JPH10292139A - インクジェット記録用インク、記録方法、およびその方法による記録物 - Google Patents

インクジェット記録用インク、記録方法、およびその方法による記録物

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JPH10292139A
JPH10292139A JP9946797A JP9946797A JPH10292139A JP H10292139 A JPH10292139 A JP H10292139A JP 9946797 A JP9946797 A JP 9946797A JP 9946797 A JP9946797 A JP 9946797A JP H10292139 A JPH10292139 A JP H10292139A
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pigment
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Shinichi Kato
真一 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録方法を用いて、記録媒体
に印字したときに、紙種による印字濃度の差を少なく、
印字ムラが少なく、かつ保存安定性が得られるようなイ
ンク組成物の提供。 【解決手段】 インク中に少なくとも顔料、糖類、樹脂
エマルジョンおよび水を含有してなるインクジェット用
インク組成物において、顔料の累積平均径を0.15μ
m以上0.25μm以上とし、すべての粒径が0.03
μm以上0.6μm以下に含まれるものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体にインク
組成物を付着させて印字を行うインクジェット記録用イ
ンク組成物、それを用いたインクジェット記録方法、お
よびその方法によって得られた記録物に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、インク組成
物の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷
を行う印刷方法である。
【0003】インクジェット記録用インクに求められる
特性としては、長期保存中に物性が変化しないこと、微
細なノズルを目詰まりさせないこと、印字物の濃度が高
く鮮明であること、印字物の保存性(耐光性、耐水性な
ど)などが要求されている。
【0004】従来、インクジェット記録用インクとして
は、着色剤として染料を用いられてきたが、染料の性質
上、印字物の耐光性、耐水性に劣る点が指摘されてい
る。そこで、この問題を解決するために、染料に代えて
顔料を用いたインクが提案されている。
【0005】最近のインクジェットプリンターにおいて
は、普通紙対応性を上げるということが課題となってい
るが、紙によってインクの浸透性が異なるために、紙種
によって色濃度が異なるということが問題となってい
る。
【0006】また、それ以外の問題としては、ある紙に
印字したときに、同一の紙上でも印字ムラが発生すると
いうことがある。
【0007】これらの問題を解決する手段として、顔料
粒子の粒径を特定の値にコントロールするという方法が
ある。例えば、特開平4−220473号公報では、平
均粒径が1μm以下の顔料を用いることによって、目詰
まりを起こすことなく、反射濃度の高い印字を得ること
ができることが開示されている。また、特開平8−15
1546号公報においては、顔料粒子中に0.6μm以
上の粒径の粒子が20体積%以下、0.2μm以上の粒
径の粒子が50体積%以上含まれていることが特徴であ
るインクが開示されている。
【0008】特公平8−26261号公報では、顔料粒
子中に0.6μm以上の粒径の粒子が10体積%以下、
0.2μm以下の粒径の粒子が60体積%以上含まれて
いることが特徴であるインクが開示されている。また、
特開平7−331147号公報では、顔料の平均粒径が
0.05〜0.1μmのであり、かつほぼ全ての顔料の
粒径が0.01〜0.3μmの範囲内に分布された記録
用インクが開示されている。
【0009】さらに、特開平6−212106号公報で
は、印字濃度を高め、普通紙上の印字ムラをなくし、印
字品質を向上させる方法として、インク組成物中に顔
料、糖類かつ樹脂エマルジョンを含んでいるインクが開
示されている。
【0010】これらの技術では、紙種による印字濃度の
差を少なくし、印字ムラを少なくし、保存安定性を確保
するというすべての条件を満たすには、いずれも不十分
であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、顔料系イン
クジェット記録用インクであって、保存安定性を保ちつ
つ、紙種による色濃度の差を少なくし、かつ印字物の色
ムラを少なくすることができるインクジェット記録用イ
ンク組成物、それを用いたインクジェット記録方法、お
よびその方法によって得られた記録物を提供することを
目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】従って、本発明ではイン
ク組成物中に少なくとも顔料、糖類、樹脂エマルジョン
および水を含んでいて、顔料の累積平均径が0.15μ
m以上0.25μm以下であるインクジェット記録用イ
ンク組成物を用いることによって、保存安定性を確保し
つつ、紙種による印字濃度の差を少なくすることができ
る。
【0013】また、全ての顔料が粒径0.03μm以上
0.6μm以下の範囲に含まれるようにすることによっ
て、印字物中の色ムラを少なくすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔インク組成物〕本発明において用いられるインク組成
物は、少なくとも顔料、糖類、樹脂エマルジョンおよび
水を少なくとも含有してなる。
【0015】本発明によるインクに添加される顔料とし
ては、特別な制限なしに無機顔料、有機顔料を使用する
ことができる。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸
化鉄に加え、コンタクト法、ファーネスト法、サーマル
法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラッ
クを利用することができる。また、有機顔料としては、
アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔
料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例え
ば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔
料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサ
ジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、
キノフタロン顔料など)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、
アニリンブラックなどを利用することができる。
【0016】本発明による好ましい態様によれば、これ
らの顔料の内、少なくともC.I.ピグメントイエロー
74、109、110、138、 C.I.ピグメント
レッド122、202、209、 C.I.ピグメント
ブルー15:3、60、 C.I.ピグメントブラック
7から選ばれるものを用いる。
【0017】顔料の粒径については、累積平均径が0.
15μm以上0.25μm以下であるものを用い、より
好ましくは累積平均が0.15μm以上0.20μm未
満であるものを用いる。なおここで言う累積平均径と
は、1つの粉体の集合の全体積を100%として累積カ
ーブを求めたとき、その累積カーブが50%となるとき
の径である。別名で中心径またはMedia径と呼ばれるこ
ともあり、一般的に顔料分散液などの微粒子分散体の平
均粒径として用いられることが多い。
【0018】紙種による色濃度の差は、それぞれの空隙
の違いによるものである。よって、紙種による色濃度の
差を少なくするには、紙中の空隙よりも大きい粒径を持
つような顔料を用いて、紙表面上にすべての顔料を残す
ようにすればよい。しかし、顔料粒子があまりに大きす
ぎると、保存安定性を得るのが難しくなり、特に顔料粒
子の沈降が起こりやすくなる。
【0019】よって、本発明では、保存安定性を確保
し、紙種による色濃度の差を少なくするという問題を同
時に実現するような、顔料粒子の粒径範囲を限定したイ
ンク組成物の提供する。
【0020】また、本発明においては、全ての顔料粒子
は粒径0.03μm以上0.6μm以下の範囲に含まれ
ることを特徴とする。このように粒径の範囲を狭くする
と、印字物の色ムラを少なくすることが可能である。
【0021】顔料粒子を分散するには、分散剤などを混
入して、ボールミル、ロールミル、サンドグラインドミ
ルなどの分散機を用いて行われる。今回のように顔料粒
子の粒径をコントロールする方法としては、分散機中に
混入する粉砕メディアの大きさ、充填率を変化させた
り、処理時間や処理速度を変えたり、分散処理後に濾
過、遠心分離で分級するなどがある。または、それらの
手法のいくつかを組み合わせる方法がある。
【0022】本発明の好ましい態様によれば、これらの
顔料は、分散剤または界面活性剤で水性媒体中に分散さ
せて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが
好ましい。好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製
するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を
使用することができる。なお、この顔料分散液に含まれ
る分散剤および界面活性剤がインク組成物の分散剤およ
び界面活性剤としても機能するであろうことは当業者に
明らかであろう。
【0023】高分子分散剤の好ましい例としては天然高
分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、ゼラチ
ン、ガゼイン、アルブミンなどのタンパク質類;アラビ
アゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類;サボニンな
どのグルコシド類;アルギン酸およびアルギン酸プロピ
レングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールア
ミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導
体;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチル
セルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0024】さらに高分子分散剤の好ましい例として合
成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類;ポリビ
ニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アク
リロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロ
ニトリル共重合、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重
合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合
などのアクリル系樹脂;スチレン−アクリル酸共重合
体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタ
クリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチ
レン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチ
レン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸ア
ルキルエステル共重合体などのスチレン−アクリル酸樹
脂;スチレン−マレイン酸;スチレン−無水マレイン
酸;ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体;ビニルナ
フタレン−マレイン酸共重合体;酢酸ビニル−エチレン
共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合
体、酢酸ビニルマレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニ
ルクロトン酸共重合体、酢酸ビニルアクリル酸共重合体
などの酢酸ビニル系共重合体およびこれらの塩が挙げら
れる。これらのなかで、特に疎水性基を持つモノマーと
親水性基とを合わせ持ったモノマーからなる共重合体が
好ましい。上記の塩としては、ジエチルアミン、アンモ
ニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミ
ン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルア
ミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリ
ンなどとの塩が挙げられる。これらの共重合体は、重量
平均分子量が3,000〜30,000であるのが好ま
しく、より好ましくは5,000〜15,000であ
る。
【0025】また、分散剤として好ましい界面活性剤の
例としては、脂肪酸塩類、高級アルキルジカルボン酸
塩、高級アルコール硫酸エステル塩類、高級アルキルス
ルホン酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、スルホ琥
珀酸エステル塩、ナフテン酸塩、液体脂肪油硫酸エステ
ル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類などの陰イオン
界面活性剤;脂肪酸アミン塩、第四アンモニウム塩、ス
ルホニウム塩、ホスホニウムなどの陽イオン界面活性
剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタ
ンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンアルキルエ
ステル類、ポリオキシエチレンソルビタナルキルエステ
ル類などの非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
【0026】これらの分散剤の添加量は、顔料1に対し
て0.06〜3重量%の範囲が好ましく、より好ましく
は0.125〜3重量%の範囲である。
【0027】インクへの顔料の添加量は、0.5〜25
重量%程度が好ましく、より好ましくは2〜15重量%
程度である。
【0028】本発明のインク組成物は、糖を含有するこ
とを特徴とする。糖類の例としては、単糖類、二糖類、
オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類
があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フル
クトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラ
クトース、アルドン酸、グルシシール、ソルビット、マ
ルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、ト
レハロース、マルトトリオース、などがあげられる。こ
こで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−
シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在
する物質を含む意味に用いることとする。
【0029】また、これらの糖類の誘導体としては、前
記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式H
OCH2(CHOH)nCH2OH(ここで、n=2〜5
の整数をあらわす)で表わされる)、酸化糖(例えば、
アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などが
あげられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例とし
てはマルチトール、ソルビットなどがあげられる。
【0030】これら糖類の含有量は、インクの0.1〜
40重量%、好ましくは0.5〜30重量%の範囲が適当
である。
【0031】本発明のインク組成物は、樹脂エマルジョ
ンを含有することを特徴とする。ここで、樹脂エマルジ
ョンとは連続相が水であり、分散相が次のような樹脂成
分であるエマルジョンを意味する。分散相の樹脂成分と
しては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン
−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−ス
チレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、架
橋アクリル樹脂、エポキシ樹脂、などが挙げられる。
【0032】本発明の好ましい態様によれば、この樹脂
は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるの
が好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマル
ジョンを形成する限り特に限定されないが、150nm
程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程
度である。
【0033】これらの樹脂エマルジョンは、樹脂モノマ
ーを、場合によって界面活性剤とともに水中で分散重合
することによって得ることができる。例えば、アクリル
系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂のエマルジョン
は、(メタ)アクリル酸エステル、または(メタ)アク
リル酸エステルおよびスチレンを、界面活性剤とともに
水中で分散重合させることによって得ることができる。
樹脂成分と界面活性剤との混合の割合は、通常10:1
〜5:1程度とするのが好ましい。界面活性剤の使用量
が前記範囲にあることでより良好なインクの耐水性、浸
透性が得られる。界面活性剤の好ましい例としては、ア
ニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼルスルホン
酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩な
ど)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレナルキルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレナルキルアミン、ポリオキシエチレナルキ
ルアミドなど)があげられ、これらを単独または二種以
上を混合して用いることができる。また、アセチレング
リコール(オレフィンY、ならびにサーフィノール8
2、104、440、465および485(いずれもAi
r Products and Chemicals Inc. 製))を用いることも
可能である。
【0034】また、分散相成分としての樹脂と水との割
合は、樹脂100重量部に対して水60〜400重量
部、好ましくは100〜200の範囲が適当である。
【0035】このような樹脂エマルジョンとして、公知
の樹脂エマルジョンを用いることも可能であり、例えば
特公昭62−1426号、特開平3−56573号、特
開平3−79678号、特開平3−160068号、特
開平4−18462号各公報などに記載の樹脂エマルジ
ョンをそのまま用いることができる。
【0036】また、市販の樹脂エマルジョンを使用する
ことも可能であり、例えばマイクロジェルE−1000
2、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジ
ョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001
(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業
株式会社製)ボンコート5454(スチレン−アクリル
系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社
製)SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマ
ルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK
−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学
株式会社製)、などがあげられる。
【0037】本発明に使用するインクは、樹脂エマルジ
ョンを、その樹脂成分がインクの0.1〜40重量%とな
るよう含有するのが好ましく、より好ましくは1〜25
重量%の範囲である。
【0038】本発明の好ましい態様によれば、インク組
成物は有機溶媒を含んでなるのが好ましい。この有機溶
媒は、好ましくは低沸点有機溶剤であり、その好ましい
例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルア
ルコール、iso−ブタノール、n−ブタノール、sec−ブ
タノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−
ペンタノール、などがあげられる。特に一価のアルコー
ルが好ましい。低沸点有機溶媒は、インクの乾燥時間を
短くする効果がある。
【0039】また、本発明の好ましい態様によれば、本
発明に使用するインク組成物は、さらに高沸点有機溶媒
からなる湿潤剤を含んでなることが好ましい。高沸点有
機溶媒の好ましい例としては、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピ
レングリコール、ブチレングリコール、1、2、6−ヘ
キサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコ
ール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパンなどの多価アルコール類;エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレング
リコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール
モノブチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエ
ーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピ
ロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
トリエタノールアミンなどが挙げられる。
【0040】これら湿潤剤の添加量は、インクの0.5〜
40重量%程度が好ましく、より好ましくは2〜20重
量%の範囲である。また、低沸点有機溶媒剤の添加量は
インクの0.5〜10重量%程度が好ましく、より好まし
くは1.5〜6重量%の範囲である。
【0041】さらに本発明によるインクには、インクの
諸物性を改善するために、必要に応じて適当な添加剤を
添加することができる。添加剤の具体例としては、粘度
調整剤、表面張力調整剤pH調製剤、防腐剤、防かび剤
などが挙げられる。
【0042】本発明によるインクは、前記成分を適当な
方法で分散、混合することによって製造することができ
る。好ましくは、有機溶剤および揮発性の成分を除いた
混合物を、適当な分散機(例えば、ボールミル、サンド
ミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル、
ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイ
ザー、ジェットミル、オングミルなど)で混合し、均質
な組成物としてから、有機溶剤および揮発性の成分を添
加するのが好ましい。その後、目詰まりの原因となる粗
大粒子および異物を除去するためにろ過(好ましくは金
属フィルター、メンブランフィルターなどを用いた減圧
または加圧ろ過)または遠心分離に付すのが好ましい。
【0043】〔インクジェット記録方法〕本発明による
インクジェット記録方法は、記録液室壁面の一部に物理
的な力を与えることによって液滴を形成し、インクをイ
ンクジェットヘッドのノズルより吐出させ、媒体上に付
着させて、記録する方法である。
【0044】
【実施例】本発明を以下の実施例によって詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。イン
クの調整は以下のような組成で、顔料を分散剤とともに
分散した後、他の成分を加え混合し、一定以上の大きさ
の不溶成分をろ過して、インク組成物とした。累積平均
径および粒径範囲は、Microtrac 9230
UPA(リーズ&ノースラップ社製)で測定した。
【0045】(実施例1) 顔料 C.I.ピグメントブルー15:3 2wt% 液媒体スチレン -アクリル共重合体・アンモニウム塩 1.5wt%
(分子量7000、樹脂成分38wt%:分散剤) グランドールPP−1000 7wt%
(大日本インキ(株)製、スチレン-アクリル樹脂エマルシ゛ョン、樹脂成
分45%) マルチトール 7wt% グリセリン 10wt% 2−ピロリドン 2wt% イオン交換水 残量 累積平均径=0.19μm 粒径範囲 0.04μm〜0.6μm (比較例1)実施例1と同様の組成で累積平均径および
粒径範囲が異なるもの 累積平均径=0.09μm 粒径範囲 0.01μm〜0.6μm (実施例2) 顔料 C.I.ピグメントレッド122 3wt% 液媒体スチレン -アクリル共重合体・アンモニウム塩 1.5wt%
(分子量7000、樹脂成分38wt%:分散剤) ボンコート5454 5wt%
(大日本インキ(株)製、スチレン-アクリル樹脂エマルシ゛ョン、樹脂成
分45%) マルチトール 7wt% グリセリン 10wt% 2−ピロリドン 2wt% ハイテノール325D 0.8wt% イオン交換水 残量 累積平均径=0.24μm 粒径範囲 0.05μm〜0.6μm (比較例2)実施例2と同様の組成で累積平均径および
粒径範囲が異なるもの 累積平均径=0.14μm 粒径範囲 0.03μm〜0.4μm (実施例3) 顔料 C.I.ピグメントイエロー138 2wt%スチレン -アクリル共重合体・アンモニウム塩 1.5wt%
(分子量7000、樹脂成分38wt%:分散剤) ボンコート5454 5wt%
(大日本インキ(株)製、スチレン-アクリル樹脂エマルシ゛ョン、樹脂成
分45%) マルチトール 7wt% グリセリン 10wt% 2−ピロリドン 2wt% サーフィノール465 0.8wt% イオン交換水 残量 累積平均径=0.17μm 粒径範囲 0.08μm〜0.4μm (比較例3)実施例3と同様の組成で累積平均径および
粒径範囲が異なるもの 累積平均径=0.44μm 粒径範囲 0.08μm〜1.0μm 〔評価試験〕上記で得たインクジェット記録用インクの
特性を次のように評価した。
【0046】(a)保存安定性 ラボラン・スクリュウ管瓶にインク50ccを入れ、実
施例1〜3ならびに比較例1〜3のインクを50℃の環
境下において2ヶ月間放置し、沈降物の有無および粘度
の変化を調べた。その結果は、表に示される通りであ
る。 (評価基準) A:沈降物、粘度変化ともになし、 B:沈降物は発生するが、粘度変化はなし、 C:沈降物、粘度変化ともに発生。
【0047】(b)紙種による印字濃度の差 インクジェットプリンターMJ−700V2C(セイコ
ーエプソン株式会社製)を用いて、以下の各紙に100
%dutyで印字を行った。MacbethPCMII
(マクベス社製)を用いて、印字部の任意の5点のOD
値を測定し、その平均値を求めた。以下の6種類の紙の
中で、OD値が最大のものと、最少のものの差を求めた。
この差が、0.2未満であると普通紙対応性に優れ、さ
らには0.1未満が好ましい。その結果は、表に示され
る通りである。 (評価紙) Xerox P(ゼロックス(株)製) Ricopy 6200(リコー(株)製) Xerox 4024 3R 721(ゼロックス(株)製) Neenah Bond(キンバリークラーク社製) Xerox R(ゼロックス(株)製) やまゆり(本州製紙(株)製) (評価基準) A:最大と最少のOD値の差が0.1未満、 B:最大と最少のOD値の差が0.1以上0.2未満、 C:最大と最少のOD値の差が0.2以上。
【0048】(c)印字ムラ インクジェットプリンターMJ−700V2C(セイコ
ーエプソン株式会社製)を用いて、Xerox P紙
(登録商標、ゼロックス株式会社製)に100%dut
yで印字を行った。 Macbeth PCMII(マ
クベス社製)を用いて、印字部の任意の5点のOD値を
測定し、その平均値を求めた。この手順を5回繰り返
し、5つの平均値の最大値と最小値の差を求めた。この
差が、0.5未満であると実用上問題なく、さらには
0.4未満が好ましい。その結果は、表に示される通り
である。 (評価基準) A:OD値の差が0.4未満、 B:OD値の差が0.4以上〜0.5以下、 C:OD値の差が0.5を越える。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明のインクジェット用インク組成物
を用いることによって、保存安定性が良好で、紙種によ
る印字濃度の差が少なく、かつ印字ムラの少ないインク
組成物を得ることができた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、糖類、樹脂エマルジョンおよび水
    を少なくとも含有してなるインクジェット記録用インク
    組成物において、 顔料の累積平均径が0.15μm以上0.25μm以下
    であるインクジェット記録用インク組成物。
  2. 【請求項2】 顔料の累積平均径が0.15μm以上
    0.20μm未満である請求項1に記載のインクジェッ
    ト記録用インク組成物。
  3. 【請求項3】 前記顔料の粒径が0.03μm以上0.
    6μm以下の範囲にほとんどすべてが含有されるような
    請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 前記顔料が、少なくともC.I−ピグメン
    トイエロー74、109、110、138、C.I−ピグ
    メントレッド122、202、209、 C.I−ピグメ
    ントブルー15:3、60、 C.I−ピグメントブラッ
    ク7から選ばれるものである、請求項1〜3のいずれか
    一項に記載のインクジェット用インク組成物。
  5. 【請求項5】 インク組成物の液滴を記録ヘッドから吐
    出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインク
    ジェット記録方法であって、インク組成物として請求項
    1〜4のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、
    インクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の方法によって印字され
    た、記録物。
JP9946797A 1997-04-16 1997-04-16 インクジェット記録用インク、記録方法、およびその方法による記録物 Withdrawn JPH10292139A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000160073A (ja) * 1998-11-24 2000-06-13 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク組成物
JP2000290553A (ja) * 1999-04-06 2000-10-17 Seiko Epson Corp 安定性に優れたインク組成物

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