JPH10287979A - Cvd装置、及び選択cvd方法 - Google Patents

Cvd装置、及び選択cvd方法

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JPH10287979A
JPH10287979A JP11526897A JP11526897A JPH10287979A JP H10287979 A JPH10287979 A JP H10287979A JP 11526897 A JP11526897 A JP 11526897A JP 11526897 A JP11526897 A JP 11526897A JP H10287979 A JPH10287979 A JP H10287979A
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JP
Japan
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gas
vacuum chamber
substrate
cvd
containing silicon
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JP11526897A
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English (en)
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Masanori Uematsu
正紀 植松
Koji Sogabe
浩二 曽我部
Shigefumi Itsudo
成史 五戸
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Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 選択性の破れを防止できるCVD装置、選択
CVD方法を提供する。 【解決手段】 CVD装置2の真空槽10内にシリコン
ゴム9を配置し、配線材料の原料ガスを導入して選択C
VD反応を行う際に露出させておく。シリコンゴム9か
ら放出された吸着性の化合物ガスにより、選択性の破れ
が抑制される。シリコンゴムが劣化した場合、酸化性ガ
ス雰囲気に置くと、活性化させることができる。クリー
ニング用ガスを導入してプラズマを発生させる際に、シ
リコンゴムがクリーニング用ガスに曝されないようにし
ておいてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上の絶縁性物
質薄膜に形成された微細な溝や穴内に配線材料を選択的
に析出させ、配線を形成するCVD装置、及び選択CV
D方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タングステン(W)やモリブデン(Mo)等
の高融点金属は、アルミニウム(Al)に比べるとエレク
トロマイグレーションやストレスマイグレーションに対
する耐性が高いことから、近年では、シリコンウェハー
等の基板内に形成された素子間を電気的に接続し、集積
回路を構成するための配線材料として使用されている。
【0003】そのような配線材料の薄膜を形成する場合
には、予め、基板上の絶縁性物質薄膜に配線用の溝や穴
を形成しておき、基板表面にグルー層を全面成膜した後
CVD装置内に搬入し、高温に加熱した状態で配線材料
の原料ガスを導入し、グルー層表面に配線材料を析出さ
せ、基板をCVD装置内から搬出した後、溝や穴以外の
部分に析出した配線材料を除去するため、RIE装置等
を使用してエッチバックを行い、溝や穴内に配線を形成
している。
【0004】このように、配線材料薄膜を基板表面に一
旦全面成膜するCVD方法は、ブランケットCVD方法
と呼ばれており、一般的に、グルー層には窒化チタン薄
膜が用いられ、配線材料がタングステン薄膜である場合
には、原料ガスには例えば六フッ化タングステンガスと
モノシランガス(還元性ガス)とが用いられている。
【0005】しかしながらブランケットCVD方法は工
程数が多いという欠点があり、グルー層の全面成膜を行
う工程と、配線材料薄膜のエッチバックを行う工程とを
省略したいという要求がある。
【0006】そこで近年では、図3(a)に示すように、
シリコン単結晶104上に絶縁性物質薄膜102が成膜
された基板101を用い、その表面に配線を形成する
際、絶縁性物質薄膜102の溝103の底部の、下層に
存する導電性物質薄膜やシリコン単結晶104の表面を
露出させ、CVD装置内で基板101を比較的低温にし
た状態で、配線材料の原料ガスを導入し、図3(b)に示
すように、溝103底部にだけ配線材料薄膜105を選
択的に析出させ、溝103を配線材料で埋め込む選択C
VD方法が注目されている。この選択CVD方法によれ
ば、グルー層の形成やエッチバックが不要なことから、
低コスト、高歩留まりのプロセス技術として期待されて
いる。
【0007】しかし、このような選択性は、溝底部に露
出する導電性物質表面における配線材料の析出速度と、
絶縁性物質表面における析出速度の相違によって得られ
ているため、絶縁性物質薄膜102の表面に活性点が存
在した場合には、その部分に配線材料が析出し、島状の
析出物106が発生してしまう。
【0008】このような、絶縁性物質表面に配線材料が
析出する現象は“選択性の破れ”と呼ばれており、特
に、配線材料薄膜を厚く形成する場合に生じ易い。絶縁
性物質表面に不要な配線材料薄膜が多数析出してしまっ
た場合には、エッチバックを行うことが必要になり、選
択CVD方法の利点が失われてしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の不都合を解決するために創作されたもので、その目
的は、選択性の破れの発生を防止できるCVD装置、及
び選択CVD方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は、上
記課題を解決するため選択CVD方法の研究を行ったと
ころ、真空槽内に配線材料の原料ガスを導入し、金属薄
膜やシリコン基板等の導電性物質表面に配線材料薄膜を
選択的に成長させる際、予め真空槽内にシリコンゴム
(本発明では「シリコーンゴム」と同義とする)等の珪素
を含む高分子物質を配置しておくと、選択性の破れを抑
制できることを見出した。
【0011】本発明は上記知見に基づいて創作されたも
のであり、その請求項1に記載された発明は、真空槽を
有し、導電性物質と絶縁性物質とが表面に露出した基板
を前記真空槽内に配置し、前記基板を所定温度に加熱し
た状態で前記真空槽内に原料ガスを導入すると、前記導
電性物質表面に選択的に配線材料を析出させられるよう
に構成されたCVD装置であって、前記真空槽内には、
珪素を含む高分子物質が配置され、前記配線材料を析出
させる際に、前記珪素を含む高分子物質が前記真空槽内
に露出するように構成されたことを特徴とする。
【0012】この請求項1記載のCVD装置について
は、請求項2記載の発明のように、前記珪素を含む高分
子物質は前記真空槽内から隔離できるように構成すると
よい。
【0013】前記珪素を含む高分子物質については、請
求項3記載の発明のように、例えばシリコンゴムを用い
ることができる。
【0014】他方、請求項4記載の発明は、CVD装置
の真空槽内に、導電性物質と絶縁性物質とが表面に露出
した基板を配置し、前記基板を所定温度に加熱して前記
真空槽内に原料ガスを導入し、前記導電性物質表面に選
択的に配線材料を析出させる選択CVD方法であって、
前記真空槽内に珪素を含む高分子物質を配置し、前記配
線材料を析出させる際に、前記真空槽内に前記珪素を含
む高分子物質を露出させることを特徴とする。
【0015】この場合、請求項5記載の発明のように、
前記原料ガスを導入する前に、前記真空槽内に酸化性ガ
スを導入し、前記珪素を含む高分子物質が露出した状態
で所定時間放置するとよい。
【0016】その酸化性ガスについては、請求項6記載
の発明のように、六フッ化タングステンガスを用いるこ
とができる。析出させたい配線材料がタングステンであ
る場合、六フッ化タングステンガスはその原料ガスなの
で、酸化性ガスのための特別な設備が不要になる。
【0017】以上説明した請求項4から請求項6に記載
された選択CVD方法では、請求項7記載の発明のよう
に、前記珪素を含む高分子物質について、シリコンゴム
を用いることができる。
【0018】ところで、六フッ化タングステンガスとモ
ノシランガスとを原料ガスにしてタングステン薄膜を成
長させる場合を例にすると、選択CVDが行われる際に
は、基板上の導電性物質表面で、 WF6+(3/2)SiH4 → W+(3/2)SiF4↑+
3H2 の還元反応が生じていると考えられている。
【0019】より詳細には、その還元反応は、先ず、モ
ノシランガスが導電性物質表面と接触し、そこで電子の
授受が行われ、モノシランガスが解離し、その際発生す
る活性な水素によって六フッ化タングステンガスが還元
され、タングステンの析出が行われる。
【0020】従って、電子の授受が行われる活性点が多
いほどタングステンは析出し易く、また、析出したタン
グステンが“核”となり、その部分にタングステン薄膜
が成長するので、核の発生速度が速いほどタングステン
薄膜の成長速度は速いことになる。
【0021】一般に、自由電子は導電性物質表面には多
く存在するのに対し、絶縁性物質表面には殆ど存在しな
いため、電子の授受は導電性物質表面では活発に行われ
るが、絶縁性物質表面では行われずらい。従って、導電
性物質表面では、配線材料薄膜の成長に必要な“核”の
発生速度が速いのに対し、絶縁性物質表面では遅い。こ
のような核の発生速度の相違が選択性を付与していると
考えられる。
【0022】上述したように、本発明では、珪素を含む
高分子物質として、例えばシリコンゴム[主鎖がオルガ
ノシロキサン結合 −(SiR2O)n− から成る合成ゴ
ム]が真空槽内に配置されており、配線材料を析出させ
る際に、そのシリコンゴムが真空槽内に露出するように
している。
【0023】高分子物質が真空雰囲気に置かれた場合、
有機化合物ガスや無機化合物ガスが放出されることが知
られており、そのため、真空槽内では高分子物質は露出
しないようにするのが普通である。
【0024】本発明はそのような常識を覆すものであ
り、選択CVD反応を行ったときの選択性の破れが少な
くなるのは、シリコンゴム等の珪素を含む高分子物質か
ら放出される吸着性の化合物ガスが、基板上の絶縁性物
質表面に少数存在する活性点と結びつき、その活性点が
不活性化されて絶縁性物質表面での核発生速度が遅くな
り、その結果、配線材料薄膜の成長が抑制されるためと
考えられる。
【0025】他方、導電性物質表面では活性点は非常に
多数存在するため、吸着性の化合物ガスが導電性物質表
面の活性点と結びついても、不活性化されない活性点は
多数残存する。従って、導電性物質表面では核発生速度
はそれ程低下せず、配線材料薄膜の成長速度の低下も微
小である。
【0026】ところで、CVD装置は一般に、基板の処
理枚数が多くなると配線材料が真空槽の壁面に付着し、
剥離するとダストとなり、歩留まりを低下させてしまう
という問題がある。従って、所定枚数を処理する毎に、
真空槽内にクリーニング用ガスを導入し、プラズマを発
生させ、壁面に付着した配線材料をガス化させて除去す
る必要がある。
【0027】この場合、シリコンゴム等の珪素を含む高
分子物質が露出したままクリーニング用ガスを導入する
と、シリコンゴムの表面が劣化するため、選択性の破れ
を防止する効果が低下してしまうことが分かった。
【0028】そこで、真空槽内にクリーニング用ガスを
導入し、そのプラズマを発生させる際には、珪素を含む
高分子物質を真空槽内から隔離し、表面がプラズマに曝
されないようにするとよい。
【0029】また、表面がプラズマに曝されたり、多数
の基板を処理した場合等、珪素を含む高分子物質が劣化
した場合には、真空槽内に酸化性ガスを導入すると、そ
の表面状態が回復し、長期間に亘って選択性の破れ防止
の効果を発揮させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態のCVD装置
を、選択CVD方法の発明と共に図面を用いて説明す
る。
【0031】図1を参照し、符号2は、本発明の一実施
形態のCVD装置であり、真空槽10を有している。
【0032】その真空槽10は、それぞれ金属材料で構
成された容器部11、蓋部12と、絶縁性物質で構成さ
れた絶縁物13を有しており、容器部11と蓋部12と
は、絶縁物13を介して、電気的に絶縁された状態で気
密に固定されている。容器部11の底壁には排気口14
が設けられており、図示しない真空ポンプを起動する
と、真空槽10内を真空排気できるように構成されてい
る。
【0033】容器部11の底壁上には、内部に冷却水循
環経路44を有するリング状のアルミブロック4が設け
られ、そのアルミブロック4上には、ヒータ5とその表
面の石英薄板6とで構成された基板ステージ3が配置さ
れ、ヒータ5と容器部11の底壁との間には、空間17
が形成されている(アルミブロック4の中央部分)。
【0034】空間17内には、上下移動可能に構成され
た基板昇降機構16が配置されており、ヒータ5と石英
薄板6とに設けられた貫通孔の中に、基板昇降機構16
のピン18が挿入されている。
【0035】基板昇降機構16によって基板7の受け渡
しを行う場合、ピン18を下方に移動させて貫通孔中に
収納しておき、その状態で、図示しない基板搬送機構に
よって基板7を真空槽10内に搬入し、基板ステージ3
の上方に位置させる。次いで、基板昇降機構16を動作
させ、ピン18を上方に移動させ、貫通孔から突き出さ
せ、ピン18の先端に基板7を乗せる。その後、基板搬
送機構をピン18の間から退避させ、基板昇降機構16
を下方に移動させると、ピン18先端に乗せられた基板
7は石英薄板6上に受け渡され、基板7は基板ステージ
3上に載置される。
【0036】基板ステージ3の周囲には幅広の防着板1
9が配置され、その上部に体積10cm3のシリコンゴ
ム9が固定されている。
【0037】蓋部12にはガス管21の一端が接続され
ており、その他端は3本のガス管211、212、213
に分岐され、各ガス管211〜213には、バルブ221
〜223がそれぞれ設けられている。一般的に、配線材
料の原料ガスは、配線材料を含む酸化性ガスと、その酸
化性ガスから配線材料を析出させる還元性ガスとで構成
されており、ここでは、その酸化性ガスとして六フッ化
タングステンガスが用いられ、還元性ガスとしてモノシ
ランガスが用いられている。
【0038】分岐した1本目のガス管211の先端部分
には、マスフローコントローラ231を介して、六フッ
化タングステンガスが充填されたガスボンベに接続され
ており、2本目のガス管212の先端部分は、マスフロ
ーコントローラ232を介して、モノシランガスが充填
されたガスボンベに接続されている。また、3本面のガ
ス管213の先端は、マスフローコントローラ233を介
して、クリーニング用ガス(F2ガス5%、Arガス95
%)が充填されたガスボンベに接続されている。
【0039】このCVD装置2では、真空槽10内に配
線材料の原料ガスを導入し、選択CVD反応を行うと、
真空槽10の壁面上にも配線材料が析出してしまい、基
板の処理量が増加すると、その配線材料薄膜が厚く形成
され、剥離するとダストになってしまう。従って、ダス
トが発生する前に、例えば基板を所定枚数処理する毎に
真空槽10内のクリーニングを行う必要がある。
【0040】その場合のクリーニング方法は、先ず、各
バルブ211〜213を閉状態にしておき、排気口14か
ら真空槽10内を真空排気する。真空槽10内が所定真
空度に達した後、バルブ223を開状態にし、マスフロ
ーコントローラ233で流量制御しながら真空槽10に
向けてクリーニング用ガスを流す。
【0041】真空槽10の蓋部12内にはシャワー機構
41が設けられており、クリーニング用ガスはそのシャ
ワー機構41内に一旦導入され、シャワー機構41に多
数設けられた孔から真空槽10内に均一に散布される。
【0042】真空槽10の容器部11は接地電位に接続
され、蓋部12はRF電源に接続されており、真空排気
しながら容器部11と蓋部12との間にRF電圧を印加
すると真空槽10内にクリーニング用ガスのプラズマが
発生する。
【0043】そのプラズマによって、クリーニング用ガ
スと真空槽10の壁面に付着した配線材料とが化学反応
し、配線材料がガス化し、排気口14から真空槽10外
に排出される。
【0044】所定時間のクリーニング後、RF電圧の印
加を終了させ、プラズマの発生を停止させると共に、バ
ルブ223を閉じ、真空槽10内へのクリーニング用ガ
スの導入を停止させる。
【0045】このようなクリーニングを行うとシリコン
ゴム9の表面が劣化するため、真空排気した状態でバル
ブ221を開け、マスフローコントローラ231によって
流量制御しながら真空槽10内に六フッ化タングステン
ガス(酸化性ガス)を導入し、所定時間(10分〜20分
間程度)その状態を維持する。
【0046】その後、バルブ221を閉じ、六フッ化タ
ングステンガスの導入を停止し、真空槽10が所定圧力
まで真空排気された後、上述のように基板7を真空槽1
0内に搬入し、基板ステージ3上に載置する。
【0047】このとき、予めヒータ5に通電し、基板ス
テージ3を予備加熱しておく。基板7が220℃に加熱
されたところで、バルブ221、222を開け、減圧雰囲
気下で基板7表面に六フッ化タングステンガスとモノシ
ランガスとを、それぞれ30sccm、21sccmの流量で散
布する。
【0048】この基板7は8インチのシリコンウェハー
であり、その表面には絶縁性物質であるSiO2薄膜が
形成されている。SiO2薄膜には、底面に導電性物質
であるシリコン単結晶が露出した溝や孔が形成されてお
り、シリコンゴム9から化合物ガスが放出された状態で
CVD反応が行われると、シリコン単結晶の表面に、タ
ングステンから成る配線材料が選択的に析出する。
【0049】なお、基板7表面で選択CVD反応が行わ
れている間、容器部11の底壁に設けられたパージガス
導入口45から基板7裏面に向けてパージガスが噴出さ
れており、基板ステージ3の周囲に配置された防着板1
9によって、基板7と基板ステージ3の周囲では、その
バージガス濃度が高くなるように構成されている。従っ
て、基板7表面では配線材料が選択的に析出するが、基
板7裏面や基板ステージ3の表面や周囲では配線材料は
析出しない。
【0050】選択CVD反応を所定時間行った後、基板
7を真空槽10外に搬出し、ダストカウンターを用いて
SiO2薄膜表面に発生した析出物の数をカウントし
た。シリコンゴム9を用いない場合には、析出物の個数
は数万個程度になるのに対し、シリコンゴム9を用いた
場合には、放出された吸着性の化合物ガスにより選択性
の破れは抑制されており、析出物の個数は数十個であっ
た。なお、このときのタングステン薄膜の成長速度は3
00nm/minであった。
【0051】次に、本発明の他の実施形態を説明する。
図2を参照し、符号2'は、本発明の一例のCVD装置
であり、上述のCVD装置2と同じ部材には同じ符号を
付して説明を省略する。
【0052】このCVD装置2'では、前述した上部に
シリコンゴム9を有する防着板19に替え、基板ホルダ
ー3の周囲には薄型の防着板46が配置されており、更
に、真空槽10の容器部11には、金属材料で構成され
たゴム用容器8が設けられている。
【0053】ゴム用容器8の内部と真空槽10の内部と
の間には、ゲートバルブ15が設けられており、そのゲ
ートバルブ15を閉じた場合には、ゴム用容器8に設け
られた大気側の扉(図示せず)を開け、ゴム用容器8内に
シリコンゴム9を配置する場合でも、真空槽10内の真
空雰囲気は維持されるように構成されている。
【0054】このシリコンゴム9は、体積20cm3
ブロック状のものであり、前述の扉を閉じた後、ゲート
バルブ15を開けると、シリコンゴム9が真空槽10内
に露出されるので、配線材料の原料ガスを導入して選択
CVD反応を行う際には、シリコンゴムから化合物ガス
を放出させることができる。
【0055】このような構成のCVD装置2'では、ク
リーニング用ガスを導入して真空槽10の壁面をクリー
ニングする際、ゲートバルブ15を閉じるとシリコンゴ
ム9がクリーニング用ガスに曝されないようにできる。
【0056】他方、クリーニングが終了した場合にはゲ
ートバルブ15を開け、真空槽10内を所定圧力まで真
空排気し後、酸化性ガスを導入するとシリコンゴムを活
性化させることができる。
【0057】このCVD装置2'では、ゴム用容器8は
1個設けられているが、2個設け、シリコンゴム8の交
換作業が効率よく行われるようにしてもよい。また、前
述したCVD装置2、2'のシリコンゴム9の体積は一
例であるが、少なすぎると効果が少なく、多すぎると導
電性物質表面へのタングステンの析出が阻害されてしま
う。他方、選択性の破れを防止しながら配線材料を析出
させるために必要な量は、シリコンゴムの配置場所や温
度、原料ガスとの接触状態等によって変わってくるが、
CVD装置2、2'では、適切な量は100cm3を超え
ないことが確認されている。
【0058】なお、上述のシリコンゴム9は珪素を含む
高分子物質の一例であり、珪素を含み、選択CVD反応
が行われる際に吸着性の化合物ガスを放出し、選択性の
破れが防止できる珪素を含む高分子物質であれば本発明
に含まれる。そのような高分子物質は普通は固体であ
り、本発明も典型的な例として固体のゴム(シリコンゴ
ム)が用いられているが、液状であっても本発明に含ま
れる。
【0059】また、シリコンゴム8を活性化させる際に
用いた六フッ化タングステンガスは酸化性ガスの一例で
あり、本発明はそれに限定されるものではない。
【0060】以上説明した実施形態は、タングステン薄
膜を配線材料に用いる場合であったが、本発明はタング
ステン薄膜を選択的に成長させる場合に限定されるもの
ではない。例えばモリブデン薄膜等、導電性物質表面に
選択的に配線材料を析出させる選択CVD方法について
広く適用することができる。
【0061】タングステン薄膜を成長させる際の原料ガ
スに用いたモノシランガスは還元性ガスの一例であり、
それに限定されるものではない。例えば水素ガス、その
他のガスを用いることができる。必ずしも還元性ガスを
用いる必要はなく、溝や穴の底部に露出するシリコンを
還元剤に用いることもできる。
【0062】また、溝や穴を形成する絶縁性物質の薄膜
はSiO2薄膜に限定されるものではなく、SOG膜、
窒化膜等、種々の絶縁性物質の薄膜が含まれる。
【0063】
【発明の効果】選択性の破れが少なくなるので、エッチ
バック工程が不要になる。珪素を含む高分子物質がクリ
ーニング用ガスに曝されないようにできるので、劣化せ
ず、長期間使用できる。
【0064】劣化した場合でも、真空槽内に酸化性ガス
を導入することにより、真空槽内の真空雰囲気を維持し
たまま活性化させられる。従って、CVD装置の稼働率
が低下することはない。
【0065】酸化性ガスとして原料ガスを用れば、特別
な配管設備は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のCVD装置の一例
【図2】 本発明のCVD装置の他の例
【図3】 (a)、(b):選択性の破れを説明するための
【符号の説明】
2、2'……CVD装置 7……基板 9……シリ
コンゴム(珪素を含む高分子物質) 10……真空槽

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽を有し、導電性物質と絶縁性物質
    とが表面に露出した基板を前記真空槽内に配置し、前記
    基板を所定温度に加熱した状態で前記真空槽内に原料ガ
    スを導入すると、前記導電性物質表面に選択的に配線材
    料を析出させられるように構成されたCVD装置であっ
    て、 前記真空槽内には、珪素を含む高分子物質が配置され、
    前記配線材料を析出させる際に、前記珪素を含む高分子
    物質が前記真空槽内に露出するように構成されたことを
    特徴とするCVD装置。
  2. 【請求項2】 前記珪素を含む高分子物質は前記真空槽
    内から隔離できるように構成されたことを特徴とする請
    求項1記載のCVD装置。
  3. 【請求項3】 前記珪素を含む高分子物質はシリコンゴ
    ムであることを特徴とする請求項1又は請求項2のいず
    れか1項記載のCVD装置。
  4. 【請求項4】 CVD装置の真空槽内に、導電性物質と
    絶縁性物質とが表面に露出した基板を配置し、前記基板
    を所定温度に加熱して前記真空槽内に原料ガスを導入
    し、前記導電性物質表面に選択的に配線材料を析出させ
    る選択CVD方法であって、 前記真空槽内に珪素を含む高分子物質を配置し、前記配
    線材料を析出させる際に、前記真空槽内に前記珪素を含
    む高分子物質を露出させることを特徴とする選択CVD
    方法。
  5. 【請求項5】 前記原料ガスを導入する前に、前記真空
    槽内に酸化性ガスを導入し、前記珪素を含む高分子物質
    が露出した状態で所定時間放置することを特徴とする請
    求項4記載の選択CVD方法。
  6. 【請求項6】 前記酸化性ガスは六フッ化タングステン
    ガスであることを特徴とする請求項5記載の選択CVD
    方法。
  7. 【請求項7】 前記珪素を含む高分子物質にシリコンゴ
    ムを用いることを特徴とする請求項4乃至請求項6のい
    ずれか1項記載の選択CVD方法。
JP11526897A 1997-04-17 1997-04-17 Cvd装置、及び選択cvd方法 Pending JPH10287979A (ja)

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