JPH10294068A

JPH10294068A - 陰極線管の偏向ヨーク

Info

Publication number: JPH10294068A
Application number: JP10060197A
Authority: JP
Inventors: Masaaki Yoshii; 正明吉井
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 1997-04-17
Filing date: 1997-04-17
Publication date: 1998-11-04

Abstract

(57)【要約】【課題】陰極線管の偏向ヨークにおいて、偏向コイル
と磁性コアの軸がずれた場合に生ずるミスコンバーゼン
スやラスター歪を簡単に修正する。【解決手段】水平偏向コイル、垂直偏向コイル及び磁
性コア６を有する偏向ヨーク１の電子銃側に、偏向コイ
ルに対する磁性コア６の位置調整機構３を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カラー受像機等の
陰極線管に用いる偏向ヨークに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、陰極線管に用いられる偏向ヨー
クは、陰極線管のファンネル部を覆うような形状を有し
た各１組の水平偏向コイル、垂直偏向コイル及び磁性コ
アから成っている。例えば、サドル−トロイダル式の偏
向ヨークでは、絶縁性のセパレータの内側にサドル型の
水平偏向コイルが配され、セパレータの外側に磁性コア
を巻回したトロイダル型の垂直偏向コイルが配される。
また、例えばサドル−サドル式の偏向ヨークでは、セパ
レータの内側にサドル型の水平偏向コイルが配され、セ
パレータの外側にもサドル型の垂直偏向コイルと磁性コ
アが配される。

【０００３】このような偏向ヨークでは、偏向コイルと
磁性コアとの軸が一致するように組立なければならな
い。例えば、サドル−トロイダル式では、水平偏向コイ
ルと磁性コアの軸を一致させ、サドル−サドル式では、
水平及び垂直偏向コイルと磁性コアの軸とを一致させな
ければならない。

【０００４】従来、偏向ヨークの磁性コアの位置決め
は、磁性コアの外径寸法を基準にして行われ、機械的に
偏向コイルとの位置関係を調整し、水平偏向コイルと垂
直偏向コイルとを分離するセパレータにホットメルト系
の接着剤により固定され、一旦陰極線管に設置した後
は、位置の修正は難しかった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記磁性コア
はフェライトを焼成して作られるので、寸法にバラツキ
が生じ易い。このため、単に機械的に位置を決めてセパ
レータに固定したのでは、偏向コイルの中心の軸と磁性
コアの中心の軸とが互いにずれることがあった。この軸
ずれにより、陰極線管の画面において、ミスコンバーゼ
ンスや非対称なラスター歪が発生することがあり、その
対策が問題となっていた。

【０００６】例えば、カラー陰極線管において、偏向ヨ
ークの磁性コアが下にずれた場合には、図２に示すよう
に、赤（Ｒ），青（Ｂ）の側電子ビームＢｒ，Ｂｂは、
画面の周辺部において、ミスコンバーゼンスとラスター
歪１１が生ずる。一般的に、このようなコンバーゼンス
パターンを修正するには、偏向ヨークに補助コイルを追
加したり、磁性片を偏向ヨークに張りつけることが行わ
れているが、ミスコンバーゼンスを補正することができ
ても、磁性コアのずれは何ら修正されないため、ラスタ
ー歪１１はそのまま残り修正がされない。

【０００７】このため、コンピュータやパソコン等の高
精細度ディスプレイ等の用途に用いられる偏向ヨークで
は、フェライトコアを研磨して寸法精度を高める等の対
策を行っているが、この加工に相当な費用を要してい
る。又、補助コイル等を設けたり、磁性片を張りつける
と偏向ヨークの部品点数が増加するので、コストが上昇
し、その調整に手間がかかる等の問題があった。

【０００８】本発明は、上記の点に鑑み、偏向コイルに
対する磁性コイルの位置調整を可能にした、陰極線管の
偏向ヨークを提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明に係る陰極線管の
偏向ヨークは、電子銃側に磁性コアの位置調整機構を設
けた構成とする。この偏向ヨークによれば、偏向コイル
に対する磁性コアの位置の調整が容易となり、コンバー
ジェンス特性が向上し、ラスター歪も解消させることが
可能となる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明に係る陰極線管の偏向ヨー
クは、水平偏向コイル，垂直偏向コイル及び磁性コアを
有し、電子銃側に偏向コイルに対する磁性コアの位置調
整機構が設けられた構成とする。

【００１１】本発明は、上記陰極線管の偏向ヨークにお
いて、磁性コアの位置調整機構が、水平偏向コイルと垂
直偏向コイルとを分離するためのセパレータと一体に成
形されたコア支持体と、このコア支持体を変位させる手
段とからなり、コア支持片により磁性コアの位置を調整
するようにした構成とする。

【００１２】以下、本発明の陰極線管の偏向ヨークの実
施の形態について図面をもとに説明する。図１は本発明
の実施の形態の一構成を示したものである。但し、磁性
コア６の位置を明確にするために、偏向コイルの巻線は
省略され図示されていない。

【００１３】本発明の偏向ヨークは、陰極線管のファン
ネル部を覆うような形状で、例えばプラスチック成形さ
れたセパレータ７と、このセパレータ７の内側に配され
た水平偏向コイル（図示せず）と、セパレータ７の外側
に配された垂直偏向コイル（図示せず）及び磁性コア６
とから成る。水平偏向コイル及び垂直偏向コイルは、セ
パレータ７によって互いに分離されている。

【００１４】偏向コイルの形状は、巻線方式によりサド
ル型とトロイダル型に分けられ、両者が用いられる。例
えば、サドル−トロイダル式の偏向ヨーク１とした場合
には、セパレータ７の内側に、サドル型の水平偏向コイ
ルが配され、セパレータの外側に磁性コア６に巻回した
トロイダル型の垂直偏向コイルが配される。また、例え
ばサドル−サドル式の偏向ヨーク１とした場合には、セ
パレータ７の内側にサドル型の水平偏向コイルが配さ
れ、セパレータ７の外側にサドル型の垂直偏向コイル及
びその上の磁性コア６が配される。

【００１５】磁性コア６は、セパレータの外側に配置
し、その電子銃側の端部にコア支持片４を内接し、例え
ば従来の機械的な方法を用いて位置出しをした状態で、
蛍光面側の端部をホットメルト８接着剤によりセパレー
タ７の前記フランジ部７Ａに固着しておく。

【００１６】そして、本発明においては、特にセパレー
タ７の電子銃側に、偏向ヨークの磁性コア６に内接して
磁性コア６の位置を調整するための位置調節機構３を設
ける。位置調節機構３は、例えば、プラスチック成形さ
れるセパレータ７と一体成形されたコア支持片４と、こ
のコア支持片４を変位させる手段、例えば調整ボルト５
とから成る。コア支持片４は、位置調整時の曲げに対応
できるように、充分な可撓性と磁性コア６を支持する強
度を有するものを用いる。コア支持片４の中央部には、
調整ボルト５取り付け用のネジ穴を設け、調整ボルト５
を取り付ける。

【００１７】コア支持片４は、図示の例では、セパレー
タ７の例えば後部フランジ７Ｂより偏向ヨークの中心軸
に平行して一体に形成し、例えば水平方向に相対向する
位置と、垂直方向に相対向する位置の４か所に設ける。
各コア支持片４には、それぞれ調整ボルト５を取り付け
る。

【００１８】なお、調整ボルト５を円周上等間隔に３〜
４本設置すれば、上下，左右のみならずあらゆる方向に
動かすことができ、又、所定の位置に磁性コア６を保持
することができるが、水平方向に相対向する１対のコア
支持片４を１つの調整ボルト５で調整し、垂直方向に相
対向する１対のコア支持片４を、１つの調整ボルト５で
調整できるように構成することも可能である。

【００１９】上記構成によれば、磁性コア６の製作時の
バラツキにより水平及び／又は垂直の偏向コイルと磁性
コア６の軸がずれていた場合に、位置調整機構３の調整
ボルト５を回すことにより、コア支持片４が湾曲変位し
て磁性コア６内径部を押し上げ、磁性コア６の位置を調
整することができる。即ち、偏向コイルと磁性コア６と
の軸ずれを無くす方向に調整することができる。

【００２０】このように、磁性コア６の位置調整を行う
ことにより、ミスコンバーゼンスとラスター歪が同時に
補正されることになり、コンバーゼンス特性及びラスタ
ー歪性能を向上させることができる。磁性コア６が位置
調整機構３を有することにより、特性の良好な偏向ヨー
クの生産が容易となる。

【００２１】また、偏向ヨークに対する磁性片等の付加
部品が不要となり、偏向ヨークのコスト低減が図られ、
又、上記付加部品による調整の労力が解消される。位置
調整機構３をセパレータ７と一体成形のコア支持片４と
調整ボルト５とで構成する時は、部品点数は増加せず、
偏向ヨーク１を比較的簡単に構成することができる。

【００２２】本発明では、磁性コア６の蛍光面側の端部
は、ホットメルト８接着剤により固定し、電子銃側だけ
可動としているが、ネック側での軸ずれがコンパーゼン
ス，ラスター歪に与える影響が大きいので、前記位置調
整機構３により殆どの歪が修正できる。又、磁性コア６
の蛍光面側の端部は、ホットメルト８接着剤により固定
されるが、仮止めの状態にして、位置調整機構３により
磁性コア６のネック側を動かして位置調整した後、本固
定するようにしてもよい。

【００２３】

【発明の効果】本発明の偏向ヨークによれば、磁性コア
の位置調整機構を有することによって、偏向コイルと磁
性コアの軸がずれている場合にも、簡単な操作で、偏向
コイルに対する磁性コアの位置を微妙に調整し、両者の
軸ずれを改善することができる。従って、ミスコンバー
ゼンスとラスター歪とが同時に修正でき、特性の良好な
偏向ヨークの生産が容易となる。さらに、補正コイル，
磁性片等の付加部品が不要であるので、製造コストも大
幅に低下させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の偏向ヨークの一例を示す構成図であ
る。

【図２】偏向コイルと磁性コアがずれた場合に生ずるミ
スコンバーゼンス及びラスター歪を示す説明図である。

【符号の説明】

１偏向ヨーク、３位置調整機構、４コア支持片、
５調整ボルト、６磁性コア、７セパレータ、８
ホットメルト、

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水平偏向コイル，垂直偏向コイル及び磁
性コアを有し、電子銃側に、前記偏向コイルに対する前
記磁性コアの位置調節機構が設けられて成ることを特徴
とする陰極線管の偏向ヨーク。
【請求項２】前記磁性コアの位置調節機構は、前記水
平偏向コイルと前記垂直偏向コイルを分離するためのセ
パレータと一体に成形されたコア支持片と、該コア支持
片を変位させる手段とからなり、該支持片により前記磁
性コアの位置を調整することを特徴とする請求項１に記
載の陰極線管の偏向ヨーク。