JPH10293095A - 試料ブロックの製造方法及びその装置 - Google Patents

試料ブロックの製造方法及びその装置

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JPH10293095A
JPH10293095A JP9103002A JP10300297A JPH10293095A JP H10293095 A JPH10293095 A JP H10293095A JP 9103002 A JP9103002 A JP 9103002A JP 10300297 A JP10300297 A JP 10300297A JP H10293095 A JPH10293095 A JP H10293095A
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Hideo Yokota
秀夫 横田
Mitsunori Kokubo
光典 小久保
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正弘 湯浅
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Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
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NIPPON BEROO KK
Kanagawa Academy of Science and Technology
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料を検査,観察するのに適した試料ブロッ
クの製造方法を提供する。 【解決手段】 パイプ状保持具2によって試料Sを型枠
1内の所定位置に保持した状態で液状包理剤CLを冷却
して固化させているので、傾きや浮き沈み等の位置ずれ
を確実に防止して、試料Sが適正な位置及び姿勢で内蔵
された試料ブロックSBを得ることができる。また、パ
イプ状保持具2を型枠2内から抜き出すときに形成され
る空間を、該パイプ状保持具2を通じて型枠1内に注入
される液状包理剤CLによって埋めることができるの
で、パイプ状保持具2の跡や気泡が試料ブロックSBに
残ることもない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物,動物,植
物,食品等から選ばれた試料を検査,観察する際に用い
られる試料ブロックを製造する方法と、該試料ブロック
の製造するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生物,動物,植物,食品等の試料を検
査,観察する方法の1つとして、試料とこれを覆う包理
剤とから成る試料ブロックをその一端部側から順次切断
しながら、各切断面をCCDカメラにより撮像し、この
画像データを観察に適したデータに処理してから、試料
の切断面やこれらを合成して得た立体像をモニターに表
示する方法が知られている。試料ブロックの切断には、
試料ブロックを必要量送り込んで回転カッター等によっ
て軸線と直行する方向にスライスする方法が一般に採用
されている。
【0003】上記の試料ブロックは、試料とこれを覆う
包理剤とから成り、試料には医療分野,製薬分野,食品
分野,農業分野,生物分野等から適宜選択された生物,
動物,植物,食品等が用いられている。
【0004】この試料ブロックを製造するときには、ま
ず、図19(a)に示すような型枠101を用意し、型
枠101内に液状包理剤CLを注入して、別途用意して
おいた試料Sを液状包理剤CLの中に浸漬する。型枠1
01は有底角筒状または有底円筒状を成しており、アル
ミニウム等の高熱伝導性の金属材から形成され、分解と
組立を可能としている。また、液状包理剤CLには液状
化と冷却固化を可能とした樹脂,パラフィン等が使用さ
れる。試料浸漬後は、型枠101を冷凍庫に入れ、型枠
101内の液状包理剤CLを試料Sと共に冷却して固化
させる。包理剤固化後は、型枠101を冷凍庫から取り
出し、該型枠101を分解して試料ブロックSBを取り
出す。図19(b)に示すように、試料ブロックSBは
型枠101の内形に応じた角柱状または円柱状の外観形
状を有しており、試料Sは固化包理剤CSによって表面
全体を覆われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の観察試料製
造方法では、型枠101内の液状包理剤CLに試料Sを
浸漬してこれを冷却固化しているだけなので、試料Sを
液状包理剤CL浸漬する課程やこれを冷却固化する課程
において試料Sに位置ずれが発生し、図20(a)に示
すように固化包理剤CS内の試料Sが傾いてしまった
り、図20(a)に示すように試料Sの比重が軽い場合
には該試料Sが浮き上がってしまったり、試料Sの比重
が重い場合には該試料Sが沈んでしまう。
【0006】このような試料ブロックSBでも試料切断
面の検査,観察を行うことは可能ではあるが、所望の試
料切断面を正確に得ることができなくなるため検査,観
察の精度が大きく低下する不具合を生じる。特に、同一
種類の試料に対して検査,観察を行うような場合には、
試料の切断位置や切断形状が試料ブロックSB毎に異な
るため試料Sを相互比較することが基本的にできなくな
る。
【0007】上記の位置ズレを解消する方策として、試
料位置を保持する補助具を試料Sと一緒に型枠101内
に入れて液状包理剤CLを固化することも考えられる
が、補助具によって試料Sを傷つけてしまう恐れが高
く、また、補助具が試料ブロックSB内に残ったままだ
と該補助具がブロック切断の障害になる。また、補助具
を試料ブロックSBから抜き出すようにすると、該試料
ブロックSBに開いた穴によって試料ブロックSBの剛
性が低下して、切断に耐え得るように試料ブロックSB
を支持することが難しくなる。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、試料を検査,観察するの
に適した試料ブロックの製造方法と、該方法実施に好適
な試料ブロックの製造装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る試料ブロックの製造方法は、請求項1
に記載のように、有底筒状の型枠内に収容された液状包
理剤の中に浸漬された試料を、型枠内に挿入されたパイ
プ状保持具によって型枠内の所定位置に保持した状態
で、型枠内の液状包理剤を冷却して固化させる工程と、
液状包理剤が固化した後にパイプ状保持具を加熱してそ
の周囲の固化包理剤を液状化させると共に、パイプ状保
持具による試料保持を解いて該パイプ状保持具を型枠内
から抜き出しながら、該パイプ状保持具を通じて液状包
理剤を型枠内に注入する工程とを備えた、ことをその特
徴としている。
【0010】また、請求項2に記載のように、有底筒状
の型枠内に収容された液状包理剤の中に浸漬された試料
を、開口を通じて型枠内に挿入された保持具によって型
枠内の所定位置に保持した状態で、型枠内の液状包理剤
の型枠開口とは反対側部分を冷却して固化させる工程
と、液状包理剤の型枠開口とは反対側部分が固化して該
固化分によって試料が保持されたところで、保持具によ
る試料保持を解いて該保持具を型枠内から抜き出す工程
とを備えた、ことをその特徴としている。
【0011】請求項1に記載の試料ブロックの製造方法
によれば、パイプ状保持具によって試料を型枠内の所定
位置に保持した状態で液状包理剤を冷却して固化させる
ことができる。パイプ状保持具を型枠内から抜き出すと
きに固化包理剤に空間が形成されるが、該空間は、液状
包理剤をパイプ状保持具の内孔を通じて型枠内に注入す
ることによって埋めることができる。
【0012】また、請求項2に記載の試料ブロックの製
造方法によれば、保持具によって試料を型枠内の所定位
置に保持した状態で液状包理剤を冷却して固化させるこ
とができる。液状包理剤の型枠開口とは反対側部分が固
化して該固化分によって試料が保持されたところで、保
持具による試料保持を解いて該保持具を型枠内から抜き
出すようにしているので、冷却固化される包理剤に保持
具の跡が残ることはない。
【0013】一方、本発明に係る試料ブロックの製造装
置は、請求項3に記載のように、液状包理剤及び試料を
収容可能な有底筒状の型枠と、型枠内への挿入と抜き出
しを可能とし、型枠内に収容された試料を所定位置に保
持可能なパイプ状保持具と、パイプ状保持具を加熱する
ヒータと、パイプ状保持具を介して型枠内に液状包理剤
を注入する注入器と、型枠を冷却可能な冷却器とを備え
た、ことをその特徴としている。
【0014】また、請求項4に記載のように、液状包理
剤及び試料を収容可能な有底筒状の型枠と、開口を通じ
て型枠内への挿入と抜き出しを可能とし、型枠内に収容
された試料を所定位置に保持可能な保持具と、型枠の開
口とは反対側部分を冷却可能な冷却器とを備えた、こと
をその特徴としている。
【0015】さらに、請求項5のように、液状包理剤及
び試料を収容可能な有底筒状の型枠と、開口を通じて型
枠内への挿入と抜き出しを可能とし、型枠内に収容され
た試料を所定位置に保持可能な保持具と、型枠の開口側
部分を加熱可能なヒータと、型枠を冷却可能な冷却器と
を備えた、ことをその特徴としている。
【0016】請求項3に記載の試料ブロックの製造装置
によれば、型枠,パイプ状保持具,ヒータ,注入器及び
冷却器を適宜用いて、請求項1に記載の製造方法を的確
且つ安定に実施することができる。
【0017】また、請求項4に記載の試料ブロックの製
造装置によれば、型枠,保持具,及び冷却器を適宜用い
て、請求項2に記載の製造方法を的確且つ安定に実施す
ることができる。
【0018】さらに、請求項5に記載の試料ブロックの
製造装置によれば、型枠,保持具,ヒータ及び冷却器を
適宜用いて、請求項2に記載の製造方法を的確且つ安定
に実施することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]図1乃至図11は本発明の第1実施形
態に係るもので、図中の1は型枠、2はパイプ状保持
具、3は注入器、4は電源である。
【0020】型枠1は有底角筒状を成しており、アルミ
ニウム等の高熱伝導性の金属材から形成され、図19に
示した従来のものと同様に分解と組立を可能としてい
る。型枠1の対向する側板それぞれには、シール材1a
を介してブッシュ1bが向き合って取り付けられてお
り、各ブッシュ1bにはパイプ状保持具2がそれぞれ水
密状態を保ちながら摺動自在に挿入配置されている。
【0021】パイプ状保持具2は、図2に示すように、
円形パイプ材2aにニクロム線等のヒータ線2aを内蔵
して構成されており、ヒータ線2aの端部は円形パイプ
材2aの端部に設けた端子2cに接続され、該端子2に
は電源コード4aのコネクタ4bが連結されている。
【0022】注入器3はシリンダ3aとピストン3bと
を備え、シリンダ孔には、パイプ状保持具2の端部との
接続を可能としたシリコンチューブ3cが連結されてい
る。ちなみに、この注入器3内には後述する液状包理剤
CLが充填される。
【0023】試料ブロックを製造するときには、まず、
図3に示すように、試料Sを型枠1内に入れ、型枠1内
に挿入可能な2つのパイプ状保持具2を用いて、該試料
Sを型枠1内の所定位置に保持する。そして、型枠1内
に液状包理剤CLをほぼ一杯に充填する。勿論、型枠1
内に液状包理剤CLを充填してから試料Sを挿入して保
持するようにしてもよい。
【0024】上記試料Sは、医療分野,製薬分野,食品
分野,農業分野,生物分野等から適宜選択された生物,
動物,植物,食品等であり、図面では便宜上円柱形で示
してある。また、液状包理剤CLは、ポリビニルアルコ
ールとポリエチレングリコールと水等を混合して調製し
たプラスチックコンパウンドであり、常温では粘性を持
つ透明な液体で、氷点下で白濁した不透明な固体とな
る。勿論、包理剤には、60〜70度以上で透明な液体
となり常温で固体となるパラフィンや、液状化と冷却固
化を可能とした上記以外の材料を用いてよい。
【0025】次に、図4に示すように、試料S及び液状
包理剤CLを収容した型枠1を、図示省略の冷凍庫、ま
たは冷却液を入れた冷却槽(図12参照)の中に入れ、
型枠1内の液状包理剤CLを冷却して固化させる。液状
包理剤CLが固化した後(図中のCSは固化包理剤)は
型枠1を冷凍庫または冷却槽から取り出す。
【0026】次に、図5に示すように、パイプ状保持具
2のヒータ線2aに電源4から電流を流し、パイプ状保
持具2を加熱する。これにより、パイプ状保持具2の周
囲の固化包理材CSが部分的に液状化して、パイプ状保
持具2の抜き出しが可能となる。ヒータ線2aへの通電
は固化包理材CSが部分的に液状化されたところで停止
する。
【0027】次に、図6に示すように、パイプ状保持具
2の端部に液状包理剤CLを充填した注入器3を接続
し、パイプ状保持具2を型枠1から抜き出しながら、パ
イプ抜き出しで形成された空間に、注入器3から液状包
理剤CLを注入する。注入された液状包理剤CLは、図
7に示すように、部分的に液状化した部分と一緒に、固
化包理剤CSが持つ冷熱によって冷却されて固化する。
同方法による固化が充分でない場合には、型枠1を再び
冷凍庫または冷却槽の中に入れて冷却するようにしても
よい。
【0028】全体が固化した後は、型枠1を分解して図
7に示すような試料ブロックSBを取り出す。以上で一
連の製造工程を完了する。
【0029】本第1実施形態によれば、パイプ状保持具
2によって試料Sを型枠1内の所定位置に保持した状態
で液状包理剤CLを冷却して固化させているので、傾き
や浮き沈み等の位置ずれを確実に防止して、試料Sが適
正な位置及び姿勢で内蔵された試料ブロックSBを得る
ことができる。
【0030】また、パイプ状保持具2を型枠1内から抜
き出すときに形成される空間を、該パイプ状保持具2を
通じて型枠1内に注入される液状包理剤CLによって埋
めることができるので、パイプ状保持具2の跡や気泡が
試料ブロックSBに残ることもない。
【0031】尚、上述の第1実施形態では、型枠1内に
挿入された試料Sを2本のパイプ状保持具2で挟み込ん
で保持するものを例示したが、図9に示すように、型枠
1の底板にパイプ状保持具2を配置して3本のパイプ状
保持具2で型枠1内に挿入された試料Sを保持するよう
にしてもよく、勿論、上記本数よりも多いパイプ状保持
具によって試料保持を行うようにしてもよい。
【0032】また、上述の第1実施形態では、パイプ状
保持具2としてヒータ線2aを内蔵したものを例示した
が、図10及び図11に示すように、ヒータロッド5を
パイプ材とは別体で構成し、ヒータロッド5をパイプ状
保持具2の外面に溶接等によって付設したもの(図10
参照)や、ヒータロッド5をパイプ状保持具2内に貫通
配置したもの(図11参照)を用いてもよい。
【0033】[第2実施形態]図12乃至図17は本発
明の第2実施形態に係るもので、図中の11は型枠、1
2は保持具、ts1,ts2は温度センサ、13は冷却
槽である。
【0034】型枠11は有底角筒状を成しており、アル
ミニウム等の高熱伝導性の金属材から形成され、図19
に示した従来のものと同様に分解と組立を可能としてい
る。また、型枠11の4つの側板には各側板を上下に分
断するようにして非金属製の断熱部11aが設けられて
いる。この断熱部11aは、型枠11の断熱部11aの
下の部分と上の部分とを熱伝導を遮るためのものであ
る。さらに、側板上部には保持具12を支えるための支
柱11bが立設されている。
【0035】保持具12は、支柱11bへの着脱を可能
とした旋回アーム12aと、該旋回アーム12aへの着
脱を可能とした保持アーム12bとから成り、保持アー
ム12bの下部には試料Sをクランプするためのクラン
プアーム12cがスプリング12dを介して設けられて
いる。
【0036】温度センサts1,ts2はサーミスタ等
から成り、温度センサts1は型枠11の断熱部11a
よりも下側部分に配置され、同部分の包理剤温度を検出
する。温度センサts2は型枠11の断熱部11aより
も上側部分に配置され、同部分の包理剤温度を検出す
る。
【0037】冷却槽13は、型枠11を収容可能な大き
さを有しており、槽内に冷却器13aが配置され、また
底面には型枠11を支承する突部13bが設けられてい
る。この冷却槽13内には、アルコール系の不凍の冷却
液Aが収容されている。冷却器13aは冷凍回路を構成
する蒸発器等から成り、槽内の冷却液Aを所定温度で冷
却保温する。
【0038】試料ブロックを製造するときには、まず、
図13に示すように、保持具12によってクランプされ
た試料Sを型枠11内に入れ、保持具12を支柱11b
に連結しながら該試料Sを型枠11内の所定位置に保持
する。そして、型枠11内に液状包理剤CLをほぼ一杯
に充填する。勿論、型枠11内に液状包理剤CLを充填
してから試料Sを挿入するようにしてもよい。試料Sと
液状包理剤CLは第1実施形態で説明したものと同じで
ある。
【0039】次に、図14に示すように、試料S及び液
状包理剤CLを収容した型枠11を、冷却槽13の中に
入れる。冷却液Aの液面が断熱部11aよりも下にあ
り、しかも型枠11には断熱部11aが設けられている
ため、型枠11内の液状包理剤CLは冷却液の液面より
も下の部分を主に冷却され、同部分から上方に向かって
固化する。
【0040】固化が進んで、液状部分と固化部分との境
界線BLが試料Sに充分に入り込んだところで、保持具
12による試料クランプを解いて該保持具12を型枠1
1内から抜き出す。ちなみに、上記境界線BLが試料S
に充分に入り込んだか否かは、下側の温度センサts1
の検出温度によって判別される。
【0041】保持具12を型枠11内から抜き出した後
は、図15に示すように、残りの液状包理剤CLが固化
するまで型枠11を冷却槽13内に放置する。ちなみ
に、開口側の液状包理剤CLが固化したか否かは、上側
の温度センサts2の検出温度によって判別される。
【0042】全体が固化した後は、型枠11を分解して
図16に示すような試料ブロックSBを取り出す。以上
で一連の製造工程を完了する。
【0043】本第2実施形態によれば、保持具12によ
って試料Sを型枠11内の所定位置に保持した状態で液
状包理剤CLを冷却して固化させているので、傾きや浮
き沈み等の位置ずれを確実に防止して、試料Sが適正な
位置及び姿勢で内蔵された試料ブロックSBを得ること
ができる。
【0044】また、液状包理剤CLの下側部分が固化し
て該固化分によって試料Sが保持されたところで、保持
具12による試料保持を解いて該保持具12を型枠11
内から抜き出すようにしているので、保持具12の跡や
気泡が試料ブロックSBに残ることもない。
【0045】尚、上述の第2実施形態では、型枠11の
各側板に断熱部11aを設けたものを例示したが、図1
7に示すように、断熱部を有しない第1実施形態同様の
型枠14の上部内側に断熱筒14aを挿入配置して、該
断熱筒14aによって液状包理剤の開口側部分の冷却固
化を遅延させるようにしてもよい。
【0046】[第3実施形態]図18は本発明の第3実
施形態を示すもので、図中の21は型枠、22はヒータ
筒、23は電源、ts3,ts4は温度センサである。
本実施形態には第2実施形態と同様の保持具と冷却槽が
用いられるが図面ではこれを省略してある。
【0047】型枠21は有底角筒状を成しており、アル
ミニウム等の高熱伝導性の金属材から形成され、図19
に示した従来のものと同様に分解と組立を可能としてい
る。また、側板上部には保持具を支えるための支柱11
bが立設されている。
【0048】ヒータ筒22は型枠21の内形と一致した
外形を有する角筒状を成しており、型枠21内の上部に
挿入配置されている。このヒータ筒22には電源23が
接続されている。
【0049】温度センサts3,ts4はサーミスタ等
から成り、温度センサts3は型枠21の下側部分に配
置され、同部分の包理剤温度を検出する。温度センサt
s4は型枠21の上側部分に配置され、その内側のヒー
タ筒温度を検出する。
【0050】試料ブロックを製造するときには、まず、
保持具によってクランプされた試料を型枠21内に入
れ、保持具を支柱21bに連結しながら該試料を型枠2
1内の所定位置に保持する。そして、型枠21内に液状
包理剤をほぼ一杯に充填する。勿論、型枠21内に液状
包理剤を充填してから試料を挿入するようにしてもよ
い。試料と液状包理剤は第1実施形態で説明したものと
同じである。
【0051】次に、試料及び液状包理剤を収容した型枠
21を、冷却槽の中に入れる。冷却液の液面が型枠21
の上下方向中心よりも下にあるため、型枠21内の液状
包理剤は冷却液の液面よりも下の部分を主に冷却され、
同部分から上方に向かって固化する。このときには、ヒ
ータ筒22に電源23から電流を流し、発熱するヒータ
筒22によって液状包理剤の上側部分の冷却を抑制す
る。即ち、液状包理剤の上側部分が固化温度以下になら
ないように、上側の温度センサts4の検出温度に基づ
いてヒータ筒22を発熱させる。
【0052】固化が進んで、液状部分と固化部分との境
界線が試料に充分に入り込んだところで、保持具による
試料クランプを解いて該保持具を型枠21内から抜き出
す。ちなみに、上記境界線が試料に充分に入り込んだか
否かは、下側の温度センサts3の検出温度によって判
別される。
【0053】保持具を型枠21内から抜き出した後は、
ヒータ筒22への通電を停止し、残りの液状包理剤が固
化するまで型枠を冷却槽内に放置する。ちなみに、残り
の液状包理剤が固化したか否かは、上側の温度センサt
s4の検出温度によって判別される。
【0054】全体が固化した後は、型枠21を分解して
試料ブロックを取り出す。以上で一連の製造工程を完了
する。
【0055】本第3実施形態によれば、第2実施形態と
同様の効果を得ることができる。また、ヒータ熱を利用
して液状包理剤の冷却固化を制御しているので、第2実
施形態のような断熱材を用いる場合に比べて制御が用意
であり、試料保持の解除及び保持具の抜き出しを適正な
タイミングで実施できる利点がある。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る試料
ブロックの製造方法及び製造装置によれば、試料が適正
な位置及び姿勢で内蔵され、しかも、保持具の跡や気泡
が内部に全く残っていない、検査,観察に極めて好適な
試料ブロックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す製造装置の構成図
【図2】図1に示したパイプ状保持具の詳細図
【図3】第1実施形態に係る試料ブロックの製造手順を
示す図
【図4】第1実施形態に係る試料ブロックの製造手順を
示す図
【図5】第1実施形態に係る試料ブロックの製造手順を
示す図
【図6】第1実施形態に係る試料ブロックの製造手順を
示す図
【図7】第1実施形態に係る試料ブロックの製造手順を
示す図
【図8】製造された試料ブロックの斜視図
【図9】第1実施形態に係る型枠の他の構造例を示す図
【図10】第1実施形態に係るパイプ状保持具の他の構
造例を示す図
【図11】第1実施形態に係るパイプ状保持具の他の構
造例を示す図
【図12】本発明の第2実施形態を示す製造装置の構成
【図13】第2実施形態に係る試料ブロックの製造手順
を示す図
【図14】第2実施形態に係る試料ブロックの製造手順
を示す図
【図15】第2実施形態に係る試料ブロックの製造手順
を示す図
【図16】製造された試料ブロックの斜視図
【図17】第2実施形態に係る型枠の他の構造例を示す
【図18】本発明の第3実施形態を示す製造装置の構成
【図19】従来の試料ブロック製造手順を示す図
【図20】従来の不具合を示す図
【符号の説明】
1…型枠、2…パイプ状保持具、3…注入器、4…電
源、S…試料、CL…液状包理剤、CS…固化包理剤、
SB…試料ブロック、5…ヒータロッド、11…型枠、
11a…断熱部、ts1,ts2…温度センサ、12…
保持具、13…冷却槽、A…冷却液、14…型枠、14
a…断熱筒、21…型枠、ts3,ts4…温度セン
サ、22…ヒータ枠、23…電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋口 俊郎 神奈川県横浜市都筑区荏田東3−4−26 (72)発明者 工藤 謙一 東京都豊島区巣鴨5−15−16 (72)発明者 横田 秀夫 神奈川県川崎市多摩区菅2−15−7 キャ ピタル稲田堤206 (72)発明者 小久保 光典 静岡県沼津市大岡2068−3 東芝機械株式 会社沼津事業所内 (72)発明者 湯浅 正弘 東京都港区虎ノ門5−3−2 日本ベロー 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物,動物,植物,食品等から選ばれた
    試料とこれを覆う包理剤とから成る試料ブロックを製造
    する方法であって、 有底筒状の型枠内に収容された液状包理剤の中に浸漬さ
    れた試料を、型枠内に挿入されたパイプ状保持具によっ
    て型枠内の所定位置に保持した状態で、型枠内の液状包
    理剤を冷却して固化させる工程と、 液状包理剤が固化した後にパイプ状保持具を加熱してそ
    の周囲の固化包理剤を液状化させると共に、パイプ状保
    持具による試料保持を解いて該パイプ状保持具を型枠内
    から抜き出しながら、該パイプ状保持具を通じて液状包
    理剤を型枠内に注入する工程とを備えた、 ことを特徴とする試料ブロックの製造方法。
  2. 【請求項2】 生物,動物,植物,食品等から選ばれた
    試料とこれを覆う包理剤とから成る試料ブロックを製造
    する方法であって、 有底筒状の型枠内に収容された液状包理剤の中に浸漬さ
    れた試料を、開口を通じて型枠内に挿入された保持具に
    よって型枠内の所定位置に保持した状態で、型枠内の液
    状包理剤の型枠開口とは反対側部分を冷却して固化させ
    る工程と、 液状包理剤の型枠開口とは反対側部分が固化して該固化
    分によって試料が保持されたところで、保持具による試
    料保持を解いて該保持具を型枠内から抜き出す工程とを
    備えた、 ことを特徴とする試料ブロックの製造方法。
  3. 【請求項3】 生物,動物,植物,食品等から選ばれた
    試料とこれを覆う包理剤とから成る試料ブロックを製造
    する装置であって、 液状包理剤及び試料を収容可能な有底筒状の型枠と、 型枠内への挿入と抜き出しを可能とし、型枠内に収容さ
    れた試料を所定位置に保持可能なパイプ状保持具と、 パイプ状保持具を加熱するヒータと、 パイプ状保持具を介して型枠内に液状包理剤を注入する
    注入器と、 型枠を冷却可能な冷却器とを備えた、 ことを特徴とする試料ブロックの製造装置。
  4. 【請求項4】 生物,動物,植物,食品等から選ばれた
    試料とこれを覆う包理剤とから成る試料ブロックを製造
    する装置であって、 液状包理剤及び試料を収容可能な有底筒状の型枠と、 開口を通じて型枠内への挿入と抜き出しを可能とし、型
    枠内に収容された試料を所定位置に保持可能な保持具
    と、 型枠の開口とは反対側部分を冷却可能な冷却器とを備え
    た、 ことを特徴とする試料ブロックの製造装置。
  5. 【請求項5】 生物,動物,植物,食品等から選ばれた
    試料とこれを覆う包理剤とから成る試料ブロックを製造
    する装置であって、 液状包理剤及び試料を収容可能な有底筒状の型枠と、 開口を通じて型枠内への挿入と抜き出しを可能とし、型
    枠内に収容された試料を所定位置に保持可能な保持具
    と、 型枠の開口側部分を加熱可能なヒータと、 型枠を冷却可能な冷却器とを備えた、 ことを特徴とする試料ブロックの製造装置。
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