JPH10294203A - 正特性サーミスタの製造方法 - Google Patents

正特性サーミスタの製造方法

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JPH10294203A
JPH10294203A JP9104475A JP10447597A JPH10294203A JP H10294203 A JPH10294203 A JP H10294203A JP 9104475 A JP9104475 A JP 9104475A JP 10447597 A JP10447597 A JP 10447597A JP H10294203 A JPH10294203 A JP H10294203A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature coefficient
positive temperature
coefficient thermistor
reducing atmosphere
heat
Prior art date
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Pending
Application number
JP9104475A
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English (en)
Inventor
Fusako Hatano
惣子 幡野
Taiji Goto
泰司 後藤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 室温での比抵抗が低い正特性サーミスタを提
供することを目的とする。 【解決手段】 チタン酸バリウムを主成分とする正特性
サーミスタ材料の50wt%以下(但し0wt%を除
く)を第一の還元雰囲気で熱処理する。次にこれと残り
の正特性サーミスタ材料とを用いて成形体を形成する。
次いで、この成形体を第1の還元雰囲気よりも酸素分圧
が高い第2の還元雰囲気で熱処理して焼結体を得た後、
電極を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正特性サーミスタ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の正特性サーミスタの製造方法につ
いて説明する。
【0003】まずチタン酸バリウムを主成分とした原料
を混合して、これらの混合粉末を空気中で仮焼する。次
に、この仮焼粉末を所望の形状に成形した後、空気中で
焼成し、得られた焼結体に電極を形成して正特性サーミ
スタを得ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】正特性サーミスタは小
型化を図るため、室温での比抵抗が小さいことが要望さ
れている。上記方法で製造した正特性サーミスタは、室
温での比抵抗が低いものは耐電圧が低く、耐電圧が高い
ものは比抵抗が高いという問題点を有していた。
【0005】そこで本発明は、室温での比抵抗が低く、
耐電圧の高い正特性サーミスタを提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の正特性サーミスタの製造方法は、チタン酸バ
リウムを主成分とする正特性サーミスタ材料の50wt
%以下(但し0wt%を除く)を還元雰囲気で熱処理す
る第1の工程と、次に前記正特性サーミスタ材料の残り
と前記第1の工程で還元処理した正特性サーミスタ材料
とを用いて成形体を形成する第2の工程と、次いで前記
成形体を還元雰囲気で熱処理して焼結体を得る第3の工
程と、その後前記焼結体の表面に電極を形成する第4の
工程とを備え、前記第1の工程の還元雰囲気よりも前記
第3の工程の雰囲気の方が酸素分圧が高いことを特徴と
するものである。
【0007】この方法によると、第1の工程の還元雰囲
気中での熱処理により酸素欠陥に伴い伝導電子が生成
し、比抵抗が低い正特性サーミスタ材料が得られるが、
この正特性サーミスタ材料のみでは抵抗温度係数が低く
耐電圧が低い。そこで第1の工程の還元雰囲気中での熱
処理した正特性サーミスタ材料と残りの正特性サーミス
タ材料とを用いることで、抵抗値の低い部分を有するた
め比抵抗は低くなるが、残りの正特性サーミスタ材料の
特性により抵抗温度係数が高く、耐電圧の高い焼結体を
得ることができるので上記目的を達成することができ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、チタン酸バリウムを主成分とする正特性サーミスタ
材料の50wt%以下(但し0wt%を除く)を還元雰
囲気で熱処理する第1の工程と、次に前記正特性サーミ
スタ材料の残りと前記第1の工程で還元処理した正特性
サーミスタ材料とを用いて成形体を形成する第2の工程
と、次いで前記成形体を熱処理して焼結体を得る第3の
工程と、その後前記焼結体の表面に電極を形成する第4
の工程とを備え、前記第1の工程の還元雰囲気よりも前
記第3の工程の雰囲気の方が酸素分圧が高いことを特徴
とする正特性サーミスタの製造方法であり、室温での比
抵抗の低い正特性サーミスタを得ることができる。
【0009】請求項2に記載の発明は、第1の工程の還
元雰囲気よりも第3の工程における雰囲気の方が酸素分
圧が103倍以上高いことを特徴とする請求項1に記載
の正特性サーミスタの製造方法であり、室温での比抵抗
の低い正特性サーミスタを得ることができる。
【0010】請求項3に記載の発明は、第1の工程の熱
処理温度は、第3の工程における熱処理温度よりも高い
ことを特徴とする請求項1に記載の正特性サーミスタの
製造方法であり、室温での比抵抗の低い正特性サーミス
タを得ることができる。
【0011】請求項4に記載の発明は、第4の工程の前
に、第3の工程で得た焼結体を空気中で熱処理すること
を特徴とする請求項1に記載の正特性サーミスタの製造
方法であり、還元雰囲気中の熱処理により比抵抗が低く
なった焼結体の結晶粒子の粒界を高抵抗化することで抵
抗温度係数が高くなり、比抵抗が低く耐電圧の高い正特
性サーミスタを得ることができる。
【0012】請求項5に記載の発明は、空気中での熱処
理時間は第3の工程における熱処理時間よりも短いこと
を特徴とする請求項3に記載の正特性サーミスタの製造
方法であり、熱処理によって結晶粒子全体が酸化され比
抵抗が高くなることを防ぎ、比抵抗が低く耐電圧の高い
正特性サーミスタを得ることができる。
【0013】請求項6に記載の発明は、第2の工程にお
いて、還元処理した正特性サーミスタ材料の平均粒子径
を還元処理していない正特性サーミスタ材料の平均粒子
径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の正特
性サーミスタの製造方法であり、第3の工程の還元雰囲
気での熱処理により、還元処理した正特性サーミスタ材
料を核として還元処理していない正特性サーミスタ材料
が粒成長するため、室温での抵抗値の低い正特性サーミ
スタを得ることができる。
【0014】以下本発明の一実施の形態について説明す
る。 (実施の形態1)まず、チタン酸バリウムを主成分とす
る正特性サーミスタ材料として、(Ba 0.90Sr0.10
TiO3+0.02SiO2+0.001MnO2+0.
002Y23の組成となるようにBaCO3、SrC
3、TiO2、Y23、SiO2、MnO2の各原料をそ
れぞれ秤量し、ボールミルにて湿式混合する。次に、こ
の正特性サーミスタ材料の20wt%を酸素分圧1×1
-15atmの還元雰囲気中、1350℃で3時間熱処
理し、粉砕して平均粒子径3μmとなるように平均粒子
径を調整する。また、残りの正特性サーミスタ材料を空
気中、1100℃で2時間熱処理し、粉砕して還元処理
した正特性サーミスタ材料の平均粒子径よりも小さい、
平均粒子径1.2μmとなるように調整する。次いでこ
の還元雰囲気で熱処理した正特性サーミスタ材料と空気
中で熱処理した正特性サーミスタ材料とを混合して、ポ
リビニルアルコールからなるバインダーを添加し造粒
し、1平方センチメートル当たり800kgの圧力で直径
20mm、厚さ2mmの円板状に成形した。次に、この成形
体を、正特性サーミスタ材料の20wt%を還元雰囲気
で熱処理した酸素分圧よりも高い、酸素分圧1×10-6
atmの還元雰囲気中、1300℃で2時間熱処理し焼
結体を得た。その後、この焼結体を空気中、900℃で
1時間熱処理した。次いで、このようにして得られた焼
結体の上、下両面にNiメッキを形成した後、銀ペース
トを印刷塗布、焼き付けして電極を形成し、正特性サー
ミスタを得た。
【0015】(実施の形態2)まず、チタン酸バリウム
を主成分とする正特性サーミスタ材料として、(Ba
0.90Sr0.10)TiO3+0.02SiO2+0.001
MnO2+0.002Y23の組成となるようにBaC
3、SrCO3、TiO2、Y23、SiO2、MnO2
の各原料をそれぞれ秤量し、ボールミルにて湿式混合す
る。次にこの正特性サーミスタ材料の20wt%を酸素
分圧10-15atmの還元雰囲気中、1350℃で3時
間熱処理し、粉砕して平均粒子径3μmとなるように平
均粒子径を調整する。また残りの正特性サーミスタ材料
を空気中、1100℃で2時間熱処理し、粉砕して還元
処理した正特性サーミスタ材料の平均粒子径よりも小さ
い、平均粒子径1.2μmとなるように調整する。次い
で、この還元雰囲気で熱処理した正特性サーミスタ材料
と空気中で熱処理した正特性サーミスタ材料とを混合し
て、ポリビニルアルコールからなるバインダーを添加し
造粒し、1平方センチメートル当たり800kgの圧力で
直径20mm、厚さ2mmの円板状に成形した。次に、この
成形体を空気中、1300℃で2時間熱処理し焼結体を
得た。次いで、このようにして得られた焼結体の上、下
両面にNiメッキを形成した後、銀ペーストを印刷塗
布、焼き付けし電極を形成して正特性サーミスタを得
た。
【0016】本実施の形態においては、得られた成形体
を正特性サーミスタ材料の20wt%を還元雰囲気で熱
処理した時の酸素分圧よりも、高い酸素分圧の空気中で
熱処理し焼結体を得るため、(実施の形態1)よりも比
抵抗は高くなるが、抵抗温度係数が高くなり耐電圧の高
い正特性サーミスタを得ることができる。
【0017】以上(実施の形態1)、(実施の形態2)
によると、従来の製造方法で得られた正特性サーミスタ
より、室温での比抵抗が低く、耐電圧の高い正特性サー
ミスタを得ることができる。
【0018】なお(実施の形態1)、(実施の形態2)
では、第1の工程でチタン酸バリウムを主成分とする正
特性サーミスタ材料の20wt%を還元雰囲気中で熱処
理したが、50wt%以下(但し0wt%を除く)なら
ば効果が認められるが、10wt%以上30wt%以下
の範囲が好ましい。なぜなら、10wt%よりも少ない
と比抵抗が高くなり、30wt%よりも多いと抵抗温度
係数の低下により耐電圧が低くなる傾向がみられるから
である。
【0019】また、(実施の形態1)、(実施の形態
2)では、はじめに正特性サーミスタ材料を酸素分圧が
1×10-15atmの還元雰囲気で熱処理(請求項1に
おける第1の工程であり、以降第1の工程という)を行
ったが、1×10-5atm以下の酸素分圧で熱処理する
ことが望ましく、特に1×10-8atm以下の酸素分圧
であることが好ましい。なぜなら、最初の熱処理の還元
雰囲気の酸素分圧が高いと、第1の工程での熱処理によ
り還元された正特性サーミスタ材料が、成形体を熱処理
して焼結体を得る際(請求項1における第3の工程であ
り、以降第3の工程という)、酸化され比抵抗が高くな
るからである。
【0020】また、(実施の形態1)では、第1の工程
の還元雰囲気に比べ、第3の工程における還元雰囲気の
酸素分圧が109倍高かったが、102倍以上高いと効果
が認められるが、105倍以上高いことが好ましい。な
ぜなら、第1の工程と第3の工程の酸素分圧の差が小さ
いと、第1の工程での熱処理により還元されたサーミス
タ材料が、第3の工程における熱処理により酸化され比
抵抗が高くなるからである。
【0021】また、(実施の形態1)、(実施の形態
2)では、第1の工程で、1350℃、3時間熱処理を
行ったが、熱処理温度は1300℃以上1450℃以
下、熱処理時間は2時間以上5時間以下が好ましい。第
3の工程では、1300℃、2時間熱処理を行ったが、
熱処理温度は1250℃以上1400℃以下、熱処理時
間は1時間以上3時間以下が好ましい。なぜなら、第1
の工程と第3の工程の熱処理温度と時間がこの範囲外で
あると、第1の工程の熱処理で還元されたサーミスタ材
料が第3の工程における熱処理により酸化され、比抵抗
が高くなるからである。
【0022】また、還元処理した正特性サーミスタ材料
と還元処理していない正特性サーミスタ材料とを用いて
成形体を形成する際(請求項1における第2の工程であ
り、以下第2の工程という)、(実施の形態1)、(実
施の形態2)では還元処理した正特性サーミスタ材料の
平均粒子径は3μmであり、残りの正特性サーミスタ材
料は1.2μmだったが、還元処理した正特性サーミス
タ材料の平均粒子径は2μm以上5μm以下であり、残
りの正特性サーミスタ材料は1.5μm以下の範囲が好
ましい。
【0023】また、(実施の形態1)では第3の工程で
得た焼結体を空気中、900℃で1時間熱処理を行った
が、熱処理温度は800℃以上1200℃以下で、熱処
理時間は30分以上2時間以下が好ましい。なぜなら、
第1の工程の熱処理により還元された正特性サーミスタ
材料が空気中の熱処理によって酸化され比抵抗が高くな
るからである。
【0024】なお、(実施の形態1)、(実施の形態
2)においては、主成分チタン酸バリウム系組成物とし
て(Ba0.90Sr0.10)TiO3を用いたが、他のチタ
ン酸バリウム系組成物を用いたとしても同様の効果が得
られる。
【0025】また、半導体化元素としてY23を用いた
が、La、Smなどのランタノイド系元素あるいは、N
b、Sb、Bi等の酸化物の中から少なくとも1種類を
用いても同等の効果が得られるものである。
【0026】さらに、半導体化元素量は主成分1モルに
対して0.1〜0.4モル%、SiO2量は1〜5モル
%、MnO2量は0.01〜0.2モル%の範囲で添加
するのが好ましい。なぜなら、これらの範囲外であると
室温での抵抗値が大きく上昇したり、抵抗温度係数が低
くなるため本発明の目的が達成されないためである。
【0027】
【発明の効果】以上本発明によると、還元雰囲気中で熱
処理した正特性サーミスタ材料と残りの正特性サーミス
タ材料を用いることにより、抵抗値の低い部分を有する
ため焼結体の比抵抗は低くなり、残りの正特性サーミス
タ材料の特性により抵抗温度係数が高く、耐電圧の高い
焼結体を得ることができるので上記目的を達成すること
ができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン酸バリウムを主成分とする正特性
    サーミスタ材料の50wt%以下(但し0wt%を除
    く)を還元雰囲気で熱処理する第1の工程と、次に前記
    正特性サーミスタ材料の残りと前記第1の工程で還元処
    理した正特性サーミスタ材料とを用いて成形体を形成す
    る第2の工程と、次いで前記成形体を熱処理して焼結体
    を得る第3の工程と、その後前記焼結体の表面に電極を
    形成する第4の工程とを備え、前記第1の工程の還元雰
    囲気よりも前記第3の工程の雰囲気の方が酸素分圧が高
    いことを特徴とする正特性サーミスタの製造方法。
  2. 【請求項2】 第1の工程の還元雰囲気よりも第3の工
    程における雰囲気の酸素分圧が103倍以上高いことを
    特徴とする請求項1に記載の正特性サーミスタの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 第1の工程の熱処理温度は、第3の工程
    における熱処理温度よりも高いことを特徴とする請求項
    1に記載の正特性サーミスタの製造方法。
  4. 【請求項4】 第4の工程の前に、第3の工程で得た焼
    結体を空気中で熱処理することを特徴とする請求項1に
    記載の正特性サーミスタの製造方法。
  5. 【請求項5】 空気中での熱処理時間は、第3の工程に
    おける熱処理時間よりも短いことを特徴とする請求項3
    に記載の正特性サーミスタの製造方法。
  6. 【請求項6】 第2の工程において、還元処理した正特
    性サーミスタ材料の平均粒子径は、還元処理していない
    正特性サーミスタ材料の平均粒子径よりも大きいことを
    特徴とする請求項1に記載の正特性サーミスタの製造方
    法。
JP9104475A 1997-04-22 1997-04-22 正特性サーミスタの製造方法 Pending JPH10294203A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6984355B2 (en) * 1999-11-02 2006-01-10 Murata Manufacturing Co., Ltd. Semiconducting ceramic material, process for producing the ceramic material, and thermistor

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6984355B2 (en) * 1999-11-02 2006-01-10 Murata Manufacturing Co., Ltd. Semiconducting ceramic material, process for producing the ceramic material, and thermistor

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