JPH10287198A - エアバック用ガス発生器 - Google Patents

エアバック用ガス発生器

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Publication number
JPH10287198A
JPH10287198A JP9097163A JP9716397A JPH10287198A JP H10287198 A JPH10287198 A JP H10287198A JP 9097163 A JP9097163 A JP 9097163A JP 9716397 A JP9716397 A JP 9716397A JP H10287198 A JPH10287198 A JP H10287198A
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JP
Japan
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inner cylinder
cylinder
gas generator
upper lid
gas
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Application number
JP9097163A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kanda
神田  剛
Koji Tanaka
耕治 田中
Akihiko Kuroiwa
顕彦 黒岩
Takashi Saso
高 佐宗
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造方法が簡単で且つ低コストで製造できる
と共に、耐熱,耐圧性に優れたガス発生器を提供する。 【解決手段】 天盤1aと側筒1bからなり、肉圧が略
均一な耐熱金属板のプレス加工によって成形された上蓋
1と、上端側は、前記天盤1aの裏面中央に接合され、
下端側には外周側段部3bが形成された先端薄肉部3c
を有する耐熱金属性の内筒3と、前記内筒3の薄肉部3
cが挿入される開口部2dを有し、肉圧が略均一な耐熱
金属板のプレス加工によって成形された下蓋2からな
り、前記上蓋1および内筒の下端と前記下蓋2とが夫々
摩擦圧接されて形成されたハウジング4内の前記内筒3
と上蓋1の側筒1bとの間に形成される環状空間4a内
に、ガス発生剤5とフィルタ6とが収納され、前記内筒
3の内側に点火器10bを収納し、前記内筒3の先端薄
肉部3cをかしめて該点火器10bを固定している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の衝突事故
等による衝撃から運転者および乗員の安全を確保するた
めのエアバック装置に用いられるガス発生器に関し、更
に詳しくは、非アジ化系ガス発生剤に適応可能な耐熱,
耐圧性に優れかつ製作容易なガス発生器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来のガス発生器の代表的なものとして
は、図5に示している様に、上蓋51と下蓋52とが摩
擦圧接54,55によって接合されてハウジングが形成
され、その内部空間内には内筒53が配置した所謂2筒
型のガス発生器がある(登録実用新案公報第30199
17号参照)。この従来型のガス発生器において、上蓋
51は、内筒53が一体的に成形された有蓋二重管構造
であり、又、下蓋52側には、摩擦圧接時のバリの形成
を阻害しないようにして点火器を固定しうるよう、内筒
の摩擦圧接部54の外周に空間部60を有する点火器取
付部59が設けられている。係る複雑な構造を必要とす
るハウジング部材には、成形性の良いアルミニウム合金
が使用されている。又、ハウジング内には、アジ化ソー
ダ等のアジ化金属化合物が、ガス発生剤56として配置
されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ガス発生剤としてのア
ジ化金属化合物は、燃焼制御が容易な特性を有する事か
ら、従来から代表的なガス発生剤として採用されている
が、水分の存在下で有害なガスを発生する事から、最近
では、窒素含有有機化合物に代表される非アジ化系有機
化合物をガス発生剤の主成分として採用する傾向があ
る。ところが、係る有機化合物をガス発生剤に使用する
場合には、アジ化系ガス発生剤に比べて、燃焼時の内圧
が上昇しやすい傾向にあり、この点で、従来のアルミ合
金製ガス発生器では、耐熱,耐圧性に限界があり、この
ため、アルミ合金性のガス発生器を使用する範囲では、
適用可能な非アジ化系ガス発生剤の種類にも限界があっ
た。
【0004】又、図5のアルミ合金製のガス発生器で
は、上蓋51の成形後に、内筒53に複数の伝火孔53
aを成形する事になるが、内側に存在する内筒53に小
孔53aを形成する事は困難な作業であり、又、ガス放
出孔57の成形も、個々に形成される関係上、極めて煩
雑な作業となる。更に、下蓋52においても、空間部6
0を有する点火器取付部59を形成する必要性があり、
係るガス発生器の製作には、多くの工数と多大な経費を
必要としており、コスト低減も大きな課題であった。
【0005】又、アルミ合金の強度に鑑み、上蓋51や
下蓋52の応力集中部には、厚肉部が形成されており、
この肉圧管理も、製造工程中の重要な管理項目であっ
た。
【0006】本発明は、前述の問題に鑑みてなされたも
のであり、その目的とする処は、製造方法が簡単で且つ
低コストで製造できると共に、耐熱,耐圧性に優れたガ
ス発生器を提供し、同時に非アジ化系ガス発生剤の適用
範囲を拡大するガス発生器を提供する事にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のガス発生器は、円形の天盤と、その周縁か
ら略垂直に延設され複数のガス放出孔を有する側筒部と
からなり、各部の厚さが略均一な耐熱金属板のプレス加
工によって成形された上蓋と、上端側は、前記天盤の裏
面中央に接合され、下端側には外周側段部が形成された
先端薄肉部を有し且つ径方向に貫通する複数の伝火孔を
有する耐熱金属製の内筒と、前記天盤より大径で、中央
部に前記内筒の薄肉部が挿入される開口部が形成された
底盤と、その周縁から略垂直に延設され且つ端部に水平
なフランジが形成されたフランジ筒とからなる耐熱金属
板のプレス加工により成形された下蓋と、前記上蓋の側
筒部の開放端と前記下蓋の底盤及び前記内筒の外周側段
部と前記下蓋の前記開口部とが夫々摩擦圧接されてハウ
ジングが形成され、前記ハウジング内の前記内筒と上蓋
の側筒との間に形成される環状空間内に、ガス発生剤と
フィルタとが収納され、前記内筒の内側に点火器を収納
し、前記底盤の開口部から突出した前記内筒の先端薄肉
部をかしめて該点火器を固定してなることを特徴とする
ものである。
【0008】これにより、均一な肉圧の1枚の耐熱性金
属板からプレス加工のみによって上蓋及び下蓋が形成さ
れ、伝火孔を有する内筒は、上蓋とは別部材となってい
るので、その加工は容易となる。又、点火器は、上蓋と
下蓋とが摩擦圧接された後に内筒内に収納できるので、
摩擦圧接時の高温により点火器が発火するのを防止する
ための対策も不必要となり、上蓋,下蓋共に、極めて単
純な構造となす事ができ、製造工程が大幅に簡略化され
る事になる。又、耐熱性金属の肉圧を適当に設定する事
により、容易に耐圧性も付与させる事が可能であるの
で、燃焼時の内圧が高圧となりやすい非アジ化系ガス発
生剤の適用が容易となる。
【0009】尚、前記耐熱性金属板としてはステンレス
鋼板が最も代表的であり、このプレス加工の過程で、上
蓋のガス放出孔の打ち抜きも行えるので、従来のアルミ
合金に比して安価な材料を用いる事と相まって、この点
からも製造コストの低減が期待される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のガス発生器の実施の形態
を、図1乃至図4に基づいて説明する。図1は、本発明
のガス発生器の全体構成を示す断面図、図2は内筒の断
面図、図3及び図4は、本発明のガス発生器の組立工程
の説明図である。
【0011】図1において、本発明のガス発生器は、内
筒3と別体に構成された上蓋1と、下蓋2とで外殻が構
成され、その外殻部材1,2内にガス発生剤5,フィル
タ6及び点火装置10等が収納されている。ガス発生剤
5及びフィルタ6は、押さえ板9によって支持されてい
る。
【0012】上蓋1は、円形の天盤1aと、この周縁か
ら垂直に延設された側筒部1bとからなる、有底円筒形
状であり、ガス発生剤5の燃焼により生じる圧力に耐え
得る一様な肉圧のステンレス鋼板で形成されている。即
ち、上蓋1は、ステンレス鋼板をプレス加工して円筒形
状に成形したものであり、先ず、ステンレス鋼板を、上
蓋1の展開図の状態の円形板に打ち抜き、続いて、この
円板をプレス加工し、しかるのち、ガス放出孔14を打
ち抜き成形し、図示の如き有底円筒形状に成形してい
る。
【0013】下蓋2は、中央に開口部2dを有する底盤
2aと、その周縁に略垂直に延設され、先端部に外側に
折れ曲がったフランジ2cが形成されているフランジ筒
2bとからなる構造となっており、このフランジ筒2b
の内径は、前記上蓋1の側筒部1bの外径よりも大径と
なっている。フランジ2cは、エアバッグモジュールの
リテーナに取り付けられるものである。又、フランジ筒
2bと前記側筒部1bとの間隙16は、側筒部1bの突
き合わせ面1cと底盤2aとの摩擦圧接で発生するバリ
の形成を阻害しないように設定される。前記開口部2d
の直径は、後述する内筒3の薄肉部3cが周接して挿入
できる径に形成されている。この下蓋2も、前記上蓋1
と同様にステンレス鋼板のプレス加工により成形されて
いる。なお、ステンレス鋼板については、鋼板に置き換
えることも可能である。
【0014】そして、上記のように構成される上蓋1を
下蓋2内に嵌め込むと共に、上蓋1の内筒3の薄肉部3
cを下蓋2の開口部2dに挿入して、上蓋1の突き合わ
せ面1cと、内筒3の軸端面3gの少なくとも一方を下
蓋2の底盤2aに接触させることで環状空間4aが形成
され、この環状空間4a内に、フィルタ6の位置決めを
するリテーナ7、円筒状のフィルタ6、ガス発生剤5、
押さえ板9,クッション部材8が夫々装入配置されてい
る。
【0015】前記上蓋1の側筒部1bの開口端1cは、
前記下蓋2の底盤2aに当接し、摩擦圧接の際の突き合
わせ面となる。又、側筒部1bの周面に形成されている
複数のガス放出孔14の内面は、薄板筒状のバーストプ
レート15が貼着されて該孔14を閉塞している。この
バーストプレート15は、内部のガス発生剤5の防湿と
ガス発生剤燃焼時の内圧調整、即ち燃焼速度調整の役割
を果たすものである。
【0016】前記内筒3は、一端の外周面に形成された
外周側段部3bと、該段部より先端側の薄肉部3cと、
内周側段部3dと、筒内外を連通する伝火孔13とを有
する中空の円筒部材であり、天盤1aの裏面に、上蓋1
と同軸となる様に溶接或いは摩擦圧接によって接合固着
されている。
【0017】次に、図2に基づいて、内筒3の各部を詳
細に説明する。図2において、内筒3は、直胴部3aと
薄肉部3cとが連続して一体成形された円筒部材であ
り、直胴部3aの軸方向の長さL1は、前記上蓋1の側
筒部1bの軸方向の長さL2(図1参照)とほぼ同じで
あり、内筒3が側筒部1bと同軸に天盤1aの裏面に接
合されると、薄肉部3cは、側筒部1bの開口端1cよ
りもさらに下方に突出している。又、図2に示される様
に、直胴部3aの周面には、直胴部3aの内外を連通す
る複数の伝火孔13が形成されている。この伝火孔13
は、内筒内側の点火装置10の火炎を、内筒外側のガス
発生剤5に向けて噴出し、ガス発生剤5を着火させて燃
焼させるものである。
【0018】内筒3の内部は、天盤1aに固着される側
から小径孔D1と大径孔D2とが形成されており、小径
孔D1と大径孔D2との差により内周側段部3dが形成
されている。
【0019】薄肉部3cは、直胴部3aに連続して突出
しており、その外径は、直胴部3aの外径よりも縮径す
る様に、かつ開口部2dよりも小径化するように外周面
が切削されており、かしめ部3fの形成に関して、内側
に折り曲げ可能な薄さとなっている。又、直胴部3aの
外径と薄肉部3cの外径との差から外周側段部3bが形
成されている。この外周側段部3bは、軸方向に垂直な
軸端面3gと薄肉基部3eの外周面3hとから構成され
ているが、軸端面3gは、摩擦圧接時の突き合わせ摺動
面となり、一方、外周面3hは摩擦圧接時に摺動しない
ようにされる。
【0020】各かしめ部3fは、内筒3の内側に折り曲
げるため、内筒3の大径孔D2の半径よりも短く形成さ
れている。尚、かしめ部3fの形状は、内筒3の内側に
折り曲げ可能に薄さに形成され、かしめる事ができる形
状であれば、特に限定されない。
【0021】図1において、内筒3の内部には、伝火剤
10aとこの伝火剤10aを着火する点火器10bとか
らなる点火装置10が収納されている。伝火剤10a
は、天盤1aの裏面に配設されている。点火器10b
は、内周側段部3dに当接するまで内筒3の大径孔D2
内(図2参照)に挿入され、この位置で、伝火剤10a
に対して所定間隔を有する様に位置決めされている。そ
して、点火器10bは、一例として、この下端に形成さ
れる傾斜面と薄肉部3cの内周面との間にシールリング
(0リング等)12を挿入して、各かしめ部3f(図2
参照)を内筒3の内側に折り曲げることで、かしめ固定
されて、内周側段部3d側に押圧されて、伝火剤10a
に対する位置決めが確実に行われる。又、シールリング
12の変形により内筒3の内部が密閉され、点火装置1
0の防湿を図れる。尚、点火装置10としては、伝火剤
10aと点火器10bとが一体的に形成されたものでも
よい。また、点火装置10と一旦ホルダ部材に固定して
後、当該ホルダ部材を内周側段部3dに当接してかしめ
固定してもよい。
【0022】前記環状空間4a内に配置される環状押さ
え板9は、その内外周に板バネ部9a,9bを有してお
り、内筒3の外側と側筒部1bの内側に該押さえ板9が
圧入される事により、圧入後は該板バネ部9a,9bの
バネ力により、底盤2aとの間に摩擦圧接時の熱がガス
発生剤5に伝わらない程度の隙間を維持する位置に保持
されている。
【0023】前記フィルタ6は、内筒3の軸中心と同軸
に設けられる円筒状の部材であり、その上下部は、押さ
え板9と天盤1aとで支持され、径方向には、リテーナ
7によって内筒3との間隔が一定に保持されている。フ
ィルタ6の内側で、前記押さえ板9と内筒3とリテーナ
7とによって形成される燃焼室には、ガス発生剤5がク
ッション部材8を介して収納されている。フィルタ6と
しては、金網を巻回して成形したもの等が用いられ、ガ
ス発生剤5の燃焼により発生する高温ガスの冷却とスラ
グ補集を行う。
【0024】前記クッション部材8は、フィルタ6の内
周に圧入され、押さえ板9上に支持されている。このよ
うに、押さえ板9とガス発生剤5との間にクッション部
材8を配置する事により、ガス発生器の振動によるガス
発生剤5の粉化を防止すると共に、その断熱機能により
摩擦圧接時の熱がガス発生剤5に伝わらない様にする役
割を有している。このクッション部材8としては、ガス
発生剤5の振動による損傷を防止する観点から、例え
ば、セラミックスファイバー等の弾性部材が使用され
る。
【0025】リテーナ7は、内筒3の直胴部3aの外周
に沿った内周筒状部7aと、フィルタ6の内周に沿った
外周筒状部7bとを有する断面コ字型の環状部材であ
り、フィルタ6の位置決めをなすと共に、フィルタ6の
上端と天盤1a裏面との間からスラグを含むガスが漏洩
するのを防止するために、各筒状部7a,7bは、内筒
3およびフィルタ6に圧接触している。
【0026】次に、図3及び図4に基づいて、本実施形
態のガス発生器の組み立て手順を説明する。図3(a)
において、押さえ板9を圧入された上蓋1の内部には、
図1に示した様に、フィルタ6,リテーナ7,ガス発生
剤5及びクッション部材8が順次収納されている。この
上蓋1を、下蓋2内に嵌め込むと共に、上蓋1の内筒3
の薄肉部3cを開口部2dに挿入して、図3(b)に示
す様に、内筒3のかしめ部3fを下蓋2の下板部2aか
ら突出させる。この状態で、上蓋1を固定し、下蓋2を
上蓋1に対して押し付けながら回転させて摩擦圧接し、
図1に示した様に、側筒部1bの突き合わせ面1cと底
盤2aを接合すると共に、内筒3の軸端面3gと底盤2
aが接合される。このとき、外周側段部3bで発生する
バリが内筒3の内部に入らないので、後の工程で、バリ
が発火装置10の装着の妨げになるおそれがない。又、
押さえ板9により、下蓋2と側筒部1b及び内筒3に発
生する摩擦熱の燃焼室内への侵入が完全に防止され、ガ
ス発生剤の着火或いは変質が防止される。
【0027】次に、内筒3内に伝火剤10aを装入し
て、天盤1aの裏面に接着或いは他の方法により固定し
た後、図4(a)に示す様に、点火器10bを薄肉部3
cの内側から挿入し、シールリング12を挟んで、図4
(b)に示す様に、かしめ部3fを内側に折り曲げて固
定する。この様に、摩擦圧接の終了後に点火器10b等
の点火装置10を装着するので、摩擦熱により点火装置
10が点火したり変質したりするおそれは全くない。
【0028】次に、本実施形態におけるガス発生器の動
作を図1に基づいて説明する。衝突検知装置が衝突を検
知し、その検知信号により点火器10bを点火し、その
火炎によって伝火剤10aを着火して高温の火炎を生じ
させる。この火炎が内筒3に設けられた伝火孔13を通
って燃焼室内のガス発生剤5を着火する。ガス発生剤5
が順次着火して高温ガスを発生し、燃焼室内の圧力が上
昇してバーストプレート15で調整された所定圧力に達
すると、バーストプレート15が破裂し、ガス放出孔1
4から高温高圧のガスが噴出され、エアバックを瞬時に
膨張させる。ガス発生剤5の燃焼時に発生するスラグ
は、フィルタ6を通過する過程で冷却されて捕集され、
清浄なガスとなってエアバッグに供給される事になる。
燃焼過程では、ハウジング4内は、瞬時にして高温高圧
になるが、外殻部材(上蓋および下蓋)は、ステンレス
鋼板等の従来のアルミ合金に比して高強度の耐熱材料で
構成されているので、ハウジングの破壊は生じるおそれ
はない。従って、従来のアルミ合金製のハウジングで
は、使用困難であった種類の非アジ化系のガス発生剤を
用いる事が可能となる。
【0029】本発明で使用される非アジ化系のガス発生
剤としては、テトラゾール,アゾジカルボンアミド,ジ
シアナミド及びこれらの誘導体等の含窒素有機化合物を
燃料とし、これに硝酸アンモニウム,硝酸塩,オキソハ
ロゲン酸塩等の酸化物を添加してなるガス発生剤が代表
的なものである。
【0030】
【発明の効果】上記した様に、本発明のガス発生器のハ
ウジングは、耐熱金属板で形成しているので、燃焼内圧
が高圧化する種類の非アジ化系有機化合物をガス発生剤
として用いても、ハウジングの破損のおそれがないの
で、非アジ化系有機化合物のガス発生剤の適用範囲が広
がり、ガス発生器の設計も自由度が増す。
【0031】又、ハウジングを構成する上蓋,下蓋が、
夫々ステンレス鋼板等の耐熱鋼板のプレス加工によって
成形されるため、従来のアルミ合金製のハウジング部材
に比べて構造が簡素になり、しかも、ガス放出孔も、プ
レス成形後に打ち抜き加工しうるため、上蓋及び下蓋の
製作が極めて容易となり、且つその製作工程も、基本的
にはプレス加工工程と打ち抜き工程の2工程に簡略化さ
れる結果、素材の廉価性と相まって、製作コストを大幅
に低減させる事が可能となる。
【0032】又、ハウジングをアルミ合金で成形する場
合に、補強の目的で不可避的に必要であったハウジング
の場所による肉圧の差異は、本発明の場合には、ステン
レス鋼等の耐熱鋼が使用されるので、アルミ合金に比し
て高強度であるから、均一な厚さに形成する事が可能と
なる。その結果、安価なステンレス鋼板等の均一な厚さ
の鋼板の使用が可能となり、この意味からも、ガス発生
器の製造コストを大幅に低減させる事が可能となる。
【0033】又、下蓋のフランジ筒2bの内側に上蓋の
側筒1bが配置されて、下蓋と上蓋とが摩擦圧接される
様になっているので、上蓋の側筒1bと下蓋の底盤2a
との摩擦圧接により発生する外側バリは、前記側筒1b
とフランジ筒2bとの間の空間16内に発生するので、
ガス発生器の取り扱い上は、摩擦圧接後のバリ取り或い
はバリ処理加工が不要となり、ガス発生器の製造工程の
簡略化がなされる事になる。
【0034】又、内筒と下蓋との摩擦圧接は、内筒に形
成された外周側段部で行われる様に構成されているの
で、摩擦圧接時に発生するバリは、内筒内に侵入する事
がなくなり、内筒内への点火装置の装着が容易且つ正確
となり、この観点からも、ガス発生器の製作能率が向上
し、製造コスト低減が期待できる。
【0035】又、内筒の内部に内周側段部を形成し、こ
れによって点火器の位置決めを行う様にし、外側より内
筒のかしめ部で固定する様にしているので、摩擦圧接時
の点火器への影響がなく、又、組立作業が容易となり、
この意味からも製造コストの低減を可能にする。
【0036】更に、内筒3と側筒1bとの間の環状空間
内に押さえ板を圧入し、これによって、ガス発生剤とフ
ィルタとを下蓋から所定間隔を隔てて保持する様に構成
しているので、該押さえ板により摩擦圧接時に発生する
摩擦熱がガス発生剤に伝わるのが防止され、同時に、簡
単な構成でガス発生剤とフィルタとをハウジング内に保
持固定できる様になるので、組み立て作業も容易とな
り、更に一層のコスト低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス発生器の全体構成を示す断面図で
ある。
【図2】図1のガス発生器の内筒の断面図である。
【図3】図1のガス発生器の上蓋と下蓋の組み立て手順
の説明図である。
【図4】図1のガス発生器の発火装置の組み入れ手順の
説明図である。
【図5】従来のガス発生器の断面図である。
【符号の説明】
1 上蓋 1a 天盤 1b 側筒部 2 下蓋 2a 底盤 2b フランジ筒 2c フランジ 2d 開口部 3 内筒 3b 外周側段部 3c 薄肉部 3d 内周側段部 4 ハウジング 4a 環状空間 5 ガス発生剤 6 フィルタ 9 押さえ板 10 点火装置 10a 伝火剤 10b 点火器 13 伝火孔 14 ガス放出孔 15 バーストプレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 耕治 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内センサー・テクノロ ジー株式会社姫路テクニカルセンター内 (72)発明者 黒岩 顕彦 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内センサー・テクノロ ジー株式会社姫路テクニカルセンター内 (72)発明者 佐宗 高 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内センサー・テクノロ ジー株式会社姫路テクニカルセンター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円形の天盤(1a)と、その周縁から略
    垂直に延設され複数のガス放出孔(14)を有する側筒
    部(1b)とからなり、肉圧が略均一な耐熱金属板のプ
    レス加工によって成形された上蓋(1)と、 上端側は、前記天盤(1a)の裏面中央に接合され、下
    端側には外周側段部(3b)が形成された先端薄肉部
    (3c)を有し且つ径方向に貫通する複数の伝火孔(1
    3)を有する耐熱金属性の内筒(3)と、 前記天盤(1a)より大径で中央部に前記内筒(3)の
    薄肉部(3c)が挿入される開口部(2d)が形成され
    た底盤(2a)と、その周縁から略垂直に延設され且つ
    端部に水平なフランジ(2c)が形成されたフランジ筒
    (2b)とからなる肉圧が略均一な耐熱金属板のプレス
    加工によって成形された下蓋(2)と、 前記上蓋(1)の側筒部(1b)の開放端(1c)と前
    記下蓋(2)の底盤(2a)及び前記内筒(3)の外周
    側段部(3b)と前記下蓋(2)の前記開口部(2d)
    とが夫々摩擦圧接されてハウジング(4)が形成され、 前記ハウジング(4)内の前記内筒(3)と上蓋(1)
    の側筒(1b)との間に形成される環状空間(4a)内
    に、ガス発生剤(5)とフィルタ(6)とが収納され、 前記内筒(3)の内側に点火器(10b)を収納し、前
    記底盤(2a)の開口部(2d)から突出した前記内筒
    (3)の先端薄肉部(3c)をかしめて該点火器(10
    b)を固定してなることを特徴とするエアバック用ガス
    発生器。
  2. 【請求項2】 前記上蓋(1),下蓋(2)及び内筒
    (3)が、夫々ステンレス鋼もしくは鋼で形成されてい
    る請求項1に記載のエアバック用ガス発生器。
  3. 【請求項3】 前記内筒(3)の薄肉部(3c)側に、
    内径が大きくなるような内周側段部(3d)が形成さ
    れ、該段部(3d)によって、前記点火器(10b)が
    位置決めされている請求項1又は2のいずれかに記載の
    エアバック用ガス発生器。
  4. 【請求項4】 前記ガス発生剤(5)が、含窒素有機化
    合物を主成分とする非アジ化系有機化合物である請求項
    1乃至3のいずれかに記載のエアバック用ガス発生器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001223310A (ja) * 2000-02-11 2001-08-17 Abb Semiconductors Ag 高出力半導体モジュール用冷却デバイス
JP2002283946A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Takata Corp ガス発生器及びエアバッグ装置

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