JPH10287887A - 石炭生成ガスの浄化システム - Google Patents

石炭生成ガスの浄化システム

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JPH10287887A
JPH10287887A JP9096892A JP9689297A JPH10287887A JP H10287887 A JPH10287887 A JP H10287887A JP 9096892 A JP9096892 A JP 9096892A JP 9689297 A JP9689297 A JP 9689297A JP H10287887 A JPH10287887 A JP H10287887A
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gas
heat exchanger
crude
crude gas
gas purification
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JP9096892A
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Shuntaro Koyama
俊太郎 小山
Atsushi Morihara
森原  淳
Tomohiko Miyamoto
知彦 宮本
Sadao Takahashi
貞夫 高橋
Tadaoki Morimoto
忠興 森本
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石炭ガス浄化システムにおいて、環境保全性
と発電効率を一段と向上させる。 【解決手段】 石炭ガス化工程終了後の生成ガス(粗ガ
ス)から、未反応炭素を含むダストを除去後、粗ガスに
硫黄化合物および塩素化合物の吸収剤を添加し、ガス精
製・熱交換工程で処理する。その後で吸収剤を回収し、
更に粗ガスを水で洗浄する。洗浄後の粗ガスを前記熱交
換工程の伝熱管内を通してから脱硫工程に導入する。 【効果】 熱交換器内で伝熱管腐食物質を除去するの
で、熱交換器の高温化が図れて高温の精製ガスが得ら
れ、発電効率を向上できる。環境保全性もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭のガス化によ
って生成した粗ガスを発電プラントに使用するために精
製する石炭生成ガス浄化システムに係り、特に高温度の
発電用精製ガスを製造することによって、発電効率と環
境性能を高めたシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】石炭ガスは、燃料電池,ガスタービン及
び蒸気タービンを組み込んだ複合発電システムの燃料に
用いられる。ガス化では石炭と酸化剤(酸素又は空気又
はこれらの混合物)をガス化炉に供給し、主に水素,一
酸化炭素,メタンガス,二酸化炭素を生成させるが、生
成ガス中には環境汚染となる成分や、石炭ガス化プラン
トを構成する機器に付着して閉塞や材料腐食をもたらす
元素が存在する。環境汚染ガスとしてはH2S ,CO
S,NH3 ,HCN等がある。腐食をもたらす元素とし
てはS,Na,K,Cl等があり、有害性元素としては
As,Be,Cd,Co,Cr,HF,Hg,Cl,M
n,Ni,Pb,Se等がある。腐食・有害性元素の中
にはガス化後も灰中に留まっているものもあるが、多く
はその化合物が揮発性であることから生成ガス中に揮発
する。これらの成分を含んだガスを精製する場合、一方
で発電効率を高めることが必要なので、できるだけ高い
温度で精製し、その顕熱を発電の熱機関に利用する乾式
ガス精製法(または高温ガス精製法と称される)が実施
されている。
【0003】この乾式ガス精製法では、石炭ガス中のダ
ストはサイクロン,セラミックフィルタ,移動層炉等で
400〜800℃で除去される。またH2S ,COSの
硫黄化合物はFe,Zn等の金属酸化物と400〜60
0℃で反応させて除去される。有害性元素を乾式で精製
する方法に関しては、特定の材料に吸収させる方法が知
られている。例えば、特開昭60−115688号公報には、H
g,Cl,Fを石灰石で吸着させること、Proceedings
of 12th Pittsburg Internatinal Coal Conference,Pi
ttsburg(1995)には、活性炭でHgを、炭酸ナトリ
ウムでClを、それぞれ除去することが記載されてい
る。アルカリ金属については、IEA Coal Research Repo
rt No.53(1993)にアルミナやボーキサイト等の
鉱物で除去できることが記載されている。また、IEA Co
al Research Report No.49(1992)には、H
g,Cd等の有害性元素を活性炭等で除去剤で除去でき
ることが記載されている。
【0004】しかし、これらの刊行物にはガス化プラン
トへの具体的な適用方法に関しては開示されていない。
また、NH3 ,HCNや揮発性の高い元素は乾式ガス精
製法では十分に除去できないという課題がある。このた
め、Proceedings of 12th Electric Power Research In
stitute Conference on Gasification Power Plamt
s,October(1993)には、ガス精製の一部を水洗浄
等の湿式法で行い、その後に乾式法で精製することが述
べられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の湿式法と乾式法
を併用する方法は生成ガスの清浄の点では優れている
が、ガスの顕熱を失うので発電効率が下がる問題があ
る。この欠点を補うため、水洗浄後のガスを洗浄前の高
温ガスと熱交換することが考えられているが、この高温
ガスに含まれる腐食性ガスを配慮して、熱交換器の温度
を例えば300℃程度に抑えねばらならない制約があっ
た。
【0006】このように、発電効率をより高めつつ、環
境上及び機器上有害な成分を高効率で除去するシステム
を更に追及することが重要な課題であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では乾式ガス精製
法で除去率が低い元素のみを湿式ガス精製法で除去した
後、腐食性ガスが乾式ガス精製法で除去される機能を持
った高温熱交換器に通すことにより、より高温度の精製
ガスを製造し、湿式ガス精製の併用による顕熱の損失を
最小限に抑えるようにした。
【0008】具体的には、ガス化工程終了後の生成ガス
(粗ガス)からまず、未反応炭素を含むダスト(チャ
ー)を除去した後に、添加物(腐食性ガス吸収剤)によ
って粗ガスに含まれる硫黄化合物および塩素化合物等の
腐食性ガスを吸収すると同時に、粗ガスを冷却するガス
精製・熱交換工程を設ける。その後に腐食性ガス吸収剤
を回収する工程と粗ガスを水で洗浄する工程を設ける。
水洗浄後の粗ガスは前記ガス精製・熱交換工程における
伝熱管内を流通させるようにして、洗浄前の高温ガスと
の熱交換により加熱する。ガス精製・熱交換工程で加熱
された洗浄後のガスは、更に高温下で硫黄化合物を吸収
する脱硫工程にて硫黄化合物を除去する。本発明におい
て、ガス精製・熱交換工程では、水洗浄後の粗ガスを、
粗ガス入り口側(高温側)に設置した熱交換器から導入
し、並流型により一定温度まで加熱した後、一旦熱交換
工程から抜き出して、次にガス精製・熱交換工程粗ガス
出口側(低温側)に設置した熱交換器から導入し、向流
型により加熱するようにし、できるだけ高い温度の粗ガ
スになるようにすることが望ましい。
【0009】ガス精製・熱交換工程では上記のように腐
食性ガスが除去されつつ熱交換が起こるので、伝熱管の
腐食が抑制されるが、この効果を更に強めるため、吸収
剤添加工程とガス精製・熱交換工程の並流型熱交換器の
間に一定の空間を設け、粗ガスが熱交換器に到達するま
でに5〜10秒の滞留時間があるようにして、吸収剤に
より粗ガス中の腐食性ガスをかなりの程度除去するよう
にするのがよい。
【0010】本発明では、ガス精製・熱交換工程におけ
る精製は伝熱管保護の観点で行い、環境規制値を満たす
とは限らない。このため、脱硫工程を別途設ける。又、
後述する実施例では、脱硫工程で硫黄化合物を吸収した
材料を特定温度で酸化により再生し、生ずる酸化硫黄ガ
スを、ガス精製・熱交換工程から回収した吸収剤と共に
酸化によって処理し、両者を安定な硫黄化合物に固定す
るようにした。このように酸化硫黄ガスと硫黄吸収剤を
同時に処理することにより脱硫システムを簡素化でき
る。
【0011】脱硫工程は高温度で行うが、この工程で必
要な弁類の温度的制約がある場合には、水洗浄後の粗ガ
スをガス精製・熱交換工程で特定温度まで加熱した後、
一旦ガス精製・熱交換工程から抜き出して硫黄化合物を
吸収し、この脱硫されたガスを再度、ガス精製・熱交換
工程に導いて更に高温度に加熱するとよい。
【0012】
【発明の実施の形態】ガス精製工程で処理の対象となる
ガス成分は、H2S,COS,NH3,HCN,HF,H
Clである。この内、乾式法で高効率除去が可能なの
は、H2S,COSであり、他は優れた乾式法がない。
しかし、HClは熱交換器への腐食の要因となるので乾
式法で除去することが望ましい。つまり、乾式で、H2
S とHClを同じ程度に除去できることが望ましい。
【0013】本発明ではまず、ガス精製・熱交換工程
で、脱硫と脱塩素に有効な材料をそれぞれ独立に用いる
ことにより、これを達成する。その材料としては、例え
ば脱硫剤として石灰石(CaCO3 )であり、脱塩素剤
としてアルミナ鉱石(Al23)である。この場合の主要
な反応式を掲げる。
【0014】 CaCO3+H2S → CaS+H2O+CO2 (1) CaCO3+COS → CaS+2CO2 (2) CaCO3+2HCl → CaCl2+H2O+CO2 (3) Al23+3H2S → Al23+3H2O (4) Al23+6HCl → 2AlCl3+3H2O (5) 反応速度の点から、H2S は主にCaCO3 により、ま
たHClはAl23により吸収される。どちらか一つの
吸収剤ではH2S またはHClの吸収が不充分となる。
なお、上記吸収剤の場合、次の反応によりHFも除去さ
れる。
【0015】 CaCO3+HF → CaF2+H2O+CO2 (6) Al23+6HF → 2AlF3+3H2O (7) 上記脱硫・脱塩素反応はガス精製・熱交換工程の入り口
から出口に向かって進行する。本発明では、水洗浄後の
低温粗ガスをまずガス精製・熱交換工程の入り口から熱
交換を始める。つまり、伝熱管は高温ガスに曝されるこ
とになるが、低温粗ガスの温度は常温程度と低いので伝
熱管の表面温度は低くなる一方、粗ガス中の腐食ガス濃
度が入り口から急速に低下するので、伝熱管の腐食は著
しく抑制される。
【0016】続いて、水洗浄工程ではNH3 ,HCNを
除去する。HClも吸収される。また、この過程で微量
の有害元素が除去される。
【0017】前記ガス精製・熱交換工程では粗ガスが出
口に向かうほどその温度は低下するので、前記(1)〜
(5)式による反応は段々進まなくなる。従って、粗ガ
ス中には特に硫黄化合物が残りやすい。しかし、前述し
たように、本工程で環境規制値を満たそうとするもので
はない。脱硫工程ではガス精製・熱交換工程で除去しき
れなかった硫黄化合物を高温度,高効率で除去する。こ
の場合の吸収剤は公知のもので、例えばZnOである。
【0018】 ZnO+H2S → ZnS+H2O (8) ZnO+COS → ZnS+CO2 (9) この再生工程では次の反応が生ずる。
【0019】 2ZnO+3O2 → 2ZnS+2SO2 (10) 本発明では二段階のガス精製(脱硫)工程を設けること
になるが、脱硫剤の処理工程を統合してシステムの簡素
化を図る。すなわち、ガス精製・熱交換工程で発生する
硫黄吸着剤CaSと脱硫工程での再生ガスSO2 を硫黄
固定工程で次の反応で処理する。
【0020】 CaS+O2+SO2 → CaSO4 (11) CaCl2+2O2 → Ca(ClO2)2 (12) この硫黄固定工程にはガス精製・熱交換工程で生成する
AlCl3 が混在するが、これは酸化雰囲気で安定であ
り、このまま回収される。
【0021】本発明の実施例を図1に示す。この石炭ガ
ス浄化システムはガス化工程10,熱回収工程20,第
一脱塵工程30,ガス精製・熱交換工程40,第二脱塵
工程50,水洗浄工程60,脱硫工程70および複合発
電プラント110により構成される。また、水洗浄工程
60には排水処理工程100が、脱硫工程70には脱硫
剤再生工程80がそれぞれ付く。更に第二脱塵工程50
からのダスト52と脱硫剤再生工程80からの排ガス8
2を同時に処理する硫黄固定工程90が付く。石炭1と
酸化剤2(酸素または空気またはこれらの混合物)をガ
ス化工程10に送る。ガス化方式には低温型(固定層
法),中温型(流動層法),高温型(気流層法)等があ
るが、本実施例は高温型の場合である。石炭を30気
圧,1200〜1600℃でガス化する。これにより、
石炭中灰分の大部分が溶融スラグ12として、ガス化工
程10から排出される。残りの灰分は未反応石炭(以降
チャーと称す)と一緒にガス化炉から飛散する。これら
のダストを含んだ生成ガス11(粗ガス)を、熱回収工
程20に導く。ここで粗ガスを特定温度まで冷却し、同
時に蒸気22を発生させる。蒸気22は複合発電プラン
ト110で使用する。特定温度は次のガス精製・熱交換
工程40の温度をどのように設定するか、また第一脱塵
工程30の機器作動の信頼性に係る温度から決め、おお
よそ約600〜900℃の範囲である。本実施例では8
00℃である。この温度に冷却されたガス21を第一脱
塵工程30に導き、上記の捕集ダスト32を回収し、こ
れを再度ガス化工程10に戻す。脱塵装置にはサイクロ
ン,セラミックフィルタ,移動層除塵器,電気集塵機又
はこれらを組み合わせたものを用いることができる。本
実施例ではサイクロンを用いた。通常のサイクロンを2
段用いて、90%程度の集塵率を確保する。
【0022】次に、脱塵されたガス31に粗ガス中の伝
熱管腐食性ガス、主に硫黄化合物と塩素化合物の吸収剤
5を添加する。吸収剤は、例えば前記の石灰石(CaC
3)とアルミナ鉱石(Al23)である。これらは後流
の第二脱塵工程50での脱塵のしやすさを考え、できる
だけ粒子径をそろえるのがよい。また、吸収速度や吸収
量を考慮することが重要である。本実施例では最大径約
74μm,平均径30μmとした。これらの吸収剤を添
加した後、粗ガスをガス精製・熱交換工程40に導入す
る。この工程で前述の(1)〜(7)式の反応が生じ、脱
硫と脱塩素が進む。一方、並流型熱交換器45,向流型
熱交換器46により熱が吸収され、粗ガス温度は低下す
る。本実施例では、800℃(熱交換工程20出口温
度)であったガス精製・熱交換工程入り口の温度を、出
口で270℃になるようにした。冷却した粗ガス41を
第二脱塵工程50に入れる。第二脱塵工程の脱塵装置に
は第一脱塵工程と同様な機器を用いることができるが、
粗ガスの温度が下がっているので、ファイバー製のフィ
ルタを用いることが可能である。本実施例ではこれを用
い、高効率で脱塵した。回収されたダスト52は硫黄固
定工程90に送る。ここには酸化剤8(空気)と、後述
する脱硫剤再生工程80からの排ガス82を同時に供給
し、前記(11)式に従い、石膏91(CaSO4)を製
造する。
【0023】第二脱塵工程50を出たガス51を水洗浄
工程60に通し、粗ガス中の易溶解性ガス成分(例えば
NH3 ,HCN,HCl),ダスト,揮発性微量金属元
素,有害元素等を除去する。これらを含んだ排水99は
排水処理工程100に導き、排水中のダストを沈降分
離、公知の化学的及び物理的排水処理法等で処理する。
排水の一部はガス洗浄水102として再度水洗浄工程6
0に供給し、回収ダストおよび余剰水101は系外に廃
棄する。
【0024】水洗浄後の粗ガス61の温度は約20〜4
0℃である。この粗ガスを、まず、前記ガス精製・熱交
換工程40の入り口に設置した、並流型熱交換器45に
導入する。ここでの交換熱量(出口ガス温度)は粗ガス
による腐食抑制の観点から伝熱管の最大温度を一定値に
抑えることと、次に述べる向流型熱交換器46での交換
熱量の観点から決める。本実施例では並流型熱交換器出
口の管内粗ガス62の温度が200℃となるようにし
た。その結果、並流型熱交換器出口の管外粗ガスの温度
は625℃となった。続いて、200℃の粗ガス62を
向流型熱交換器46に導入する。ここで粗ガス63は5
58℃まで加熱され、その後脱硫工程70に供給する。
この熱交換の結果、ガス精製・熱交換工程40を出た粗
ガス41の温度が270℃となった。この温度は、粗ガ
スの露点以上で、かつ第二脱塵工程50が円滑に行われ
るように設定する。この温度が前記熱交換量設定の一つ
の目安となる。
【0025】脱硫工程70では、前述(8)〜(9)式の
反応でH2S ,COSが除去される。こうして得られた
清浄ガス71を複合発電プラント110に供給する。複
合発電プラントは、例えば、ガスタービンと蒸気タービ
ンを組み合わせたもの、または、これらと燃料電池を組
み合わせたものである。
【0026】伝熱管腐食性ガスの吸収剤5は、第一脱塵
工程とガス精製・熱交換工程を繋ぐ配管内に添加するの
で、ガス精製・熱交換工程に入って直ちに前記吸収反応
が始まるが、粗ガスをより清浄にして並流型熱交換器に
接触させる意味で、ガス精製・熱交換工程の粗ガス入り
口と並流型熱交換器との間に一定の空間を設け、この空
間で、吸収剤による腐食性ガスの除去を行わせることが
望ましい。
【0027】図2は基本的に図1と同様な方式である
が、水洗浄後の粗ガス61を3段階で加熱する場合であ
る。水洗浄後の粗ガス61をまず並流型熱交換器45で
200℃程度まで加熱し、続いて第一の向流型熱交換器
46で400℃程度まで加熱する。そのガスを脱硫工程
70に入れ、前記と同様に脱硫する。脱硫されたガス7
1を第二の向流型熱交換器47で550℃程度まで加熱
するものである。図2の例は、脱硫工程70及び複合発
電プラントを制御する弁類の金属材料が図1の例のよう
な598℃では機能しない場合、より高信頼で使用すべ
く、脱硫工程の温度を下げたものである。
【0028】図3は図1の方式で、高温の粗ガス31の
温度が800℃,低温の粗ガス61の温度が23℃の場
合のガス精製・熱交換工程における伝熱管及び粗ガスの
温度変化と、この時の脱硫剤による脱硫率の推移であ
る。横軸はガス精製・熱交換工程の入り口から出口に向
かった流れ方向である。脱硫剤の供給量はCa/S=
4.5(mol/mol)となるよう設定した場合である。時間
と共に反応は遅くなるが、反応初期すなわち並流型熱交
換器45の設置位置で脱硫は急速に進行する。一方、並
流型熱交換器45の伝熱管表面温度は低いので、ここで
の腐食は抑制される。また、向流型熱交換器46出口の
伝熱管表面温度は558℃であるが、ここまでに粗ガス
中の硫黄濃度は入り口の35%に低減されているので、
腐食は抑制される。
【0029】図4はガス精製・熱交換工程の入り口と並
流型熱交換器の間に粗ガスの滞留時間で6秒に相当する
空間を設けた場合である。脱硫剤の供給量はCa/S=
3(mol/mol)である。並流型熱交換器45の設置位置
までに脱硫は急速に進行し、図3の例より一層伝熱管の
耐腐食性が向上する。
【0030】図1の方式で、石灰石と同時にアルミナ鉱
石を添加した場合、粗ガス中のHClが同時に除去でき、
図4に相当するケースでガス精製・熱交換工程出口で8
0%のHClが除去された。
【0031】
【発明の効果】本発明では、乾式と湿式のガス精製法を
併用するので、乾式のみの場合に比べて不純ガスの濃度
を低くでき、環境性能が高まると同時に、腐食性ガスを
熱交換器内で除去することで熱交換器の温度を高められ
る結果、ガスタービン入り口ガス温度を高められるの
で、乾式ガス精製法のみの場合と同等又はそれ以上の発
電効率が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す石炭ガス浄化システム
の概略工程図。
【図2】本発明の他の実施例を示す石炭ガス浄化システ
ムの概略工程図。
【図3】ガス精製・熱交換工程における温度,脱硫率を
示す特性図。
【図4】ガス精製・熱交換工程における温度,脱硫率の
他の例を示す特性図。
【符号の説明】
1…石炭、2…酸化剤、5…吸収剤、10…ガス化工
程、11…生成ガス(粗ガス)、12…溶融スラグ、2
0…熱回収工程、22…蒸気、30…第一脱塵工程、3
2…捕集ダスト、40…ガス精製・熱交換工程、45…
並流型熱交換器、46,47…向流型熱交換器、50…
第二脱塵工程、60…水洗浄工程、70…脱硫工程、8
0…脱硫剤再生工程、90…硫黄固定工程、100…排
水処理工程、110…複合発電プラント。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】この乾式ガス精製法では、石炭ガス中のダ
ストはサイクロン,セラミックフィルタ,移動層炉等で
400〜800℃で除去される。またH2S ,COSの
硫黄化合物はFe,Zn等の金属酸化物と400〜60
0℃で反応させて除去される。有害性元素を乾式で精製
する方法に関しては、特定の材料に吸収させる方法が知
られている。例えば、特開昭60−115688号公報には、H
g,Cl,Fを石灰石で吸着させること、Proceedings
of 12th Pittsburg Internatinal Coal Conference, Pi
ttsburg(1995)には、活性炭でHgを、炭酸ナトリ
ウムでClを、それぞれ除去することが記載されてい
る。アルカリ金属については、IEA Coal Research Repo
rt No.53(1993)にアルミナやボーキサイト等の
鉱物で除去できることが記載されている。また、IEA Co
al Research ReportNo.49(1992)には、Hg,
Cd等の有害性元素を活性炭等除去剤で除去できるこ
とが記載されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】しかし、これらの刊行物にはガス化プラン
トへの具体的な適用方法に関しては開示されていない。
また、NH3 ,HCNや揮発性の高い元素は乾式ガス精
製法では十分に除去できないという課題がある。このた
め、Proceedings of 12thElectric Power Research Ins
titute Conference on Gasification PowerPlants, Oct
ober(1993)には、ガス精製の一部を水洗浄等の湿
式法で行い、その後に乾式法で精製することが述べられ
ている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】 2Zn+3O2→2Zn+2SO2 (10) 本発明では二段階のガス精製(脱硫)工程を設けること
になるが、脱硫剤の処理工程を統合してシステムの簡素
化を図る。すなわち、ガス精製・熱交換工程で発生する
硫黄吸着剤CaSと脱硫工程での再生ガスSO2 を硫黄
固定工程で次の反応で処理する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】図2は基本的に図1と同様な方式である
が、水洗浄後の粗ガス61を3段階で加熱する場合であ
る。水洗浄後の粗ガス61をまず並流型熱交換器45で
200℃程度まで加熱し、続いて第一の向流型熱交換器
46で400℃程度まで加熱する。そのガスを脱硫工程
70に入れ、前記と同様に脱硫する。脱硫されたガス7
1を第二の向流型熱交換器47で550℃程度まで加熱
するものである。図2の例は、脱硫工程70及び複合発
電プラントを制御する弁類の金属材料が図1の例のよう
な58℃では機能しない場合、より高信頼で使用すべ
く、脱硫工程の温度を下げたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 貞夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 森本 忠興 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石炭ガス化によって生成した粗ガスを乾式
    ガス精製法と湿式ガス精製法とによって清浄化する石炭
    生成ガス浄化システムにおいて、前記石炭ガス化によっ
    て得られた高温の粗ガスを乾式脱塵装置に導入して未反
    応炭素を含むダストを除去する第1の乾式脱塵工程と、
    該第1の乾式脱塵工程で処理された粗ガスに腐食性ガス
    の吸収剤を混入する吸収剤添加工程と、該吸収剤を添加
    した粗ガスを熱交換器が配設されたガス精製装置に導入
    して熱回収とガス精製とを行うガス精製・熱交換工程
    と、該ガス精製・熱交換工程で処理された粗ガスを乾式
    脱塵装置に導入して該ガス中に添加した前記吸収剤を含
    む固体粒子を回収する第2の乾式脱塵工程と、該第2の
    乾式脱塵工程で処理された粗ガスを水で洗浄する水洗浄
    工程と、該水洗浄工程で洗浄された粗ガスを前記ガス精
    製・熱交換工程における熱交換器の伝熱管内を流通させ
    てから硫黄化合物吸着剤を充填した乾式脱硫装置に導入
    して粗ガス中の硫黄化合物を除去する脱硫工程とを備え
    たことを特徴とする石炭生成ガスの浄化システム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の清浄化システムにおい
    て、前記ガス精製・熱交換工程における熱交換器を、ガ
    ス精製装置の粗ガス入口側と粗ガス出口側とに設けて、
    前記水洗浄工程で洗浄されたガスが該粗ガス入口側の熱
    交換器に導入されたのち一旦ガス精製装置の外部に出
    て、再び粗ガス出口側の熱交換器内に導入されるように
    したことを特徴とする石炭生成ガスの浄化システム。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の浄化システムにおいて、
    前記粗ガス入口側の熱交換器を並流型にし、前記粗ガス
    出口側の熱交換器を向流型にしたことを特徴とする石炭
    生成ガスの浄化システム。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の浄化システムにおいて、
    前記ガス精製・熱交換工程における熱交換器を、ガス精
    製装置の粗ガス入口側と粗ガス出口側及びその中間の三
    箇所に設けて、前記水洗浄工程で洗浄されたガスが粗ガ
    ス入口側の熱交換器に導入されたのち一旦ガス精製装置
    の外部に出て再び粗ガス出口側の熱交換器内に導入さ
    れ、その後前記脱硫工程に送られて処理されたのち、再
    び前記中間の位置にある熱交換器に導入されるようにし
    たことを特徴とする石炭生成ガスの浄化システム。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の浄化システムにおいて、
    前記吸収剤は、硫黄化合物を吸収する材料と塩素化合物
    を吸収する材料を含むことを特徴とする石炭生成ガスの
    浄化システム。
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