JPH1160729A - 吸水性樹脂及びその製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂及びその製造方法

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JPH1160729A
JPH1160729A JP2598498A JP2598498A JPH1160729A JP H1160729 A JPH1160729 A JP H1160729A JP 2598498 A JP2598498 A JP 2598498A JP 2598498 A JP2598498 A JP 2598498A JP H1160729 A JPH1160729 A JP H1160729A
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acid
flaky
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absorbent resin
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JP2598498A
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English (en)
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Yoshihiro Irisato
義広 入里
Hiroaki Tamaya
玉谷  弘明
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高吸水性樹脂を提供すること。 【解決手段】 架橋ポリアミノ酸重合体を含有してなる
薄片状の吸水性樹脂。 【効果】 紙オムツ用、農・園芸用等に使用される吸水
体として、生分解性を有し、優れた吸水能、特に吸水速
度が速い、高吸水性の薄片状の吸水性樹脂が得られるよ
うになった。生分解性を有し、優れた吸水能、特に優れ
た吸水速度を示す、薄片状の吸水性樹脂樹脂組成物及び
それらからなる複合体を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生分解性を有する薄
片状の吸水性樹脂及びそれらからなる複合体及びそれら
の製造方法に関する。さらに詳しくは、優れた吸水性を
有し、成形性に優れ、廃棄時には容易に分解しやすい薄
片状の吸水性樹脂及びそれらからなる複合体及びそれら
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 [吸水性樹脂の技術的背景]吸水性樹脂は、自重の数十
倍から数千倍の水を吸収できる樹脂であり、生理用品、
紙おむつ、母乳パット、使い捨て雑巾等の衛生用品、創
傷保護用ドレッシング材、医療用アンダーパット、パッ
プ剤等の医療用品、ペット用シート、携帯用トイレ、ゲ
ル芳香剤、ゲル消臭剤、吸汗性繊維、使い捨てカイロ等
の生活用品、シャンプー、セット用ジェル剤、保湿剤等
のトイレタリー用品、農・園芸用の保水材、切り花の延
命剤、フローラルフォーム(切り花の固定化材)、育苗
用苗床、水耕栽培、植生シート、種子テープ、流体播
種、結露防止用農業用シート等の農・園芸用品、食品用
トレー用鮮度保持材、ドリップ吸収性シート等の食品包
装材、保冷材、生鮮野菜運搬用吸水性シート等の運搬用
資材、結露防止用建築材料、土木・建築用のシーリング
材、シールド工法の逸泥防止剤、コンクリート混和剤、
ガスケット・パッキング等の土木建築資材、光ファイバ
ー等の電子機器のシール材、通信ケーブル用止水材、イ
ンクジェット用記録紙等の電気機器関連資材、汚泥の凝
固剤、ガソリン、油類の脱水、水分除去剤等の水処理
剤、捺染用のり、水膨潤性玩具、人工雪等の幅広い分野
に使用されている。また、その薬品徐放性を利用して、
徐放性肥料、徐放性農薬、徐放性薬剤等の用途にも期待
されている。さらにその親水性を利用して湿度調整材、
電荷保持性を利用して帯電防止剤等への使用も期待され
る。
【0003】[吸水性樹脂に関する先行技術]このよう
な用途に使用されている吸水性樹脂としては、例えば、
架橋ポリアクリル酸部分中和物(特開昭55−8430
4号、米国特許4625001号)、澱粉−アクリロニ
トリル共重合体の部分加水分解物(特開昭46−439
95号)、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体(特開昭
51−125468号)、酢酸ビニル−アクリル酸エス
テル共重合体の加水分解物(特開昭52−14689
号)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸とアクリル酸の共重合架橋物(欧州特許00681
89号)、カチオン性モノマーの架橋体(米国特許49
06717号)、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共
重合体(米国特許4389513号)などが知られてい
る。
【0004】ところがこれらの吸水性樹脂組成物は分解
性を有しないため、使用後の廃棄が問題である。現状と
しては、これらの吸水性樹脂は、廃棄時には焼却処理す
る方法と埋め立てする方法が行われているが、焼却炉で
処理する方法では、焼却時に発生する熱による炉材の損
傷のほかに、地球の温暖化や酸性雨の原因となることが
指摘されている。また、埋め立て処理する方法では、プ
ラスチックは容積がかさばる、腐らないため地盤が安定
しない等の問題があるうえ、埋め立てに適した場所がな
くなってきたことが大きな問題となっている。
【0005】すなわち、これらの樹脂は分解性に乏し
く、水中や土壌中では半永久的に存在するので、廃棄物
処理における環境保全を考えると非常に重大な問題であ
る。例えば紙おむつ、生理用品等の衛生材料に代表され
る使い捨て用途の樹脂の場合、それをリサイクルすれば
多大な費用がかかり、焼却するにも大量であるため地球
環境への負荷が大きい。また農・園芸用保水材として架
橋ポリアクリル酸樹脂を使用した場合、土壌中でCa2+
等の多価イオンとコンプレックスを形成し、不溶性の層
を形成すると報告されている(松本ら、高分子、42
巻、8月号、1993年)。しかし、このような層はそ
のもの自体の毒性は低いと言われているが、自然界には
全くないものであり、長期に渡るそれら樹脂の土中への
蓄積による生態系への影響は不明であり、十分に調べる
必要があり、その使用には慎重な態度が望まれる。同様
に非イオン性の樹脂の場合、コンプレックスは形成しな
いが、非分解性のため土壌中へ蓄積する恐れがあり、そ
の自然界への影響は疑わしい。
【0006】さらにこれらの重合系の樹脂は、人間の肌
等に対して毒性の強いモノマーを使用しており、重合後
の製品からこれを除去するために多くの検討がなされて
いるが、完全に除くことは困難である。特に工業的規模
での製造ではより困難となることが予想される。 [生分解性を有する吸水性樹脂の技術的背景]一方、近
年、「地球にやさしい素材」として生分解性ポリマーが
注目されており、これを吸水性樹脂として使用すること
も提案されている。このような用途に使用されている生
分解性を有する吸水性樹脂としては、例えばポリエチレ
ンオキシド架橋体(特開平6−157795号等)、ポ
リビニルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロー
ス架橋体(米国特許4650716号)、アルギン酸架
橋体、澱粉架橋体、ポリアミノ酸架橋体などが知られて
いる。この中でポリエチレンオキシド架橋体、ポリビニ
ルアルコール架橋体は吸水量が小さく、特に生鮮食品の
鮮度保持材、生理用品、紙おむつ、使い捨て雑巾、ペー
パータオルなどの高い吸水能が要求される製品の素材と
して使用する場合、有用でない。また、これらの化合物
は特殊な菌のみしか、生分解することができないので、
一般的な条件では生分解性は遅かったり、もしくは全く
分解しなかったりする。さらに分子量が大きくなると極
端に分解性が低下する。また、カルボキシメチルセルロ
ース架橋体、アルギン酸架橋体、デンプン架橋体等の糖
類架橋体は、その分子内に強固な水素結合を多く含むた
めに、分子間、ポリマー間の相互作用が強く、そのため
分子鎖が広く開くことができず、吸水能は高くない。
【0007】[ポリアミノ酸径系吸水性樹脂の技術的背
景]一方、ポリアミノ酸を架橋して得られる樹脂は生分
解性を有するために地球環境にやさしく、また生体内に
吸収されても酵素作用により消化吸収され、しかも生体
内での抗原性を示さず、分解生成物も生物の皮膚や粘膜
に対して炎症性が低いことが明らかにされているので、
人に対してもやさしい素材である。このような樹脂の記
載例として、ポリ−γ−グルタミン酸にγ線を照射して
高吸水能を有する樹脂を製造する方法が記載されている
(国岡ら、高分子論文集、50巻10号、755頁(1
993年))。しかし、工業的な観点からは、この技術
に用いる60Co照射設備は、放射能の遮断を行うために
は大がかりな設備が必要であり、その管理にも十分な配
慮が必要であるため現実的ではない。また出発物質であ
るポリグルタミン酸が高価であることも問題点である。
また、酸性アミノ酸を架橋させてハイドロゲルを得る方
法が報告されている(Akamatsuら、米国特許第3948
863号;特公昭52−41309号、岩月ら、特開平
5−279416号)。さらに架橋アミノ酸樹脂を吸水
性ポリマーに用いる報告がされている(Sikesら、特表
平6−506244号;米国特許第5247068及び
同第5284936号、鈴木ら、特開平7−30994
3号、原田ら、特開平8−59820号)。しかし、い
ずれの報告の場合も、これらの樹脂は吸水能が十分でな
く、実用的ではなかった。そこで本発明者らは特開平7
−224163号にて塩水吸水能の高い吸水性樹脂につ
いて開示した。この技術は極めて有意義なものである
が、吸水性樹脂のさらなる高性能化が要望されていた。
特に、衛生材料等に使用する際、排出された体液に対し
て、速い吸水速度の吸水性樹脂に対する要望が強い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来の問題点を解決し、生分解性を有し、優れ
た吸水能、特に優れた吸水速度を示す、薄片状の吸水性
樹脂樹脂組成物及びそれらからなる複合体を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、生分解性を有する架橋
ポリアミノ酸を薄片状にすることにより優れた吸水能、
特に優れた吸水速度を発現できることを見出した。即
ち、本発明は、以下の[1]〜[14]に記載した事項
により特定される。
【0010】[1] 薄片状の架橋ポリアミノ酸重合体
を含有してなる吸水性樹脂。
【0011】[2] 可塑剤を含む、[1]に記載した
吸水性樹脂。
【0012】[3] 架橋ポリアミノ酸重合体が、繰り
返し単位の少なくとも一部に、酸性アミノ酸残基を有す
るものである、[1]又は[2]に記載した吸水性樹
脂。
【0013】[4] 酸性アミノ酸残基が、アスパラギ
ン酸残基である、[1]乃至[3]の何れかに記載した
吸水性樹脂。
【0014】[5] 実質的に純水及び/又は生理食塩
水に対して不溶性である、[1]乃至[4]の何れかに
記載した吸水性樹脂。
【0015】[6] 極性有機溶剤及び/又は水により
膨潤させ架橋ポリアミノ酸重合体のゲルを剪断し、キャ
ストすることを特徴とする、薄片状の吸水性樹脂の製造
方法。
【0016】[7] 薄片状の架橋ポリコハク酸イミド
重合体の、分子内のイミド環の少なくとも一部を加水分
解することを特徴とする、吸水性樹脂の製造方法。
【0017】[8] 未架橋ポリアミノ酸と架橋剤をキ
ャストし、反応させることを特徴とする、薄片状の吸水
性樹脂の製造方法。
【0018】[9] 乾燥中に断片化することを特徴と
する、[6]乃至[8]の何れかに記載した、薄片状の
吸水性樹脂の製造方法。
【0019】[10] 乾燥中に断片化することを特徴
とする、[6]乃至[8]の何れかに記載した、薄片状
の吸水性樹脂の製造方法。
【0020】[11] 製造工程の一連の工程の何れか
の段階において、可塑剤を添加することを特徴とする、
吸水性樹脂の製造方法。
【0021】[12] [1]乃至[5]の何れかに記
載した薄片状の吸水性樹脂からなる吸水剤。
【0022】[13] [1]乃至[5]の何れかに記
載した薄片状の吸水性樹脂を多層構造の少なくとも一部
の層に有することを特徴とする、多層構造吸水性複合
体。
【0023】[14] [1]乃至[5]の何れかに記
載した薄片状の吸水性樹脂からなる吸水性複合体。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。 (1)薄片状の吸水性樹脂及びそれらからなる複合体 本発明において吸水性樹脂の特徴は、架橋ポリアミノ酸
系樹脂を従来の粒状ではなく、薄片状にすることにあ
り、そうすることで吸水速度の著しい向上が見られる。
本発明にて薄片状とは、その大きさとして、一辺が3c
m以下の不連続体を呼び、連続的な構造である、フィル
ム、シートとは区別する。薄片状の例としては、特に限
定されないが、鱗片状、雲母状、平板状、フレーク状、
スケール状等が挙げられる。薄片の形状は、特に限定さ
れないが、円形状、楕円状、多角形状、不定形状、ハー
ト型、レンズ状等が挙げられるが、これら以外の形をし
ていても構わない。さらに、フラットなタイプでも、平
板ではなく3次元的な薄片でも構わない。また、必要に
応じて穴やひびをいれてもよく、その表面に段差や凹凸
等を設けてもよい。薄片の厚さは、特に限定されない
が、0.01μm〜1mmが好ましく、0.1μm〜
0.5mmが特に好ましい。薄いほうが、吸水速度は速
くなるが、割れやすくなる。薄片の片面の面積は、特に
限定されないが、0.01〜9cm2が好ましく、0.
1〜5cm2が好ましい。本発明の薄片状の吸水性樹脂
が、粒状の吸水性樹脂に比べて、吸水速度が速い理由は
不明であるが、本発明者らが考えるには、粒状の吸水性
樹脂がままこ現象や、ゲル・ブロッキングを起こすのに
対して、薄片状の吸水性樹脂が起こしにくいため、結果
として速い吸水速度を示すと推測する。しかし、以上の
推論の真偽は、本出願の請求内容に何ら関係ないもので
ある。また、本発明の薄片状の吸水性樹脂は、その表面
を加工してもよい。また、本発明で使用される吸水性樹
脂は単独でも、他の素材との組み合わせによる複合体で
も構わない。複合体の構造は特に限定されないが、例え
ば、パルプ、不織布等にはさみ、サンドイッチ構造にす
る方法、樹脂シート、フィルムを支持体として多層構造
とする方法、樹脂シートにキャストし、二層構造とする
方法等がある。
【0025】(2) 薄片状の形状を有する吸水性樹脂 本発明の吸水性樹脂は、架橋ポリアミノ酸である。架橋
ポリアミノ酸については特に限定されないが、一般的に
は、架橋ポリアスパラギン酸、架橋ポリグルタミン酸、
架橋ポリリジン及びこれらのポリマーと他のアミノ酸と
のコポリマーがある。この中で高い吸水性を有する架橋
ポリアスパラギン酸、架橋ポリグルタミン酸が好まし
く、さらに工業的生産に適した架橋ポリアスパラギン酸
が特に好ましい。共重合体としてのアミノ酸成分の具体
例としては、例えば、20種類の必須アミノ酸、L−オ
ルニチン、一連のα−アミノ酸、β−アラニン、γ−ア
ミノ酪酸、中性アミノ酸、酸性アミノ酸、酸性アミノ酸
のω−エステル、塩基性アミノ酸、塩基性アミノ酸のN
置換体、アスパラギン酸−L−フェニルアラニン2量体
(アスパルテーム)等のアミノ酸及びアミノ酸誘導体、
L−システイン酸等のアミノスルホン酸等を挙げること
ができる。α−アミノ酸は、光学活性体(L体、D体)
であっても、ラセミ体であってもよい。また、架橋ポリ
アミノ酸重合体は他の単量体成分を含む共重合体であっ
てもよい。共重合体の単量体成分の例としては、アミノ
カルボン酸、アミノスルホン酸、アミノホスホン酸、ヒ
ドロキシカルボン酸、メルカプトカルボン酸、メルカプ
トスルホン酸、メルカプトホスホン酸等が挙げられる。
また、多価アミン、多価アルコール、多価チオール、多
価カルボン酸、多価スルホン酸、多価ホスホン酸、多価
ヒドラジン化合物、多価カルバモイル化合物、多価スル
ホンアミド化合物、多価ホスホンアミド化合物、多価エ
ポキシ化合物、多価イソシアナート化合物、多価イソチ
オシアナート化合物、多価アジリジン化合物、多価カー
バメイト化合物、多価カルバミン酸化合物、多価オキサ
ゾリン化合物、多価反応性不飽和結合化合物、多価金属
等が挙げられる。共重合体である場合は、ブロック・コ
ポリマーであっても、ランダム・コポリマーであっても
構わない。また、グラフトであっても構わない。これら
の中で、高い吸水性を有するポリアスパラギン酸を基本
骨格とした重合体が好ましい。架橋酸性ポリアミノ酸系
樹脂の場合、その側鎖構造については 単純にイミド環
を開環した構造でカルボキシル基を持つ基であるが、他
の置換基を導入しても構わない。例えば、リジン等のア
ミノ酸残基、カルボキシル基を有する炭化水素基、スル
ホン酸基、カチオンを有するペンダント基等がある。
【0026】またカルボキシル基、もしくは側鎖基は、
ポリマー主鎖のアミド結合に対して、アスパラギン酸残
基の場合は、α位に置換されていても、β位に置換され
ていても構わない。カルボキシル基の場合は、水素原子
が結合した形でも、塩を構成しても構わない。カルボキ
シル基の対イオンとしては、アルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩、アミン塩等がある。本発明に使用される重合体
は架橋体であり、酸性ポリアミノ酸の場合、そのポリマ
ー基本骨格と架橋部分の結合部分は、アミド結合、エス
テル結合、チオエステル結合である。
【0027】これらの架橋部分及び側鎖部分は、無置換
でも、置換していてもよい。置換基としては、炭素原子
数1から18の分岐していてもよいアルキル基、炭素原
子数3から8のシクロアルキル基、アラルキル基、置換
していてもよいフェニル基、置換していてもよいナフチ
ル基、炭素原子数1から18の分岐していてもよいアル
コキシ基、アラルキルオキシ基、フェニルチオ基、炭素
原子数1から18の分岐していてもよいアルキルチオ
基、炭素原子数1から18の分岐していてもよいアルキ
ルアミノ基、炭素原子数1から18の分岐していてもよ
いジアルキルアミノ基、炭素原子数1から18の分岐し
ていてもよいトリアルキルアンモニウム基、水酸基、ア
ミノ基、メルカプト基、スルホニル基、スルホン酸基、
ホスホン酸基及びこれらの塩、アルコキシカルボニル
基、アルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。これ
らの架橋ポリアミノ酸重合体の含有量は特に限定されな
いが、組成物全体に対して10〜100重量%が好まし
く、50〜100重量%が特に好ましい。ここで使用さ
れる架橋ポリアミノ酸は特開平7−224163号、高
分子論文集、50巻10号、755頁(1993年)、
米国特許第3948863号;特公昭52−41309
号、特開平5−279416号、特表平6−50624
4号;米国特許第5247068及び同第528493
6号、特開平7−309943号にて記載の方法にて容
易に製造できる。本発明に使用される吸水性樹脂は必要
により、架橋ポリアミノ酸重合体以外の吸水性樹脂を混
合して用いても良い。また必要により、食塩、コロイダ
ルシリカ、ホワイトカーボン、超微粒子状シリカ、酸化
チタン粉末等の無機化合物、キレート剤等の有機化合物
を添加しても構わない。さらに可塑剤、酸化剤、酸化防
止剤、還元剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、殺菌剤、防カビ
剤、肥料、香料、消臭剤、顔料等を混合しても構わな
い。
【0028】(3) 薄片状の吸水性樹脂の可塑剤 本発明の薄片状の吸水性樹脂は、場合によっては可塑剤
を添加することができる。本発明に使用される可塑剤と
しては、各種の親水性化合物が使用できる。その目的
は、薄片状の吸水性樹脂に柔軟性を付与することにあ
る。本発明に使用される可塑剤としては特に限定されな
いが、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、ブタノール等のアルコール、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、吉草酸、シュウ酸、こはく酸、アジ
ピン酸、マロン酸、グルタル酸、フマル酸、マレイン
酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、アセトンジカ
ルボン酸等のカルボン酸、メタンスルホン酸、エタンス
ルホン酸、プロパンスルホン酸、リグニンスルホン酸等
のスルホン酸、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリ
コール等のグリコール類、ポリビニルアルコール、部分
加水分解ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、
ポリアリルアミン等の水溶性合成ポリマー、エタノール
アミン等のアミノアルコール、エリトロール、エリトル
ロール、エリトルトール、トレオース、β−アラビノー
ス、キシルロース、α−キシロース、2−デオキシリボ
ース、α−リキソース、リブロース、リボース、アラビ
トール、リビトール、α−アルトロース、β−アルトロ
ース、β−アロース、イドース、α−ガラクトース、β
−ガラクトース、α−キノボース、α−グルコース、β
−グルコース、グロース、ジギタロース、ジキトキソー
ス、シマロース、ソルボース、タガトース、α−タロー
ス、α−フコース、プシコース、β−フルクトース、α
−マンノース、α−ラムノース、イノシトール、ガラク
チトール、クエルシトール、グルシトール、マンニトー
ル、イズロン酸、ガラクタル酸、α−ガラクツロン酸、
グルカル酸、β−グルクロン酸、グルコン酸、グルロン
酸、2−デオキシグルコン酸、マンヌロン酸−6,3−
ラクトン、エチル=β−フルクトフラシノイド、メチル
=α−ガラクトピラノシド、メチル=β−ガラクトピラ
ノシド、メチル=α−グルコピラシノイド、メチル=β
−グルコピラノシド、メチル=α−フルクトフラシノイ
ド、メチル=α−マンノピラシノイド、メチル=β−マ
ンノピラシノイド、N−アセチル−α−ガラクトサミ
ン、N−アセチル−α−グルコサミン、N−アセチル−
マンノサミン、α−ガラクトサミン塩酸塩、α−グルコ
サミン、α−マンノサミン塩酸塩、ムラミン酸、α−ヘ
プトース、β−ヘプトース、ヘプツロース、ヘプチトー
ル、オクチトール、オクツロース、ノイラミン酸、ノヌ
ロース、ソルビトール、ペンタエリスリトール等の単糖
類、アガロース、アロラクトール、イソマルトール、キ
シロビオース、ゲンチオビオース、コージビオース、コ
ンドロシン、スクロース、セロビオース、ソホロース、
β−ツラノース、α,α−トレハロース、ニゲロース、
ヒアロビウロン酸、β−マルトース、α−メリビオー
ス、α−ラクトース、ラミナリビオース、ルチノース等
の二糖類、β−ゲンチアノース、スタキオース、セロト
リオース、プランテオース、マルトトリオース、α−メ
レジトース、ラクト−N−テトラオース、ラフィノース
等の三糖類、アガロース、アミロース、アミロペクチ
ン、アラバン、アラビノガラクタン、アルギン酸、イヌ
リン、カードラン、ガラクタン、キシラン、キチン、グ
ルコマンナン、コンドロイチン、コンドロイチン−4−
硫酸塩、コンドロイチン−6−硫酸塩、デキストリン、
デキストラン、ヒアルロン酸、プルラン、ペクナン酸、
マンナン、リケナン、レバン、キトサン、キトサン−コ
ハク酸変性物、デンプン、カチオン化デンプン、セルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、アセチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
硝酸セルロース、酢酸セルロース、カチオン化セルロー
ス等の多糖類、20種類の必須アミノ酸、L−オルニチ
ン、一連のα−アミノ酸、β−アラニン、γ−アミノ酪
酸、中性アミノ酸、酸性アミノ酸、酸性アミノ酸のω−
エステル、塩基性アミノ酸、塩基性アミノ酸のN置換
体、アスパラギン酸−L−フェニルアラニン2量体(ア
スパルテーム)等のアミノ酸及びアミノ酸誘導体、L−
システイン酸等のアミノスルホン酸、アデニン、アデノ
シン、アデノシン−3’−リン酸、イノシン、ウラシ
ル、ウリジン、オロト酸、キサンチン、キサントシン、
グアニン、グアノシン、シチジン、シトシン、ジヒドロ
ウラシル、チミジン、デオキシアデノシン、デオキシウ
リジン、デオキシグアノシン、デオキシシチジン、ヒポ
キサンチン、プソイドウリジン等の核酸及びその誘導
体、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセリン、ホ
スファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノール
アミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリ
ン、ビスホスファチジン酸、スフィンゴミエリン等のリ
ン脂質、アスコルビン酸、イノシトール、コリン、チア
ミン塩酸塩、ニコチン酸、ニコチンアミド、パントテン
酸、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキサール塩酸塩、ピリ
ドキサミン二塩酸塩、シアノコバラミン、グルタチオ
ン、補酵素A、補酵素B12、チアミンピロリン酸、ピリ
ジンヌクレオチド、ピリドキサールリン酸、ピリドキサ
ミンリン酸、フラビンモノヌクレオチド、葉酸補酵素等
のビタミン及び補酵素類が挙げられる。これらの中で分
子内に親水基を豊富に持つ化合物が均一に混合しやすい
ので好ましい。すなわち、ソルビトール、ペンタエリス
リトール、イズロン酸、ガラクタル酸、α−ガラクツロ
ン酸、グルカル酸、β−グルクロン酸、グルコン酸、グ
ルロン酸、2−デオキシグルコン酸、マンヌロン酸−
6,3−ラクトン、α−ガラクトサミン塩酸塩、α−マ
ンノサミン塩酸塩、ムラミン酸、アルギン酸、コンドロ
イチン−4−硫酸塩、コンドロイチン−6−硫酸塩、ヒ
アルロン酸、ペクナン酸、キトサン、キトサン−コハク
酸変性物、カチオン化デンプン、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化セル
ロースが好ましく、ソルビトール、ペンタエリスリトー
ル、グルコン酸、α−ガラクトサミン塩酸塩、コンドロ
イチン−4−硫酸塩、コンドロイチン−6−硫酸塩、ア
ルギン酸、ヒアルロン酸、キトサン、キトサン−コハク
酸変性物、カチオン化デンプン、カルボキシメチルセル
ロース、カチオン化セルロースが特に好ましい。本発明
に使用される可塑剤は必要により、2種以上の他の可塑
剤と混合して用いても良い。これらの可塑剤の使用量は
特に限定されないが、組成物に対して、0.1〜70重
量%が好ましく、0.1〜30重量%がより好ましい。
【0029】(4) 薄片状の架橋ポリアミノ酸重合体
の製造方法 薄片状の架橋ポリアミノ酸重合体の製造方法は特に限定
されない。その製造法の例としては、(4−1)水又は
極性有機溶媒/水で膨潤した架橋ポリアミノ酸系吸水性
樹脂のゲルを剪断後、キャストする方法、(4−2)薄
片状の架橋ポリコハク酸イミドを加水分解する方法、
(4−3)非架橋ポリアミノ酸と架橋剤をキャスト後、
もしくはキャストしながら反応する方法がある。本発明
の薄片は断片化により得られる、樹脂を不連続化するた
めの断片化は、製造過程にて断片化する方法であって
も、フィルム又はシート状の組成物を得てそれを粉砕し
て断片化する方法でも構わない。製造工程にて断片化す
る方法としては、特に限定されないが、例えば、乾燥工
程時の樹脂の収縮、膨潤を利用し、樹脂にひび等を入れ
て、断片化する方法、急激な温度変化により膨潤、収縮
させ、樹脂にひび等を入れて、断片化する方法、又は、
物理的な力を加えて断片化する方法がある。製造工程後
においても、上記の原理を利用して断片化することがで
きる。得られた薄片は、その物性を損なわない範囲に
て、さらに細断化又は粉砕することができる。得られた
薄片の吸水性樹脂は、場合によっては整粒、分級、ふる
い分け等を行ってもよい。また、得られた薄片状の吸水
性樹脂は場合により表面架橋等の表面処理を行っても構
わない。
【0030】(4−1) 水又は極性有機溶媒/水で膨
潤した架橋ポリアミノ酸系吸水性樹脂のゲルを剪断後、
キャストする方法 本発明の薄片状の吸水性樹脂の製造方法の一つとして
は、水又は水と極性有機溶媒を用いて膨潤させた吸水性
樹脂のゲルを剪断し、その懸濁液をキャストし、乾燥す
る方法がある。もしくは、水又は水と極性有機溶媒とと
もに吸水性樹脂を湿式粉砕しながら剪断し、その懸濁液
をキャストし、乾燥する方法がある。使用する溶媒は水
又は水と極性有機溶媒の混合液である。水混和制有機溶
媒は、特に限定されないが、水と混和性のものが好まし
い。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノー
ル、2−エトキシエタノール等のアルコール類、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジ
ノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等がある。特
に乾燥が容易であり、かつ乾燥後に組成物内に溶剤が残
留しない点でメタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、ブタノールが好ましい。有機溶剤と
水の使用量及び比は特に限定されないが、有機溶媒の割
合として、0.1〜90重量%が好ましく、10〜60
重量%が特に好ましい。水単独では吸水性樹脂が膨潤す
るので、懸濁液の粘度が著しく高くなり、キャストが困
難になりやすい。そのため高濃度で使用することは困難
であり、低濃度でしか使用できない。水単独で使用する
方法は、膜厚が薄い樹脂の製造法に向く。水と水混和性
有機溶媒を使用する場合は、有機溶剤と水の比を調整す
ると、吸水性樹脂の膨潤度を制御できるので、キャスト
前の懸濁液の粘度と濃度を調整できる。この方法では、
膜厚の薄いものから厚いものまで製造できる。本発明に
使用される吸水性樹脂の吸水能の一つである吸水量は、
目的とする使用用途によって変わってくる。その吸水量
は特に限定されないが、蒸留水の場合にて、吸水性樹脂
の単位重量に対して10〜2000倍が好ましく、10
0〜1000倍がより好ましい。使用する水の割合は、
樹脂を含んだ組成物に対して、5〜99.9重量%が好
ましく、20〜80重量%が特に好ましい。膜厚が薄い
薄片状の吸水性樹脂の製造の場合は、比較的低濃度の吸
水性樹脂懸濁液を用いて行った方がよく、有機溶剤/水
の使用量は吸水性樹脂の重量倍が好ましく、特に1〜5
00重量倍が好ましい。膜厚が比較的厚い薄片状の吸水
性樹脂の製造の場合は、高濃度の吸水性樹脂懸濁液を用
いて行った方がよく、有機溶剤/水の使用量は吸水性樹
脂の1〜100重量倍が好ましく、特に1〜50重量倍
が好ましい。薄片状の吸水性樹脂の膜厚は、使用する用
途によって変わってくる。膜厚が薄い場合は、吸水速度
が速くなるが、同じ面積では重量が小さくなるために吸
水量は低くなる。膜厚が厚い場合は、吸水速度が低下す
るが単位面積当たりの吸水量は高くなる。剪断は、通
常、剪断機やホモジナイザーにより行なう。これらの機
器は、ゲルを含む懸濁液を剪断できる様式のものであれ
ば特に制限されないが、例えば、攪拌翼が高速回転(例
えば、500〜20000ppm)する様式のもの、羽
付き攪拌翼が高速回転(例えば、500〜20000p
pm)するものが好ましく使用される。より具体的に
は、刃付きのミキサー、パイプラインミキサー、ホモミ
ックスラインミキサー、ディスインテクグレーター、ス
パイクミル、ゴラトールポンプ等が挙げられる。キャス
トに使用される基材としては、特に限定されないが、一
般的にはガラス板、プラッスチック板、金属板、紙等が
挙げられる。離型性を必要とする場合は、ガラス板、テ
フロン板、金属板等が好ましい。キャストした吸水性樹
脂懸濁液の乾燥温度は特に限定されないが、20〜15
0℃が好ましく、特に40〜100℃が好ましい。ここ
で乾燥温度は、徐々に昇温する方法でも、急激に高い温
度中にキャスト物をいれても構わない。ただし、徐々に
昇温した場合は連続体に近いものが得られ、急激に乾燥
した場合は、断片化が進む。また、高濃度にてキャスト
すると、連続体になりやすく、フィルム又はシート状の
樹脂が得られる場合があるが、キャスト時又は乾燥時に
必要な大きさに切断して用いればいい。
【0031】(4−2) 薄片状の架橋ポリコハク酸イ
ミドを加水分解する方法 本発明に使用される薄片状の架橋ポリコハク酸イミドは
以下の方法にて製造される。すなわち、ポリコハク酸イ
ミドの溶液に架橋剤を加え、素早く均一にかき混ぜ、ガ
ラス板等上にキャストし、溶媒を除去することにより得
られる。もしくはポリコハク酸イミドのフィルムもしく
はシートに架橋剤を反応させることにより得られる。得
られた薄片状の架橋ポリコハク酸イミドを希アルカリ水
中で加水分解して、イミド環を開環し、乾燥することに
より薄片状の形状を有する吸水性樹脂が得られる。薄片
状の架橋ポリコハク酸イミドの製造に使用される溶媒
は、ポリコハク酸イミドを溶解できるものであればよ
く、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N’
−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、
スルホラン等が挙げられる。この中でポリコハク酸イミ
ドの溶解性が高く、乾燥により除去しやすいN,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが
特に好ましい。薄片状の架橋ポリコハク酸イミドの製造
時のポリコハク酸イミドの濃度は、特に限定されない
が、0.1〜50重量%が好ましく、特に1〜40重量
%が好ましい。使用される架橋剤としては、イミド環と
反応する多官能性化合物であれば特に限定されないが、
ポリアミン、ポリチオール等がある。一般にヒドラジ
ン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−
ブタンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレ
ンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジア
ミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジア
ミン、テトラデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレ
ンジアミン、1−アミノ−2,2−ビス(アミノメチ
ル)ブタン、テトラアミノメタン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン、ノ
ルボルネンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサ
ン、1,3,5−トリアミノシクロヘキサン、イソホロ
ンジアミン等の脂環式ポリアミン、フェニレンジアミ
ン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族
ポリアミン、リジン、オルニチンに代表されるような塩
基性アミノ酸もしくはそれらのエステル類、シスタミン
等のモノアミノ化合物がジスルフィド結合により結合し
たもの及びその誘導体等のポリアミン、1,2−エタン
ジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブ
タンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、ペンタ
エリスリチオール等の脂肪族ポリチオール、シクロヘキ
サンジチオール等の脂環式ポリオール、キシリレンジチ
オール、ベンゼンジチオール、トルエンジチオール等の
芳香族ポリチオール、トリメチロールプロパントリス
(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス
(3−メルカプトプロピオネート)ペンタエリスリトー
ルテトラキス(チオグリコレート)、ペンタエリスリト
ールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)ポリ
チオール等のエステル類が挙げられる。この中で好まし
いのは、臭気が少なく、ポリコハク酸イミドのイミド環
との反応性が高いヒドラジン、エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ヘプタメチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、リジン、オル
ニチンが好ましい。使用する架橋剤の量は、架橋剤の官
能数、分子量によって決まってくる。その使用量は特に
限定されないが、ポリコハク酸イミドに対して0.5〜
30モル%が好ましく、特に1〜20モル%が好まし
い。架橋剤を含むポリコハク酸イミド溶液をキャスト後
の乾燥条件は特に限定されない。乾燥温度は、使用する
溶剤によって変わってくるが、一般には、20〜150
℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。ここで
乾燥温度は、徐々に昇温する方法でも、急激に高い温度
中にキャスト物をいれても構わない。ただし、徐々に昇
温した場合は連続体に近いものが得られ、急激に乾燥し
た場合は、断片化が進む。本発明に使用される薄片状の
架橋ポリコハク酸イミドの架橋方法としては、全体に均
一な方法であっても、表面架橋であっても構わない。全
体に均一な架橋を行う方法としては、架橋剤をポリコハ
ク酸イミドの溶液に均一に混合し、キャスト、乾燥すれ
ばいい。表面架橋を行うの場合は、まず、ポリコハク酸
イミドの溶液を架橋剤を加えず、キャストし、乾燥する
か、もしくは少量の架橋剤を加えてキャストして乾燥し
て薄片状の架橋ポリコハク酸イミドを得る。得られた薄
片状物に、架橋剤を含む溶液を吹きかけるか、架橋剤を
含む溶液に浸すことにより、表面架橋を行う。
【0032】加水分解の方法は特に限定されないが、例
えば、薄片状の架橋ポリコハク酸イミドをアルカリ水に
浸して加水分解する。場合によっては、撹拌しながら行
っても構わない。薄片状の架橋ポリコハク酸イミドの加
水分解に使用される試薬は、特に限定されないが、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のア
ルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸リチウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、
酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属酢酸
塩、シュウ酸ナトリウム等のアルカリ金属塩、アンモニ
ア水等が挙げられる。この中で、安価な水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムが好ましい。また、場合によって
は、加水分解反応以外の方法を用いてもよい。例えば、
グリシノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、カチオン
基等を含むアミン、チオール等を反応させる方法であ
る。使用するアルカリ水の濃度は、0.01〜8重量%
が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。
【0033】加水分解反応の溶媒は、水もしくは水と極
性有機溶媒が用いられる。水単独では、加水分解が進行
するにつれて樹脂が膨潤するので、場合によっては極性
有機溶媒を混合しゲルの膨潤度を制御する。使用する極
性有機溶媒は特に限定されないが、例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタ
ノール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等の環状エーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリド
ン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルス
ルホキシド、スルホラン等がある。特に乾燥が容易であ
り、かつ乾燥後に組成物内に溶剤が残留しない点でメタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノールが好ましい。加水分解時の反応温度は、
溶液中のアルカリ濃度によって選択すればいい。すなわ
ち、アルカリ濃度が高い場合は低温を選択し、アルカリ
濃度が低い場合は温度をかけても構わない。ただし、高
濃度、高温では、薄片そのものが分解されるので温和な
条件が好ましい。好ましくは、5〜100℃、より好ま
しくは、10〜40℃が挙げられる。アルカリ開環の時
間はアルカリ水の濃度によって変わるが、一般には30
秒〜100時間が好ましく、5分〜10時間が特に好ま
しい。アルカリ開環後の薄片状物は、場合によっては、
その酸もしくは酸の塩を別の種類の塩にて交換して用い
ることもできる。塩交換に使用される対イオンとして
は、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等があ
る。具体的にはナトリウム、カリウム、リチウム等のア
ルカリ金属塩、テトラメチルアンモニウム、テトラエチ
ルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ
ブチルアンモニウム、テトラペンチルアンモニウム、テ
トラヘキシルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニ
ウム、トリメチルプロピルアンモニウム、ブチルトリメ
チルアンモニウム、ペンチルトリメチルアンモニウム、
ヘキシルトリメチルアンモニウム、シクロヘキシルトリ
メチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウ
ム、トリエチルプロピルアンモニウム、トリエチルブチ
ルルアンモニウム、トリエチルペンチルアンモニウム、
トリエチルヘキシルアンモニウム、シクロヘキシルトリ
エチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム
等のアンモニウム塩、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペ
ンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリエタノールア
ミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミ
ン、トリペンタノールアミン、トリヘキサノールアミ
ン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルア
ミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、エ
チルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチ
ルアミン、メチルペンチルアミン、メチルヘキシルアミ
ン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチ
ルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシ
ルアミン等のアミン塩等がある。この中で対イオンの分
子量が大きくなると相対的に単位あたりの分子量が大き
くなるため単位重量当たりの吸水量が小さくなるので、
対イオンの分子量は小さい方がいい。また用途によっ
て、人の肌等に触れる場合があるので、生物の皮膚や粘
膜に対して炎症性が低い方が良く、無機の塩もしくはア
ンモニウム塩が好ましい。その中でも特にナトリウム、
カリウム、トリエタノールアミンが好ましい。アルカリ
開環後の薄片状物は、場合によってはその酸を中和して
用いることもできる。中和度は50〜100%が好まし
く、特に70〜100%が好ましい。その方法は特に限
定されないが、例えば、アルカリ開環後のフィルムもし
くはシートを、pHを調整した溶液中に必要時間浸せば
いい。その時間は、特に限定されないが、一般には30
秒〜100時間が好ましく、5分〜10時間が特に好ま
しい。アルカリ開環後の薄片状物の乾燥方法は特に限定
されないが、常圧にても減圧下にても行うことができ
る。乾燥の温度は、特に限定されないが、一般には20
〜150℃が好ましく、特に40〜100℃が好まし
い。
【0034】(4−3) 非架橋ポリアミノ酸と架橋剤
をキャスト後、もしくはキャストしながら反応する方法
本発明の薄片状の架橋ポリアミノ酸は、カルボン酸等の
酸性基を含むポリアミノ酸の溶液に架橋剤を加え、均一
にかき混ぜ、ガラス板等上にキャストし、溶媒を除去し
ながら、反応させ、中和することにより得られる。もし
くはポリアスパラギン酸のフィルムもしくはシートに架
橋剤を反応させ、中和することにより得られる。使用さ
れる架橋剤としては、酸性ポリアミノ酸に含まれるカル
ボキシル基、又はそれ以外の官能基と反応するものであ
れば、特に限定されない。例えば、ポリオール、ポリチ
オール、ポリアミン、ポリエポキシ化合物、ポリイソシ
アナート、ポリアジリジン化合物、多価金属等が挙げら
れる。架橋剤の例を挙げると、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジ
オール、ヘキサンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタ
ンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカ
ンジオール、ウンデカンジオール、ドデカンジオール、
ヘキサデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタ
エチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプ
ロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ペ
ンタプロピレングリコール、ヘキサプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセ
リン、EO変性グリセリン、CL変性グリセリン、トリ
メチロールエタン、トリエチロールエタン、トリブチロ
ールエタン、トリヘキサノールエタン、トリメチロール
プロパン、トリエチロールプロパン、トリプロパノール
プロパン、トリブチロールプロパン、トリヘキサノール
プロパン、EO変性トリメチロールプロパン、CL変性
トリメチロールプロパン、エタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、ジペンタエリスリ
トール、EO変性ペンタエリスリトール、CL変性ペン
タエリスリトール、ソルビトール、EO変性ソルビトー
ル、キシリレンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)ベ
ンゼン、ビス(ヒドロキシプロピル)ベンゼン、ビス
(ヒドロキシブチル)ベンゼン、トリス(ヒドロキシメ
チル)ベンゼン、トリス(ヒドロキシエチル)ベンゼ
ン、シクロヘキサンジオール、、ビス(ヒドロキシメチ
ル)シクロヘキサン等のポリオール類、カテコール、ハ
イドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ジヒド
ロキシフラン、ジヒドロキシピリジン等のフェノール
類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,3−
ジアミノプロパン、ブチレンジアミン、ペンタメチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジ
アミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミ
ン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジア
ミン、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−
アミノプロピル)エーテル、ビス(4−アミノブチル)
エーテル、ビス(5−アミノペンチル)エーテル、ビス
(6−アミノヘキシル)エーテル、ビス(12−アミノ
ドデシル)エーテル、1,2−ビス(2’−アミノエト
キシ)エタン、、1,2−ビス(3’−アミノプロポキ
シ)エタン、1,2−ビス(4’−アミノブトキシ)エ
タン、1,3−ビス(2’−アミノエトキシ)プロパ
ン、1,3−ビス(3’−アミノプロポキシ)プロパ
ン、ビス(アミノエチルオキシエチル)エーテル、ビス
(アミノプロピルオキシプロピル)エーテル、ビス(ア
ミノブチルオキシブチル)エーテル、キシリレンジアミ
ン、ビス(アミノエチル)ベンゼン、ビス(アミノプロ
ピル)ベンゼン、ビス(アミノブチル)ベンゼン、トリ
ス(アミノメチル)ベンゼン、トリス(アミノエチル)
ベンゼン、シクロヘキサンジアミン、ビス(アミノメチ
ル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ビス−2,
2−(4’−アミノシクロヘキシル)プロパン、ノルボ
ルネンジアミン、ジエチレントリアミントリエチレンテ
トラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンポ
リアミン、リジン、オルニチン、シスチン、システアミ
ン、リジンのジケトピペラジン、オルニチンのジケトピ
ペラジン等のポリアミン類、トリレンジアミン、フェニ
レンジアミン、アミノベンジルアミン、ビス−2,2−
(4’−アミノフェニル)プロパン等の芳香族ポリアミ
ン類、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリ
コールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、ペンタエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ヘキサエチレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリ
グリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジル
エーテル、EO変性トリメチロールプロパントリグリシ
ジルエーテル、CL変性トリメチロールプロパントリグ
リシジルエーテル、ジトリメチロールプロパンジグリシ
ジルエーテル、ジトリメチロールプロパントリグリシジ
ルエーテル、EO変性ジトリメチロールプロパントリグ
リシジルエーテル、CL変性ジトリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリ
シジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジル
エーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエー
テル、EO変性ペンタエリスリトールテトラグリシジル
エーテル、CL変性ペンタエリスリトールテトラグリシ
ジルエーテル、ジペンタエリスリトールジグリシジルエ
ーテル、ジペンタエリスリトールトリグリシジルエーテ
ル、ジペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテ
ル、EO変性ジペンタエリスリトールテトラグリシジル
エーテル、CL変性ジペンタエリスリトールテトラグリ
シジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテ
ル、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシ
ジルトルイジン、ビスー2,2ー(4'ーグリシジルオキ
シシクロヘキシル)プロパン、フタル酸ジグリシジルエ
ーテル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエーテル、
ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエーテル、ジグリシ
ジルーpーオキシ安息香酸、レゾルシノールジグリシジ
ルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、
ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルSジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジオ
キシド、アリサイクリック・ジエポキシ・アセタール、
アリサイクリック・ジエポキシ・アジペート、アリサイ
クリック・ジエポキシ・カルボキシレート等のポリエポ
キシ化合物、エチレンジイソシアナート、プロピレンジ
イソシアナート、1,3−ジイソシアナトプロパン、ブ
チレンジイソシアナート、ペンタメチレンジイソシアナ
ート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ヘプタメチレ
ンジイソシアナート、オクタメチレンジイソシアナー
ト、ノナメチレンジイソシアナート、デカメチレンジイ
ソシアナート、ウンデカメチレンジイソシアナート、ド
デカメチレンジイソシアナート、ヘキサデカメチレンジ
イソシアナート、ビス(2−イソシアナトエチル)エー
テル、ビス(3−イソシアナトプロピル)エーテル、ビ
ス(4−イソシアナトブチル)エーテル、ビス(5−イ
ソシアナトペンチル)エーテル、ビス(6−イソシアナ
トヘキシル)エーテル、ビス(12−イソシアナトドデ
シル)エーテル、1,2−ビス(2’−イソシアナトエ
トキシ)エタン、、1,2−ビス(3’−イソシアナト
プロポキシ)エタン、1,2−ビス(4’−イソシアナ
トブトキシ)エタン、1,3−ビス(2’−イソシアナ
トエトキシ)プロパン、1,3−ビス(3’−イソシア
ナトプロポキシ)プロパン、ビス(イソシアナトエチル
オキシエチル)エーテル、ビス(イソシアナトプロピル
オキシプロピル)エーテル、ビス(イソシアナトブチル
オキシブチル)エーテル、キシリレンジイソシアナー
ト、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソ
シアナトプロピル)ベンゼン、ビス(イソシアナトブチ
ル)ベンゼン、トリス(イソシアナトメチル)ベンゼ
ン、トリス(イソシアナトエチル)ベンゼン、シクロヘ
キサンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)
シクロヘキサン、イソホロンジイソシアナート、ノルボ
ルネンジイソシアナート、ビス−2,2−(4’−イソ
シアナトシクロヘキシル)プロパン等のポリイソシアナ
ート類、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、
バリウム、チタン、バナジル、クロム、マンガン、鉄、
コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ジルコ
ニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、カドニウム、錫、タングステン、白金、金、水銀、
サマリウム、ユーロピウム等の多価金属イオン等が挙げ
られる。また架橋剤を使用しないで紫外線、放射線等を
用いた自己架橋であっても構わない。この中で、反応性
を考慮すると、ポリエポキシ化合物が好ましい。また、
生分解性または分解後の安全性を考慮すると、グリセリ
ン誘導体、エチレングリコール誘導体、ポリエチレング
リコール誘導体、ソルビトール誘導体、リジン、オルニ
チン、システアミン、シスチンが好ましい。本発明に使
用される架橋ポリコハク酸イミドのフィルムもしくはシ
ートの架橋方法としては、全体に均一な方法であって
も、表面架橋であっても構わない。全体に均一な架橋方
法としては、架橋剤をポリアスパラギン酸の水溶液に均
一に混合すればよい。表面架橋の場合は、ポリコハク酸
イミドの溶液を架橋剤なしで乾燥し、得られたフィルム
もしくはシートに、架橋剤を含む溶液を吹きかけるか、
架橋剤を含む溶液に浸せばいい。
【0035】
【実施例】以下実施例によって本発明をより具体的に説
明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。以下の実施例及び比較例において「部」とは「重量
部」を意味する。吸水量の測定は、ティーバッグ法にて
蒸留水を対象として行った。すなわち、ティーバッグに
吸水性樹脂を入れ、過剰の蒸留水にティーバッグを1時
間浸し、ティーバッグを引き上げ1分間水切りを行い、
重量を測定した。吸水量は、1時間水に浸した、吸水性
樹脂が入っていないティーバッグの重量をブランクと
し、膨潤した樹脂が入ったティーバッグの重量から、膨
潤前の樹脂の重量とブランクの重量を減じた値を、樹脂
の重量で除した値を吸水量(g/g樹脂)とした。ま
た、吸水速度の測定は、所定量の人工尿をゲル化させる
時間を測定し、評価した。すなわち、吸水性樹脂5gが
入ったビーカーに、150g(30倍量)の人工尿を流
し込み、撹拌しない状態でゲル化させ、ゲルの流動性が
全くなくなった時間を測定した。なお、人工尿の組成
は、尿素1.94%、塩化ナトリウム0.8%、塩化カ
ルシウム840ppm、硫酸マグネシウム2050pp
mの水溶液を用いた。
【0036】[実施例1]窒素気流下、重量平均分子量
9.6万のポリコハク酸イミド5部を30部のDMFに
溶解し、リジンメチルエステル・2塩酸塩1.8部とト
リエチルアミン3.1部を挿入し、室温で5時間撹拌
後、攪拌を止め、30時間反応した。反応物にメタノー
ル100部を加え、室温で2時間撹拌し、再沈させた。
沈殿物を吸引濾過にて集め、メタノール続いて水で洗浄
した。得られた沈殿物を蒸留水1000部に懸濁し、8
重量%の水酸化ナトリウム水溶液をpH10〜11の範
囲に入るように滴下し、更に反応溶液のpHが下がらな
くなるまで8%苛性ソーダの水溶液を加え続けた。pH
が下がらなくなった後、希塩酸を加え反応液のpHを7
になるまで加えた。得られた混合物を3000部のアセ
トンに排出し、乾燥、粉砕後、吸水性ポリマー7.6部
が得られた。この吸水性樹脂7部をメタノール50部、
蒸留水50部に懸濁させ、刃付きのミキサーを用いて8
000rpmにて剪断し、懸濁液をテフロンの板の上に
30μmの厚みでキャストし、100℃の乾燥器に入れ
6時間乾燥すると薄片状の吸水性樹脂が得られた。この
樹脂の吸水量は1gの樹脂片に対して290倍と大き
く、吸水速度は1分45秒と非常に速かった。
【0037】[実施例2]実施例1で得られた吸水性樹
脂7部とソルビトール0.7部をメタノール50部、蒸
留水50部に懸濁させ、実施例1と同様に処理し、薄片
状の吸水性樹脂を得た。この樹脂の吸水量は1gの樹脂
片に対して260倍と大きく、吸水速度は1分31秒と
非常に速かった。
【0038】[実施例3]実施例2において、ソルビト
ールの代わりにキトサン微粒品を用いた以外は、実施例
1と同様に処理し、薄片状の吸水性樹脂を得た。この樹
脂の吸水量は1gの樹脂片に対して250倍と大きく、
吸水速度は1分33秒と非常に速かった。
【0039】[実施例4]実施例1で得られた吸水性樹
脂1部を蒸留水100部に懸濁させ、実施例1と同様に
処理し、薄片状の吸水性樹脂を得た。この樹脂の吸水量
は1gの樹脂片に対して300倍と大きく、吸水速度は
1分39秒と非常に速かった。
【0040】[実施例5]実施例1で得られた薄片状組
成物2部をでんぷん糊を塗布した3cm×3cmのポリ
乳酸の不織布にはさみ、60℃で2時間乾燥させ、シー
トを得た。この複合体に人工尿60部を加え、吸水速度
を測定したところ、1分46秒と速かった。
【0041】[実施例6]重量平均分子量6.8万のポ
リコハク酸イミド25部をDMF75部に溶解し、ヘキ
サメチレンジアミン1.5部を蒸留水3部に溶解した水
溶液を加え、5分間、激しく攪拌し、得られたスラリー
をガラス板上にキャストし、窒素気流下、120℃にて
10時間乾燥した。得られた薄片状の吸水性樹脂10部
を蒸留水50部とメタノール50部に入れ、緩やかに撹
拌しつつ、8%の苛性ソーダ水溶液51.5部をpHを
11以下にして加えた。さらに10時間反応後、得られ
たゲルを蒸留水100部で洗浄し、60℃にて10時間
乾燥し、さらに荒く粉砕すると、薄片状の吸水性樹脂1
1.5部が得られた。この樹脂の吸水量は1gの樹脂片
に対して250倍と大きく、吸水速度は1分22秒と非
常に速かった。
【0042】[実施例7]重量平均分子量の10.4万
のポリアスパラギン酸25部とエチレングリコール・ジ
グリシジルエーテル1.9部を蒸留水100部に溶解
し、ガラス板上にキャストし、120℃で5時間乾燥
し、さらに200℃にて30分反応させた。得られた薄
片状の樹脂に2%の苛性ソーダ水溶液を加え、pH7に
調整した。得られたゲルを蒸留水100部で洗浄し、6
0℃にて10時間乾燥して、薄片状の吸水性樹脂7.8
が得られた。この樹脂の吸水量を測定したところ、1g
の樹脂片に対して190gと大きく、吸水速度は1分5
2秒と速かった。
【0043】[比較例1]実施例1で得られた吸水性樹
脂の吸水量と吸水速度を測定した。この樹脂の吸水量は
1gの樹脂片に対して470gと大きかったが、吸水速
度は5分45秒と遅かった。
【0044】[比較例2]架橋ポリアクリル酸系樹脂の
吸水量と吸水速度を測定した。この樹脂の吸水量は1g
の樹脂片に対して570gと大きく、吸水速度は2分5
秒と比較的速かったが、生分解性は皆無であった。
【0045】[比較例3]生分解性のある架橋カルボキ
シメチルセルロース系樹脂の吸水量と吸水速度を測定し
た。この樹脂の吸水量は1gの樹脂片に対して170g
と小さく、吸水速度は2時間30分と非常に遅かった。
【0046】
【発明の効果】本発明により、紙オムツ用、農・園芸用
等に使用される吸水体として、生分解性を有し、優れた
吸水能、特に吸水速度が速い、高吸水性の薄片状の吸水
性樹脂が得られるようになった。本発明により、生分解
性を有し、優れた吸水能、特に優れた吸水速度を示す、
薄片状の吸水性樹脂樹脂組成物及びそれらからなる複合
体を提供することができる。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋ポリアミノ酸重合体を含有してなる
    薄片状の吸水性樹脂。
  2. 【請求項2】 可塑剤を含む、請求項1に記載した吸水
    性樹脂。
  3. 【請求項3】 架橋ポリアミノ酸重合体が、繰り返し単
    位の少なくとも一部に、酸性アミノ酸残基を有するもの
    である、請求項1又は2に記載した吸水性樹脂。
  4. 【請求項4】 酸性アミノ酸残基が、アスパラギン酸残
    基である、請求項1乃至3の何れかに記載した吸水性樹
    脂。
  5. 【請求項5】 実質的に純水及び/又は生理食塩水に対
    して不溶性である、請求項1乃至4の何れかに記載した
    吸水性樹脂。
  6. 【請求項6】 極性有機溶剤及び/又は水により膨潤さ
    せた架橋ポリアミノ酸重合体のゲルを剪断することを特
    徴とする、薄片状の吸水性樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 薄片状の架橋ポリコハク酸イミド重合体
    の、分子内のイミド環の少なくとも一部を加水分解する
    ことを特徴とする、薄片状の吸水性樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 未架橋ポリアミノ酸と架橋剤をキャスト
    し、反応させることを特徴とする、薄片状の吸水性樹脂
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 乾燥中に断片化することを特徴とする、
    請求項6乃至8の何れかに記載した薄片状の吸水性樹脂
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 乾燥後に断片化することを特徴とす
    る、請求項6乃至8の何れかに記載した薄片状の吸水性
    樹脂の製造方法。
  11. 【請求項11】 製造工程の一連の工程の何れかの段階
    において、可塑剤を添加することを特徴とする、請求項
    6乃至10の何れかに記載した薄片状の吸水性樹脂の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至5の何れかに記載した薄
    片状の吸水性樹脂からなる吸水剤。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至5の何れかに記載した薄
    片状の吸水性樹脂を多層構造の少なくとも一部の層に有
    することを特徴とする、多層構造吸水性複合体。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至5の何れかに記載した薄
    片状の吸水性樹脂からなる吸水性複合体。
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