JPH10219141A - 調色された塗装塗膜の製造方法および塗装塗膜 - Google Patents

調色された塗装塗膜の製造方法および塗装塗膜

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JPH10219141A
JPH10219141A JP9025535A JP2553597A JPH10219141A JP H10219141 A JPH10219141 A JP H10219141A JP 9025535 A JP9025535 A JP 9025535A JP 2553597 A JP2553597 A JP 2553597A JP H10219141 A JPH10219141 A JP H10219141A
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JP
Japan
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coating
pigment
yellow
coating film
powder coating
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Application number
JP9025535A
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English (en)
Inventor
Takahiro Ishihara
隆博 石原
Norio Horigami
憲生 堀上
Masahiko Kubo
雅彦 久保
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない種類の原色粉体塗料を用いて、色再現
幅を広げることができる調色方法を提供することであ
る。 【解決手段】 マゼンタ、イエローおよびシアンから
なる3色の透光性粉体塗料の2種または3種を混合して
調色し、ついで被塗物の表面に塗装して塗膜を形成する
か、あるいは前記各透光性粉体塗料の2種または3種を
被塗物の表面に順次重ね塗りして、塗膜を形成する、粉
体塗料による調色方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体塗料による調
色方法に関し、より詳しくはマゼンタ、イエロー、シア
ンなどの透光性粉体塗料を用いて調色する調色方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、粉体塗料を用いて所望の色の
塗膜を得るには、結着樹脂に硬化剤などの各種添加剤と
共に、色の異なる複数の着色剤を添加して混合し、混
練、粉砕、分級の各工程を経て得られる粉体塗料を被塗
物に塗装していた。しかし、この方法では、得られる塗
膜の色相、色調が異なるたびごとに、上記工程を繰り返
す必要があるため、色合わせに大変な労力と時間がかか
るという問題がある。
【0003】このような問題を解決するために、特開平
8−143788号公報には、2種以上の色彩の異なる
粉体塗料を混合し、これを被塗物の表面に塗装融着させ
る粉体塗料の調色方法が開示されている。また、特開平
7−188586号公報には、小粒径の原色粉体塗料の
2種以上を乾式混合して色合わせを行い、ついで塗装に
適する粒径まで造粒する粉体塗料の調色方法が開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、いずれの方法
においても、使用する粉体塗料は、被塗物の素地の色味
に影響を受けないように、不透明で隠蔽力があるもので
ある。そのため、このような不透明な粉体塗料を使用し
て調色するには、色の異なる原色粉体塗料の種類を増や
す必要がある。もし原色粉体塗料の種類が少ないとき
は、色再現幅が小さく、所望の色相、色調を有する塗膜
を得ることができない。
【0005】本発明の主たる目的は、少ない種類の粉体
塗料を用いて、色再現幅を広げることができる調色方法
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の調色方法は、少なくとも2色の透光性粉体塗
料を混合して調色し、ついで被塗物の表面に塗装して塗
膜を形成することを特徴とし、好ましくはマゼンタ、イ
エローおよびシアンからなる3色の透光性粉体塗料の2
種または3種を混合して調色し、ついで被塗物の表面に
塗装して調色された着色塗膜を形成することを特徴とす
る。
【0007】また、本発明の他の調色方法は、少なくと
も2色の透光性粉体塗料を、被塗物の表面に順次重ね塗
りして、調色された塗膜(積層塗膜)を形成することを
特徴とし、好ましくはマゼンタ、イエローおよびシアン
からなる3色の透光性粉体塗料の2種または3種を、被
塗物の表面に順次重ね塗りして調色された塗膜(積層塗
膜)を形成することを特徴とする。
【0008】すなわち、本発明によれば、使用する粉体
塗料が透光性であるので、色の異なる透光性粉体塗料を
適宜組み合わせて混合または順次重ね塗りすることによ
り、所望の色の塗装塗膜を簡単に得ることができる。特
に、マゼンタ、イエローおよびシアンの透光性粉体塗料
を使用すると、わずか3種類の粉体塗料で多種類の色の
塗膜を再現することができるので、色再現性の幅が広が
る。
【0009】前記被塗物の表面は、上記マゼンタ、イエ
ローおよびシアンによる減法混色の調色ができるように
白色であるのが好ましく、そのため前記被塗物の表面に
あらかじめ不透明な下地用白色塗膜を形成しておくのが
よい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態によれ
ば、マゼンタ、イエローおよびシアンの各透光性粉体塗
料を適宜組み合わせて乾式混合して調色するか、または
被塗物表面に重ね塗りすることによって調色された塗膜
を得るものである。使用する各透光性粉体塗料は、結着
樹脂、硬化剤、平滑剤および着色剤を基本構成要素と
し、これらを均一に混合し、その混合物を押出機等で溶
融混練し、冷却後、粉砕、分級して製造される。
【0011】前記結着樹脂はバインダーとして機能する
ものであって、本発明においては特に透明性の高い樹脂
が使用される。このような結着樹脂としては、例えばポ
リスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルス
チレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン
−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル
酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合
体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−
アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フ
ェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エチル共
重合体、(スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、ス
チレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタ
クリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロロ
アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリ
ル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂
(スチレンまたはスチレン置換体を含む単独重合体また
は共重合体)、ポリ塩化ビニル、低分子量ポリエチレ
ン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸エ
チル共重合体、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アイオノマ
ー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹
脂、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂等があげられ、これ
らを単独または2種類以上混合して使用することができ
る。
【0012】また、数種類の粉体塗料を混合して塗膜を
形成する場合は、各樹脂同士の相溶性が良いものを選択
し、更に好ましいのは、層間付着力の強い同種の樹脂を
使用するのがよい。本発明で使用する好ましい結着樹脂
としては、例えば、(i) 一般式(1) :
【0013】
【化1】
【0014】(式中、R1 およびR2 は同一または異な
って低級アルキレン基を示す。xおよびyは同一または
異なって0または1以上の整数を表し、かつx+yは1
〜7である。)で表されるジオール成分と、(ii)ジカル
ボン酸、その酸無水物または低級アルキルエステルと、
(iii) 3価以上の多価カルボン酸、その酸無水物もしく
は低級アルキルエステル、または3価以上の多価アルコ
ールとを共重縮合して得られ、かつ酸価(AV)に対する水
酸基価(OHV) の割合(OHV/AV)が1.2以上、好
ましくは1.2〜50、より好ましくは2〜40である
ポリエステル樹脂が挙げられる。
【0015】共重縮合は、上記各成分を不活性ガス雰囲
気下にて180〜250°Cの温度で行うことができ
る。その酸価に対する水酸基価の割合が1.2以上であ
れば、粉体塗料の被塗物への最低定着温度が低くなる
上、流動性も良くなるので好ましい。ここで、ポリエス
テル樹脂の酸価(AV)とは、該樹脂中の遊離酸の含有量を
示す指数であって、前記遊離酸を中和するのに要した水
酸化カリウムの量を、ポリエステル樹脂1gに対するm
g数で表したものである。また、水酸基価(OHV) とは、
ポリエステル樹脂中の水酸基の含有量を示す指数であっ
て、前記水酸基をアセチル化して、アセチル化に要した
酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量を、試料
1gに対するmg数で表したものである。
【0016】上記ポリエステル樹脂は透明性が高く、か
つ顔料の分散性が良好であることから、顔料の含有量を
通常の粉体塗料の場合と同程度あるいはそれ以上に設定
しても塗料の透光性が損なわれることがない。一般式
(1) で表されるジオール成分としては、例えばポリオキ
シプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.
3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレ
ン(2)−ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロ
ピレン(6.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン等があげられる。
【0017】また、一般式(1) で表されるジオール成分
のほか、例えばヒドロキノン、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水
素添加ビスフェノールA等の他のジオール成分を加えて
もよい。上記他のジオール成分は、ポリエステル樹脂の
原料における多価アルコール成分のうち、10モル%程
度以下の割合で用いられる。
【0018】ジカルボン酸としては、例えばシュウ酸、
マロン酸、コハク酸、イタコン酸、グルタコン酸、アジ
ピン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が
あげられる。これらのジカルボン酸は、酸無水物や低級
アルキルとのエステルであってもよい。低級アルキル基
としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−
ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の炭素数1〜6
のアルキル基があげられる。
【0019】3価以上の多価カルボン酸、その酸無水物
または低級アルキルエステルとしては、例えばトリメリ
ト酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタ
ントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチ
ル−2−メトキシカルボニルプロパン、テトラ(メトキ
シカルボニル)メタン、1,2,7,8−オクタンテト
ラカルボン酸等があげられる。
【0020】3価以上の多価アルコールとしては、例え
ばグリセリン、2−メチル−1,2,3−プロパントリ
オール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−
1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタト
リオール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリト
ール、トリペンタエリトリトール、ヘキシトール、ソル
ビトール、1,4−ソルビタン、1,2,4−ベンゼン
トリオール等があげられる。
【0021】上記した3価以上の多価カルボン酸、その
酸無水物または低級アルキルエステル、および3価以上
の多価アルコールは、ポリエステル樹脂の酸価および水
酸基価を所定の値に設定することと、ポリエステル樹脂
を3次元網目状にすることを目的として配合されるもの
であって、ポリエステル樹脂の原料における多価カルボ
ン酸成分のうち、5〜60モル%程度の割合で用いられ
る。
【0022】本発明で使用する結着樹脂は、ガラス転移
温度が40〜80℃であるのが好ましい。ガラス転移温
度が上記範囲を下回ると粉体塗料の保存安定性が悪くな
り、上記範囲を超えると塗膜形成に悪影響を及ぼすおそ
れがある。本発明における透光性粉体塗料に含有される
着色剤は、好ましくはシアン系、マゼンタ系およびイエ
ロー系の3色に分けられる。
【0023】シアン系の着色剤としては、例えば一般
式:
【0024】
【化2】
【0025】〔式中、X1 ,X2 ,X3 およびX4 は同
一または異なって、水素原子、基(3)または基(4) :
【0026】
【化3】
【0027】(式中、R3 およびR4 は炭素数1〜5の
アルキレン基を示す。)を示す。但し、X1 ,X2 ,X
3 およびX4 は同時に水素原子でないものとする。〕で
表される銅フタロシアニン系顔料、あるいは一般式:
【0028】
【化4】
【0029】で表される無金属フタロシアニン系顔料が
好適に使用される。前記銅フタロシアニン系顔料として
は、例えばカラーインデックスによる分類のうちC.
I.ピグメントブルー15(15:1〜15:4)、
C.I.ピグメントブルー15の部分塩素化物、C.
I.ピグメントブルー17等が挙げられる。前記無金属
フタロシアニン系顔料としては、例えばC.I.ピグメ
ントブルー16等が挙げられる。
【0030】また、その他の使用可能なシアン系の着色
剤としては、例えば紺青(プルシアンブルー)、コバル
トブルー等の無機顔料、C.I.ピグメントブルー1
8、ヘリオゲンブルーG等の有機顔料、C.I.パット
ブルー6、C.I.ソルベントブルー70等の染料など
が挙げられる。マゼンタ系の着色剤としては、例えば一
般式(5) :
【0031】
【化5】
【0032】(式中、Q1 およびQ2 は同一または異な
って、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を示
す。但し、Q1 およびQ2 は同時に水素原子でないもの
とする。)で表されるキナクリドン系顔料が挙げられ
る。かかるキナクリドン系顔料の具体例としては、例え
ばC.I.ピグメントレッド122等が挙げられる。
【0033】また、その他の使用可能なマゼンタ系の着
色剤としては、例えばベンガラ、カドミウムレッド、鉛
丹、硫化水銀カドミウム、マンガン紫、赤口黄鉛、モリ
ブデンオレンジ等の無機顔料、C.I.ピグメントレッ
ド3、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメ
ントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド49:
1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグ
メントレッド50、C.I.ピグメントレッド57、
C.I.ピグメントレッド60、C.I.ピグメントレ
ッド81、C.I.ピグメントレッド90、パーマネン
トFNG、C.I.ピグメントバイオレット3、C.
I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレン
ジ13、C.I.ピグメントオレンジ16等の有機顔
料、スピロンレッド、ファストバイオレットB、インダ
ンスレンブリリアントオレンジRK、インダンスレンブ
リリアントオレンジGK等の染料などが挙げられる。
【0034】イエロー系の着色剤としては、例えば一般
式(6) :
【0035】
【化6】
【0036】(式中、R5 はアルキル基、アルコキシ基
またはニトロ基を示し、R6 はハロゲン原子、アルキル
基、アルコキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、芳香族で
置換されたスルファモイル基、またはCa,Ba,M
n,Sr等の金属で置換されたスルホ基を示す。R7
8 、R9 およびR10は同一または異なって水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示
す。)で表されるアセト酢酸アリリド系モノアゾ顔料が
挙げられる。かかるアセト酢酸アリリド系モノアゾ顔料
の具体例としては、例えばC.I.ピグメントイエロー
1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメン
トイエロー65、C.I.ピグメントイエロー73、
C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメント
イエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.
I.ピグメントイエロー130、C.I.ピグメントイ
エロー133、C.I.ピグメントイエロー169等が
あげられる。
【0037】また、他のイエロー系の着色剤として、一
般式(7) :
【0038】
【化7】
【0039】(式中、R11は水素原子、アルキル基また
はアルコキシ基を示し、R12は水素原子、ハロゲン原子
またはアルキル基を示し、R13は水素原子またはアルコ
キシ基を示す。)で表されるアセト酢酸アリリド系ジス
アゾ顔料が挙げられる。かかるアセト酢酸アリリド系ジ
スアゾ顔料の具体例としては、例えばC.I.ピグメン
トイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、
C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメント
イエロー55、C.I.ピグメントイエロー83等が挙
げられる。
【0040】また、その他に使用可能なイエロー系の着
色剤としては、たとえば黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、亜鉛
黄、カドミウムイエロー、アンチモンイエロー等の無機
顔料、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグ
メントイエロー138、キノリンイエローレーキ等の有
機顔料、C.I.ソルベントイエロー16、C.I.ソ
ルベントイエロー33、C.I.ソルベントイエロー5
6、C.I.ソルベントイエロー60、C.I.ソルベ
ントイエロー61、C.I.ソルベントイエロー16
2、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドイ
エロー23等の染料などがあげられる。
【0041】さらにシアン、マゼンタ、イエローの透光
性粉体塗料とともにブラック系の透光性粉体塗料を使用
してもよい。ブラック系の着色剤としてはカーボンブラ
ック、ランプブラック、アニリンブラック等が好適に使
用され、このうちカーボンブラックとしては、たとえば
チャンネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラ
ック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラ
ック、サーマルブラック、アセチレンブラック等があげ
られる。
【0042】上記各色の着色剤は、粉体塗料に所定の色
味をだすために同系色内で、あるいは他系色間で、2種
以上を併用してもよい。着色剤の配合量は、結着樹脂1
00重量部に対して1〜20重量部、好ましくは2〜1
0重量部であるのがよい。着色剤の配合量が上記の範囲
未満では、色が薄くなって鮮明な色味がえられなくなる
おそれがあり、逆に上記の範囲を超えた場合には、粉体
塗料の透光性が低下するおそれがある。
【0043】前記硬化剤としては、例えばブロックイソ
シアネート、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、アジリジン化
合物、多価カルボン酸等があげられる。硬化剤は、硬化
反応する官能基とほぼ当量で用いるのがよい。電荷制御
剤は、静電塗装にて塗装する場合に、粉体塗料が被塗物
に静電付着しやすくするために配合されるものである。
かかる電荷制御剤のうち、正帯電用の電荷制御剤として
は、例えば4級アンモニウム塩、ニグロシン系の電子供
与性染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アル
コキシル化アミン、アルキルアミド、キレート、フッ素
処理活性剤、顔料等があげられる。負帯電用の電荷制御
剤としては、例えば電子受容性の有機錯体、その他塩素
化パラフィン、塩素化ポリエステル、酸基過剰のポリエ
ステル、銅フタロシアニンのスルホニルアミン等があげ
られる。
【0044】前記平滑剤としては、たとえばBASF社
製の商品名「アクロナール4F」、モンサント社製の
「モダフロー2000」、東芝シリコーン社製の「YF
3919」などが挙げられる。平滑剤の配合量は、透光
性粉体塗料の場合、結着樹脂100重量部に対して0.
1〜2重量部、好ましくは0.5〜1重量部であるのが
よい。
【0045】本発明における粉体塗料は、上記の各成分
を乾式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等
を用いて予備混合した混合物を、ジェットミル、バンバ
リーミキサー、ロール、1軸または2軸の押出混練機等
を用いて溶融混練したのち、得られた混練物を冷却して
粉砕し、さらに必要に応じて分級することにより製造さ
れる。
【0046】この他に、重合法、マイクロカプセル重合
法、スプレードライ法等を用いて製造することもでき
る。本発明における透光性粉体塗料は、2色以上を混合
した際の色味の均一性を考慮すると、粒径が小さいほど
好ましく、とくにその平均粒径が30μm以下であるの
が好ましい。
【0047】また、粉体塗料の帯電性や塗膜の形成しや
すさ、凝集のしにくさ等を考慮すると、粉体塗料の平均
粒径は、上記範囲内でもとくに1μm以上であるのが好
ましい。さらに上記各特性のバランスを考慮すると、粉
体塗料の平均粒径は、上記範囲内でもとくに5〜20μ
mであるのがとくに好ましい。粉体塗料には、その流動
性や帯電特性等を向上するために、各種の外添剤を添加
してもよい。このような外添剤としては、酸化アルミニ
ウム、酸化けい素、酸化チタニウム、酸化亜鉛等の金属
酸化物の微粉末、あるいはふっ素樹脂微粒子等の粒径
1.0μm以下程度の従来公知の種々の外添剤を使用で
き、とくに疎水性または親水性のシリカ微粒子を含むシ
リカ系表面処理剤(例えば超微粒子状無水シリカやコロ
イダルシリカ)等が好適に使用される。
【0048】外添剤の添加量はとくに限定されず、従来
と同程度でよい。具体的には、粉体塗料100重量部に
対して、外添剤を0.1〜3.0重量部程度添加するの
が好ましいが、この範囲に限定されるものではない。色
の異なる各透光性粉体塗料を混合して調色するにあたっ
ては、これらの粉体塗料を溶融させることのない乾式混
合で行うのがよい。乾式混合は、前記したような乾式ブ
レンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等を用い
て、各色の粉体塗料が均一に混合され、色斑点のない均
一な色調になるまで行う。各粉体塗料を混合するにあた
っては、所望の色調となるように各粉体塗料の適当量を
混合し、目視で判断することによって行う。
【0049】本発明において、粉体塗料の塗膜を形成す
る方法は特に限定されるものではなく、通常用いられる
粉体塗装法がいずれも採用可能であり、例えば流動浸漬
法、コロナガン、摩擦帯電ガン(トリボガン)等を用い
る静電塗着法、静電流動浸漬法などが使用可能である。
各色の透光性粉体塗料を混合して塗装溶融させて得られ
る塗膜の厚さは、通常30〜200μm、好ましくは5
0〜150μm程度であるのが好ましい。塗膜の厚さが
この範囲を下回るときは塗膜の色相が不均一となりやす
く、逆に前記範囲を超えるときは色再現性が劣るように
なる。
【0050】また、重ね塗りによって調色する場合に
は、所望の色調となるように各粉体塗料を順次塗装溶融
させて、積層し、目視で判断することによって行う。各
粉体塗料の塗膜の厚さは、通常20〜100μm、好ま
しくは30〜70μm程度であるのが好ましい。塗膜の
厚さがこの範囲を下回るときは塗膜の色相が不均一とな
りやすく、逆に前記範囲を超えるときは色再現性が劣る
ようになる。
【0051】形成された塗膜の透光性は、表1に示す分
光透過率の範囲を満足するのが好ましい。同表は理想的
には透過しない波長域における透過率を2%としたとき
の各波長域での最大透過率を示す。
【0052】
【表1】
【0053】表1において、2%と記載している以外の
箇所の透過率が同表に示されている数値を下回るとと、
塗膜が不透明となり、色再現性が低下するおそれがあ
る。図1は、本発明の調色方法の原理を示している。す
なわち、図1に示すように、イエローの粉体塗料とマゼ
ンタの粉体塗料とを混合して被塗物1の表面に塗装し溶
融させて塗膜2を形成した場合、この塗膜2にはイエロ
ー塗膜層Yとマゼンタ塗膜層Mとが混在している。被塗
物1の表面には、被塗物1表面における入射光と反射光
の波長を等しくするために、あらかじめ下地用白色塗膜
3が形成されている。
【0054】ここで、イエロー塗膜層Yは赤色光4と緑
色光5を透過し、青色光6を吸収する。一方、マゼンタ
塗膜層Mは赤色光4と青色光6を透過し、緑色光5を吸
収する。従って、イエロー塗膜層Yとマゼンタ塗膜層M
とが混在した塗膜2では赤色光4のみが透過する。その
際、各塗膜層M,Yは透光性を有するので、明度、彩度
のある赤色の塗膜が得られる。
【0055】同様に、シアンの透光性粉体塗料を用いた
シアン塗膜層(図示せず)は、緑色光5と青色光6とを
透過し、赤色光4を吸収する。従って、例えばシアン塗
膜層と前述のイエロー塗膜層とを混在させれば、緑色光
のみが透過し、緑色の塗膜が得られる。重ね塗りの場合
も、同様にして調色可能であることはいうまでもない。
【0056】
【実施例】以下、本発明を参考例、実施例および比較例
に基づいて説明する。 参考例 (ポリエステル樹脂の作製)ポリオキシプロピレン
(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(一般式(1) 中のR1 およびR2 がトリメチレ
ンで、xおよびyがそれぞれ2であるジオール成分)8
40g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(一般式(1) 中の
1 およびR2 がエチレンで、xが2、yが0であるジ
オール成分)195g、テレフタル酸29g、ジ−n−
ブチルスズオキシド(安定剤)2gおよびヒドロキノン
1.5gを2リットルのフラスコに入れて、200℃で
攪拌しつつ共重縮合させた。反応は、ASTM E 2
8−51Tに準じて、軟化点が122℃に達したときに
終了させた。
【0057】得られたポリエステル樹脂は、淡黄色の固
体であり、DSC(示差熱量計)によるガラス転移温度
は66℃であった。酸価(AV)は14KOH mg/g、水酸
基価(OHV) は36KOH mg/g(OHV/AV=2.5
7)であった。 実施例1 (シアン系透光性粉体塗料の製造) ・結着樹脂:上記参考例で得たポリエステル樹脂 85重量部 ・着色剤:下記式(2-1) で表される銅フタロシアニン系顔料 3重量部 ・硬化剤:ブロックイソシアネート 15重量部 ・平滑剤:アクロナール4F(前出) 1重量部
【0058】
【化8】
【0059】これらの各成分をヘンシェルミキサーで1
分間混合し、混合物を押出混練機を用いて110℃で溶
融混練した後、混練物をジェットミルで粉砕した。つい
で、粉砕物を150メッシュの篩で分級し、シリカ微粒
子を0.5重量%添加した。得られた透光性粉体塗料の
体積平均粒径は11μmであった。 実施例2 (マゼンタ系透光性粉体塗料の製造)着色剤として前記
一般式(5) のキナクリドン系顔料に含まれるC.I.ピ
グメントバイオレット122(前出)を用いたほかは、
実施例1と同様にして体積平均粒径11μmのマゼンタ
系透光性粉体塗料を得た。
【0060】実施例3 (イエロー系透光性粉体塗料の製造)着色剤として下記
式(6-1) で表されるC.I.ピグメントイエロー17を
用いたほかは、実施例1と同様にして体積平均粒径が1
1μmのイエロー系透光性粉体塗料を得た。
【0061】
【化9】
【0062】(透光性の評価)着色剤として酸化チタン
を40重量部で用いたほかは、実施例1と同様にして白
色の粉体塗料を作製した。この白色粉体塗料を被塗物の
表面にコロナガンにて塗布し、180℃で溶融させて不
透明な下地用白色塗膜(厚さ50μm)を得た。
【0063】ついで、実施例1〜3で得た各透光性粉体
塗料をそれぞれ2枚のガラス板間に挟み溶融させて各色
の試料(厚さ0.9μm)を得た。実施例1〜3で得た
各透光性粉体塗料の分光透過率を分光光度計にて測定し
た。測定結果を表2に示す。表2に示す分光透過率の値
は、理想的に透過しない波長における透過率を2%とし
たときの各波長域における最大値を示している。
【0064】
【表2】
【0065】この結果から、例えば実施例3で得たイエ
ローの透光性粉体塗料と、実施例2で得たマゼンタの透
光性粉体塗料とを混合して塗装溶融あるいはそれらを重
ね塗りした場合には、赤の光のみを透過する赤色に調色
された塗膜を得ることができることがわかる。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、使用する粉体塗料が透
光性であるので、色の異なる透光性粉体塗料を適宜組み
合わせて混合または重ね塗りすることにより、容易に所
望の色に調色することができる。従って、使用する粉体
塗料の種類も少なくてよく、特にマゼンタ、イエローお
よびシアンの透光性粉体塗料を使用すると、わずか3種
類の粉体塗料で多種類の色の塗膜を再現することができ
るので、色再現性の幅が広がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の調色方法の原理を示す説明図である。
【符号の説明】
1 被塗物 2 塗膜 3 白色塗膜

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2色の透光性粉体塗料を混合し
    て調色し、ついで被塗物の表面に塗装して塗膜を形成す
    ることを特徴とする、調色された塗装塗膜の製造方法。
  2. 【請求項2】マゼンタ、イエローおよびシアンからなる
    3色の透光性粉体塗料の2種または3種を混合して調色
    し、ついで被塗物の表面に塗装して塗膜を形成すること
    を特徴とする、調色された塗装塗膜の製造方法。
  3. 【請求項3】少なくとも2色の透光性粉体塗料を被塗物
    の表面に順次重ね塗りして、塗膜を形成することを特徴
    とする、調色された塗装塗膜の製造方法。
  4. 【請求項4】マゼンタ、イエローおよびシアンからなる
    3色の透光性粉体塗料の2種または3種を、被塗物の表
    面に順次重ね塗りして、塗膜を形成することを特徴とす
    る、調色された塗装塗膜の製造方法。
  5. 【請求項5】前記被塗物の表面が白色である請求項1な
    いし4のいずれかに記載の塗装塗膜の製造方法。
  6. 【請求項6】前記被塗物の表面に不透明な下地用白色塗
    膜が形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載
    の塗装塗膜の製造方法。
  7. 【請求項7】少なくとも2色の透光性粉体塗料の混合物
    を被塗物の表面に塗装して形成された塗膜からなること
    を特徴とする、調色された塗装塗膜。
  8. 【請求項8】マゼンタ、イエローおよびシアンからなる
    3色の透光性粉体塗料の2種または3種の混合物を被塗
    物の表面に塗装して形成された塗膜からなることを特徴
    とする、調色された塗装塗膜。
  9. 【請求項9】少なくとも2色の透光性粉体塗料を、被塗
    物の表面に順次重ね塗りして形成された積層塗膜からな
    ることを特徴とする、調色された塗装塗膜。
  10. 【請求項10】マゼンタ、イエローおよびシアンからな
    る3色の透光性粉体塗料の2種または3種を、被塗物の
    表面に順次重ね塗りして形成された積層塗膜からなるこ
    とを特徴とする、調色された塗装塗膜。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023182207A1 (ja) * 2022-03-24 2023-09-28 株式会社Lixil 硬化塗膜及び被塗物

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WO2023182207A1 (ja) * 2022-03-24 2023-09-28 株式会社Lixil 硬化塗膜及び被塗物

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