JPH10287653A - 2−ハロゲノ−5−シアノピリジンの製造方法 - Google Patents

2−ハロゲノ−5−シアノピリジンの製造方法

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JPH10287653A
JPH10287653A JP8918097A JP8918097A JPH10287653A JP H10287653 A JPH10287653 A JP H10287653A JP 8918097 A JP8918097 A JP 8918097A JP 8918097 A JP8918097 A JP 8918097A JP H10287653 A JPH10287653 A JP H10287653A
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JP
Japan
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cyanopyridine
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thiobispyridine
dicyano
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JP8918097A
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Inventor
Takashi Hamazaki
高史 濱崎
Goro Asanuma
五朗 浅沼
Shinichi Inoue
伸一 井上
Manzo Shiono
万蔵 塩野
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬分野において重要な各種ピリジン化合物
の出発原料として有用な2−ハロゲノ−5−シアノピリ
ジンを、入手容易な原料から、収率よく製造する方法を
提供する。 【解決手段】 5,5’−ジシアノ−2,2’−チオビ
スピリジンをハロゲン化剤と反応させることを特徴とす
る2−ハロゲノ−5−シアノピリジンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−ハロゲノ−5
−シアノピリジンの製造方法、ならびに該製造方法に用
いられる中間体およびその製造方法に関する。本発明に
より製造される2−ハロゲノ−5−シアノピリジンは、
医薬、農薬分野において重要な各種ピリジン化合物の出
発原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】2−ハロゲノ−5−シアノピリジンの製
造方法としては、3−シアノピリジンを塩基の共存下
に塩素と反応させて2−クロロ−5−シアノピリジンを
得る方法(特開平5−43549号公報参照)、3−
シアノピリジン−1−オキシドを塩化ホスホリルと反応
させて2−クロロ−5−シアノピリジンを得る方法[ケ
ミカル ファーマシューティカル ブルティン(Chem.
Pharm. Bull.)、36巻、2244頁(1988年)参
照]、2−ヒドロキシ−5−シアノピリジンを塩化チ
オニルで塩素化して2−クロロ−5−シアノピリジンを
得る方法(特開平8−53418号公報参照)などが知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
およびの方法では、塩素化される位置がピリジン環
の2位、4位および6位の3種類あるため、反応生成物
が異性体の混合物となり反応の選択性が低く、またその
ため異性体の分離が必要となる問題があった。また、
の方法については、出発原料が微生物変換により得られ
ており、生産効率の悪さが問題となっている。しかし
て、本発明の目的は、入手容易な原料から、収率よく2
−ハロゲノ−5−シアノピリジンを製造することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、(1)5,5’−ジシアノ−2,2’−チオビ
スピリジンをハロゲン化剤と反応させることを特徴とす
る一般式(I)
【0005】
【化5】
【0006】(式中、Xはハロゲン原子を表す。)で示
される2−ハロゲノ−5−シアノピリジンの製造方法、
(2)5,5’−ジシアノ−2,2’−チオビスピリジ
ン、(3)一般式(II)
【0007】
【化6】
【0008】(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル
基、置換されていてもよいアリール基または置換されて
いてもよいアラルキル基を表す。)で示される2−スル
ホニル−5−シアノピリジン[以下、2−スルホニル−
5−シアノピリジン(II)と略記する]を、金属硫化物
と反応させるか、または金属水硫化物および金属水酸化
物と反応させることを特徴とする5,5’−ジシアノ−
2,2’−チオビスピリジンの製造方法、および(4)
2−スルホニル−5−シアノピリジン(II)を金属水硫
化物と反応させることにより一般式(III)
【0009】
【化7】
【0010】(式中、Yは水素原子またはアルカリ金属
原子を表す。)で示される化合物[以下、化合物(III)
と略記する]を得、得られた化合物(III)を、金属
水酸化物の存在下、2−スルホニル−5−シアノピリジ
ン(II)と反応させることを特徴とする5,5’−ジ
シアノ−2,2’−チオビスピリジンの製造方法を提供
することにより達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】上記式中、Rが表すアルキル基と
してはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられ、シ
クロアルキル基としてはシクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、シクロオクチル基などが挙げられる。また、ア
リール基としてはフェニル基、ナフチル基などが挙げら
れ、アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基な
どが挙げられる。これらのアリール基またはアラルキル
基はメチル基、エチル基などの低級アルキル基、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、シアノ
基、ニトロ基などにより適宜置換されていてもよい。ま
た、Xが表すハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子
などが挙げられ、Yが表すアルカリ金属原子としてはナ
トリウム、カリウムなどが挙げられる。
【0012】本発明の製造方法において出発物質となる
2−スルホニル−5−シアノピリジン(II)は、下記の
反応により製造することができる。
【0013】
【化8】
【0014】(式中、Rは前記定義のとおりであり、R
1 およびR2 はアルキル基を表し、R3 はアシル基、ア
ルキル基、置換されていてもよいアラルキル基またはシ
リル基を表し、Mはアルカリ金属原子を表す。ここで、
1 、R2 およびR3 が表すアルキル基としてはメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、tert−ブチル基などが挙げられる。R3 が表す
アシル基としてはアセチル基、プロパノイル基、ブタノ
イル基、ピバロイル基などの脂肪族アシル基;ベンゾイ
ル基などの芳香族アシル基などが挙げられ、アラルキル
基としてはベンジル基、フェネチル基などが挙げられ、
シリル基としてはトリメチルシリル基、トリエチルシリ
ル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジ
メチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基
などが挙げられる。また、Mが表すアルカリ金属原子と
してはナトリウム、カリウムなどが挙げられる。)
【0015】すなわち、3−ブテンニトリルとギ酸エス
テルとを、アルカリ金属アルコラート(IV)の存在下に
反応させることにより2−アルカリホルミル−3−ブテ
ンニトリル(V)を得、得られた2−アルカリホルミル
−3−ブテンニトリルにアシル化剤、アルキル化剤、ア
ラルキル化剤またはシリル化剤を反応させることにより
ジエン化合物(VI)を得、次いで得られたジエン化合物
(VI)とスルホニルシアニド(VII)とを反応させること
により、5−シアノ−2−スルホニルピリジン(II)を
得ることができる。
【0016】次に、2−スルホニル−5−シアノピリジ
ン(II)から5,5’−ジシアノ−2,2’−チオビス
ピリジンを得る工程を説明する。
【0017】かかる反応は、2−スルホニル−5−シア
ノピリジン(II)を、金属硫化物と反応させるか、また
は金属水硫化物および金属水酸化物と反応させることに
より行う。
【0018】金属硫化物としては、例えば硫化ナトリウ
ム、硫化カリウムなどのアルカリ金属硫化物などを挙げ
ることができる。金属硫化物の使用量は、2−スルホニ
ル−5−シアノピリジン(II)1モルに対して0.01
〜10モルの範囲の量が好ましく、0.1〜1モルの範
囲の量がより好ましい。
【0019】金属水硫化物としては、例えば水硫化ナト
リウム、水硫化カリウムなどを挙げることができる。金
属水硫化物の使用量は、2−スルホニル−5−シアノピ
リジン(II)1モルに対して0.01〜10モルの範囲
の量が好ましく、0.1〜1モルの範囲の量がより好ま
しい。
【0020】金属水酸化物としては、例えば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどを挙げることができる。金
属水酸化物の使用量は、金属水硫化物1モルに対して
0.1〜100モルの範囲の量が好ましく、0.1〜1
0モルの範囲の量がより好ましい。
【0021】反応は、希釈剤の存在下または不存在下で
行うことができる。希釈剤としては、反応に関与しない
ものであれば特に制限されないが、好適には、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール;
ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水
素;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;
アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル;ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミ
ドなどが挙げられる。
【0022】反応温度は−20〜200℃の範囲が好ま
しく、0〜120℃の範囲がより好ましい。反応は、常
圧、減圧または加圧下に行うことができる。また、反応
はバッチ式、連続式のいずれでも可能である。
【0023】5,5’−ジシアノ−2,2’−チオビス
ピリジンは、2−スルホニル−5−シアノピリジン(I
I)を金属水硫化物と反応させることにより得られる化
合物(III)を、金属水酸化物の存在下、2−スルホニル
−5−シアノピリジン(II)と反応させることにより得
ることもできる。
【0024】ここで使用される金属水硫化物としては、
水硫化ナトリウム、水硫化カリウムなどが挙げられる。
金属水硫化物の使用量は、2−スルホニル−5−シアノ
ピリジン(II)1モルに対して0.1〜50モルの範囲
の量が好ましく、0.1〜10モルの範囲の量がより好
ましい。
【0025】2−スルホニル−5−シアノピリジン(I
I)と金属水硫化物との反応は、希釈剤の存在下または
不存在下で行うことができる。希釈剤としては、反応に
関与しないものであれば特に制限されないが、好適に
は、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの
アルコール;ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン
などの炭化水素;テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
のエーテル;アセトニトリル、プロピオニトリルなどの
ニトリル;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ドなどのアミドなどが挙げられる。
【0026】反応温度は−20〜200℃の範囲が好ま
しく、0〜120℃の範囲がより好ましい。反応は、常
圧、減圧または加圧下に行うことができる。また、反応
はバッチ式、連続式のいずれでも可能である。
【0027】このようにして得られた化合物(III)の単
離は、常法により行うことができる。例えば、反応液を
水で希釈、中和した後、濾過または有機溶媒により抽出
することにより、化合物(III)を得ることができる。ま
た、単離することなく、次の反応に使用してもよい。
【0028】化合物(III)と2−スルホニル−5−シア
ノピリジン(II)との反応において使用される金属水酸
化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
が挙げられる。金属水酸化物の使用量は、化合物(III)
1モルに対して0.1〜100モルの範囲の量が好まし
く、0.1〜10モルの範囲の量がより好ましい。
【0029】反応は、希釈剤の存在下または不存在下で
行うことができる。希釈剤としては、反応に関与しない
ものであれば特に制限されないが、好適には、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール;
ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水
素;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;
アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル;ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミ
ドなどが挙げられる。
【0030】反応温度は−20〜200℃の範囲が好ま
しく、0〜120℃の範囲がより好ましい。反応は、常
圧、減圧または加圧下に行うことができる。また、反応
はバッチ式、連続式のいずれでも可能である。
【0031】反応終了後、目的生成物はスラリー状で得
られるため、ろ過、洗浄、乾燥などの操作を適宜採用す
ることにより、5,5’−ジシアノ−2,2’−チオビ
スピリジンを容易に得ることができる。
【0032】また、2−スルホニル−5−シアノピリジ
ン(II)から5,5’−ジシアノ−2,2’−チオビス
ピリジンを得る反応において一般式(VIII)
【0033】
【化9】
【0034】(式中、RおよびMは前記定義のとおりで
ある。)で示されるスルフィン酸塩が生成する。ここで
得られた一般式(VIII)で示されるスルフィン酸塩は、
塩化シアン、臭化シアンなどのハロゲン化シアンと反応
させることにより、一般式(VII)
【0035】
【化10】
【0036】(式中、Rは前記定義のとおりである。)
で示されるスルホニルシアニドに変換することができ
る。得られた一般式(VII)で示されるスルホニルシアニ
ドは、前記ジエン化合物(VI)と反応させることによ
り、2−スルホニル−5−シアノピリジン(II)とする
ことができる。
【0037】次に、5,5’−ジシアノ−2,2’−チ
オビスピリジンをハロゲン化剤と反応させ、2−ハロゲ
ノ−5−シアノピリジン(I)を得る工程について説明
する。
【0038】ハロゲン化剤としては、塩素、塩化スルフ
リル、臭素、臭化スルフリルなどが挙げられる。
【0039】ハロゲン化剤は、反応前に必要量を添加す
るか、反応中に連続的にもしくは逐次的に加えることが
できる。ハロゲン化剤の使用量は、5,5’−ジシアノ
−2,2’−チオビスピリジン1モルに対して0.1〜
100モルの範囲の量が好ましく、0.1〜10モルの
範囲の量がより好ましい。
【0040】反応は、溶媒中で行うのが好ましい。溶媒
としては、反応に関与しないものであれば特に制限され
ないが、例えば酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素、テ
トラクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼンなどが
挙げられる。
【0041】反応は、20℃から溶媒還流温度で行うこ
とが好ましく、40℃から100℃の範囲の温度で行わ
れることがより好ましい。
【0042】このようにして得られた反応混合物からの
2−ハロゲノ−5−シアノピリジン(I)の単離精製
は、常法により行うことができる。例えば、反応混合物
を濃縮乾固すれば粗生成物が得られる。精製は常法の蒸
留、カラムクロマトグラフィー、または再結晶によって
行う。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0044】参考例1 2−ソジオホルミル−3−ブテ
ンニトリルの合成 撹拌機、蒸留装置、滴下漏斗、温度計を備えた反応器に
28%ナトリウムメチラートメタノール溶液10.02
g(52.0ミリモル)およびヘプタン27.60gを
入れ、メタノールを共沸留去した。得られたスラリーを
氷冷し、そのスラリーにヘプタン13.70g、ギ酸メ
チル3.20g(53.3ミリモル)および3−ブテン
ニトリル3.60g(53.7ミリモル)を加え、室温
で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾集物をギ酸
メチルで洗浄、乾燥し、下記の物性値を示す2−ソジオ
ホルミル−3−ブテンニトリル3.84g(32.8ミ
リモル、収率63.1%)を得た。
【0045】PMR(270MHz、DMSO−d6)
δ:4.07(d,1H),4.26(d,1H),
6.19(dd,1H),8.19(s,1H)
【0046】参考例2 1−アセトキシ−2−シアノ−
1,3−ブタジエンの合成 撹拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応器に塩化アセチ
ル8.26g(105ミリモル)およびトルエン100
mlを入れ、氷冷した。次いで、反応器に2−ソジオホ
ルミル−3−ブテンニトリル8.42g(57.6ミリ
モル)を30分間で加え、1時間撹拌した。反応混合物
を濾過し、濾液を水および5%炭酸水素ナトリウム水溶
液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち、減圧
下に濃縮した。得られた残査を減圧下に蒸留し、沸点6
5〜67℃(3mmHg)の留分として、下記の物性を
示す1−アセトキシ−2−シアノ−1,3−ブタジエン
5.94g(43.6ミリモル、2−ソジオホルミル−
3−ブテンニトリルに対する収率75.3%)を得た。
【0047】PMR(270MHz、CDCl3 )δ:
5.40(d,1H),5.69(d,1H),6.2
4(dd,1H),7.87(s,1H)
【0048】参考例3 2−ベンゼンスルホニル−5−
シアノピリジンの合成 撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗を備えた反応器
にトルエンを入れ、100℃に加熱した。次いで、反応
器に1−アセトキシ−2−シアノ−1,3−ブタジエン
68.5g(500ミリモル)とベンゼンスルホニルシ
アニド60.0g(359ミリモル)の混合物を1時間
で滴下したのち、100℃で2時間撹拌した。冷却後、
反応混合物を減圧下に濃縮し、得られた残査をトルエン
から再結晶し、下記の物性値を示す2−ベンゼンスルホ
ニル−5−シアノピリジン64.0g(262ミリモ
ル、ベンゼンスルホニルシアニドに対する収率73.0
%)を得た。
【0049】PMR(270MHz、CDCl3 )δ:
7.54−7.68(m,3H),8.04−8.08
(m,2H),8.22(dd,1H,J=2.2H
z,8.1Hz),8.33(d,1H,J=8.1H
z),8.89(d,1H,J=2.2Hz)
【0050】実施例1 5,5’−ジシアノ−2,2’
−チオビスピリジンの合成 撹拌機、還流冷却器、温度計を備えた反応器に2−ベン
ゼンスルホニル−5−シアノピリジン50.0g(20
5ミリモル)、硫化ナトリウム九水和物25.0g(1
04ミリモル)およびアセトニトリル500mlを入
れ、還流温度に加熱し4時間撹拌した。反応混合物を室
温まで冷却したのち、析出した固体を濾取、水洗、減圧
下に乾燥し、下記の物性値を示す5,5’−ジシアノ−
2,2’−チオビスピリジン17.8g(74.7ミリ
モル、収率72.9%)を得た。
【0051】PMR(270MHz、DMSO−d6)
δ:7.84(d,J=8.90Hz,2H),8.3
2(d,J=8.90Hz,2H),8.98(s,2
H)MS:237(M−1)
【0052】実施例2 5,5’−ジシアノ−2,2’
−チオビスピリジンの合成 撹拌機、還流冷却器、温度計を備えた反応器に2−ベン
ゼンスルホニル−5−シアノピリジン40.0g(16
4ミリモル)、水酸化ナトリウム3.28g(82ミリ
モル)、70%水硫化ナトリウム10.48g(131
ミリモル)およびアセトニトリル400mlを入れ、還
流温度で4時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し
たのち濃縮し、析出した固体をエタノール、水で洗浄
し、減圧乾燥し、5,5’−ジシアノ−2,2’−チオ
ビスピリジン14.17g(60ミリモル、収率73
%)を得た。
【0053】実施例3 2−メルカプト−5−シアノピ
リジンの合成 撹拌機、還流冷却器、温度計を備えた反応器に2−ベン
ゼンスルホニル−5−シアノピリジン15g(61.4
ミリモル)、70%水硫化ナトリウム39g(487ミ
リモル)およびアセトニトリル400mlを入れ、還流
温度で4時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した
のち濃縮し、残渣を水400mlで希釈し、塩酸でpH
5にした。析出した固体を水で洗浄し、減圧乾燥し、2
−メルカプト−5−シアノピリジン5.78g(42.
5ミリモル、収率70%)を得た。
【0054】実施例4 5,5’−ジシアノ−2,2’
−チオビスピリジンの合成 撹拌機、還流冷却器、温度計を備えた反応器に2−メル
カプト−5−シアノピリジン4.00g(29.4ミリ
モル)、水酸化ナトリウム1.18g(29.5ミリモ
ル)およびエタノール80mlを入れ、室温で30分間
撹拌した。これに2−ベンゼンスルホニル−5−シアノ
ピリジン7.17g(29.4ミリモル)を加え、還流
温度で3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した
のち、析出した固体を濾取し、減圧乾燥し、5,5’−
ジシアノ−2,2’−チオビスピリジン4.76g(2
0.0ミリモル、収率68.0%)を得た。
【0055】実施例5 2−クロロ−5−シアノピリジ
ンの合成 撹拌機、還流冷却機、温度計、ガス導入管を備えた反応
器に5,5’−ジシアノ−2,2’−チオビスピリジン
17.8g(74.6ミリモル)および酢酸400ml
を入れ、60℃に加熱した。反応液を該温度に保ちなが
ら、塩素(毎分175ml)を反応液に3時間導入し
た。冷却後、反応液に窒素を吹き込み過剰の塩素を除去
し、減圧下に濃縮した。得られた残査をヘプタンで再結
晶し、2−クロロ−5−シアノピリジン15.6g(1
13ミリモル、収率75.7%)を得た。このものはN
MR分析において標品と一致した。
【0056】
【発明の効果】農薬分野において重要な各種ピリジン化
合物の出発原料として有用な2−ハロゲノ−5−シアノ
ピリジンを、入手容易な原料から、高収率で製造でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩野 万蔵 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5,5’−ジシアノ−2,2’−チオビ
    スピリジンをハロゲン化剤と反応させることを特徴とす
    る一般式(I) 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を表す。)で示される2−ハ
    ロゲノ−5−シアノピリジンの製造方法。
  2. 【請求項2】 5,5’−ジシアノ−2,2’−チオビ
    スピリジン。
  3. 【請求項3】 一般式(II) 【化2】 (式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、置換され
    ていてもよいアリール基または置換されていてもよいア
    ラルキル基を表す。)で示される2−スルホニル−5−
    シアノピリジンを、金属硫化物と反応させるか、または
    金属水硫化物および金属水酸化物と反応させることを特
    徴とする5,5’−ジシアノ−2,2’−チオビスピリ
    ジンの製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(II) 【化3】 (式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、置換され
    ていてもよいアリール基または置換されていてもよいア
    ラルキル基を表す。)で示される2−スルホニル−5−
    シアノピリジンを金属水硫化物と反応させることにより
    一般式(III) 【化4】 (式中、Yは水素原子またはアルカリ金属原子を表
    す。)で示される化合物を得、得られた化合物を、金属
    水酸化物の存在下、上記一般式(II)で示される2−ス
    ルホニル−5−シアノピリジンと反応させることを特徴
    とする5,5’−ジシアノ−2,2’−チオビスピリジ
    ンの製造方法。
JP8918097A 1997-04-08 1997-04-08 2−ハロゲノ−5−シアノピリジンの製造方法 Pending JPH10287653A (ja)

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