JPH10287766A - 熱硬化性樹脂の分解方法及びリサイクル方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂の分解方法及びリサイクル方法

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JPH10287766A
JPH10287766A JP9411897A JP9411897A JPH10287766A JP H10287766 A JPH10287766 A JP H10287766A JP 9411897 A JP9411897 A JP 9411897A JP 9411897 A JP9411897 A JP 9411897A JP H10287766 A JPH10287766 A JP H10287766A
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JP
Japan
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thermosetting resin
resin
decomposing
resins
supercritical
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JP9411897A
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Junya Goto
純也 後藤
Toshiyuki Otori
利行 大鳥
Kunio Arai
邦夫 新井
Masafumi Ajiri
雅文 阿尻
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大量に廃棄されている産業・家庭廃棄物、特
にこれらの廃棄物中に大量に含まれていながらリサイク
ルが出来ないとされてきた熱硬化性樹脂を高速に大量に
処理して再利用可能な低〜中分子化合物を回収しリサイ
クルできる方法を提供する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂を、超臨界水又は亜臨界水
に酸素、空気又は過酸化水素を加えて酸化分解すること
を特徴とする熱硬化性樹脂の分解方法、又は酸化分解し
た後得られた低〜中分子化合物を熱硬化性樹脂合成に用
いる熱硬化性樹脂のリサイクル方法であり、熱硬化性樹
脂が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂よりなる群
から選択された1種又は2種以上である前記の熱硬化性
樹脂の分解方法又は熱硬化性樹脂のリサイクル方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大量に廃棄されて
いる産業・家庭廃棄物、特にこれらの廃棄物中に大量に
含まれていながらリサイクルが出来ないとされてきた熱
硬化性樹脂を高速に大量に処理して再利用可能な低〜中
分子化合物を回収できる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル、ポリスチレン等の熱可塑性
樹脂の廃棄物はこれまでにも樹脂原料として再生されて
きたが、熱硬化性樹脂は一旦硬化すると、熱により軟化
・溶融しないためその硬化体は樹脂原料として再生でき
ない。このことより熱硬化性樹脂はリサイクル出来ない
とされてきた。しかし、熱硬化性樹脂の熱による軟化・
溶融がないことがこの材料の良さの「耐熱性が高い、強
度が強い」の元ともなっている。最近では、この硬化体
の耐熱、強度特性等を生かし、その粉砕物は各種材料・
製品の充填材等として利用する技術が開発されている
(熱硬化性樹脂、Vol.15No.2(1994) p.18-24)。
【0003】例えば、リサイクルフィラーとしての同種
材料への再利用として木粉等の有機フィラーを使用する
汎用フェノール樹脂成形材料を成形する際に生ずるスプ
ル・ランナーは粉砕機で150〜250メッシュに微粉
砕され、同種材料のリサイクルフィラーとして利用する
方法、路面舗装材の骨材として熱硬化性成形材料の成形
時に生ずる廃材を粉砕し、これと廃タイヤ等からの廃棄
ゴムチップを混合し、この混合物を骨材として樹脂バイ
ンダーと混合し、型に入れて加圧・加熱してブロックを
成形する方法、更に固形化燃料、活性炭として使用する
方法も記載されているが、いずれも原料としての熱硬化
性樹脂廃棄物の種類及び用途に限定があるとともに、経
済的困難性もあり幅広く普及するには至っていない。一
方、熱可塑性樹脂については、廃棄物処理方法として、
超臨界状態又は亜臨界状態の水を溶媒として用いて選択
的に加水分解及び/又は熱分解する方法が提案されてい
る(特開平5−31000号公報)。この方法では、セ
ルロース、キチン、キトサン、ナイロン、ポリエステ
ル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂の加水分解又は熱分
解方法について検討されているが、加水分解、熱分解の
困難な熱硬化性樹脂についてはなんら検討されていな
い。
【0004】また、難分解性化合物や有害物質を含む廃
棄物の処理については、超臨界水酸化法が提案されてい
る。(特開昭57−4225号公報)。この手法では、
有機化合物は完全酸化により二酸化炭素と水に分解し、
ヘテロ原子を含む有機化合物もNOx、SOxの発生を抑えな
がら酸、塩又は酸化物に分解する。しかしこの手法は有
害物質を完全酸化により無害化して廃棄することを最終
目的としており、熱硬化性樹脂などを分解して有用な化
合物を回収するリサイクルを目的とした手法としては全
く検討されていない。このように大量に廃棄されていな
がら、リサイクルの困難な熱硬化性樹脂をより効率的に
分解して有用な低〜中分子化合物(主に1〜2核体フェ
ノール類化合物を含む)を回収し再利用することが広く
望まれているが実現できていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱硬化性樹
脂のリサイクルが極めて困難であるという問題点を解決
するため種々の検討の結果なされたもので、その目的と
するところは大量に廃棄されている産業・家庭廃棄物、
特にこれらの廃棄物中に大量に含まれていながらリサイ
クルが出来ないとされてきた熱硬化性樹脂を高速に大量
に処理して再利用可能な低〜中分子化合物を回収しリサ
イクルできる方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱硬化性樹脂
を、超臨界水又は亜臨界水に酸素、空気又は過酸化水素
を加えて酸化分解することを特徴とする熱硬化性樹脂の
分解方法、又は酸化分解した後得られた低〜中分子化合
物を熱硬化性樹脂合成に用いる熱硬化性樹脂のリサイク
ル方法であり、熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
メラミン樹脂よりなる群から選択された1種又は2種以
上である前記の熱硬化性樹脂の分解方法又は熱硬化性樹
脂のリサイクル方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いる超臨界水は臨界温
度及び臨界圧力を越えた非凝縮性高密度水である。超臨
界水を溶媒として使用すると、温度或いは圧力を操作変
数として分子間距離(密度)を連続的に変化させ、操作
目的に応じた溶媒機能を分子間相互作用と関連させて調
整でき、単一の溶媒で複数の溶媒機能を発現させうる。
さらに液体溶媒と比較して熱運動が支配的なことから、
溶媒の粘度が小さく、拡散係数が大きく、また気相に比
較して熱伝導率は大きいという特徴を有する。
【0008】溶解特性に係わる重要な物性である誘電率
については、通常の水が約80であるのに対し、超臨界
水は500℃では約2まで低下するため非極性物質の性
質を示し、非極性有機物質や酸素、空気などの無機ガス
とも完全に均一に溶解し合う。これらの特長を生かして
超臨界水中で熱硬化性樹脂の酸化分解反応を行うと、有
機物が溶解しつつ酸素も均一相で存在するため樹脂の分
解率は飛躍的に向上する。
【0009】また、最近の超臨界水酸化法に関する研究
によるとフェノール、クレゾール類は超臨界水中でも難
分解性であることが報告されており、樹脂構造中にフェ
ノール骨格を含む熱硬化性樹脂の酸化分解では樹脂の分
解は進行しても、分解により生成したフェノール、クレ
ゾール類の逐次酸化分解は抑制されるため、フェノー
ル、クレゾール類などの1〜2核体フェノール類化合物
を有用化合物として回収できる。
【0010】さらに、超臨界水中の分解反応では、プラ
スチックの熱分解油化で問題であったコークスの副生が
低減されるため、熱硬化性樹脂の酸化分解でも同様にコ
ークスの副生が抑えられると考えられる。つまり超臨界
水中で熱硬化性樹脂を酸化分解すると、コークスの副生
は抑制されながら樹脂は高速に分解して有用な、1〜2
核体フェノール類化合物を50%以上含む低〜中分子化
合物を高収率で回収・再利用できる。
【0011】また、本発明では超臨界水でなく亜臨界水
を用いて行うこともできる。この超臨界水又は亜臨界水
を酸化分解の溶媒として用いることによって、フェノー
ル樹脂のような分解困難とされてきた熱硬化性樹脂につ
いてもフェノール類モノマーへの分解が可能となるもの
と考える。
【0012】本発明を実施するにあたり、温度180〜
1000℃、圧力2〜100MPaの範囲で温度及び圧
力を適切に調整すればよいが、好ましくは温度200〜
700℃、圧力4〜60MPa、さらに好ましくは温度
240〜480℃、圧力6〜60MPaの範囲である。
また、酸素、空気または過酸化水素などの酸化剤の添加
量は、酸化剤過剰による熱硬化性樹脂の完全酸化を防ぐ
ため、理論必要酸素量の1/10〜1/100が望まし
い。
【0013】本発明で分解することのできる熱硬化性樹
脂は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂等で代表さ
れるが、前記以外の熱硬化性樹脂の全てを含むものであ
る。本発明では、熱硬化性樹脂を、超臨界状態又は亜臨
界状態の水を溶媒として用いて酸化分解した後、得られ
た低〜中分子化合物を熱硬化性樹脂合成に用いることが
できる。
【0014】
【実施例】図1は本発明の実施例の各工程を示すフロー
チャートである。次に本発明の実施例を詳細に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0015】[実施例1]熱硬化性樹脂使用製品廃棄物
として、フェノール樹脂成形品(樹脂分 平均50%)
を用いた。成形品約10kgを粗砕し最大径2mm以下
とした。100リットル耐圧反応釜に、水50リットル
を入れ十分に撹拌しながら成形品の粗砕物を投入し、酸
素を10気圧導入した。これを十分に撹拌しスラリー状
にした後、反応釜を急速に加熱し内温内圧を400℃、
35MPaまで上昇させた。400℃で30分間保った
後反応釜を冷却して常温常圧に戻した。この反応溶液を
40メッシュのフィルターを用いて分級分離し、これを
通らないものは、分析の結果、樹脂分以外の基材であ
り、再利用あるいは廃棄した。さらにこの反応溶液を2
00メッシュのフィルターを用いて分級分離し、これを
通らないものは、分析の結果すべて未分解の樹脂分であ
りコークス(重合生成物)は含まれていなかった。未分
解の樹脂分は回収して廃棄物分解用原料にフィードバッ
クした。
【0016】このように浮遊物を分級分離した残りの反
応溶液として、フェノール類モノマーを3%含む水溶液
が得られた。これを既存の技術により溶媒抽出して粗フ
ェノール類モノマーを得た。得られた粗フェノール類モ
ノマーを用いて既存の技術によりフェノール樹脂の合成
を試みたところ、通常のフェノール類モノマーを用いた
場合と全く特性の変わらないフェノール樹脂が得られ
た。一方、フェノール類モノマーを溶媒抽出した残りの
反応溶液は、約500PPMのフェノール類モノマーを
含有していた。これを既存の技術により活性汚泥処理を
することにより、フェノール類モノマー含有量を0.1
PPM以下にすることが出来、排水として放出した。
【0017】[実施例2]熱硬化性樹脂使用製品廃棄物
として、フェノール樹脂成形品(樹脂分 平均50%)
を用いた。成形品約10kgを粗砕し最大径2mm以下
とした。100リットル耐圧反応釜に、水50リットル
及び過酸化水素500gを入れ十分に撹拌しながら成形
品の粗砕物を投入した。これを十分に撹拌しスラリー状
にした後、反応釜を急速に加熱し内温内圧を400℃、
35MPaまで上昇させた。400℃で30分間保った
後反応釜を冷却して常温常圧に戻した。この反応溶液を
40メッシュのフィルターを用いて分級分離し、これを
通らないものは、分析の結果、樹脂分以外の基材であ
り、再利用あるいは廃棄した。さらにこの反応溶液を2
00メッシュのフィルターを用いて分級分離し、これを
通らないものは、分析の結果すべて未分解の樹脂分であ
りコークス(重合生成物)は含まれていなかった。未分
解の樹脂分は回収して廃棄物分解用原料にフィードバッ
クした。
【0018】このように浮遊物を分級分離した残りの反
応溶液として、フェノール類モノマーを3%含む水溶液
が得られた。これを既存の技術により溶媒抽出して粗フ
ェノール類モノマーを得た。得られた粗フェノール類モ
ノマーを用いて既存の技術によりフェノール樹脂の合成
を試みたところ、通常のフェノール類モノマーを用いた
場合と全く特性の変わらないフェノール樹脂が得られ
た。一方、フェノール類モノマーを溶媒抽出した残りの
反応溶液は、約500PPMのフェノール類モノマーを
含有していた。これを既存の技術により活性汚泥処理す
ることにより、フェノール類モノマー含有量を0.1P
PM以下にすることが出来、排水として放出した。
【0019】
【発明の効果】本発明では、超臨界水又は亜臨界水を反
応溶媒として、従来リサイクルの困難であった熱硬化性
樹脂を酸化分解した後、得られた低〜中分子化合物(主
に1〜2核体フェノール類化合物を含む)を熱硬化性樹
脂合成に用いて熱硬化性樹脂をリサイクルすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の各工程を示すフローチャー
トである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 59/00 C08G 73/10 63/52 B09B 3/00 ZAB 73/10 304P

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂を、超臨界水又は亜臨界水
    に酸素、空気又は過酸化水素を加え、1〜2核体フェノ
    ール類化合物を50%以上含む低〜中分子化合物まで酸
    化分解することを特徴とする熱硬化性樹脂の分解方法。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、エポ
    キシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
    メラミン樹脂よりなる群から選択された1種又は2種以
    上である請求項1記載の熱硬化性樹脂の分解方法。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂を、超臨界水又は亜臨界水
    に酸素、空気又は過酸化水素を加え酸化分解した後、得
    られた1〜2核体フェノール類化合物を50%以上含む
    低〜中分子化合物を熱硬化性樹脂合成に用いる熱硬化性
    樹脂のリサイクル方法。
JP9411897A 1997-04-11 1997-04-11 熱硬化性樹脂の分解方法及びリサイクル方法 Pending JPH10287766A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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