JPH10292044A - 吸水性フィルム及びシート並びにそれらの製造方法 - Google Patents

吸水性フィルム及びシート並びにそれらの製造方法

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JPH10292044A
JPH10292044A JP10025985A JP2598598A JPH10292044A JP H10292044 A JPH10292044 A JP H10292044A JP 10025985 A JP10025985 A JP 10025985A JP 2598598 A JP2598598 A JP 2598598A JP H10292044 A JPH10292044 A JP H10292044A
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JP
Japan
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water
acid
sheet
bis
ether
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Application number
JP10025985A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Irisato
義広 入里
Hiroaki Tamaya
玉谷  弘明
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水能に優れた高吸水性のシート、フィルム
及びそれらを含む複合体を供給する。さらには分解性の
高吸水性のシート、フィルム及びそれらを含む複合体を
供給する。 【解決手段】 高吸水性樹脂の吸水能に優れた高吸水性
のシート、フィルムの製造方法及び架橋ポリアミノ酸を
含むことにより得られる分解性の吸水性シート、フィル
ム及びその製造方法を提供する 【効果】 紙オムツ用、農・園芸用等に使用される吸水
体として優れた吸水能を有する高吸水性のシート、フィ
ルム及びそれらを含む複合体並びに分解性を有する高吸
水性のシート、フィルムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸水性フィルム、シ
ート及びそれらからなる複合体及びそれらの製造方法、
並びに分解性を有する吸水性フィルム、シート及びそれ
らからなる複合体及びそれらの製造方法に関する。さら
に詳しくは、優れた吸水性を有し、成形性に優れた吸水
性フィルム、シート及びそれらからなる複合体及びそれ
らの製造方法、並びに優れた吸水性を有し、成形性に優
れ、廃棄時には容易に分解しやすい吸水性フィルム、シ
ート及びそれらからなる複合体及びそれらの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】
[吸水性樹脂に関する先行技術]吸水性樹脂は、自重の
数十倍から数千倍の水を吸収できる樹脂であり、生理用
品、紙おむつ、母乳パット、使い捨て雑巾等の衛生用
品、創傷保護用ドレッシング材、医療用アンダーパッ
ト、パップ剤等の医療用品、ペット用シート、携帯用ト
イレ、ゲル芳香剤、ゲル消臭剤、吸汗性繊維、使い捨て
カイロ等の生活用品、シャンプー、セット用ジェル剤、
保湿剤等のトイレタリー用品、農・園芸用の保水材、切
り花の延命剤、フローラルフォーム(切り花の固定化
材)、育苗用苗床、水耕栽培、植生シート、種子テー
プ、流体播種、結露防止用農業用シート等の農・園芸用
品、食品用トレー用鮮度保持材、ドリップ吸収性シート
等の食品包装材、保冷材、生鮮野菜運搬用吸水性シート
等の運搬用資材、結露防止用建築材料、土木・建築用の
シーリング材、シールド工法の逸泥防止剤、コンクリー
ト混和剤、ガスケット・パッキング等の土木建築資材、
光ファイバー等の電子機器のシール材、通信ケーブル用
止水材、インクジェット用記録紙等の電気機器関連資
材、汚泥の凝固剤、ガソリン、油類の脱水、水分除去剤
等の水処理剤、捺染用のり、水膨潤性玩具、人工雪等の
幅広い分野に使用されている。また、その薬品徐放性を
利用して、徐放性肥料、徐放性農薬、徐放性薬剤等の用
途にも期待されている。さらにその親水性を利用して湿
度調整材、電荷保持性を利用して帯電防止剤等への使用
も期待される。
【0003】このような用途に使用されている吸水性樹
脂としては、例えば、架橋ポリアクリル酸部分中和物
(特開昭55−84304号、米国特許4625001
号)、澱粉−アクリロニトリル共重合体の部分加水分解
物(特開昭46−43995号)、澱粉−アクリル酸グ
ラフト共重合体(特開昭51−125468号)、酢酸
ビニル−アクリル酸エステル共重合体の加水分解物(特
開昭52−14689号)、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸の共重合架橋物
(欧州特許0068189号)、カチオン性モノマーの
架橋体(米国特許4906717号)、架橋イソブチレ
ン−無水マレイン酸共重合体(米国特許4389513
号)などが知られている。
【0004】ところが、これらの吸水性樹脂組成物は分
解性を有しないため、使用後の廃棄が問題である。現状
としては、これらの吸水性樹脂は、廃棄時には焼却処理
する方法と埋め立てする方法が行われているが、焼却炉
で処理する方法では、焼却時に発生する熱による炉材の
損傷のほかに、地球の温暖化や酸性雨の原因となること
が指摘されている。また、埋め立て処理する方法では、
プラスチックは容積がかさばる、腐らないため地盤が安
定しない等の問題があるうえ、埋め立てに適した場所が
なくなってきたことが大きな問題となっている。
【0005】すなわち、これらの樹脂は分解性に乏し
く、水中や土壌中では半永久的に存在するので、廃棄物
処理における環境保全を考えると非常に重大な問題であ
る。例えば、紙おむつ、生理用品等の衛生材料に代表さ
れる使い捨て用途の樹脂の場合、それをリサイクルすれ
ば多大な費用がかかり、焼却するにも大量であるため地
球環境への負荷が大きい。また、農・園芸用保水材とし
て架橋ポリアクリル酸樹脂を使用した場合、土壌中でC
2+等の多価イオンとコンプレックスを形成し、不溶性
の層を形成すると報告されている(松本ら、高分子、4
2巻、8月号、1993年)。しかし、このような層は
そのもの自体の毒性は低いと言われているが、自然界に
は全くないものであり、長期に渡るそれら樹脂の土中へ
の蓄積による生態系への影響は不明であり、十分に調べ
る必要があり、その使用には慎重な態度が望まれる。同
様に非イオン性の樹脂の場合、コンプレックスは形成し
ないが、非分解性のため土壌中へ蓄積する恐れがあり、
その自然界への影響は疑わしい。
【0006】さらにこれらの重合系の樹脂は、人間の肌
等に対して毒性の強いモノマーを使用しており、重合後
の製品からこれを除去するために多くの検討がなされて
いるが、完全に除くことは困難である。特に工業的規模
での製造ではより困難となることが予想される。
【0007】[生分解性を有する吸水性樹脂の技術的背
景]一方、近年、「地球にやさしい素材」として生分解
性ポリマーが注目されており、これを吸水性樹脂として
使用することも提案されている。このような用途に使用
されている生分解性を有する吸水性樹脂としては、例え
ばポリエチレンオキシド架橋体(特開平6−15779
5号等)、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメ
チルセルロース架橋体(米国特許4650716号)、
アルギン酸架橋体、澱粉架橋体、ポリアミノ酸架橋体な
どが知られている。この中でポリエチレンオキシド架橋
体、ポリビニルアルコール架橋体は吸水量が小さく、特
に生鮮食品の鮮度保持材、生理用品、紙おむつ、使い捨
て雑巾、ペーパータオルなどの高い吸水能が要求される
製品の素材として使用する場合、有用でない。
【0008】また、これらの化合物は特殊な菌のみし
か、生分解することができないので、一般的な条件では
生分解性は遅かったり、もしくは全く分解しなかったり
する。さらに分子量が大きくなると極端に分解性が低下
する。また、カルボキシメチルセルロース架橋体、アル
ギン酸架橋体、デンプン架橋体等の糖類架橋体は、その
分子内に強固な水素結合を多く含むために、分子間、ポ
リマー間の相互作用が強く、そのため分子鎖が広く開く
ことができず、吸水能は高くない。
【0009】[ポリアミノ酸径系吸水性樹脂の技術的背
景]一方、ポリアミノ酸を架橋して得られる樹脂は生分
解性を有するために地球環境にやさしく、また生体内に
吸収されても酵素作用により消化吸収され、しかも生体
内での抗原性を示さず、分解生成物も生物の皮膚や粘膜
に対して炎症性が低いことが明らかにされているので、
人に対してもやさしい素材である。このような樹脂の記
載例として、ポリ−γ−グルタミン酸にγ線を照射して
高吸水能を有する樹脂を製造する方法が記載されている
(国岡ら、高分子論文集、50巻10号、755頁(1
993年))。しかし、工業的な観点からは、この技術
に用いる60Co照射設備は、放射能の遮断を行うために
は大がかりな設備が必要であり、その管理にも十分な配
慮が必要であるため現実的ではない。また、出発物質で
あるポリグルタミン酸が高価であることも問題点であ
る。また、酸性アミノ酸を架橋させてハイドロゲルを得
る方法が報告されている(Akamatsuら、米国特許第39
48863号;特公昭52−41309号、岩月ら、特
開平5−279416号)。さらに架橋アミノ酸樹脂を
吸水性ポリマーに用いる報告がされている(Sikesら、
特表平6−506244号;米国特許第5247068
及び同第5284936号、鈴木ら、特開平7−309
943号、原田ら、特開平8−59820号)。
【0010】[吸水性樹脂の形状に関する技術的背景]
生分解性、非生分解性に関わらず、これらの樹脂はその
ほとんどが粒状であり、成形性に乏しいため、特に生鮮
食品の鮮度保持材、生理用品、紙おむつ、使い捨て雑
巾、ペーパータオルなどの高い吸水能が要求される製品
の素材として使用する場合、パルプ等ではさみ、多層構
造にして使用しているのが現状である。しかし、粒状樹
脂をパルプ間に均一に分布させるには高度の技術を必要
とする。一方、これらの樹脂の微粉を熱可塑性樹脂に混
練りする方法(特開昭57−172952号、特開昭5
7−19046号)、熱硬化性組成物に混合・分散させ
る方法(特開昭59−8753号、特開昭58−157
847号、特開平7−82401号等)も知られてい
る。しかし、これらの組成物は吸水性樹脂がバインダー
樹脂等内に分散しているために、必ずしも吸水性樹脂の
吸水能が完全に発現されることは難しく、またバインダ
ー樹脂等によって嵩高くなり、見かけほどの吸水能を示
さなかった。このように実質上優れた吸水能を有するシ
ート、フィルムはなく、強く望まれていた。
【0011】一方、生分解性を有する高吸水性のシー
ト、フィルムは全く見当たらなく、分解性を有し、高い
吸水能を有する吸水シート、フィルムが強く望まれてい
た。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来の問題点を解決し、生分解性を有し、優れ
た吸水能を有するフィルム、シート及びそれらからなる
複合体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討することにより本発明を完成する
に至った。即ち本発明は、以下の[1]〜[11]に記
載した事項により特定される。 [1]架橋ポリアスパラギン酸重合体を含有してなる吸
水性フィルム及びシート。 [2]可塑剤を含む、請求項1に記載した吸水性フィル
ム及びシート。 [3]架橋ポリアスパラギン酸重合体のゲルを剪断後、
キャストすることを特徴とする、吸水性フィルム及びシ
ートの製造方法。 [4]架橋ポリコハク酸イミドの、ポリコハク酸イミド
の一部を加水分解したものであることを特徴とする、吸
水性フィルム及びシートの製造方法。 [5]ポリアスパラギン酸重合体と架橋剤とを反応した
ものである、吸水性フィルム及びシートの製造方法。 [6]架橋ポリアスパラギン酸エステルと架橋剤とを反
応したものである、吸水性フィルム及びシートの製造方
法。 [7]請求項3乃至6の何れかに記載した製造法により
製造された、吸水性フィルム及びシート。 [8]純水及び/又は生理食塩水に対して不溶性であ
る、請求項1乃至7の何れかに記載したフィルム及びシ
ート。 [9]請求項1、2、7又は8の何れかに記載したフィ
ルム及びシートからなる吸水剤。 [10]請求項1、2、7又は8の何れかに記載したフ
ィルム及びシートを多層構造の少なくとも一部の層に有
することを特徴とする、多層構造吸水性複合体。 [11] 請求項1、2、7又は8の何れかに記載した
フィルム及びシートから1なる吸水性複合体。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。
【0015】(1) 吸水性フィルム及びシート並びに
それらからなる複合体 本発明で使用される吸水シート、フィルムは厳密には区
別されないが、一般的に0.2mmより薄いものをフィ
ルムと呼び、それ以上のものをシートと呼ぶ。本発明で
は、以後、便宜的にフィルム及びシートを略してシート
類と呼ぶ。また吸水能を有するフィルム及びシートを吸
水シートと呼ぶ。一般的には、シート類は平滑で均一な
厚みを有するものであるが、場合により、エンボス状等
の平坦でない構造をとることもできる。また、平面では
ない3次元的な構造を取ったものでも構わない。例え
ば、レンズ状とか、そりを持っていてもよい。本発明の
シート類は、その表面を加工してもよく、また、必要に
応じて穴を空けたり、切り込み、ひびをいれてもよい。
一方、本発明で使用される吸水シートは単独でも、他の
素材との組み合わせによる複合体でも構わない。複合体
の構造は特に限定されないが、例えば、パルプ、不織布
等にはさみ、サンドイッチ構造にする方法、樹脂シー
ト、フィルムを支持体として多層構造とする方法、樹脂
シートにキャストし、二層構造とする方法等がある。
【0016】(2) 吸水シートを構成する架橋ポリア
スパラギン酸系樹脂 本発明の吸水シートは架橋ポリアスパラギン酸からな
る。架橋ポリアスパラギン酸の基本骨格は、アスパラギ
ン酸が脱水縮合したポリペプチドであるが、アスパラギ
ン酸以外に他のアミノ酸を含んでいても構わない。アミ
ノ酸成分の具体例としては、例えば、20種類の必須ア
ミノ酸、L−オルニチン、一連のα−アミノ酸、β−ア
ラニン、γ−アミノ酪酸、中性アミノ酸、酸性アミノ
酸、酸性アミノ酸のω−エステル、塩基性アミノ酸、塩
基性アミノ酸のN置換体、アスパラギン酸−L−フェニ
ルアラニン2量体(アスパルテーム)等のアミノ酸及び
アミノ酸誘導体、L−システイン酸等のアミノスルホン
酸等を挙げることができる。α−アミノ酸は、光学活性
体(L体、D体)であっても、ラセミ体であってもよ
い。また、架橋ポリアスパラギン酸は他の単量体成分を
含む共重合体であってもよい。共重合体の単量体成分の
例としては、アミノカルボン酸、アミノスルホン酸、ア
ミノホスホン酸、ヒドロキシカルボン酸、メルカプトカ
ルボン酸、メルカプトスルホン酸、メルカプトホスホン
酸等が挙げられる。また、多価アミン、多価アルコー
ル、多価チオール、多価カルボン酸、多価スルホン酸、
多価ホスホン酸、多価ヒドラジン化合物、多価カルバモ
イル化合物、多価スルホンアミド化合物、多価ホスホン
アミド化合物、多価エポキシ化合物、多価イソシアナー
ト化合物、多価イソチオシアナート化合物、多価アジリ
ジン化合物、多価カーバメイト化合物、多価カルバミン
酸化合物、多価オキサゾリン化合物、多価反応性不飽和
結合化合物、多価金属等が挙げられる。共重合体である
場合は、ブロック・コポリマーであっても、ランダム・
コポリマーであっても構わない。また、グラフトであっ
ても構わない。これらの中で、高い吸水性を有するポリ
アスパラギン酸単独にて基本骨格を形成したほうが好ま
しい。本発明に使用される架橋ポリアスパラギン酸の側
鎖構造については 単純にイミド環を開環した構造でカ
ルボキシル基を持つ基であるが、他の置換基を導入した
構造であっても構わない。例えば、リジン等のアミノ酸
残基、カルボキシル基を有する炭化水素基、スルホン酸
基、カチオンを有するペンダント基等がある。
【0017】またカルボキシル基、もしくは側鎖基は、
ポリマー主鎖のアミド結合に対して、アスパラギン酸残
基の場合は、α位に置換されていても、β位に置換され
ていても構わない。カルボキシル基の場合は、水素原子
が結合した形でも、塩を構成しても構わない。カルボキ
シル基の対イオンとしては、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩、アミン塩等がある。本発明に使用されるポリア
スパラギン酸は架橋体であり、そのポリマー基本骨格と
架橋部分の結合部分は、アミド結合、エステル結合、チ
オエステル結合である。
【0018】これらの架橋部分及び側鎖部分は、無置換
でも、置換していてもよい。置換基としては、炭素原子
数1から18の分岐していてもよいアルキル基、炭素原
子数3から8のシクロアルキル基、アラルキル基、置換
していてもよいフェニル基、置換していてもよいナフチ
ル基、炭素原子数1から18の分岐していてもよいアル
コキシ基、アラルキルオキシ基、フェニルチオ基、炭素
原子数1から18の分岐していてもよいアルキルチオ
基、炭素原子数1から18の分岐していてもよいアルキ
ルアミノ基、炭素原子数1から18の分岐していてもよ
いジアルキルアミノ基、炭素原子数1から18の分岐し
ていてもよいトリアルキルアンモニウム基、水酸基、ア
ミノ基、メルカプト基、スルホニル基、スルホン酸基、
ホスホン酸基及びこれらの塩、アルコキシカルボニル
基、アルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。吸水
シート中の、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の組成は特
に限定されないが、樹脂単体であっても、他の添加物を
加えても構わない。他の添加物を加える場合は、その添
加量は特に限定されないが、組成物全体に対して0.0
1〜70重量%が好ましく、0.1〜50重量%が特に
好ましい。本発明に使用される吸水シートは必要によ
り、架橋ポリアミノ酸系吸水性樹脂以外の吸水性樹脂を
混合して用いても良い。また、必要により、食塩、コロ
イダルシリカ、ホワイトカーボン、超微粒子状シリカ、
酸化チタン粉末等の無機化合物、キレート剤等の有機化
合物を添加しても構わない。さらに可塑剤、酸化剤、酸
化防止剤、還元剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、殺菌剤、防
カビ剤、肥料、香料、消臭剤、顔料等を混合しても構わ
ない。
【0019】(3) 吸水シートに含まれる可塑剤 本発明の吸水シートは、場合によっては可塑剤を添加す
ることができる。本発明の可塑剤としては、各種の親水
性化合物が使用できる。その目的は吸水シートに柔軟性
を付与することにある。場合によっては、特に加えなく
ても構わない。本発明に使用される可塑剤としては特に
限定されないが、水、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコー
ル、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、シュウ酸、こ
はく酸、アジピン酸、マロン酸、グルタル酸、フマル
酸、マレイン酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、
アセトンジカルボン酸等のカルボン酸、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、リグニン
スルホン酸等のスルホン酸、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレ
ングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール等のグリコール類、ポリビニルアルコ
ール、部分加水分解ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ンイミン、ポリアリルアミン等の水溶性合成ポリマー、
エタノールアミン等のアミノアルコール、エリトロー
ル、エリトルロール、エリトルトール、トレオース、β
−アラビノース、キシルロース、α−キシロース、2−
デオキシリボース、α−リキソース、リブロース、リボ
ース、アラビトール、リビトール、α−アルトロース、
β−アルトロース、β−アロース、イドース、α−ガラ
クトース、β−ガラクトース、α−キノボース、α−グ
ルコース、β−グルコース、グロース、ジギタロース、
ジキトキソース、シマロース、ソルボース、タガトー
ス、α−タロース、α−フコース、プシコース、β−フ
ルクトース、α−マンノース、α−ラムノース、イノシ
トール、ガラクチトール、クエルシトール、グルシトー
ル、マンニトール、イズロン酸、ガラクタル酸、α−ガ
ラクツロン酸、グルカル酸、β−グルクロン酸、グルコ
ン酸、グルロン酸、2−デオキシグルコン酸、マンヌロ
ン酸−6,3−ラクトン、エチル=β−フルクトフラシ
ノイド、メチル=α−ガラクトピラノシド、メチル=β
−ガラクトピラノシド、メチル=α−グルコピラシノイ
ド、メチル=β−グルコピラノシド、メチル=α−フル
クトフラシノイド、メチル=α−マンノピラシノイド、
メチル=β−マンノピラシノイド、N−アセチル−α−
ガラクトサミン、N−アセチル−α−グルコサミン、N
−アセチル−マンノサミン、α−ガラクトサミン塩酸
塩、α−グルコサミン、α−マンノサミン塩酸塩、ムラ
ミン酸、α−ヘプトース、β−ヘプトース、ヘプツロー
ス、ヘプチトール、オクチトール、オクツロース、ノイ
ラミン酸、ノヌロース、ソルビトール、ペンタエリスリ
トール等の単糖類、アロラクトール、イソマルトール、
キシロビオース、ゲンチオビオース、コージビオース、
コンドロシン、スクロース、セロビオース、ソホロー
ス、β−ツラノース、α,α−トレハロース、ニゲロー
ス、ヒアロビウロン酸、β−マルトース、α−メリビオ
ース、α−ラクトース、ラミナリビオース、ルチノース
等の二糖類、β−ゲンチアノース、スタキオース、セロ
トリオース、プランテオース、マルトトリオース、α−
メレジトース、ラクト−N−テトラオース、ラフィノー
ス等の三糖類、アガロース、アミロース、アミロペクチ
ン、アラバン、アラビノガラクタン、アルギン酸、イヌ
リン、カードラン、ガラクタン、キシラン、キチン、グ
ルコマンナン、コンドロイチン、コンドロイチン−4−
硫酸塩、コンドロイチン−6−硫酸塩、デキストリン、
デキストラン、ヒアルロン酸、プルラン、ペクナン酸、
マンナン、リケナン、レバン、キトサン、キトサン−コ
ハク酸変性物、デンプン、カチオン化デンプン、セルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、アセチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
硝酸セルロース、酢酸セルロース、カチオン化セルロー
ス等の多糖類、20種類の必須アミノ酸、L−オルニチ
ン、一連のα−アミノ酸、β−アラニン、γ−アミノ酪
酸、中性アミノ酸、酸性アミノ酸、酸性アミノ酸のω−
エステル、塩基性アミノ酸、塩基性アミノ酸のN置換
体、アスパラギン酸−L−フェニルアラニン2量体(ア
スパルテーム)等のアミノ酸及びアミノ酸誘導体、L−
システイン酸等のアミノスルホン酸、アデニン、アデノ
シン、アデノシン−3’−リン酸、イノシン、ウラシ
ル、ウリジン、オロト酸、キサンチン、キサントシン、
グアニン、グアノシン、シチジン、シトシン、ジヒドロ
ウラシル、チミジン、デオキシアデノシン、デオキシウ
リジン、デオキシグアノシン、デオキシシチジン、ヒポ
キサンチン、プソイドウリジン等の核酸及びその誘導
体、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセリン、ホ
スファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノール
アミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリ
ン、ビスホスファチジン酸、スフィンゴミエリン等のリ
ン脂質、アスコルビン酸、イノシトール、コリン、チア
ミン塩酸塩、ニコチン酸、ニコチンアミド、パントテン
酸、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキサール塩酸塩、ピリ
ドキサミン二塩酸塩、シアノコバラミン、グルタチオ
ン、補酵素A、補酵素B12、チアミンピロリン酸、ピリ
ジンヌクレオチド、ピリドキサールリン酸、ピリドキサ
ミンリン酸、フラビンモノヌクレオチド、葉酸補酵素等
のビタミン及び補酵素類が挙げられる。これらの中で分
子内に親水基を豊富に持つ化合物が均一に混合しやす
く、また得られたフィルム、シートに濁りを生じないの
で好ましい。すなわち、ソルビトール、ペンタエリスリ
トール、イズロン酸、ガラクタル酸、α−ガラクツロン
酸、グルカル酸、β−グルクロン酸、グルコン酸、グル
ロン酸、2−デオキシグルコン酸、マンヌロン酸−6,
3−ラクトン、α−ガラクトサミン塩酸塩、α−マンノ
サミン塩酸塩、ムラミン酸、アルギン酸、コンドロイチ
ン−4−硫酸塩、コンドロイチン−6−硫酸塩、ヒアル
ロン酸、ペクナン酸、キトサン、キトサン−コハク酸変
性物、カチオン化デンプン、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化セルロー
スが好ましく、ソルビトール、ペンタエリスリトール、
グルコン酸、α−ガラクトサミン塩酸塩、コンドロイチ
ン−4−硫酸塩、コンドロイチン−6−硫酸塩、アルギ
ン酸、ヒアルロン酸、キトサン、キトサン−コハク酸変
性物、カチオン化デンプン、カルボキシメチルセルロー
ス、カチオン化セルロースが特に好ましい。本発明に使
用される可塑剤は必要により、2種以上の他の可塑剤と
混合して用いても良い。これらの可塑剤の使用量は特に
限定されないが、使用する場合は、組成物に対して、
0.01〜80重量%が好ましく、0.1〜30重量%
がより好ましい。可塑剤の添加時期、方法は特に限定さ
れず、非架橋ポリコハク酸イミドの製造時、架橋ポリコ
ハク酸イミドからなるシート類の製造時、加水分解時の
いずれであっても構わない。この中で、架橋ポリコハク
酸イミドのシート類の製造時に添加する方法が好まし
い。
【0020】(4)吸水性シートの製造方法 本発明の吸水性シートは架橋ポリアスパラギン酸重合体
からなるが、その製造方法は特に限定されない。その製
造法の例としては、(4−1)水又は極性有機溶媒/水
で膨潤した架橋ポリアスパラギン酸系樹脂のゲルを剪断
後、キャストする方法、(4−2)架橋ポリコハク酸イ
ミドのシート類を加水分解する方法、(4−3)非架橋
ポリアスパラギン酸と架橋剤をキャスト後、もしくはキ
ャストしながら反応する方法、(4−4)非架橋ポリア
スパラギン酸エステルと架橋剤をキャスト後、もしくは
キャストしながら反応する方法がある。
【0021】(4−1) 水又は極性有機溶媒/水で膨
潤した架橋ポリアスパラギン酸系樹脂のゲルを剪断後、
キャストする方法 本発明の吸水性シートの製造方法の一つとしては、水又
は水と極性有機溶媒を用いて膨潤させた樹脂のゲルを剪
断し、その懸濁液をキャストし、乾燥する方法がある。
もしくは、水又は水と極性有機溶媒とともに吸水性樹脂
を湿式粉砕しながら剪断し、その懸濁液をキャストし、
乾燥する方法がある。使用する溶媒は水又は水と極性有
機溶媒の混合液である。極性有機溶媒は、特に限定され
ないが、水と混和性を有するものが好ましい。一般には
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、2−メトキシエタノール、2−エト
キシエタノール等のアルコール類、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグ
リコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等の環状エーテル、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチ
ルスルホキシド、スルホラン等がある。特に乾燥が容易
であり、かつ乾燥後に組成物内に溶剤が残留しない点で
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノールが好ましい。有機溶剤と水の使用量及
び比は特に限定されないが、有機溶媒の割合として、
0.1〜90重量%が好ましく、10〜60重量%が特
に好ましい。水単独では樹脂が膨潤するので、懸濁液の
粘度が著しく高くなり、キャストが困難になりやすい。
そのため高濃度で使用することは困難であり、低濃度で
しか使用できない。水単独で使用する方法は、膜厚が薄
い樹脂の製造法に向く。水と極性有機溶媒を使用する場
合は、有機溶剤と水の比を調整すると、吸水性樹脂の膨
潤度を制御できるので、キャスト前の懸濁液の粘度と濃
度を調整できる。この方法では、膜厚の薄いものから厚
いものまで製造できる。本発明に使用される吸水性樹脂
の吸水能の一つである吸水量は、目的とする使用用途に
よって変わってくる。その吸水量は特に限定されない
が、蒸留水の場合にて、吸水性樹脂の単位重量に対して
10〜2000倍が好ましく、100〜1000倍がよ
り好ましい。使用する吸水性樹脂の濃度は、樹脂を含ん
だ懸濁液に対して、0.1〜60重量%が好ましく、1
〜30重量%が特に好ましい。膜厚が薄い吸水シートの
製造の場合は、比較的低濃度の吸水性樹脂懸濁液を用い
て行った方がよく、吸水性樹脂の濃度は0.1〜30重
量倍が好ましく、特に1〜20重量倍が好ましい。膜厚
が厚い吸水性シートの製造の場合は、高濃度の吸水性樹
脂懸濁液を用いて行った方がよく、吸水性樹脂の濃度は
1〜60重量倍が好ましく、特に5〜60重量倍が好ま
しい。吸水性シートの膜厚は、使用する用途によって変
わってくる。膜厚が薄い場合は、吸水性シートとして使
用した場合に、吸水速度が速くなるが、同じ面積では重
量が小さくなるために吸水量は低くなる。また、機械的
強度が低くなり、乾燥中に割れやすくなったりする。膜
厚が厚い場合は、吸水速度が低下するが単位面積当たり
の吸水量は高くなる。吸水性シート製造時の剪断は、通
常、剪断機やホモジナイザーにより行なう。これらの機
器は、ゲルを含む懸濁液を剪断できる様式のものであれ
ば特に制限されないが、例えば、攪拌翼が高速回転(例
えば、500〜20000ppm)する様式のもの、羽
付き攪拌翼が高速回転(例えば、500〜20000p
pm)するものが好ましく使用される。より具体的に
は、刃付きのミキサー、パイプラインミキサー、ホモミ
ックスラインミキサー、ディスインテクグレーター、ス
パイクミル、ゴラトールポンプ等が挙げられる。キャス
トに使用される基材としては、特に限定されないが、一
般的にはガラス板、プラッスチック板、金属板、紙等が
挙げられる。離型性を必要とする場合は、ガラス板、テ
フロン板、金属板等が好ましい。キャストした吸水性樹
脂懸濁液の乾燥温度は特に限定されないが、20〜15
0℃が好ましく、特に40〜100℃が好ましい。ここ
で乾燥温度は、徐々に昇温する方法でも、急激に高い温
度中にキャスト物をいれても構わない。ただし、徐々に
昇温した場合は連続体に近いものが得られ、急激に乾燥
した場合は、断片化が進み、割れる場合がある。また、
高濃度にてキャストすると、連続体になりやすく、シー
ト類状の樹脂が選られる場合があるが、キャスト時又は
乾燥時に必要な大きさに切断して用いればいい。
【0022】(4−2) 架橋ポリコハク酸イミドのシ
ート類を加水分解する方法 本発明に使用される架橋ポリコハク酸イミドのシート類
は以下の方法にて製造される。例えば、非架橋ポリコハ
ク酸イミドと架橋剤を同時にキャストし、反応させる方
法、非架橋ポリコハク酸イミドをキャストした後に、架
橋剤を反応させる方法、架橋ポリコハク酸イミドと有機
溶媒及び/又は水の懸濁液をキャストする方法、架橋ポ
リコハク酸イミドと有機溶媒及び/又は水からなるゲル
を剪断してキャストする方法等が挙げられる。その一例
として、ポリコハク酸イミドの溶液に架橋剤を加え、素
早く均一にかき混ぜ、ガラス板等上にキャストし、溶媒
を除去することにより得られる。もしくはポリコハク酸
イミドのフィルムもしくはシートに架橋剤を反応させる
ことにより得られる。得られた架橋ポリコハク酸イミド
のシート類を希アルカリ水中で加水分解して、イミド環
を開環し、乾燥することにより吸水性シートが得られ
る。架橋ポリコハク酸イミドのシート類の製造に使用さ
れる溶媒は、ポリコハク酸イミドを溶解できるものであ
ればよく、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、
N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホ
キシド、スルホラン等が挙げられる。この中でポリコハ
ク酸イミドの溶解性が高く、乾燥により除去しやすい
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミドが特に好ましい。架橋ポリコハク酸イミドのシ
ート類製造時のポリコハク酸イミドの濃度は、特に限定
されないが、0.1〜50重量%が好ましく、特に1〜
40重量%が好ましい。使用される架橋剤としては、イ
ミド環と反応する多官能性化合物であれば特に限定され
ないが、ポリアミン、ポリチオール等がある。
【0023】一般にヒドラジン、エチレンジアミン、プ
ロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ヘプタメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチ
レンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレン
ジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジ
アミン、ドデカメチレンジアミン、テトラデカメチレン
ジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン、1−アミノ−
2,2−ビス(アミノメチル)ブタン、テトラアミノメ
タン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン
等の脂肪族ポリアミン、ノルボルネンジアミン、1,4
−ジアミノシクロヘキサン、1,3,5−トリアミノシ
クロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミ
ン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレ
ンジアミン等の芳香族ポリアミン、リジン、オルニチン
に代表されるような塩基性アミノ酸もしくはそれらのエ
ステル類、シスタミン等のモノアミノ化合物がジスルフ
ィド結合により結合したもの及びその誘導体等のポリア
ミン、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジ
チオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサ
ンジチオール、ペンタエリスリチオール等の脂肪族ポリ
チオール、シクロヘキサンジチオール等の脂環式ポリオ
ール、キシリレンジチオール、ベンゼンジチオール、ト
ルエンジチオール等の芳香族ポリチオール、トリメチロ
ールプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチロ
ールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)
ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレー
ト)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプ
トプロピオネート)ポリチオール等のエステル類が挙げ
られる。この中で好ましいのは、臭気が少なく、ポリコ
ハク酸イミドのイミド環との反応性が高いヒドラジン、
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタ
ンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、リジン、オルニチンが好ましい。
【0024】使用する架橋剤の量は、架橋剤の官能数、
分子量によって決まってくる。その使用量は特に限定さ
れないが、ポリコハク酸イミドに対して0.5〜30モ
ル%が好ましく、特に1〜20モル%が好ましい。架橋
剤を含むポリコハク酸イミド溶液をキャスト後の乾燥条
件は特に限定されない。乾燥温度は、使用する溶剤によ
って変わってくるが、一般には20〜150℃が好まし
く、特に40〜100℃が好ましい。ここで乾燥温度
は、徐々に昇温する方法でも、急激に高い温度中にキャ
スト物をいれても構わない。ただし、徐々に昇温した場
合は連続体に近いものが得られ、急激に乾燥した場合
は、ひびが入りやすいので、徐々に昇温する方法が好ま
しい。。本発明に使用される架橋ポリコハク酸イミドの
シ−トの架橋方法としては、全体に均一な方法であって
も、表面架橋であっても構わない。全体に均一な架橋を
行う方法としては、架橋剤をポリコハク酸イミドの溶液
に均一に混合し、キャスト、乾燥すればいい。表面架橋
を行うの場合は、まず、ポリコハク酸イミドの溶液を架
橋剤を加えず、キャストし、乾燥するか、もしくは少量
の架橋剤を加えてキャストして乾燥して架橋ポリコハク
酸イミドのシート類を得る。得られたシート類に、架橋
剤を含む溶液を吹きかけるか、架橋剤を含む溶液に浸す
ことにより、表面架橋を行う。
【0025】本発明の吸水フィルム及びシートは、さら
に、架橋ポリコハク酸イミドのシート類を加水分解する
ことにより得られる。加水分解の方法は特に限定されな
いが、例えば、架橋ポリコハク酸イミドのフィルムをア
ルカリ水に浸して加水分解する。場合によっては、撹拌
しながら行っても構わない。架橋ポリコハク酸イミドの
フィルムの加水分解に使用される試薬は、特に限定され
ないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸リチウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属
炭酸水素塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカ
リ金属酢酸塩、シュウ酸ナトリウム等のアルカリ金属
塩、アンモニア水等が挙げられる。この中で、安価な水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。また、場
合によっては、加水分解反応以外の方法を用いてもよ
い。例えば、グリシノ基、カルボキシル基、スルホン酸
基、カチオン基等を含むアミン、チオール等を反応させ
る方法である。使用するアルカリ水の濃度は、0.01
〜8重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好まし
い。加水分解時の反応温度は、溶液中のアルカリ濃度に
よって選択すればいい。すなわち、アルカリ濃度が高い
場合は低温を選択し、アルカリ濃度が低い場合は温度を
かけても構わない。ただし、高濃度、高温では、シート
そのものが分解されるので温和な条件が好ましい。好ま
しくは、5〜100℃、より好ましくは、10〜40℃
が挙げられる。アルカリ開環の時間はアルカリ水の濃度
によって変わるが、一般には30秒〜100時間が好ま
しく、5分〜10時間が特に好ましい。アルカリ開環後
のフィルムもしくはシートは、場合によっては、その酸
もしくは酸の塩を別の種類の塩にて交換して用いること
もできる。
【0026】塩交換に使用される対イオンとしては、ア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等がある。具
体的にはナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ
金属塩、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアン
モニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチル
アンモニウム、テトラペンチルアンモニウム、テトラヘ
キシルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、
トリメチルプロピルアンモニウム、ブチルトリメチルア
ンモニウム、ペンチルトリメチルアンモニウム、ヘキシ
ルトリメチルアンモニウム、シクロヘキシルトリメチル
アンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、トリ
エチルプロピルアンモニウム、トリエチルブチルルアン
モニウム、トリエチルペンチルアンモニウム、トリエチ
ルヘキシルアンモニウム、シクロヘキシルトリエチルア
ンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム等のアン
モニウム塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルア
ミン、トリヘキシルアミン、トリエタノールアミン、ト
リプロパノールアミン、トリブタノールアミン、トリペ
ンタノールアミン、トリヘキサノールアミン、ジメチル
アミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチル
アミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシク
ロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、エチルメチルア
ミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メ
チルペンチルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルア
ミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、
ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デ
シルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン等の
アミン塩等がある。この中で対イオンの分子量が大きく
なると相対的に単位あたりの分子量が大きくなるため単
位重量当たりの吸水量が小さくなるので、対イオンの分
子量は小さい方がいい。また用途によって、人の肌等に
触れる場合があるので、生物の皮膚や粘膜に対して炎症
性が低い方が良く、無機の塩もしくはアンモニウム塩が
好ましい。その中でも特にナトリウム、カリウム、トリ
エタノールアミンが好ましい。
【0027】アルカリ開環後のフィルムもしくはシート
は、場合によってはその酸を中和して用いることもでき
る。中和度は50〜100%が好ましく、特に70〜1
00%が好ましい。その方法は特に限定されないが、例
えば、アルカリ開環後のフィルムもしくはシートを、p
Hを調整した溶液中に必要時間浸せばいい。その時間
は、特に限定されないが、一般には30秒〜100時間
が好ましく、5分〜10時間が特に好ましい。アルカリ
開環後のフィルムもしくはシートの乾燥方法は特に限定
されないが、常圧にても減圧下にても行うことができ
る。乾燥の温度は、特に限定されないが、一般には20
〜150℃が好ましく、特に40〜100℃が好まし
い。
【0028】(4−3)非架橋ポリアスパラギン酸と架
橋剤をキャスト後、もしくはキャストしながら反応する
方法 本発明の吸水性シートは、ポリアスパラギン酸の溶液に
架橋剤を加え、均一にかき混ぜ、ガラス板等上にキャス
トし、溶媒を除去しながら、反応させ、場合によっては
中和することにより製造できる。もしくはポリアスパラ
ギン酸のフィルムもしくはシートに架橋剤を反応させ、
中和することにより得られる。ただし、後者の場合、ポ
リアスパラギン酸のフィルム形性能を持たせるために、
好ましくは5万以上、より好ましくは10万以上の重量
平均分子量のものを用いた方がいい。使用される架橋剤
としては、ポリアスパラギン酸に含まれるカルボン酸と
反応するものであれば、特に限定されない。使用するポ
リアスパラギン酸は、フリ−のものでも、ナトリウム、
カリウム等にて部分的に中和したものでも構わない。例
えば、ポリオール、ポリチオール、ポリアミン、ポリエ
ポキシ化合物、ポリイソシアナート、ポリアジリジン化
合物、多価金属等が挙げられる。架橋剤の例を挙げる
と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロ
パンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘ
キサンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオー
ル、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジ
オール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカン
ジオール、ドデカンジオール、ヘキサデカンジオール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘ
キサエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ペンタプロピレングリコー
ル、ヘキサプロピレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、グリセリン、ジグリセリン、EO変性グリセリ
ン、CL変性グリセリン、トリメチロールエタン、トリ
エチロールエタン、トリブチロールエタン、トリヘキサ
ノールエタン、トリメチロールプロパン、トリエチロー
ルプロパン、トリプロパノールプロパン、トリブチロー
ルプロパン、トリヘキサノールプロパン、EO変性トリ
メチロールプロパン、CL変性トリメチロールプロパ
ン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、ジペンタエリスリトール、EO変性ペン
タエリスリトール、CL変性ペンタエリスリトール、ソ
ルビトール、EO変性ソルビトール、キシリレンジオー
ル、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、ビス(ヒドロ
キシプロピル)ベンゼン、ビス(ヒドロキシブチル)ベ
ンゼン、トリス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、トリス
(ヒドロキシエチル)ベンゼン、シクロヘキサンジオー
ル、、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等のポ
リオール類、カテコール、ハイドロキノン、レゾルシノ
ール、ピロガロール、ジヒドロキシフラン、ジヒドロキ
シピリジン等のフェノール類、エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、ブチレン
ジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジア
ミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、
ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
ヘキサデカメチレンジアミン、ビス(2−アミノエチ
ル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、
ビス(4−アミノブチル)エーテル、ビス(5−アミノ
ペンチル)エーテル、ビス(6−アミノヘキシル)エー
テル、ビス(12−アミノドデシル)エーテル、1,2
−ビス(2’−アミノエトキシ)エタン、、1,2−ビ
ス(3’−アミノプロポキシ)エタン、1,2−ビス
(4’−アミノブトキシ)エタン、1,3−ビス(2’
−アミノエトキシ)プロパン、1,3−ビス(3’−ア
ミノプロポキシ)プロパン、ビス(アミノエチルオキシ
エチル)エーテル、ビス(アミノプロピルオキシプロピ
ル)エーテル、ビス(アミノブチルオキシブチル)エー
テル、キシリレンジアミン、ビス(アミノエチル)ベン
ゼン、ビス(アミノプロピル)ベンゼン、ビス(アミノ
ブチル)ベンゼン、トリス(アミノメチル)ベンゼン、
トリス(アミノエチル)ベンゼン、シクロヘキサンジア
ミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロ
ンジアミン、ビス−2,2−(4’−アミノシクロヘキ
シル)プロパン、ノルボルネンジアミン、ジエチレント
リアミントリエチレンテトラミン、テトラエチレンペン
タミン、ポリエチレンポリアミン、リジン、オルニチ
ン、シスチン、システアミン、リジンのジケトピペラジ
ン、オルニチンのジケトピペラジン等のポリアミン類、
トリレンジアミン、フェニレンジアミン、アミノベンジ
ルアミン、ビス−2,2−(4’−アミノフェニル)プ
ロパン等の芳香族ポリアミン類、エピクロルヒドリン、
エピブロムヒドリン、エチレングリコールジグリシジル
エーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テ
トラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ペンタ
エチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジ
ルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリ
メチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパントリグリシジルエーテル、EO変性トリメ
チロールプロパントリグリシジルエーテル、CL変性ト
リメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジトリ
メチロールプロパンジグリシジルエーテル、ジトリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル、EO変性ジト
リメチロールプロパントリグリシジルエーテル、CL変
性ジトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ペンタエ
リスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリ
トールテトラグリシジルエーテル、EO変性ペンタエリ
スリトールテトラグリシジルエーテル、CL変性ペンタ
エリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジペンタエ
リスリトールジグリシジルエーテル、ジペンタエリスリ
トールトリグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトー
ルテトラグリシジルエーテル、EO変性ジペンタエリス
リトールテトラグリシジルエーテル、CL変性ジペンタ
エリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトー
ルポリグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニ
リン、N,N−ジグリシジルトルイジン、ビスー2,2
ー(4'ーグリシジルオキシシクロヘキシル)プロパ
ン、フタル酸ジグリシジルエーテル、テトラヒドロフタ
ル酸ジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグ
リシジルエーテル、ジグリシジルーpーオキシ安息香
酸、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテ
ル、ビニルシクロヘキセンジオキシド、アリサイクリッ
ク・ジエポキシ・アセタール、アリサイクリック・ジエ
ポキシ・アジペート、アリサイクリック・ジエポキシ・
カルボキシレート等のポリエポキシ化合物、エチレンジ
イソシアナート、プロピレンジイソシアナート、1,3
−ジイソシアナトプロパン、ブチレンジイソシアナー
ト、ペンタメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレン
ジイソシアナート、ヘプタメチレンジイソシアナート、
オクタメチレンジイソシアナート、ノナメチレンジイソ
シアナート、デカメチレンジイソシアナート、ウンデカ
メチレンジイソシアナート、ドデカメチレンジイソシア
ナート、ヘキサデカメチレンジイソシアナート、ビス
(2−イソシアナトエチル)エーテル、ビス(3−イソ
シアナトプロピル)エーテル、ビス(4−イソシアナト
ブチル)エーテル、ビス(5−イソシアナトペンチル)
エーテル、ビス(6−イソシアナトヘキシル)エーテ
ル、ビス(12−イソシアナトドデシル)エーテル、
1,2−ビス(2’−イソシアナトエトキシ)エタ
ン、、1,2−ビス(3’−イソシアナトプロポキシ)
エタン、1,2−ビス(4’−イソシアナトブトキシ)
エタン、1,3−ビス(2’−イソシアナトエトキシ)
プロパン、1,3−ビス(3’−イソシアナトプロポキ
シ)プロパン、ビス(イソシアナトエチルオキシエチ
ル)エーテル、ビス(イソシアナトプロピルオキシプロ
ピル)エーテル、ビス(イソシアナトブチルオキシブチ
ル)エーテル、キシリレンジイソシアナート、ビス(イ
ソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロ
ピル)ベンゼン、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼ
ン、トリス(イソシアナトメチル)ベンゼン、トリス
(イソシアナトエチル)ベンゼン、シクロヘキサンジイ
ソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキ
サン、イソホロンジイソシアナート、ノルボルネンジイ
ソシアナート、ビス−2,2−(4’−イソシアナトシ
クロヘキシル)プロパン等のポリイソシアナート類、マ
グネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、
チタン、バナジル、クロム、マンガン、鉄、コバルト、
ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ジルコニウム、モ
リブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドニ
ウム、錫、タングステン、白金、金、水銀、サマリウ
ム、ユーロピウム等の多価金属イオン等が挙げられる。
また架橋剤を使用しないで紫外線、放射線等を用いた自
己架橋であっても構わない。この中で、反応性を考慮す
ると、ポリエポキシ化合物が好ましい。また、生分解性
または分解後の安全性を考慮すると、グリセリン誘導
体、エチレングリコール誘導体、ポリエチレングリコー
ル誘導体、ソルビトール誘導体、リジン、オルニチン、
システアミン、シスチンが好ましい。また、カルボキシ
ル基以外の官能基を導入し、それと架橋剤とを反応させ
てもよい。
【0029】本発明に使用される架橋ポリコハク酸イミ
ドのフィルムもしくはシートの架橋方法としては、全体
に均一な方法であっても、表面架橋であっても構わな
い。全体に均一な架橋方法としては、架橋剤をポリアス
パラギン酸の水溶液に均一に混合すればよい。表面架橋
の場合は、ポリアスパラギン酸の溶液を架橋剤なしで乾
燥し、得られたフィルムもしくはシートに、架橋剤を含
む溶液を吹きかけるか、架橋剤を含む溶液に浸せばい
い。フィルムもしくはシートの乾燥方法は特に限定され
ないが、常圧にても減圧下にても行うことができる。乾
燥の温度は、特に限定されないが、一般には20〜15
0℃が好ましく、特に40〜100℃が好ましい。乾燥
しながら、架橋反応を進行させることができる。
【0030】(4−4)非架橋ポリアスパラギン酸エス
テルと架橋剤をキャスト後、もしくはキャストしながら
反応する方法 本発明の吸水性シートは、カルボン酸エステル基を含む
ポリアスパラギン酸エステルの溶液に架橋剤を加え、均
一にかき混ぜ、ガラス板等上にキャストし、溶媒を除去
しながら、反応させ、場合によっては残ったエステルを
加水分解することにより製造できる。もしくはポリアス
パラギン酸エステルのフィルムもしくはシートに架橋剤
を反応させ、場合によっては、残ったエステルを加水分
解することにより得られる。ただし、後者の場合、ポリ
アスパラギン酸のフィルム形性能を持たせるために、ポ
リアスパラギン酸の重量平均分子量として、好ましくは
5万以上、より好ましくは10万以上の重量平均分子量
のものを用いた方がいい。ポリアスパラギン酸エステル
のアルコール成分は、メチル、エチル等の分子量の小さ
い基を含むアルコール、クロロメチル、ジクロロメチル
等の電子吸引基を含むアルコール、N−ヒドロキシコハ
ク酸イミド等のアルコールが挙げられる。場合によって
は、酸触媒、塩基触媒等の触媒を用いても構わない。使
用するポリアスパラギン酸エステルは、部分的に加水分
解したものを用いても構わない。使用される架橋剤とし
ては、ポリアスパラギン酸エステルに含まれるエステル
と反応し、エステル交換、エステル/アミド交換等の反
応により製造する。例えば、ポリオール、ポリチオー
ル、ポリアミン、ポリエポキシ化合物、ポリイソシアナ
ート等が挙げられる。
【0031】架橋剤の例を挙げると、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ブタン
ジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプ
タンジオール、ヘキサンジオール、ヘキサンジオール、
ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオー
ル、デカンジオール、ウンデカンジオール、ドデカンジ
オール、ヘキサデカンジオール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリ
コール、ペンタプロピレングリコール、ヘキサプロピレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリ
ン、ジグリセリン、EO変性グリセリン、CL変性グリ
セリン、トリメチロールエタン、トリエチロールエタ
ン、トリブチロールエタン、トリヘキサノールエタン、
トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパン、ト
リプロパノールプロパン、トリブチロールプロパン、ト
リヘキサノールプロパン、EO変性トリメチロールプロ
パン、CL変性トリメチロールプロパン、エタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジ
ペンタエリスリトール、EO変性ペンタエリスリトー
ル、CL変性ペンタエリスリトール、ソルビトール、E
O変性ソルビトール、キシリレンジオール、ビス(ヒド
ロキシエチル)ベンゼン、ビス(ヒドロキシプロピル)
ベンゼン、ビス(ヒドロキシブチル)ベンゼン、トリス
(ヒドロキシメチル)ベンゼン、トリス(ヒドロキシエ
チル)ベンゼン、シクロヘキサンジオール、、ビス(ヒ
ドロキシメチル)シクロヘキサン等のポリオール類、カ
テコール、ハイドロキノン、レゾルシノール、ピロガロ
ール、ジヒドロキシフラン、ジヒドロキシピリジン等の
フェノール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、1,3−ジアミノプロパン、ブチレンジアミン、ペ
ンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプ
タメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメ
チレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチ
レンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ヘキサデカメ
チレンジアミン、ビス(2−アミノエチル)エーテル、
ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(4−アミ
ノブチル)エーテル、ビス(5−アミノペンチル)エー
テル、ビス(6−アミノヘキシル)エーテル、ビス(1
2−アミノドデシル)エーテル、1,2−ビス(2’−
アミノエトキシ)エタン、、1,2−ビス(3’−アミ
ノプロポキシ)エタン、1,2−ビス(4’−アミノブ
トキシ)エタン、1,3−ビス(2’−アミノエトキ
シ)プロパン、1,3−ビス(3’−アミノプロポキ
シ)プロパン、ビス(アミノエチルオキシエチル)エー
テル、ビス(アミノプロピルオキシプロピル)エーテ
ル、ビス(アミノブチルオキシブチル)エーテル、キシ
リレンジアミン、ビス(アミノエチル)ベンゼン、ビス
(アミノプロピル)ベンゼン、ビス(アミノブチル)ベ
ンゼン、トリス(アミノメチル)ベンゼン、トリス(ア
ミノエチル)ベンゼン、シクロヘキサンジアミン、ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミ
ン、ビス−2,2−(4’−アミノシクロヘキシル)プ
ロパン、ノルボルネンジアミン、ジエチレントリアミン
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ポリエチレンポリアミン、リジン、オルニチン、シスチ
ン、システアミン、リジンのジケトピペラジン、オルニ
チンのジケトピペラジン等のポリアミン類、トリレンジ
アミン、フェニレンジアミン、アミノベンジルアミン、
ビス−2,2−(4’−アミノフェニル)プロパン等の
芳香族ポリアミン類、エピクロルヒドリン、エピブロム
ヒドリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、
ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ペンタエチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ヘキサエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、
グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテル、EO変性トリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテル、CL変性トリメチロール
プロパントリグリシジルエーテル、ジトリメチロールプ
ロパンジグリシジルエーテル、ジトリメチロールプロパ
ントリグリシジルエーテル、EO変性ジトリメチロール
プロパントリグリシジルエーテル、CL変性ジトリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリス
リトールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトール
トリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラ
グリシジルエーテル、EO変性ペンタエリスリトールテ
トラグリシジルエーテル、CL変性ペンタエリスリトー
ルテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトール
ジグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールトリグ
リシジルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラグリ
シジルエーテル、EO変性ジペンタエリスリトールテト
ラグリシジルエーテル、CL変性ジペンタエリスリトー
ルテトラグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシ
ジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N
−ジグリシジルトルイジン、ビスー2,2ー(4'ーグリ
シジルオキシシクロヘキシル)プロパン、フタル酸ジグ
リシジルエーテル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジル
エーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエーテ
ル、ジグリシジルーpーオキシ安息香酸、レゾルシノー
ルジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、
ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビニルシクロ
ヘキセンジオキシド、アリサイクリック・ジエポキシ・
アセタール、アリサイクリック・ジエポキシ・アジペー
ト、アリサイクリック・ジエポキシ・カルボキシレート
等のポリエポキシ化合物、エチレンジイソシアナート、
プロピレンジイソシアナート、1,3−ジイソシアナト
プロパン、ブチレンジイソシアナート、ペンタメチレン
ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、
ヘプタメチレンジイソシアナート、オクタメチレンジイ
ソシアナート、ノナメチレンジイソシアナート、デカメ
チレンジイソシアナート、ウンデカメチレンジイソシア
ナート、ドデカメチレンジイソシアナート、ヘキサデカ
メチレンジイソシアナート、ビス(2−イソシアナトエ
チル)エーテル、ビス(3−イソシアナトプロピル)エ
ーテル、ビス(4−イソシアナトブチル)エーテル、ビ
ス(5−イソシアナトペンチル)エーテル、ビス(6−
イソシアナトヘキシル)エーテル、ビス(12−イソシ
アナトドデシル)エーテル、1,2−ビス(2’−イソ
シアナトエトキシ)エタン、、1,2−ビス(3’−イ
ソシアナトプロポキシ)エタン、1,2−ビス(4’−
イソシアナトブトキシ)エタン、1,3−ビス(2’−
イソシアナトエトキシ)プロパン、1,3−ビス(3’
−イソシアナトプロポキシ)プロパン、ビス(イソシア
ナトエチルオキシエチル)エーテル、ビス(イソシアナ
トプロピルオキシプロピル)エーテル、ビス(イソシア
ナトブチルオキシブチル)エーテル、キシリレンジイソ
シアナート、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビ
ス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、ビス(イソシア
ナトブチル)ベンゼン、トリス(イソシアナトメチル)
ベンゼン、トリス(イソシアナトエチル)ベンゼン、シ
クロヘキサンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメ
チル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアナート、
ノルボルネンジイソシアナート、ビス−2,2−(4’
−イソシアナトシクロヘキシル)プロパン等のポリイソ
シアナート類等が挙げられる。
【0032】フィルムもしくはシートの乾燥方法は特に
限定されないが、常圧にても減圧下にても行うことがで
きる。乾燥の温度は、特に限定されないが、一般には2
0〜150℃が好ましく、特に40〜100℃が好まし
い。乾燥しながら、架橋反応を進行させることができ
る。こうして得られた架橋ポリアスパラギン酸エステル
のシート類は、場合によってはそのエステルを加水分解
して用いることができる。加水分解の方法は特に限定さ
れないが、例えば、架橋アスパラギン酸エステルのシー
ト類をアルカリ水に浸して加水分解する。場合によって
は、撹拌しながら行っても構わない。架橋ポリアスパラ
ギン酸エステルのシート類の加水分解に使用される試薬
は、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等のアルカ
リ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム
等のアルカリ金属炭酸水素塩、酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム等のアルカリ金属酢酸塩、シュウ酸ナトリウム等
のアルカリ金属塩、アンモニア水等が挙げられる。この
中で、安価な水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ま
しい。また、場合によっては、加水分解反応以外の方法
を用いてもよい。例えば、グリシノ基、カルボキシル
基、スルホン酸基、カチオン基等を含むアミン、チオー
ル等を反応させ、エステル交換又はエステル/アミド交
換等である。使用するアルカリ水の濃度は、0.01〜
8重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好まし
い。
【0033】加水分解時の反応温度は、溶液中のアルカ
リ濃度によって選択すればいい。すなわち、アルカリ濃
度が高い場合は低温を選択し、アルカリ濃度が低い場合
は温度をかけても構わない。ただし、高濃度、高温で
は、シートそのものが分解されるので温和な条件が好ま
しい。好ましくは、5〜100℃、より好ましくは、1
0〜40℃が挙げられる。エステルの切断に要する時間
はアルカリ水の濃度によって変わるが、一般には30秒
〜100時間が好ましく、5分〜10時間が特に好まし
い。アルカリ加水分解後のフィルムもしくはシートは、
場合によっては、その酸もしくは酸の塩を別の種類の塩
にて交換して用いることもできる。
【0034】塩交換に使用される対イオンとしては、ア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等がある。具
体的にはナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ
金属塩、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアン
モニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチル
アンモニウム、テトラペンチルアンモニウム、テトラヘ
キシルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、
トリメチルプロピルアンモニウム、ブチルトリメチルア
ンモニウム、ペンチルトリメチルアンモニウム、ヘキシ
ルトリメチルアンモニウム、シクロヘキシルトリメチル
アンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、トリ
エチルプロピルアンモニウム、トリエチルブチルルアン
モニウム、トリエチルペンチルアンモニウム、トリエチ
ルヘキシルアンモニウム、シクロヘキシルトリエチルア
ンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム等のアン
モニウム塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルア
ミン、トリヘキシルアミン、トリエタノールアミン、ト
リプロパノールアミン、トリブタノールアミン、トリペ
ンタノールアミン、トリヘキサノールアミン、ジメチル
アミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチル
アミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシク
ロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、エチルメチルア
ミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メ
チルペンチルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルア
ミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、
ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デ
シルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン等の
アミン塩等がある。この中で対イオンの分子量が大きく
なると相対的に単位あたりの分子量が大きくなるため単
位重量当たりの吸水量が小さくなるので、対イオンの分
子量は小さい方がいい。また用途によって、人の肌等に
触れる場合があるので、生物の皮膚や粘膜に対して炎症
性が低い方が良く、無機の塩もしくはアンモニウム塩が
好ましい。その中でも特にナトリウム、カリウム、トリ
エタノールアミンが好ましい。
【0035】アルカリ開環後のフィルムもしくはシート
は、場合によってはその酸を中和して用いることもでき
る。中和度は50〜100%が好ましく、特に70〜1
00%が好ましい。その方法は特に限定されないが、例
えば、アルカリ開環後のフィルムもしくはシートを、p
Hを調整した溶液中に必要時間浸せばいい。その時間
は、特に限定されないが、一般には30秒〜100時間
が好ましく、5分〜10時間が特に好ましい。アルカリ
開環後のフィルムもしくはシートの乾燥方法は特に限定
されないが、常圧にても減圧下にても行うことができ
る。乾燥の温度は、特に限定されないが、一般には20
〜150℃が好ましく、特に40〜100℃が好まし
い。
【0036】
【実施例】以下実施例によって本発明をより具体的に説
明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。以下の実施例及び比較例において「部」とは「重量
部」を意味する。吸水量の測定は、蒸留水と生理食塩水
を対象として行った。すなわち、過剰の蒸留水又は生理
食塩水に吸水シートを10時間浸し、膨潤したゲルを1
50メッシュのワイヤーふるいの上で10分間水切りを
行い、膨潤したゲルの重量を測定し、膨潤前の吸水シー
トの重量を減じた値を、吸水シートの重量で除した値を
吸水量(g/g樹脂)とした。なお、生理食塩水は、
0.9%塩化ナトリウム水溶液である。
【0037】[実施例1]窒素気流下、重量平均分子量
9.6万のポリコハク酸イミド5部を30部のDMFに
溶解し、リジン・1塩酸塩1.4部と水酸化ナトリウム
0.4部を蒸留水3部に溶解した溶液を装入し、激しく
撹拌後、攪拌を止め、30時間反応した。得られたゲル
と蒸留水60部、メタノ−ル40部を刃付きのミキサ−
に入れ、8000rpmにて1分間細断した。得られた
懸濁液に、8重量%の水酸化ナトリウム水溶液をpH1
0〜11の範囲に入るように滴下し、更に反応溶液のp
Hが下がらなくなるまで8%苛性ソーダの水溶液を加え
続けた。pHが下がらなくなった後、希塩酸を加え反応
液のpHを7になるまで加えた。得られた混合物を30
00部のアセトンに排出し、乾燥、粉砕後、吸水性ポリ
マー7.6部が得られた。この吸水性樹脂7部をメタノ
ール50部、蒸留水50部に懸濁させ、刃付きのミキサ
ーを用いて8000rpmにて剪断し、懸濁液をテフロ
ンの板の上に300μmの厚みでキャストし、窒素気流
下、室温で5時間乾燥後、40℃にて乾燥し、さらに1
00℃の乾燥器に入れ6時間乾燥すると吸水性シートが
得られた。このシートを3cm×3cmにカッティング
し、吸水量を測定した。この樹脂の吸水量は蒸留水に対
して370倍、生理食塩水に対して58倍と大きかっ
た。
【0038】[実施例2]実施例3で得られた吸水性樹
脂7部とソルビトール0.7部をメタノール50部、蒸
留水50部に懸濁させ、実施例1と同様に処理し、吸水
性シートを得た。このシートを3cm×3cmにカッテ
ィングし、吸水量を測定した。この樹脂の吸水量は蒸留
水に対して330倍、生理食塩水に対して58倍と大き
かった。
【0039】[実施例3]実施例4において、ソルビト
ールの代わりにキトサン微粒品を用いた以外は、実施例
1と同様に処理し、吸水性シートを得た。このシートを
3cm×3cmにカッティングし、吸水量を測定した。
この樹脂の吸水量は蒸留水に対して320倍、生理食塩
水に対して56倍と大きかった。
【0040】[実施例4]重量平均分子量9.5万のポ
リコハク酸イミド25部をDMF75部に溶解し、ヘキ
サメチレンジアミン0.9部を蒸留水3部に溶解した水
溶液を加え、5分間、激しく攪拌し、得られたスラリー
をガラス板上にキャストし、20時間静置した。した。
得られたゲル状のシートを1%の苛性ソーダ水溶液に2
0時間浸し、得られたゲル状のシ−トを、蒸留水に浸し
て洗浄し、60℃にて10時間乾燥して、吸水性シート
が得られた。このシートを3cm×3cmにカッティン
グし、吸水量を測定した。この吸水性シートの吸水量は
蒸留水に対して330倍と大きく、生理食塩水に対して
58倍と大きかった。
【0041】[実施例5]重量平均分子量15.4万の
ポリアスパラギン酸25部とエチレングリコール・ジグ
リシジルエーテル1.9部を蒸留水25部に溶解し、ガ
ラス板上にキャストし、120℃で5時間乾燥し、さら
に200℃にて30分反応させた。得られたシ−ト状の
樹脂を2%の苛性ソーダ水溶液に浸し、pH7に調整し
た。得られたゲル状のシ−トを蒸留水100部で洗浄
し、60℃にて10時間乾燥して、吸水性シートが得ら
れた。このシートを3cm×3cmにカッティングし、
吸水量を測定した。この樹脂の吸水量は蒸留水に対して
190倍と大きく、生理食塩水に対して44倍と大きか
った。
【0042】[実施例6]実施例7において、ポリアス
パラギン酸メチルエステル28部と、ヘキサメチレンジ
アミン2.25部を用いて、実施例7と同様に処理し、
架橋ポリアスパラギン酸エステルのシートを得た。この
シートを、1重量%の苛性ソーダ水溶液に10時間浸
し、得られたゲル状のシ−トを蒸留水100部で洗浄
し、60℃にて10時間乾燥して、吸水性シ−トが得ら
れた。このシートを3cm×3cmにカッティングし、
吸水量を測定した。この樹脂の吸水量は蒸留水に対して
230倍と大きく、生理食塩水に対して48倍と大きか
った。
【0043】[比較例1]実施例1にて得られた吸水性
ポリマ−400部をポリ乳酸600部とともに混合し、
180℃にて射出成形し、厚さ0.2mmのシ−トを得
た。このシートを3cm×3cmにカッティングし、吸
水量を測定した。この樹脂の吸水量は蒸留水に対して3
7倍、生理食塩水に対して8倍と小さかった。
【0044】
【発明の効果】紙オムツ用、農・園芸用等に使用される
吸水体として優れた吸水能を有する高吸水性のシート、
フィルム及びそれらを含む複合体並びに分解性を有する
高吸水性のシート、フィルムが得られるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08G 69/10 C08G 69/10 B29K 77:00 B29L 7:00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋ポリアスパラギン酸を含有してなる
    吸水性フィルム及びシート。
  2. 【請求項2】 可塑剤を含む、請求項1に記載した吸水
    性フィルム及びシート。
  3. 【請求項3】 架橋ポリアスパラギン酸のゲルを剪断
    後、キャストすることを特徴とする、吸水性フィルム及
    びシートの製造方法。
  4. 【請求項4】 架橋ポリコハク酸イミドの、ポリコハク
    酸イミドのイミド環の少なくとも一部を加水分解したも
    のであることを特徴とする、吸水性フィルム及びシート
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリアスパラギン酸重合体と架橋剤とを
    反応したものである、吸水性フィルム及びシートの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 架橋ポリアスパラギン酸エステルと架橋
    剤とを反応したものである、吸水性フィルム及びシート
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3乃至6の何れかに記載した製造
    法により製造された、吸水性フィルム及びシート。
  8. 【請求項8】 純水及び/又は生理食塩水に対して不溶
    性である、請求項1乃至7の何れかに記載したフィルム
    及びシート。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、7又は8の何れかに記載
    したフィルム及びシートからなる吸水剤。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、7又は8の何れかに記
    載したフィルム及びシートを多層構造の少なくとも一部
    の層に有することを特徴とする、多層構造吸水性複合
    体。
  11. 【請求項11】 請求項1、2、7又は8の何れかに記
    載したフィルム及びシートからなる吸水性複合体。
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