JPH10291889A - 化合物半導体単結晶製造用ボート - Google Patents
化合物半導体単結晶製造用ボートInfo
- Publication number
- JPH10291889A JPH10291889A JP9905197A JP9905197A JPH10291889A JP H10291889 A JPH10291889 A JP H10291889A JP 9905197 A JP9905197 A JP 9905197A JP 9905197 A JP9905197 A JP 9905197A JP H10291889 A JPH10291889 A JP H10291889A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- boat
- section
- cross
- crystal
- seed crystal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】種結晶に内在する転位の伝搬による種付け後の
結晶成長段階で発生する多結晶を有効に解消すること。 【解決手段】ボート肩部において、種結晶配置部12で
の断面より小さい断面を有する構造を形成する。ボート
肩部での種結晶配置部12での断面よりも小さい断面を
有する構造を持たせるに当たっては、そのボート肩部の
形状が、D−D断面図のボート長さ方向断面図において
種結晶配置部12と直胴部14とを結んだ弧13をX軸
を回転させたときにできる軌跡を持たせるように形成し
ている。これによって種結晶から伝搬する転位を結晶外
部に抜けさせる、いわゆるネッキング効果を得ることが
できる。これによって、ボート肩部から先への転位の伝
搬を防止することができ、結晶の多結晶化を解消するこ
とができる。
結晶成長段階で発生する多結晶を有効に解消すること。 【解決手段】ボート肩部において、種結晶配置部12で
の断面より小さい断面を有する構造を形成する。ボート
肩部での種結晶配置部12での断面よりも小さい断面を
有する構造を持たせるに当たっては、そのボート肩部の
形状が、D−D断面図のボート長さ方向断面図において
種結晶配置部12と直胴部14とを結んだ弧13をX軸
を回転させたときにできる軌跡を持たせるように形成し
ている。これによって種結晶から伝搬する転位を結晶外
部に抜けさせる、いわゆるネッキング効果を得ることが
できる。これによって、ボート肩部から先への転位の伝
搬を防止することができ、結晶の多結晶化を解消するこ
とができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体単結
晶製造用ボートに関し、たとえば、ボート法による化合
物半導体単結晶の製造に適用し得るもので、特に、原料
容器のボート形状の改善に関する。
晶製造用ボートに関し、たとえば、ボート法による化合
物半導体単結晶の製造に適用し得るもので、特に、原料
容器のボート形状の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】化合物半導体単結晶を製造するために、
ブリッジマン法が広く用られている。このブリッジマン
法は、容器内に収容された結晶融液を一端に配した種結
晶から徐々に径あるいは幅を増加させほぼ一定の形状と
なるように固化せしめる容器内での成長方法である。こ
のブリッジマン法においては、ボートと呼ばれる平底の
舟型の容器が使用されている。
ブリッジマン法が広く用られている。このブリッジマン
法は、容器内に収容された結晶融液を一端に配した種結
晶から徐々に径あるいは幅を増加させほぼ一定の形状と
なるように固化せしめる容器内での成長方法である。こ
のブリッジマン法においては、ボートと呼ばれる平底の
舟型の容器が使用されている。
【0003】図4は、従来例のボート法ガリウム砒素単
結晶製造方法を表した概略図である。
結晶製造方法を表した概略図である。
【0004】ボート法ガリウム砒素単結晶製造方法にお
いては、図4に示すように、石英アンプル1内にガリウ
ム3および種結晶4を配置した石英ボート2と、砒素5
を入れて真空封止を行う。真空封止した石英アンプル1
は、上部に放熱孔10も持つ高温炉7と低温炉8とから
なる単結晶製造炉6にセットする。その後、炉6を上温
し、高温炉7を約1238℃に設定し、低温炉8を約6
00℃に設定し、ガリウム3と砒素5とを反応させ、ガ
リウム砒素を合成する。ガリウム砒素の合成後、高温炉
7にある一定の温度勾配を持った温度分布9を形成し、
高温炉7をこの分布形状のまま徐々に昇温し、ガリウム
砒素を融液化させ、種付けを実施する。種付け後、高温
炉7を徐々に降温し、種結晶4側から単結晶を成長させ
る。
いては、図4に示すように、石英アンプル1内にガリウ
ム3および種結晶4を配置した石英ボート2と、砒素5
を入れて真空封止を行う。真空封止した石英アンプル1
は、上部に放熱孔10も持つ高温炉7と低温炉8とから
なる単結晶製造炉6にセットする。その後、炉6を上温
し、高温炉7を約1238℃に設定し、低温炉8を約6
00℃に設定し、ガリウム3と砒素5とを反応させ、ガ
リウム砒素を合成する。ガリウム砒素の合成後、高温炉
7にある一定の温度勾配を持った温度分布9を形成し、
高温炉7をこの分布形状のまま徐々に昇温し、ガリウム
砒素を融液化させ、種付けを実施する。種付け後、高温
炉7を徐々に降温し、種結晶4側から単結晶を成長させ
る。
【0005】また、図5は、従来のボート肩部周辺の上
面図、ボート長さ方向での断面図およびボート幅方向の
断面図を表しものである。この図5に示すように、ボー
ト法ガリウム砒素単結晶製造方法で使用される従来の石
英ボート15は、種結晶配置部16からボート直胴部1
8へかけて徐々にその断面を大きくしていくといったボ
ート肩部17を持ったものが一般的に広く使用されてい
る。
面図、ボート長さ方向での断面図およびボート幅方向の
断面図を表しものである。この図5に示すように、ボー
ト法ガリウム砒素単結晶製造方法で使用される従来の石
英ボート15は、種結晶配置部16からボート直胴部1
8へかけて徐々にその断面を大きくしていくといったボ
ート肩部17を持ったものが一般的に広く使用されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来のボート形
状の問題点として、種付けの際に、種結晶に転位が内在
しているため、転位が伝搬してしまい種付け後の結晶成
長の際、結晶が多結晶化するといった問題点があった。
状の問題点として、種付けの際に、種結晶に転位が内在
しているため、転位が伝搬してしまい種付け後の結晶成
長の際、結晶が多結晶化するといった問題点があった。
【0007】このような問題点に対する対策として、種
結晶に使用する結晶は低い転移のものを選別して使用す
る対策を採っているが、ガリウム砒素などの化合物半導
体の場合、低い転位の結晶を選別して使用すること自体
が困難であり、多少なりとも転位が内在する種結晶を使
用せざるを得ない状態であった。
結晶に使用する結晶は低い転移のものを選別して使用す
る対策を採っているが、ガリウム砒素などの化合物半導
体の場合、低い転位の結晶を選別して使用すること自体
が困難であり、多少なりとも転位が内在する種結晶を使
用せざるを得ない状態であった。
【0008】このようなことから、種結晶に内在する転
位の伝搬による種付け後の結晶成長段階で発生する多結
晶を有効に解消することが可能な化合物半導体単結晶製
造用ボートの実現が要請されている。
位の伝搬による種付け後の結晶成長段階で発生する多結
晶を有効に解消することが可能な化合物半導体単結晶製
造用ボートの実現が要請されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、化合
物半導体単結晶製造用ボートの種結晶配置部からボート
直胴部にかけてのボート肩部の断面が、上記種結晶配置
部での断面より小さい断面になるように形成されてい
る。
物半導体単結晶製造用ボートの種結晶配置部からボート
直胴部にかけてのボート肩部の断面が、上記種結晶配置
部での断面より小さい断面になるように形成されてい
る。
【0010】このような構造にすることで、種結晶配置
部に配置された種結晶から伝搬する転位を結晶外部に抜
けさせる、いわゆるネッキング効果を得ることができ、
これによって、ボート肩部から先への転位の伝搬を防止
することができ、結晶の多結晶化を解消することができ
る。
部に配置された種結晶から伝搬する転位を結晶外部に抜
けさせる、いわゆるネッキング効果を得ることができ、
これによって、ボート肩部から先への転位の伝搬を防止
することができ、結晶の多結晶化を解消することができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明の好適な実施の形態を
図面を用いて説明する。
図面を用いて説明する。
【0012】そこで、本実施の形態においては、ボート
肩部の断面形状を、種結晶配置部での断面より小さい断
面を有するような構造を形成する。
肩部の断面形状を、種結晶配置部での断面より小さい断
面を有するような構造を形成する。
【0013】図1は、本実施の形態のボート肩部周辺の
上面図(a)、ボート長さ方向での断面図(b)および
ボート幅方向での断面図(c)を表したものである。ボ
ート肩部での種結晶配置部での断面よりも小さい断面を
有する構造を持たせるに当たっては、図1に示すよう
に、そのボート肩部の形状が、図1(b)のD−D断面
図のボート長さ方向断面図において種結晶配置部12と
直胴部14とを結んだ弧13をX軸を回転させたときに
できる軌跡を持たせるように形成している。
上面図(a)、ボート長さ方向での断面図(b)および
ボート幅方向での断面図(c)を表したものである。ボ
ート肩部での種結晶配置部での断面よりも小さい断面を
有する構造を持たせるに当たっては、図1に示すよう
に、そのボート肩部の形状が、図1(b)のD−D断面
図のボート長さ方向断面図において種結晶配置部12と
直胴部14とを結んだ弧13をX軸を回転させたときに
できる軌跡を持たせるように形成している。
【0014】ボート11の肩部形状を上述のように形成
した理由は以下のとおりである。すなわち、(1)ボー
ト肩部の断面において、種結晶配置部12での断面より
小さい断面を有する形状を持たせた理由として、ボート
肩部断面を小さくすることで、種結晶から伝搬する転位
を結晶外部に抜けさせる、いわゆるネッキング効果を得
ることができる。これによって、ボート肩部から先への
転位の伝搬を防止することができ、結晶の多結晶化を解
消することができる。
した理由は以下のとおりである。すなわち、(1)ボー
ト肩部の断面において、種結晶配置部12での断面より
小さい断面を有する形状を持たせた理由として、ボート
肩部断面を小さくすることで、種結晶から伝搬する転位
を結晶外部に抜けさせる、いわゆるネッキング効果を得
ることができる。これによって、ボート肩部から先への
転位の伝搬を防止することができ、結晶の多結晶化を解
消することができる。
【0015】(2)また、ボート肩部での種結晶配置部
12での断面より小さい断面を有する構造を持たせる手
段として、図1に示すように、その形状がボート長さ方
向断面図(図1(b)のD−D断面図)において、種結
晶配置部12と直胴部14とを結んだ弧13をX軸を中
心として回転させたときにできる軌跡を形状に採った理
由として、第1にボート長さ方向断面形状に弧を持つ構
造とした点については、これによって種結晶配置部12
から直胴部14にかけて鋭角点を持たずに、断面の小さ
い部分を得ることができる。このことで、種付け後のボ
ート肩部での結晶成長において急激な結晶厚の変化から
くる多結晶化を防ぐ効果を持たせている。
12での断面より小さい断面を有する構造を持たせる手
段として、図1に示すように、その形状がボート長さ方
向断面図(図1(b)のD−D断面図)において、種結
晶配置部12と直胴部14とを結んだ弧13をX軸を中
心として回転させたときにできる軌跡を形状に採った理
由として、第1にボート長さ方向断面形状に弧を持つ構
造とした点については、これによって種結晶配置部12
から直胴部14にかけて鋭角点を持たずに、断面の小さ
い部分を得ることができる。このことで、種付け後のボ
ート肩部での結晶成長において急激な結晶厚の変化から
くる多結晶化を防ぐ効果を持たせている。
【0016】第2にこのボート肩部の弧13をX軸を回
転させたときにできる軌跡をボート形状とした理由は、
一つ目として、先の種結晶配置部12から直胴部14に
かけて鋭角点を持たない構造をボート幅方向にも適用を
図るためである。これによって、ボート肩部の断面形状
がすべての点で半円形状(同一形状)を有することとな
り、連続的な曲面上(つまり、連続的な結晶厚さ、結晶
幅)での結晶成長が可能となり、多結晶化を防ぐ効果を
さらに向上させることが可能になる。
転させたときにできる軌跡をボート形状とした理由は、
一つ目として、先の種結晶配置部12から直胴部14に
かけて鋭角点を持たない構造をボート幅方向にも適用を
図るためである。これによって、ボート肩部の断面形状
がすべての点で半円形状(同一形状)を有することとな
り、連続的な曲面上(つまり、連続的な結晶厚さ、結晶
幅)での結晶成長が可能となり、多結晶化を防ぐ効果を
さらに向上させることが可能になる。
【0017】また、二つ目として、上述の(1)のネッ
キング効果をボート幅方向にも適用を図るためである。
これによって、ボート長さ方向、ボート幅方向の両方向
でネッキング効果を得ることができ、種結晶から転位の
伝搬をさらに効率よく防止することが可能となる。
キング効果をボート幅方向にも適用を図るためである。
これによって、ボート長さ方向、ボート幅方向の両方向
でネッキング効果を得ることができ、種結晶から転位の
伝搬をさらに効率よく防止することが可能となる。
【0018】
【実施例】次に、具体的な実施例を図1〜図3を参照し
ながら説明する。
ながら説明する。
【0019】図2は、本実施の形態のボートの効果を確
認するために、比較対象として試作的に製作したネッキ
ング形状をボート長さ方向、ボート幅方向の2方向に持
った、ボート肩部に鋭角点を持つボートの肩部周辺の上
面図(a)、ボート長さ方向での断面図(b)およびボ
ート幅方向での断面図(c)を表したものである。
認するために、比較対象として試作的に製作したネッキ
ング形状をボート長さ方向、ボート幅方向の2方向に持
った、ボート肩部に鋭角点を持つボートの肩部周辺の上
面図(a)、ボート長さ方向での断面図(b)およびボ
ート幅方向での断面図(c)を表したものである。
【0020】図3は、本実施の形態のボートの効果を確
認するために、比較対象として試作的に製作したネッキ
ング形状をボート長さ方向だけに持ったボートのボート
肩部周辺の上面図(a)、ボート長さ方向での断面図
(b)およびボート幅方向での断面図(c)を表したも
のである。
認するために、比較対象として試作的に製作したネッキ
ング形状をボート長さ方向だけに持ったボートのボート
肩部周辺の上面図(a)、ボート長さ方向での断面図
(b)およびボート幅方向での断面図(c)を表したも
のである。
【0021】そこで、図1のボート11を用いてGF
(温度傾斜法:Gradient Freezing)
による2インチサイズのシリコンドープガリウム砒素単
結晶成長を実施した。その際に、比較対象として従来の
ボート15、試作的に製作したボート肩部に鋭角点を持
つ形状の図2のボート19、ネッキング形状をボート長
さ方向だけに持たせた図3のボート20についても同様
の単結晶成長を実施した。
(温度傾斜法:Gradient Freezing)
による2インチサイズのシリコンドープガリウム砒素単
結晶成長を実施した。その際に、比較対象として従来の
ボート15、試作的に製作したボート肩部に鋭角点を持
つ形状の図2のボート19、ネッキング形状をボート長
さ方向だけに持たせた図3のボート20についても同様
の単結晶成長を実施した。
【0022】本実施例の結晶成長方法を、上述の図4の
ボート法ガリウム砒素単結晶製造方法を表した概略図を
用いて説明する。石英アンプル1内に本実施例の石英ボ
ート11、ガリウム3、砒素5および種結晶4を入れ真
空封止した。真空封止した石英アンプル1を単結晶製造
炉6にセットし、昇温、反応を行い、その後、高温炉7
の温度勾配を0.5deg/cmに設定した。
ボート法ガリウム砒素単結晶製造方法を表した概略図を
用いて説明する。石英アンプル1内に本実施例の石英ボ
ート11、ガリウム3、砒素5および種結晶4を入れ真
空封止した。真空封止した石英アンプル1を単結晶製造
炉6にセットし、昇温、反応を行い、その後、高温炉7
の温度勾配を0.5deg/cmに設定した。
【0023】このような温度分布条件によって種付けを
行った後、高温炉7を0.1℃/時間の速度で降温し単
結晶成長を行った。なお、比較対象としての従来のボー
ト15、試作的に製作したボート肩部に鋭角点を持つ形
状のボート19(図2)、ネッキング形状をボートの長
さ方向だけに持たせたボート20(図3)についての結
晶成長方法については、ボートだけを変更するのみで他
の条件は、上述したことと同一の方法で実施した。
行った後、高温炉7を0.1℃/時間の速度で降温し単
結晶成長を行った。なお、比較対象としての従来のボー
ト15、試作的に製作したボート肩部に鋭角点を持つ形
状のボート19(図2)、ネッキング形状をボートの長
さ方向だけに持たせたボート20(図3)についての結
晶成長方法については、ボートだけを変更するのみで他
の条件は、上述したことと同一の方法で実施した。
【0024】本実施例の結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】この表1は、上述した4通りのボート(図
5、図1、図2、図3)による単結晶化率および単結晶
化した結晶の転位密度の平均値を示したものである。な
お、試作では各ボートで20ロット実施した。
5、図1、図2、図3)による単結晶化率および単結晶
化した結晶の転位密度の平均値を示したものである。な
お、試作では各ボートで20ロット実施した。
【0027】本実施例のボート11(図1)は、20ロ
ット中単結晶本数が20本であったので、単結晶化率は
100%であり、単結晶化した結晶転位密度の平均値は
1500個/cm2 であった。一方、従来のボート15
(図4)は、20ロット中単結晶本数が16本であった
ので、単結晶化率は80%であり、単結晶化した結晶転
位密度の平均値は3000個/cm2 であった。
ット中単結晶本数が20本であったので、単結晶化率は
100%であり、単結晶化した結晶転位密度の平均値は
1500個/cm2 であった。一方、従来のボート15
(図4)は、20ロット中単結晶本数が16本であった
ので、単結晶化率は80%であり、単結晶化した結晶転
位密度の平均値は3000個/cm2 であった。
【0028】さらに、比較例1として、ボート肩部に鋭
角点を持つボート19(図2)は、20ロット中単結晶
本数が15本であったので、単結晶化率は75%であ
り、単結晶化した結晶転位密度の平均値は1500個/
cm2 であった。さらにまた、比較例2として、ネッキン
グ形状をボートの長さ方向にだけ持つボート20(図
3)は、20ロット中単結晶本数が20本であったの
で、単結晶化率は100%であり、単結晶化した結晶転
位密度の平均値は2000個/cm2 であった。
角点を持つボート19(図2)は、20ロット中単結晶
本数が15本であったので、単結晶化率は75%であ
り、単結晶化した結晶転位密度の平均値は1500個/
cm2 であった。さらにまた、比較例2として、ネッキン
グ形状をボートの長さ方向にだけ持つボート20(図
3)は、20ロット中単結晶本数が20本であったの
で、単結晶化率は100%であり、単結晶化した結晶転
位密度の平均値は2000個/cm2 であった。
【0029】このような結果から、従来のボート15と
比較した場合、ボート肩部に鋭角点を持つボート19に
ついては転位密度の低下からネッキングの効果は得られ
たが、鋭角部からの多結晶発生によって単結晶化率が従
来より低下してしまった。また、ネッキング形状をボー
ト長さ方向だけに持たせたボート20については、単結
晶化率、転位密度共に従来のボート15よりも向上を図
ることができた。また、本実施例のボート11について
は、単結晶化率、転位密度共に従来のボート15よりも
向上を図ることができた。しかも、転位密度について
は、ネッキング形状をボート長さ方向だけに持たせたボ
ート20よりもさらに低い転位となる結果を得た。以上
のような試作結果から本実施例のボート11の形状が最
適条件と言える。
比較した場合、ボート肩部に鋭角点を持つボート19に
ついては転位密度の低下からネッキングの効果は得られ
たが、鋭角部からの多結晶発生によって単結晶化率が従
来より低下してしまった。また、ネッキング形状をボー
ト長さ方向だけに持たせたボート20については、単結
晶化率、転位密度共に従来のボート15よりも向上を図
ることができた。また、本実施例のボート11について
は、単結晶化率、転位密度共に従来のボート15よりも
向上を図ることができた。しかも、転位密度について
は、ネッキング形状をボート長さ方向だけに持たせたボ
ート20よりもさらに低い転位となる結果を得た。以上
のような試作結果から本実施例のボート11の形状が最
適条件と言える。
【0030】以上のような結果から、ボート肩部の断面
を、種結晶配置部での断面より小さい断面を有する構造
にしたので、種結晶に内在する転位の伝搬を有効に解消
することができ、再現性良い単結晶を得ることができる
ようになるため、生産性を向上させることができる。
を、種結晶配置部での断面より小さい断面を有する構造
にしたので、種結晶に内在する転位の伝搬を有効に解消
することができ、再現性良い単結晶を得ることができる
ようになるため、生産性を向上させることができる。
【0031】上述の実施例では、単結晶成長をGF法に
よって行ったが、他の方法として、水平ボート法(HB
法)による化合物半導体(ガリウム・リン、インジウム
・砒素、インジウム・リンなど)の製造のすべてに適用
可能である。また、ボート肩部形状は、垂直GF(VG
F)法による化合物半導体製造における原料容器にも応
用することができる。
よって行ったが、他の方法として、水平ボート法(HB
法)による化合物半導体(ガリウム・リン、インジウム
・砒素、インジウム・リンなど)の製造のすべてに適用
可能である。また、ボート肩部形状は、垂直GF(VG
F)法による化合物半導体製造における原料容器にも応
用することができる。
【0032】さらに、ボートの材質については、石英の
他、pBN(パイロリティックボロンナイトライド)を
使用することもできる。
他、pBN(パイロリティックボロンナイトライド)を
使用することもできる。
【0033】さらにまた、上述の実施例では、ボートの
幅方向での断面形状が半円形となるようなボート構造を
提案したが、ボート長さ方向、ボート幅方向の2方向に
曲率を持つ構造、いわゆる馬の鞍型構造になるものすべ
てに適用することができる。たとえば、ボート幅方向で
の断面形状が2次関数の軌跡になるような形状にするこ
とも好ましい。
幅方向での断面形状が半円形となるようなボート構造を
提案したが、ボート長さ方向、ボート幅方向の2方向に
曲率を持つ構造、いわゆる馬の鞍型構造になるものすべ
てに適用することができる。たとえば、ボート幅方向で
の断面形状が2次関数の軌跡になるような形状にするこ
とも好ましい。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、化合物半導
体単結晶製造用ボートの種結晶配置部からボート直胴部
にかけてのボート肩部の断面が、種結晶配置部での断面
より小さい断面になるように形成されていることで、種
結晶に内在する転位の伝搬による種付け後の結晶成長段
階で発生する多結晶を有効に解消することが可能にな
る。
体単結晶製造用ボートの種結晶配置部からボート直胴部
にかけてのボート肩部の断面が、種結晶配置部での断面
より小さい断面になるように形成されていることで、種
結晶に内在する転位の伝搬による種付け後の結晶成長段
階で発生する多結晶を有効に解消することが可能にな
る。
【図1】本発明の実施の形態のボート肩部周辺の上面図
(a)、ボート長さ方向での断面図(b)およびボート
幅方向での断面図(c)を表したものである。
(a)、ボート長さ方向での断面図(b)およびボート
幅方向での断面図(c)を表したものである。
【図2】本実施の形態のボートの効果を確認するため
に、比較対象として試作的に製作したネッキング形状を
ボート長さ方向、ボート幅方向の2方向に持った、ボー
ト肩部に鋭角点を持つボートの肩部周辺の上面図
(a)、ボート長さ方向での断面図(b)およびボート
幅方向での断面図(c)を表したものである。
に、比較対象として試作的に製作したネッキング形状を
ボート長さ方向、ボート幅方向の2方向に持った、ボー
ト肩部に鋭角点を持つボートの肩部周辺の上面図
(a)、ボート長さ方向での断面図(b)およびボート
幅方向での断面図(c)を表したものである。
【図3】本実施の形態のボートの効果を確認するため
に、比較対象として試作的に製作したネッキング形状を
ボート長さ方向だけに持ったボートのボート肩部周辺の
上面図(a)、ボート長さ方向での断面図(b)および
ボート幅方向での断面図(c)を表したものである。
に、比較対象として試作的に製作したネッキング形状を
ボート長さ方向だけに持ったボートのボート肩部周辺の
上面図(a)、ボート長さ方向での断面図(b)および
ボート幅方向での断面図(c)を表したものである。
【図4】従来例のボート法ガリウム砒素単結晶製造方法
を表した概略図である。
を表した概略図である。
【図5】従来のボート肩部周辺の上面図(a)、ボート
長さ方向での断面図(b)およびボート幅方向の断面図
(c)を表しものである。
長さ方向での断面図(b)およびボート幅方向の断面図
(c)を表しものである。
1 石英アンプル 3 ガリウム 4 種結晶 5 砒素 6 単結晶製造炉 7 高温炉 8 低温炉 10 放熱孔 11 石英ボート 12 種結晶配置部 13 ボート肩部の弧 14 直胴部
Claims (5)
- 【請求項1】化合物半導体単結晶製造用ボートの種結晶
配置部からボート直胴部にかけてのボート肩部の断面
が、上記種結晶配置部での断面より小さい断面になるよ
うに形成されていることを特徴とする化合物半導体単結
晶製造用ボート。 - 【請求項2】上記ボート肩部の形状が、ボートの長さ方
向の断面において上記種結晶配置部と上記直胴部とを結
んだ弧を、ボートの長さ方向を回転軸として回転させた
ときにできる軌跡のような形状であることを特徴とする
請求項1記載の化合物半導体単結晶製造用ボート。 - 【請求項3】上記ボート肩部の断面形状が、いずれの部
分においても半円形状であることを特徴とする請求項2
記載の化合物半導体単結晶製造用ボート。 - 【請求項4】上記ボート肩部の断面形状が、ボートの長
さ方向およびボートの幅方向の両方向において断面が縮
小された形状であることを特徴とする請求項1〜3のい
ずれかに記載の化合物半導体単結晶製造用ボート。 - 【請求項5】上記ボートの幅方向の断面形状が2次関数
の軌跡で表されるような形状であることを特徴とする請
求項4記載の化合物半導体単結晶製造用ボート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9905197A JPH10291889A (ja) | 1997-04-16 | 1997-04-16 | 化合物半導体単結晶製造用ボート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9905197A JPH10291889A (ja) | 1997-04-16 | 1997-04-16 | 化合物半導体単結晶製造用ボート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10291889A true JPH10291889A (ja) | 1998-11-04 |
Family
ID=14236792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9905197A Pending JPH10291889A (ja) | 1997-04-16 | 1997-04-16 | 化合物半導体単結晶製造用ボート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10291889A (ja) |
-
1997
- 1997-04-16 JP JP9905197A patent/JPH10291889A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9181631B2 (en) | Silicon crystalline material and method for manufacturing the same | |
US7226506B2 (en) | Single crystal silicon producing method, single crystal silicon wafer producing method, seed crystal for producing single crystal silicon, single crystal silicon ingot, and single crystal silicon wafer | |
EP2045372A2 (en) | Method for growing silicon ingot | |
JP2006232570A (ja) | GaAs単結晶の製造方法 | |
JPH10291889A (ja) | 化合物半導体単結晶製造用ボート | |
JPH1087392A (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JP2574618B2 (ja) | 結晶成長方法と結晶成長用るつぼ | |
JPH0474788A (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JP2773441B2 (ja) | GaAs単結晶の製造方法 | |
JP4529712B2 (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JP2002234792A (ja) | 単結晶製造方法 | |
JPH11274537A (ja) | 大粒径多結晶シリコンの製造法 | |
JPH01294592A (ja) | 単結晶の育成方法 | |
JPH09309791A (ja) | 半導体単結晶の製造方法 | |
JP4161787B2 (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JP2922038B2 (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JP2001130999A (ja) | GaAs半導体単結晶製造方法 | |
JPH01115890A (ja) | 単結晶育成方法 | |
JPH11292680A (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法および製造装置、および単結晶製造用アンプル | |
JP2005047797A (ja) | InP単結晶、GaAs単結晶、及びそれらの製造方法 | |
JPH08151292A (ja) | 単結晶の育成方法 | |
JPH05155685A (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JPH05178684A (ja) | 半導体単結晶の製造方法 | |
JP2006169037A (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JP2004250297A (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 |