JPH10295350A - 鱗茎菜類の根切断処理装置 - Google Patents

鱗茎菜類の根切断処理装置

Info

Publication number
JPH10295350A
JPH10295350A JP10346997A JP10346997A JPH10295350A JP H10295350 A JPH10295350 A JP H10295350A JP 10346997 A JP10346997 A JP 10346997A JP 10346997 A JP10346997 A JP 10346997A JP H10295350 A JPH10295350 A JP H10295350A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
root
cutting
roots
stem
cutting device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10346997A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Odakawa
誠 小田川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nakajima Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Nakajima Seisakusho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nakajima Seisakusho Co Ltd filed Critical Nakajima Seisakusho Co Ltd
Priority to JP10346997A priority Critical patent/JPH10295350A/ja
Publication of JPH10295350A publication Critical patent/JPH10295350A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatuses For Bulk Treatment Of Fruits And Vegetables And Apparatuses For Preparing Feeds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鱗茎菜類の根の切断が、切断長さ一定で実を
切らずに安定して行えるようにする。刃物寿命も大きく
延ばす。 【解決手段】 鱗茎菜類を載せてその根を挟んで伸ばす
一対の根伸ばし用ローラ15,15と、この根伸ばし用
ローラ上に載せた鱗茎菜類の茎を挟んで保持し、上下方
向に弾性変形可能な対をなす搬送ベルト17,18,1
9と、この搬送ベルトにより根伸ばし用ローラ上を搬送
された鱗茎菜類の根を切断する根切断装置21と、この
根切断装置の下方に配置され、根を挟み込んで搬送ベル
トによる搬送方向に送る一対の根送り用ローラ101,
101と、を備える。一対の根送り用ローラ101,1
01により根を挟み込んだ状態で根切断装置21により
根を切断する。根切断装置21は、互いに上下に重なる
ように配置されて搬送ベルトによる鱗茎菜類の搬送方向
に対し横方向に間隔を開けたほぼコ字形刃76,79を
それぞれ有する固定刃74及び可動刃72を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、玉葱に代表される
鱗茎菜類の根を決められた長さに確実に切断処理する根
切断処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鱗茎菜類、例えば、玉葱は茎と根を各々
決められた長さに切断して実部(鱗茎)を綺麗に処理し
て出荷する。そのような玉葱の茎と根を自動的に切断す
る処理装置が種々提案されている。本出願人は、玉葱に
代表される鱗茎菜類の茎部だけを挟み込んで搬送するこ
とにより、搬送装置の構成を簡易にしてコストを押さえ
ることに加え、茎部切断の際の位置決め用案内部材によ
る位置決め作用が確実に得られて、茎部切断位置の正確
な位置決めが行え、さらには、根を伸ばして揃える根揃
え機能が確実に得られると共に、根切断時に引っ張りな
がら切るという理想的な連係動作が可能となるようにし
た茎根切断処理装置を、特願平8−254819号によ
り提案した。
【0003】この特願平8−254819号にて提案し
た鱗茎菜類の茎根切断処理装置は、例えば、玉葱に代表
される鱗茎菜類を載せ、その根を挟んで伸ばすよう回転
する、例えば、弾性を有するゴムローラ等による一対の
根伸ばし用ローラと、この根伸ばし用ローラ上に載せた
前記鱗茎菜類の茎を挟んで保持し、上下方向に弾性変形
可能な対をなす丸ベルト等による搬送ベルトと、この搬
送ベルトにより前記根伸ばし用ローラ上を搬送された前
記鱗茎菜類の根を切断する固定刃および可動刃等による
根切断装置と、この根切断装置による根切断後の前記鱗
茎菜類の実部を、前記搬送ベルトによる茎を挟んで保持
した状態のまま下方に移動させて茎の切断長さを位置決
めする、例えば、対をなす案内棒等による案内部材と、
この案内部材により茎の切断長さを位置決めされた状態
で前記鱗茎菜類の茎を切断する固定刃および可動刃等に
よる茎切断装置と、を備えるようにした構成、を特徴と
するものである。
【0004】このように、鱗茎菜類を載せた一対の根伸
ばし用ローラにより根を挟んで伸ばし、茎を上下方向に
弾性変形可能な対をなす搬送ベルトにより挟んで保持し
て根伸ばし用ローラ上に鱗茎菜類を搬送し、根切断装置
により根を切断し、実部を案内部材により、搬送ベルト
による茎を挟んで保持した状態のまま下方に移動させて
茎の切断長さを位置決めした状態で、茎切断装置により
茎を切断する茎根切断処理装置なので、対をなす搬送ベ
ルトにより茎部だけ挟み込んで鱗茎菜類を搬送でき、従
って、搬送装置を簡易な構成にしてコストを押さえられ
る。また、鱗茎菜類を載せた一対の根伸ばし用ローラに
より根を挟んで伸ばして揃えた状態で、その揃えた根を
根切断装置により切断できる。しかも、上下方向に弾性
変形可能な搬送ベルトなので、茎を挟んで保持した状態
のまま搬送ベルトが、案内部材による実部の下方への移
動で弾性変形して下方に移動することにより、茎部切断
の際の案内部材による実部の位置決め作用が確実に得ら
れ、従って、茎部切断位置を正確に位置決めして、その
位置決めされた茎を茎切断装置により長さを揃えて正確
に切断できる。
【0005】なお、前記根伸ばし用ローラは、海綿状部
材の外周に弾性変形可能なゴム等の弾性膜を有するもの
で、その弾性膜の外周に弾性変形可能なゴム等による羽
根部を有している構成となっている。このように、根伸
ばし用ローラが、海綿状部材の外周を包む弾性変形可能
な弾性膜の外周に弾性変形可能な羽根部を有するものな
ので、鱗茎菜類を載せた一対の根伸ばし用ローラは、海
綿状部材を包んだ弾性膜によって根を適度の弾性力をも
って挟んで伸ばせる上、その弾性膜に設けた弾性変形可
能な羽根部によって根をしごくように伸ばして揃える機
能が確実に得られ、従って、その根を引っ張りながら根
切断装置により確実に切断できる。
【0006】ここで、図21は前記特願平8−2548
19号に開示される根伸ばし用ローラと搬送ベルトと根
切断装置の概略構成を示した側面図であり、図示のよう
に、鱗茎菜類を載せ、その根を挟んで伸ばすように回転
する一対の根伸ばし用ローラ15と、この根伸ばし用ロ
ーラ15上に載せた鱗茎菜類の茎を挟んで保持し、上下
方向に弾性変形可能な搬送ベルト17,18,19と、
この搬送ベルト17、18、19により根伸ばし用ロー
ラ上を搬送された鱗茎菜類の根を切断する根切断装置2
1と、が備えられている。このように、鱗茎菜類を根伸
ばし用ローラ15の上に直接セットし、その茎を搬送ベ
ルト17,18,19に挟むようにしていた。また、根
切断装置21の下方において、根伸ばし用ローラ15が
僅かに位置するものの、根自体は固定されていない。ま
た、図22は図21の根切断装置21のカッタ刃の構成
を示した分解斜視図であり、図示のように、可動刃7
2、固定刃75を備えて、その各々は櫛刃77,78を
有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図23
に示すように、鱗茎菜類を根伸ばし用ローラ15,15
の上に直接載せるため、実部の高さが異なり、根切断に
バラツキが発生したり、実部を切ってしまうことも考え
られる。また、根切断装置21については、櫛歯77,
78の上に載った根は切断されずに搬送されてしまう。
なお、根切断時、根伸ばし用ローラ15、15で根を下
方に引っ張ってはいるが、実際に挟み込む等してしっか
りとは持っていないため、根がなびいて、うまく切断で
きなかったり、可動刃72と固定刃75との間に根が入
り込んでしまって、根切断装置21が止まってしまうこ
ともある。
【0008】その対策として、例えば、図24(a)に
示したように、可動刃72を固定刃75に対し圧力(上
下方向の矢印参照)をかけて隙間を無くすようにした
り、または、図24(b)に示したように、可動刃72
と固定刃75とを、ハサミと同じ原理によって、点接触
(矢印P参照)させる構造にする必要がある。しかし、
可動刃72と固定刃75の隙間を無くしたり点接触Pさ
せたりすると、刃物の摩耗が早まって寿命が著しく短く
なってしまう。
【0009】そこで、本発明の目的は、鱗茎菜類の根の
切断が、切断長さ一定で実を切らずに安定して行えるよ
うにした根切断処理装置を提供することにある。そし
て、本発明は、刃物寿命が大きく延びるようにすること
も目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
請求項1記載の発明は、例えば、玉葱に代表される鱗茎
菜類の根切断処理装置であって、鱗茎菜類を載せ、その
根を挟んで伸ばすよう回転する、例えば、弾性を有する
ゴムローラ等による一対の根伸ばし用ローラと、この根
伸ばし用ローラ上に載せた前記鱗茎菜類の茎を挟んで保
持し、上下方向に弾性変形可能な対をなす丸ベルト等に
よる搬送ベルトと、この搬送ベルトにより前記根伸ばし
用ローラ上を搬送された前記鱗茎菜類の根を切断する固
定刃及び可動刃等による根切断装置と、この根切断装置
の下方に配置され、前記根を挟み込んで前記搬送ベルト
による搬送方向に送るよう回転する、例えば、弾性を有
するゴムローラ等による一対の根送り用ローラと、を備
え、前記一対の根送り用ローラにより前記根を挟み込ん
だ状態で前記根切断装置により前記根を切断するように
した構成、を特徴としている。
【0011】ここで、根伸ばし用ローラとしては、弾性
を有するゴムローラが挙げられ、根伸ばし機能を高める
ためにさらに弾性羽根部を有するものが好ましいが、根
伸ばし機能を有するものであれば他の構成のものでもよ
い。また、搬送ベルトとしては、鱗茎菜類の茎を挟んで
保持した状態で、上下方向に弾性変形可能となるもので
あり、帯状ベルトではなく、丸ベルトが最も好ましい
が、他にVベルト等でもよく、要は鱗茎菜類の茎を挟ん
で保持した状態で、上下方向に弾性変形可能となるもの
であれば何でもよい。そして、根切断装置としては、固
定刃および可動刃からなるものや回転カッタでもよく、
また、茎切断装置としても、固定刃および可動刃からな
るものや回転カッタでもよい。さらに、根送り用ローラ
としては、弾性を有するゴムローラが挙げられるが、根
を挟み込んで送る機能を有するものであれば他の構成の
ものでもよい。
【0012】以上のように、請求項1記載の発明によれ
ば、鱗茎菜類を載せた一対の根伸ばし用ローラにより根
を挟んで伸ばす一方、上下方向に弾性変形可能な対をな
す搬送ベルトにより茎を挟んで保持して、鱗茎菜類を根
伸ばし用ローラ上に沿って搬送し、根切断装置の下方に
配置した一対の根送り用ローラにより根を挟み込んだ状
態で、根切断装置により根を切断する根切断処理装置な
ので、対をなす搬送ベルトにより茎部だけ挟み込んで鱗
茎菜類を搬送でき、従って、搬送装置を簡易な構成にし
てコストを押さえられる。そして、鱗茎菜類を載せた一
対の根伸ばし用ローラにより根を挟んで伸ばして揃えた
状態で、その揃えた根を一対の根送り用ローラに挟み込
ませられ、しかも、根が一つの根送り用ローラにより挟
み込んで送られる際に、茎を挟んで保持した状態のまま
搬送ベルトが弾性変形して下方に移動し、一対の根送り
用ローラにより根を決められた長さで挟み込んだ状態
で、根切断装置により根を切断できる。従って、鱗茎菜
類の根の切断が、切断長さ一定で実を切らずに安定して
行える。
【0013】そして、請求項2記載の発明は、請求項1
記載の鱗茎菜類の根切断処理装置であって、前記根切断
装置は、互いに上下に重なるように配置されて前記搬送
ベルトによる前記鱗茎菜類の搬送方向に対し横方向に間
隔を開けたほぼコ字形刃をそれぞれ有する固定刃及び可
動刃を備える構成、を特徴としている。
【0014】このように、請求項2記載の発明によれ
ば、請求項1記載の根切断装置が、互いに上下に重なる
ように配置されて搬送ベルトによる鱗茎菜類の搬送方向
に対し横方向に間隔を開けたほぼコ字形刃をそれぞれ有
する固定刃及び可動刃を備えているので、これら固定刃
及び可動刃の互いのほぼコ字形刃の重なりによって、根
を確実に切断でき、構造的に可動刃と固定刃の隙間を無
くしたり点接触させたりする必要がないので、刃物寿命
が大きく延びる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る鱗茎菜類の
根切断処理装置の実施の形態例を図1から図20に基づ
いて説明する。先ず、図1は本発明を適用した一例とし
ての玉葱の茎根切断処理装置の外観を示す概略斜視図
で、図2はその茎根切断処理装置の内部構造を一部透視
状態で示した概略斜視図、図3はその主要部配置構成例
を示した概略側面図である。これらの図1から図3にお
いて、1は装置ケース、2は玉葱挿入口(鱗茎菜類挿入
口)、3は挿入ガイド板、4は茎ガイド溝、5は茎屑排
出口、6は玉葱排出口(鱗茎菜類排出口)、7は排出シ
ュート板、8はクッション材、9は調整ねじ、10は操
作スイッチ、11は基台、12,13は側板、14は根
伸ばし装置、15は根伸ばし用ローラ、16は玉葱搬送
装置(鱗茎菜類搬送装置)、17,18,19は搬送ベ
ルト(丸ベルト)、21は根切断装置、22は茎切断装
置、23は茎切り長さ位置決め用ガイド棒(案内部
材)、101は根送り用ローラである。
【0016】即ち、この適用例において、玉葱の茎根切
断処理装置は、図1に示されるように、ボックス状の装
置ケース1には、上面の一側(図示右側)寄りに円形の
玉葱挿入口2が形成されて、この玉葱挿入口2の内部に
は、上方からの玉葱の挿入をガイドする斜めの挿入ガイ
ド板3が設けられている。さらに、装置ケース1の上面
には、玉葱挿入口2から連続して他側方(図示左側方)
まで連続する茎ガイド溝4が形成されて、この茎ガイド
溝4が伸びる側の装置ケース1の図示左側面に茎屑排出
口5が形成されている。そして、装置ケース1の手前側
面の図示左寄り下部には、四角形の玉葱排出口6が形成
されて、この玉葱排出口6には、両側に起立片を有する
排出シュート板7が貫通して設けられている。この排出
シュート板7は、装置ケース1の内部側が高く装置ケー
ス1の外部側が低くなるよう傾斜して設置されていて、
その上面にはクッション材8が貼り付けられている。な
お、装置ケース1は、下部四隅に設けた調整ねじ9,
9,9,9の長さ調整により全体を傾けて設置すること
が可能となっている。また、装置ケース1の図示右側面
には、操作スイッチ10が設けられている。
【0017】そして、装置ケース1の内部には、図2に
示されるように、前記調整ねじ9,9,9,9を下部四
隅に設けた基台11の上に、平行に起立する左右一対の
側板12,13を備え、その図示手前側の側板13に前
記排出シュート板7が固設されている。なお、13aは
側板13に設けた排出口である。また、両方の側板1
2,13の間の図示右側に根伸ばし装置14が配置され
て、この根伸ばし装置14は、左右一対の根伸ばし用ロ
ーラ15,15を備えている。さらに、両方の側板1
2,13の間の上面に沿うようにして玉葱搬送装置16
が配設されて、この玉葱搬送装置16は、上下方向に並
べた3本の丸ベルトによる搬送ベルト17,18,19
を備えている。なお、前記根伸ばし用ローラ15,15
の図示左側に隣接するようにして根切断装置21が配設
され、また、前記3本の丸ベルトによる搬送ベルト1
7,18,19の図示左側下方に離れて茎切断装置22
が配設されており、さらに、この茎切断装置22の図示
右側に隣接するようにして実部案内部材である左右一対
の茎切り長さ位置決め用ガイド棒23,23が配設され
ている。
【0018】以上において、図3に示されるように、図
示左側の調整ねじ9を長く調整し、図示右側の調整ねじ
9を短く調整して、装置ケース1が図示左上がりに傾斜
して前記玉葱挿入口2から前記茎屑排出口5に向かうに
従って上面が高くなるように設置されている。このよう
な傾斜した装置ケース1の設置状態で、根伸ばし用ロー
ラ15は水平に配設され、また、上下方向に並ぶ3本の
丸ベルトによる搬送ベルト17,18,19は搬送方向
に沿って次第に高くなるよう図示左上がりに傾斜して配
設されている。なお、図3に仮想線で示すように、装置
ケース1を反対に図示右上がりとなるように設置しても
よい。次に、各部の詳細について説明する。
【0019】先ず、根伸ばし装置14は、図2に示され
るように、両方の側板12,13の図示右側寄り間に固
設される支持台24に組み付けられたものである。即
ち、この支持台24には、その一面側に前記左右一対の
根伸ばし用ローラ15,15が回転自在に支持されて、
他面側に駆動用モータ25、従動側プーリ28、左右一
対の歯車31,32がそれぞれ回転自在に支持されてい
る。駆動用モータ25の駆動軸26上には駆動側プーリ
27が備えられ、この駆動側プーリ27と従動側プーリ
28とに動力伝達用の丸ベルト29が巻装されている。
なお、従動側プーリ28と同軸上の歯車31は他方の歯
車32と噛み合っており、その左右一対の歯車31,3
2は、左右一対の根伸ばし用ローラ15,15とそれぞ
れ一体化されている。
【0020】そして、根伸ばし用ローラ15は、図4に
示されるように、歯車31,32の何れか一方と一体的
に結合されるローラ軸33上に、海綿状部材34が巻き
付けられて、その海綿状部材34の外周に弾性変形可能
な柔らかいゴムによる弾性膜35が巻き付けられてい
る。この弾性膜35の外周には、その軸線方向の全長に
亘って1枚の羽根部36が一体に設けられている。この
羽根部36は、弾性膜35と同じく弾性変形可能な柔ら
かいゴムからなるもので、その全長に亘ってスリットを
有するものとなっている。さらに、弾性膜35の一端部
側の外周には、前記羽根部36を含んで4方向に延びる
3枚の小さい羽根部37,37,37が設けられてい
る。この羽根部37も、前記羽根部36と同じく弾性変
形可能な柔らかいゴムからなるもので、同様にスリット
を有している。このような4方向に延びる羽根部36お
よび羽根部37,37,37を有する側の端部が先端部
になるようにして、左右一対の根伸ばし用ローラ15,
15が、各々の弾性膜35,35を互いに密着させた状
態で前記支持台24にローラ軸33,33をベアリング
によりそれぞれ回転自在に支持されている。
【0021】以上の左右一対の根伸ばし用ローラ15,
15の各先端部(4方向の羽根部36および羽根部3
7,37,37を有する部分)の直ぐ上に、対をなすガ
イド板38,38がそれぞれ配置されている。この対を
なすガイド板38,38は、互いに対称となる傾斜ガイ
ド面38a,38aを有するもので、図2に示されるよ
うに、側板12,13にそれぞれ固設したブラケット3
9,39に取り付けられている。このブラケット39
は、断面L字状をなすもので、根伸ばし用ローラ15の
外側半分の上に沿って、その間に1〜2mm程度の隙間
を持たせて配設されている。ここで、左右一対のガイド
板38,38の間隔は、後述するように玉葱の根元部の
周囲の幅が収まるよう予め設定されており、傾斜ガイド
面38a,38aは、玉葱の根元部をガイド板38,3
8の間に案内するためのものである。なお、玉葱は、そ
の品種、産地、作柄等により実部の形状や大きさが異な
り、同じく根元部も大きさが異なるため、例えば、長孔
へのビス止め構造等の採用により左右一対のガイド板3
8,38の間隔が調節可能となっている。
【0022】また、玉葱搬送装置16は、図2に示され
るように、両方の側板12,13の図示左側の上部外端
に固設される軸受箱41に、下面に駆動用モータ42、
内部に駆動側プーリ48,49を組み付けて、側板1
2,13の図示右側寄り上部間に従動側プーリ52,5
4を備えている。即ち、軸受箱41は、茎屑排出溝41
aを有するもので、この軸受箱41の内部には、下面に
組み付けられた駆動用モータ42の駆動軸上に設けた歯
車43と、この歯車43に噛み合う歯車44と、さら
に、この歯車44に噛み合う歯車45が組み込まれてお
り、歯車44,45の上方に伸びる軸46,47の上端
部には、駆動側プーリ48,49がそれぞれ備えられて
いる。これら2つの駆動側プーリ48,49は、軸受箱
41の上方に位置するもので、一方の駆動側プーリ48
としては、丸ベルト2本掛けのものが採用され、他方の
駆動側プーリ49は、丸ベルト1本掛けのものが採用さ
れている。
【0023】そして、一方の側板12の図示右側寄り上
部の内面に固設したブラケット51に支持された従動側
プーリ52としては、丸ベルト2本掛けのものが採用さ
れ、また、他方の側板13の図示右側寄り上部の内面に
固設したブラケット53に支持された従動側プーリ54
は、丸ベルト1本掛けのものが採用されている。従っ
て、図10にも示したように、丸ベルト2本掛けの駆動
側プーリ48と従動側プーリ52とには、その上部間に
搬送ベルト17を巻装して、下部間にも搬送ベルト18
を巻装し、また、丸ベルト1本掛けの駆動側プーリ49
と従動側プーリ54とに搬送ベルト19を巻装してい
る。ここで、丸ベルト2本掛けの駆動側プーリ48は、
その上下の搬送ベルト17,18の間に丸ベルト1本以
上の隙間を有するものとなっているが、丸ベルト2本掛
けの従動側プーリ52は、その上下の搬送ベルト17,
18が上下に密接するようになっている。
【0024】また、他方の搬送ベルト19は、従動側プ
ーリ52の部分で上下の搬送ベルト17,18の間に密
接するが、駆動側プーリ48の部分では上下の搬送ベル
ト17,18の間に間隔を開けて位置するようになって
いる。なお、従動側プーリ52,54の配置について
は、図2および図10に示されるように、丸ベルト2本
掛けの従動側プーリ52に対して、丸ベルト1本掛けの
従動側プーリ54を搬送方向に向かって離れるようにオ
フセット配置している。このように従動側プーリ52,
54をオフセット配置したのは、例えば、従動側プーリ
52,54を横並びに近接させて上下の搬送ベルト1
7,18間に搬送ベルト19を密接させると、玉葱の茎
部を最初に保持する際の把持力が極端に高くなってしま
う割にその後の把持力が低くなってしまうのを回避し
て、最初から茎部に対する把持力を同じようにするため
である。
【0025】さらに、以上の玉葱搬送装置16の丸ベル
トによる上下3本の搬送ベルト17,18,19が上下
方向にオーバーラップする中間部には、その上下方向の
オーバーラップ状態を維持するように挟み込むための規
制部材である左右の規制ガイド板55,56が配設され
ている。即ち、この左右の規制ガイド板55,56は、
図11にも示したように、一方の規制ガイド板55が断
面L字状で側板13上にボルト止めにより固定されてい
て、他方の規制ガイド板56がロッド57を介して側板
12にボルト止めにより固定されている。そして、この
ような規制ガイド板55,56の手前側から下方に湾曲
して伸びる形状をした左右一対の前記茎切り長さ位置決
め用ガイド棒23,23が、各々のロッド58,58を
介して側板12,13にそれぞれ固設して備えられてい
る。
【0026】また、根切断装置21は、図5に示される
ように、前記側板12の外側に固設される取付台61に
組み付けられたものである。即ち、この取付台61の下
面に駆動用モータ62を組み付けて、この駆動用モータ
62の駆動軸63上に備えるクランク部材64にピン6
5を介してクランクアーム66を連結する一方、取付台
61上にスライド自在に組み付けたスライド軸67上の
駒部材68にピン69を介して前記クランクアーム66
を連結している。なお、スライド軸67は前記側板12
に対して横方向から垂直にスライド動作するもので、こ
のスライド軸67の前記側板12の内方に突出する先端
部に取付金具71が備えられている。この取付金具71
に可動刃である可動カッタ72がビス止めにより取り付
けられている。
【0027】また、前記側板13の内面にボルト止めさ
れる取付金具73が設けられ、この取付金具73に固定
刃である1枚の固定カッタ74がビス止めにより取り付
けられている。この固定カッタ74の下面側に可動カッ
タ72が往復動作自在となっている。そして、図6に示
されるように、可動カッタ72及び固定カッタ74は、
左右一対のガイド板38,38に隣接してその間に位置
するコ字形刃76,79を各々有するもので(図2参
照)、これらコ字形刃76,79の幅は、後述するよう
に玉葱の根元部を受け入れる大きさに設定されている。
なお、これらコ字形刃76,79については、ほぼコ字
形形状の刃であれば良い。
【0028】図7は以上の根切断装置21の下方に根送
り用ローラ101を配設した本発明に係る根切断処理装
置部分を示すもので、根伸ばし用ローラ15及び搬送ベ
ルト17,18,19とともに示した概略側面図であ
り、図8はその根切断処理装置部分の拡大斜視図、図9
は根送り用ローラ101,101部分の正面図である。
即ち、根切断処理装置として、先ず、図7から図9に示
すように、根切断装置21の下方に近接させて、左右一
対の根送り用ローラ101,101が配設されており、
その各々の垂直方向のローラ軸102,102が、前記
側板12,13間に固設されたブラケット103に回転
自在に軸受支持されている。ここで、根送り用ローラ1
01としては、弾性変形可能なゴムローラが用いられて
いて、互いの根送り用ローラ101,101が密着する
ように配置されている。
【0029】また、図示しないが、各々のローラ軸10
2,102の一方または両方には、電動モータの駆動に
よる回転動力が伝達されるようになっていて、図中に矢
印で示されるように、左右の根送り用ローラ101,1
01は、その間に玉葱の根を挟み込んで上方の根切断装
置21に送り込ませるように、搬送ベルト17,18,
19の搬送スピードの1.2倍程度のスピードで回転す
るものとなっている。なお、図7の例では、根伸ばし用
ローラ15の手前側に、鱗茎菜類高さ位置決め板105
が配置されている。
【0030】そして、図7に示されるように、根伸ばし
用ローラ15及び根切断装置21の上方には、搬送ベル
ト17,18,19に対するベルトガイド板155が配
置されている。このベルトガイド板155は、図12に
示すように、搬送ベルト17,18,19に対して一側
方に配置されたもので、その内側面には、上下の搬送ベ
ルト17,18の間に位置する中間部の搬送ベルト19
の断面形状のほぼ半分を保持しながら通すベルトガイド
溝159が形成されている。
【0031】このように、根伸ばし用ローラ15及び根
切断装置21の上方において、ベルトガイド板155の
ベルトガイド溝159に搬送ベルト19の断面形状のほ
ぼ半分を保持しながら通す構造としたことによって、鱗
茎菜類(玉葱)の重みや根伸ばし用ローラ15,15に
よる根の下方への引き込み力により搬送ベルト19が下
がるのを防いでいる。また、このベルトガイド板155
と対向するようにして、搬送ベルト17,18,19の
他側方に規制ガイド板156が配置されている。なお、
これらベルトガイド板155及び規制ガイド板156
は、前述した規制ガイド板55,56と同様に、前記側
板12,13にそれぞれ固定されている。
【0032】また、茎切断装置22は、前記根切断装置
21とほぼ同様の構成のもので、図2に示されるよう
に、側板12の外側に固設される取付台81に組み付け
られたもので、この取付台81の下面に図示しない駆動
用モータを組み付けて、その駆動軸83上に備える偏芯
部材84に偏芯ピン85を介してクランクアーム86を
連結する一方、取付台81上にスライド自在に組み付け
たスライド軸87上の駒部材88に図示しないピンを介
して前記クランクアーム86を連結している。なお、ス
ライド軸87は側板12に対して横方向から垂直にスラ
イド動作するもので、このスライド軸87の側板12の
内方に突出する先端部に取付金具91が備えられてい
る。この取付金具91に可動刃である可動カッタ92
(図13参照)がビス止めにより取り付けられている。
【0033】また、側板13の内面にボルト止めして設
けられる図示しない取付金具に固定刃である1枚の固定
カッタ94がビス止めにより取り付けられている。この
固定カッタ94の上面に可動カッタ92が往復動作自在
となっている。図13に示されるように、固定カッタ9
4は、左右の規制ガイド板55,56(図11参照)の
間に対応するコ字形刃95を有するもので、このコ字形
刃95の幅は、後述するように玉葱の茎部を受け入れる
大きさに設定されている。そして、可動カッタ92は、
前記コ字形刃95に対応するコ字形刃96を有するもの
である。この可動カッタ92は、可動刃押さえ97で可
動刃押さえばね98により加圧されている。この可動刃
押さえばね98を支える可動刃押さえばね支え金具99
は、側板13の内面にビス止めにより取り付けられてい
る。
【0034】次に、以上の構成による玉葱の茎根切断処
理装置の動作について説明する。操作スイッチ10をオ
ン操作すると、根伸ばし装置14の駆動用モータ25、
玉葱搬送装置16の駆動用モータ42、根切断装置21
の駆動用モータ62、茎切断装置22の駆動用モータが
全て運転を開始する。先ず、根伸ばし装置14の駆動用
モータ25の駆動により、駆動側プーリ27、丸ベルト
29、従動側プーリ28を経て一方の根伸ばし用ローラ
15が回転すると同時に、従動プーリ28と同軸上の歯
車31と噛み合う歯車32を介して他方の根伸ばし用ロ
ーラ15も同期して回転する。この左右一対の根伸ばし
用ローラ15,15は、その上に載せた玉葱の根を挟み
込んで下方へしごくように、互いに逆方向に回転する。
【0035】そして、玉葱搬送装置16の駆動用モータ
42の駆動により、歯車43と噛み合う歯車44を経て
一方の駆動側プーリ48が回転すると同時に、歯車44
と噛み合う歯車45を介して他方の駆動側プーリ49も
同期して回転する。この左右の駆動側プーリ48,49
は、各々の従動側プーリ52,54との間にそれぞれ巻
装した上下2本の搬送ベルト17,18とその間の1本
の搬送ベルト19の上下方向オーバーラップ部分が玉葱
挿入口2から茎ガイド溝4に沿って茎屑排出口5に向か
い走行するように、互いに逆方向に回転する。
【0036】また、根切断装置21の駆動用モータ62
の駆動により、偏芯部材64、クランクアーム66、ス
ライド軸67および取付金具71を介して可動カッタ7
2が往復スライド動作する。即ち、固定カッタ74のコ
字形刃76の下面側において、可動カッタ72のコ字形
刃79が横方向に往復運動する。同様に、茎切断装置2
2の駆動用モータの駆動により、偏芯部材84、クラン
クアーム86、スライド軸87および取付金具91を介
して可動カッタ92も往復スライド動作する。即ち、固
定カッタ94のコ字形刃95の上を可動カッタ92のコ
字形刃96が、可動刃押さえ97で常にコ字形刃95に
押し付けられた状態で横方向に往復運動する。
【0037】以上のような運転状態下において、図1に
示すように、手で茎を掴んだ玉葱を上方から玉葱挿入口
2に挿入すると、図14(a)に示したように、挿入ガ
イド板3により玉葱の実部がガイドされて左右一対の根
伸ばし用ローラ15,15の間上に載る。この時、左右
一対の根伸ばし用ローラ15,15は、前述したよう
に、互いに逆方向に同期して回転しているので、図14
(b)にも示したように、その上に載せた玉葱の根を挟
み込んで下方へしごくようにして伸ばす。そして、根伸
ばし用ローラ15は、海綿状部材34の外周を包む柔ら
かいゴムによる弾性膜35を有しているので、このよう
な海綿状部材34を柔らかいゴムによる弾性膜35で覆
った左右の根伸ばし用ローラ15,15によって、効果
的に根を伸ばすことができる。しかも、その弾性膜35
の外周には、軸線方向の全長に亘って同じく柔らかいゴ
ムによるスリットを有する羽根部36が一体に設けられ
ているので、左右の根伸ばし用ローラ15,15の羽根
部36,36の間に根を確実に挟んでより確実に伸ばす
ことができる。
【0038】また、このような根伸ばしに前後して、図
14(a)および(b)に示したように、一方の従動側
プーリ52に巻装した上下2本の搬送ベルト17,18
と他方の従動側プーリ54に巻装した1本の搬送ベルト
19との上下方向オーバーラップ部分において、玉葱の
茎が挟み込まれて保持される。この時、丸ベルト2本掛
けの従動側プーリ52に対して、丸ベルト1本掛けの従
動側プーリ54を搬送方向に向かって離れるようにオフ
セット配置されているので、従動側プーリ52の部分に
おいて、上下2本の搬送ベルト17,18に沿って茎を
当てながら、その上下2本の搬送ベルト17,18とそ
の間に食い込むようにした1本の搬送ベルト19との間
に茎をスムーズに挟み込むことができる。こうして茎を
挟み込んで保持した上下3本の搬送ベルト17,18,
19の走行によって玉葱が搬送される。
【0039】このような茎を挟み込んで保持した上下3
本の搬送ベルト17,18,19の走行による玉葱の搬
送過程において、根伸ばし用ローラ15,15上に載っ
た実部も上方の茎部に引かれるようにして移動する。こ
の時、根伸ばし用ローラ15,15が水平状態で、上下
3本の搬送ベルト17,18,19は、搬送が進むにつ
れて次第に高くなるよう傾斜して根伸ばし用ローラ15
との間が開くようになっているため、茎部に引かれるよ
うにして実部が根伸ばし用ローラ15,15上をほぼ垂
直状態のまま移動する。従って、根伸ばし用ローラ1
5,15により根が真下に伸ばされた状態を維持したま
ま玉葱の搬送が姿勢を安定して行われて、その実部が根
伸ばし用ローラ15,15の先端部上の位置に至る。
【0040】そして、実部が根伸ばし用ローラ15,1
5の先端部上の位置に至ると、その根伸ばし用ローラ1
5の弾性膜35の一端部側の外周には、前記羽根部36
を含んで4方向に延びる3枚の小さい羽根部37,3
7,37が設けられているので、その1回転当たり片側
で4枚の羽根部36,37,37,37による相互の順
次しごき作用によって、根を確実に挟んで一層より確実
に伸ばした状態で、次の根切断移行することができる。
この時、根伸ばし用ローラ15,15の先端部上には左
右一対にガイド板38,38が配置されているので、玉
葱の実部から下方に伸びる根は、図15(a)に示され
るように、互いに対称となる傾斜ガイド面38a,38
aにより案内されながら、図15(b)に示されるよう
に、ガイド板38,38の間に至る。なお、ガイド板3
8,38の間隔は、玉葱の根元部が丁度収まるように予
め設定されるものであり、例えば、図15(b)におい
て、玉葱の球形状によっては、次の根切断の際に、ガイ
ド板38,38の間隔が広すぎると、Aのように実部ま
でも切断してしまい、また、ガイド板38,38の間隔
が狭すぎると、Cのように根の残り過ぎとなってしまう
ため、Bのように手元部を丁度切るようにガイド板3
8,38の間隔を設定しておく。
【0041】次に、この実施の形態例による根送り用ロ
ーラ101,101と根切断装置21の作動について説
明する。先ず、根伸ばし用ローラ15,15に続いて、
根切断は、図16(a)および(b)に示したように、
その揃えた根を根送り用ローラ101,101により決
められた長さで挟み込んだ状態にして、根切断装置21
により根を確実に切断できるため、玉葱の根を長さ一定
にして実を切らずに切断することができる。しかも、根
切断装置21は、可動カッタ72及び固定カッタ74の
互いのコ字形刃76,79の重なりによって、根を確実
に切断することができる。従って、図24(a)及び
(b)に示したように、構造的に可動刃と固定刃の隙間
を無くしたり点接触させたりする必要がないため、刃物
寿命を大きく延ばすことができる。なお、以上の根切断
時、上下3本の搬送ベルト17,18,19は、図17
(a)にも示されたように、搬送が進むにつれて次第に
高くなるよう傾斜してカッタ72,74との間が開くよ
うになっているため、搬送ベルト17,18,19に茎
を保持された玉葱が自重で垂直状態となって、図17
(b)に示したように、その実部から下方に伸びた根が
水平に切断される。
【0042】こうして根が切断された後は、玉葱が搬送
ベルト17,18,19に茎を保持された状態で搬送さ
れて、図18(a)に示したように、茎切り長さ位置決
め用ガイド棒23の部分に至る。この茎切り長さ位置決
め用ガイド棒23は、前記規制ガイド板55,56の手
前側から下方に湾曲して伸びる形状をした丸棒よりなる
もので、このような丸棒による湾曲形状をなす左右一対
の茎切り長さ位置決め用ガイド棒23,23に沿って実
部の上部左右が案内されて、搬送ベルト17,18,1
9に茎を保持された状態で搬送される玉葱の実部が次第
に下方に移動する。この時、茎は、図18(b)に示し
たように、左右の規制ガイド板55,56の間におい
て、上下方向に並んだ搬送ベルト17,18,19の間
を縫うようにして規制ガイド板55,56間に挟み込ま
れた状態のため、確実な保持状態を得ながら、搬送ベル
ト17,18,19は、その丸ベルトによる弾性変形に
よって茎切り長さ位置決め用ガイド棒23のガイド作用
による実部の緩やかな下方への移動に応じて、下方に位
置を移動することになる。
【0043】従って、茎の切断位置を予め設定された位
置に揃えることができる。この結果、次の茎切断時に、
前記固定カッタ94のコ字形刃95に茎を入れて、前記
可動カッタ92のコ字形刃96の往復運動により茎の長
さを揃えて切断できる。ここで、玉葱は、その品種、産
地、作柄等により球形状や大きさがまちまちであるが、
前述したように、丸棒による湾曲形状をなす左右一対の
茎切り長さ位置決め用ガイド棒23,23に沿って実部
の上部左右が案内されて、搬送ベルト17,18,19
に茎を保持された状態で搬送される玉葱の実部が次第に
下方に移動するので、図19に示したように、玉葱の大
きさに拘わらず、茎の切断長さを揃えられるものとなっ
ている。即ち、図20(a)に示したように、茎切り長
さ位置決め用ガイド棒23,23による実部の下方への
移動に応じて、搬送ベルト17,18,19による茎の
保持部(クランプ位置)が、初期クランプ位置から下方
に搬送ベルト17,18,19ごと移動するため、図2
0(b)に示したように、茎の切断長さを揃えることが
できる。
【0044】以上のようにして茎を切断した時点で、玉
葱は前記排出シュート板7内のクッション材8上に落下
して、その排出シュート板7の傾斜により前記玉葱排出
口6から前記装置ケース1の外部に排出される。従っ
て、図示しないが、排出シュート板7には、処理後の玉
葱を集積できる箱や収納袋などの収集装置を設けると、
簡単に収集作業ができるものとなる。また、排出シュー
ト板7にコンベアを接続しておくことで、簡単に多目的
な連続作業にも使用できる。一方、切断後の茎屑は、上
下方向に間隔を開けた搬送ベルト17,18,19の終
端部から落とされて、茎屑排出口5から装置ケース1の
外部に排出される。従って、茎屑が絡まって搬送ベルト
17,18,19が駆動側プーリ48,49から外れる
ようなことを回避できる。なお、図示しないが、茎屑排
出口5の下方に屑篭や収納箱などの収集装置を設置した
り、茎屑排出口5に屑篭や収納箱などの収集装置を接続
しておくことで、簡単に茎屑処理ができるものとなる。
また、装置ケース1内には、屑篭や収納箱などの収集装
置をカッタ72,74,75の下方に置いておくこと
で、切断した根屑を簡単に処理できるものとなる。
【0045】以上の玉葱の根茎切断処理装置は、玉葱を
順次挿入して連続的に処理することができる。そして、
根の切断長さと茎の切断長さは調整可能である。即ち、
根切断装置21において、その2枚のカッタ72,74
の角度や先端部の上下方向位置を変えることで、根の切
断長さを変えることができる。また、茎切断装置22側
において、その2枚のカッタ92,94の上下方向位置
を変えたり、茎切り長さ位置決め用ガイド棒23の傾斜
や上下方向位置や前後方向位置を変えたりすることで、
茎の切断長さを変えることができる。なお、根伸ばし用
ローラ15の外周に柔らかいゴムによる羽根部36,3
7があるので、この羽根部36,37によって、玉葱底
部の泥汚れ落としや粗皮落としの作用も期待できる。
【0046】なお、以上の実施の形態例においては、玉
葱用の茎根切断処理装置における根切断処理装置とした
が、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、
ユリ根等の他の鱗茎菜類も含む鱗茎菜類用の茎根切断処
理装置における根切断処理装置としても適用される。ま
た、各部の寸法・形状等も任意であり、その他、具体的
な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿
論である。
【0047】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明に係
る鱗茎菜類の根切断処理装置によれば、搬送ベルトによ
り茎部だけ挟み込んで鱗茎菜類を搬送することができる
ため、搬送装置を簡易な構成にしてコストを押さえるこ
とができる上、鱗茎菜類を載せた根伸ばし用ローラによ
り根を挟んで伸ばして揃えた状態で、その揃えた根を根
送り用ローラに挟み込んで送る際に、茎を挟んで保持し
た状態のまま搬送ベルトが弾性変形して下方に移動する
ため、一対の根送り用ローラにより根を決められた長さ
で挟み込んだ状態で、根切断装置により根を切断するこ
とができる。従って、鱗茎菜類の根の切断に関して、そ
の切断長さ一定で実を切らずに安定して行うことができ
る。
【0048】そして、請求項2記載の発明に係る鱗茎菜
類の根切断処理装置によれば、固定刃及び可動刃の互い
のほぼコ字形刃の重なりによって、根を確実に切断する
ことができ、構造的に可動刃と固定刃の隙間を無くした
り点接触させたりする必要がないため、請求項1記載の
発明により得られる効果に加えて、刃物寿命を大きく延
ばすことができるといった利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としての玉葱の茎根切断
処理装置の外観を示す概略斜視図である。
【図2】図1の茎根切断処理装置の内部構造を一部透視
状態で示した概略斜視図である。
【図3】図1の茎根切断処理装置の主要部配置構成例を
示した概略側面図である。
【図4】図2の根揃え装置およびガイド板を分解して示
した拡大斜視図である。
【図5】図2の根切断装置の拡大斜視図である。
【図6】図5の根切断装置のカッタ刃の構成を示した分
解斜視図である。
【図7】根切断装置の下方に根送り用ローラを配設した
本発明に係る根切断処理装置部分を示すもので、根伸ば
し用ローラ及び搬送ベルトとともに示した概略側面図で
ある。
【図8】図7の根切断処理装置部分の拡大斜視図であ
る。
【図9】図7の根送り用ローラ部分の正面図である。
【図10】図2の搬送ベルトの構成を示した分解斜視図
である。
【図11】図2の搬送ベルトおよび案内部材の構成を示
した縦断側面図である。
【図12】図7の矢印X−X線に沿った断面図である。
【図13】図2の茎切断装置のカッタ刃の構成を示した
分解斜視図である。
【図14】図1の茎根切断処理装置への玉葱の挿入時を
示すもので、(a)は概略側面図、(b)は一部破断の
概略斜視図である。
【図15】図14に続いて玉葱の挿入から根切断位置へ
向かう状態を示すもので、(a)は概略平面図、(b)
は概略正面図である。
【図16】図15に続いて玉葱の根切断時を示すもの
で、(a)は概略側面図、(b)は概略平面図である。
【図17】玉葱の根切断時および根切断処理後を示すも
ので、(a)は図16の根切断時における搬送ベルトと
根切断装置のカッタ刃との関係を示した概略側面図、
(b)は根切断処理後の玉葱を示した概略側面図であ
る。
【図18】図17の根切断処理後に続く案内部材による
茎長さの位置決めを示すもので、(a)は概略側面図、
(b)は概略正面図である。
【図19】図18に続いて茎長さの位置決め時における
搬送ベルトの弾性変形機能を示した概略側面図である。
【図20】茎長さの位置決めおよび茎切断処理後を示す
もので、(a)は図19の茎長さの位置決め時における
ガイド部材とずれる位置とクランプ位置と切断位置の関
係を示す概略正面図、(b)は茎切断処理後の玉葱を示
した概略側面図である。
【図21】特願平8−254819号に開示される根伸
ばし用ローラと搬送ベルトと根切断装置の概略構成を示
した側面図である。
【図22】図21の根切断装置のカッタ刃の構成を示し
た分解斜視図である。
【図23】図21の根伸ばし用ローラの上に載せる鱗茎
菜類の根切断装置に対する実部の高さの相違を示した概
略正面図である。
【図24】図22のカッタ刃による対策例を示すもの
で、(a)は圧力をかけた場合の要部正面図、(b)は
点接触構造の場合の要部斜視図である。
【符号の説明】
1 装置ケース 2 鱗茎菜類挿入口 3 挿入ガイド板 4 茎ガイド溝 5 茎屑排出口 6 鱗茎菜類排出口 7 排出シュート板 8 クッション材 9 調整ねじ 10 操作スイッチ 11 基台 12,13 側板 14 根伸ばし装置 15 根伸ばし用ローラ 16 鱗茎菜類搬送装置 17,18,19 搬送ベルト(丸ベルト) 21 根切断装置 22 茎切断装置 23 茎切り長さ位置決め用の案内部材 33 ローラ軸 34 海綿状部材 35 弾性膜 36,37 羽根部 38 ガイド板 48,49 駆動側プーリ 52,54 従動側プーリ 55,56 規制部材 67 スライド軸 72 可動刃 74 固定刃 76,79 コ字形刃 87 スライド軸 92 可動刃 94 固定刃 95,96 コ字形刃 97 可動刃押さえ 98 可動刃押さえばね 99 可動刃押さえばね支え金具 101 根送り用ローラ 155 ベルトガイド板 159 ベルトガイド溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鱗茎菜類を載せ、その根を挟んで伸ばすよ
    う回転する一対の根伸ばし用ローラと、 この根伸ばし用ローラ上に載せた前記鱗茎菜類の茎を挟
    んで保持し、上下方向に弾性変形可能な対をなす搬送ベ
    ルトと、 この搬送ベルトにより前記根伸ばし用ローラ上を搬送さ
    れた前記鱗茎菜類の根を切断する根切断装置と、 この根切断装置の下方に配置され、前記根を挟み込んで
    前記搬送ベルトによる搬送方向に送るよう回転する一対
    の根送り用ローラと、を備え、 前記一対の根送り用ローラにより前記根を挟み込んだ状
    態で前記根切断装置により前記根を切断すること、を特
    徴とする鱗茎菜類の根切断処理装置。
  2. 【請求項2】前記根切断装置は、互いに上下に重なるよ
    うに配置されて前記搬送ベルトによる前記鱗茎菜類の搬
    送方向に対し横方向に間隔を開けたほぼコ字形刃をそれ
    ぞれ有する固定刃及び可動刃を備えること、を特徴とす
    る請求項1記載の鱗茎菜類の根切断処理装置。
JP10346997A 1997-04-21 1997-04-21 鱗茎菜類の根切断処理装置 Pending JPH10295350A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10346997A JPH10295350A (ja) 1997-04-21 1997-04-21 鱗茎菜類の根切断処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10346997A JPH10295350A (ja) 1997-04-21 1997-04-21 鱗茎菜類の根切断処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10295350A true JPH10295350A (ja) 1998-11-10

Family

ID=14354878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10346997A Pending JPH10295350A (ja) 1997-04-21 1997-04-21 鱗茎菜類の根切断処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10295350A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1155628A1 (en) * 1997-10-23 2001-11-21 Univex Corporation A fruit or vegetable peeler
JP2008061598A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Yanmar Co Ltd 鱗茎菜類調製機
CN103704857A (zh) * 2014-01-17 2014-04-09 济南大学 一种大蒜须梗同切机
KR101443703B1 (ko) * 2013-10-15 2014-09-23 정주호 건고추의 꼭지 제거장치
JP2016136907A (ja) * 2015-01-28 2016-08-04 株式会社大竹製作所 鱗茎菜類調製機
JP2020043800A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 株式会社クボタ 野菜の調製装置
JP2020043802A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 株式会社クボタ 結球野菜の根切断装置及び調製装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1155628A1 (en) * 1997-10-23 2001-11-21 Univex Corporation A fruit or vegetable peeler
JP2008061598A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Yanmar Co Ltd 鱗茎菜類調製機
JP4641519B2 (ja) * 2006-09-08 2011-03-02 ヤンマー株式会社 鱗茎菜類調製機
KR101443703B1 (ko) * 2013-10-15 2014-09-23 정주호 건고추의 꼭지 제거장치
CN103704857A (zh) * 2014-01-17 2014-04-09 济南大学 一种大蒜须梗同切机
JP2016136907A (ja) * 2015-01-28 2016-08-04 株式会社大竹製作所 鱗茎菜類調製機
JP2020043800A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 株式会社クボタ 野菜の調製装置
JP2020043802A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 株式会社クボタ 結球野菜の根切断装置及び調製装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1101315A (en) Centering device for feeding articles to a food slicer
US20120064214A1 (en) Avocado Cutting and Splitting Device
JPH10295350A (ja) 鱗茎菜類の根切断処理装置
US4831925A (en) Automatic trimming machine, particularly for horticultural products
JP3681135B2 (ja) 鱗茎菜類の茎根切断処理装置
JP4940077B2 (ja) カッタ装置
US4956894A (en) Apparatus for collecting fish eggs
US4287801A (en) Device for perforating bakery goods such as English muffins
US4602404A (en) Fish filleting device
EP0245277B1 (en) Apparatus for separating potato flesh from a potato half
US3236128A (en) Superposed conveyors with rack and pinion driven reciprocating cutter
US3677315A (en) Method for trimming projections from globular articles
JP7109760B2 (ja) 鱗茎菜類調製機
CN209284135U (zh) 一种用于制备蜗牛酥的自动裹面机
KR100713581B1 (ko) 오징어 할복장치
JP7265753B2 (ja) 鱗茎菜類調製機
US4621572A (en) Apparatus for processing fava beans having pods and seeds
KR20100045893A (ko) 콩나물의 가공 장치
JP2023133818A (ja) 鱗茎菜類調製機
JP3567994B2 (ja) 収穫野菜処理装置
CN216138965U (zh) 一种适用于中草药连续切割的切片装置
US4865860A (en) Process for separating potato flesh from a potato half
CN218285856U (zh) 一种食品切片切断生产线
CN217534866U (zh) 一种即食类熟食真空包装袋切断设备
JP2001061404A (ja) 魚類のピンボーン自動除去装置