JPH10288490A - 伝熱管およびその製造方法 - Google Patents

伝熱管およびその製造方法

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JPH10288490A
JPH10288490A JP9740997A JP9740997A JPH10288490A JP H10288490 A JPH10288490 A JP H10288490A JP 9740997 A JP9740997 A JP 9740997A JP 9740997 A JP9740997 A JP 9740997A JP H10288490 A JPH10288490 A JP H10288490A
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JP
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heat transfer
transfer tube
metal strip
groove
tube
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JP9740997A
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Inventor
Takashi Kondo
隆司 近藤
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 突条の倒れ込みがないクロス溝を有し、かつ
製造が容易な伝熱管、およびその製造方法の提供。 【解決手段】 多数の溝が形成された溝付ロールにより
金属帯板を圧延して金属帯板に多数の突条を形成した
後、その突条を内側にして上記金属帯板を湾曲させ、湾
曲により接触した上記金属帯板両縁を接合すると、図2
に示すように内面に多数の突条23が形成された伝熱管
を製造することができる。潤滑性の良好な圧延油を用い
ると共に溝付ロールとして小径の溝付ロール用いること
により、突条23に欠肉部27を形成することができ
る。この欠肉部27はクロス溝部として機能し、また突
条23の倒れ込みも発生しないので、伝熱管の管内熱伝
達率を良好に向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器等に用い
られる伝熱管およびその製造方法に関し、詳しくは、内
面に多数の突条が形成された伝熱管およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の伝熱管は、多数の溝が形
成された溝付ロールにより金属帯板を圧延し、その金属
帯板に多数の突条を形成する第1工程と、その第1工程
により多数の突条が形成された金属帯板を、上記突条を
内側にして管状に湾曲させ、湾曲により接触した金属帯
板の両縁を溶接する第2工程と、を備えた溶接による製
造方法、または、外周に多数の溝が形成された溝付プラ
グを金属管内に挿入し、その金属管を軸方向に移動させ
つつ複数のボールを上記金属管の外周面に接触させなが
ら遊星回転させる転造による製造方法、によって製造さ
れるのが一般的である。
【0003】上記溶接による製造方法では、溝付ロール
の溝内へ金属帯板が塑性変形することにより、金属帯板
に多数の突条を形成することができる。この金属帯板を
突条を内側にして管状に湾曲させ、両縁を溶接すること
により、内面に多数の突条を有する伝熱管を製造するこ
とができる。また、転造による製造方法では、溝付プラ
グの溝内へ金属管が塑性変形することにより、その金属
管に多数の突条を形成し、内面に多数の突条を有する伝
熱管とすることができる。
【0004】また、近年、伝熱管の管内熱伝達率を一層
向上させるため、次のようないわゆるクロス溝を有する
伝熱管も製造されている。すなわち、溶接による製造方
法では、上記多数の溝の傾斜方向を異ならせた複数の溝
付ロールを順次用いて金属帯板の圧延を複数回繰り返
し、続いて上記第2工程を行う。すると、1回目の圧延
によって形成された突条が、2回目以降の圧延によって
その一部が押し潰される。このため、内面の突条が断続
的に形成された伝熱管を得ることができる。このような
伝熱管では、突条の途切れた部分(以下、クロス溝部と
いう)を設けたことにより伝熱面積が増加し、また、ク
ロス溝部が気泡発生の起点となると共に管内面が粗面化
されて乱流が発生し易くなるため、一層管内熱伝達率が
向上する。
【0005】転造による方法でも、上記多数の溝の傾斜
方向を異ならせた複数の溝付プラグを順次用いて金属管
の転造を複数回繰り返し、同様にクロス溝を有する伝熱
管を製造することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述のよう
にクロス溝を有する伝熱管を製造する場合、金属帯板の
圧延または金属管の転造が複数回必要となる。このた
め、製造工程が複雑化し、コストアップの原因となって
いた。また、上記製造方法では、1回目の圧延または転
造によって形成された突条の一部を、2回目以降の圧延
または転造によって押し潰すことによりクロス溝部を形
成している。このため、突条に倒れ込みが発生し、熱媒
の流れが阻害されて充分な管内熱伝達率が得られない場
合があった。
【0007】そこで、本発明は、突条の倒れ込みがない
クロス溝を有し、かつ製造が容易な伝熱管、およびその
製造方法を提供することを目的としてなされた。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記目
的を達するためになされた請求項1記載の発明は、内面
に多数の突条が形成された伝熱管において、上記突条に
欠肉部を設けたことを特徴としている。このように構成
された本発明では、突条が欠肉部を有して途切れている
ので、この部分がクロス溝部となる。このため、この欠
肉部は従来のクロス溝部と同様、次の作用・効果を生じ
る。すなわち、伝熱面積を増加させ、また、この欠肉部
が気泡発生の起点となると共に管内面を粗面化して乱流
を発生し易くするため、伝熱管の管内熱伝達率が向上す
る。しかも、この欠肉部は突条を押し潰して形成した従
来のクロス溝部と異なり、1回の圧延または転造によっ
て突条と同時に形成することができる。従って、本発明
の伝熱管は製造が容易であり、その製造コストを良好に
低減することができる。更に、欠肉部は突条を押し潰し
て形成した従来のクロス溝部と異なり、突条の倒れ込み
を発生しない。従って、熱媒(例えば冷媒)の流れが阻
害されず、管内熱伝達率を良好に向上させることができ
る。
【0009】すなわち、本発明の伝熱管は、突条の倒れ
込みがないクロス溝を有して優れた管内熱伝達率を呈
し、かつ製造が容易である。請求項2記載の発明は、請
求項1記載の構成に加え、上記欠肉部が、上記各突条に
所定範囲内の間隔で形成されたことを特徴としている。
【0010】突条に形成された欠肉部の間隔が極端にば
らついていると、クロス溝部としての作用・効果が充分
に生じない場合があるが、本発明では、欠肉部が所定範
囲内の間隔(例えば、最小間隔の5倍以内の間隔)で形
成されている。また、欠肉部は各突条に形成されてい
る。このため、欠肉部がクロス溝部としての作用・効果
を充分に生じ、きわめて良好な管内熱伝達率を呈する。
従って、本発明では、請求項1記載の発明の効果に加え
て、管内熱伝達率を一層良好に向上させることができる
といった効果が生じる。
【0011】請求項3記載の発明は、多数の溝が形成さ
れた溝付ロールにより金属帯板を圧延し、該金属帯板に
多数の突条を形成する第1工程と、該第1工程により上
記多数の突条が形成された金属帯板を、上記突条を内側
にして管状に湾曲させ、該湾曲により接触した上記金属
帯板の両縁を接合する第2工程と、を備えた伝熱管の製
造方法において、上記第1工程で上記金属帯板が上記溝
内へ塑性変形する変形量を抑制することにより、上記突
条に欠肉部を形成することを特徴としている。
【0012】このように構成された本発明では、第1工
程で、溝付ロールの溝内へ金属帯板が塑性変形すること
により、金属帯板に多数の突条を形成することができ
る。続く第2工程では、この金属帯板を突条を内側にし
て管状に湾曲させ、両縁を接合(例えば溶接)すること
により、内面に多数の突条を有する伝熱管を製造するこ
とができる。ここで、本発明では、金属帯板が第1工程
で上記溝内へ塑性変形する変形量を抑制している。この
ため、突条に欠肉が生じ、請求項1または2記載の伝熱
管を製造することができる。また、この突条を形成する
ための圧延は1回だけとすることもできる。従って、本
発明では、突条の倒れ込みがないクロス溝を有し良好な
管内熱伝達率を呈する伝熱管を、容易に製造することが
できる。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項3記載の構
成に加え、上記第1工程で潤滑性の良好な圧延油を用い
ると共に、上記溝付ロールとして小径の溝付ロールを用
いることにより、上記変形量を抑制することを特徴とし
ている。本発明では、第1工程で潤滑性の良好な圧延油
を用いると共に、溝付ロールとして小径の溝付ロールを
用いているので、圧延方向への金属帯板の伸びが促進さ
れる。このため、金属帯板が上記溝内へ塑性変形する変
形量が抑制され、突条に欠肉部が形成される。また、本
発明は、従来の製造方法に対して溝付ロールの径と圧延
油とを変更するだけで実施することができるので、きわ
めて実施が容易である。従って、本発明では、請求項3
記載の発明の効果に加えて、突条の倒れ込みがないクロ
ス溝を有し良好な管内熱伝達率を呈する伝熱管を一層容
易に製造して、その製造コストを一層良好に低減するこ
とができるといった効果が生じる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
と共に説明する。 図1は、本発明が適用された伝熱管
21を製造可能に構成された伝熱管製造装置の構成を、
概略的に表す斜視図である。図1に示すように、本伝熱
管製造装置は、金属帯板1を移送経路に導入するガイド
ロール11と、金属帯板1の一方の表面に多数の突条1
aを形成する溝付ロール13と、突条1aを内面側にし
て金属帯板1を管状に湾曲させる成形ロール群15と、
湾曲により接触した両縁1b,1cを接合する高周波誘
導コイル17およびスクイズロール19とを備えてい
る。
【0015】溝付ロール13は比較的小径に構成されて
おり、外周面には、多数の溝13aが螺旋状に形成され
ている。このため、ガイドロール11を介して導入され
た金属帯板1を溝付ロール13を用いて圧延すると、溝
13a内へ金属帯板1が塑性変形し、金属帯板1に斜め
に配設された多数の突条1aを形成することができる。
成形ロール群15は、この金属帯板1を突条1aを内側
にして管状に湾曲させ、金属帯板1の両縁1b,1cを
接触させる。続いて、この金属帯板1が高周波誘導コイ
ル17まで導入されると、高周波誘導コイル17はスク
イズロール19との共働により両縁1b,1cを高周波
溶接法によって接合し、この結果、内面に多数の突条2
3(図2)を有する伝熱管21が得られる。
【0016】本願出願人は、溝付ロール13の径、およ
び、その溝付ロール13による圧延工程で用いられる圧
延油を適宜設定することにより、従来のクロス溝を有す
る伝熱管より優れた管内熱伝達率を呈する伝熱管21を
製造することができることを発見した。これは、上記設
定により溝13a内へ金属帯板1が塑性変形する変形量
が抑制され、金属帯板1の突条1a延いては伝熱管21
の突条23に、欠肉部27(図2)が形成されるためと
考えられる。この欠肉部27は、以下の実験から明らか
なように、従来の伝熱管のクロス溝部と同等以上に管内
熱伝達率の向上に対する効果を奏する。すなわち、本製
造方法では、きわめて管内熱伝達率の優れた伝熱管21
を、1回の圧延工程で容易に製造することができるので
ある。
【0017】
【実施例】次に、上記製造方法を具体的に実施した実施
例を示す。本実施例では、金属帯板1として、厚さ0.
7mm、幅30mmのリン脱酸銅(C1220−O)の
帯板を使用した。また、溝付ロール13としては、外径
50mmの合金工具鋼(SKD11)製の円柱体で、図
1に示したように、溝付ロール13の外周面には溝13
aが螺旋状に形成されたものを使用した。なお、溝13
aは、リード角79°で深さ0.24mmのものが、金
属帯板1の幅当りに55列形成されている。更に、圧延
油としては粘度4.0cStの鉱油を使用した。
【0018】このようにして製造された伝熱管21内面
のSEM(scanning electron mi
croscope=走査電子顕微鏡)像を図2に示す。
図2に示すように、金属帯板1が溝13a内へ塑性変形
した部分が、突条23となって伝熱管21内面に形成さ
れている。また、突条23に挟まれた部分は本溝(一次
溝)25となっている。更に、突条23には、随所に欠
肉部27が形成されている。この欠肉部27は、全ての
突条23に不規則に形成されているものの、その間隔に
大きなばらつきはなく、最長の間隔が最短の間隔の5倍
に満たない程度となっている。この欠肉部27が伝熱管
21でクロス溝部として作用するものと考えられる。ま
た、この欠肉部27の形成には良好な再現性が見られ
た。
【0019】次に、圧延油の粘度を変更して同様の実験
を行った。結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1に示すように、溝付ロール13の径を
50mmとした場合、圧延油の粘度を3.0cStまた
は5.0cStとしても欠肉部27を形成することがで
きた。すなわち、クロス溝を有する伝熱管21を製作す
ることができた。また、溝付ロール13の径を100m
mとした場合は、圧延油の粘度を5.0cStとした場
合にのみ欠肉部27が形成可能で、溝付ロール13の径
を150mm以上とした場合は圧延油の粘度をどのよう
に設定しても欠肉部27が形成できなかった。
【0022】このように、潤滑性の良好な(粘度の高
い)圧延油を用いると共に溝付ロール13として小径の
溝付ロールを用いることにより、欠肉部27を形成する
ことができた。これは、溝付ロール13の接触弧長を短
くすると共に潤滑性の優れた圧延油を使用することによ
り、圧延方向への金属帯板1の伸びを促進し、溝13a
内への金属帯板1の塑性変形(流れ込み)を抑制し、突
条1aが欠肉部を有する不連続なものとなるためと考え
られる。
【0023】続いて、図1に示したものと同様の伝熱管
製造装置を使用して、欠肉部27を生じないように製造
した従来の伝熱管(いわゆる螺旋溝を有する伝熱管)、
および、圧延方向に平行な溝を有する他の溝付ロールを
溝付ロール13の下流に配設し、その溝付ロールによっ
てクロス溝部E(図3)を形成した従来の伝熱管(いわ
ゆるクロス溝を有する伝熱管)をそれぞれ製造し、上記
実施例の伝熱管21と比較した。先ず、製品としての伝
熱管の規格を表2に示す。表2において、比較例Aは後
者のクロス溝の伝熱管、比較例Bは前者の螺旋溝の伝熱
管を示している。なお、実施例の伝熱管21では、欠肉
部27が不規則に存在するため支溝の深さ,リード角,
および条数は測定不能であった。但し、表2に示すよう
に、溝幅(すなわち欠肉部27の幅)は0.02〜0.
04mmの範囲に収まった。
【0024】
【表2】
【0025】比較例Aの管内面のSEM像を図3に示
す。図3に示すように、管内面には溝付ロール13の溝
13aによって突条123が形成されている。また、支
溝は線分A−A′と線分B−B′との間に配設されてい
る。突条123が支溝と交差する部分には、突条123
が完全に倒れ込んだ部分Cや、突条123が傾斜した部
分Dが形成されているのが判る。これは、比較例Aでは
突条123を支溝の位置で押し潰すことによってクロス
溝部Eを形成しているので、突条123に倒れ込みが発
生したものと考えられる。
【0026】続いて、上記実施例および比較例に対し
て、次の蒸発試験および凝縮試験を行い、管内熱伝達率
を比較した。図4は蒸発試験および凝縮試験に使用した
試験装置の構成を概略的に表すブロック図であり、
(A)は蒸発試験に使用した状態を、(B)は凝縮試験
に使用した状態を、それぞれ表している。
【0027】図4に示すように、この試験装置は伝熱管
21が挿入されるテストセクション31と、エバポレー
タ33,コンプレッサ35,およびコンデンサ37を直
列に接続した冷凍サイクル39とを備えており、蒸発試
験では伝熱管21をコンデンサ37下流とエバポレータ
33上流との間に、凝縮試験では伝熱管21をコンプレ
ッサ35下流とエバポレータ33上流との間に、それぞ
れ接続して使用される。また、テストセクション31
は、水が供給される入口31aと水が排出される出口3
1bとを備えた容器として構成され、伝熱管21内を流
動する冷媒を水によって加熱(蒸発試験の場合)または
冷却(凝縮試験の場合)するものである。また、各部に
おける上記流体の圧力,温度,流量等は、表3に示すよ
うに設定されている。なお、表3において、伝熱管内側
流体とは前述の冷媒を、シェル側流体とは前述の水を、
それぞれ表している。
【0028】
【表3】
【0029】以上の蒸発試験および凝縮試験により測定
した実施例および比較例の管内熱伝達率を図5に示す。
なお、図5(A)は蒸発試験における管内熱伝達率の測
定結果を、図5(B)は凝縮試験における管内熱伝達率
の測定結果を、それぞれ表している。比較例Aが比較例
Bに対して優れた管内熱伝達率を呈しているのは、クロ
ス溝部Eを設けたことにより伝熱面積が増加し、また、
クロス溝部Eが気泡発生の起点となると共に管内面が粗
面化されて乱流が発生し易くなるためである。実施例の
伝熱管21は、蒸発試験,凝縮試験のいずれにおいて
も、比較例A,Bをはるかに凌ぐ優れた管内熱伝達率を
呈した。これは、欠肉部27がクロス溝部として機能
し、しかも、突条123を押し潰してクロス溝部Eを形
成した比較例Aとは異なり、突条23の倒れ込みがない
ためと考えられる(図2,3参照)。
【0030】特に、伝熱管21の製造方法は比較例Bの
製造方法と殆ど同じであり、溝付ロール13の径および
圧延油の粘度が異なるのみで、1回の圧延で製造するこ
とができる。すなわち、溝付ロール13の他にも溝付ロ
ールを設けて金属帯板1を2回圧延した比較例Aと比べ
てもきわめて製造が容易であり、伝熱管21の製造コス
トも良好に低減することができる。にも関わらず、伝熱
管21は、比較例Bに比べて、蒸発試験では約1.4倍
の、凝縮試験では約1.2倍のきわめて優れた管内熱伝
達率を呈した。これは、欠肉部27により伝熱面積が増
加し、欠肉部27が気泡発生の起点となると共に管内面
が粗面化されて乱流が発生し易くなり、更に、突条23
の倒れ込みがなく冷媒の流れが阻害されないためと考え
られる。
【0031】以上説明したように、伝熱管21は突条2
3の倒れ込みがなく、きわめて良好な管内熱伝達率を呈
すると共に、その製造も容易で製造コストを良好に低減
することができる。特に、その製造方法においては、従
来のいわゆる螺旋溝の伝熱管とほぼ同様の製造方法にて
製造できるといった、きわめて顕著な効果が生じる。
【0032】なお、本発明は上記実施の形態になんら限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の形態で実施することができる。例えば、上記実
施例の伝熱管21では、全ての突条23に欠肉部27が
形成され、その間隔も最長の間隔が最短の間隔の5倍に
満たない程度となっているが、欠肉部27の存在しない
突条23が部分的に含まれたり、欠肉部27の間隔が更
に大きくばらついていても、欠肉部27はクロス溝部と
しての一応の作用・効果を生じ、良好な管内熱伝達率を
呈する。但し、伝熱管21のように全ての突条23に欠
肉部27が形成され、その間隔が所定範囲内に収まる場
合、欠肉部27がクロス溝部としての作用・効果を充分
に生じ、きわめて良好な管内熱伝達率を呈する。
【0033】また、突条23のリード角も種々変更する
ことができる。例えば、伝熱管21の軸方向に平行なリ
ード角0°の突条23を設けてもよく、伝熱管21の軸
線を含む面に対して対称なリード角を有する突条23を
設けてもよい。このような伝熱管21は、溝付ロール1
3として、圧延方向に平行な溝13aを備えたもの、ま
たは軸線に垂直な面に対して対称に形成された溝13a
を備えたものを用いて製造される。この場合も、欠肉部
27はクロス溝部としての作用・効果を伝熱管21と同
様に生じ、良好な管内熱伝達率を呈する。
【0034】更に、上記実施の形態では、溶接による製
造方法で伝熱管21を製造しているが、前述の転造によ
る製造方法によっても本発明の伝熱管を製造することが
考えられる。例えば、溝付プラグとして小径のものを使
用し、潤滑油の粘度を適切に設定することにより、伝熱
管21と同様の伝熱管を製造できることが予測される。
すなわち、金属管が溝付プラグの溝内へ塑性変形する変
形量を抑制して、突条23に欠肉部27を形成できるこ
とが理論的に充分予測される。更に、いずれの製造方法
においても、上記変形量を抑制するために他の方法を用
いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した伝熱管製造用の伝熱管製造装
置の構成を表す斜視図である。
【図2】その伝熱管製造装置で製造した伝熱管内面のS
EM像を表す模式図である。
【図3】比較例の伝熱管内面のSEM像を表す模式図で
ある。
【図4】蒸発試験,凝縮試験に使用した試験装置の構成
を表すブロック図である。
【図5】その試験により測定した実施例,比較例の管内
熱伝達率を表す説明図である。
【符号の説明】
1…金属帯板 13…溝付ロール 13a…溝
15…成形ロール群 17…高周波誘導コイル 21…伝熱管 23…突
条 27…欠肉部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に多数の突条が形成された伝熱管に
    おいて、 上記突条に欠肉部を設けたことを特徴とする伝熱管。
  2. 【請求項2】 上記欠肉部が、上記各突条に所定範囲内
    の間隔で形成されたことを特徴とする請求項1記載の伝
    熱管。
  3. 【請求項3】 多数の溝が形成された溝付ロールにより
    金属帯板を圧延し、該金属帯板に多数の突条を形成する
    第1工程と、 該第1工程により上記多数の突条が形成された金属帯板
    を、上記突条を内側にして管状に湾曲させ、該湾曲によ
    り接触した上記金属帯板の両縁を接合する第2工程と、 を備えた伝熱管の製造方法において、 上記第1工程で上記金属帯板が上記溝内へ塑性変形する
    変形量を抑制することにより、上記突条に欠肉部を形成
    することを特徴とする伝熱管の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記第1工程で潤滑性の良好な圧延油を
    用いると共に、上記溝付ロールとして小径の溝付ロール
    を用いることにより、上記変形量を抑制することを特徴
    とする請求項3記載の伝熱管の製造方法。
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