JP4095916B2 - 工具ホルダの位置決め装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工具ホルダをターレット等の所定の工具ホルダ取付部に取り付ける際に用いられる工具ホルダの位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1乃至図3に示すように、工作機械における工具ホルダ1は、刃物等のツール(図示せず)を取り付けるためのツール取付部2と、ターレット3等の所定の工具ホルダ取付部3aに固定されるベース部4とを備える。ツール取付部2とベース部4は一般にブロック状に一体化されている。
【0003】
ツール取付部2にはドリル、ボーリングバー等のツールを取り付けるためのツール取付穴2aが設けられる。ツール取付穴2aは工作機械のターレット3や主軸(図示せず)の軸線方向に沿って伸びる。
【0004】
ツール取付部3aに取り付けられたツールは工作機械の主軸に対して一定の位置関係を保持する必要があるので、ベース部4と工具ホルダ取付部3aとの間にはこの位置関係を調整するための位置決め装置が設けられる。
【0005】
この位置決め装置は、工具ホルダ取付部3aに形成された基準溝5と、ベース部4に固定ネジ6で固定されたキー7とを備えてなるもので、基準溝5にキー7を嵌め込むことによって工具ホルダ1を工具ホルダ取付部3aに対し定位置に配置することができる。
【0006】
また、ベース部4には工具ホルダ1を工具ホルダ取付部3aに固定するための止めネジ8が通され、ベース部4が工具ホルダ取付部3aに位置決めされた後この止めネジ8が締め付けられることにより、ベース部4が工具ホルダ取付部3aに固定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
工具ホルダ1はターレット3等に対して着脱する必要があるので、キー7と基準溝5との間には微小な隙間が設けられている。ところが、この隙間の存在のためツールの位置が工作機械の主軸に対して変動する場合がある。図1中、符号Aは各種誤差によりツールの軸心とターレット3の軸心との間に生じたズレを示しているが、このズレAの大きさが上記隙間の存在のために工具ホルダ1を工具ホルダ取付部3aに着脱するたびに変動する。このように、ツールとターレット3や主軸との位置関係に変動が生じるとツールの交換、ワークの自動加工に支障を来たし、加工精度も低下する。
【0008】
本発明はこのような従来の問題点を解決する手段を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、工具ホルダ(9)と工具ホルダ取付部(11)のうちのいずれか一方に基準溝(15)が形成され、他方に基準溝(15)内に入り込む位置決めピン(16,21)が一箇所又は複数箇所にわたって配置され、各位置決めピン(16,21)は、基準溝(15)の幅分よりやや大きい外径(D)を有した円筒体で形成され、この円筒体における上記基準溝(15)の一方の側壁(15a)に当接する箇所が弾性変形可能な薄肉部(17a)として形成され、この薄肉部(17a)の弾性変形により位置決めピン(16,21)の外周面(b)が基準溝(15)の両側壁(15a,15b)に当接するように形成された工具ホルダの位置決め装置を採用する。
【0010】
この請求項1に係る発明によれば、各位置決めピン(16,21)が基準溝(15)内で基準溝(15)の一方の側壁(15a)に当接する箇所に弾性変形を生じ、これにより各位置決めピン(16,21)が基準溝(15)の両側壁(15a,15b)に当接することとなる。従って、各位置決めピン(16,21)と基準溝(15)との間の隙間が解消され、工具ホルダ(9)上のツールが工作機械の主軸に対して一定の位置関係に保持されることとなり、ツールの交換、ワークの自動加工が円滑に行われ、加工精度が向上する。また、基準溝(15)の側壁(15a,15b)は位置決めピン(16,21)の弾性変形が生じる箇所に対応する方が反対側の方よりも低精度の仕上げで足りるので、基準溝(15)の形成が簡易化される。
【0011】
また、請求項1に係る発明では、位置決めピン(16,21)が基準溝(15)の幅分よりやや大きい外径(D)を有した円筒体で形成され、この円筒体における上記基準溝(15)の一方の側壁(15a)に当接する箇所が弾性変形可能な薄肉部(17a)として形成される。
【0012】
この請求項1に係る発明によれば、各位置決めピン(16,21)が基準溝(15)の幅分よりやや大きい外径(D)を有した円筒体であるから、基準溝(15)内に簡易に嵌め込むことができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の工具ホルダの位置決め装置において、円筒体の円筒形内周面(a)を円筒形外周面(b)に対して偏心させることにより上記薄肉部(17a)が形成された工具ホルダの位置決め装置を採用する。
【0014】
この請求項2に係る発明によれば、位置決めピン(16,21)の円筒体の内外面を偏心した円筒形としたので、位置決めピン(16,21)及びその薄肉部(17a)を簡易に加工することができる。
【0015】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の工具ホルダの位置決め装置において、位置決めピン(16,21)が枢軸(18)の軸心を中心に回動可能である工具ホルダの位置決め装置を採用する。
【0016】
この請求項3に係る発明によれば、位置決めピン(16,21)を枢軸(18)の軸心を中心にして回転させることにより、基準溝(15)の側壁(15a,15b)に対する押圧力を加減することができる。
【0017】
また、請求項4に係る発明は、請求項3に記載の工具ホルダの位置決め装置において、位置決めピン(21)のピン本体(17)が枢軸(18)に対し偏心している工具ホルダの位置決め装置を採用する。
【0018】
この請求項4に係る発明によれば、各位置決めピン(16,21)が基準溝(15)内で基準溝(15)の一方の側壁(15a)に当接する箇所に弾性変形を生じ、これにより各位置決めピン(16,21)が基準溝(15)の両側壁(15a,15b)に当接し、さらに一部の位置決めピン(21)のピン本体(17)を枢軸(18)の軸心を中心に回転させると、この位置決めピン(21)がカムとして機能し工具ホルダ(9)が基準溝(15)に対して傾斜する。従って、基準溝(15)に対する工具ホルダ(9)の位置及び角度を調整することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
<実施の形態1>
工具ホルダは工作機械たとえば旋盤にツールを装着するためのもので、図4乃至図6に示すように、この工具ホルダ9はツール取付部10と、旋盤側の工具ホルダ取付部11に固定されるベース部12とを備える。ツール取付部10とベース部12はブロック状に一体化され、工具ホルダ取付部11に固定される。工具ホルダ取付部11はこの実施の形態では旋盤のターレット13上に設定されている。ターレット13は正多角柱として形成され、その各側面が工具ホルダ取付部11とされ、各工具ホルダ取付部11に各種の工具ホルダ9が着脱自在に取り付けられる。
【0020】
ツール取付部10にはドリル、ボーリングバー等のツール(図示せず)を取り付けるためのツール取付穴10aが設けられる。ツール取付穴10aはターレット13の軸(図示せず)又は旋盤の主軸(図示せず)と平行に伸びている。
【0021】
ベース部12には、工具ホルダ9を工具ホルダ取付部10に固定するための止めネジ14が通され、後述する位置決め装置により工具ホルダ9が工具ホルダ取付部11に位置決めされた後この止めネジ14が締め付けられることにより、工具ホルダ9がベース部12を介し工具ホルダ取付部11に固定される。
【0022】
工具ホルダ9のツール取付部10に取り付けられたツールは、望ましくは旋盤の主軸に対して工作時に軸心同士が合致するように配置されるが、各種誤差や微小な隙間の存在により、ツールの軸心と主軸の軸心又はターレット13の軸心との間にズレ生じている。図1中、符号δはツールの軸心とターレット13の軸心との間に生じたズレを示している。既述の如くこのズレδの大きさが工具ホルダ9をターレット13に着脱するたびに変動すると種々不具合を来たすので、これを防止するため図4乃至図6に示すように、工具ホルダ9のベース部12と工具ホルダ取付部11との間に位置決め装置が設けられる。
【0023】
この位置決め装置は、工具ホルダ取付部11に形成された基準溝15と、基準溝15内に入り込むようにベース部12に複数箇所にわたって取り付けられた位置決めピン16とを具備する。
【0024】
基準溝15は、図4及び図6に示すように、一方向に伸びる凹溝であり、ターレット13の工具ホルダ取付部11にターレット13の軸心又は主軸の軸心に平行に伸びる。工具ホルダ9を工作機械のターレット13以外の工具ホルダ取付部に取り付ける場合もこの工具ホルダ取付部に同様な基準溝15が形成される。
【0025】
位置決めピン16は、図4乃至図6に示すように、基準溝15内に入り込むように工具ホルダ9のベース部12に複数箇所にわたって枢着される。位置決めピン16は望ましくは一基の工具ホルダ9について二個ずつ設けられ、ツール取付部10のツール取付穴10aの軸心又は主軸の軸心に沿うように配置される。もちろん三個以上設けても差し支えない。また、この位置決めピン16は工具ホルダ取付部11に取り付け、基準溝15を工具ホルダ9に設けるようにしても良い。
【0026】
図7及び図8に示すように、各位置決めピン16は基準溝15内に収まるピン本体17を備え、ピン本体17には枢軸18が取り付けられている。ピン本体17と枢軸18は別体として形成することもできるが、望ましくは図8に示すように一体的に形成される。すなわち、一本の円柱体にその軸心に直交するように切込みを入れることにより、ピン本体17と枢軸18が一部繋がった状態で形成される。
【0027】
枢軸18は、図4に示すように、工具ホルダ9のベース部12に穿設された軸穴19内に挿入される。枢軸18は軸穴19内で回動自在であり、この枢軸18を支点にして各位置決めピン16は工具ホルダ9のベース部12上で回転可能である。もちろん、枢軸18を角軸等の固定軸に変更する等して位置決めピン16をベース部12に回転しないように固定することも可能である。この枢軸18の軸心上には固定ネジ20の挿通穴が形成され、挿通穴に通した固定ネジ20が工具ホルダ9のベース部12に螺合することにより枢軸18を介し位置決めピン16が工具ホルダ9に固定される。
【0028】
位置決めピン16は、基準溝15内でピン本体17における基準溝15の一方の側壁15aに当接する箇所に弾性変形を生じ、その結果図6に示すように基準溝15の両側壁15a,15bにピン本体17が当接するように形成される。上記固定ネジ20が緩められ、位置決めピン16が基準溝15内で枢軸18を支点に回されると、位置決めピン16における弾性変形を生ずる箇所が基準溝15の一方の側壁15aに対峙可能になり、位置決めピン16が基準溝15の両側壁15a,15bに当接可能になる。しかる後固定ネジ20が締め付けられ位置決めピン16が工具ホルダ9上に固定される。この位置決めピン16が基準溝15内に嵌り込むことにより、位置決めピン16と基準溝15との間で隙間の発生が防止され、工具ホルダ9上のツールが工作機械の主軸に対して一定の位置関係に保持されることとなる。
【0029】
位置決めピン16は、望ましくはピン本体17における基準溝15の一方の側壁15aに当接する箇所にのみ弾性変形を生じ、ピン本体17における他方の側壁15bに当接する箇所は剛性を保持するように薄肉部17aと厚肉部17bとが形成される。従って、基準溝15における他方の側壁15bの表面を従来と同様な精度で仕上げ、一方の側壁15aの表面を従来よりも低精度で仕上げても工具ホルダ9の位置決めを適正に行うことができる。
【0030】
また、位置決めピン16のピン本体17は、望ましくは図7及び図8に示すように基準溝15の幅分Wよりやや大きい外径Dを有した円筒体として形成され、この円筒体における上記基準溝15の一方の側壁15aに当接する箇所が弾性変形可能な薄肉部17aとして形成される。このように位置決めピン16が円筒体であると、ピン本体17が基準溝15内で円滑に回転し、円筒体における薄肉部17aが基準溝15の一方の側壁15aに当接して弾性変形し、ピン本体17が基準溝15の両側壁15a,15bに密接する。
【0031】
また、位置決めピン16におけるピン本体17の薄肉部17aと厚肉部17bは、望ましくは図7及び図8に示すように円筒体の円筒形内周面aを円筒形外周面bに対して偏心させることにより構成される。このように位置決めピン16のピン本体17を内外周面a,bが偏心した円筒形とすることにより、ピン本体17の基準溝15の側壁15a,15bに対する押圧力を位置決めピン16の回転量に応じて漸減又は漸増することができる。また、位置決めピン16及びその薄肉部17aと厚肉部17bを簡易に加工することができる。ピン本体17の円筒形内周面aを構成する穴は枢軸18との境の切込みに貫通しており、上記固定ネジ20はこの穴を通して回転操作される。
【0032】
次に、上記工具ホルダの位置決め装置の作用について説明する。
【0033】
図4乃至図6に示すように、工具ホルダ9のベース部12に複数個の位置決めピン16を固定ネジ20により固定する。この固定ネジ20による固定に先立ち、図6に示すように複数個の位置決めピン16の薄肉部17aが片側に並ぶように位置決めピン16を枢軸18上で回転させる。
【0034】
次いで、ベース部12をターレット13の工具ホルダ取付部11に対し基準溝15の伸び方向にスライドさせるようにして、位置決めピン16を基準溝15内に侵入させる。
【0035】
これにより、図4及び図6に示すように、位置決めピン16の厚肉部17bが基準溝15の一方の側壁15bに当たり、薄肉部17aが基準溝15の他方の側壁15aに当たって弾性変形し、位置決めピン16が基準溝15の両側壁15a,15bに密接する。このように他方の側壁15bには位置決めピン16の厚肉部17bが当たり一方の側壁15aには弾性変形する薄肉部17aが当たるので、一方の側壁15aは他方の側壁15bよりも多少精度が低くとも工具ホルダ9はターレット13や主軸に対して一定の位置関係に位置決めされる。
【0036】
位置決めピン16を枢軸18を支点にして上記位置からさらに回転させ、薄肉部17aを側壁15aから多少ずらせるようにすると、薄肉部17aの肉厚が漸増し位置決めピン16の側壁15a,15bに対する押圧力が増すので、より精度の良い位置決めを行うことができる。
【0037】
工具ホルダ9の位置決めが行われた後、図4に示すように、止めネジ14を工具ホルダ9のベース部12からターレット13の工具ホルダ取付部11へと通して締め付け、工具ホルダ9をターレット13の工具ホルダ取付部11に固定する。この固定した工具ホルダ9のツール取付穴10a内にツールを挿入して固定する。
【0038】
かくて、工具ホルダ9のツール取付穴10aの軸心とターレット13の軸心との間の高さのズレδが解消されるか、又は図4に示すようにこのズレδが存在しても工具ホルダ9の付替えの都度このズレδが変動することなく一定に保たれることになる。
<実施の形態2>
図9乃至図11に示すように、この実施の形態2における位置決め装置では実施の形態1の場合と異なり、位置決めピン21が枢軸18に対し偏心している。図9及び図11中、符号Eはこの偏心量を示す。
【0039】
この位置決めピン21が基準溝15内で枢軸18を支点に回されると、実施の形態1の場合と同様に各位置決めピン21における基準溝15の一方の側壁15aに当接する箇所に弾性変形を生じ、各位置決めピン21が基準溝15の両側壁15a,15bに当接する。そして、さらに片方の位置決めピン21を枢軸18を支点にさらに回転させると、この片方の位置決めピン21がカムとして機能し工具ホルダ9(図6参照)が基準溝15に対して傾斜し、工具ホルダ9のツール取付穴10a(図4参照)の軸心がターレット13の軸心に対して微小角傾く。これにより、基準溝15に対する工具ホルダ9の位置及び角度の双方が調整される。
【0040】
なお、この実施の形態2を示す図9乃至図11において実施の形態1におけると同一の部分については同一の符号を用いて示すこととし重複した説明を省略する。
<実施の形態3>
図12及び図13に示すように、この実施の形態3における位置決め装置では実施の形態1,2の場合と異なり、工具ホルダ9のベース部12に一つの位置決めピン22が枢着される。また、工具ホルダ9のベース部12に一つの位置決め突起23が設けられる。
【0041】
位置決めピン22は実施の形態1で用いた位置決めピン16又は実施の形態2で用いた位置決めピン21と同様な構成である。
【0042】
位置決め突起23は工具ホルダ9のベース部12に、ターレット13の端面に対向するように設けられる。
【0043】
位置決めピン22を基準溝15内に挿入し、位置決め突起23をターレット13の端面に当て、位置決めピン22を所望角度回転させることにより、位置決め突起23がターレット13の端面上を滑るので、基準溝15に対する工具ホルダ9の位置が調整される。
【0044】
なお、この実施の形態3を示す図12及び図13において実施の形態1,2におけると同一の部分については同一の符号を用いて示すこととし重複した説明を省略する。
【0045】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、工具ホルダと工具ホルダ取付部のうちのいずれか一方に基準溝が形成され、他方に基準溝内に入り込む位置決めピンが一箇所又は複数箇所にわたって配置され、各位置決めピンは、基準溝の幅分よりやや大きい外径を有した円筒体で形成され、この円筒体における上記基準溝の一方の側壁に当接する箇所が弾性変形可能な薄肉部として形成され、この薄肉部の弾性変形により位置決めピンの外周面が基準溝の両側壁に当接するように形成された工具ホルダの位置決め装置であるから、各位置決めピンが基準溝内で基準溝の一方の側壁に当接する箇所に弾性変形を生じ、これにより各位置決めピンが基準溝の両側壁に当接することとなる。従って、各位置決めピンと基準溝との間の隙間が解消され、工具ホルダ上のツールが工作機械の主軸に対して一定の位置関係に保持されることとなり、ツールの交換、ワークの自動加工が円滑に行われ、加工精度が向上する。また、基準溝の側壁は位置決めピンの弾性変形が生じる箇所に対応する方が反対側の方よりも低精度の仕上げで足りるので、基準溝の形成が簡易化される。
【0046】
また、請求項1に係る発明によれば、位置決めピンが基準溝の幅分よりやや大きい外径を有した円筒体で形成され、この円筒体における上記基準溝の一方の側壁に当接する箇所が弾性変形可能な薄肉部として形成された工具ホルダの位置決め装置であり、各位置決めピンが基準溝の幅分よりやや大きい外径を有した円筒体であるから、位置決めピンを基準溝内に簡易に嵌め込むことができる。
【0047】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の工具ホルダの位置決め装置において、円筒体の円筒形内周面を円筒形外周面に対して偏心させることにより上記薄肉部が形成された工具ホルダの位置決め装置であり、位置決めピンの円筒体の内外面を偏心した円筒形としたので、位置決めピン及びその薄肉部を簡易に加工することができる。
【0048】
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の工具ホルダの位置決め装置において、位置決めピンが枢軸の軸心を中心に回動可能である工具ホルダの位置決め装置であるから、位置決めピンを枢軸の軸心を中心にして回転させることにより、基準溝の側壁に対する押圧力を加減することができる。
【0049】
請求項4に係る発明によれば、請求項3に記載の工具ホルダの位置決め装置において、位置決めピンのピン本体が枢軸に対し偏心している工具ホルダの位置決め装置であるから、各位置決めピンが基準溝内で基準溝の一方の側壁に当接する箇所に弾性変形を生じ、これにより各位置決めピンが基準溝の両側壁に当接し、さらに一部の位置決めピンのピン本体を枢軸の軸心を中心に回転させると、この位置決めピンがカムとして機能し工具ホルダが基準溝に対して傾斜する。従って、基準溝に対する工具ホルダの位置及び角度を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の位置決め装置を備えた工具ホルダの正面図である。
【図2】図1に示す工具ホルダの平面図である。
【図3】図1に示す工具ホルダの右側面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る位置決め装置を備えた工具ホルダの正面図である。
【図5】図4に示す工具ホルダの平面図である。
【図6】図4に示す工具ホルダの右側面図である。
【図7】実施の形態1の位置決め装置における位置決めピンの正面図である。
【図8】図7中、VIII−VIII線矢視断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る位置決め装置における位置決めピンの正面図である。
【図10】図9中、X−X線矢視断面図である。
【図11】図9中、XI線矢視図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係る位置決め装置を備えた工具ホルダの正面図である。
【図13】図12に示す工具ホルダの側面図である。
【符号の説明】
9…工具ホルダ
11…工具ホルダ取付部
15…基準溝
15a,15b…側壁
16,21,22…位置決めピン
17a…薄肉部
18…枢軸
D…位置決めピンの外径
a…円筒形内周面
b…円筒形外周面
Claims (4)
- 工具ホルダと工具ホルダ取付部のうちのいずれか一方に基準溝が形成され、他方に基準溝内に入り込む位置決めピンが一箇所又は複数箇所にわたって配置され、各位置決めピンは、基準溝の幅分よりやや大きい外径を有した円筒体で形成され、この円筒体における上記基準溝の一方の側壁に当接する箇所が弾性変形可能な薄肉部として形成され、この薄肉部の弾性変形により位置決めピンの外周面が基準溝の両側壁に当接するように形成されたことを特徴とする工具ホルダの位置決め装置。
- 請求項1に記載の工具ホルダの位置決め装置において、円筒体の円筒形内周面を円筒形外周面に対して偏心させることにより上記薄肉部が形成されたことを特徴とする工具ホルダの位置決め装置。
- 請求項1又は請求項2に記載の工具ホルダの位置決め装置において、位置決めピンが枢軸の軸心を中心に回動可能であることを特徴とする工具ホルダの位置決め装置。
- 請求項3に記載の工具ホルダの位置決め装置において、位置決めピンのピン本体が枢軸に対し偏心していることを特徴とする工具ホルダの位置決め装置。
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