JPH10291754A - エレベータのかご室 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術は、側板に装着される装飾板が薄す
ぎたり厚すぎると取付不良を起こしやすく、交換作業も
容易でなかった。そこで本発明は、装飾板の寸法に若干
のばらつきがあっても取付不良を起こす心配がなくて交
換作業も容易な、エレベータかご室の提供を目的とす
る。 【解決手段】 乗りかご内の壁面を構成する側板８に対
して磁気吸着が可能な磁性体９ａを裏面を設けた装飾板
９と、この装飾板９の装着領域の外側に隙間Ｌ１を介し
て配設されて側板８に固定される目地取付金具１０と、
この目地取付金具１０の側面にねじ止めされて装飾板９
の周縁部および該取付金具１０を覆う形状を有する目地
部材１３とを備え、この目地部材１３と装飾板９の周縁
部の表面とが隙間Ｌ２を介して対向するように設定し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、乗りかご内の壁面
に装飾板が交換可能に設けられるエレベータのかご室に
係り、特に該装飾板の取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】エレベータのかご室用装飾板の取付構造
に関する技術としては、従来、実開昭５８−３８６７５
号公報に記載されているように、乗りかご内の壁面に装
着される装飾板の周縁部を、該壁面にねじ止めされる取
付金具や、この取付金具の側面にねじ止めされて該取付
金具を覆う押え棒によって、該壁面に圧着させるという
構造のものが知られている。

【０００３】図３およびそのＡ−Ａ線断面図である図４
は、かかる従来技術を説明するためのもので、裏面に間
隔板２ａが貼着されている装飾板２が、取付金具４や押
え棒６を用いて、乗りかご内の壁面を構成する側板１に
装着されている。この装飾板２の取付構造を図４を参照
しつつ説明すると、側板１の所定個所にはナット３がか
しめ固定されていて、装飾板２の周縁部に穿設されてい
る逃げ穴２ｂ内にナット３の頭部を挿入させた状態で、
該装飾板２が側板１の表面に配置されているとともに、
略Ｌ字形の取付金具４の底板部が、ねじ５をナット３に
ねじ込むことにより、装飾板２の周縁部を挟持した状態
で側板１に固定されている。また、取付金具４の側板部
にはねじ穴４ａが設けられていて、このねじ穴４ａに皿
ねじ７をねじ込むことにより、押え棒６の側板部が取付
金具４の側面に固定されている。こうして押え棒６を取
付金具４に取り付けると、該取付金具４やねじ５、それ
に装飾板２の周縁部が、押え棒６に覆われるため外部に
露出しなくなり、また、押え棒６の傾斜部の先端が、対
向する装飾板２を側板１に向けて押しつけるので、結
局、装飾板２の周縁部は取付金具４と押え棒６とにより
側板１に圧着されることになる。

【０００４】したがって、かかる従来技術においては、
皿ねじ７を抜き取って押え棒６を外した後、ねじ５を抜
き取って取付金具４を外せば、既設の装飾板２が側板１
から取り外せるので、装飾板２の交換作業を乗りかご内
にて行うことができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術は、装飾板２の周縁部を取付金具４や押え棒
６によって側板１に押しつけるという取付構造を採用し
ている関係上、装飾板２の厚さ寸法にばらつきがあると
取付不良を起こしやすいという問題点があった。すなわ
ち、装飾板２が所定の厚さ寸法よりも薄い場合、この装
飾板２に対して、取付金具４の底面や押え棒６の先端は
強い圧力を付与することができなくなってしまうので、
装飾板２の取付強度が低下して、例えば装飾板２が自重
でずり下がるなどの不具合が起こりやすくなる。逆に装
飾板２が所定の厚さ寸法よりも厚い場合には、取付金具
４が側板１から浮き上がりすぎてしまうので、皿ねじ７
がねじ込めなくなったり押え棒６にガタが生じてしま
う。

【０００６】また、上述した従来技術では、新規に装飾
板２をかご室に取り付ける際に、取付金具４および押え
棒６を外した状態で該装飾板２を仮固定する手段がない
ことから、作業員が一人で該装飾板２を位置決め状態で
支えながら取付金具４や押え棒６の取付作業を行うこと
ができず、どうしても複数の作業員が必要になるという
不具合があった。

【０００７】本発明はこのような従来技術の課題に鑑み
てなされたもので、その目的は、装飾板の寸法に若干の
ばらつきがあっても取付不良を起こす心配がなく、かつ
該装飾板の交換が作業員一人で簡単に行える、エレベー
タのかご室を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明によるエレベータのかご室は、乗りかご内
の壁面を構成する側板に対して磁気吸着が可能な磁性体
を裏面を設けた装飾板と、この装飾板の装着領域の外側
に隙間を介して配設されて前記側板に固定される目地取
付金具と、この目地取付金具の側面にねじ止めされて前
記装飾板の周縁部および該取付金具を覆う形状を有する
目地部材とを備え、この目地部材と前記装飾板の周縁部
の表面とが隙間を介して対向するように設定した。

【０００９】上述したエレベータのかご室は、目地取付
金具が装飾板の装着領域の外側に隙間を介して配設して
あるので、装飾板の大きさに若干のばらつきがあっても
該取付金具が邪魔になる心配はなく、また、目地部材と
装飾板の周縁部の表面とが隙間を介して対向するように
設定してあるので、装飾板の厚さに若干のばらつきがあ
っても該目地部材が邪魔になる心配はない。しかも、裏
面に磁性体が設けてある装飾板は、磁気吸引力によって
側板に貼り付けることができるので、作業員が装飾板を
支えながら位置決めやねじ止めを行う必要がなくなっ
て、装飾板の交換作業が一人で簡単に行える。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図１お
よび図２に基づいて説明する。ここで、図１は本発明の
一実施形態に係るエレベータのかご室の正面図、図２は
図１のＢ−Ｂ線に沿って見た断面図である。

【００１１】これらの図において、符号８は乗りかご内
の壁面を構成する側板、９は側板８に対して磁気吸着が
可能なシート状の磁性体９ａを裏面を設けた装飾板、１
０は皿ねじ１１やナット１２を用いて側板８の所定個所
に固定されている目地取付金具であり、この目地取付金
具１０は装飾板９の装着領域の外側に隙間Ｌ１を介して
配設されている。また、符号１３は皿ねじ１４を用いて
目地取付金具１０の側面にねじ止めされている目地部材
であって、この目地部材１３は装飾板９の周縁部や取付
金具１０、皿ねじ１１等を覆うことのできる略Ｌ字形の
断面形状に形成されており、かつ、目地取付金具１０に
ねじ止めしたときに目地部材１３と装飾板９の周縁部の
表面とが隙間Ｌ２を介して対向するように設定されてい
る。

【００１２】なお、図２に示すように目地取付金具１０
には、装飾板９の装着領域とは逆側の側面にねじ穴１０
ａが設けられており、このねじ穴１０ａが露出する目地
取付金具１０の一側面に目地部材１３の側板部を押し付
けた状態で、皿ねじ１４が該ねじ穴１０ａにねじ込まれ
ている。また、この状態で目地部材１３の側板部の先端
は側板８の表面に当接している。

【００１３】このようにして側板８に装飾板９が装着し
てあるエレベータのかご室は、目地取付金具１０が、装
飾板９の装着領域の外側に適当な隙間Ｌ１を介して配設
してあるため、装飾板９の大きさに若干のばらつきがあ
っても該取付金具１０が邪魔になる心配はない。また、
目地部材１３と装飾板９の周縁部の表面とが適当な隙間
Ｌ２を介して対向するように設定してあるので、装飾板
９の厚さに若干のばらつきがあっても該目地部材１３が
邪魔になる心配はない。すなわち、本実施形態では、装
着可能な装飾板９の縦横の寸法や板厚寸法に対してある
程度のばらつきが許容されているので、その許容範囲内
において大きさや厚さが異なる各種装飾板が、取付不良
を招来することなく側板８の所定領域に装着できるよう
になっている。

【００１４】また、本実施形態では、裏面に磁性体９ａ
が設けてある装飾板９を、磁気吸引力によって側板８に
貼り付けることができるので、これまでのように作業員
が装飾板を支えながら位置決めやねじ止めを行う必要が
なく、装飾板９の交換作業が一人で簡単に行える。

【００１５】なお、装飾板９の周縁部や取付金具１０、
皿ねじ１１等は目地部材１３により覆い隠されているの
で、本実施形態の意匠性は良好であり、また、この目地
部材１３で装飾板９の周縁部をひさし状に覆って隙間Ｌ
２を適宜寸法に設定しておくことにより、装飾板９の盗
難も防止できる。

【００１６】

【発明の効果】本発明によるエレベータのかご室は以上
説明したような形態で実施され、以下に記載されるよう
な効果を奏する。

【００１７】目地取付金具が装飾板の装着領域の外側に
隙間を介して配設してあるので、装飾板の大きさに若干
のばらつきがあっても該取付金具が邪魔になる心配はな
く、また、目地部材と装飾板の周縁部の表面とが隙間を
介して対向するように設定してあるので、装飾板の厚さ
に若干のばらつきがあっても該目地部材が邪魔になる心
配はない。そして、このように装着可能な装飾板の寸法
に対して若干のばらつきが許容されていることから、そ
の許容範囲内において大きさや厚さが異なる各種装飾板
を、取付不良を招来することなく乗りかご内の壁面に装
着することができる。

【００１８】また、装飾板を磁気吸引力によって側板に
貼り付けることができるので、これまでのように作業員
が装飾板を支えながら位置決めやねじ止めを行う必要が
なくなって、装飾板の交換作業が一人で簡単に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るエレベータのかご室
の正面図である。

【図２】図１のＢ−Ｂ線に沿って見た断面図である。

【図３】従来技術を説明するためのエレベータのかご室
の斜視図である。

【図４】図３のＡ−Ａ線に沿って見た断面図である。

【符号の説明】

８ 側板 ９ 装飾板 ９ａ 磁性体 １０ 目地取付金具 １１，１４ 皿ねじ １２ ナット １３ 目地部材 Ｌ１，Ｌ２ 隙間

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗りかご内の壁面を構成する側板に対し
   て磁気吸着が可能な磁性体を裏面を設けた装飾板と、こ
   の装飾板の装着領域の外側に隙間を介して配設されて前
   記側板に固定される目地取付金具と、この目地取付金具
   の側面にねじ止めされて前記装飾板の周縁部および該取
   付金具を覆う形状を有する目地部材とを備え、この目地
   部材と前記装飾板の周縁部の表面とが隙間を介して対向
   するように設定したことを特徴とするエレベータのかご
   室。