JP4540144B2 - Cvd法及び真空処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学気相成長法(CVD法)等の成膜処理を行う際に、本来膜を形成したくない部位への膜の付着を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にCVD法によって成膜を行う場合、例えばウェハ等の成膜対象物には、膜を付着させてはならない部位がある。例えば、成膜対象物がウェハである場合には、当該ウェハの周縁部及び裏面がこれに該当する。その理由は、これらの部位が搬送用のカセットや成膜装置、検査測定器等と接触する際に、膜が剥離したり、膜がこれらの機器に付着することによって周辺の雰囲気や機器等が汚染されるおそれがあるからである。
【0003】
従来、ウェハ等の成膜対象物の周辺等への膜の付着を防止する方法としては、(1)成膜対象物の周辺等の膜を付着させたくない部分に膜付着防止用の板状の部材(カバー、マスク等と呼ばれる)を密着させておく方法。
【0004】
(2)成膜対象物の裏面あるいは周辺に不活性ガスを導入し、成膜ガスがウェハの周辺や裏面に回り込むことを防止する方法。
【0005】
(3)成膜対象物の裏面あるいは周辺に導入するガスに、金属ハロゲン化物と反応する活性な電子を有する有機化合物を原料ガスに添加する方法。
【0006】
等が提案されている(例えば、特許第2603909号公報、特開平4−233221号公報、特許第2748881号公報等参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術においては、次のような問題があった。
すなわち、上記(1)の方法のように、膜を付着させたくない部分に板状の部材を密着させておく方法の場合は、板状の部材と成膜対象物の表面に膜が連続的に形成されるので、例えば、成膜対象物をチャンバーから搬出するために上記板状の部材を移動する際にこの膜が破壊され、これによって成膜対象物の表面の必要な膜が剥離したり、ダストが発生するという不都合がある。
【0008】
また、上記(2)の方法は、不活性ガスを成膜ガスと逆方向に流してガス同士を衝突させることにより、本来膜の付着を望まない部位の表面付近へのガスの侵入を防止する方法であり、この方法によれば、上記(1)の方法のような不具合は発生しないが、ガス同士の衝突を適切に制御するためには成膜対象物の周辺部において不活性ガスの流路の寸法を精密に設定する必要があり、しかも、この方法においては不活性ガスの圧力や流量等の条件設定が非常に微妙である。その結果、上記(2)の方法を工業的に使用するには限界があった。
【0009】
上記(2)の方法の具体的な不都合は、次のようなものである。すなわち、不活性ガスの流れによって成膜ガスの侵入を防ぐためには、ガス同士の衝突回数が多いことが必要であるが、そのためにはガスの流路をきわめて狭くするか、または不活性ガスの圧力を高くしなければならない。
【0010】
しかし、このような装置は設計及び製作が困難であるとともに、添加する不活性ガスによって主プロセスの圧力を大きく変えるわけにはいかないので、適用可能なプロセスの圧力が限定されることになる。
【0011】
また、導入する不活性ガスの量が多すぎると、プロセス空間において成膜ガスの流れを乱すので、膜を形成したい部分の膜の厚さが薄くなってしまう。
【0012】
一方、上記(3)の方法のように、金属ハロゲン化物と反応する活性な電子を有する有機化合物を原料ガスに添加する方法の場合は、活性な電子によって金属ハロゲン化物からハロゲンを取り去るので、残された金属が、その近傍の膜を形成しない部位の成膜対象物の表面に析出してしまうという問題がある。
【0013】
また、この方法の場合、多量の有機化合物を導入するため、本来膜を形成したい部分にもその影響が及び、成膜対象物の周縁部分の膜の厚さが薄くなってしまうという問題もある。
【0014】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、成膜対象物の表面に形成される膜に影響を与えることなく、成膜対象物の成膜しない領域への成膜材料の付着を防止しうる成膜材料付着防止方法及び真空処理装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意努力を重ねた結果、成膜対象物の成膜をしない領域に所定のガスを吸着させることによって、成膜対象物の表面に形成される膜に対して影響を与えることなく、成膜対象物の成膜しない領域への成膜材料の付着を防止しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
かかる知見に基づいてなされた本発明方法は、真空中で原料ガスを導入し、成膜対象物の表面における化学反応を利用して当該成膜対象物上に成膜を行うCVD法において、前記原料ガスが導入される前に、分子量が60以上のアルコール類からなる防着用のガスを導入して、当該成膜対象物の非成膜領域の表面に当該防着用のガスを吸着させた状態で当該成膜対象物の成膜領域に成膜材料を成膜することを特徴とするものである。
本発明の場合、当該成膜の際に当該成膜対象物の非成膜領域の表面に対して防着用のガスを当該成膜対象物の周縁から絶えず供給し続けることも効果的である。
本発明では、当該アルコール類が、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、或いはトリエチルシラノールであることも効果的である。
本発明では、当該防着用のガスに不活性ガスが含まれることも効果がある。
本発明では、当該不活性ガスが、アルゴン、或いは窒素である場合にも効果がある。
本発明方法の場合、真空中で原料ガスを導入し、成膜対象物に対してCVD法によって成膜を行う際、前記原料ガスが導入される前に当該成膜対象物の非成膜領域の表面に分子量が60以上のアルコール類からなる防着用のガスを吸着させることによってその表面が原料ガスに対して不活性な(反応しない)物質により覆われるため、当該非成膜領域において反応性物質を吸着することができなくなり、この領域における成膜が妨げられる。
このように、本発明は、成膜対象物の表面に対してガスを吸着させるものであり、また分子量の比較的大きい防着用のガスを用いているため、成膜空間においてガス同士を衝突させ又は反応させる従来技術に比べ、かなり少量のガスで成膜対象物の非成膜領域への成膜材料の付着を確実に防止することができる。
そして、かかる本発明によれば、防着用のガスに不活性ガスが含まれる場合であっても、成膜対象物の表面に形成される膜への不活性ガスの影響はほとんどなく、良質の膜を形成することが可能になる
また、成膜対象物の非成膜領域の表面に一旦吸着した防着用のガスは所定の時間が経過すると成膜対象物の表面から離脱するが、当該成膜対象物の非成膜領域の表面に対して成膜対象物の周縁から防着用のガス絶えず供給すれば、当該成膜の際に成膜対象物の非成膜領域への成膜材料の付着を確実に防止することができる。
特に、熱CVD方法においては、成膜プロセス中に成膜対象物が数100℃以上の高温になり吸着ガス成分が成膜対象物の表面から離脱しやすいため、当該成膜対象物の非成膜領域の表面に対して防着用のガスを絶えず供給することが好ましい。
一方、本発明装置は、処理すべき成膜対象物を収容可能な真空処理槽と、この真空処理槽内に原料ガスを導入する原料ガス導入管と、この真空処理槽内に所定の防着用のガスを導入する防着ガス導入手段と、この防着ガス導入手段によって導入された防着用のガスを上記成膜対象物の非成膜領域の表面に供給する防着ガス供給手段とを備え、上述した防着ガス導入手段が、当該防着用のガスの原料液中において気泡を発生させることによって防着用のガスを発生する防着ガス生成手段を有していることを特徴とする真空処理装置である。
本発明では、当該防着ガス生成手段が、原料液を収容する容器本体、不活性ガスのガス源に接続されるとともに当該容器本体に収容された原料液に先端が浸された気泡発生管、及び当該真空処理槽内に設けられたサセプタと上記容器本体とを連通する防着ガス導入管から構成されている場合にも効果がある。
本発明では、当該防着ガス供給手段が、サセプタ上においてリング状に形成され、当該リングの中心側の縁部にはひさし部が形成されている場合にも効果がある。
本発明装置によれば、上述した方法を容易に、かつ、効率的に実施することができ、しかも、簡素な構成の真空処理装置が得られる。
また、本発明では、防着ガス導入手段が、当該防着用のガスの原料液中において気泡を発生させることによって防着用のガスを生成する防着ガス生成手段を有していることから、防着用のガスの導入量の微調整を容易に行うことができ、これにより最適の条件で成膜を行うことが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る成膜材料付着防止方法及び真空処理装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は、本発明に係る真空処理装置の一実施の形態であるCVD装置の概略構成を示す断面図、図1(b)は、図1(a)の一点鎖線で示した部分Pの拡大図である。
【0018】
図1(a)(b)に示すように、本実施の形態のCVD装置(真空処理装置)1は、図示しない真空ポンプに接続された真空処理槽2を有し、この真空処理槽2内に原料ガス導入管20、21を介して例えば2種類の原料ガスA、Bを導入するように構成されている。
【0019】
真空処理槽2の下部には、成膜対象物3を支持するためのサセプタ4が設けられている。このサセプタ4は、真空処理槽2の底面に取り付けられるサセプタ本体5と、サセプタ本体5上に取り付けられる防着部材6とから構成される。そして、サセプタ本体5の上部には、静電チャック7を収容可能な形状の収容凹部50が設けられている。
【0020】
図2(a)は、本実施の形態に用いられる成膜対象物の成膜領域と非成膜領域を示すための平面説明図、図2(b)は、同成膜対象物の成膜領域と非成膜領域を示すための正面説明図である。
【0021】
本発明の場合、成膜対象物3としては、例えば、シリコンウェハ、ガラス基板、金属基板等の種々のものが含まれる。
【0022】
図2(a)(b)に示すように、本実施の形態においては、成膜対象物3の表面の中央部分が成膜すべき領域(以下「成膜領域」という。)3aとなっており、成膜対象物3の周縁部と側面が、成膜しない領域(以下「非成膜領域」という)3bとなっているものとする。
【0023】
図1(b)に誇張して示すように、本実施の形態のサセプタ本体5は、収容凹部50に収容された静電チャック7の底面7a及び側面7bとサセプタ本体5の底面5a及び内壁面5bとの間に所定の間隔の隙間が形成されるように構成されている。
【0024】
一方、防着部材6は、その外径がサセプタ本体5の上側端部と同一の幅のリング形状に形成され、そのリングの中心側の縁部には、サセプタ本体5の底面5aと平行な反射供給面60を有するひさし部6aが膨出形成されている。
【0025】
後述するように、このひさし部6aは、成膜対象物3の表面の非成膜領域3bに対して成膜材料の付着を防止するとともに、真空処理槽2内に導入された防着用のガス(以下「防着ガス」という。)9を成膜対象物3の表面の非成膜領域3bに導くためのものである。
【0026】
なお、静電チャック7の内部には、成膜対象物3を加熱するためのヒーター8が設けられており、このヒーター8は、図示しない電源に接続され所定の温度に制御できるようになっている。
【0027】
一方、図1(a)に示すように、真空処理槽2の外部の例えば真空処理槽2の下方には、真空処理槽2内に所定の防着ガス9を導入する防着ガス導入手段10が配設されている。
【0028】
この防着ガス導入手段10は、防着ガス9を生成するための防着ガス生成手段11を有している。そして、本実施の形態においては、この防着ガス生成手段11によって生成された防着ガス9を、防着ガス導入管12及びサセプタ本体5に設けられた防着ガス導入孔51を介して真空処理槽2内に導入するように構成されている。
【0029】
図3は、本実施の形態におけるサセプタ本体を示す平面図である。
図3に示すように、本実施の形態にあっては、サセプタ本体5に複数の防着ガス導入孔51が設けられている。これらの防着ガス導入孔51は、サセプタ本体5の底面5aの周縁部に一定の間隔をおいて配設されている。
【0030】
また、図1(b)及び図2に示すように、各防着ガス導入孔51は、防着部材6のひさし部6aの内縁端部61より半径方向外方側の部位に設けられている。ただし、各防着ガス導入孔51は、防着部材6のひさし部6aの内縁端部61より半径方向内方側に設けてもよい。
【0031】
図1(a)に示すように、防着ガス生成手段11は、防着ガス9に含まれる吸着成分(吸着ガス成分)9aの原料液90を密封状態で収容可能な容器本体13と、この容器本体13に収容された原料液90中において気泡を発生させるための気泡発生管14とを有している。
【0032】
この気泡発生管14は、例えば、アルゴン(Ar)、窒素( 2 )等の不活性ガス30を充填したガス源(図示せず)に接続されるとともに、その先端部が容器本体13内の原料液90中に浸され、これにより容器本体13内の原料液90中に所定量の不活性ガス30を導入して当該原料液90中に気泡を発生させるようになっている。
【0033】
ところで、一般にCVDによる成膜は成膜対象物3の表面における化学反応を利用しているため、成膜対象物3の表面が不活性な物質で覆われていると、反応性物質を吸着することができず、成膜が妨げられる。この場合、成膜対象物3の表面への気体の吸着は、温度が低く、また概略的には気体の分子量が大きいほど吸着確率が大きく、離脱するまでの平均時間が長い。
【0034】
したがって、本発明に使用される防着ガス9としては、そのガス中に含まれる不活性ガスを除いた分子の一端側の部分が電気異方性を持つなどの性質を有することによりシリコンウェハ等の成膜対象物3の表面に吸着しやすく、他端側の部分が不活性で原料ガスA、Bと反応しない吸着成分9aを含むを用いることが好ましい。
【0035】
また、防着ガス9の吸着成分9aとしては、成膜対象物3の成膜領域3aにおける膜形成の確保及び取り扱いの容易さの観点から、分子量が適度に大きく、かつ、その原材料が常温で液体のものを用いることが好ましい。
【0036】
本発明の場合、好ましい防着ガス9の吸着成分9aの分子量は、60以上であり、さらに好ましくは60〜160である。
【0037】
防着ガス9の吸着成分9aの分子量が60より小さいと、所望の効果を得るために多量の防着ガス9を導入しなければならず、これによりプロセス空間における原料ガスA、Bの流れが乱されて本来の成膜領域3aにまで膜が形成されなくなってしまうという不都合がある。
【0038】
一方、分子量が大きすぎる物質は、常温で固体であるため、真空処理槽2内への導入手段の構成が複雑になるという不都合がある。
【0039】
このような性質を有する物質は、電気的に異方性を示す有機物中に存在し、例えば、比較的分子量の大きいアルコール類があげられる。
【0040】
この場合、取り扱いが容易で十分な効果の得られるアルコールとしては、例えば、イソプロピルアルコール(2-プロパノール: 3 7 OH)、ブチルアルコール( 4 9 OH)、トリエチルシラノール(Si(CH 3 ) 3 OH)、Si 2 (CH 3 ) 5 OH等があげられる。
【0041】
本実施の形態において成膜処理を行う場合には、まず、図1(a)に示すように、成膜対象物3を所定位置にセットして真空処理槽2内の圧力を減圧(1×10 -1 Pa〜1000Pa程度)させるとともに、不活性ガス導入管14から防着ガス生成手段11の容器本体13内の原料液90中に所定量の不活性ガス30を導入する。
【0042】
これにより容器本体13の原料液90中において不活性ガス30の気泡が発生し、この原料液90の気化が促進されるとともに、容器本体13内の圧力が高くなる。この状態で防着ガス導入管12の導入バルブ15を開くと、不活性ガス30中に上述した吸着成分9aを含む防着ガス9が、防着ガス導入管12及びサセプタ本体5の防着ガス導入孔51を介して真空処理槽2の内部に向って送出される。
【0043】
ここで、不活性ガス30に添加する吸着成分9aの量は、不活性ガス30の量の1/10000〜1/100とすることが好ましく、より好ましい吸着成分9aの量は、不活性ガス30の量の1/1000〜1/100である。
【0044】
不活性ガス30に対する吸着成分9aの量が不活性ガス30の量の1/1000より少ないと、本発明による成膜材料の付着防止効果を十分に得ることができず、他方、不活性ガス30に対する吸着成分9aの量が不活性ガス30の量の1/100より多いと、本来の成膜領域3aに成膜材料が付着しにくく膜が形成され難くなるという不都合がある。
【0045】
また、本発明の場合、不活性ガス30に原料ガスA、Bの侵入を防ぐ役割を担わせている訳ではないので、真空処理槽2内に導入する不活性ガス30の量は、非常に少なくて済む。具体的には、真空処理槽2内に導入する不活性ガス30の量を、原料ガスA、Bの量の1/200〜1/5とすることが好ましく、より好ましい不活性ガス30の量は、原料ガスA、Bの量の1/100〜1/10である。
【0046】
真空処理槽2内に導入する不活性ガス30の量が原料ガスA、Bの量の1/200より少ないと、成膜材料の付着防止効果を十分に達成することができないという不都合があり、他方、原料ガスA、Bの量の1/5より多いと、真空処理槽2内において原料ガスA、Bの流れを乱し、成膜対象物3の成膜領域3aの膜厚が薄くなってしまうという不都合がある。
【0047】
図1(a)(b)に示すように、真空処理槽2に向って送られた防着ガス9は、防着ガス導入管12及びサセプタ本体5の防着ガス導入孔51を介してサセプタ本体5の凹部50に導入される。この導入された防着ガス9は、防着部材6のひさし部6aの反射供給面60に衝突して偏向され、成膜対象物3の非成膜領域3bに向って流れる。
【0048】
これにより、防着ガス9の吸着成分9aが成膜対象物3の非成膜領域3bの表面に吸着される一方で、残りの成分は、真空処理槽2の内部に向って流れる。
【0049】
次に、原料ガス導入管20、21を介して2種類の原料ガスA、Bを真空処理槽2内に導入し、ヒーター8によって成膜対象物3を加熱しながら熱CVD法によって成膜対象物3の成膜領域3aに所定の膜50を形成する。この場合、成膜プロセスが終了するまで成膜対象物3の非成膜領域3bに対して防着ガス9を絶えず供給し続ける。
【0050】
以上説明したように本実施の形態においては、真空中で成膜対象物3に対して成膜を行う際、成膜対象物3の非成膜領域3bに防着ガス9を供給して吸着させることによってその表面が不活性な吸着成分9aによって覆われるため、非成膜領域3bにおいて原料ガスA、Bを吸着することができなくなり、この非成膜領域3bにおける成膜が妨げられる。
【0051】
このように、本実施の形態の方法は、成膜対象物3の表面に対してガス状の吸着成分9aを吸着させるものであるため、成膜空間においてガス同士を衝突させ又は反応させる従来技術に比べ、かなり少量のガスで成膜対象物3の非成膜領域3bへの成膜材料の付着を確実に防止することができる。
【0052】
しかも、本実施の形態によれば、成膜対象物3の表面に形成される膜50への不活性ガス30の影響はほとんどなく、良質の膜50を形成することができる。
【0053】
一方、成膜対象物3の非成膜領域3bの表面に一旦吸着した吸着成分9aは所定の時間が経過すると成膜対象物3の表面から離脱するが、本実施の形態においては、成膜対象物3の非成膜領域3bの表面に対して防着ガス9が絶えず供給されるため、成膜の際に成膜対象物3の非成膜領域3bへの成膜材料の付着を確実に防止することができる。
【0054】
また、本実施の形態の場合は、防着ガス9の吸着成分9aの原材料として、イソプロピルアルコール等の比較的分子量の大きい有機化合物の原料液90を用いているため、取り扱いが容易であるという利点がある。
【0055】
一方、本実施の形態のCVD装置1によれば、上述した本発明の方法を効率的に実施することができ、しかも、装置構成は簡素なもので済む。
【0056】
さらに、本実施の形態の場合は、防着ガス9の吸着成分9aの原料液90中において気泡を発生させることによって防着ガス9を生成するようにしていることから、防着ガス9の導入量の微調整を容易に行うことができ、これにより最適の条件で成膜を行うことができる。
【0057】
なお、上述の実施の形態においては、CVD方法を例にとって説明したが、本発明はこれに限られず、他の成膜方法に適用することも可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、少量のガスで、成膜プロセスの全領域にわたって成膜対象物の非成膜領域への成膜材料の付着を確実に防止することができる。
また、本発明によれば、成膜対象物の成膜領域に形成される膜に対する不活性ガスの影響はほとんどなく、良質の膜を形成することができる。
さらに、本発明の真空処理装置は、簡素な装置構成でありながら、最適の条件で効率的に成膜処理を行うことができるものである。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明に係る真空処理装置の一実施の形態であるCVD装置の概略構成を示す断面図
(b):図1(a)の一点鎖線で示した部分の拡大図
【図2】(a):本実施の形態に用いられる成膜対象物の成膜領域と非成膜領域を示すための平面説明図
(b):同成膜対象物の成膜領域と非成膜領域を示すための正面説明図
【図3】 同実施の形態におけるサセプタ本体を示す平面図
【符号の説明】
1……CVD装置(真空処理装置) 2……真空処理槽 3……成膜対象物 3a……成膜領域 3b……非成膜領域 4……サセプタ 5……サセプタ本体 6……防着部材 6a……ひさし部 9……防着用のガス 9a……吸着成分 10……防着ガス導入手段 11……防着ガス生成手段 12……防着ガス導入管 51……防着ガス導入孔 60……反射供給面

Claims (8)

  1. 真空中で原料ガスを導入し、成膜対象物の表面における化学反応を利用して当該成膜対象物上に成膜を行うCVD法において、
    前記原料ガスが導入される前に、分子量が60以上のアルコール類からなる防着用のガスを導入して、当該成膜対象物の非成膜領域の表面に当該防着用のガスを吸着させた状態で当該成膜対象物の成膜領域に成膜材料を成膜することを特徴とするCVD法。
  2. 当該成膜の際に当該成膜対象物の非成膜領域に対して防着用のガスを当該成膜対象物の周縁から絶えず供給し続けることを特徴とする請求項1記載のCVD法。
  3. 当該アルコール類が、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、或いはトリエチルシラノールであることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載のCVD法。
  4. 当該防着用のガスには、不活性ガスが含まれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のCVD法。
  5. 当該不活性ガスが、アルゴン、或いは窒素であることを特徴とする請求項4記載のCVD法。
  6. 処理すべき成膜対象物を収容可能な真空処理槽と、
    該真空処理槽内に原料ガスを導入する原料ガス導入管と、
    該真空処理槽内に所定の防着用のガスを導入する防着ガス導入手段と、
    防着ガス導入手段によって導入された防着用のガスを上記成膜対象物の非成膜領域の表面に供給する防着ガス供給手段とを備え
    上記防着ガス導入手段が、当該防着用のガスの原料液中において気泡を発生させることによって防着用のガスを発生する防着ガス生成手段を有していることを特徴とする真空処理装置。
  7. 当該防着ガス生成手段が、原料液を収容する容器本体、不活性ガスのガス源に接続されるとともに当該容器本体に収容された原料液に先端が浸された気泡発生管、及び当該真空処理槽内に設けられたサセプタと上記容器本体とを連通する防着ガス導入管から構成されていることを特徴とする請求項6記載の真空処理装置。
  8. 当該防着ガス供給手段が、サセプタ上においてリング状に形成され、当該リングの中心側の縁部にはひさし部が形成されていることを特徴とする請求項7記載の真空処理装置。
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