JPH10292133A - 透光性イエロー粉体塗料 - Google Patents

透光性イエロー粉体塗料

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JPH10292133A
JPH10292133A JP9930897A JP9930897A JPH10292133A JP H10292133 A JPH10292133 A JP H10292133A JP 9930897 A JP9930897 A JP 9930897A JP 9930897 A JP9930897 A JP 9930897A JP H10292133 A JPH10292133 A JP H10292133A
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JP
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yellow
powder coating
pigment
powder
acid
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JP9930897A
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Takahiro Ishihara
隆博 石原
Norio Horigami
憲生 堀上
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
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Mita Industrial Co Ltd
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    • C09D5/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes
    • C09D5/03Powdery paints
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色味が濃くて鮮やかな発色をし、かつ調色を
行った際に色再現性が低下しない十分な透光性を有して
おり、しかも帯電特性や耐光性、耐熱性にすぐれるため
良好な塗膜を形成しうる透光性イエロー粉体塗料を提供
する。 【解決手段】 透光性イエロー粉体塗料を構成する結着
樹脂、電荷制御剤、着色剤として、下記の4種の組み合
わせのうちのいずれかを採用する。 電荷制御剤:C.I.ソルベントイエロー56 着色剤:アセト酢酸アリリド系の黄色顔料 結着樹脂:ポリエステル樹脂 電荷制御剤:C.I.ソルベントイエロー33 着色剤:アセト酢酸アリリド系の黄色顔料 電荷制御剤:C.I.ソルベントイエロー33また
は56と、第4級アンモニウム塩 結着樹脂:ポリエステル樹脂 着色剤:C.I.ピグメントイエロー1または73

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、色再現性が良好
な透光性イエロー粉体塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗料は、彩色や光沢の付与といった美粧
的効果だけでなく、耐湿性、耐薬品性、殺菌性などの点
で、被塗物の保護のためにも大きく貢献する。上記塗料
としては、有機溶剤や水等を用いた溶液系あるいはエマ
ルジョン系の液状塗料が一般的であるが、最近の環境保
護や安全に対する関心の増加にともなって、溶剤を必要
としない粉体塗料が注目されつつある。
【0003】粉体塗料を用いた塗装法には、(A) 当該粉
体塗料を、加熱した被塗物と接触させて溶融、付着させ
る流動浸漬法、(B) 粉体塗料を帯電させて被塗物に静電
付着させた後、加熱溶融させて連続した塗膜を形成する
静電塗着法、および(C) 上記流動浸漬法と静電塗着法と
を組みあわせた静電流動浸漬法などがある。
【0004】しかし粉体塗料は、これまでの液状塗料と
違って塗装現場で簡単に調色ができないために、実用性
が不十分であるとされてきた。すなわち粉体塗料の調色
は従来、結着樹脂や着色剤等の成分を混合し、溶融、混
練したのち冷却、粉砕、分級するという多くの工程を経
る粉体塗料の製造時にのみ行うことができ、その後の調
色は困難であるため、液状塗料における塗装現場での微
妙な調色と同様の効果をえるには、少しずつ色味の違う
粉体塗料を数多く用意する必要があり、そのようなこと
は大変な時間と労力とを必要とするために、とくに生産
効率や製造コスト等の点で実用的でなかった。
【0005】たとえば1つの製造設備を用いて色味の違
う粉体塗料を製造する場合は、先に製造していた粉体塗
料の色味の影響がでないように、その製造の最後にいわ
ゆる空うち、つまり無色の樹脂による本製品でないもの
の製造を行ったのち、製造設備を一旦、停止して、設備
の隅々まで清掃し、次いで新たな色味の粉体塗料を、そ
の色味が安定するまで再び空うちし、色味が安定しては
じめて本生産に入るといった時間と労力とそして材料の
むだを生じることになり実用的でない。また色味の数だ
け製造設備を用意するのはそれ以上のむだであって、さ
らに実用的でない。
【0006】そこで近時、平均粒径が10μm以下とい
うごく微小粒径の着色粉体を2色以上、乾式混合して色
合わせしたのち、粉体塗料としての使用に適した粒径ま
で造粒して使用する方法が提案された(特開平7−18
8586号公報)。かかる方法によれば、工場で製造す
る着色粉体の色以外の色味の粉体塗料を、簡単に製造す
ることができる。
【0007】しかし上記の方法で用いる着色粉体は、た
とえばその製造例の組成からも明らかなように高い隠蔽
性を有するため、2色以上の混合により調色できる範
囲、いわゆる色再現幅が限られており、自在に調色を行
うには、従来ほどではないにしろ依然として、色味の違
う着色粉体を数多く用意しなければならないという問題
がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開平8−18391
6号公報には、主として金属の表面の光沢を活かすため
に、高い透光性を有する粉体塗料を使用することが提案
されており、発明者らは、この技術について種々検討し
た結果、透光性の粉体塗料を使用すれば、色再現幅が拡
がって、ごく少ない種類の色味の粉体塗料の混合によっ
て自在に調色を行える可能性があることを見出した。
【0009】すなわち、色の3原色であるシアン、マゼ
ンタ、イエローの3色の透光性粉体塗料、あるいはシア
ン、マゼンタ、イエローにブラックを加えた4色の透光
性粉体塗料をいずれか1色単独で、あるいは2色以上、
混合あるいは積層して、たとえば白色の被塗物上に塗着
したのち焼き付ければ、自在な色調の塗膜を形成するこ
とが可能である。また、あらかじめ着色された被塗物上
に、上記各色やそれ以外の色の透光性粉体塗料を塗着し
て焼き付ければ、その色や膜厚等に応じて、先の色調の
微妙な調色が可能となる。
【0010】しかし、前記先行技術に開示された透光性
粉体塗料は、下地である金属の風合いの保持と、そのた
めの透光性の向上とを重要視するあまり、樹脂100重
量部に対して着色剤を0.001〜0.5重量部と、通
常の粉体塗料における着色剤の含有割合の1/100程
度にしているため、色味が薄く、鮮やかな色が出せない
という問題があった。
【0011】また、上記の欠点を補うために着色剤の含
有量を単純に増加させると透光性が低下して、調色を行
った際の色再現性が低下するという、別の新たな問題を
生じることが判明した。また前述した粉体塗装法のうち
静電塗着法においては、粉体塗料を被塗物に吹き付けて
静電付着させるために粉体スプレーガンが用いられ、当
該粉体スプレーガンは、粉体塗料を帯電させる方式の違
いによってコロナ帯電式(コロナ帯電ガン)と摩擦帯電
式(摩擦帯電ガン)に分類されるが、そのうち摩擦帯電
ガンを用いた塗装に使用する粉体塗料には、その摩擦帯
電特性を改善すべく、より詳しくは絶対的な帯電量を高
く、かつその帯電量が環境条件の変化に左右されずに安
定するように、当該粉体塗料の帯電極性にあわせた極性
の電荷制御剤が含有される。
【0012】たとえばその内壁面に、粉体塗料を摩擦帯
電させる帯電部材としてふっ素樹脂を配置した摩擦帯電
ガンの場合、粉体塗料は、ふっ素樹脂との摩擦によって
正に帯電するため、当該正帯電性の粉体塗料に含有させ
る電荷制御剤としては、たとえば第4級アンモニウム塩
等の正電荷制御剤が用いられる。ところが電荷制御剤を
含有させた粉体塗料は、個々の帯電量のばらつきが大き
く、つまり帯電量分布がブロードになって、帯電量が不
十分な低帯電粉体や、あるいは逆の極性に帯電する逆帯
電粉体等を生じやすく、これら低帯電粉体や逆帯電粉体
が原因となって、かえって被塗物への塗着効率が低下す
るおそれのあることが明らかとなった。
【0013】これは、通常の電荷制御剤が、その高い極
性ゆえに粉体塗料を構成する結着樹脂に対する相溶性、
分散性がいま一つ十分でなく、結着樹脂中での濃度分布
が不均一になりやすいことが原因であると考えられる。
つまり前述した粉体塗料の製造方法のうち溶融、混練工
程後の結着樹脂中で、上記のように電荷制御剤の濃度分
布に不均一が生じると、これを粉砕、分級してえた粉体
塗料は、電荷制御剤の濃度の高いものや低いもの、ある
いは電荷制御剤を全く含まないもの等が生じ、それに応
じて帯電量分布がブロードになって、前記のような問題
を生じるのである。
【0014】また、静電塗着法による通常の粉体塗装に
おいては、被塗物に静電付着しなかった粉体塗料は回収
して再利用されるが、上記のように帯電量分布がブロー
ドな粉体塗料の場合は、被塗物に静電付着しなかった粉
体塗料のかなりの部分が、前述した低帯電粉体や逆帯電
粉体であるため、これを再利用しても結局のところ被塗
物に静電付着されずに、再び回収される可能性が高い。
【0015】しかも、回収と再利用を繰り返すほど、上
述した低帯電粉体や逆帯電粉体の割合が増加することに
なるため、それにともなってさらに被塗物への塗着効率
が低下するおそれもある。そこで上記の問題を解決すべ
く、電荷制御剤の含有量を増加して、低帯電粉体や逆帯
電粉体の発生を抑制することが検討されたが、前述した
透光性の粉体塗料においては、電荷制御剤の含有量を増
加させると、当該電荷制御剤の色味がでたり、あるいは
無色の電荷制御剤であっても、結着樹脂との相溶性、分
散性が悪いために白濁を生じたりして、色味が大きく変
化するという問題を生じるおそれがあった。
【0016】この発明の主たる目的は、色味が濃くて鮮
やかな発色をすることができ、しかも調色を行った際に
色再現性が低下しない十分な透光性のある透光性イエロ
ー粉体塗料を提供することである。またこの発明の他の
目的は、とくに摩擦帯電ガンを用いて静電塗着した際の
帯電量が高く、かつその帯電量が環境条件の変化に左右
されずに安定しているとともに帯電量分布がシャープ
で、低帯電粉体や逆帯電粉体等を生じるおそれのない透
光性イエロー粉体塗料を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、発明者らは、透光性イエロー粉体塗料を構成する結
着樹脂や着色剤、あるいは摩擦帯電ガンに用いる粉体塗
料についてはさらに電荷制御剤について、種々検討を行
った。その結果、主として摩擦帯電ガンに用いる粉体塗
料においては、それ自体がイエロー粉体塗料の色相に近
い色調を有する、カラーインデックスによってC.I.
ソルベントイエロー56に分類される黄色染料を電荷制
御剤として使用するとともに、黄色着色剤として、アセ
ト酢酸アリリド系モノアゾ顔料、およびアセト酢酸アリ
リド系ジスアゾ顔料のうちの少なくとも一方を使用する
と、前記の目的を達成しうることを見出した。
【0018】つまりC.I.ソルベントイエロー56に
分類される黄色染料は正の電荷制御剤としての機能を有
しているとともに、上記のようにそれ自体がイエロー粉
体塗料の色相に近い色調を有するために、従来の電荷制
御剤のように粉体塗料の色味に影響しないだけでなく、
黄色着色剤とともに、調色を行った際に色再現性が低下
しない十分な透光性を維持しつつ粉体塗料の色味を濃
く、かつ鮮やかにするために作用する。
【0019】一方、上述したアセト酢酸アリリド系の黄
色顔料は、イエロー粉体塗料に最適な色相を有し、調色
を行った際に色再現性が低下しない十分な透光性を維持
しつつ粉体塗料の色味を濃く、かつ鮮やかにしうるもの
であるとともに、C.I.ソルベントイエロー56ほど
ではないが、正の電荷制御剤としての機能をも有してい
る。
【0020】したがって上記両者を併用すれば、色味が
濃くて鮮やかな発色をすることができ、かつ調色を行っ
た際に色再現性が低下しない十分な透光性がある上、と
くに摩擦帯電ガンを用いて静電塗着した際の帯電量が高
く、かつその帯電量が環境条件の変化に左右されずに安
定しているとともに帯電量分布がシャープで、低帯電粉
体や逆帯電粉体等を生じるおそれのない透光性イエロー
粉体塗料がえられるのである。
【0021】よってこの発明の透光性イエロー粉体塗料
は、結着樹脂中に、電荷制御剤として、カラーインデッ
クスによってC.I.ソルベントイエロー56に分類さ
れる黄色染料を含有するとともに、着色剤として、アセ
ト酢酸アリリド系モノアゾ顔料、およびアセト酢酸アリ
リド系ジスアゾ顔料のうちの少なくとも一方を含有する
ことを特徴とするものである。
【0022】また発明者らは、結着樹脂としてポリエス
テル樹脂を使用した系では、上記C.I.ソルベントイ
エロー56に分類される黄色染料に代えて、当該ポリエ
ステル樹脂との相溶性、分散性にすぐれた、カラーイン
デックスによってC.I.ソルベントイエロー33に分
類される黄色染料を、正の電荷制御剤として使用して
も、上記と同様の効果がえられることを見出した。
【0023】よってこの発明の他の透光性イエロー粉体
塗料は、結着樹脂としてのポリエステル樹脂中に、電荷
制御剤として、カラーインデックスによってC.I.ソ
ルベントイエロー33に分類される黄色染料を含有する
とともに、着色剤として、アセト酢酸アリリド系モノア
ゾ顔料、およびアセト酢酸アリリド系ジスアゾ顔料のう
ちの少なくとも一方を含有することを特徴とするもので
ある。
【0024】また発明者らは、上記C.I.ソルベント
イエロー33および/またはC.I.ソルベントイエロ
ー56に分類される黄色染料を、正の電荷制御剤として
の機能にすぐれ、かつそれ自体は無色あるいは淡色であ
る第4級アンモニウム塩とともに電荷制御剤として併用
すると、多量に添加した場合には前記のように粉体塗料
を白濁させたりするおそれのある第4級アンモニウム塩
の量は、上記の白濁等を生じない範囲に維持しつつ、し
かも第4級アンモニウム塩を単独で使用した場合より
も、その帯電特性をさらに改善できることを見出した。
【0025】なお上記の系では、上記のように電荷制御
剤としての機能にすぐれた第4級アンモニウム塩を使用
するので、着色剤は、前述したように電荷制御剤として
の機能を有するアセト酢酸アリリド系の黄色顔料には限
定されない。したがってこの発明のさらに他の透光性イ
エロー粉体塗料は、結着樹脂中に、電荷制御剤として、
(a) 第4級アンモニウム塩と、(b) カラーインデックス
によってC.I.ソルベントイエロー33に分類される
黄色染料、およびC.I.ソルベントイエロー56に分
類される黄色染料のうちの少なくとも一方とを含有する
とともに、着色剤として、上記黄色染料以外の黄色着色
剤を含有することを特徴とするものである。
【0026】さらに発明者らは、前述したアセト酢酸ア
リリド系の黄色顔料の中でもとくに、カラーインデック
スによってC.I.ピグメントイエロー1および/また
はC.I.ピグメントイエロー73に分類される黄色顔
料が、とくにポリエステル樹脂との相溶性、分散性にす
ぐれており、当該ポリエステル樹脂中に微粒子状に分散
されるため、結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用し
た系において、上記2種の黄色顔料のうちの少なくとも
一方を黄色着色剤として使用した場合には、とくに色味
が濃くて鮮やかな発色をすることができ、しかも調色を
行った際に良好な色再現性を発揮しうる高い透光性を有
する透光性イエロー粉体塗料がえられることを見出し
た。
【0027】また、上記2種の黄色顔料のうちの少なく
とも一方をポリエステル樹脂と組み合わせた際には、形
成される塗膜の耐光性や耐熱性が向上することも明らか
となった。なお上記の構成は、摩擦帯電ガンに用いる粉
体塗料には限定されず、コロナ帯電ガンに用いる粉体塗
料にも適用可能であり、電荷制御剤の有無、および種類
は限定されない。
【0028】よってこの発明のさらに他の透光性粉体イ
エロー塗料は、結着樹脂としてのポリエステル樹脂中
に、着色剤として、カラーインデックスによってC.
I.ピグメントイエロー1に分類される黄色顔料、およ
びC.I.ピグメントイエロー73に分類される黄色顔
料のうちの少なくとも一方を含有することを特徴とする
ものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、この発明を説明する。 [1] まず、この発明の透光性イエロー粉体塗料のう
ち、電荷制御剤として、C.I.ソルベントイエロー5
6に分類される黄色染料を使用するとともに、黄色着色
剤として、アセト酢酸アリリド系の黄色顔料を用いたも
のについて説明する。
【0030】上記この発明の透光性イエロー粉体塗料に
おける結着樹脂としては、粉体塗料に用いられる従来公
知の種々の樹脂の中から、透光性にすぐれ、かつ被塗物
への塗着時あるいは塗着後の加熱によって溶融して連続
した塗膜を形成しうる種々の樹脂が、いずれも使用可能
である。かかる結着樹脂としては、これに限定されない
がたとえば、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ
−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重
合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチ
レン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重
合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレ
ン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸
エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合
体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン
−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタク
リル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、
スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メ
タクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロ
ルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニト
リル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂
(スチレンまたはスチレン置換体を含む単独重合体また
は共重合体)、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、
アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル等のアク
リル系樹脂〔(メタ)アクリル酸およびそのエステルを
主体とする単独重合体または共重合体〕、ポリ塩化ビニ
ル、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、
エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリビニルブチ
ラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等があげられ、こ
れらが単独で、または2種以上混合して用いられる。
【0031】上記のなかでもとくに好適な結着樹脂とし
ては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂およびポリエス
テル樹脂があげられ、このうちでもとくに(i) 一般式
(1) :
【0032】
【化1】
【0033】〔式中、R1 およびR2 は同一または異な
る低級アルキレン基を示す。xおよびyは同一または異
なって0または1以上の整数を表し、かつx+yは1〜
7である。〕で表されるジオール成分と、(ii) ジカル
ボン酸、その酸無水物または低級アルキルエステルと、
(iii) 3価以上の多価カルボン酸、その酸無水物もしく
は低級アルキルエステル、または3価以上の多価アルコ
ールとを共重縮合してなり、かつその酸価(AV)に対
する水酸基価(OHV)の割合OHV/AVの値が1.
2以上であるポリエステル樹脂が、好適な結着樹脂とし
てあげられる。
【0034】なお上記のポリエステル樹脂において、一
般式(1) 中のR1 およびR2 に相当する低級アルキレン
基としては、たとえばメチレン、エチレン、トリメチレ
ン、プロピレン、テトラメチレン、エチルエチレン、ペ
ンタメチレン、ヘキサメチレン等の炭素数1〜6のアル
キレン基があげられる。一般式(1) 中のx+yは、前記
のように1〜7であり、好ましくは3〜5である。x+
yが7を超えた場合には、ジオール成分の分子量が大き
くなりすぎて、塗膜の透光性が低下するといった問題を
生じる。
【0035】一般式(1) で表されるジオール成分として
は、たとえばポリオキシプロピレン(2.2)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキ
シプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ポリオキシプロピレン(2)−ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ポリオキシプロピレン(6.0)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等があげられる。
【0036】ジカルボン酸としては、たとえばシュウ
酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸、グルタコン酸、
アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メ
サコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸
等があげられる。これらのジカルボン酸は、酸無水物や
低級アルキルとのエステルであってもよい。低級アルキ
ルとしては、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、s−ブチ
ル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の炭素
数1〜6のアルキル基があげられる。
【0037】3価以上の多価カルボン酸、その酸無水物
もしくは低級アルキルエステル、および3価以上の多価
アルコールは、ポリエステル樹脂の酸価および水酸基価
を調整することと、ポリエステル樹脂を分岐状にするこ
とを目的として配合される。3価以上の多価カルボン
酸、その酸無水物もしくは低級アルキルエステルとして
は、たとえばトリメリト酸、2,5,7−ナフタレント
リカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,3−ジカ
ルボキシル−2−メチル−2−メトキシカルボニルプロ
パン、テトラ(メトキシカルボニル)メタン、1,2,
7,8−オクタンテトラカルボン酸等があげられる。
【0038】3価以上の多価アルコールとしては、たと
えばグリセリン、2−メチル−1,2,3−プロパント
リオール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル
−1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタ
トリオール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリ
トール、トリペンタエリトリトール、ヘキシトール、ソ
ルビトール、1,4−ソルビタン、1,2,4−ベンゼ
ントリオール等があげられる。
【0039】ポリエステル樹脂は、上記の各成分を、た
とえば不活性ガス雰囲気下、180〜250℃の温度で
共重縮合して合成される。ポリエステル樹脂の酸価(A
V)に対する水酸基価(OHV)の割合OHV/AVの
値は1.2以上であり、好ましくは1.2〜50、より
好ましくは2〜40ある。OHV/AVの値が1.2未
満では、樹脂の透光性が低下したり、樹脂の最低溶融温
度が高くなって、加熱溶融により連続した塗膜を形成す
るのが容易でなくなったり、あるいは粉体塗料の流動性
が低下したりするといった問題を生じる。
【0040】なお酸価(AV)は、たとえばポリエステ
ル樹脂をベンゼン−エタノール混合溶媒に溶かし、水酸
化カリウムで滴定してその中和量から算出される。また
水酸基価(OHV)は、たとえばピリジン−無水酢酸混
合溶媒(3.1:1)を用いてポリエステル樹脂中の遊
離酸をアセチル化した後、樹脂に結合した酢酸を水酸化
カリウムで滴定して滴定してその中和量から算出され
る。
【0041】上記のポリエステル樹脂は単独で使用でき
る他、前述した従来公知の種々の樹脂をブレンドしても
よい。他の樹脂をブレンドする場合、その配合量は、上
記ポリエステル樹脂に対して1〜30重量%程度が好ま
しい。電荷制御剤としては、前述したようにC.I.ソ
ルベントイエロー56に分類される黄色染料が用いられ
る。
【0042】上記黄色染料の配合量は、結着樹脂100
重量部に対して0.5〜10重量部であるのが好まし
く、1〜5重量部であるのがさらに好ましい。黄色染料
の配合量が上記の範囲未満では、その添加効果が不十分
になるおそれがあり、逆に上記の範囲を超えた場合に
は、塗膜の透光性が低下したり、粉体塗料の帯電量分布
がブロードになったりするおそれがある。
【0043】黄色着色剤としては、アセト酢酸アリリド
系モノアゾ顔料、およびアセト酢酸アリリド系ジスアゾ
顔料のうちの少なくとも一方が用いられる。上記のうち
アセト酢酸アリリド系モノアゾ顔料は、一般式(2) :
【0044】
【化2】
【0045】〔式中、R3 はアルキル基、アルコキシ基
またはニトロ基を示し、R4 はハロゲン原子、アルキル
基、アルコキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、芳香族で
置換されたスルファモイル基、またはCa、Ba、M
n、Sr等の金属で置換されたスルホ基を示す。R5
6 、R7 およびR8 は同一または異なって水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示
す。〕で表されるものである。
【0046】アセト酢酸アリリド系モノアゾ顔料の具体
例としては、これに限定されないがたとえば、カラーイ
ンデックスによってC.I.ピグメントイエロー1、
C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイ
エロー65、C.I.ピグメントイエロー73、C.
I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエ
ロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.
ピグメントイエロー130、C.I.ピグメントイエロ
ー133、およびC.I.ピグメントイエロー169等
に分類される黄色顔料があげられる。
【0047】またアセト酢酸アリリド系ジスアゾ顔料
は、一般式(3) :
【0048】
【化3】
【0049】〔式中、R9 は水素原子、アルキル基また
はアルコキシ基を示し、R10は水素原子、ハロゲン原子
またはアルキル基を示し、R11は水素原子またはアルコ
キシ基を示す。〕で表されるものである。アセト酢酸ア
リリド系ジスアゾ顔料の具体的例としては、これに限定
されないがたとえば、カラーインデックスによってC.
I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエ
ロー13、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.
ピグメントイエロー55、およびC.I.ピグメントイ
エロー83等に分類される黄色顔料があげられる。
【0050】上記アセト酢酸アリリド系の黄色顔料はぞ
れぞれ単独で使用できる他、2種以上を併用することも
できる。アセト酢酸アリリド系の黄色顔料の配合量は、
結着樹脂100重量部に対して1〜15重量部であるの
が好ましく、2〜10重量部であるのがさらに好まし
い。黄色顔料の配合量が上記の範囲未満では、色が薄く
なって鮮明な色味がえられなくなるおそれがあり、逆に
上記の範囲を超えた場合には、粉体塗料の帯電性に悪影
響を及ぼすおそれがある。
【0051】なおこの発明においては、上記アセト酢酸
アリリド系の黄色顔料による、前述した作用効果を阻害
しない範囲で、後述する他の黄色顔料を副次的に配合し
てもよい。 [2] つぎに、この発明の透光性イエロー粉体塗料のう
ち、結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用し、かつ電
荷制御剤として、C.I.ソルベントイエロー33に分
類される黄色染料を使用するとともに、黄色着色剤とし
て、アセト酢酸アリリド系の黄色顔料を用いたものにつ
いて説明する。
【0052】かかるこの発明の透光性イエロー粉体塗料
における結着樹脂としては、上記のようにポリエステル
樹脂が使用される。ポリエステル樹脂としては、前に述
べた特定構造のジオール成分と、ジカルボン酸、その酸
無水物または低級アルキルエステルと、3価以上の多価
カルボン酸、その酸無水物もしくは低級アルキルエステ
ル、または3価以上の多価アルコールとを共重縮合して
なり、かつその酸価(AV)に対する水酸基価(OH
V)の割合OHV/AVの値が1.2以上であるポリエ
ステル樹脂が最も好適に使用されるが、常温で固形であ
れば、粉体塗料用等として従来公知の他のポリエステル
樹脂も使用可能である。
【0053】他のポリエステル樹脂としては、たとえば
エポキシ樹脂、グリシジル基含有アクリル樹脂またはト
リグリシジルイソシアヌレートのいずれか1種と組み合
わせて使用するカルボキシ基含有ポリエステル樹脂や、
あるいはポリイソシアネートで硬化させる水酸基含有ポ
リエステル樹脂等があげられる。なおこの発明において
は、電荷制御剤であるC.I.ソルベントイエロー33
に分類される黄色染料の、ポリエステル樹脂への相溶
性、分散性を阻害しない範囲で、ポリエステル樹脂以外
の他の樹脂を配合してもよい。
【0054】電荷制御剤としては、上記のようにC.
I.ソルベントイエロー33に分類される黄色染料が用
いられる。上記黄色染料の配合量は、結着樹脂100重
量部に対して0.5〜10重量部であるのが好ましく、
1〜5重量部であるのがさらに好ましい。黄色染料の配
合量が上記の範囲未満では、その添加効果が不十分にな
るおそれがあり、逆に上記の範囲を超えた場合には、塗
膜の透光性が低下したり、粉体塗料の帯電量分布がブロ
ードになったりするおそれがある。
【0055】黄色着色剤としては、前記と同様に、アセ
ト酢酸アリリド系モノアゾ顔料、およびアセト酢酸アリ
リド系ジスアゾ顔料のうちの少なくとも一方が用いられ
る。その配合量も前記と同様である。またアセト酢酸ア
リリド系の黄色顔料による作用効果を阻害しない範囲
で、他の黄色顔料を副次的に配合できる点も同様であ
る。
【0056】[3] つぎに、この発明の透光性イエロー
粉体塗料のうち、電荷制御剤として、(a) 第4級アンモ
ニウム塩と、(b) カラーインデックスによってC.I.
ソルベントイエロー33に分類される黄色染料、および
C.I.ソルベントイエロー56に分類される黄色染料
のうちの少なくとも一方と、を併用するとともに、着色
剤として、上記黄色染料以外の黄色着色剤を用いたもの
について説明する。
【0057】上記この発明の透光性イエロー粉体塗料に
おける結着樹脂は、前記[1] のものと同様である。すな
わち、粉体塗料に用いられる従来公知の種々の樹脂の中
から、透光性にすぐれ、かつ被塗物への塗着時あるいは
塗着後の加熱によって溶融して連続した塗膜を形成しう
る種々の樹脂がいずれも使用可能であり、その中でもス
チレン系樹脂、アクリル系樹脂およびポリエステル樹脂
が好適に使用される。その中でもとくに、前に述べた特
定構造のジオール成分と、ジカルボン酸、その酸無水物
または低級アルキルエステルと、3価以上の多価カルボ
ン酸、その酸無水物もしくは低級アルキルエステル、ま
たは3価以上の多価アルコールとを共重縮合してなり、
かつその酸価(AV)に対する水酸基価(OHV)の割
合OHV/AVの値が1.2以上であるポリエステル樹
脂が最も好適に使用される。
【0058】電荷制御剤としては、前記のように第4級
アンモニウム塩と、C.I.ソルベントイエロー33に
分類される黄色染料、およびC.I.ソルベントイエロ
ー56に分類される黄色染料のうちの少なくとも一方と
が併用される。つまり第4級アンモニウム塩とC.I.
ソルベントイエロー33に分類される黄色染料の併用
系、第4級アンモニウム塩とC.I.ソルベントイエロ
ー56に分類される黄色染料の併用系、または第4級ア
ンモニウム塩とC.I.ソルベントイエロー33に分類
される黄色染料とC.I.ソルベントイエロー56に分
類される黄色染料の併用系のいずれかである。
【0059】上記のうち第4級アンモニウム塩としては
種々の化合物があげられるが、とくに一般式(4) :
【0060】
【化4】
【0061】〔式中、Ra 、Rb 、Rc およびRd は、
同一または異なって低級アルキル基、長鎖アルキル基、
長鎖アルケニル基またはベンジル基を示し、A- はアニ
オンを示す。ただしRa 〜Rd は、少なくとも1個が長
鎖アルキル基または長鎖アルケニル基であり、2個が低
級アルキル基またはベンジル基である。〕で表される化
合物が好適に使用される。
【0062】上記一般式(4) においてRa 〜Rd に相当
する長鎖アルキル基としては、たとえば、オクチル基、
デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、オレ
イル基、リノリル基、ヘキサデセシル基等があげられ
る。また、長鎖アルケニル基としては、たとえば、上記
長鎖アルキル基の分子中に1または2以上の二重結合を
導入した基があげられる。
【0063】A- で表されるアニオンとしては、たとえ
ば、モリブデン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン
酸、クロム・モリブデン酸、ブロム・モリブデン酸、タ
ングステン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン
酸、クロム・タングステン酸、ブロム・タングステン
酸、リンタングステン・モリブデン酸、ケイタングステ
ン・モリブデン酸等のモリブデン原子やタングステン原
子を含有する無機酸から誘導されるアニオン、塩素イオ
ン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硝酸イオン、硫酸イオ
ン、過塩素酸イオン、安息香酸イオン、テトラフェニル
ホウ素イオン、ヘキサフルオロリンイオン、ナフトール
スルホン酸イオンなどがあげられる。
【0064】上記一般式(4) で表される第4級アンモニ
ウム塩の具体例としては、たとえば(C16332 +
(CH3 2 ・1/4 Mo8 26 4- 、(C16332
+(CH3 2 ・1/6 Mo7 24 6- 、(C
16332 + (CH3 2 ・1/2WO4 2- などがあ
げられ、これらを1種または2種以上混合して使用する
ことができる。
【0065】上記第4級アンモニウム塩と、C.I.ソ
ルベントイエロー33および/またはC.I.ソルベン
トイエロー56に分類される黄色染料との合計の配合量
は0.1〜5重量部で、かつ両者の配合割合は、重量比
で1:5〜5:1であるのが好ましい。第4級アンモニ
ウム塩と黄色染料の合計の配合量が上記の範囲未満で
は、両者を配合したことによる、粉体塗料の帯電量を高
く、かつその帯電量を環境条件の変化に左右されずに安
定させる効果が不十分となるおそれがある。また合計の
配合量が上記の範囲を超えた場合には、とくに第4級ア
ンモニウム塩の影響によって白濁を生じたりして、粉体
塗料の透光性が低下したり色味が変化したりするおそれ
がある。なお、上記両者の合計の配合量は、上記の範囲
内でもとくに0.1〜3重量部であるのが好ましく、
0.5〜2.5重量部であるのがさらに好ましい。
【0066】また、第4級アンモニウム塩と黄色染料と
の配合割合が、前記の範囲よりも第4級アンモニウム塩
が多い側に外れた場合には、やはり第4級アンモニウム
塩の影響によって白濁を生じたりして、粉体塗料の透光
性が低下したり色味が変化したりするおそれがある。逆
に、前記の範囲よりも第4級アンモニウム塩が少ない側
に外れた場合には、粉体塗料の帯電量が不十分になるお
それがある。おそれがある。なお上記両者の配合割合
は、前記の範囲内でもとくに1:3〜3:1であるのが
好ましく、1:2〜2:1であるのがさらに好ましい。
【0067】黄色着色剤としては、上記C.I.ソルベ
ントイエロー33および/またはC.I.ソルベントイ
エロー56に分類される黄色染料以外の種々のものが使
用できる。黄色着色剤が上記黄色染料以外のものに限定
されるのは、着色剤としても上記の黄色染料を使用する
と、粉体塗料の帯電量を十分に高くできなかったり、塗
膜の透光性が低下したりするおそれがあるからである。
【0068】上記黄色着色剤としては、前記と同様に、
それ自体が電荷制御剤として機能するアセト酢酸アリリ
ド系のものが好適に使用できるが、この発明では、第4
級アンモニウム塩の添加によって帯電性が十分に確保さ
れているため、上記以外の、それ自体は電荷制御剤とし
て機能しない黄色着色剤を使用することもできる。上記
他の黄色着色剤としては、たとえば黄色酸化鉄、黄土、
黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、アンチモンイエロ
ー等の無機顔料、C.I.ピグメントイエロー16、
C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメン
トイエロー115等の有機顔料、C.I.ソルベントイ
エロー16、C.I.ソルベントイエロー60、C.
I.ソルベントイエロー61、C.I.ソルベントイエ
ロー162、C.I.アシッドイエロー1、C.I.ア
シッドイエロー23等の染料などがあげられる。
【0069】これらの黄色着色剤は、前記アセト酢酸ア
リリド系のものを含めて、それぞれ単独で使用される
他、2種以上を併用してもよい。黄色着色剤の配合量
は、結着樹脂100重量部に対して1〜30重量部であ
るのが好ましく、2〜20重量部であるのがさらに好ま
しい。黄色顔料の配合量が上記の範囲未満では、色が薄
くなって鮮明な色味がえられなくなるおそれがあり、逆
に上記の範囲を超えた場合には、塗膜の透光性が低下し
たり、粉体塗料の帯電性に悪影響を及ぼしたりするおそ
れがある。
【0070】[4] つぎに、この発明の透光性イエロー
粉体塗料のうち、結着樹脂としてポリエステル樹脂を使
用するとともに、着色剤として、アセト酢酸アリリド系
の黄色顔料のうちカラーインデックスによってC.I.
ピグメントイエロー1に分類される黄色顔料、および
C.I.ピグメントイエロー73に分類される黄色顔料
のうちの少なくとも一方を用いたものについて説明す
る。
【0071】かかるこの発明の透光性イエロー粉体塗料
における結着樹脂としては、上記のようにポリエステル
樹脂が使用される。ポリエステル樹脂としては、前に述
べた特定構造のジオール成分と、ジカルボン酸、その酸
無水物または低級アルキルエステルと、3価以上の多価
カルボン酸、その酸無水物もしくは低級アルキルエステ
ル、または3価以上の多価アルコールとを共重縮合して
なり、かつその酸価(AV)に対する水酸基価(OH
V)の割合OHV/AVの値が1.2以上であるポリエ
ステル樹脂が最も好適に使用されるが、前述した従来公
知の他のポリエステル樹脂も使用可能である。
【0072】着色剤としては、上記のようにC.I.ピ
グメントイエロー1および/またはC.I.ピグメント
イエロー73に分類される黄色顔料が使用される。黄色
顔料の配合量は前記[1] と同様である。またこの発明で
は、上記黄色顔料の良好な分散性による、粉体塗料の透
光性の高さを阻害しない範囲で、他の黄色顔料を副次的
に配合してもよい。
【0073】なおこの発明の構成は、前述したように摩
擦帯電ガンに用いる粉体塗料には限定されず、コロナ帯
電ガンに用いる粉体塗料にも適用可能であり、電荷制御
剤の有無、および種類は限定されない。つまりコロナ帯
電ガンに用いる粉体塗料の場合は、電荷制御剤を配合し
てもしなくてもよい。また、主として摩擦帯電ガンに用
いる粉体塗料の場合は電荷制御剤が配合される。
【0074】電荷制御剤としては、前述した第4級アン
モニウム塩の他、カラーインデックスによってC.I.
ソルベントイエロー33および/またはC.I.ソルベ
ントイエロー56に分類される黄色染料等が使用でき
る。また第4級アンモニウム塩と、C.I.ソルベント
イエロー33および/またはC.I.ソルベントイエロ
ー56に分類される黄色染料とを併用してもよい。
【0075】電荷制御剤として、C.I.ソルベントイ
エロー33および/またはC.I.ソルベントイエロー
56に分類される黄色染料を使用する場合、あるいは上
記黄色染料と第4級アンモニウム塩とを併用する場合の
配合量は、前述した[1] 〜[3] の場合に準拠する。また
電荷制御剤として第4級アンモニウム塩のみを使用する
場合の配合量は、結着樹脂100重量部に対して0.1
〜5重量部であるのが好ましく、0.5〜3重量部であ
るのがさらに好ましい。第4級アンモニウム塩の配合量
が上記の範囲未満では、その添加効果が不十分になるお
それがあり、逆に上記の範囲を超えた場合には、前述し
た白濁等によって、粉体塗料の透光性が低下したり色味
が変化したりするおそれがある。
【0076】[5] 上記[1] 〜[4] で説明した各透光性
イエロー粉体塗料にはそれぞれ、上記の各成分に加えて
さらに、硬化剤、平滑剤(流展剤)等の、従来公知の種
々の添加剤を配合してもよい。上記のうち硬化剤は、粉
体塗料を加熱溶融させて塗膜を形成した際に、当該塗膜
中で結着樹脂を架橋することによって塗膜を硬化させる
ためのものであって、かかる硬化剤としては、たとえば
ブロックイソシアネート、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、
アジリジン化合物、多価カルボン酸等があげられる。
【0077】硬化剤は、硬化反応に寄与する官能基の当
量に応じて、好適な配合量の範囲が設定される。硬化剤
の配合量が好適な範囲より少ない場合は、その添加効果
が不十分になるおそれがあり、逆に好適な範囲を超えた
場合には、透光性が低下したり色味が変化したりするお
それがある。平滑剤は、粉体塗料を加熱溶融させた際の
流動性を向上して、塗膜をより平滑にするためのもの
で、かかる平滑剤としては、たとえばBASF社製の商
品名「アクロナール4F」、東芝シリコーン社製の商品
名「YF−3919」、モンサント社製の商品名「モダ
フロー2000」等があげられる。
【0078】平滑剤の配合量は、透光性粉体塗料の場
合、結着樹脂100重量部に対して0.1〜2重量部で
あるのが好ましく、0.5〜1重量部であるのがさらに
好ましい。平滑剤の配合量が上記の範囲未満では、その
添加効果が不十分になるおそれがあり、逆に上記の範囲
を超えた場合には、透光性が低下したり色味が変化した
りするおそれがある。
【0079】また前述したようにこの発明の透光性イエ
ロー粉体塗料を、シアン、マゼンタおよびブラックの3
色の透光性粉体塗料とともに使用して調色を行う場合に
は、導電性のカーボンブラックを使用したブラックの透
光性粉体塗料との帯電特性を整合させるために、透明導
電性微粉末を含有させてもよい。かかる透明導電性微粉
末としては、そのアスペクト比(長軸長/厚さ)が30
以上で、かつ厚さが0.1μm以下程度のものが好まし
い。
【0080】透明導電性微粉末の配合量は、透光性粉体
塗料の帯電特性にあわせて適宜、設定すればよい。 〔製造方法〕この発明の透光性イエロー粉体塗料は、上
記の各成分を乾式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボ
ールミル等を用いて予備混合した混合物を、たとえばジ
ェットミル、バンバリーミキサー、ロール、1軸または
2軸の押出混練機等を用いて溶融混練したのち、えられ
た混練物を冷却して粉砕し、さらに必要に応じて分級す
ることにより製造される。
【0081】またこの他に、重合法、マイクロカプセル
重合法、スプレードライ法等を用いて製造することもで
きる。透光性イエロー粉体塗料の粒径は従来と同程度で
よいが、とくに2色以上を混合した際の色味の均一性を
考慮すると、粒径が小さいほど好ましく、とくにその平
均粒径が30μm以下であるのが好ましい。
【0082】また、帯電性や塗膜の形成しやすさ、凝集
のしにくさ等を考慮すると、透光性イエロー粉体塗料の
平均粒径は、上記範囲内でもとくに1μm以上であるの
が好ましい。さらに上記各特性のバランスを考慮する
と、透光性イエロー粉体塗料の平均粒径は、上記範囲内
でもとくに5〜20μmであるのがとくに好ましい。
【0083】この発明の透光性イエロー粉体塗料には、
その流動性や帯電特性等を向上するために、各種の外添
剤を添加してもよい。上記外添剤としては、酸化アルミ
ニウム、酸化けい素、酸化チタニウム、酸化亜鉛等の金
属酸化物の微粉末や、あるいはふっ素樹脂微粒子等の、
たとえば粒径1.0μm以下程度の、従来公知の種々の
外添剤を使用でき、とくに疎水性または親水性のシリカ
微粒子を含むシリカ系表面処理剤、たとえば超微粒子状
無水シリカやコロイダルシリカ等が好適に使用される。
【0084】外添剤の添加量はとくに限定されず、従来
と同程度でよい。具体的には、透光性イエロー粉体塗料
100重量部に対して、外添剤を、総量で0.1〜3.
0重量部程度、添加するのが好ましいが、場合によって
は、外添剤の添加量は、この範囲を外れてもよい。かく
してえられるこの発明の透光性イエロー粉体塗料は、前
述したように摩擦帯電ガンを用いた静電塗着法に好適に
使用されるが、コロナ帯電ガンを用いた静電塗着法や、
あるいは静電流動浸漬法にも使用でき、これらの場合に
も、前記[1] 〜[4] のいずれかの構成を採用したことに
よる前述した作用効果に基づいて、均一な塗膜を形成す
ることができる。なお言うまでもないが、この発明の粉
体塗料は、流動浸漬法にも使用できる。
【0085】
【実施例】以下に、この発明を実施例、比較例に基づい
て説明する。 (ポリエステル樹脂の作製) 参考例 ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン〔一般式(1) 中のR1
よびR2 がともにトリメチレンで、かつX、Yがともに
2であるジオール成分〕840g、ポリオキシエチレン
−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン〔一般式(1) 中のR1 およびR2 がともに
エチレンで、かつXが2、Yが0であるジオール成分〕
195g、テレフタル酸29g、ジ−n−ブチルスズオ
キシド(安定剤)2gおよびヒドロキノン1.5gを2
リットルのフラスコに入れて、200℃でかく拌しつつ
共重縮合させた。反応は、ASTM E 28−51T
に準じて、軟化点が122℃に達したときに終了させ
た。
【0086】えられたポリエステル樹脂は淡黄色の固体
であり、DSC(示差熱量計)によるガラス転移温度は
66℃、酸価(AV)は14KOHmg/g、水酸基価
(OHV)は36KOHmg/gで、かつOHV/AV
=2.57であった。 (透光性イエロー粉体塗料の製造) 実施例1 下記の各成分を、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合
し、押出混練機を用いて溶融混練したのち、えられた混
練物を冷却して粉砕した。
【0087】 (成 分) (重量部) ・結着樹脂 上記参考例でえたポリエステル樹脂 85 ・電荷制御剤 C.I.ソルベントイエロー56 1 ・着色剤 C.I.ピグメントイエロー97 4 ・硬化剤 イソシアネート 15 ・平滑剤 前出のアクロナール4F 1 ついで、上記の粉砕物を150メッシュのふるいを用い
て分級して、平均粒径12μmの正帯電性のイエロー系
透光性粉体塗料を製造した。
【0088】実施例2 電荷制御剤として、C.I.ソルベントイエロー56に
代えて、C.I.ソルベントイエロー33に分類される
黄色染料1重量部を用いたこと以外は実施例1と同様に
して、平均粒径12μmの正帯電性のイエロー系透光性
粉体塗料を製造した。
【0089】実施例3 着色剤として、C.I.ピグメントイエロー97に代え
て、C.I.ピグメントイエロー12に分類される黄色
顔料4重量部を用いたこと以外は実施例2と同様にし
て、平均粒径12μmの正帯電性のイエロー系透光性粉
体塗料を製造した。
【0090】比較例1 電荷制御剤として、C.I.ソルベントイエロー56に
代えて、C.I.ソルベントイエロー60に分類される
黄色染料1重量部を用いたこと以外は実施例1と同様に
して、平均粒径12μmの正帯電性のイエロー系透光性
粉体塗料を製造した。
【0091】上記各実施例、比較例の透光性イエロー粉
体塗料について、以下の各試験を行って、その特性を評
価した。 分散性評価 各実施例、比較例の透光性イエロー粉体塗料を2枚のガ
ラスプレート間に挟んで、圧縮しつつ溶融させたサンプ
ル(塗膜の厚み1μm)を作成し、それぞれのサンプル
における凝集体の数および大きさを顕微鏡にて観察し
た。そして、以下の基準により、結着樹脂中に含まれる
各成分の分散性を評価した。
【0092】○…凝集体の大きさが小さく、かつ数が少
ない。分散性良好。 ×…凝集体の大きさが大きいか、または数が多い。分散
性不良。 分光透過率測定 上記分散性評価で用いたサンプルにおける、波長400
nm、550nmの光の分光透過率を、分光光度計を用
いて測定した。
【0093】透光性評価 上記サンプルの分光スペクトルを、分光光度計を用いて
測定して、400〜500nmの波長領域の光の最大透
過率を2%に設定したときの、550〜700nmの波
長領域での最大透過率が50%以上のものを○(透光性
良好)、上記の条件を満足しないものを×(透光性不
良)として評価した。
【0094】調色性試験 各実施例、比較例の透光性イエロー粉体塗料を、それぞ
れの実施例、比較例で用いたのと同じ結着樹脂にて形成
された透光性シアン粉体塗料に、重量比でイエロー:シ
アン=20:80となるように乾式混合したものを、そ
の内壁面に、帯電部材としてふっ素樹脂を配置した摩擦
帯電ガンを用いた静電塗着法によって、実際に鉄板の表
面に塗着させ、焼き付けて塗膜を形成した。そして、以
下の基準により、透光性イエロー粉体塗料の調色性を評
価した。
【0095】 ○…塗膜の色が均一である。調色性良好。 ×…塗膜の色がくすんだり、塗膜中に黄色の斑点が見え
る。調色性不良。 帯電量測定 各実施例、比較例の透光性イエロー粉体塗料5重量部
を、平均粒径が100μmで、かつその表面が、摩擦帯
電ガンの内壁面と同じふっ素樹脂でコートされたフェラ
イト粒子95重量部とともに密閉容器中に入れ、当該密
閉容器をボールミルで10回転させて帯電させた後、ブ
ローオフ法によって粉体塗料の帯電量μC/gを測定し
た。
【0096】塗着効率の測定 各実施例、比較例の透光性イエロー粉体塗料を、その内
壁面に、帯電部材としてふっ素樹脂を配置した摩擦帯電
ガンを用いた静電塗着法によって、実際に鉄板の表面に
塗着させた。そして、摩擦帯電ガンからの粉体塗料の吐
出量Pa(g)と、鉄板に塗着された粉体塗料の量Pb
(g)とから、式:
【0097】
【数1】塗着効率(%)=(Pb/Pa)×100 により、粉体塗料の塗着効率(%)を求めた。 回収粉体塗料の特性評価 上記塗着効率の測定において鉄板に塗着されずに回収さ
れた粉体塗料を集めて、上記と同じ静電塗着法によって
再び鉄板の表面に塗着させた。そして塗着の状態を目視
にて観察して、下記の基準により、回収粉体塗料の特性
を評価した。
【0098】 ○…塗着状態に異常なし。粉体の特性良好。 △…塗着悪い。粉体の特性やや不良。 ×…ほとんど塗着しない。粉体の特性不良。 かかる評価は、前述した低帯電粉体や逆帯電粉体の有無
を調べるためのもので、結果が○であれば、回収粉体塗
料中に低帯電粉体や逆帯電粉体は殆ど含まれていない
が、×の場合は多量に含まれていることがわかる。
【0099】以上の結果を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】上記表より、結着樹脂としてポリエステル
樹脂を用いた系では、電荷制御剤としての、C.I.ソ
ルベントイエロー33および/またはC.I.ソルベン
トイエロー56に分類される黄色染料と、黄色着色剤と
してのアセト酢酸アリリド系の黄色顔料とを併用するこ
とにより、色味が濃くて鮮やかな発色をすることがで
き、かつ調色を行った際に色再現性が低下しない十分な
透光性がある上、とくに摩擦帯電ガンを用いて静電塗着
した際の帯電性にすぐれ、低帯電粉体や逆帯電粉体等を
生じるおそれのない透光性イエロー粉体塗料がえられる
ことがわかった。
【0102】実施例4 下記の各成分を、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合
し、押出混練機を用いて溶融混練したのち、えられた混
練物を冷却して粉砕した。 (成 分) (重量部) ・結着樹脂 アクリル樹脂 77〔三井東圧
化学社製の商品名「アルマテックスPD7210」〕 ・電荷制御剤 C.I.ソルベントイエロー56 2 ・着色剤 C.I.ピグメントイエロー98 4 ・硬化剤 ドデカン二酸 13 ・平滑剤 アクロナール4F 1 ついで、上記の粉砕物を150メッシュのふるいを用い
て分級して、平均粒径12μmの正帯電性のイエロー系
透光性粉体塗料を製造した。
【0103】比較例2 電荷制御剤として、C.I.ソルベントイエロー56に
代えて、C.I.ソルベントイエロー61に分類される
黄色染料2重量部を用いたこと以外は実施例4と同様に
して、平均粒径12μmの正帯電性のイエロー系透光性
粉体塗料を製造した。
【0104】比較例3 電荷制御剤として、C.I.ソルベントイエロー56に
代えて、C.I.ソルベントイエロー33に分類される
黄色染料2重量部を用いるとともに、着色剤として、
C.I.ピグメントイエロー98に代えて、C.I.ピ
グメントイエロー17に分類される黄色顔料4重量部を
用いたこと以外は実施例4と同様にして、平均粒径12
μmの正帯電性のイエロー系透光性粉体塗料を製造し
た。
【0105】上記実施例、比較例の透光性イエロー粉体
塗料について、前記の各試験を行って、その特性を評価
した。結果を表2に示す。
【0106】
【表2】
【0107】上記表より、結着樹脂としてアクリル樹脂
を用いた系では、電荷制御剤としての、C.I.ソルベ
ントイエロー56に分類される黄色染料と、黄色着色剤
としてのアセト酢酸アリリド系の黄色顔料とを併用する
ことにより、色味が濃くて鮮やかな発色をすることがで
き、かつ調色を行った際に色再現性が低下しない十分な
透光性がある上、とくに摩擦帯電ガンを用いて静電塗着
した際の帯電性にすぐれ、低帯電粉体や逆帯電粉体等を
生じるおそれのない透光性イエロー粉体塗料がえられる
ことがわかった。
【0108】実施例5 下記の各成分を、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合
し、押出混練機を用いて溶融混練したのち、えられた混
練物を冷却して粉砕した。 (成 分) (重量部) ・結着樹脂 前記参考例でえたポリエステル樹脂 85 ・電荷制御剤 C.I.ソルベントイエロー33 1 下記式で表される第4級アンモニウム塩 1 (C16332 + (CH3 2 ・1/4 Mo8 26 4- ・着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 4 ・硬化剤 イソシアネート 15 ・平滑剤 アクロナール4F 1 ついで、上記の粉砕物を150メッシュのふるいを用い
て分級して、平均粒径12μmの正帯電性のイエロー系
透光性粉体塗料を製造した。
【0109】実施例6 電荷制御剤のうちC.I.ソルベントイエロー33に代
えて、C.I.ソルベントイエロー56に分類される黄
色染料1重量部を用いたこと以外は実施例5と同様にし
て、平均粒径12μmの正帯電性のイエロー系透光性粉
体塗料を製造した。
【0110】比較例4 電荷制御剤のうちC.I.ソルベントイエロー33を配
合しなかったこと以外は実施例5と同様にして、平均粒
径12μmの正帯電性のイエロー系透光性粉体塗料を製
造した。 実施例7 下記の各成分を、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合
し、押出混練機を用いて溶融混練したのち、えられた混
練物を冷却して粉砕した。
【0111】 (成 分) (重量部) ・結着樹脂 アクリル樹脂 68 〔三井東圧化学社製の商品名「アルマテックスPD1700」〕 ・電荷制御剤 C.I.ソルベントイエロー56 1 下記式で表される第4級アンモニウム塩 1 (C16332 + (CH3 2 ・1/4 Mo8 26 4- ・着色剤 C.I.ピグメントイエロー17 4 ・硬化剤 ドデカン二酸 13 ・平滑剤 アクロナール4F 1 ついで、上記の粉砕物を150メッシュのふるいを用い
て分級して、平均粒径12μmの正帯電性のイエロー系
透光性粉体塗料を製造した。
【0112】比較例5 電荷制御剤のうちC.I.ソルベントイエロー56に代
えて、C.I.ソルベントイエロー61に分類される黄
色染料1重量部を用いたこと以外は実施例7と同様にし
て、平均粒径12μmの正帯電性のイエロー系透光性粉
体塗料を製造した。
【0113】上記各実施例、比較例の透光性イエロー粉
体塗料について、前記の各試験を行って、その特性を評
価した。結果を表3に示す。
【0114】
【表3】
【0115】上記表より、結着樹脂としてポリエステル
樹脂を用いた系、アクリル樹脂を用いた系のいずれにお
いても、電荷制御剤として第4級アンモニウム塩と、
C.I.ソルベントイエロー33および/またはC.
I.ソルベントイエロー56に分類される黄色染料とを
併用することにより、色味が濃くて鮮やかな発色をする
ことができ、かつ調色を行った際に色再現性が低下しな
い十分な透光性がある上、とくに摩擦帯電ガンを用いて
静電塗着した際の帯電性にすぐれ、低帯電粉体や逆帯電
粉体等を生じるおそれのない透光性イエロー粉体塗料が
えられることがわかった。
【0116】実施例8 下記の各成分を、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合
し、押出混練機を用いて溶融混練したのち、えられた混
練物を冷却して粉砕した。 (成 分) (重量部) ・結着樹脂 前記参考例でえたポリエステル樹脂 85 ・着色剤 C.I.ピグメントイエロー1 4 ・硬化剤 イソシアネート 15 ・平滑剤 アクロナール4F 1 ついで、上記の粉砕物を150メッシュのふるいを用い
て分級して、平均粒径12μmのイエロー系透光性粉体
塗料を製造した。
【0117】実施例9 着色剤として、C.I.ピグメントイエロー1に代え
て、C.I.ピグメントイエロー73に分類される黄色
顔料4重量部を用いたこと以外は実施例8と同様にし
て、平均粒径12μmのイエロー系透光性粉体塗料を製
造した。 比較例6 着色剤として、C.I.ピグメントイエロー1に代え
て、C.I.ピグメントイエロー98に分類される黄色
顔料4重量部を用いたこと以外は実施例8と同様にし
て、平均粒径12μmのイエロー系透光性粉体塗料を製
造した。
【0118】比較例7 下記の各成分を、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合
し、押出混練機を用いて溶融混練したのち、えられた混
練物を冷却して粉砕した。 (成 分) (重量部) ・結着樹脂 アクリル樹脂 77〔三井東圧
化学社製の商品名「アルマテックスPD7210」〕 ・着色剤 C.I.ピグメントイエロー1 4 ・硬化剤 ドデカン二酸 16 ・平滑剤 アクロナール4F 1 ついで、上記の粉砕物を150メッシュのふるいを用い
て分級して、平均粒径12μmのイエロー系透光性粉体
塗料を製造した。
【0119】上記各実施例、比較例の透光性イエロー粉
体塗料について、前記の各試験のうち分散性評価、分光
透過率測定、透光性評価の各試験と、下記の耐光性試験
とを行って、その特性を評価した。 耐光性試験 各実施例、比較例の透光性イエロー粉体塗料をコロナ帯
電ガンを用いた静電塗着法によって、実際に鉄板の表面
に塗着させ、焼き付けて塗膜を形成した。そしてこの塗
膜に、カーボンアーク試験機を用いて20日間、紫外線
を照射し、紫外線照射前後の塗膜の色差を求めて、以下
の基準により、透光性イエロー粉体塗料の耐光性を評価
した。
【0120】 ○…色差なし。耐光性良好。 ×…色差あり。耐光性不良。 以上の結果を表4に示す。
【0121】
【表4】
【0122】上記表より、結着樹脂としてのポリエステ
ル樹脂と、黄色着色剤としての、C.I.ピグメントイ
エロー1および/またはC.I.ピグメントイエロー7
3に分類される黄色顔料とを併用することにより、色味
が濃くて鮮やかな発色をすることができ、かつ調色を行
った際に色再現性が低下しない十分な透光性がある上、
耐光性にもすぐれた透光性イエロー粉体塗料がえられる
ことがわかった。
【0123】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、色味が濃くて鮮やかな発色をすることができ、しか
も調色を行った際に色再現性が低下しない十分な透光性
を有しており、しかも帯電特性や耐光性、耐熱性等にす
ぐれるために良好な塗膜を形成しうる、透光性イエロー
粉体塗料を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結着樹脂中に、電荷制御剤として、カラー
    インデックスによってC.I.ソルベントイエロー56
    に分類される黄色染料を含有するとともに、着色剤とし
    て、アセト酢酸アリリド系モノアゾ顔料、およびアセト
    酢酸アリリド系ジスアゾ顔料のうちの少なくとも一方を
    含有することを特徴とする透光性イエロー粉体塗料。
  2. 【請求項2】結着樹脂としてのポリエステル樹脂中に、
    電荷制御剤として、カラーインデックスによってC.
    I.ソルベントイエロー33に分類される黄色染料を含
    有するとともに、着色剤として、アセト酢酸アリリド系
    モノアゾ顔料、およびアセト酢酸アリリド系ジスアゾ顔
    料のうちの少なくとも一方を含有することを特徴とする
    透光性イエロー粉体塗料。
  3. 【請求項3】結着樹脂中に、電荷制御剤として、(a) 第
    4級アンモニウム塩と、(b) カラーインデックスによっ
    てC.I.ソルベントイエロー33に分類される黄色染
    料、およびC.I.ソルベントイエロー56に分類され
    る黄色染料のうちの少なくとも一方と、を含有するとと
    もに、着色剤として、上記黄色染料以外の黄色着色剤を
    含有することを特徴とする透光性イエロー粉体塗料。
  4. 【請求項4】結着樹脂としてのポリエステル樹脂中に、
    着色剤として、カラーインデックスによってC.I.ピ
    グメントイエロー1に分類される黄色顔料、およびC.
    I.ピグメントイエロー73に分類される黄色顔料のう
    ちの少なくとも一方を含有することを特徴とする透光性
    イエロー粉体塗料。
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