JP2001055468A - フェノール樹脂またはエポキシ樹脂の分解方法と製造方法 - Google Patents
フェノール樹脂またはエポキシ樹脂の分解方法と製造方法Info
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- phenolic resin
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- Y02W30/62—Plastics recycling; Rubber recycling
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- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 フェノール樹脂,エポキシ樹脂を分解して構
成モノマー類に分解して、再利用できるようにし、リサ
イクルを可能とする。 【解決手段】 超臨界状態または亜臨界状態のメタノー
ルなどの低級アルコールにフェノール樹脂,エポキシ樹
脂の粉末を接解させる。これによりフェノール,アルキ
ルフェノールなどの構成モノマー類が分解生成し、この
構成モノマー類を回収し、新たなフェノール樹脂,エポ
キシ樹脂の合成原料として再使用する。
成モノマー類に分解して、再利用できるようにし、リサ
イクルを可能とする。 【解決手段】 超臨界状態または亜臨界状態のメタノー
ルなどの低級アルコールにフェノール樹脂,エポキシ樹
脂の粉末を接解させる。これによりフェノール,アルキ
ルフェノールなどの構成モノマー類が分解生成し、この
構成モノマー類を回収し、新たなフェノール樹脂,エポ
キシ樹脂の合成原料として再使用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フェノール樹脂
またはエポキシ樹脂をその構成モノマー類へ分解する方
法と、得られたモノマー類を新しいフェノール樹脂また
はエポキシ樹脂の合成原料として用いる方法に関する。
またはエポキシ樹脂をその構成モノマー類へ分解する方
法と、得られたモノマー類を新しいフェノール樹脂また
はエポキシ樹脂の合成原料として用いる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルやポリエチレンテレフタレ
ート(PET)などの熱可塑性樹脂の廃棄物は、これま
でにもプラスチック原料として再生されてきた。しか
し、熱硬化性樹脂は軟化・溶融しないので、その樹脂硬
化物はプラスチック原料としてそのままでは再生できな
い。これにより熱硬化性樹脂のリサイクルは困難とされ
てきた。反面、この性質により高耐熱性や高強度材料と
しての需要は高い。そこでその硬化体の粉砕物は、高耐
熱性や高強度を生かし、充填材等に利用する技術も開発
されている(文献:松下電工技報1996年4月、工業
材料・Vol.45(No.8)・1997年8月)。
ート(PET)などの熱可塑性樹脂の廃棄物は、これま
でにもプラスチック原料として再生されてきた。しか
し、熱硬化性樹脂は軟化・溶融しないので、その樹脂硬
化物はプラスチック原料としてそのままでは再生できな
い。これにより熱硬化性樹脂のリサイクルは困難とされ
てきた。反面、この性質により高耐熱性や高強度材料と
しての需要は高い。そこでその硬化体の粉砕物は、高耐
熱性や高強度を生かし、充填材等に利用する技術も開発
されている(文献:松下電工技報1996年4月、工業
材料・Vol.45(No.8)・1997年8月)。
【0003】また、充填材等として利用する以外にも、
固形化燃料や活性炭として利用する方法も紹介されてい
る(文献:炭素(No.177)1997年)が、熱硬化性樹
脂廃棄物の種類及び用途に限定があり、経済的困難性も
あり、幅広く普及するに至っていない。一方、フェノー
ル樹脂などの熱硬化性樹脂については、その廃棄物処理
方法として、超臨界状態又は亜臨界状態の水を溶媒とし
て、酸素、空気又は過酸化水素を加えて酸化分解する方
法が提案されている(特開平10−287766号公
報)。しかし、大量に破棄されながら、リサイクルの困
難なフェノール樹脂、エポキシ樹脂をより効果的に分解
して有用な低分子化合物を回収し、再利用することが広
く望まれているが、実用化されていない。
固形化燃料や活性炭として利用する方法も紹介されてい
る(文献:炭素(No.177)1997年)が、熱硬化性樹
脂廃棄物の種類及び用途に限定があり、経済的困難性も
あり、幅広く普及するに至っていない。一方、フェノー
ル樹脂などの熱硬化性樹脂については、その廃棄物処理
方法として、超臨界状態又は亜臨界状態の水を溶媒とし
て、酸素、空気又は過酸化水素を加えて酸化分解する方
法が提案されている(特開平10−287766号公
報)。しかし、大量に破棄されながら、リサイクルの困
難なフェノール樹脂、エポキシ樹脂をより効果的に分解
して有用な低分子化合物を回収し、再利用することが広
く望まれているが、実用化されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、フェノール樹脂またはエポキシ樹脂をその構
成モノマー類に効率よく分解でき、これを回収して再利
用できるようにすることにある。
る課題は、フェノール樹脂またはエポキシ樹脂をその構
成モノマー類に効率よく分解でき、これを回収して再利
用できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、フェノー
ル樹脂またはエポキシ樹脂を超臨界状態または亜臨界状
態の低級アルコールに接触することで解決され、これに
よって構成モノマー類に分解され、再利用が可能とな
る。
ル樹脂またはエポキシ樹脂を超臨界状態または亜臨界状
態の低級アルコールに接触することで解決され、これに
よって構成モノマー類に分解され、再利用が可能とな
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の分解方法において使用される低級アルコールと
は、炭素数が1ないし3のアルコールで、メタノール,
エタノール,n−プロパノール,イソープロパノールで
ある。これらは1種を用いてもよく、2種以上のアルコ
ールを適宜の割合で混合して使用してもよい。
本発明の分解方法において使用される低級アルコールと
は、炭素数が1ないし3のアルコールで、メタノール,
エタノール,n−プロパノール,イソープロパノールで
ある。これらは1種を用いてもよく、2種以上のアルコ
ールを適宜の割合で混合して使用してもよい。
【0007】本発明における超臨界状態とは、これらア
ルコールについての臨界点(臨界温度、臨界圧力)を超
えた状態を言い、亜臨界状態とは臨界温度、臨界圧力に
近い温度および圧力の状態で、超臨界状態のアルコール
とほぼ同様の物理的、化学的挙動を示す状態を言う。な
お、メタノールの臨界温度は、512.6K、臨界圧力
は8.09MPaであり、エタノールの臨界温度は51
6.2K、臨界圧力は6.30MPaである。また、n
−プロパノールの臨界温度は536.7K、臨界圧力は
5.10MPaで、イソープロパノールの臨界温度は5
08.3K、臨界圧力は4.70MPaである。
ルコールについての臨界点(臨界温度、臨界圧力)を超
えた状態を言い、亜臨界状態とは臨界温度、臨界圧力に
近い温度および圧力の状態で、超臨界状態のアルコール
とほぼ同様の物理的、化学的挙動を示す状態を言う。な
お、メタノールの臨界温度は、512.6K、臨界圧力
は8.09MPaであり、エタノールの臨界温度は51
6.2K、臨界圧力は6.30MPaである。また、n
−プロパノールの臨界温度は536.7K、臨界圧力は
5.10MPaで、イソープロパノールの臨界温度は5
08.3K、臨界圧力は4.70MPaである。
【0008】被処理物であるフェノール樹脂またはエポ
キシ樹脂の種類としては、特に限定されず、その形状と
しては低級アルコールとの接触面積が大きい粉状,粒
状,繊維状が好ましい。また、ガラス繊維,布,パル
プ,アスベストなどの補強材料や木粉、種々の無機充填
材などが含まれていてもよい。
キシ樹脂の種類としては、特に限定されず、その形状と
しては低級アルコールとの接触面積が大きい粉状,粒
状,繊維状が好ましい。また、ガラス繊維,布,パル
プ,アスベストなどの補強材料や木粉、種々の無機充填
材などが含まれていてもよい。
【0009】分解方法の具体的なものとしては、例えば
図1に示すオートクレーブなどの耐圧容器1内に、被処
理物2のフェノール樹脂またはエポキシ樹脂の粉末等
と、低級アルコール3を投入し、耐圧容器内を窒素ガス
などの不活性ガスで置換したのち、ヒータ4を動作せし
めて、耐圧容器1を加熱し、内部の低級アルコール3を
超臨界状態または亜臨界状態とする。この際の反応条件
は、温度が200〜700℃、好ましくは350〜40
0℃、圧力が4〜50MPa、時間が10分〜10時
間、好ましくは30分〜2時間とされる。なお、図1
中、符号5は耐圧容器1内の圧力を測定する圧力計,符
号6は耐圧容器1内のアルコール3の温度を測定する熱
電対である。
図1に示すオートクレーブなどの耐圧容器1内に、被処
理物2のフェノール樹脂またはエポキシ樹脂の粉末等
と、低級アルコール3を投入し、耐圧容器内を窒素ガス
などの不活性ガスで置換したのち、ヒータ4を動作せし
めて、耐圧容器1を加熱し、内部の低級アルコール3を
超臨界状態または亜臨界状態とする。この際の反応条件
は、温度が200〜700℃、好ましくは350〜40
0℃、圧力が4〜50MPa、時間が10分〜10時
間、好ましくは30分〜2時間とされる。なお、図1
中、符号5は耐圧容器1内の圧力を測定する圧力計,符
号6は耐圧容器1内のアルコール3の温度を測定する熱
電対である。
【0010】ついで、所定時間の処理が終了したら、耐
圧容器1を冷却し、常温常圧としたのち、内容物を取り
出し、これを液体成分と固体成分とに濾別するなどして
分離する。固体成分は、充填材,補強材,樹脂炭化物,
未分解物などであり、液体成分は、樹脂が分解されて生
じたモノマー類などの低分子化合物と低級アルコールで
ある。生成したモノマー類は回収されて、樹脂合成用の
原料モノマーとされる。この方法によるポリマーからモ
ノマー類への転化率は、ポリマーに対して60〜95重
量%となる。また、被処理物がフェノール樹脂であれ
ば、得られるモノマーは、フェノール,メチルフェノー
ル,ジメチルフェノール,トリメチルフェノールなどの
アルキルフェノールなどであり、エポキシ樹脂であれ
ば、ヘキサヒドロテレフタル酸ジメチル,テトラヒドロ
安息香酸メチルなどが生成する。
圧容器1を冷却し、常温常圧としたのち、内容物を取り
出し、これを液体成分と固体成分とに濾別するなどして
分離する。固体成分は、充填材,補強材,樹脂炭化物,
未分解物などであり、液体成分は、樹脂が分解されて生
じたモノマー類などの低分子化合物と低級アルコールで
ある。生成したモノマー類は回収されて、樹脂合成用の
原料モノマーとされる。この方法によるポリマーからモ
ノマー類への転化率は、ポリマーに対して60〜95重
量%となる。また、被処理物がフェノール樹脂であれ
ば、得られるモノマーは、フェノール,メチルフェノー
ル,ジメチルフェノール,トリメチルフェノールなどの
アルキルフェノールなどであり、エポキシ樹脂であれ
ば、ヘキサヒドロテレフタル酸ジメチル,テトラヒドロ
安息香酸メチルなどが生成する。
【0011】このような分解方法にあっては、フェノー
ル樹脂またはエポキシ樹脂をその構成モノマーにまで高
率で分解することができる。すなわち、超臨界状態もし
くは亜臨界状態の低級アルコールはこれら樹脂に対して
極めて高い溶解性を示し、これら樹脂を加アルコール分
解し、ポリマーをモノマー類などの低分子化合物に分解
するものと考えられ、また同時に熱分解反応による樹脂
の熱分解も生じているものと考えられる。
ル樹脂またはエポキシ樹脂をその構成モノマーにまで高
率で分解することができる。すなわち、超臨界状態もし
くは亜臨界状態の低級アルコールはこれら樹脂に対して
極めて高い溶解性を示し、これら樹脂を加アルコール分
解し、ポリマーをモノマー類などの低分子化合物に分解
するものと考えられ、また同時に熱分解反応による樹脂
の熱分解も生じているものと考えられる。
【0012】本発明の樹脂の製造方法は、このようにし
て分解して得られたモノマー類を回収し、新たなフェノ
ール樹脂またはエポキシ樹脂の合成のために用いるもの
である。具体的には、分解生成物の液体成分を回収し、
これに含まれる低級アルコールを蒸留などの手段によっ
て除去し、モノマー類として再使用する。例えばフェノ
ール樹脂の場合には、分解生成したフェノール,アルキ
ルフェノールなどを回収し、これにホルムアルデヒトを
反応させてフェノール樹脂とする。この際、必要に応じ
て新しいフェノール類を追加することもできる。
て分解して得られたモノマー類を回収し、新たなフェノ
ール樹脂またはエポキシ樹脂の合成のために用いるもの
である。具体的には、分解生成物の液体成分を回収し、
これに含まれる低級アルコールを蒸留などの手段によっ
て除去し、モノマー類として再使用する。例えばフェノ
ール樹脂の場合には、分解生成したフェノール,アルキ
ルフェノールなどを回収し、これにホルムアルデヒトを
反応させてフェノール樹脂とする。この際、必要に応じ
て新しいフェノール類を追加することもできる。
【0013】かくして、本発明の方法によれば、廃棄処
分とされるフェノール樹脂,エポキシ樹脂からその構成
モノマーを回収し、これを新たなフェノール樹脂,エポ
キシ樹脂の合成原料として再利用することができ、リサ
イクルが可能となる。また、従来の方法(特開平10−
287766号公報)では、超臨界状態あるいは亜臨界
状態の水に酸素などの酸化剤を加えて酸化分解を行うも
のであるので、生成する低分子化合物が酸化されること
が多くなり、再利用しうるモノマー類の割合が低い欠点
があるが、本発明のものではモノマー類が酸化されるこ
とが少なく、モノマー類の再利用率が高くなる。なお、
本発明の方法では、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂以
外の熱硬化性樹脂についても、同様に分解でき、その構
成モノマー類を回収できるものと予想される。
分とされるフェノール樹脂,エポキシ樹脂からその構成
モノマーを回収し、これを新たなフェノール樹脂,エポ
キシ樹脂の合成原料として再利用することができ、リサ
イクルが可能となる。また、従来の方法(特開平10−
287766号公報)では、超臨界状態あるいは亜臨界
状態の水に酸素などの酸化剤を加えて酸化分解を行うも
のであるので、生成する低分子化合物が酸化されること
が多くなり、再利用しうるモノマー類の割合が低い欠点
があるが、本発明のものではモノマー類が酸化されるこ
とが少なく、モノマー類の再利用率が高くなる。なお、
本発明の方法では、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂以
外の熱硬化性樹脂についても、同様に分解でき、その構
成モノマー類を回収できるものと予想される。
【0014】以下、具体例を示すが、本発明はこれに限
定されるものではない。 (実施例1)フェノール樹脂として、フェノール樹脂成
形品(樹脂分、平均95%)を用いた。成形品約2gを
粗砕した。オートクレーブ(SUS316、日東反応機
製)にメタノール約70ミリリットルを入れ、成形品の
粗砕物を入れた。容器内の空気を窒素ガスで充分に置換
した後、オートクレーブを400℃、26MPaまで上
昇させた。400℃で30分間保った後、オートクレー
ブを冷却して常温常圧に戻した。この固液混合の反応溶
液をメンブランフィルターを用いて固体成分と液体成分
に分離した。固体成分は、分析の結果、炭化が進んだ樹
脂分であることが分かった。また、この液体成分をGC
−MS(HP 6890、5973、Hewlet−P
ackard製)を用いて分析した結果、フェノール類
モノマーを含むメタノール溶液であることが分かった。
そのフェノール類モノマーは、フェノール,メチルフェ
ノール,ジメチルフェノール,トリメチルフェノールの
各成分からなるものであった。反応時間とモノマーへの
転化率の結果を表1に示す。また、図2にGC−MSで
得られたクロマトグラムを示す。
定されるものではない。 (実施例1)フェノール樹脂として、フェノール樹脂成
形品(樹脂分、平均95%)を用いた。成形品約2gを
粗砕した。オートクレーブ(SUS316、日東反応機
製)にメタノール約70ミリリットルを入れ、成形品の
粗砕物を入れた。容器内の空気を窒素ガスで充分に置換
した後、オートクレーブを400℃、26MPaまで上
昇させた。400℃で30分間保った後、オートクレー
ブを冷却して常温常圧に戻した。この固液混合の反応溶
液をメンブランフィルターを用いて固体成分と液体成分
に分離した。固体成分は、分析の結果、炭化が進んだ樹
脂分であることが分かった。また、この液体成分をGC
−MS(HP 6890、5973、Hewlet−P
ackard製)を用いて分析した結果、フェノール類
モノマーを含むメタノール溶液であることが分かった。
そのフェノール類モノマーは、フェノール,メチルフェ
ノール,ジメチルフェノール,トリメチルフェノールの
各成分からなるものであった。反応時間とモノマーへの
転化率の結果を表1に示す。また、図2にGC−MSで
得られたクロマトグラムを示す。
【0015】(実施例2)実施例1と同様に、フェノー
ル樹脂成形品(樹脂分、平均95%)を用いた。成形品
約2gを粗砕した。オートクレーブ(SUS316、日
東反応機)にメタノール約70ミリリットルを入れ、成
形品の粗砕物を入れた。容器内の空気を窒素ガスで充分
に置換した後、オートクレーブを400℃、26MPa
まで上昇とせた。400℃で60分間保った後、オート
クレーブを冷却して常温常圧に戻した。この固液混合の
反応溶液をメンブランフィルターを用いて固体成分と液
体成分に分離した。以下実施例1と同様に反応時間とモ
ノマーへの転化率の結果を表1に示す。反応温度とモノ
マーへの転化率の結果を表2に示す。
ル樹脂成形品(樹脂分、平均95%)を用いた。成形品
約2gを粗砕した。オートクレーブ(SUS316、日
東反応機)にメタノール約70ミリリットルを入れ、成
形品の粗砕物を入れた。容器内の空気を窒素ガスで充分
に置換した後、オートクレーブを400℃、26MPa
まで上昇とせた。400℃で60分間保った後、オート
クレーブを冷却して常温常圧に戻した。この固液混合の
反応溶液をメンブランフィルターを用いて固体成分と液
体成分に分離した。以下実施例1と同様に反応時間とモ
ノマーへの転化率の結果を表1に示す。反応温度とモノ
マーへの転化率の結果を表2に示す。
【0016】(比較例1)実施例1と同様に、フェノー
ル樹脂成形品(樹脂分、平均95%)を用いた。成形品
約2gを粗砕した。オートクレーブ(SUS316、日
東反応機)にメタノール約70ミリリットルを入れ、成
形品の粗砕物を入れた。容器内の空気を窒素ガスで充分
に置換した後、オートクレーブを300℃、14MPa
まで上昇とせた。300℃で60分間保った後、オート
クレーブを冷却して常温常圧に戻した。この固液混合の
反応溶液をメンブランフィルターを用いて固体成分と液
体成分に分離した。以下実施例1と同様に反応時間とモ
ノマーへの転化率の結果を表1に示す。反応温度とモノ
マーへの転化率の結果を表2に示す。
ル樹脂成形品(樹脂分、平均95%)を用いた。成形品
約2gを粗砕した。オートクレーブ(SUS316、日
東反応機)にメタノール約70ミリリットルを入れ、成
形品の粗砕物を入れた。容器内の空気を窒素ガスで充分
に置換した後、オートクレーブを300℃、14MPa
まで上昇とせた。300℃で60分間保った後、オート
クレーブを冷却して常温常圧に戻した。この固液混合の
反応溶液をメンブランフィルターを用いて固体成分と液
体成分に分離した。以下実施例1と同様に反応時間とモ
ノマーへの転化率の結果を表1に示す。反応温度とモノ
マーへの転化率の結果を表2に示す。
【0017】(実施例3)実施例1と同様に、フェノー
ル樹脂成形品(樹脂分、平均95%)を用いた。成形品
約2gを粗砕した。オートクレーブ(SUS316、日
東反応機)にメタノール約70ミリリットルを入れ、成
形品の粗砕物を入れた。容器内の空気を窒素ガスで充分
に置換した後、オートクレーブを400℃、26MPa
まで上昇とせた。400℃で15分間保った後、オート
クレーブを冷却して常温常圧に戻した。この固液混合の
反応溶液をメンブランフィルターを用いて固体成分と液
体成分に分離した。以下実施例1と同様に反応時間とモ
ノマーへの転化率の結果を表1に示す。
ル樹脂成形品(樹脂分、平均95%)を用いた。成形品
約2gを粗砕した。オートクレーブ(SUS316、日
東反応機)にメタノール約70ミリリットルを入れ、成
形品の粗砕物を入れた。容器内の空気を窒素ガスで充分
に置換した後、オートクレーブを400℃、26MPa
まで上昇とせた。400℃で15分間保った後、オート
クレーブを冷却して常温常圧に戻した。この固液混合の
反応溶液をメンブランフィルターを用いて固体成分と液
体成分に分離した。以下実施例1と同様に反応時間とモ
ノマーへの転化率の結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】(実施例4)ガラス繊維強化エポキシ樹脂
成形品(樹脂分80重量%)を用いた以外は、実施例2
と同様にして分解を行った。ただし、反応時間は60分
とした。このもののモノマーへの転化率は95%であっ
た。図3にGC−MSで得られたクロマトグラムを示
す。
成形品(樹脂分80重量%)を用いた以外は、実施例2
と同様にして分解を行った。ただし、反応時間は60分
とした。このもののモノマーへの転化率は95%であっ
た。図3にGC−MSで得られたクロマトグラムを示
す。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フェノール樹脂またはエポキシ樹脂をその構成モノマー
類に効率よく分解でき、得られたモノマー類を回収し、
再び新たな合成材料としてフェノール樹脂またはエポキ
シ樹脂への製造に利用することができ、フェノール樹脂
またはエポキシ樹脂のリサイクルが可能となる。
フェノール樹脂またはエポキシ樹脂をその構成モノマー
類に効率よく分解でき、得られたモノマー類を回収し、
再び新たな合成材料としてフェノール樹脂またはエポキ
シ樹脂への製造に利用することができ、フェノール樹脂
またはエポキシ樹脂のリサイクルが可能となる。
【図1】 本発明の分解方法に用いられる装置の一例を
示す概略構成図である。
示す概略構成図である。
【図2】 実施例1で得られたGC−MSのクロマトグ
ラムである。
ラムである。
【図3】 実施例4で得られたGC−MSのクロマトグ
ラムである。
ラムである。
1…耐圧容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 純一 群馬県桐生市天神町1丁目5番1号 群馬 大学工学部内 (72)発明者 大谷 朝男 群馬県桐生市天神町1丁目5番1号 群馬 大学工学部内 Fターム(参考) 4F301 AA22 AA24 CA23 CA24 CA72 CA73
Claims (2)
- 【請求項1】 超臨界状態または亜臨界状態の低級アル
コールにフェノール樹脂またはエポキシ樹脂を接触させ
ることを特徴とするフェノール樹脂またはエポキシ樹脂
の分解方法。 - 【請求項2】 超臨界状態または亜臨界状態の低級アル
コールにフェノール樹脂またはエポキシ樹脂を接触さ
せ、これを分解し、分解して得られた低分子化合物を新
たなフェノール樹脂またはエポキシ樹脂の合成原料とす
ることを特徴とするフェノール樹脂またはエポキシ樹脂
の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23316099A JP2001055468A (ja) | 1999-08-19 | 1999-08-19 | フェノール樹脂またはエポキシ樹脂の分解方法と製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23316099A JP2001055468A (ja) | 1999-08-19 | 1999-08-19 | フェノール樹脂またはエポキシ樹脂の分解方法と製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001055468A true JP2001055468A (ja) | 2001-02-27 |
Family
ID=16950671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23316099A Withdrawn JP2001055468A (ja) | 1999-08-19 | 1999-08-19 | フェノール樹脂またはエポキシ樹脂の分解方法と製造方法 |
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