JPH10291305A - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法および画像形成装置

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JPH10291305A
JPH10291305A JP10016859A JP1685998A JPH10291305A JP H10291305 A JPH10291305 A JP H10291305A JP 10016859 A JP10016859 A JP 10016859A JP 1685998 A JP1685998 A JP 1685998A JP H10291305 A JPH10291305 A JP H10291305A
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ink
image forming
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recording medium
forming apparatus
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Masahiko Kubota
雅彦 久保田
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な定着性、文字品位、十分な画像濃度が
得られ、ベタ濃度の均一性が高く、ブリーディングを完
全に防止し、色再現性が良好であり、かつ、高精細で耐
水性に優れた画像を得るための画像形成方法を提供す
る。 【解決手段】 画像形成方法は、被記録媒体Pの画像形
成領域にインクIを付与するステップ(A)と、インク
Iによる画像形成領域に前記インクIと異なる液体組成
物Lを付与するステップ(B)とを含む。インクIはそ
の表面張力が液体組成物Lよりも小さく、かつ、インク
Iと液体組成物Lとは異なる極性を示す。液体組成物L
が被記録媒体Pに定着された後、インクIを被記録媒体
Pの画像形成領域に付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被記録媒体上に、
高速で、かつ、高品位で記録後における記録面の汚れが
少ない記録画像を得ることのできるインクジェット記録
方式を適用した画像形成方法および画像形成装置に関す
る。本発明は、紙や布、革、不織布等の各種の被記録媒
体を用いるプリンタ、複写機およびファクシミリ等の事
務機器に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録方式は、イン
クの小滴を飛翔させ、紙等の被記録媒体にインクを付着
させて記録を行うものである。特に、特公昭61−59
911号公報、特公昭61−59912号、特公昭61
−59914号公報は、吐出エネルギ供給手段として電
気熱変換体を用い、熱エネルギをインクに与えて気泡を
発生させることにより液滴を吐出させる方式のインクジ
ェット記録方法を開示する。この方法によれば、記録ヘ
ッドの高密度マルチオリフィス化を容易に実現すること
ができ、高解像度および高品位の画像を高速で記録する
ことができる。
【0003】ところで、従来より、インクジェット記録
方法に用いられるインクとしては、水を主成分とし、こ
れに乾燥防止、ノズルの目詰まり防止等の目的でグリコ
ール等の水溶性高沸点溶剤を添加したものが一般的であ
る。
【0004】しかし、このようなインクを用いると、被
記録媒体としての記録紙表面における填料やサイズ剤の
不均一な分布によると推定される不均一画像が発生する
等の問題を生じていた。また、特にカラー画像を得よう
とした場合には、ある色のインクが記録紙に完全に定着
される以前に複数の色のインクが次々と重ねられること
から、異色間の境界部分で色が滲んだり、不均一に混じ
りあって(以下、この現象を「ブリーディング」と呼
ぶ)、満足すべき画像が得られないという問題もあっ
た。
【0005】インクの定着性向上には、特開昭55−6
5269号公報に開示されたインク中に界面活性剤など
の浸透性を高める化合物を添加する方法や、特開昭55
−66979号公報に開示された揮発性溶剤を主体とし
たインクを用いる方法を利用することができる。
【0006】しかし、インク中に界面活性剤などを添加
する前者の方法では、記録紙へのインクの浸透性が高ま
り、インクの定着性やブリーディングについてはある程
度向上するものの、インク中の色材も記録紙の奥深くま
で浸透してしまうため、画像濃度および彩度が低下する
等の不具合が生じる。その他、インクの横方向に対する
広がりも発生し、その結果、画像のエッジ部分のシャー
プさが低下したり、解像度が低下したりする等の問題も
発生する。
【0007】一方、揮発性溶剤を主体としたインクを用
いる後者の方法の場合には、上記前者の場合と同様の不
具合が生じるのに加え、記録ヘッドのノズル部での溶剤
の蒸発に伴うインク粘度の増大による目詰まりが発生し
易く好ましくなかった。
【0008】さらに、上述した問題を改善するために、
画像を記録するためのインクの噴射に先立ち、被記録媒
体上に予め画像を良好にせしめる液体組成物を付与させ
ておく方法が提案されている。
【0009】例えば、特開昭63−60783号公報に
は、塩基性ポリマを含有する液体組成物を付着させた
後、アニオン染料が含有されたインクによって記録する
方法が開示されており、特開昭63−22681号公報
には、反応性化学種を含む第1の液体組成物と該反応性
化学種と反応を起こす化合物を含む液体組成物を被記録
媒体上で混合する記録方法が開示されている。さらに、
特開昭63−299971号公報には、1分子当たり2
個以上のカチオン性基を有する有機化合物を含有する液
体組成物を被記録媒体上に付与した後、アニオン染料を
含有するインクで記録する方法が開示されている。ま
た、特開昭64−9279号公報には、コハク酸等を含
有した酸性液体組成物を被記録媒体上に付与した後、ア
ニオン染料を含有したインクで記録する方法が開示され
ている。また、さらに特開昭64−63185号公報に
は、染料を不溶化させる液体組成物をインクの記録に先
立って付与するという方法が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
何れの方法も、染料自体の析出により画像の滲みの抑制
や耐水性を向上させようとするものであり、前述したカ
ラーインク間のブリーディング抑制効果も不十分であ
り、また、析出した染料が記録紙上で不均一に分布し易
いために記録紙のパルプ繊維に対する被覆性が悪く、画
像の均一感が低下し、文字品位に劣るという問題があっ
た。また、カチオン性物質を含有する液体組成物と、ア
ニオン性物質を含有するインクとを同時に、もしくは数
ミリ秒間隔で、被記録媒体上に印字を行う場合には、イ
ンクがインクジェット記録ヘッドのインク吐出口面に跳
ねかえってしまい、そのインクとカチオン性物質を含有
する液体組成物が、吐出口面上で反応を起こして、ヨレ
や不吐出等を生じさせることがあった。さらに、カチオ
ン性物質を含有する液体組成物が、被記録媒体に十分浸
透しない内に、アニオン性物質を含有するインクを被記
録媒体上の同一画素もしくは、周囲に吐出を行うと、カ
ラーインク間のブリーディング抑制効果も不十分であっ
た。
【0011】従って、本発明の目的は、上記の実情に鑑
み下記に挙げる点の課題を解決するためになされたもの
である。すなわち、普通紙に対するインクジェット記録
を行う場合の課題として、 (1)良好な定着性を有し、かつ、文字品位も良好であ
ること。特に、インクジェット記録方式特有の水溶性イ
ンクによるドット径のいびつさや、記録紙の繊維に沿っ
てインクがにじむことで生じるフェザリング、ヒゲ等に
よる文字品位の劣化を低減すること。 (2)十分な画像濃度が得られ、ベタ濃度の均一性が高
いこと。さらに、普通紙に対するカラー画像形成時にお
いては、上記の点に加えて下記の点が課題として挙げら
れる。 (3)ブリーディングを低減すること。 (4)色再現性が良好であり、かつ、高精細な画像を得
られること。 (5)記録画像の耐水性を良好にすること。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により解決される。
【0013】すなわち、本発明は、被記録媒体の画像形
成領域にインクを付与するステップ(A)と、該インク
による画像形成領域に前記インクと異なる液体組成物を
付与するステップ(B)とを含む画像形成方法であっ
て、前記インクはその表面張力が前記液体組成物よりも
小さく、かつ、前記インクと液体組成物とは異なる極性
を示すと共に、前記液体組成物が被記録媒体に着弾した
後、前記インクを被記録媒体の画像形成領域に付与する
ことを特徴とする。
【0014】さらに、前記被記録媒体上の同一画像領域
に対し、前記ステップ(B)をステップ(A)より1.
0秒以上の時間差をもって先に実施してもよい。
【0015】被記録媒体の画像形成領域にインクを付与
するインク吐出用ヘッドと、該インクによる画像形成領
域に前記インクと異なる液体組成物を付与する液体吐出
用ヘッドとを用いて画像形成を行う画像形成装置であっ
て、前記インクはその表面張力が前記液体組成物よりも
小さく、かつ、前記インクと液体組成物とは異なる極性
を示すと共に、前記液体組成物が被記録媒体に着弾した
後、前記インク吐出用ヘッドから前記インクを被記録媒
体の画像形成領域に付与することを特徴とする。
【0016】ここで、前記被記録媒体上の同一画像領域
に対し、前記液体吐出用ヘッドによる前記液体組成物の
付与を前記インク吐出用ヘッドによる前記インクの付与
より1.0秒以上の時間差をもって先に実施してもよ
い。
【0017】ここで、前記インクは、少なくともアニオ
ン性基を有する染料を含むものでもよく、また、前記イ
ンクは、少なくともアニオン性化合物と顔料とを含むも
のでもよい。
【0018】前記顔料は水溶性の置換基を有してもよ
い。また、前記顔料を分散させる分散剤をさらに含み、
該分散剤は水溶性樹脂であってもよい。
【0019】前記液体組成物は、少なくとも1種のカチ
オン性物質を含有してもよく、前記液体組成物は、ポリ
アリルアミンを含有してもよい。
【0020】本発明では、被記録媒体に対する浸透性が
液体組成物よりも高いインクを用いて画像を形成する際
に、前記液体組成物が被記録媒体上に着弾してから、前
記インクを同一画素上に付与する。この結果、液体組成
物とインクが被記録媒体上で共存して画像を形成するこ
ととなり、特に被記録媒体に対する浸透性が高いインク
を用いて形成される画像の文字品位の向上が達成され
る。
【0021】本発明において、「浸透性が高い」とは、
マイクロシリンジ等で1マイクロリットルのインクまた
は液体組成物を被記録媒体に滴下し、滴下後、一定時間
を経過した後に滴下した部分を擦って、指または被記録
媒体が汚れるか否かの試験を行った場合に、指または被
記録媒体が汚れなくなるまでの時間が短いことを意味す
る。
【0022】上記浸透性を評価する手段として、ウィル
ヘルミー法による表面張力を測定する方法がある。具体
的な測定方法としては、例えば協和界面科学(株)製の
SURFACE TENSIONMETER CBVP
−A3を用いて、表面張力を測定することができる。
【0023】尚、「浸透性が高い」具体例としては、表
面張力が40〔dym/cm〕以上あるインクまたは液
体組成物である。
【0024】すなわち、浸透性が高いインクのみで画像
を形成した場合において、特に被記録媒体が普通紙であ
るときは、インクが瞬時に普通紙を形成しているパルプ
繊維内部に浸透し、析出した染料等の色材が記録紙上で
不均一に分布しやすいために、記録紙のパルプ繊維に対
する被覆性が悪く、画像の均一感が低下し文字品位が劣
ったものとなる。
【0025】これに対し、上記のような態様とした場合
には、下記に述べるような作用を有する液体組成物が被
記録媒体上でインク受容層を形成し、そこにインクを付
与することになり、被記録媒体上での色材の不均一な分
布を有効に低減することができ、さらに、インクジェッ
ト特有のドット径のいびつさやフェザリング等を解消
し、画像の均一感を損なうことなく、文字品位を向上で
きる。
【0026】また、本発明においては、液体組成物中の
カチオン性物質とインク中のアニオン性物質とが下記に
述べる作用を発揮する結果、従来技術の課題の解決が図
られる。
【0027】ここで、カチオン性物質を使用した場合を
例にとって、作用について述べる。本発明では、画像形
成に際し、液体組成物が被記録媒体上あるいは被記録媒
体に浸透し、液体組成物中に含まれるカチオン性化合物
と、その後付与されるインク中に含まれるアニオン性基
を有する水溶性染料または顔料インク中のアニオン性化
合物とがイオン的相互作用により会合を起こし、会合体
を生じ瞬間的に溶液相から分離を起こす。この際、顔料
インクにおいては分散破壊が起こり、顔料の凝集体がで
きる。
【0028】次に、上述した水溶性染料または顔料イン
ク中のアニオン性化合物とカチオン性化合物の会合体ま
たは顔料の凝集体は、サイズが大きくなり、被記録媒体
である記録紙の繊維の隙間に入り込みにくくなる結果、
固液分離した液体部分のみが該記録紙中に滲み込み、良
好な印字品位と定着性の両立が達成される。
【0029】特に、カチオン性化合物を含む液体組成物
が、被記録媒体上に着弾後、粘性が大きくなり、被記録
媒体内に浸透し始めると、分子量の大きいカチオン性化
合物と、他の水を含む溶剤系との間で、固液分離を起こ
し、紙面上で固形化し始めたカチオン性化合物と、顔料
インクとが、固液反応を起こす場合は、顔料粒子とそれ
を取り巻く分散剤とが瞬時に分散破壊を起こし、顔料粒
子のみが孤立し、それらのみによって、凝集が起こる。
そのため、電子写真による顔料粒子の紙面上への定着と
同様な作用を起こすことができる。これは、前述したフ
ルカラーの画像形成のように、隣接したドットが異色の
インクで形成される場合にも、同様な作用が起こり、互
いに混じり合うことなく、ブリーディングも起こりにく
い。また、上記した会合体および凝集体は、分子量も大
きくなり、本質的に水不溶性であるため、形成された画
像の耐水性は十分なものとなる。
【0030】本発明においてはインクの表面張力が液体
組成物よりも小さいことを特徴とする。液体組成物は被
記録媒体に対し、インクよりも先に付与されるのである
が、前記特徴を有するため、先に付与された液体組成物
は被記録媒体上において横方向に広がりにくくドットの
形状を維持した状態で次にインクが付与される。よって
後からインクが付与されてもドットの形状を維持しつつ
液体組成物中のカチオン性物質とインク中のアニオン性
物質とが反応するので、ドット径のいびつさやフェザリ
ング等の発生を低減し、高品位な記録を行うことができ
る。この効果はインクの表面張力が40dyn/cm未
満、好ましくは30〜35dyn/cmのとき、また液
体組成物の表面張力が40〜60dyn/cmであると
きに特に顕著であり、また被記録媒体上の同一画像領域
に対し、液体組成物の付与をインクの付与より1.0秒
以上の時間差をもって先に実施したときに特に顕著であ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態をさらに詳しく説明する。
【0032】図1(a)〜(d)は、本発明の画像形成
方法の一実施形態を示す図であって、被記録媒体上に先
に付与された液体組成物が着弾してから、インクを付与
して画像を形成する態様を示す模式的断面図である。
【0033】図1(a)は、液体組成物Lが被記録媒体
P上に着弾した直後の画素を模式的に示している。図1
(b)は、インクと比較して浸透性の低い液体組成物L
が被記録媒体Pに浸透して形成されるインク受容層Rを
模式的に表している。そのインク受容層Rに対しインク
Iを付与した直後の模式図が図1(c)である。その
後、浸透性の高いインクIがインク受容層Rに着弾、
後、浸透した状態を模式的に示したのが図1(d)であ
る。
【0034】図1(e)は、最終的に被記録媒体内に浸
透後、定着した状態を示している。
【0035】次に、本発明に用いられる液体組成物につ
いて説明する。
【0036】本発明に用いられる液体組成物には、少な
くともカチオン性物質が含有されている。使用されるカ
チオン性物質としては、(1)高分子量のカチオン性化
合物であり、好ましくは、(2)GPC(ゲル浸透クロ
マトグラフィー)を使用して測定したカチオン性物質の
分子量分布のピークが分子量1,000以下の領域と、
1,500以上10,000以下の領域とに少なくとも
1つずつ存在するカチオン性化合物が使用される。
【0037】例えば、上記(1)の高分子量のカチオン
性化合物の具体例として、例えば、ポリアリルアミン、
ポリアミンスルホン、ポリビニルアミン、キトサン、お
よびこれらの塩酸あるいは酢酸等の酸による中和物また
は部分中和物を挙げることができるが、勿論これらに限
定されるわけではない。また、上記(2)のカチオン性
化合物としては、1級、2級および3級アミン塩型の化
合物、具体的にはドデシルアミン、ステアリルアミン、
ロジンアミン等の塩酸塩、酢酸塩等;第4級アンモニウ
ム塩型の化合物、具体的には、ドデシルトリメチルアン
モニウムクロライド、ドデシルベンジルトリメチルクロ
ライド、ドデシルトリメチルベンジルアンモニウムクロ
ライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ベンジルトリブチルアンミニウムクロライド、塩化
ベンザルコニウム、セチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド等;ピリジニウム塩型化合物、具体的にはセチル
ピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイ
ド等;イミダゾリン型カチオン性化合物、具体的には2
−ヘプタデニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン等;高
級アリキルアミンのエチレンオキシド付加物、具体的に
はジヒドロキシエチルステアリルアミン等が挙げられ
る。
【0038】以上、低分子量のカチオン性化合物の例を
挙げたが、本発明で使用することのできる化合物は必ず
しもこれらに限定されないことは言うまでもない。
【0039】上記液体組成物中に含有される(1)およ
び(2)に挙げたカチオン性物質の量としては、液体組
成物全量に対して、0.05〜20重量%が好適な範囲
であり、より好ましくは0.5〜5重量%の範囲である
が、各々使用する物質の組み合わせにより適宜、最適な
範囲が決められる。
【0040】次に、本発明に用いられる液体組成物を構
成するその他の成分について具体的に説明する。
【0041】本発明で使用する液体組成物は、上記カチ
オン性物質に加え、通常、水、水溶性有機溶剤およびそ
の他の添加剤から構成されている。本発明の記録液にお
いて好適な水性媒体は、水および水溶性有機溶剤の混合
溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する一般の
水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するの
が好ましい。
【0042】また、その他、併用しうる任意の溶剤成分
であり、水と混合して使用される水溶性有機溶剤として
は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n
−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ter
t−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアル
コール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等の
ケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコー
ル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,
6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレ
ングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレング
リコール類であってアルキレン基が2〜6個の炭素原子
を含むもの;グリセリン;エチレングリコールモノメチ
ル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールメ
チル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコー
ルモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコ
ールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロ
リドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン等が挙げられる。
【0043】本発明の記録液中の上記水溶性有機溶剤の
含有量は、一般は記録液全重量の3〜50重量%の範囲
であり、好ましくは、3〜40重量%の範囲であり、使
用する水は記録液全重量の10〜90重量%、好ましく
は30〜80重量%の範囲である。
【0044】上記のごとき媒体は単独でも混合物として
も使用できるが、最も好ましい液媒体組成は、水と1種
以上の有機溶媒からなり、該溶剤が少なくとも1種以上
の水溶性高沸点有機溶剤、例えば、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、グリセリン、1,2,6
−ヘキサントリオール、チオジグリコール等の多価アル
コール、2−ピロリドン等を含有するものである。
【0045】本発明で使用する液体組成物は、無色であ
るのがより好ましいが、被記録媒体上等でインクと混合
された際に、各色インクの色調を変えない範囲の淡色の
ものでもよい。さらに、以上のような液体組成物の各種
物性の好適な範囲としては、25℃付近でのpHが3〜
12、好ましくは3〜8、より好ましくは3〜5であ
り、表面張力が40〜60dyn/cmであり、好まし
くは、40〜50dyn/cmであり、粘度が1〜3c
psのものである。
【0046】次に、本発明で使用されるインクについて
説明する。
【0047】本発明に用いられるインクは、少なくとも
アニオン性物質が含有されたインクであるが、この種の
インクとしては、例えば、(1)少なくともアニオン性
基を有する染料が含有されているインク、(2)少なく
ともアニオン性化合物と顔料が含有されているインクで
あることが好ましい。
【0048】まず、(1)に挙げたインクは、色材とし
て少なくともアニオン性基を有する水溶性染料が含有さ
れているが、さらにこれに、水、水溶性有機溶剤および
その他の成分、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐
剤、界面活性剤および酸化防止剤等が必要に応じて含ま
れる。
【0049】本発明に用いられるアニオン性基を有する
水溶性染料としては、カラーインデックスに記載されて
いる水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料であれば
特に限定されない。また、カラーインデックスに記載の
ないものであっても、アニオン性基、例えば、スルホン
基およびカルボキシル基等を有するものであれば特に制
限はない。
【0050】次に、本発明に用いられる少なくともアニ
オン性化合物と顔料とが含有されたインク(2)として
のインクについて説明する。
【0051】上記(2)のインクは、顔料およびアニオ
ン性化合物の他、水、水溶性有機溶剤、分散剤、および
その他の成分、例えば、粘度調整剤、防腐剤、界面活性
剤、酸化防止剤等を必要に応じて含む。ここでアニオン
性化合物は、顔料の分散剤であってもよいし、顔料の分
散剤がアニオン性化合物である場合でも、さらにアニオ
ン性化合物を添加してもよい。
【0052】本発明に用いられる顔料には、特に限定は
ないが、具体的には以下に挙げる顔料が好適に使用され
る。
【0053】まず、本発明では、黒色インクに用いられ
る顔料としてはカーボンブラックが挙げられるが、特に
ファーネス法、チャネル法で製造されたものであって、
一次粒子径が15〜40ミリミクロン、BET法による
比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40
〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、p
H値が2〜9等の特性を有するものが好ましく用いられ
る。このような特性を有する市販品としては、例えば、
No.2300、No.900、MCF88、No.4
0、No.52、MA7、MA8、No.2200B
(以上、三菱化成製)、RAVEN1255(以上、コ
ロンビア社製)、REGAL400R、REGAL66
0R、MOGULL(以上、キャボット社製)、Col
or Black FWL、Color Black
FW18、Color BlackS170、Colo
r Black S150、Printex 35、P
ritex U(以下、デグッサ社製)等があり、いず
れも好ましく使用することができる。
【0054】また、イエローインクに用いられる顔料と
しては、例えば、C.I.Pigment Yello
w 1,C.I.Pigment Yellow2,
C.I.Pigment Yellow 3,C.I.
Pigment Yellow13,C.I.Pigm
ent Yellow 16,C.I.Pigment
Yellow 83等が挙げられ、マゼンタインクに
使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigme
nt Red 5,C.I.PigmentRed
7,C.I.Pigment Red 12,C.I.
PigmentRed 48(Ca),C.I.Pig
ment Red 48(Mn),C.I.Pigme
nt Red 57(Ca),C.I.Pigment
Red 112,C.I.Pigment Red
122等が挙げられる。
【0055】シアンインクに用いられる顔料としては、
例えば、C.I.PigmentBlue 1,C.
I.Pigment Blue 2,C.I.Pigm
ent Blue 3,C.I.Pigment Bl
ue 15:3,C.I.Pigment Blue
16,C.I.Pigment Blue 22,C.
I.Vat Blue 4,C.I.Vat Blue
6等が挙げられるが、これらに限られるものではな
い。また、以上の他、本発明のために新たに製造された
顔料も勿論使用することが可能である。上述した顔料
は、インク全量に対して好ましくは1〜20重量%、よ
り好ましくは2〜12重量%の範囲で用いられる。
【0056】また、上記したような顔料を分散させるた
めに、(2)のインク中に含有させる分散剤としては、
水溶性樹脂であればどのようなものでも使用することが
できるが、重量平均分子量が1,000〜30,000
の範囲のものが好ましく、さらには、重量平均分子量が
3,000〜15,000の範囲のものが好ましく使用
される。このような水溶性樹脂としては、具体的には、
スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニル
ナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン
酸の脂肪族アルコールエステル等の疎水性単量体、アク
リル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘
導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フ
マール酸誘導体から選ばれる少なくとも2つ以上の単量
体からなるブロック共重合体、グラフト共重合体あるい
はランダム共重合体、またはこれらの塩等が挙げられ
る。これらの水溶性樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に
可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。さらに、親水
性単量体からなるホモポリマまたはそれらの塩でもよ
い。また、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセ
ルロース、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合
物等の水溶性樹脂も使用することが可能である。しか
し、分散液の低粘度化が可能で分散も容易であるという
利点がある。なお、このような顔料分散剤として用いら
れる水溶性樹脂は、インク重量に対して0.1〜5重量
%の範囲で含有させるのが好ましい。
【0057】この際にインク中に添加させる界面活性剤
としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩
類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスル
ホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエ
ステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエス
テル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコール
等の非イオン性界面活性剤が挙げられ、これらの1種ま
たは2種以上を適宜選択して使用することができる。そ
の使用量は、インク中に含有させる分散剤の種類により
異なるが、インク全量に対して0.01〜5重量%程度
とするのが望ましい。この場合、インクの表面張力が4
0dyn/cm未満になるように界面活性剤の添加量が
決められることが好ましく、より好ましくは30〜35
dyn/cmである。すなわち、インクの表面張力がこ
れよりも小さい値を示すと、本発明に用いられるインク
ジェット記録方式による記録においても、ノズル先端の
濡れによる印字ヨレ(インク滴の着弾点のずれ)等、好
ましくない事態を引き起こす可能性が考えられるからで
ある。
【0058】以上示したそれぞれ処理液(液体組成物)
とインクとの混合において、本発明では、上述した処理
液とインクが被記録媒体上あるいは被記録媒体に浸透し
た位置で混合する結果、反応の第1段階として処理液中
に含まれているカチオン性物質の内、低分子量の成分ま
たはカチオン性オリゴマーとインクに使用しているアニ
オン性基を有する水溶性染料または顔料インクに使用し
ているアニオン性化合物とがイオン的相互作用により会
合を起こし、瞬間的に溶液相から分離を起こす。この結
果顔料インクにおいては分散破壊が起こり、顔料の凝集
体ができる。
【0059】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマー
との会合体または顔料の凝集体が処理液中に含まれる高
分子成分により吸着されるために、会合で生じた染料の
凝集体または顔料の凝集体のサイズがさらに大きくな
り、被記録媒体の繊維間の隙間に入り込みにくくなり、
その結果として固液分離した液体部分のみが記録紙中に
しみこむことにより、プリント品位と定着性との両立が
達成される。同時に上述したようなメカニズムにより生
成したカチオン物質の低分子成分またはカチオン性オリ
ゴマーとアニオン性染料とカチオン性物質とで形成され
る凝集体または顔料の凝集体は粘性が大きくなり、液媒
体の動きとともに移動することがないので、フルカラー
の画像形成時のように隣接したインクドットが異色のイ
ンクで形成されていたとしても互いに混じり合うような
ことはなく、ブリーデイングも起こらない。また、上記
凝集体は本質的に水不溶性であり形成された画像の耐水
性は完全なものとなる。また、ポリマーの遮蔽効果によ
り形成された画像の耐光堅牢性も向上するという効果も
有する。
【0060】本明細書において使用される不溶化または
凝集として、その一例は前記第1段階のみの現象であ
り、他の例は第1段階と第2段階の両方を含んだ現象で
ある。
【0061】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0062】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被記録媒体については特に制限されるものではなく、
従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等のいわ
ゆる普通紙を好適に用いることができる。もちろんイン
クジェットプリント用に特別に作製したコート紙やOH
P用透明フィルムも好適に使用でき、また、一般の上質
紙や光沢紙も好適に使用可能である。
【0063】次に、上述したように構成されている液体
組成物およびインクを被記録媒体上に付与する方法につ
いて説明する。
【0064】本発明は、少なくともカチオン性物質を含
有する液体組成物を被記録媒体上に付与するステップ
(A)と、少なくともアニオン性物質を含有するインク
を記録信号に従って吐出口から液滴として被記録媒体上
に噴射し、付与するステップ(B)の2つのステップを
有する。さらに、ステップ(A)を先に被記録媒体に着
弾後、ある一定の時間差をつけて、ステップ(B)のイ
ンクを付着させる。ここで、ステップ(B)をステップ
(A)の一定時間経過後に実施するのは、ステップ
(A)において被記録媒体に付与された上述の液体組成
物が被記録媒体にインク受容層を形成した後に、ステッ
プ(B)で上述のインクをそのインク受容層上に付与で
きるようにするためである。これにより、カチオン性物
質とアニオン性物質とがイオン的相互作用により会合
し、生じた会合体が瞬間的に溶液相から分離する。この
ため、得られた画像は画像濃度が低下することなく、ブ
リーディングが発生せず、文字品位が向上したものとな
る。ここで、上述の一定時間とは、1秒以上の時間であ
ることが好ましい。
【0065】図2は、本発明の画像形成方法に好適に用
いられるヘッドとしてのプリントヘッド500に供給す
るためのインクを保持したインク容器501とを分離可
能に接続したインクジェットヘッドカートリッジIJC
を示す斜視図である。
【0066】なお、このインクジェットヘッドカートリ
ッジIJCを構成するインク容器へのインクの注入は、
次のように行えばよい。
【0067】インク容器にインク供給パイプ等を接続す
ることでインクを導入するインク導入路を形成し、この
インク導入路を介してインク容器にインクを注入すれば
よい。インク容器側にインク供給口としては、インクジ
ェットヘッド側への供給口、大気連通口や、インク容器
の壁面にあけた穴等を用いればよい。
【0068】図3は、上述のように構成されるインクジ
ェットプリントヘッドが搭載可能なインクジェットプリ
ント装置の一例の概観図を示す。
【0069】このインクジェットプリント装置IJRA
は、駆動モータの2010の正逆回転に連動して駆動力
伝達ギア2020,2030を介して回転するリードス
クリュー2040を有する。インクジェットプリントヘ
ッドとインクタンクとが一体化されたインクジェットカ
ートリッジIJCが載置されるキャリッジHCは、キャ
リッジ軸2050およびリードスクリュー2040に支
持され、リードスクリュー2040のら線溝2041に
対して係合するピン(不図示)を有しており、リードス
クリュー2040の回転に伴って、矢印a,b方向に往
復移動される。2060は紙押え板であり、キャリッジ
移動方向にわたって紙Pをプラテンローラ2070に対
して押圧する。2080および2090はフォトカプラ
で、これらは、キャリッジHCに設けられたレバー21
00のこの域での存在を確認してモータ2010の回転
方向切換等を行うためのホームポジション検知手段とし
て動作する。2110は記録ヘッドの前面をキャップす
るキャップ部材であり、支持部材2120により支持さ
れている。2130はこのキャップ内を吸引する吸引手
段であり、キャップ内開口を介して記録ヘッドの吸引回
復を行う。記録ヘッドの端面をクリーニングするクリー
ニングブレード2140は、前後方向に移動可能に部材
2150に設けられており、これらは本体支持板216
0に支持されている。ブレード2140はこの形態に限
定されず、周知のクリーニングブレードが本例に適用で
きることはいうまでもない。また、2170は吸引回復
の吸引を開始するためのレバーであり、キャリッジHC
と係合するカム2180の移動に伴って移動するように
なっており、これにより駆動モータ2010からの駆動
力がクラツチ切換等の公知の伝達手段で移動制御され
る。
【0070】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジHCがホームポジシヨン側領域に
きたときにリードスクリュー2040の作用によってそ
れらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されて
いるが、周知のタイミングで所望の作動を行うようにす
れば、本例には何れも適用できる。上述における各構成
は単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明に
とって好ましい構成例を示している。
【0071】上述の記録ヘッドに設けられた発熱体に信
号を付与し、かつ、前述した各機構の駆動制御を司るイ
ンクジェット記録制御部は装置本体側に設けられてお
り、ここには図示しない。
【0072】上述の構成を有するインクジェット記録装
置は、図示しない被記録材給送装置によりプラテン上を
搬送される紙Pに対し、ヘッドを紙Pの全幅にわたって
往復移動させながら記録を行う。
【0073】次に、本発明の画像形成方法を、例えば、
図2に示した記録ヘッドを5つキャリッジ上に並べた記
録装置に適用した例を説明する。
【0074】図4はその一例である。図4において符号
81,82,83,84はそれぞれイエロー,マゼン
タ,シアン,ブラック各色のインクを吐出するための記
録ヘッドである。また、85は無色の液体組成物を吐出
するヘッドである。該ヘッドは前記した記録装置に配置
され、記録信号に応じて、各色のインクを吐出する。ま
た、無色の液体組成物は、各色のインクを吐出させる前
に、少なくとも各色のインクが記録紙上で、着弾するこ
ととなっている部分に付着させる。この場合、液体組成
物を記録紙上に1パスもしくはそれ以上のパス印字で、
付与した後、紙送りをしないで、各色のインクを記録紙
上の同一画素上に付与させる。これにより、液体組成物
と各色のインクとの被記録媒体への付与に、時間差を設
けることができる。
【0075】図5は他の例である。図5に示した記録ヘ
ッドの構成は、図4に示した記録ヘッドの構成と基本的
に同一であるので、共通した構成要素には同一の符号を
付す。この例では、液体組成物の記録ヘッド85を各色
のインクの記録ヘッド81〜84に対して、1ラスタ
(シリアルプリンタにおける1ヘッドの印字幅)分ずら
した構成に特徴がある。従って、各記録ヘッド81〜8
5に同時に記録信号を転送すれば、常に液体組成物が、
ある一定時間以上先に記録紙上の同一画素に付与され
る。
【0076】さらに、図4の記録ヘッド構成で、使用す
るノズル数を限定して、図5と同様の画像形成方法を用
いることも可能である。
【0077】なお、本発明は、特にインクジェット記録
方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用される
エネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気
熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギにより
インクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録
装置において優れた効果をもたらすものである。かかる
方式によれば記録の高密度化,高精細化が達成できるか
らである。
【0078】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0079】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0080】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0081】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0082】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0083】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0084】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0085】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0086】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。文中「部」および「%」とあ
るのは特に断りのない限り重量基準である。
【0087】また、アセチレノールEHとは商品名であ
り、化学物質名はエチレンオキサイド−2,4,7,9
−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールで表わ
される。
【0088】まず、本発明で使用する液体組成物の作成
について説明する。
【0089】以下に示す各成分を混合溶解した後、pH
をHClまたはNaOHにて7.0に調整し、ポアサイ
ズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品名:フロ
ロポアフィルタ、住友電気工業株式会社製)にて加圧濾
過し、液体組成物AおよびBを得た。
【0090】 〔液体組成物Aの組成〕 ・ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド 1部 (商品名:CA−2150、日光ケミカルズ株式会社製) ・ポリアミンスルホン酸塩 4部 (商品名:PAS−A−1、日東紡績株式会社製) ・エチレングリコール 10部 ・イオン交換水 85部
【0091】 〔液体組成物Bの組成〕 ・ビニルピロリドン/ ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体 0.5部 (商品名:GAFUAT734、ISPジャパン株式会社製) ・エチレングリコール 10部 ・イオン交換水 89.5部 インクの作成
【0092】次に、本発明で使用するインク1および2
の作成について説明する。 〔インク1の作成〕以下に示す成分を混合溶解した後、
ポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品
名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社製)に
て加圧濾過し、イエロー,シアン,マゼンタおよびブラ
ックの各色インクを得た。インク1は、水溶性染料を色
材として使用した。
【0093】 (イエローインクY1の作成) ・C.I.アシッドイエロー11 2.5部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレールEH 1部 (商品名;川研ファインケミカル株式会社製;アセチレングリコールEO付加 物) ・イオン交換水 86.5部
【0094】(マゼンタインクM1の組成)C.I.ア
シッドイエロー11をC.I.アシッドレッド133に
代えた以外はイエローインクY1と同じ組成とした。
【0095】(シアンインクC1の組成)C.I.アシ
ッドイエロー11;2.5部をC.I.ダイレクトブル
ー8;3.5部に変え、イオン交換水を86.5部から
85.5部に代えた以外はイエローインクY1と同じ組
成とした。
【0096】(ブラックインクBk1の組成)C.I.
アシッドイエロー11;2.5部をC.I.ダイレクト
ブラック17;3.5部に代え、イオン交換水を86.
5部から85.5部に代えた以外はイエローインクY1
と同じ組成とした。
【0097】〔インク2の作成〕インク2は、アニオン
性化合物と顔料とが含有された顔料インクである。
【0098】(イエローインクY2の作成)アルカリ可
溶性樹脂(スチレン−アクリル酸−エチルアクリレー
ト;酸価160、重量平均分子量8,000、固形分2
0%の水溶液)を顔料の分散剤として用いて、以下のイ
エロー分散体を作成した。なお、上記アルカリ可溶性樹
脂の中和剤としてはモノエタノールアミンを用いた。
【0099】 ・アルカリ可溶性樹脂水溶液(固形分20%) 35部 ・C.I.ピグメントイエロー83 25部 ・トリエチレングリコール 15部 ・イソプロピルアルコール 5.5部 ・アセチレノールEH 1部 (商品名;川研ファインケミカル株式会社製;アセチレングリコールEO付加 物) ・イオン交換水 135部
【0100】以上の成分をバッチ式縦型サンドミル(ア
イメックス社製)に仕込み、1mm径のガラスビーズを
メディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行
った。この分散液を遠心分離機にかけ、粗大粒子を除去
して、平均粒子径100ミリミクロンのイエロー分散体
を得た。
【0101】得られたイエロー分散体にイオン交換水1
00部を加えた後、充分に攪拌してpH9.5のイエロ
ーインクY2を得た。
【0102】(マゼンタインクM2の作成)上記イエロ
ーインクY2の作成において使用したアルカリ可溶性樹
脂水溶液P−1を使用して、下記成分を混合した後、イ
エローインクY2の作成の場合と同一条件で分散処理を
行った。
【0103】 ・アルカリ可溶性樹脂水溶液P−1(固形分20%) 20部 ・C.I.ピグメントレッド122 24部 ・グリセリン 15部 ・イソプロピルアルコール 4部 ・アセチレノールEH 1部 (商品名;川研ファインケミカル株式会社製;アセチレングリコールEO付加 物) ・イオン交換水 133部 得られたマゼンタ分散体の平均粒子径は110ミリミク
ロンであった。
【0104】上記分散液に水100部を加え、充分に攪
拌して、pH9.4のマゼンタインクM2を得た。
【0105】(シアンインクC2の作成)上記イエロー
インクY2の作成において使用したアルカリ可溶性樹脂
水溶液P−1を使用して、下記成分を混合した後、イエ
ローインクY2の作成の場合と同一条件で分散処理を行
った。
【0106】 ・アルカリ可溶性樹脂水溶液P−1(固形分20%) 30部 ・C.I.ピグメントブルー15:3 24部 ・ジエチレングリコール 20部 ・イソプロピルアルコール 4部 ・アセチレノールEH 1部 (商品名;川研ファインカミカル株式会社製;アセチレングリコールEO付加 物) ・イオン交換水 135部 得られたシアン分散体の平均粒子径は120ミリミクロ
ンであった。
【0107】上記分散液に水100部を加え、充分に攪
拌して、pH9.2のシアンインクC2を得た。
【0108】(ブラックインクBk2の組成)下記成分
を混合し、ウォータバスで70℃に加温し、樹脂分を完
全に溶解させる。
【0109】 ・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体 1.5部 (酸価160、重量平均分子量8,000) ・モノエタノールアミン 1.2部 ・イオン交換水 81.5部 この溶液にカーボンブラックMCF88(三菱化学株式
会社製)10部、イソプロピルアルコール1部を加え、
30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散
処理を行った。
【0110】 ・分散機 :サンドグラインダ(五十嵐機械株式会社製) ・粉砕メディア :ジルコニウムビーズ ・粉砕メディアの充填率 :50%(体積) ・粉砕時間 :3時間 さらに遠心分離処理(12,000rpm、20分間)
を行い、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0111】次に、下記成分を混合し、pH9.5のブ
ラックインクBk2を得た。
【0112】 ・上記分散液 30部 ・グリセリン 15部 ・エチレングリコール 5部 ・イソプロピルアルコール 4部 ・アセチレノールEH 1部 (商品名;川研ファインケミカル株式会社製;アセチレングリコールEO付加 物) ・イオン交換水 45部
【0113】記録画像の印字 次に上記のようにして得られた液体組成物A,Bおよび
インク1,2を用いて、キヤノンPPC用紙に記録を行
った。使用したインクジェット記録装置としては、図3
に示したものと同様なものを用い、図4および図5に示
した記録ヘッドを用いてカラー画像を形成した。なお、
ここで用いた記録装置の記録ヘッドは、600dpiの
記録密度を有し、駆動周波数は6kHzとした。1ドッ
ト当たりの吐出量は、全ヘッド共、15pl/dotで
あった。
【0114】なお、比較例として、液体組成物A,Bに
アセチレノールEH等の界面活性剤を添加して表面張力
を低くしたA′,B′の場合と、インク1,2中のアセ
チレノールEHを除いたインク1′,2′の場合での評
価を行った。
【0115】また、画像品位の目標とする例として、レ
ーザービームプリンタであるColor Laser
SHOT LBP−2030PS(キヤノン株式会社
製)を用いて出力した印字物を同様に評価した。
【0116】結果を以下の表に示す。
【0117】
【表1】
【0118】
【表2】
【0119】
【表3】
【0120】1)画像濃度 a : OD 1.4以上 b : 1.3以上 c : 1.2以上 d : 1.2未満 2)文字品位 a : フェザリングなし b : フェザリングなし c : フェザリング有 d : 文字が読めないくらいにじんでいる 3)ブリーディング a : 発生していない b : 少し発生 c : 境界部付近がにじんでいる d : 境界部がわからないくらい混色している 尚、上述のフェザリングなしとは画像処理による普通紙
上の1ドットの2値化計算で求めた真円度が1.1以下
の場合を意味する。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被記録媒体に対する浸透性が液体組成物よりも高いイン
クを用いて画像を形成する際に、前記液体組成物が被記
録媒体上に着弾してから、前記インクを同一画素上に付
与する。この結果、液体組成物とインクが被記録媒体上
で共存して画像を形成することとなり、特に被記録媒体
に対する浸透性が高いインクを用いて形成される画像の
文字品位の向上を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は、本発明の画像形成方法の一
実施形態を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の画像形成方法に好適に用いられるヘッ
ドに供給するためのインクを保持したインク容器とを分
離可能に接続したインクジェットヘッドカートリッジを
示す斜視図である。
【図3】図2に示したインクジェットプリントヘッドが
搭載可能なインクジェットプリント装置の一例を示す概
略斜視図である。
【図4】本発明の画像形成方法を図2に示した記録ヘッ
ドを複数のキャリッジ上に並べた記録装置に適用した一
例を示す概略斜視図である。
【図5】本発明の画像形成方法を図2に示した記録ヘッ
ドを複数のキャリッジ上に並べた記録装置に適用した他
の例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
L 液体組成物 P 被記録媒体 I インク

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録媒体の画像形成領域にインクを付
    与するステップ(A)と、該インクによる画像形成領域
    に前記インクと異なる液体組成物を付与するステップ
    (B)とを含む画像形成方法であって、 前記インクはその表面張力が前記液体組成物よりも小さ
    く、かつ、前記インクと液体組成物とは異なる極性を示
    すと共に、前記液体組成物が被記録媒体に着弾した後、
    前記インクを被記録媒体の画像形成領域に付与すること
    を特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記インクは、少なくともアニオン性基
    を有する染料を含むことを特徴とする請求項1記載の画
    像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記インクは、少なくともアニオン性化
    合物と顔料とを含むことを特徴とする請求項1記載の画
    像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記顔料は、水溶性の置換基を有するこ
    とを特徴とする請求項3記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記顔料を分散させる分散剤をさらに含
    み、該分散剤は水溶性樹脂であることを特徴とする請求
    項3記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記液体組成物は、少なくとも1種のカ
    チオン性物質を含有することを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記液体組成物は、ポリアリルアミンを
    含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに
    記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記被記録媒体上の同一画像領域に対
    し、前記ステップ(B)をステップ(A)より1.0秒
    以上の時間差をもって先に実施することを特徴とする請
    求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記インクの表面張力が40dyn/c
    m未満であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 前記インクの表面張力が30〜35d
    yn/cmであることを特徴とする請求項1乃至8のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 前記液体組成物の表面張力が40〜6
    0dyn/cmであることを特徴とする請求項1乃至1
    0のいずれかに記載の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 被記録媒体の画像形成領域にインクを
    付与するインク吐出用ヘッドと、該インクによる画像形
    成領域に前記インクと異なる液体組成物を付与する液体
    吐出用ヘッドとを用いて画像形成を行う画像形成装置で
    あって、 前記インクはその表面張力が前記液体組成物よりも小さ
    く、かつ、前記インクと液体組成物とは異なる極性を示
    すと共に、前記液体組成物が被記録媒体に着弾した後、
    前記インク吐出用ヘッドから前記インクを被記録媒体の
    画像形成領域に付与することを特徴とする画像形成装
    置。
  13. 【請求項13】 前記インクは、少なくともアニオン性
    基を有する染料を含むことを特徴とする請求項12記載
    の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記インクは、少なくともアニオン性
    化合物と顔料とを含むことを特徴とする請求項12記載
    の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 前記顔料は、水溶性の置換基を有する
    ことを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記顔料を分散させる分散剤をさらに
    含み、該分散剤は水溶性樹脂であることを特徴とする請
    求項12記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 前記液体組成物は、少なくとも1種の
    カチオン性物質を含有することを特徴とする請求項12
    乃至16のいずれかに記載の画像形成装置。
  18. 【請求項18】 前記液体組成物は、ポリアリルアミン
    を含有することを特徴とする請求項12乃至16のいず
    れかに記載の画像形成装置。
  19. 【請求項19】 前記被記録媒体上の同一画像領域に対
    し、前記液体吐出用ヘッドによる前記液体組成物の付与
    を前記インク吐出用ヘッドによる前記インクの付与より
    1.0秒以上の時間差をもって先に実施することを特徴
    とする請求項12乃至18のいずれかに記載の画像形成
    装置。
  20. 【請求項20】 前記インクの表面張力が40dyn/
    cm未満であることを特徴とする請求項12乃至19の
    いずれかに記載の画像形成装置。
  21. 【請求項21】 前記インクの表面張力が30〜35d
    yn/cmであることを特徴とする請求項12乃至19
    のいずれかに記載の画像形成装置。
  22. 【請求項22】 前記液体組成物の表面張力が40〜6
    0dyn/cmであることを特徴とする請求項12乃至
    21のいずれかに記載の画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記インク吐出用ヘッドは、前記イン
    クを吐出するために利用されるエネルギを発生する素子
    として熱エネルギ発生体を有することを特徴とする請求
    項12乃至22のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  24. 【請求項24】 前記液体吐出用ヘッドは、前記液体組
    成物を吐出するために利用されるエネルギを発生する素
    子として熱エネルギ発生体を有することを特徴とする請
    求項12乃至22のいずれかの項に記載の画像形成装
    置。
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