JPH10295393A - ビタミンkの製造法 - Google Patents

ビタミンkの製造法

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JPH10295393A
JPH10295393A JP11309697A JP11309697A JPH10295393A JP H10295393 A JPH10295393 A JP H10295393A JP 11309697 A JP11309697 A JP 11309697A JP 11309697 A JP11309697 A JP 11309697A JP H10295393 A JPH10295393 A JP H10295393A
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JP
Japan
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vitamin
natto
glycerin
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useful
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JP11309697A
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English (en)
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Shin Araki
伸 荒木
Hisashi Murasawa
久司 村沢
Masanori Tamura
正紀 田村
Yosuke Isobe
洋祐 磯部
Yutaka Otani
豊 大谷
Toshiro Sato
俊郎 佐藤
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NEW FOOD KURIEESHIYON GIJUTSU
NEW FOOD KURIEESHIYON GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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NEW FOOD KURIEESHIYON GIJUTSU
NEW FOOD KURIEESHIYON GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は安価な大豆煮汁を用いて、多量のビ
タミンKを含有した食品を得ることを目的としたもので
ある。 【解決手段】 大豆煮汁に1%以上のグリセリンを添加
し、PH調整した後、納豆菌を接種し、常法により培養
することを特徴としたビタミンKの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大豆煮汁にグリセ
リンを添加した培地で納豆菌を培養することにより、ビ
タミンKを安価に多量生産することを目的としたビタミ
ンKの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビタミンKは、従来血液が凝固するため
に必要な因子として知られていたが、最近の研究で、ビ
タミンKには骨形成促進作用と骨吸収抑制作用があり、
ビタミンKの投与で骨密度が増加することが明らかにさ
れた。そして、合成のビタミンKが骨粗鬆症の治療薬と
して認可されている。合成ビタミンKの製造方法として
は特公昭57−20303号、その他の発明が知られて
いる。
【0003】従来ビタミンKの製造方法については幾多
の研究が知られている。例えばビタミンKの生産微生物
を使用する発明としては、フラボバクテリウム属に属す
る微生物の培養液からビタミンK2 を採取する製造方法
が知られている(特公平7−28748号、特公平7−
51070号)。また天然ビタミンKを抽出する発明と
しては、特開平5−155803号が知られており、納
豆菌を利用する発明としては、特開平8−173078
号の発明及び特開平8−9916号の発明が提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記合成のビタミンK
は食品添加物として認められていないので食品に添加で
きない問題点がある。前記フラボバクテリウムなどのビ
タミンK生産菌を使用する方法においては、フラボバク
テリウムが食品としての安全性が証明されていないの
で、今後の研究課題ではあるが、直ちに食品添加物、そ
の他食用に供することはできない。
【0005】また天然物からビタミンKを抽出する方法
は、食品に応用できるけれども、生産コストが高騰し、
一般食品に使用することは困難である。また前記納豆に
含まれるビタミンKの量を増加させる発明は、優れてお
り、その含有量を更に増加させる研究が望まれる。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明は、大豆煮汁にグリ
セリンを添加すると共に、納豆菌を接種し、これを常法
により培養することにより、前記従来の問題点を解決す
ることに成功したのである。
【0007】即ち本発明は、大豆煮汁に1%(重量)
(以下、添加物の量は重量割合(重量%)で表示す
る。)以上のグリセリンを添加し、PH調整した後、納
豆菌を接種し、常法により培養することを特徴としたビ
タミンKの製造法である。また大豆煮汁の濃度をブリッ
クス5%〜10%とするものであり、グリセリンの添加
量を3〜10%(重量)とするものである。
【0008】前記のように、ビタミンKには、骨形成促
進作用と、骨吸収抑制作用があり、ビタミンKの投与に
より、骨の密度が増加することが明らかにされたのみな
らず、老人病とされる骨粗鬆症に有効なことも知られて
いる。この骨粗鬆症は発病してからの治療がむつかしい
ので、発病予防が一層有用とされている。
【0009】このためには、食品から日常的にカルシウ
ムやビタミンDとともに、ビタミンKを摂取することが
必要である。自然界には、緑黄色野菜や、海草類にビタ
ミンK1 が、納豆などの醗酵食品にビタミンK2 が存在
しているが、最も含有量の高い納豆でも100g中僅か
1mgであり、既存の食品から骨粗鬆症予防のために必
要なビタミンKを摂取することは難しい。
【0010】前記骨粗鬆症患者に対して、一日に45m
gのビタミンKの投与で骨量を増す改善効果があること
は、臨床試験により明らかにされている。健常者が一日
にどのくらいのビタミンKを摂取すれば骨量が増し、骨
粗鬆症の予防に役立つかは明らかではないが、既存の食
品で有効量を摂ることは難しいと思われる。
【0011】前記各種事情を考慮し、本発明者らは安全
性を考えて昔から納豆として食用に供されている納豆菌
をビタミンKの生産手段として取り上げた。また、培地
としては、生産コストを下げるために、味噌や納豆の製
造時の副産物である大豆煮汁を利用することにした。大
豆煮汁は納豆菌の生育に必要な炭素源、窒素源、無機塩
等をバランス良く含んでおり、納豆菌の培地として非常
に優れている。培養装置としては、2Lの小型フャーフ
ァーメンターを用い、大豆煮汁の濃度がブリックス5〜
10%で40℃、4日間通気、撹拌培養で、表1、表2
に示すように培地1L当たり10〜16mgのビタミン
Kを生産した。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】この培地に、補助栄養剤として、酵母エキ
ス、麦芽エキス、肉エキス、ペプトン、味液(大豆蛋白
酸加水分解物)、グリセリン、ソルピトール等を加え、
ビタミンKの生産量を調べたが、グリセリンだけにビタ
ミンKの増産効果が認められた。それ故、グリセリンの
添加量のビタミンK生産に与える影響について調べたと
ころ、表1、表2記載のように1%以上の添加で増産効
果が認められ、グリセリン量を増すと効果も増大し、5
%の添加で最大となった。
【0015】グリセリンがビタミンKの生産に有効であ
ることは、フラボバクテリウムの場合でも報告されてい
るが(特公平7−28748号)、この場合はグリセリ
ンを炭素源として使用しているので、本発明とは異な
る。
【0016】納豆菌の培養において、グリセリンを炭素
源として用い、窒素源として味液、無機塩としてマグネ
シウム塩・リン酸塩を加えて培養した場合の生産量は、
比較例に示すとおり、培地1L当たり14.5mgで、
濃度がブリックス10%の大豆煮汁単独を栄養源として
培養したとき(16mg/L:実施例1)とほぼ同等で
ある。
【0017】大豆煮汁にグリセリンを添加して納豆菌を
培養すると、ビタミンK濃度が飛躍的に増大することが
わかった。
【0018】即ち「大豆煮汁」、「大豆煮汁にグリセリ
ン5%添加」及び「大豆煮汁にシュクロース(糖)5%
添加」とを夫々培養液としてビタミンK濃度、乾燥菌体
重量及び菌体当たりのビタミンK含量を測定した所表3
の結果を得た。
【0019】
【表3】
【0020】前記表3によれば、大豆煮汁にグリセリン
以外の糖としてシュクロースを添加した場合には菌体量
もビタミンK含量も増加したが、菌体当たりのビタミン
K含量がそれほど増えなかったことと、グリセリンを添
加した場合にはビタミンKの濃度が増えるが菌体収量は
それほど変らず、菌体当たりのビタミンK含量が高くな
ることが判明した。
【0021】従って、グリセリンは、菌体当たりのビタ
ミンK含量を増加させるのに有効な成分であるというこ
とができる。この点従来の培養では知られていなかっ
た。
【0022】従って、大豆煮汁で納豆菌を培養するとき
のグリセリンの添加は、ビタミンKの生産に対して炭素
源以上の増産効果があることがわかる。また、グリセリ
ンの添加量としては、実施例1、2に示すように1〜5
%が適当である。
【0023】このようにして得られた培養液は、最適条
件で1L当たり40mgのビタミンKを含有しており、
ビタミンKを分離・濃縮するための素材として利用でき
る。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明は、大豆煮汁に1%以上の
グリセリンを添加し、必要な添加物を加え、PH調整す
ると共に、納豆菌を接種し、常法により必要とする時間
培養することを特徴としたビタミンKの製造方法であ
る。前記における必要とする時間とは、工業的培養にお
ける有効収率を維持する時間をいう。
【0025】前記における大豆煮汁の濃度はブリックス
5%〜10%が好適である。またグリセリンの添加量を
3〜10%(重量)が好適であり、3%未満では添加効
果が少なく、10%を越えても収量増加は認められな
い。
【0026】以下、本発明の実施例について説明する。
【0027】
【実施例1】納豆製造時に出る大豆煮汁の濃度ブリック
ス5%に希釈し、PHを7に調整した後、グリセリンを
1%、3%、5%そして10%それぞれ加え、2Lのジ
ャーファーメンターで培養液0.7L、温度40℃、通
気量0.5L/分、撹拌速度500rpmで4日間培養
を行った。得られた培養液中のビタミンK含量を高速液
体クロマトグラフィーにより測定したところ、表1のよ
うな結果を得た。
【0028】
【実施例2】納豆製造時に出る大豆煮汁の濃度ブリック
ス10.5%のPHを7に調整し、グリセリンを1%、
3%、5%及び10%それぞれ加え、2Lのジャーファ
ーメンターで培養液0.7L、温度40℃、通気量0.
5L/分、撹拌速度500rpmで4日間培養を行っ
た。得られた培養液中のビタミンK含量を高速液体クロ
マトグラフィーにより測定したところ、表2のような結
果を得た。
【0029】
【比較例】グリセリン5%、味液5%、リン酸第一カリ
ウム0.1%、硫酸マグネシウム0.04%からなる培
地(PH7)で、温度40℃、通気量0.5L/分、撹
拌速度500rpmで4日間培養した。得られた培養液
中のビタミンK含量は14.5mg/Lであった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、天然ビタミンK含有物
に比べ、ビタミンK含有量の著しく高い培養物を安価に
製造することが出来る効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯部 洋祐 神奈川県鎌倉市岩瀬310 (72)発明者 大谷 豊 静岡県磐田郡浅羽町松原1055 (72)発明者 佐藤 俊郎 静岡県磐田郡浅羽町鳥之瀬176−1

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大豆煮汁に1%(重量)以上のグリセリ
    ンを添加し、PH調整した後、納豆菌を接種し、常法に
    より培養することを特徴としたビタミンKの製造法。
  2. 【請求項2】 大豆煮汁の濃度をブリックス5%〜10
    %とすることを特徴とした請求項1記載のビタミンKの
    製造法。
  3. 【請求項3】 グリセリンの添加量を3〜10%(重
    量)とすることを特徴とした請求項1記載のビタミンK
    の製造法。
JP11309697A 1997-04-30 1997-04-30 ビタミンkの製造法 Pending JPH10295393A (ja)

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