JPH10291461A - シートベルト用リトラクター - Google Patents

シートベルト用リトラクター

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Publication number
JPH10291461A
JPH10291461A JP10042015A JP4201598A JPH10291461A JP H10291461 A JPH10291461 A JP H10291461A JP 10042015 A JP10042015 A JP 10042015A JP 4201598 A JP4201598 A JP 4201598A JP H10291461 A JPH10291461 A JP H10291461A
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JP
Japan
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seat back
webbing
seat
retractor
sensor
Prior art date
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Pending
Application number
JP10042015A
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English (en)
Inventor
Kazuo Yamamoto
和夫 山本
Masanao Fukunaga
誠直 福永
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10291461A publication Critical patent/JPH10291461A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト格納時に車体加速度センサーの許容角
度以上にシートバックが倒された際にも、シートバック
を起こすことができるシートベルト用リトラクターを提
供する。 【解決手段】 リクライニング式シートのシートバック
内に取り付けられるシートベルト用リトラクター100
は、ウェビング90を巻装する巻取軸4と、該巻取軸4の
ウェビング引出し方向への回転をロックする緊急ロック
機構300 のロック手段と、所定の車体加速度を感知して
前記ロック手段を作動させる車体加速度センサー32とを
備える。前記緊急ロック機構300 のロック手段は、シー
トベルトを使用しない状態で、且つ前記シートバックが
最も前方に倒れた位置から最も後方に倒れた位置までの
範囲で、回転制御盤41の係止壁41c が係合部材15の係止
片15dに当接することにより、係合部材15がラッチカッ
プ13と係合する方向に移動するのを阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートベルト用リ
トラクターに関し、特に車両等のリクライニング式シー
トのシートバック内に取り付けられるシートベルト用リ
トラクターの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の乗員等を座席に安全に保持
するためのシートベルト装置のリトラクターは、シート
ベルト不使用時に自動的にウェビングを引込む装置であ
り、シートベルト使用時には自由にウェビングの長さが
変えられる巻取り装置である。近年、上述の如きリトラ
クターを車両等のリクライニング式シートのシートバッ
ク内に取付け、シートバック(シート背もたれ)が異な
る位置で傾斜しているときにも作動可能である車体加速
度センサーを備えたシートベルト装置が、特開平8−8
0807号公報等に開示されている。
【0003】この様なシートベルト装置70は、図25
に示すように、ウェビング90の一端部がリクライニン
グ式シート71のシートバック73内の上部に配設され
たシート組込み式のリトラクター80に巻取り及び繰出
し可能に保持されており、他端部が車体又はシート台座
に固定されたアンカープレート74に支持されている。
そして、リトラクター80とアンカープレート74との
間のウェビング中間部に配設されたスルータング75を
車体ほぼ中央部に立設されたバックル76に係合させる
ことにより、乗員をリクライニング式シート71に拘束
する。
【0004】そして、前後スライド可能なシート座部7
2に対してリクライニング装置78により前後傾動可能
に支持されたシート71のシートバック73は、乗員の
体格などによって異なる角度の傾動位置に調節される。
一方、前記リトラクター80の車体加速度センサーは、
例えば、慣性体を移動自在に支持するセンサーケースが
シートバック73の調節軸線Dに対して平行に伸長する
回動軸線を中心として枢動可能に支持されており、シー
トバック73の角度が調節されて異なる傾動位置にある
時にも作動可能とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の如き
シートベルト装置70では、ウェビング90の一端部が
リクライニング式シートバック73の揺動端側に配設さ
れると共に、他端部が車体又はシート台座に固定された
アンカープレート74に支持されている。そこで、シー
トバック73を前後方向に傾動した際に、ウェビング9
0はリトラクター80に対して巻込み又は引き出され
る。
【0006】一方、少なくとも枢動可能なセンサーケー
スを備えた車体加速度センサーが内蔵されたシート組込
み式のリトラクター80においては、車体加速度センサ
ーの許容角度以上にシートバックを倒すと、ウェビング
90の引出しを阻止する緊急ロック機構が作動してしま
う。そこで、前記シートベルト装置80において、図2
5に想像線で示したようにシートバック73が前方に倒
された際には、他端部が車体又はシート台座に固定され
たアンカープレート74に支持されているウェビング9
0はリトラクター80に巻き込まれ、更に車体加速度セ
ンサーの許容角度以上にシートバック73が倒される
と、緊急ロック機構が作動してウェビング90は引出し
を阻止される。
【0007】そして、再びシートバック73を起こそう
としても、ウェビング90がリトラクター80に巻き込
まれた位置で緊急ロック機構が作動している為、該ウェ
ビング90をリトラクター80から引き出すことができ
ない。そこで、ウェビング90が緊張されてシートバッ
ク93を起こすことができなくなる可能性がある。ま
た、図25の状態からシート71を前方にスライドする
と、アンカープレート74は想像線で示したようにシー
ト座部72の後方位置となるので、今度はシートバック
73を後方に倒すと緊急ロック機構が作動し、同様にシ
ートバック73を起こすことができなくなる可能性があ
る。
【0008】従って、本発明の目的は上記課題を解消す
ることにあり、リクライニング式シートのシートバック
内に取付けられ、ベルト格納時に車体加速度センサーの
許容角度以上にシートバックが倒された際にも、シート
バックを起こすことができるシートベルト用リトラクタ
ーを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、リ
クライニング式シートのシートバック内に取り付けられ
るシートベルト用リトラクターにおいて、前記リトラク
ターは、ウェビングを巻装する巻取軸と、該巻取軸のウ
ェビング引出し方向への回転をロックするロック手段
と、所定の車体加速度を感知して前記ロック手段を作動
させる車体加速度センサーとを備え、前記ロック手段
は、シートベルトを使用しない状態で、且つ前記シート
バックが最も前方に倒れた位置から最も後方に倒れた位
置までの範囲で、該ロック手段が作動するのを阻止する
規制手段を備えていることを特徴とするシートベルト用
リトラクターにより達成される。
【0010】上記構成によれば、前記規制手段が、シー
トベルトを使用しない状態で且つ前記シートバックが最
も前方に倒れた位置から最も後方に倒れた位置までの範
囲では、前記ロック手段が作動することができないよう
に規制するので、ベルト格納時に車体加速度センサーの
許容角度以上にシートバックが倒されても、ウェビング
が引出し不能となることがない。
【0011】尚、好ましくは前記規制手段が、リトラク
ター内に巻取られるウェビングの巻量を検知して作動
し、シートバックが最も前方に倒れた時のウェビング巻
量(第1の所定量)と、シートバックが最も後方に倒れ
た時のウェビング巻量(第2の所定量)との間ではロッ
ク手段が作動できないようにする。
【0012】又、好ましくは前記ロック手段が、巻取軸
に追従して回転する慣性部材と、巻取軸と共にウェビン
グ引き出し方向に回転することにより該巻取軸をリトラ
クターベースに係合させて巻取軸のウェビング引き出し
方向の回転をロックするラッチ部材と、前記慣性部材が
巻取軸に対して回転遅れを生じた際に係合部材をラッチ
部材との係合方向に移動させてラッチ部材を巻取軸に連
結する係止ロック手段とを備え、車体加速度センサー
が、前記慣性部材に係合する第1の位置と前記慣性部材
に係合しない第2の位置とにそれぞれ位置するべく設け
られたセンサーアームと、リトラクターベースに回動可
能に支持されたセンサーケースと、所定以上の速度変化
を受けると前記センサーケース上を相対移動し、前記セ
ンサーアームを前記第1の位置に移動させる慣性体とを
有する。
【0013】更に好ましくは前記ロック手段が、巻取軸
に追従して回転する慣性部材と、巻取軸と共にウェビン
グ引き出し方向に回転することにより該巻取軸をリトラ
クターベースに係合させて巻取軸のウェビング引き出し
方向の回転をロックするラッチ部材と、前記慣性部材が
巻取軸に対して回転遅れを生じた際に係合部材をラッチ
部材との係合方向に移動させてラッチ部材を巻取軸に連
結する係止ロック手段とを備え、車体加速度センサー
が、前記慣性部材に係合する第1の位置と前記慣性部材
に係合しない第2の位置とにそれぞれ位置するべくリト
ラクターベース又はセンサーケースに回動自在に取付け
られたセンサーアームと、所定以上の速度変化を受ける
と前記センサケースの慣性体支持面上を相対移動し、前
記センサーアームを前記第1の位置に移動させる慣性体
と、前記慣性体支持面の向きが前記シートバックの傾斜
状態に拘わらず適正に保たれるように前記シートバック
の傾斜角度に応じて前記センサーケースを連動させる伝
達手段とを備え、所定の加速度が作用した時の前記慣性
体の移動動作により前記ロック手段を作動させる。
【0014】又、好ましくは前記伝達手段の伝達部材
が、前記シートバックの調節軸線と同心に備えた巻回部
材に巻回可能であり、前記センサーケースは前記シート
バックの傾動に従って前記伝達部材を前記巻回部材へ巻
回する量に一致して回動される。又、好ましくは前記伝
達手段が、シートバックの調節軸線を中心に周方向に延
びるカム面を有するカム板と、該カム板のカム面に従動
して前記センサーケースを連動させる伝達部材とを備え
ている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の一実施形態を詳細に説明する。第1実施形態のシート
ベルト用リトラクター100は、リクライニング式シー
トに取付けられ、シートバック(シート背もたれ)が異
なる位置で傾斜しているときにも作動可能であるシート
ベルト用車体加速度センサー32を備えたリトラクター
である。
【0016】図1乃至図3に示すシートベルト用リトラ
クター100の分解斜視図及び部分断面において、前記
シートバックのフレーム部材(図示せず)に固定される
前記リトラクターベース1はその大部分がコの字状断面
を有し、対向する側板1aには対向してそれぞれ貫通孔
1bが穿設されており、該貫通孔1bにはウェビングが
巻回されるボビン2を固設した巻取軸4が左右のプラス
チックブッシュ3を介して回動自在に橋架されている。
該巻取軸4の一端には、ウェビングを巻取る方向に該巻
取軸4を常時付勢している周知の巻取りバネ装置(図示
せず)が配設されている。
【0017】一方、巻取軸4の他端には緊急時にウェビ
ングの引き出しを阻止するための緊急ロック機構300
が配置されている。本発明において、車両緊急時に前記
巻取軸4のウェビング引出し方向への回転を阻止する緊
急ロック機構300の具体的な構成は、公知の種々のも
のを採用することができる。例えば、本第1実施形態の
場合、前記緊急ロック機構300は、巻取軸4に追従し
て回転する慣性部材としてのラチェットホイール19
と、巻取軸4と共にウェビング引き出し方向に回転する
ことにより巻取軸4のラッチプレート4aにポール11
を係合させて巻取軸4のウェビング引き出し方向の回転
をロックするラッチ部材としてのラッチカップ13と、
前記ラチェットホイール19が巻取軸4に対して回転遅
れを生じた際に係合部材15をラッチカップ13との係
合方向に移動させてラッチカップ13を巻取軸4に連結
する係止ロック手段31とを備える。前記ポール11
は、側板1aに嵌挿されたポールピン10に回動自在に
軸支されている。
【0018】そして、前記ラッチカップ13の外側に位
置する巻取軸4には、ラッチカップ13の内歯13dに
係合する係合部15aが形成された係合部材15及びセ
ンサースプリング16と共に係止ロック手段31を構成
するフランジ14が、駆動側歯車40と回転制御盤41
を介在して固着されている。更に、係合部材15の外側
には、プレンワッシャー17を介して前記フランジ14
に螺着されたタッピングスクリュー20に遊嵌されたラ
チェットホイール19が設けられており、その外周面に
は、後述の車体加速度センサー32のセンサーアーム2
8と係合するためのベルト引き出し方向を向いた歯19
aが複数個形成されている。又、フリクションスプリン
グ18を介して係合部材15に係合されているラチェッ
トホイール19は、巻取軸4と一体的に回転し、且つ該
巻取軸4に対して相対変位が可能である。
【0019】前記駆動側歯車40は、前記フランジ14
のボス部14aの先端に嵌合されて巻取軸4と一体的に
回転する。該駆動側歯車40に重なるようにしてボス部
14aに回転自在に遊嵌される前記回転制御盤41は、
駆動側歯車40の歯40aと同一のピッチ円直径を有し
ながら歯数が異なる歯41aを外周上に形成されてお
り、フランジ14に対向する側面には円形の凹部41b
が形成されている。そして、これら両歯40a,41a
と同時に歯合するように前記回転制御盤41及び駆動側
歯車40に隣設される中間歯車42は、ラッチカップ1
3を貫通してテンションプレート9に固定されるピン4
3によって回転可能に軸支されている。尚、前記ラッチ
カップ13の底には、回動時に前記中間歯車42との干
渉を防ぐための長穴13aが形成されている。
【0020】即ち、例えば前記駆動側歯車40の歯数を
25とし、前記回転制御盤41の歯数を1歯違いの24
又は26(本実施例の添付図面においては歯数24)と
すれば、中間歯車42を介して駆動側歯車40に駆動さ
れる回転制御盤41は、駆動側歯車40の1回転毎に1
歯分ずつ(360度/24歯=15度)駆動側歯車40
に対して位相ずれしながら追従回転する。尚、同一のピ
ッチ円直径を有しながら歯数を1歯増減させた歯車を形
成することは、バックラッシの設定の仕方等で容易であ
る。
【0021】更に、前記回転制御盤41の凹部41bの
周壁の一部には回転軸に向かって内方へ張り出した係止
壁41cが形成されており、フランジ14に設けた貫通
口14bを貫通して該係止壁41cに係合可能なように
係合部材15に突設された係止片15dと共に、該係合
部材15が前記ラッチカップ13の内歯13dと係合す
る方向に移動するのを阻止し、前記ラチェットホイール
19が巻取軸4に対して回転遅れを生じてポール11を
ラッチプレート4aに係合させるのを規制する規制手段
を構成している。
【0022】そして、巻取軸4に対して減速回転される
前記回転制御盤41は、シートベルトを使用しない状態
で且つシートバックが最も前方に倒れた時のウェビング
巻量(第1の所定量)と、シートバックが最も後方に倒
れた時のウェビング巻量(第2の所定量)とを検知し、
リトラクター内に巻取られるウェビングの巻量が第1と
第2の所定量の間にある時には、図4に示すように係止
壁41cと係止片15dとが対向する位置となるような
設定位置に組み付けられる。従って、係合部材15の係
合部15aがラッチカップ13の内歯13dと係合する
方向に移動しようとしても、係止片15dが係止壁41
cに当接して移動を規制されるので、係合部材15はラ
ッチカップ13に係合することができない。
【0023】更に、前記ラチェットホイール19の下方
には、該ラチェットホイール19に係合可能なセンサー
アーム28と共にシートベルト用車体加速度センサー3
2を構成するセンサーケース27が、前記リトラクター
ベース1の側板1aに対して回動自在に配設されてい
る。そして、これら緊急ロック機構300を覆う側板1
aの外側にはセンサーカバー21が配設されている。
【0024】前記車体加速度センサー32は、図3及び
図4に示すように、前記ラチェットホイール19の歯1
9aに係合する第1の位置と前記歯19aに係合しない
第2の位置とにそれぞれ位置するべく前記側板1aに取
付けられたセンサーアーム28と、所定以上の速度変化
を受けると前記センサーケース27上を相対移動し、前
記センサーアーム28を前記第1の位置に移動させる慣
性体であるボールウェイト29とを備える。
【0025】前記センサーアーム28は、リトラクター
ベース1に支持部材35を介して揺動可能に支持されて
おり、前記ラチェットホイール19の歯19aに係合し
ない位置(図4に示す位置)から、該歯19aに係合す
る位置まで変位可能である。すなわちセンサーアーム2
8は、前記ラチェットホイール19の歯19aに係合し
て該ラチェットホイール19を巻取軸4に対して回転遅
れを生じさせることにより、ラッチカップ13を介して
ポール11をラッチプレート4aに係合させ、巻取軸4
のウェビング引出し方向の回転を阻止する。
【0026】前記センサーケース27は、ボールウェイ
ト29が載置される慣性体支持面としての円錐状凹部2
8aを備えると共に、下方には錘34が取付けられてい
る。そして、該センサーケース27は、前記側板1aの
外側面に取付けられた一対の支持アーム36の支軸36
aに軸支されており、前記シートバックの調節軸線に対
して平行に伸長する回動軸線Cを中心にして前記リトラ
クターベース1に対して回動自在である。
【0027】前記ボールウェイト29は、所定値以上の
車体速度変化を受けた際、センサーケース27の円錐状
凹部27a上を相対移動することにより、センサーアー
ム29を前記第1の位置に移動させる。又、本第1実施
形態におけるボールウェイト29とセンサーケース27
のそれぞれの重心は、同一鉛直線上に位置する。更に、
センサーアーム28とラチェットホイール19との位置
関係は、シートバックがリクライニングして前記リトラ
クター100が傾斜されても不変である。
【0028】即ち、シートバックのリクライニングに伴
ってリトラクターベース1が傾動すると、錘34を備え
たセンサーケース27は自重により重力方向に回動し、
常に一定の対地角度に保たれる。そして、ボールウェイ
ト29は、センサーアーム28を前記第2の位置に位置
させる通常位置に位置したままである。この時、センサ
ーケース27の回動軸線Cがボールウェイト29の重心
と同一軸上にあることから、ボールウェイト29の重心
位置は変化せず、したがってラチェットホイール19の
歯19aに対するセンサーアーム28の相対位置は変わ
らない。
【0029】また、前記センサーケース27の両揺動端
側に位置する側板1aには、該センサーケース27の回
動範囲を制限する一対のストッパーピン37,37が突
設されており、シートベルト装着時に前記車体加速度セ
ンサー32が正常に機能する範囲以上にシートバックを
倒した時には、センサーケース27の回動を阻止するこ
とによりボールウェイト29が円錐状凹部27aに対し
て相対移動され、前記緊急ロック機構300を作動させ
た状態とする。尚、本発明における「ロック手段」は、
上記緊急ロック機構300から車体加速度センサー32
を除いたものを意味する。
【0030】次に、上記シートベルト用リトラクター1
00の作動について説明する。先ず、通常使用状態にお
いては、図4に示すように、ラッチカップ13はスプリ
ングハンガ13bとテンションプレート9のスプリング
ハンガ9aとに装着されたリターンスプリング12の付
勢力によってウェビング巻取り方向(矢印X2方向)に
付勢されており、ポールガイド孔13cにポールガイド
突起11bが係合するポール11はラッチプレート4a
と非係合な矢印Z2 方向に付勢されており、更に係合部
材15の係合部15aはセンサースプリング16の付勢
力によりラッチカップ13の内歯13dと非歯合な位置
に付勢されているので、ウェビング90の引き出しは自
在である。
【0031】また、前記回転制御盤41は、シートベル
トを使用しない状態で且つシートバックが最も前方に倒
れた時のウェビング巻量(第1の所定量)と、シートバ
ックが最も後方に倒れた時のウェビング巻量(第2の所
定量)とを検知し、リトラクター内に巻取られるウェビ
ングの巻量が第1と第2の所定量の間にある時には、図
4に示すように係止壁41cと係止片15dとが対向す
る位置となるような設定位置に組み付けられているが、
シートベルト装着時にウェビング90がリトラクターか
ら所定量引き出されて巻取軸4がウェビング引き出し方
向に回転すると、図6に示すように係止壁41cが係止
片15dと対向しない位置に移動する。即ち、回転制御
盤41は、巻取軸4と共に回転する前記駆動側歯車40
によって1回転する毎に一歯分ずつ先行しながら追従回
転されるので、巻取軸4が1回転する毎に一歯分ずつ係
合部材15に対して位相ずれするためである。尚、ベル
ト装着時には通常、8〜15回転巻取軸4がウェビング
引き出し方向に回転しているので、係止壁41cは係止
片15dと完全に非係合な位置に位置することができ
る。
【0032】しかして、衝突等の車両緊急時にシートベ
ルト用車体加速度センサー32が所定以上の速度変化を
受けると、ボールウェイト29が慣性力によってセンサ
ーケース27上を相対移動し、センサーアーム28を押
し上げるので、センサーアーム28を前記第1の位置に
位置させ、その先端28aをラチェットホイール19の
歯19aに噛み合わせる。そこで、ラチェットホイール
19のベルト引き出し方向の回転が阻止される。
【0033】そして、ラチェットホイール19が回動を
阻止された状態で更にウェビング90が引き出される
と、ラチェットホイール19は巻取軸4のウェビング引
き出し方向の回転に対し回転遅れを生じるので、図5に
示すように係合部材15の係合部15aとラッチカップ
13の内歯13dとが噛み合い、フランジ14の回動力
がラッチカップ13をリターンスプリング12の付勢力
に抗して矢印X1 方向へ巻取軸4と一体的に回動する。
すると、ラッチカップ13がポール11を矢印Z 1 方向
へ回動してラッチプレート4aに係合部11aを係合さ
せる。この結果、ポール11はラッチプレート4aの矢
印X1 方向への回動、すなわちウェビングの引き出しを
抑止してロックする。
【0034】又、衝突等の緊急時にウェビング90にテ
ンションがかかり、巻取軸4に所定以上の衝撃的なウェ
ビング引き出し方向(矢印X1 方向)の回動力が作用さ
れる際にも、前記ラチェットホイール19は慣性力を受
けて巻取軸4のウェビング引き出し方向の回転に対し回
転遅れを生じるので、係止ロック手段31が作動して上
述の如くウェビング90の引き出しがロックされる。
【0035】そして、ウェビング90に作用されたテン
ションが解除された時には、リターンスプリング12の
付勢力を介してラッチカップ13が矢印X1 方向と反対
方向に回動されることにより、ポール11が矢印Z2
向に回動され、ラッチプレート4aのロックが解除され
てウェビングの引き出しが自在とされる。更に、ウェビ
ング引き出し状態から図示しない巻取りバネ装置のバネ
力に従って巻取軸4がウェビング巻取り方向に回転する
と、回転制御盤41は巻取軸4と共に回転する前記駆動
側歯車40によって1回転する毎に一歯分ずつ先行しな
がら追従回転し、リトラクター内に巻取られるウェビン
グ90の巻量が上述の第1と第2の所定量の間となる
と、図4に示すように係止壁41cが係止片15dと対
向する位置に復帰する。
【0036】そこで、シートベルトを使用していない
時、つまり乗員がシートベルトを装着していない時に前
記車体加速度センサー32が正常に機能する範囲以上に
シートバックを倒すと、前記ストッパーピン37により
回動範囲を制限されたセンサーケース27の円錐状凹部
27aに対してボールウェイト29が相対移動すること
により、センサーアーム29は前記第1の位置に移動す
るが、上述したようにウェビング巻量が第1と第2の所
定量の間にある時は、係止片15dが係止壁41cに当
接して移動を規制されている。そこで、この状態からウ
ェビング90がリトラクターから引き出されることによ
ってラチェットホイール19が巻取軸4のウェビング引
き出し方向の回転に対し回転遅れを生じ、係合部材15
の係合部15aがラッチカップ13の内歯13dと係合
する方向に移動しようとしても、係合部材15はラッチ
カップ13に係合することができない。従って、巻取軸
4はウェビング引き出し方向の回転がロックされない。
【0037】即ち、回転制御盤41はウェビング90の
巻取り量を感知し、ウェビング90が第1と第2の所定
量の間にある時には前記係合部材15が前記ラッチカッ
プ13と係合する方向に移動することができないよう
に、係止壁41cが係止片15dに当接して移動を規制
する。そこで、上記シートベルト用リトラクター100
を取り付けられたリクライニング式シートにおいて、ベ
ルト格納時にシートバックが前方に倒された際、又は後
方に倒された際には、他端部が車体又はシート台座に固
定されているウェビング90はリトラクターに巻き込ま
れるが、車体加速度センサー32の許容角度以上にシー
トバックが倒されても、緊急ロック機構300は作動せ
ず、ウェビング90をリトラクターから引き出すことが
できる。従って、ウェビング90が緊張されてシートバ
ックを起こすことができなくなることはない。
【0038】尚、本発明における規制手段、車体加速度
センサー及びロック手段等は、上記第1実施形態の構成
に限定されるものではなく、種々の変更が可能であるこ
とは勿論である。例えば、規制手段を構成する駆動側歯
車をフランジ14のベース側に一体形成し、該駆動側歯
車のベース側に重なるようにして回転制御盤をボス部1
4aに回転自在に遊嵌すると共に、中間歯車をラッチカ
ップ13に回転可能に軸支し、前記回転制御盤に突設し
た係止壁が係合部材15に突設された係止片15dと当
接することによって、該係合部材15がラッチカップ1
3と係合する方向への移動を規制されるように構成する
ことができる。
【0039】又、緊急ロック機構300のロック手段が
作動するのを規制する規制手段は、回転制御盤41の係
止壁41cが係合部材15を直接に規制する上記実施形
態の構成に限るものではない。例えば、規制手段を構成
する駆動側歯車と回転制御盤をラチェットホイール19
の外側に配設し、ウェビング巻量が第1と第2の所定量
の間にある時は、該回転制御盤に従動するレバー部材に
よってセンサーアーム29が前記第1の位置に移動する
のを直接阻止されるように構成しても良い。
【0040】又、上記回転制御盤を巻取軸に対して減速
回転させる手段も、上記駆動側歯車40及び中間歯車4
2を用いた構成に限らず、他の減速歯車手段を用いるこ
ともできる。
【0041】図7乃至図11は、他の構成による規制手
段及び係止ロック手段50を用いた本発明の第2実施形
態に係る緊急ロック機構のロック手段であり、上記の如
き回転制御盤41と、フランジ14及び係合部材15の
代わりに、回転制御盤45と、フランジ47、レバー4
8及び係合部材49を用いた以外は、上記第1実施形態
と同様の構成であり、ロック手段の作動原理は同様のた
め説明を省略する。
【0042】図7に示すように、前記駆動側歯車40に
重なるようにして回転自在に配設される前記回転制御盤
45は、駆動側歯車40の歯40aと同一のピッチ円直
径を有しながら歯数が異なる歯41aを外周上に形成さ
れており、前記第1実施形態の回転制御盤41と同様
に、駆動側歯車40の1回転毎に1歯分ずつ駆動側歯車
40に対して位相ずれしながら追従回転する。
【0043】フランジ47に対向する回転制御盤45の
側面に形成されているカム溝46の一部には、回転軸に
向かって内方へ張り出すように屈曲した内方カム溝領域
46aを形成されており、フランジ47の枢軸47aに
回転自在に軸支された前記レバー48と、前記係合部材
49に形成された係止部49bと共に、該係合部材49
が前記ラッチカップ13の内歯13dと係合する方向に
移動するのを阻止し、ロック手段が作動するのを規制す
る規制手段を構成している。
【0044】前記レバー48は、前記係合部材49の係
止部49bに係合可能な係止アーム48aと、フランジ
47に設けた貫通口47bを貫通して前記カム溝46に
係合する従動突起部48bとを有している。そして、前
記回転制御盤45は、シートバックが最も前方に倒れた
時のウェビング巻量(第1の所定量)と、シートバック
が最も後方に倒れた時のウェビング巻量(第2の所定
量)とを検知し、リトラクター内に巻取られるウェビン
グの巻量が第1と第2の所定量の間にある時には、図8
及び図9に示すように前記レバー48の従動突起部48
bが前記内方カム溝領域46aに位置し、係止アーム4
8aが前記係止部49bに係合する設定位置に組み付け
られる。従って、係合部材49の係合部49aがラッチ
カップ13の内歯13dと係合する方向に移動しようと
しても、係合部材49は係止部49bが係止アーム48
aに当接して移動を規制されるので、係合部材49はラ
ッチカップ13に係合することができず、ロック手段は
作動不能である。
【0045】そして、前記回転制御盤45は、シートベ
ルト装着時にウェビングがリトラクターから所定量引き
出されて巻取軸4がウェビング引き出し方向に回転する
と、図10に示すようにレバー48の従動突起部48b
が内方カム溝領域46aから外れたカム溝46の位置に
従動させられるので、図11に示すように、レバー48
は矢印Y1 方向に回転し、係止アーム48aが係止部4
9bと非係合な位置に移動する。
【0046】そこで、係止部49bが係止アーム48a
に当接して移動を規制されることがなく、係合部材49
の係合部49aはラッチカップ13の内歯13dと係合
する方向に移動することができるので、ロック手段が作
動可能となる。また、ウェビング引き出し状態から図示
しない巻取りバネ装置のバネ力に従って巻取軸4がウェ
ビング巻取り方向に回転すると、回転制御盤45は前記
駆動側歯車40によって1回転する毎に一歯分ずつ先行
しながら追従回転し、リトラクター内に巻取られるウェ
ビング90の巻量が上述の第1と第2の所定量の間とな
る時には、図8に示すように前記従動突起部48bが前
記内方カム溝領域46aに復帰する。
【0047】即ち、回転制御盤45はウェビング90の
巻取り量を感知し、ウェビング90が第1と第2の所定
量の間にある時には前記係合部材49が前記ラッチカッ
プ13と係合する方向に移動することができないよう
に、係止部49bが係止アーム48aに当接して移動を
規制される。そこで、前記第1実施形態と同様に、ベル
ト格納時にシートバックが前方に倒された際、又は後方
に倒された際には、他端部が車体又はシート台座に固定
されているウェビング90はリトラクターに巻き込まれ
るが、車体加速度センサー32の許容角度以上にシート
バックが倒されても、緊急ロック機構は作動せず、ウェ
ビング90をリトラクターから引き出すことができる。
従って、ウェビング90が緊張されてシートバックを起
こすことができなくなることはない。
【0048】又、上記各実施形態においては、慣性体と
してボールウェイト29を用いた車体加速度センサー3
2について説明したが、図12に示すようなスタンディ
ングウェイト52を用いたシートベルト用車体加速度セ
ンサー51にも応用できる。尚、本発明の第3実施形態
に係るシートベルト用車体加速度センサー51は、上記
の如きセンサーケース27、センサーアーム28及びボ
ールウェイト29の代わりに、センサーケース53、セ
ンサーアーム55及びスタンディングウェイト52を用
いた以外は、上記各実施形態と同様の構成であり、ロッ
ク手段の作動原理は同様のため説明を省略する。
【0049】前記車体加速度センサー51は、前記ラチ
ェットホイール19の歯19aに係合する第1の位置と
前記歯19aに係合しない第2の位置とにそれぞれ位置
するべく前記リトラクターベース1の側板1aに取付け
られたセンサーアーム55と、所定以上の加速度変化を
受けるとセンサーケース53上で傾倒し、前記センサー
アーム55を前記第1の位置に移動させる慣性体である
スタンディングウェイト52とを備える。
【0050】前記センサーケース53は、スタンディン
グウェイト52が載置される環状凹部53aを備えると
共に、下方には錘54が取付けられている。そして、該
センサーケース53は、シートバックの調節軸線に対し
て平行に伸長する回動軸線Cを中心にして前記リトラク
ターベース1に対して回動自在である。前記スタンディ
ングウェイト52は、上面に球状凹部60を有する略円
筒形状を有しており、下面には前記環状凹部53aに対
応する円環状の脚部52aが突設されている。
【0051】前記センサーアーム55は、前記ラチェッ
トホイール19の歯19aに係合可能な係合部55a
と、前記側板1aの外側面に取付けられたアーム支持部
材35に枢支される支軸55bと、前記スタンディング
ウェイト52の球状凹部60に当接する突起部55cと
を備えている。そして、図12に示すように、前記突起
部55cの球状先端部と前記球状凹部60との接触点5
6が、前記センサーケース53の回動軸線C上に位置す
るように構成されている。そこで、センサーケース53
は、前記センサーアーム55を位置変化させることなく
リトラクターベース1に対して回動することができる。
尚、本実施形態におけるスタンディングウェイト52の
重心も前記接触点56と略一致し、回動軸線C上に位置
するように構成されている。
【0052】そこで、リトラクターベース1が傾けられ
ると、錘54を備えたセンサーケース53は自重により
重力方向に回動し、常に一定の対地角度に保たれる。そ
して、スタンディングウェイト52は、センサーアーム
55を前記第2の位置に位置させる通常位置に位置した
ままである。一方、車両緊急時に車体の衝突や傾斜によ
ってシートベルト用リトラクターに所定以上の車体加速
度が加わると、前記スタンディングウェイト52及び前
記センサーケース53は、リトラクターの他の部品に対
してそれぞれ慣性により動こうとする。ところが、スタ
ンディングウェイト52に比べて質量の大きいセンサー
ケース53は、急激な加速度が加わった際にはスタンデ
ィングウェイト52と共には動き難い。そこで、所定以
上の加速度変化を受けたスタンディングウェイト52
は、センサーケース53よりも速く動く。
【0053】そこで、所定以上の加速度変化を受けたス
タンディングウェイト52は、脚部52aの一縁部を中
心として傾動し、センサーアーム55の突起部55cを
押し上げるので、センサーアーム55を前記第1の位置
に位置させることができる。この時、スタンディングウ
ェイト52の重心は、前記接触点56と略一致して回動
軸線C上に位置するように構成されているので、センサ
ーケース53が動いてもスタンディングウェイト52の
位置は変わらず、固定タイプの車体加速度センサーと同
様の感度を得ることができ、感度に劣化はない。従っ
て、上記第1及び第2実施形態の車体加速度センサー3
2と同様に、本第3実施形態に係る車体加速度センサー
51は、ロック手段を作動させてウェビング90の引き
出しをロックすることができる。
【0054】尚、上記各実施形態における車体加速度セ
ンサー32(51)では、錘34(54)を備えたセン
サーケース27(53)が自重により重力方向に回動す
ることによって、慣性体支持面が常に一定の対地角度に
保たれ、シートバックの角度が調整されて異なる傾動位
置にある時にも作動可能とされているが、本発明の車体
加速度センサーはこれに限定されるものではない。又、
上記各実施形態の如きウェビングの巻量を検知する方式
に代えて、ウェビングの巻径を検知する方式とすること
により、上記第1と第2の所定量を検知しても良い。
【0055】図13乃至図16に示した本発明の第4実
施形態に係るリクライニング式シート161のシートベ
ルト用リトラクター200は、車体加速度センサー13
2を除く他の構成部分は略上記各実施形態と同様の構成
であるので、同符号を付して説明を省略する。前記リク
ライニング式シート161は、シートバック162が車
体幅方向に延在する調節軸線を中心として前後傾動可能
にシート座部163に支持されており、乗員の体格等に
応じて傾斜角度が調整される。
【0056】前記車体加速度センサー132は、図15
及び図16に示すように、センサーアーム131、セン
サーケース136、慣性体であるボールウェイト13
3、ケース支持部材137、伝達手段190から構成さ
れている。前記センサーケース136は、前記ボールウ
ェイト133が載置される慣性体支持面136aと、前
記センサーアーム131を回動自在に支持するアーム支
持部136bとを有した構造である。そして、前記セン
サーケース136の慣性体支持面136aは、中心部に
向かって窪んだ鉢状である。また、前記ケース支持部材
137は、図15に示すように、前記センサーケース1
36が嵌め込みにより着脱可能に取り付けられるケース
支持部140と、該ケース支持部140の一側面から上
方に延出してリトラクターベース101に回転自在に支
持される軸支部141と、後述する伝達手段190と連
結される連結部42とを有した構造である。更に、連結
部142に連続して巻取軸4と同心の円弧状の巻回面1
44が形成されている。
【0057】前記ケース支持部材137の軸支部141
は、巻取軸4の回動軸線Sを中心として回動自在に支持
される。そして、前記連結部142に連結された伝達手
段190によりシートバック162の傾動時には、前記
ケース支持部材137がシートバック162の傾動に連
動して回動操作され、前記センサーケース136は適正
な向きに調整されるようになっている。
【0058】前記センサーアーム131は、図15に示
すように、基端側の軸部131aが前記センサーケース
136に回転自在に支持されており、センサーケース1
36をリトラクター200に取り付けた状態では、先端
部131bが前記ラチェットホイール19の歯19aに
係合することによって前記巻取軸4のウェビング引出方
向への回転をロックするロック手段を作動させる第1の
位置から、先端部131bが前記歯19aから離脱して
前記ロック手段を作動させない第2の位置まで前記軸部
131aを回転軸として揺動変位可能である。
【0059】従って、上記各実施形態の車体加速度セン
サー32(51)と同様に、本第4実施形態に係る車体
加速度センサー132は、緊急ロック機構300のロッ
ク手段を作動させてウェビング90の引き出しをロック
することができる。但し、前記ロック手段の回転制御盤
41はウェビング90の巻取り量を感知し、ウェビング
90が第1と第2の所定量の間にある時には前記係合部
材15が前記ラッチカップ13と係合する方向に移動す
ることができないように、係止壁41cが係止片15d
に当接して移動を規制する。そこで、上記シートベルト
用リトラクター200を取り付けられたリクライニング
式シートにおいても、ベルト格納時にシートバックが前
方に倒された際、又は後方に倒された際には、他端部が
車体又はシート台座に固定されているウェビング90は
リトラクターに巻き込まれるが、車体加速度センサー1
32の許容角度以上にシートバックが倒されても、緊急
ロック機構300は作動せず、ウェビング90をリトラ
クターから引き出すことができる。従って、ウェビング
90が緊張されてシートバックを起こすことができなく
なることはない。
【0060】前記伝達手段190は、前記慣性体支持面
136aの向きが前記シートバック162の傾斜状態に
拘わらず適正(鉛直方向上向き)に保たれるように、前
記シートバック62の傾斜角度に応じて前記センサーケ
ース136をその回動軸線S回りに回動させる。尚、前
記伝達手段190に連結されたセンサーケース136
は、車両衝突時等に作用する慣性力で回動軸線S回りに
回動することはない。
【0061】前記伝達手段190は、後述する第1プレ
ート197を介して前記シートバック162の調節軸線
上に取り付けられている巻回部材180と、前記シート
バック162の傾動に従って前記センサーケース136
を回動させるべく前記巻回部材180に巻回可能な伝達
部材であるインナーケーブル192と、該インナーケー
ブル192を摺動自在に収容したアウターチューブ19
4とを備える。そこで、前記センサーケース136は、
前記シートバック162の傾動に従って前記インナーケ
ーブル192を前記巻回部材180へ巻回する量に一致
して回動される。
【0062】図13に示すように、前記巻回部材180
は、前記インナーケーブル192のシート座部163側
端部を収納すると共に後述する第1プレート197に固
定されるケース181と、前記インナーケーブル192
が巻回される扇形状のスライダー182と、突起部18
3bによりスライダー182の回動を阻止し、該スライ
ダー182の回動軸をなす円筒部183aを備えたレバ
ー183と、ワッシャ184と、該ワッシャ184を介
して前記レバー183を前記第1プレート197に取付
可能なナット185と、前記ケース181に取り付けら
れるカバー186とから構成されている。
【0063】前記ケース181は、該ケース181をボ
ルト(図示せず)により前記第1プレート197に固定
するための取付孔181aと、前記レバー183の円筒
部183aが挿通される孔181bと、前記アウターチ
ューブ194の大径部193が収納される溝部181c
と、該溝部181cと連通し、前記アウターチューブ1
94内に通されたインナーケーブル192が収納される
通路181dと、前記スライダー182の回動を阻止す
る突起部181eとが設けられている。また、前記スラ
イダー182は、前記レバー183の円筒部183aに
回動可能に外嵌される円筒部182aと、前記インナー
ケーブル192が巻回される円弧状のガイド溝182b
と、前記インナーケーブル192の端末部材192aが
固定される孔部182cとが設けられている。
【0064】図14に、前記巻回部材180が取り付け
られる部分のリクライニング式シート161の概略斜視
図を示す。図14に示すように、前記シートバック16
2には、第1プレート197が固定されており、前記シ
ート座部163には、第2プレート198が固定されて
いる。そして、前記巻回部材180のケース181は、
図示しないボルトにより取付孔181aを通して前記第
1プレート197の取付孔197aに固定されている。
また、第2プレート198には、二面幅を有するボルト
198bが設けられている。そして、該ボルト198b
の二面幅に対応して、図13に示すように前記レバー1
83には、長円孔183cが設けられており、前記ナッ
ト185により前記レバー183はボルト198bに回
動不能に固定される。
【0065】図17(a)にシートバック162を乗員
着座可能範囲で最も前にセットした状態を示し、図17
(b)にその状態におけるカバー186を取り外した巻
取部材180の側面図を示し、図17(c)にその状態
におけるリトラクター200の側面図を示す。
【0066】図17(a)に示したシートバック162
を乗員着座可能範囲で最も前にセットした状態から、シ
ートバック162を後方へ傾動させると、前記スライダ
ー182は、前記インナーケーブル192に引っ張られ
て反時計回りに回動しようとするが、前記レバー183
の突起部183bに押さえられているため回動しない。
一方、前記ケース181はシートバック162が倒れる
につれて、シートバック162とともに反時計回りに回
動する。そして、前記スライダー182及び前記インナ
ーケーブル192の端部が動かず、前記ケース181の
溝部181cが反時計回りに回動することにより、イン
ナーケーブル192がW1方向に延び出して前記スライ
ダー182のガイド溝182bに巻き付けられていく。
【0067】すると、図17(c)に示すように、イン
ナーケーブル192がW方向に引っ張られる。そして、
該インナーケーブル192の一端部が車体加速度センサ
ー132に連結されており、インナーケーブル192も
巻取軸4と同心の巻回面144に沿って移動されるの
で、該車体加速度センサー132は巻取軸4を中心に時
計回り方向に回動する。スライダー182のガイド溝1
82bに巻回されるインナーケーブル192の半径と、
巻回面144にスプリング189を介して巻回されるイ
ンナーケーブル192の半径が等しいことから、シート
バック162が傾動されてスライダー182に巻回され
たインナーケーブル192の長さ分、インナーケーブル
192の他端も移動するので、車体加速度センサー13
2はシートバック162が傾動した角度分回動する。
【0068】したがって、前記シートバック162の傾
斜状態に拘わらず、車体加速度センサー132の向きが
適正(鉛直方向上向き)に保たれるので、車体の加速度
を確実に感知可能となる。
【0069】図18(a)にシートバック162を最も
倒した状態(フルフラット状態)を示し、図18(b)
にフルフラット状態におけるカバー186を取り外した
巻取部材180の側面図を示し、図18(c)にフルフ
ラット状態におけるリトラクター200の側面図を示
す。
【0070】図18(b)に示すように、フルフラット
状態になるまでは、前記インナーケーブル192が前記
スライダー182のガイド溝182bに巻回されること
により、その巻回量に一致して前記ケース支持部材13
7を介して前記センサーケース136が図18(c)に
示すように回動軸線S周りに回動する。また、前記イン
ナーケーブル192のセンサー側端部にはスプリング1
89が巻き付けられており、この状態において圧縮され
ている。
【0071】したがって、車体加速度センサー132に
は反時計回りの付勢力が働いており、これによりインナ
ーケーブル192にも図18(c)中に示すようにW方
向の付勢力が働くこととなる。該インナーケーブル19
2は、前記スライダー182に連結しているため図18
(b)に示すように、W1方向の引張力を受けるが、前
記レバー183の突起部183bに押さえられているた
め、車体加速度センサー132はこれ以上反時計方向に
は回らず、回動範囲が制限される。
【0072】また、図17に示す状態から、シートバッ
ク162を乗員着座可能範囲を越えて前傾させていく
と、ケース181は突起部181eがスライダー182
に当接したままスライダー182とともに回動するよう
になっている。
【0073】図19(a)にシートバック162を乗員
着座可能範囲を越えて前傾した状態を示し、図19
(b)にこの状態におけるカバー186を取り外した巻
取部材180の側面図を示し、図19(c)にこの状態
におけるリトラクター200の側面図を示す。
【0074】図19(b)に示すように、前記シートバ
ック162が前傾されると、前記スライダー182は、
前記ケース181の突起部181eに当接しているた
め、ケース181とともに時計回り方向に回動してい
く。ここで、該インナーケーブル192と連結している
前記スライダー182と前記ケース181の相対位置は
変化しないので、前記インナーケーブル192の延び出
し、巻き込みはない。
【0075】そして、前記インナーケーブル192の延
び出し、巻き込みがないことにより、図19(c)に示
すように前記車体加速度センサー132のリトラクター
200に対する相対位置も変化しない。したがって、乗
員が着座しない範囲では、車体加速度センサー132を
無意味に回動させないことにより、車体加速度センサー
132の動く範囲の無駄をなくし、リトラクター200
のコンパクト化が可能となる。
【0076】また、前記インナーケーブル192の延び
出し、巻き込みがないことにより、前記車体加速度セン
サー132のリトラクター200に対する相対位置も変
化せず、乗員が着座しない範囲では、シートバック16
2のリクライニングの動きにより緊急ロック機構300
のロック手段が作動しようとするが、前記ロック手段の
回転制御盤41はウェビング90の巻取り量を感知し、
前記係合部材15が前記ラッチカップ13と係合する方
向に移動することができないように、係止壁41cが係
止片15dに当接して移動を規制する。
【0077】そこで、上記シートベルト用リトラクター
200を取り付けられたリクライニング式シートにおい
ても、車体加速度センサー132の許容角度以上にシー
トバックが倒された際には、緊急ロック機構300が作
動せず、ウェビング90をリトラクターから引き出すこ
とができる。従って、ウェビング90が緊張されてシー
トバックを起こすことができなくなることはない。
【0078】図20乃至図24に示す本発明の第5実施
形態に係るシートベルト用リトラクター400は、車体
加速度センサー232を除く他の構成部分は略上記各実
施形態と同様の構成であるので、同符号を付して説明を
省略する。前記車体加速度センサー232は、図20及
び図21に示すように、センサーアーム231、センサ
ーケース230、慣性体であるボールウェイト233、
伝達手段239から構成されている。
【0079】ここで、前記センサーケース230は、前
記ボールウェイト233が載置される慣性体支持面23
6aを有したケース本体236と、このケース本体23
6の一側面から上方に延出したハンガー部材237とを
備えた構成で、該ハンガー部材237の上端が前記巻取
軸4を支持している軸受ブッシュ(図示せず)に回転自
在に軸支されている。即ち、センサーケース230の回
動軸線Sは、シートバック162の調節軸線に対して平
行に延在する巻取軸4の回転軸線に一致させてある。
【0080】前記ケース本体236の慣性体支持面23
6aは、中心部に向かって窪んだすり鉢形である。そし
て、前記ケース本体236は、ハンガー部材237の所
定位置に着脱可能に取り付けられている。また、前記ハ
ンガー部材237のリング部には、後述の伝達手段23
9との連結部となる長穴237aが形成された舌状の連
結部237bが半径方向外方に向かって延設されてい
る。
【0081】前記センサーアーム231は、基端側の軸
部231aが前記センサーケース230に回転自在に支
持されており、センサーケース230をリトラクターに
取り付けた状態では、先端部231bが前記ラチェット
ホイール19の歯19aに係合することによって前記巻
取軸4のウェビング引出し方向への回転をロックするロ
ック手段を作動させる第1の位置から、先端部231b
が前記歯19aから離脱して前記ロック手段を作動させ
ない第2の位置まで前記軸部231aを回転中心として
揺動変位可能である。従って、上記各実施形態の車体加
速度センサー32(51,132)と同様に、本第5実
施形態に係る車体加速度センサー232は、緊急ロック
機構300のロック手段を作動させてウェビング90の
引き出しをロックすることができる。
【0082】前記伝達手段239は、前記慣性体支持面
236aの向きが前記シートバック162の傾斜状態に
拘わらず適正(鉛直方向上方向き)に保たれるように、
前記シートバック162の傾斜角度に応じて前記センサ
ーケース230をその回動軸線S回りに回動させる。
尚、前記伝達手段239に連結されたセンサーケース2
30は、車両衝突時等に作用する慣性力で回動軸線S回
りに回動することはない。
【0083】前記伝達手段239は、前記シート座部1
63側に固定され、前記シートバック162の調節軸
(調節軸線)271を中心に周方向に延びるカム面を有
するカム板254と、該カム板254のカム面に従動し
て前記センサーケース230をその回動可能範囲のみ回
動軸線回りに連動させる伝達部材としての棒部材251
と、該棒部材251を摺動自在に収容したガイド筒25
2とを備える。
【0084】尚、本第5実施形態における棒部材251
に代えて、シートバック162の内側面等の布設箇所に
合わせて湾曲させることが可能な適度の可撓性を有する
と共に、カム板側端部に連結された従動子が前記カム板
のカム面に向かって進退可能に配設され、他端部が前記
センサーケースに連結され、長手方向の力を受けた時に
その力で座屈することなくガイド筒内を摺動可能な適度
の剛性を備えた可撓性伝達部材であるワイヤを用いるこ
ともできる。
【0085】前記棒部材251が挿通するガイド筒25
2のリトラクター側端部252bは、図20に示すよう
に、棒部材251のリトラクター側端部251bがハン
ガー部材237の連結部237b周辺を通過するよう
に、リトラクターベース201の側板201aに固定さ
れている。また、ガイド筒252のカム板側端部252
aは、図21にも示すように、棒部材251のカム板側
端部251aが前記シートバック162の調節軸271
に向かって延出するように(即ち、棒部材251のカム
板側端部251aが、前記シートバック162の調節軸
271を通る直線T上に配置されるように)、シートバ
ック162に固定装備された支持プレート256に位置
決め固定されている。
【0086】前記棒部材251のリトラクター側端部2
51bは、前記連結部237bの長穴237aに係合す
るピン255を介して前記ハンガー部材237に連結さ
れ、かつ、ガイド筒252のリトラクター側端部252
bに装着されたガイド部材257内に装備された図示略
の圧縮コイルばねによって、他端側に付勢されている。
また、前記棒部材251のカム板側端部251aは、前
記カム板254のカム面に従動する従動子として機能す
るもので、前記ガイド部材257内に装備された圧縮コ
イルばねの付勢力により、カム板254のカム面に当接
した状態を維持するように付勢されている。
【0087】シート座部163に固定された前記カム板
254は、外周面がシートバック162の傾動時に前記
棒部材251のカム板側端部251aを前記直線T上に
沿って進退動作させるカム面となっている。前記カム板
254のカム面は、前記シートバック162の傾斜角度
に応じて前記センサーケース230をその回動軸線S回
りに連動させる連動領域となる連動用カム面254a
と、この連動用カム面254aの前後に連なり、前記セ
ンサーケース230をシートバック162の傾動に連動
させない非連動領域となる非連動用カム面254b,2
54cとを備えた3つのカム面から構成されている。
【0088】前記連動用カム面254aは、ウェビング
により乗員を適正に拘束し得る前記リトラクター400
の適正使用範囲内でのシートバック162の傾動時に、
前記ケース本体236の慣性体支持面236aの向きが
前記シートバック162の傾斜状態に拘わらず適正に保
たれるように、前記棒部材251のカム板側端部251
aの進退動作を制御する。
【0089】前記シートバック162がシートベルトの
使用範囲内で最大に前傾された状態にある時、棒部材2
51のカム板側端部251aは、図21に示すように、
連動用カム面254aの前端に位置している。この状態
から、シートバック162が後傾操作されると、それに
応じて、棒部材251のカム板側端部251aがシート
バック162と一体に調節軸271の周囲を図21で時
計回り方向に移動し、該カム板側端部251aが連動用
カム面254aに倣って押し上げられる。シートバック
162の後傾操作時に連動用カム面254aによって押
し上げられた棒部材251は、ケース本体236が取り
付けられているハンガー部材237を巻取軸4に対して
図20で反時計回り方向に回動させて、前記ケース本体
236の慣性体支持面236aの向きを適正な状態に保
つ。
【0090】そして、前記シートバック162がシート
ベルトの使用範囲内で最大に後傾された状態にある時、
棒部材251のカム板側端部251aは、図22(b)
に示すように連動用カム面254aの後端に位置してお
り、ケース本体236が取り付けられているハンガー部
材237は、図22(a)に示すように、前記ケース本
体236の慣性体支持面236aの向きを適正な状態に
保っている。従って、前記シートバック162の傾斜状
態が、シートベルトの使用範囲内で最大に前傾された状
態から最大に後傾された状態の範囲内のときは、前記リ
トラクター400がウェビング90により乗員を適正に
拘束し得る範囲であり、前記のリトラクターの適正使用
範囲である。
【0091】尚、前記連動用カム面254aの長さL1
や曲面状態は、図21に示すように、前記リトラクター
400の適正使用範囲に対応して設定されており、前記
連動用カム面254aにより棒部材251を介してハン
ガー部材237が回動操作される範囲が、前記車体加速
度センサー232の回動可能範囲となる。
【0092】前記非連動用カム面254b,254c
は、いずれもウェビング90により乗員を適正に拘束し
得えない前記リトラクター400の適正使用範囲外での
シートバック162の傾動時に、前記棒部材251のカ
ム板側端部251aの進退動作を制限し、シートバック
162の傾動とセンサーケース230の回動との連動を
解除するキャンセル機構として機能する。
【0093】前記非連動用カム面254bは、シートバ
ック162がシートベルトの使用範囲内で最大に前傾さ
れた状態からさらに前傾操作された場合に、前記棒部材
251のカム板側端部251aの進退動作を制限するた
めのもので、図21に示すように前記連動用カム面25
4aの前端に連なって設けられている。また、前記非連
動用カム面254cは、シートバック162がシートベ
ルトの使用範囲内で最大に後傾された状態からさらに後
傾操作される場合に、前記棒部材251のカム板側端部
251aの進退動作を制限するためのもので、図21に
示すように前記連動用カム面254aの後端に連なって
設けられている。
【0094】これらの非連動用カム面254b,254
cは、いずれも、前記調節軸271を中心とする円弧面
で、前記シートバック262の調節軸271と前記棒部
材251のカム板側端部251aとの間隔を一定に保つ
ことにより、ハンガー部材237の連動をキャンセルす
る。図23は、シートバック162をシートベルトの使
用範囲内で最大に前傾された状態から更に前傾させた時
のハンガー部材237の回動状態、カム板側端部251
aの非連動用カム面254b上の位置等を示したもの
で、ハンガー部材237の回動状態は、シートバック1
62の傾斜状態が変わっても、前記連動用2カム面25
4aの前端にカム板側端部251aが当接していた状態
のまま変わらない。
【0095】図24は、シートバック162をシートベ
ルトの使用範囲内で最大に後傾された状態から更に後傾
させた時のハンガー部材237の回動状態、カム板側端
部251aの非連動用カム面254c上の位置等を示し
たもので、ハンガー部材237の回動状態は、シートバ
ック162の傾斜状態が変わっても、前記連動用カム面
254aの後端にカム板側端部251aが当接していた
状態のまま変わらない。尚、それぞれの非連動用カム面
254b,254cの長さL2 ,L3 は、シートバック
162に要求されるリクライニング角度に対応して設定
される。
【0096】上述したように、本第5実施形態の車体加
速度センサー232によれば、シートバック162の傾
斜状態がリトラクターの適正使用範囲(即ち、センサー
ケース230の回動可能範囲)内で変更される場合であ
れば、伝達手段239の棒部材251が前記連動用カム
面254aに従動して前記センサーケース230をシー
トバック162の傾動に連動させるので、慣性体支持面
236aの向きが適正な状態に維持される。そこで、シ
ートバック162の傾斜状態を変えても、センサーケー
ス230は良好な姿勢が保たれ、かつ、車両緊急時の衝
撃等による慣性力で移動するのはセンサーケース230
上のボールウェイト233のみとなるため、センサー感
度の鈍化等が起こらず、車体の加速度を安定して確実に
感知することができる。
【0097】又、センサーケース230の回動可能範囲
を越えて前記シートバック162が傾動された場合に
は、前記棒部材251が前記非連動用カム面254b,
254cに従動して前記センサーケース230をシート
バック162の傾動に連動させないキャンセル状態とす
るので、シートバック162のリクライニング角度がセ
ンサーケース230の回動可能範囲に限られてしまうと
いう不都合も生じない。更に、従来のようにリクライニ
ング角度に合わせてセンサーケース230の回動可能範
囲を大きくしようとして、センサーケース230の移動
スペースを大きく取る必要がなく、リトラクターが大型
化することもない。
【0098】又、前記シートバック162を適正使用範
囲以上に後傾させた状態では、前記センサーケース23
0がシートバック162の傾動に連動しないキャンセル
状態となるので、シートバック162のリクライニング
の動きにより緊急ロック機構300のロック手段が作動
しようとするが、前記ロック手段の回転制御盤41はウ
ェビング90の巻取り量を感知し、前記係合部材15が
前記ラッチカップ13と係合する方向に移動することが
できないように、係止壁41cが係止片15dに当接し
て移動を規制する。
【0099】そこで、上記シートベルト用リトラクター
400を取り付けられたリクライニング式シートにおい
ても、車体加速度センサー232の許容角度以上にシー
トバックが倒された際には、緊急ロック機構300が作
動せず、ウェビング90をリトラクターから引き出すこ
とができる。従って、ウェビング90が緊張されてシー
トバックを起こすことができなくなることはない。
【0100】更に、シートバック162の傾動に連動し
て慣性体支持面236aの向きを適正な状態に維持する
伝達手段239は、上述した単純形状の棒部材251
と、板材のプレス加工等により簡単かつ安価に量産可能
なカム板254等の単純な機構から成り、モータ等の部
品コストの高い部品を必要としないので、製造コストの
高騰を抑制することもできる。又、カムプロフィールの
異なるカム板を適宜選択することにより、複数種のリク
ライニング式シートやシートベルト用リトラクターに対
応することができ、汎用性の高い車体加速度センサーを
得ることができる。
【0101】尚、本発明におけるロック手段の構成は、
上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨
に基づいて適宜変更可能である。例えば、ロック手段を
なすラッチプレートに代えて、巻取軸に配設されたポー
ルがリトラクターベースの内歯に噛み合いロックする構
成としてもよい。
【0102】
【発明の効果】即ち、本発明のシートベルト用リトラク
ターによれば、ロック手段が作動するのを規制する規制
手段が、シートベルトを使用しない状態で且つ前記シー
トバックが最も前方に倒れた位置から最も後方に倒れた
位置までの範囲では、前記ロック手段が作動することが
できないように規制するので、ベルト格納時に車体加速
度センサーの許容角度以上にシートバックが倒されて
も、ウェビングが引出し不能となることがない。そこ
で、ベルト格納時にシートバックが前方又は後方に倒さ
れた際には、他端部が車体又はシート台座に固定されて
いるウェビングはリトラクターに巻き込まれるが、車体
加速度センサーの許容角度以上にシートバックが倒され
ても、ロック手段は作動せず、ウェビングをリトラクタ
ーから引き出すことができる。従って、ウェビングが緊
張されてシートバックを起こすことができなくなること
はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に基づくシートベルト用
リトラクターの分解斜視図の一部である。
【図2】図1に示したシートベルト用リトラクターの残
り部分の分解斜視図である。
【図3】図1及び図2に示したシートベルト用リトラク
ターの要部断面図である。
【図4】ウェビングの引き出しロック動作を説明するた
めの図3のA−A断面における要部断面矢視図である。
【図5】図1及び図2に示したシートベルト用リトラク
ターのウェビングの引き出しロック動作を説明するため
の要部拡大図である。
【図6】図4に示した回転制御盤の動作を説明するため
の要部拡大図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る緊急ロック機構の
ロック手段に基づく規制手段及び係止ロック手段の分解
斜視図である。
【図8】図7に示した回転制御盤の動作を説明するため
の要部拡大図である。
【図9】図7に示した係止ロック手段の動作を説明する
ための要部拡大図である。
【図10】図7に示した回転制御盤の動作を説明するた
めの要部拡大図である。
【図11】図7に示した係止ロック手段の動作を説明す
るための要部拡大図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係るシートベルト用
車体加速度センサーを備えたシートベルト用リトラクタ
ーの要部断面図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係るリクライニング
式シートの巻回部材の分解斜視図である。
【図14】図13に示した巻回部材が取り付けられる部
分のリクライニング式シートの概略斜視図でるあ。
【図15】本発明の第4実施形態に係るシートベルト用
リトラクターの側面図である。
【図16】図15に示したシートベルト用リトラクター
の断面図である。
【図17】(a)はシートバックの乗員着座可能範囲で
最も前にセットした状態であり、(b)はその状態にお
けるカバーを取り外した巻取部材の側面図であり、
(c)はその状態におけるリトラクターの側面図であ
る。
【図18】(a)はシートバックを最も倒した状態(フ
ルフラット状態)であり、(b)はフルフラット状態に
おけるカバーを取り外した巻取部材の側面図であり、
(c)はフルフラット状態におけるリトラクターの側面
図である。
【図19】(a)はシートバックを乗員着座可能範囲を
越えてシート前方に倒した状態であり、(b)はその状
態におけるカバーを取り外した巻取部材の側面図であ
り、(c)はその状態におけるリトラクターの側面図で
ある。
【図20】本発明の第5実施形態に係る車体加速度セン
サーを備えたシートベルト用リトラクターの側面図であ
る。
【図21】図20に示した車体加速度センサーにおける
伝達手段の要部拡大図である。
【図22】(a)はシートバックをシートベルトの使用
範囲内で最大に後傾させた状態における車体加速度セン
サーの状態を示すシートベルト用リトラクターの側面図
であり、(b)はその状態における車体加速度センサー
の伝達手段の状態を示す要部拡大図である。
【図23】(a)はシートバックを最大限に前傾させた
状態における車体加速度センサーの状態を示すシートベ
ルト用リトラクターの側面図であり、(b)はその状態
における車体加速度センサーの伝達手段の状態を示す要
部拡大図である。
【図24】(a)はシートバックを最大限に後傾させた
状態における車体加速度センサーの状態を示すシートベ
ルト用リトラクターの側面図であり、(b)はその状態
における車体加速度センサーの伝達手段の状態を示す要
部拡大図である。
【図25】従来のシートベルト装置の概略正面図であ
る。
【符号の説明】
1 リトラクターベース 4 巻取軸 4a ラッチプレート 11 ポール 13 ラッチカップ 14 フランジ 15 係合部材 15a 係合部 15d 係止片 19 ラチェットホイール 27 センサーケース 28 センサーアーム 29 ボールウェイト 31 係止ロック手段 32 車体加速度センサー 40 駆動側歯車 41 回転制御盤 41c 係止壁 42 中間歯車 90 ウェビング 100 シートベルト用リトラクター

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リクライニング式シートのシートバック
    内に取り付けられるシートベルト用リトラクターにおい
    て、 前記リトラクターは、ウェビングを巻装する巻取軸と、
    該巻取軸のウェビング引出し方向への回転をロックする
    ロック手段と、所定の車体加速度を感知して前記ロック
    手段を作動させる車体加速度センサーとを備え、 前記ロック手段は、シートベルトを使用しない状態で、
    且つ前記シートバックが最も前方に倒れた位置から最も
    後方に倒れた位置までの範囲で、該ロック手段が作動す
    るのを阻止する規制手段を備えていることを特徴とする
    シートベルト用リトラクター。
JP10042015A 1997-02-24 1998-02-24 シートベルト用リトラクター Pending JPH10291461A (ja)

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JP10042015A JPH10291461A (ja) 1997-02-24 1998-02-24 シートベルト用リトラクター
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JP9-39391 1997-02-24
JP3939197 1997-02-24
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