向うちの
一方向(図5〜図8において反時計回り方向)に向かう
に従い、その溝深さが漸次浅くなるように形成されてお
り、この凹溝40が最も深くなる位置における該凹溝4
0の底面とチャック3の上記軸線Rとの間の径方向の距
離D1と、最も浅くなる位置における上記距離D2とが、
キャップ2の軸線Pと凸部となるボールプランジャ31
のボール部32の先端との間の距離Eに対してD1<E
<D2となるように設定されている。そして、これによ
り、上述の通り図6に示すように軸線O〜Rが一致した
状態から、図7に示すように切刃11の外径が縮径する
方向にも、また図8に示すように切刃11の外径が拡径
する方向にも、上記軸線O,Pに対して軸線Q,Rを偏
心させることができるので、本実施形態によれば、工具
4に与えられた所定の切刃11の外径より大きい加工穴
の形成にも、小さい加工穴の形成にも適用できる汎用性
の高い工具ホルダを提供することが可能となる。
【0022】しかも、本実施形態では、キャップ2の内
周面に突設されてチャック2の上記凹溝40に当接する
凸部が、キャップ2に形成された第1の取付ネジ穴28
にねじ込まれるボールプランジャ31先端のボール部3
2により構成されており、このボールプランジャ31の
取付ネジ穴28へのねじ込み量を調整することによっ
て、キャップ2内周面からの上記凸部の突出量も調整さ
れ、これに伴いキャップ2の軸線Pとボール部32先端
(凸部の先端)との間の上記距離Eも変化することとな
る。従って、このようにボールプランジャ31のねじ込
み量を調整することにより、図6に示すようにホルダ本
体1およびキャップ2の軸線O,Pとチャック3および
工具4の軸線Q,Rとが一致する位置を、凹溝40にお
いて溝深さが深い側へも、浅い側へも変化させることが
でき、このため切刃11の外径を調整することが可能な
範囲を、外径が拡径する側にも縮径する側にもずらすこ
とが可能となるので、本実施形態によれば、より広い範
囲で切刃11の外径調整を行うことができ、一層汎用性
の高い工具ホルダを提供することが可能となる。
周面に突設されてチャック2の上記凹溝40に当接する
凸部が、キャップ2に形成された第1の取付ネジ穴28
にねじ込まれるボールプランジャ31先端のボール部3
2により構成されており、このボールプランジャ31の
取付ネジ穴28へのねじ込み量を調整することによっ
て、キャップ2内周面からの上記凸部の突出量も調整さ
れ、これに伴いキャップ2の軸線Pとボール部32先端
(凸部の先端)との間の上記距離Eも変化することとな
る。従って、このようにボールプランジャ31のねじ込
み量を調整することにより、図6に示すようにホルダ本
体1およびキャップ2の軸線O,Pとチャック3および
工具4の軸線Q,Rとが一致する位置を、凹溝40にお
いて溝深さが深い側へも、浅い側へも変化させることが
でき、このため切刃11の外径を調整することが可能な
範囲を、外径が拡径する側にも縮径する側にもずらすこ
とが可能となるので、本実施形態によれば、より広い範
囲で切刃11の外径調整を行うことができ、一層汎用性
の高い工具ホルダを提供することが可能となる。
【0023】さらに、本実施形態では、凸部となる上記
ボールプランジャ31のボール部32側にチャック3を
付勢する付勢手段が、キャップ2の軸線Pを挟んで上記
ボール部32に対向するように第2の取付ネジ穴29に
ねじ込まれた付勢部材36によって構成されており、こ
の付勢部材36はさらに、チャック3の外周面に当接す
る当接部33と、この当接部33を付勢するコイルスプ
リング34と、このコイルスプリング34の外周側に位
置して上記第2の取付ネジ穴29にねじ込まれるバック
サポートネジ35とから構成されている。従って、本実
施形態では、このバックサポートネジ35のねじ込み量
を調整することにより、当該付勢部材36によるチャッ
ク3の付勢力を調節することが可能となるので、例えば
工具4の切刃11の外径を調整した際に、これに伴って
切刃11から工具本体9に作用する切削抵抗等が増大し
たとしても、バックサポートネジ35をさらにねじ込む
ことによって付勢力を増加させ、チャック3をより強く
ボール部32側に押し付けることができ、このような切
削抵抗等の増大にも拘わらず、工具4を安定して保持し
て円滑な加工を促すことが可能となる。
ボールプランジャ31のボール部32側にチャック3を
付勢する付勢手段が、キャップ2の軸線Pを挟んで上記
ボール部32に対向するように第2の取付ネジ穴29に
ねじ込まれた付勢部材36によって構成されており、こ
の付勢部材36はさらに、チャック3の外周面に当接す
る当接部33と、この当接部33を付勢するコイルスプ
リング34と、このコイルスプリング34の外周側に位
置して上記第2の取付ネジ穴29にねじ込まれるバック
サポートネジ35とから構成されている。従って、本実
施形態では、このバックサポートネジ35のねじ込み量
を調整することにより、当該付勢部材36によるチャッ
ク3の付勢力を調節することが可能となるので、例えば
工具4の切刃11の外径を調整した際に、これに伴って
切刃11から工具本体9に作用する切削抵抗等が増大し
たとしても、バックサポートネジ35をさらにねじ込む
ことによって付勢力を増加させ、チャック3をより強く
ボール部32側に押し付けることができ、このような切
削抵抗等の増大にも拘わらず、工具4を安定して保持し
て円滑な加工を促すことが可能となる。
【0024】なお、本実施形態では、凹溝40をチャッ
ク3の一の周方向(図5ないし図8において反時計回り
方向)に向かうに従い、その溝深さが漸次浅くなるよう
に形成しているが、この一の周方向に向けて逆に漸次深
くなるように形成してもよく、また浅くなった後深くな
るように形成したり、深くなった後浅くなるように形成
したりしてもよい。また、本実施形態では、上述したよ
うに凸部としてのボールプランジャ31先端のボール部
32が、凹溝40の最も深くなる位置においてその底面
に当接したとき、工具4の切刃11の外径が最も縮径し
た状態となり、このときのホルダ本体1の軸線Oに対す
る工具4の軸線Qの偏心量は、図5に示すようにE−D
1となって最大となるが、この最大偏心量E−D1が大き
くなりすぎると、工具4の内周側に偏って配置された切
刃11側の工具本体9の外周面が、外周側の切刃11の
よって形成された加工穴の内周に摺接してしまうおそれ
が生じる。従って、このような事態を避けるため、上記
最大偏心量E−D1は、工具本体9の外周側に偏って配
置された切刃11がこの工具本体9の先端部外周面から
突出する突出量の1/2以下とされるのが望ましい。
ク3の一の周方向(図5ないし図8において反時計回り
方向)に向かうに従い、その溝深さが漸次浅くなるよう
に形成しているが、この一の周方向に向けて逆に漸次深
くなるように形成してもよく、また浅くなった後深くな
るように形成したり、深くなった後浅くなるように形成
したりしてもよい。また、本実施形態では、上述したよ
うに凸部としてのボールプランジャ31先端のボール部
32が、凹溝40の最も深くなる位置においてその底面
に当接したとき、工具4の切刃11の外径が最も縮径し
た状態となり、このときのホルダ本体1の軸線Oに対す
る工具4の軸線Qの偏心量は、図5に示すようにE−D
1となって最大となるが、この最大偏心量E−D1が大き
くなりすぎると、工具4の内周側に偏って配置された切
刃11側の工具本体9の外周面が、外周側の切刃11の
よって形成された加工穴の内周に摺接してしまうおそれ
が生じる。従って、このような事態を避けるため、上記
最大偏心量E−D1は、工具本体9の外周側に偏って配
置された切刃11がこの工具本体9の先端部外周面から
突出する突出量の1/2以下とされるのが望ましい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
工具ホルダのキャップをその周方向に回動させることに
よって、この工具ホルダに取り付けられるドリル等の工
具の中心軸線を主軸の回転軸線から偏心させることがで
き、これにより、かかる工具の切刃の外径を拡・縮径さ
せて調整することが可能となる。従って、例えば装着さ
れる工具がドリル等の穴明け工具の場合には、加工穴径
の異なる穴加工を一つの工具で行うことが可能となり、
このような加工径の異なる穴加工の際に切刃の外径の異
なる複数の工具を用意しておく必要がなくなって経済的
であるとともに、工具や工具ホルダを交換する必要もな
くなって、かかる切刃の外径調整を短時間で行うことが
可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
工具ホルダのキャップをその周方向に回動させることに
よって、この工具ホルダに取り付けられるドリル等の工
具の中心軸線を主軸の回転軸線から偏心させることがで
き、これにより、かかる工具の切刃の外径を拡・縮径さ
せて調整することが可能となる。従って、例えば装着さ
れる工具がドリル等の穴明け工具の場合には、加工穴径
の異なる穴加工を一つの工具で行うことが可能となり、
このような加工径の異なる穴加工の際に切刃の外径の異
なる複数の工具を用意しておく必要がなくなって経済的
であるとともに、工具や工具ホルダを交換する必要もな
くなって、かかる切刃の外径調整を短時間で行うことが
可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す側断面図である。
【図2】 図1に示す実施形態の先端部の拡大図であ
る。
る。
【図3】 図2におけるYY断面図である。
【図4】 図1に示す実施形態の組立図である。
【図5】 図2におけるZZ断面図である。
【図6】 図1に示す実施形態において、軸線O〜Rが
一致した状態を示す断面図である。
一致した状態を示す断面図である。
【図7】 図1に示す実施形態において、工具4の切刃
11の外径が最も縮径した状態を示す断面図である。
11の外径が最も縮径した状態を示す断面図である。
【図8】 図1に示す実施形態において、工具4の切刃
11の外径が最も拡径した状態を示す断面図である。
11の外径が最も拡径した状態を示す断面図である。
1 ホルダ本体 2 キャップ 3 チャック 4 工具 9 工具本体 11 切刃 19 ピン 31 ボールプランジャ 32 ボール部(凸部) 33 当接部 34 コイルスプリング(スプリング) 35 バックサポートネジ 36 付勢部材(付勢手段) 39 嵌合溝 40 凹溝 O ホルダ本体1の中心軸線 P キャップ2の中心軸線 Q 工具4の中心軸線 R チャック3の中心軸線 E キャップ2の軸線Pとボール部32(凸部)の先端
との間の距離 D1 凹溝40の溝深さが最も深くなる位置における該
凹溝40の底面とチャック3の軸線Rとの距離 D2 凹溝40の溝深さが最も浅くなる位置における該
凹溝40の底面とチャック3の軸線Rとの距離
との間の距離 D1 凹溝40の溝深さが最も深くなる位置における該
凹溝40の底面とチャック3の軸線Rとの距離 D2 凹溝40の溝深さが最も浅くなる位置における該
凹溝40の底面とチャック3の軸線Rとの距離
Claims (4)
- 【請求項1】 ホルダ本体の先端に、大径円筒状のキャ
ップが、その軸線回りに回転可能に取り付けられるとと
もに、このキャップの内周部には、工具を保持する小径
円筒状のチャックが、上記軸線に対する径方向に移動可
能に収容されており、上記チャックの外周面には、周方
向に向けて溝深さが変化する凹溝が形成される一方、上
記キャップの内周面には、上記凹溝の底面に当接する凸
部が突設されるとともに、上記チャックをこの凸部側に
付勢する付勢手段が備えられていることを特徴とする工
具ホルダ。 - 【請求項2】 上記凹溝の溝深さの変化は、これに伴う
該凹溝の底面と上記チャックの中心軸との間の距離の変
化が、上記キャップの軸線と上記凸部の先端との間の距
離を含む範囲となるように設定されていることを特徴と
する請求項1に記載の工具ホルダ。 - 【請求項3】 上記キャップには、上記軸線に対する径
方向にネジ穴が貫設され、このネジ穴にボールプランジ
ャがねじ込まれて上記凸部が形成されていることを特徴
とする請求項1または請求項2に記載の工具ホルダ。 - 【請求項4】 上記キャップには、上記軸線を挟んで上
記凸部に対向するようにネジ穴が貫設され、このネジ穴
に、上記チャックを付勢するスプリングを備えた付勢部
材がねじ込まれて上記付勢手段が構成されていることを
特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の
工具ホルダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11324697A JPH10296567A (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | 工具ホルダ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11324697A JPH10296567A (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | 工具ホルダ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10296567A true JPH10296567A (ja) | 1998-11-10 |
Family
ID=14607287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11324697A Withdrawn JPH10296567A (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | 工具ホルダ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10296567A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4598927B2 (ja) * | 1999-08-30 | 2010-12-15 | エヌティーツール株式会社 | 工具保持具 |
CN104942631A (zh) * | 2015-06-17 | 2015-09-30 | 洛阳汇翔精机有限公司 | 一种刀座及使用该刀座的镗床 |
-
1997
- 1997-04-30 JP JP11324697A patent/JPH10296567A/ja not_active Withdrawn
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