JPH10284904A - 誘電体共振器及びそれを使用した装置 - Google Patents

誘電体共振器及びそれを使用した装置

Info

Publication number
JPH10284904A
JPH10284904A JP10278497A JP10278497A JPH10284904A JP H10284904 A JPH10284904 A JP H10284904A JP 10278497 A JP10278497 A JP 10278497A JP 10278497 A JP10278497 A JP 10278497A JP H10284904 A JPH10284904 A JP H10284904A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
dielectric
dielectric resonator
capacitance
electrodes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10278497A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhisa Sato
和久 佐藤
Toshihiro Yasuda
寿博 安田
Makoto Inoue
真 井上
Takeshi Kosaka
武史 小坂
Kenji Yoshimori
健二 吉森
Masao Igarashi
雅夫 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
Priority to JP10278497A priority Critical patent/JPH10284904A/ja
Priority to US09/038,870 priority patent/US6081174A/en
Priority to EP98301877A priority patent/EP0865094A3/en
Publication of JPH10284904A publication Critical patent/JPH10284904A/ja
Priority to US09/504,351 priority patent/US6275125B1/en
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体フィルタの小型化を図り、占有空間を
大幅に低減するとともに、結合損失を低減し、容量調整
を簡便に行って良好なフィルタ特性を得る。 【解決手段】 容量電極50A,50Bを有する誘電体
共振器50と、容量電極52A,52Bを有する誘電体
共振器52が結合しており、容量電極50B,52Aが
接続している。容量電極50A〜52Bによってコンデ
ンサC20,C21,C22が形成され、これらに誘電体共振
器50,52の共振部RS1,RS2が接続された等価回
路となる。通常の誘電体共振器2つ分相当のスペース
で、2段のBPFフィルタが簡便に得られる。他の例で
は、外部電極が誘電体共振器の開放端側まで延長形成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、誘電体共振器を
利用したフィルタにかかり、例えば、自動車電話や携帯
電話などの移動体通信に好適な誘電体フィルタの改良に
関する。
【0002】
【背景技術と発明が解決しようとする課題】誘電体共振
器を利用したフィルタとしては、例えば、図41に示す
ものがある。これらは、いずれも2段バンドパスフィル
タ(BPF)の代表的な例である。まず、図41(A)
に示すものは、誘電体共振器900,902、チップコ
ンデンサ904,906,908をプリント基板910
上に設けた構成となっている。図41(B)に示すもの
は、キャパシタ(コンデンサ)が内蔵された積層基板9
12上に誘電体共振器900,902を設けた構成とな
っている。
【0003】ところで、このような誘電体フィルタは最
近携帯電話などの分野で利用されているが、その性質上
携帯に便利なように、小型化,軽量化が要望されてい
る。しかしながら、図41(A)に示すタイプの誘電体
フィルタでは、チップコンデンサ904〜908を搭載
するスペースをプリント基板910上に確保しなければ
ならず、どうしも大きな空間を必要としてしまう。ま
た、図41(B)に示すタイプの誘電体フィルタでは、
積層基板912における積層ずれなどによってキャパシ
タ容量がばらついてしまう。また、キャパシタ容量の調
整が困難であるという不都合もある。更に、いずれのタ
イプにおいても、各素子間に結合損失が生ずるという不
都合がある。
【0004】この発明は、以上の点に着目したもので、
その目的は、誘電体フィルタの小型化を図り、占有空間
を大幅に低減することである。他の目的は、結合損失を
低減するとともに、容量調整を簡便に行って良好なフィ
ルタ特性を得ることである。更に他の目的は、コスト的
に有利な誘電体フィルタを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この発明は、誘電体内側の内部電極と誘電体外側の
外部電極との間で共振部が構成されている誘電体共振器
において、前記内部電極との間でキャパシタンスを得る
少なくとも一つの容量電極を形成したことを特徴とす
る。そして、このような誘電体共振器を複数組み合わせ
ることで、高周波フィルタなどの誘電体共振器装置が構
成される。
【0006】
【発明の効果】本発明によれば、誘電体共振器中にキャ
パシタが形成されるので、キャパシタが必要としていた
空間を省略でき、誘電体フィルタは大幅に小型化され
る。また、各素子間の結合損失が低減されるとともに、
電極面積の調整などによってキャパシタ容量を簡便に調
整でき、キャパシタのQ(クオリティファクタ)も向上
して良好なフィルタ特性を得ることができる。量産性や
コストの面からも好都合である。
【0007】この発明の前記及び他の目的,特徴,利点
は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態につい
て、実施例を参照しながら詳細に説明する。本発明にか
かる誘電体フィルタは、例えば、携帯電話や移動通信な
どの分野におけるバンドパスフィルタやバンドストップ
フィルタに好適である。
【0009】
【誘電体共振器の例】最初に、本発明で用いられる誘電
体共振器の構成について、いくつかの例を説明する。ま
ず、図2の誘電体共振器から説明する。同図(A)は斜
視図、同図(B)は(A)の#2−#2線に沿って矢印方
向に見た断面図、同図(C),(D)は(A)のそれぞれ
矢印FA,FB方向からみた拡大図である。これらの図
において、誘電体共振器10は、誘電体材料によって形
成された素体12に電極を形成して構成されている。素
体12の中心には貫通孔14が形成されており、この貫
通孔14には内部電極16が形成されている。素体12
の外周側には外部電極18が形成されている。内部電極
16と外部電極18は、素体12の一方の端部で短絡導
体20により接続されている。以上の構成により、一般
の誘電体共振器と同様に、キャパシタンスとインダクタ
ンスの並列回路で等価的に表わされる共振部が構成され
ている。なお、通常、外部電極18はアース(接地)さ
れる。
【0010】ところで、この誘電体共振器10には、短
絡導体20と反対側の素体12の端部に、内部導体1
6,外部導体18のいずれとも離隔して容量電極22が
素体12の外周に沿って形成されている。この容量電極
22は、内部電極16と誘電体による素体12を介して
対向しており、これによって共振器内部にキャパシタが
形成される。同図(E)には、誘電体共振器10の等価
回路が示されており、容量電極22からアースに至る間
に、キャパシタCと共振部RSが直列接続された構成と
なっている。
【0011】次に、図3の例について説明する。同様
に、同図(A)は斜視図、同図(B)は(A)の#3−#
3線に沿って矢印方向に見た断面図、同図(C),(D)
は(A)のそれぞれ矢印FC,FD方向からみた拡大図
である。これらの図において、誘電体共振器20は、図
2の例と比較して容量電極が2分割されている点で異な
る。すなわち、容量電極24,26と内部電極16との
間でそれぞれキャパシタが形成される。これらをC1,
C2とすると、同図(E)に示すような等価回路とな
る。なお、容量電極24,26間に形成されるキャパシ
タC3も考慮すると、等価回路は同図(F)に示すよう
になり、デルタ−スター変換を行うと、同図(G)に示
すようにキャパシタCa,Cb,Ccとなる。
【0012】次に、図4の例について説明する。まず、
同図(A),及びこれを矢印FE方向からみた(B)の例
は、前記図3の例を角柱状の誘電体素体28に対して適
用したものである。同図(C),及びこれを矢印FF,
FG方向からそれぞれみた(D),(E)の例は、前記図
3の例の容量電極24,26から素体12の開放端側の
電極部分を除いた例である。このような容量電極30,
32によれば、狭帯域特性が得られるようになる。
【0013】次に、図5の例について説明する。同図
(A)の#5B−#5B線に沿って矢印方向にみたもの
が(B)であり、(A)の矢印FH,FI方向からそれぞ
れみたものが(C),(D)である。また、同図(E)
は、(D)の#5E−#5E線に沿って矢印方向にみた
ものである。これらに示すように、この例は、前記図2
の例に更に容量電極34を追加した構成となっている。
この容量電極34と前記内部電極16との間に形成され
るキャパシタをC10とし、容量電極34と容量電極22
との間に形成されるキャパシタをC12とすると、アース
から容量電極22,34に至る等価回路は、同図(F)
に示すようになる。
【0014】図6には、本発明に好適な誘電体素体の例
が示されている。同図(A)は、上述した一般的な円筒
形状の素体12の例であり、貫通孔14が設けられてい
る。同図(B)は、上述した一般的な角柱形状の素体2
8の例であり、同様に貫通孔14が設けられている。同
図(C)の素体36は、開放端側が小径に形成されたい
わゆるSIR型の例である。同図(D)の素体38は、
開放端側をテーパ形状とした例である。同図(E)に縦
断面を示す素体40は、貫通孔14の開放端側を短絡端
側よりも大径としたものである。同図(F)に示す素体
42は、隣接する誘電体共振器との接合部分である開放
端側を短絡端側よりも大径としたものである。
【0015】図7には、図6の素体を利用した本発明に
利用される誘電体共振器の例が示されている。図7
(A)の例は、図6(C)の素体36を利用したもので、
小径部に容量電極44が形成されている。図7(B)の
例は、図6(A)の素体12を利用したもので、外部電
極18A,18B間に容量電極44が形成されている。
図7(C)の例は、同図(B)を改良したもので、外部電
極18Bが内部電極16と短絡しない構成となってい
る。図7(D)の例は、図7(B)を改良したので、外部
電極間の容量電極44Aの他に、内部電極16A,16
B間にも容量電極44Bを形成したものである。
【0016】図7(E)の例は、同図(F)に正面を示す
ように、図6(D)の素体38のテーパ部に、スパイラ
ル状のコイル電極46を形成したものである。これによ
れば、内部電極16がコイル電極46に接続しており、
キャパシタンスの代わりにインダクタンスが形成され
る。素体の端面ではなく、外周側にコイル電極を設けて
もよい。図7(G)に示す例は、図5に示した容量電極
34をランド状の容量電極34Aとしたものである。
【0017】
【実施例1】次に、図1及び図8を参照しながら実施例
1について説明する。この実施例1は、前記図3,図4
に示した誘電体共振器を利用して2段のBPF(バンド
パスフィルタ)を構成したものである。図1(A)は、
図3に示した構成の誘電体共振器を並列に結合したもの
である。誘電体共振器50の容量電極50A,50B、
誘電体共振器52の容量電極52A,52Bのうち、容
量電極50B,52Aが接続している。そして、容量電
極50A,52Bのうちのいずれか一方,例えば50A
がフィルタの入力,52Bがフィルタの出力となってい
る。
【0018】入出力間の等価回路は、同図(D)に示す
ように、容量電極50Aから容量電極52Bの間にキャ
パシタC20,C21,C22が直列に接続されており、これ
らの間に誘電体共振器50,52の共振部RS1,RS2
が並列に接続された構成となる。なお、キャパシタC21
は、容量電極50Bにおける容量と容量電極52Aにお
ける容量とが直列に接続されたものに相当する。このよ
うに、本実施例によれば、通常の誘電体共振器2つ分相
当のスペースで、2段のバンドパスフィルタを簡便に得
ることができる。
【0019】図1(B)は、図4(A)に示した構成の誘
電体共振器54,56を結合したもので、容量電極54
A,54B,56A,56Bの接続や等価回路は、図1
(A)の実施例と同様である。図1(C)は、図4(C)
に示した構成の誘電体共振器58,60を結合したもの
で、容量電極58A,58B,60A,60Bの接続や
等価回路は、図1(A)の実施例と同様である。
【0020】図8には、これら図1のバンドパスフィル
タの周波数特性の一例が示されている。同図(A)は進
行波の特性であり、同図(B)は反射波の特性である。
これらの図に示すように、矢印faで示す1.026G
Hzを中心とした良好なバンドパスフィルタの特性が得
られている。
【0021】以上のように、本実施例によれば、フィル
タを構成するキャパシタが誘電体共振器に内蔵されるの
で、誘電体フィルタが小型化され、占有空間を大幅に低
減することができる。また、結合損失も低減されるとと
もに、容量調整も電極を削るなど簡便に行うことがで
き、全体として良好なフィルタ特性を得ることができ
る。もちろん、コスト的にも非常に有利となる。
【0022】
【実施例2】次に、図9を参照しながら実施例2につい
て説明する。この実施例2は、図5に示した構成の誘電
体共振器62,64を結合したもので、同図(A)の#
9−#9線に沿って矢印方向にみた端面が同図(B)に
示されている。容量電極62A,62B,64A,64
Bのうち、例えば容量電極62Aが入力,容量電極64
Aが出力となる。容量電極62B,64Bは接続されて
いる。等価回路は、前記実施例1と同様である。同図
(C),(D)には、それぞれ進行波,反射波の特性例が
示されており、矢印fbで示す周波数を中心としたバン
ドパスフィルタの特性が得られている。
【0023】
【実施例3】次に、図10を参照しながら実施例3につ
いて説明する。この実施例3は、図2に示した構成の誘
電体共振器66と、図3に示した構成の誘電体共振器6
8とを結合したもので、1バンドパス・1トラップフィ
ルタの例である。容量電極66A,68A,68Bのう
ち、例えば容量電極68Bが入力,容量電極66Aが出
力となる。容量電極66A,68Aは接続されている。
等価回路は、同図(B)に示すようになる。キャパシタ
C31,C32は、容量電極68A,68Bによって形成さ
れたものであり、キャパシタC33は、容量電極66Aに
よって形成されたものである。誘電体共振器68によっ
て1バンドパスフィルタが構成され、誘電体共振器66
によって1トラップフィルタが構成されている。
【0024】同図(C),(D)には、それぞれ進行波,
反射波の特性例が示されており、矢印fcで示す周波数
を中心としたトラップフィルタの特性,矢印fdで示す
周波数を中心としたバンドパスフィルタの特性が得られ
ている。
【0025】
【実施例4】次に、図11,図12を参照しながら実施
例4について説明する。この実施例4は、図1に示した
実施例のフィルタの容量電極50A,52B間にキャパ
シタを接続したダブルトラップフィルタの例である。同
図(A)では、回路素子としてチップコンデンサ70が
樹脂などによって容量電極50B,52A間に設けられ
ている。同図(B)では、キャパシタが内蔵された積層
基板あるいはアルミナなどによって形成された基板72
上に誘電体共振器50,52が配置されており、基板7
2が容量電極50B,52Aに接合する構成となってい
る。これらチップキャパシタ70又は基板72によっ
て、同図(C)に示すように、入出力間にキャパシタC2
3が接続された等価回路となる。
【0026】図12(A),(B)には、前記フィルタの
進行波,反射波に対する周波数特性がそれぞれ示されて
いる。これらの図に示すように、全体として矢印feで
示す周波数2.107GHzを中心としたバンドパスフ
ィルタの特性となっている。また、矢印ff,fg,f
hで示す減衰極のうち、特にfhの減衰極については、
図8に示した実施例1よりも減衰が大きく、キャパシタ
C23によるトラップ効果が表われている。このように、
実施例4によれば、実施例1よりも減衰特性に優れたバ
ンドパスフィルタが得られる。
【0027】
【実施例5】次に、図13を参照しながら実施例5につ
いて説明する。この実施例5は、前記図2に示した構成
の誘電体共振器74,76,78を接合することなく基
板80上に配置し、容量電極74A,76A間に回路素
子であるコイル(チップインダクタ)82Aを接続し、
容量電極76A,78A間にコイル82Bを接続した構
成となっている。容量電極74Aから78Aに至る等価
回路は、図13(B)に示すようになり、コイル82
A,82BによるインダクタンスL1,L2が含まれた3
段のバンドストップフィルタとなっている。同図
(C),(D)には、それぞれ進行波,反射波に対するバ
ンドストップフィルタの周波数特性の例が示されてい
る。なお、コイル82A,82Bの代わりにキャパシタ
を接続するようにしてもよい。
【0028】
【実施例6】次に、図14〜図18を参照しながら実施
例6について説明する。この実施例6は、前記実施例を
変形した各種の例である。まず、図14(A)に平面,
(B)に正面を示す例は、誘電体共振器84,86の容
量電極84A,86Aが軸方向で交互の配置となってい
る。そして、容量電極84Aと各共振器の内部電極84
B,86Bとの間でそれぞれキャパシタが形成され、容
量電極86Aと内部電極84B,86Bとの間でもそれ
ぞれキャパシタが形成される。
【0029】図14(C)に平面,(D)に正面を示す例
は、図1に示した構成の誘電体共振器88,90,92
が結合した構成となっている。しかし、各共振器の内部
電極88A,90A,92Aは、異なる径の大きさとな
っている。所望の周波数特性を得るためには、複数の誘
電体共振器の長さや径などを調整するが、この例のよう
に、内部電極径(素体内径)を変更することでも、同様
に特性を調整できる。この手法によれば、複数の誘電体
共振器の外観上の大きさが揃うため、実装上好都合であ
る。
【0030】図15(A)の例は、四角柱状の誘電体共
振器94,96の短絡端側をケース98に収納したもの
である。このタイプのものは、円柱状のものと比較して
一般に扱いが容易である。図示の例では、容量電極94
A,96A間にチップキャパシタあるいはチップコイル
100が接続されている。四角形状であるため、このよ
うなチップ部品の外付けを簡単に行うことができる。図
15(B)の例は、円柱状の誘電体共振器102,10
4の外部電極102A,104Aを導体基板106で結
合したものである。
【0031】図15(C),(D)の例は、誘電体共振器
108,110の開放端側を接合したものである。
(C)は同軸となるように接合し、(D)は軸をずらして
接合したものである。いずれのタイプとするかは、容量
電極の構造や得たいフィルタ特性による。このような直
列的な接合手法は、上述した並列的な接合手法と比較し
て長くなるものの幅は狭くすることができ、実装するス
ペースによっては非常に有効である。
【0032】図15(E)は、誘電体共振器112,1
14を開放端と短絡端が軸方向で交互の配置となるよう
に接合した例である。更にこの例では、外部電極112
A,114Aの中央付近にそれぞれ開口112B,11
4Bが設けられている。このため、共振器112側の外
部電極112Aと共振器114側の内部電極間でキャパ
シタが形成され、逆に、共振器114側の外部電極11
4Aと共振器112側の内部電極間でキャパシタが形成
される。
【0033】図16(A)は、同図(B)に示す半円柱状
(カマボコ型)の誘電体共振器120,122を並列に
接合したものである。同図(C)には、開放端側が拡大
して示されている。この例によれば、半円柱状で結合部
分が平面となるため、結合を容易に行うことができる。
【0034】図16(D)は、容量電極124A,12
6Aをそれぞれ有し、長さが異なる誘電体共振器12
4,126を並列に結合したものである。この例では、
誘電体共振器124が誘電体共振器126よりも長い。
同図(E)は、誘電体共振器128,130の容量電極
128A,130Aを、基板(図示せず)上に形成した
導体パターンで外部に引出すようにした例である。導体
パターン128B,130Bは、両者の間にキャパシタ
が形成されないよう、ある程度離間して形成されてい
る。
【0035】図17(A)は、アースに接続されるケー
ス132を、誘電体共振器134,136の開放端側ま
で延長したものである。同図(B)に正面を示すよう
に、ケース132と各共振器の内部電極134A,13
6Aとの間でキャパシタが形成される。容量電極134
B,134C,136B,136Cは、ケース132と
接触しない形状となっている。同図(C)には等価回路
が示されており、ケース132によって形成されたキャ
パシタC50,C51が共振部RS10,RS12に並列に接続
された構成となる。これらのキャパシタC50,C51は、
後述するように高調波対策に利用される。
【0036】図18(A)は、誘電体共振器138,1
40の側面に凹部138A,140Aを形成したもので
ある。これら凹部138A,140Aにより、容量電極
や外部電極と内部電極との間のキャパシタ容量を調整す
ることができる。同図(B)は、誘電体共振器142,
144の開放端側を、誘電体板146を介して結合した
ものである。この例によれば、肉厚の円筒状の誘電体素
体上に円環状に電極が形成されるので、誘電体共振器の
外側電極を帯取り工程のみで形成することができ、生産
性が向上する。
【0037】同図(C)は、四角柱状であってSIRタ
イプの誘電体共振器148,150の小径部148A,
150Aに、それらが貫通する貫通孔148B,150
Bを有する容量板152をはめ込むようにしたものであ
る。この容量板152には、容量電極152A,152
Bなどが形成されている。この例によれば、容量板15
2を変更することで、電極形状や接続態様,あるいはキ
ャパシタ容量などを適宜変更でき、各種の特性を簡単に
得ることができる。
【0038】図18(D)は、誘電体共振器154の外
部電極154A,容量電極154B,154Cを、素体
156の凹部に埋め込み形成したものである。基本的な
作用は、前記実施例と同様である。このような埋め込み
タイプの電極を形成する手法としては、素体156外側
に所定の凹溝を形成した後、全体に金属皮膜を形成し、
その後、この金属皮膜を削ることで得ることができる。
同図(E)は、かかる工程における金属皮膜のはがれを
防止するための工夫で、素体156の凹部156Aの底
に凹凸156Bを形成したものである。
【0039】
【実施例7】次に、図19,図20を参照しながら実施
例7について説明する。この実施例は、製造方法の一例
である。まず、図19(A)に示すように適当な形状の
誘電体による素体200,202を用意する。次に、こ
れら素体200,202表面全体にAgなどによる導体
皮膜204,206をそれぞれ形成する(同図(B)参
照)。次に、開放端側で導体皮膜204,206の帯取
りを行う(同図(C)参照)。次に、導体皮膜204,
206の結合部分を除いてガラスなどをコーティング
し、結合部分のみを露出させる。そして、結合部分にA
gなどによる結合導体208,210を形成し、それら
の部分を接触して焼き付け処理を行う(同図(D)参
照)。その後、導体皮膜204,206の剥がれ防止の
ため、ニッケルメッキを行う。同図(E)には、メッキ
後の結合部分が拡大して示されており、ニッケル皮膜2
12が表面に形成されている。
【0040】次に、同図(F)に示すように開放端側を
カットして、誘電体共振器214,216が結合したも
のが得られる。次に、導体皮膜の一部をカットして容量
電極214A,214B,216A,216Bを形成す
る(同図(G)参照)。このとき、電極の適当な箇所を
削ることで、特性が調整される。例えば、図20の点線
PAの部分を削ると、共振部の周波数を調整することが
できる。また、点線PCの部分を削ると、入出力キャパ
シタの容量を調整でき、点線PBの部分を削ると、結合
キャパシタの容量を調整できる。次に、以上の調整の
後、誘電体共振器214,216をケース218に入れ
て誘電体フィルタが得られる(同図(H)参照)。
【0041】
【実施例8】次に、図21を参照しながら実施例8につ
いて説明する。この実施例8は、ケースを利用して誘電
体共振器を組立るようにしたものである。まず、同図
(A)に示すように、ケース220を用意する。そし
て、このケース220に、所定の電極を形成した誘電体
共振器222,224を入れ(同図(B)参照)、適宜
回転して所定の結合位置とする(同図(C)参照)。な
お、この例のように、誘電体共振器222,224の開
放端側の容量電極形状と回転位置とが一定の関係にある
ときは、端面のみを検査することで、共振器が所定の結
合位置となったことを知ることができ、好都合である。
【0042】この状態で、結合箇所に例えばAgペース
ト226を塗布し(同図(D)参照)、その後焼き付け
を行う(同図(E)参照)。そして、所定箇所を削って
特性を調整し、誘電体フィルタを得る(同図(F)参
照)。
【0043】
【実施例9】次に、図22,図23を参照しながら実施
例9について説明する。この実施例9は、高調波対策を
施したものである。例えば、図22(A)に示すような
誘電体共振器300,302にケース304を設けた誘
電体フィルタの場合を考える。この場合の等価回路は、
上述したように同図(B)に示すようになる。ここで、
キャパシタC60は容量電極300Aによるものであり、
キャパシタC61は容量電極300B,302Aによるも
のである。また、キャパシタC62は、容量電極302B
によるものである。それらに、誘電体共振器300,3
02の共振部RS60,RS61が接続された構成となって
いる。
【0044】同図(C),(D)には、それぞれ進行波,
反射波に対する周波数特性の一例が示されている。これ
によれば、矢印fiで示す高調波に対して良好な減衰特
性が得られていない。
【0045】以下、このような高調波に対する対策を施
した実施例について説明する。まず、実施例9は、図2
3(A)に示すように、上述した誘電体共振器300,
302に更に容量電極300C,302Cを設け、これ
らをケース304に接続してアースした構成となってい
る。等価回路は、同図(B)に示すようになり、コンデ
ンサC63,C64がアースとの間に接続されたことにな
る。進行波,反射波に対する周波数特性は、同図
(C),(D)にそれぞれ示すようになり、高調波成分に
対して十分な減衰特性となっている。
【0046】
【実施例10】次に、図24を参照しながら実施例10
について説明する。この実施例10も、高調波対策の実
施例である。この実施例は、同図(A)に斜視図,(B)
に正面図を示すように、誘電体共振器300,302に
容量電極300D,302Dを形成し、これらを基板3
10上のパターン(図示せず)を介してアースしたもの
で、これらによって高調波対策用のキャパシタC63,C
64(図23(B)参照)を形成したものである。なお、
容量電極300A,302Bは、基板310上のパター
ンを介して入出力となる。進行波,反射波に対する周波
数特性は、同図(C),(D)に示すようになる。
【0047】
【実施例11】次に、図25を参照しながら実施例11
について説明する。この実施例11も、高調波対策の実
施例で、同図(A)に示すように、誘電体共振器30
0,302のケース304の開放端側にV字形状の延設
部312を設け、これと内部電極300E,302Eと
の間で高調波対策用のキャパシタC63,C64を形成した
ものである。進行波,反射波に対する周波数特性は、同
図(C),(D)に示すようになる。
【0048】
【実施例12】次に、図26を参照しながら実施例12
について説明する。図26(A)の#12−#12線に
沿って矢印方向に見た端面が、(B)に示されている。
この例は、誘電体共振器400の開放端側がくびれてお
り、小径部402が形成されている。これも、一種の高
調波対策であり、第3高調波以上に効果的である。外部
導体404は、同図(B)に示すように、小径部402
にも形成されている。
【0049】
【実施例13】次に、図27を参照しながら実施例13
について説明する。この実施例は、誘電体フィルタに対
する印字に関するものである。フィルタとしての特性
は、例えば図20に示したような方法で調整されるが、
この調整の後に誘電体共振器410,412の外部電極
410A,412Aに直接所望の印字を行うようにす
る。印字範囲としては、アースされている部分が好適で
あり、例えば上面領域414,側面領域416,背面領
域418に印刷を行う。印字の手法としては、スタン
プ,バブルジェットなど適宜の方法を用いてよい。イン
クとしては、印字後の半田リフロー処理の温度に耐えら
れる耐熱用のインクを用いるとよい。このように、アー
ス部分に印字することで、印字による特性変動が低減さ
れるという利点がある。
【0050】
【誘電体共振器の他の例】次に、図28,図29を参照
しながら、誘電体共振器の他の例について説明する。上
述した例では、共振器の開放端側には内部電極と容量電
極のみが形成されている。しかし、以下の例では、外部
電極が開放端側に延長形成されており、外部電極が共振
器素体の軸方向の全長に設けられている。まず、同図
(A)に斜視図,(B)に正面図を示す誘電体共振器50
0では、開放端側の角部に対向するように容量電極50
2,504がそれぞれ形成されており、他の角部に外部
電極506が延長形成された構成となっている。容量電
極502,504と内部電極508との間でそれぞれキ
ャパシタが形成されている。
【0051】同図(C)に斜視図,同図(D)に(C)の
#28−#28線に沿って矢印方向に見た端面を示す誘
電体共振器510では、図の側面側に容量電極512,
514がそれぞれ対称に形成されており、上下面側に外
部電極516が延長形成されている。容量電極512,
514と内部電極518との間でそれぞれキャパシタが
形成されている。
【0052】図29(A)に斜視図,同図(B)に(A)
の#29B−#29B線に沿って矢印方向に見た端面,
同図(C)に(A)の#29C−#29C線に沿って矢印
方向に見た端面を示す誘電体共振器520では、開放端
側の角部に一方の容量電極522が形成されており、他
の容量電極524は中央側面に形成されている。そし
て、開放端側で見ると、他の角部を覆うように外部電極
526が延長形成されている。また、他の容量電極52
4の周囲は、もちろん外部電極526に覆われている。
容量電極522,524と内部電極528との間でそれ
ぞれキャパシタが形成されている。
【0053】同図(D)に斜視図,(E)に正面図を示す
誘電体共振器530では、形状が円柱状となっており、
開放端側に容量電極532,534がそれぞれ形成され
ている。そして、それらの間に外部電極536が延長形
成されている。そして、容量電極532,534と内部
電極538との間にそれぞれキャパシタが形成されてい
る。以上の図28,29に示した誘電体共振器の等価回
路は、図3に示したものと同様である。
【0054】
【実施例14】次に、図28,29に示した誘電体共振
器を利用した誘電体フィルタの例を説明する。まず、図
30(A)の例は、図28(A),(B)に示した誘電体
共振器500を利用して、図1と同様の2段バンドパス
フィルタを構成したものである。誘電体共振器500
A,500Bの容量電極502A,502Bが入出力用
となっており、他の容量電極504A,504Bが接続
している。外部電極506A,506Bは、開放端側で
も接続している。
【0055】図30(B)の例は、図28(C),(D)
に示した誘電体共振器510を利用して同様のフィルタ
を構成したものである。誘電体共振器510A,510
Bの容量電極512A,512Bが入出力用となってお
り、他の容量電極514A,514Bが接続している。
外部電極516A,516Bは、開放端側でも接続して
いる。
【0056】図30(C)の例は、図29(A),(B)
に示した誘電体共振器520を利用して同様のフィルタ
を構成したものである。誘電体共振器520A,520
Bは、開放端側と短絡端側が交互となる配置となってお
り、容量電極522A,522Bが入出力用であって、
他の容量電極524A,524Bが中央付近で接続して
いる(図示せず)。
【0057】図30(D)の例は、図30(B)と(C)
を組み合わせたもので、誘電体共振器540,550の
入出力用の容量電極542,552は開放端側に形成さ
れているが、他の容量電極544,554が中央付近に
形成されている。そして、誘電体共振器540,550
は、開放端側と短絡端側が交互となる配置となってい
る。
【0058】図31(A)に斜視図,(B)に正面図を示
す例は、図29(D),(E)を組み合わせたもので、誘
電体共振器530A,530Bの容量電極532A,5
32Bが入出力用となっており、他の容量電極534
A,534Bが接続している。外部電極536A,53
6Bは、開放端側でも接続している。
【0059】以上の各実施例では、いずれもアースに接
続される外部電極が共振器素体の軸方向全長にわたって
形成されている。このため、フィルタ全体の入出力間の
アイソレーションが向上する。また、図31(C)に点
線で示すように、フィルタ特性の高調波成分が周波数の
低い方に移動する。このため、フィルタの共振周波数f
0の3倍の高調波成分3f0の減衰量が大きくなるという
利点が生ずる。
【0060】
【実施例15】次に、図32〜図34を参照しながら実
施例15について説明する。この実施例もフィルタ共振
周波数f0の第3高調波成分3f0を低減することを目的
とするものである。例えば、図32(A)に示すような
電極構成の誘電体共振器700A,700Bを接合して
フィルタを構成する。接合後に正面から見た電極構造は
同図(B)に示すようになり、容量電極702A,70
2Bが接合するとともに、外部電極704A,704B
が接合する。容量電極706A,706Bが入出力用で
ある。周波数特性は、例えば同図(C)になり、第3高
調波成分3f0の減衰量は必ずしも大きくなく、所望特
性の許容範囲外となる可能性もある。そこで、本実施例
では、外部電極704A,704Bのうち、開放端側付
近(ないしは容量電極の近傍側)を除去することで、第
3高調波成分を調整している。
【0061】図33にはその様子が示されている。
(A)は斜視図,(B)は(A)において矢印FR方向か
ら見た側面図である。これらに示すように、外部電極7
04Aの開放端側に切り欠き部708Aが設けられてお
り、その程度,別言すれば切り欠き部708Aにおける
外部電極704Aの幅W704の程度により、第3高調波
成分3f0が制御される。外部電極704Bについても
同様である。この実施例の等価回路も、図23(B)に
示すようになり、高調波対策用のキャパシタC63,C64
が外部電極704A,704Bの切除によって変化す
る。同図(C)には、周波数特性の変化の一例が示され
ており、例えば実線で示す特性が、本実施例による外部
電極切除を行うことで点線のようになる。これにより、
第3高調波成分3f0のピークが3f03に移動し、結果
的に第3高調波成分3f0が低減されるようになる。
【0062】図34には、本実施例の変形例が示されて
いる。まず、同図(A)の例は、外部電極704Aのハ
ッチングで示す開放端側710の面積を変化させるよう
にしたものである。同図(B)の例は、切り欠き部71
2を開放端側に延長した例である。同図(C)の例は、
切り欠き部714を外部電極704Aに入り込むように
形成したものである。同図(D)の例は、切り欠き部7
16が端部まで位置し、更に外部電極704Aの開放端
側710の一部を除去した例である。同図(E)の例
は、切り欠き部718の幅を狭くした例である。同図
(F)の例は、切り欠き部720を円弧状に形成した例
である。
【0063】
【実施例16】次に、図35を参照しながら実施例16
について説明する。この実施例は、誘電体共振器の接合
に関するもので、通常は半田などを利用して外部電極や
容量電極を接合する。しかし、図21に示したように、
Agペーストを用いてもよい。例えば、上述した図30
に示した誘電体フィルタを得る場合、図35(A)に示
すように、外部電極506A,506Bについては接合
面側の領域550(必要があれば551も)にAgペー
ストを塗布し、容量電極504A,504Bについては
接合面側の領域552にAgペーストを塗布して矢印F
Jで示すように接合する。
【0064】このように、Agペーストを用いて接合を
行うと、(1)接合部分が面で接触しているため、半田
と比較して良好な強度が得られる,(2)接合後の実装
時における半田リフロー処理にも温度的に耐えられる,
(3)接合した誘電体フィルタの上面や底面にAgの突起
物がでない,などの利点がある。
【0065】なお、容量電極の接合については、その接
合面の面積が狭く、隣接する外部電極との間の絶縁を確
保する必要があるので、Agペーストの代わりに半田を
用いるようにしてもよい。また、図35(B)に示すよ
うに、誘電体共振器500A,500Bの適当な位置に
凹み560,562,564を設け、両共振器を接触さ
せた状態で凹み560,562,564にAgペースト
を充填して接合を行うようにしてもよい。Agペースト
は、凹み560,562,564から内部に吸込まれ
て、接合に寄与する。
【0066】
【実施例17】次に、図36及び図37を参照しながら
実施例17について説明する。誘電体共振器の共振周波
数調整については図20で説明したが、外部電極が誘電
体共振器の軸方向全長に渡って形成されている場合も同
様にして共振周波数を調整することができる。図36
(A),(B)には誘電体共振器568A,568B,5
69A,569Bによるフィルタの例がそれぞれ示され
ており、(A)の正面が図37(A)に示されている。ま
た、同図(A)の一点鎖線を含めると、図36(B)の正
面となる。これらの誘電体共振器において、点線P1で
示す外部電極部分を削ると、共振周波数f0を上昇させ
る調整を行うことができる。点線P3で示す入出力用の
容量電極部分を削ると、キャパシタ容量を調整でき、マ
ッチングやVSWRを合わせることができる。
【0067】点線P4で示す結合用の容量電極部分を削
ると、フィルタ特性における極の位置を調整することが
できる。点線P5で示す開放端側の外部電極部分を削る
と、共振周波数f0を上昇させる調整や、三次高調波3
f0を周波数の高い方にシフトさせて高調波特性の調整
を行うことができる。点線P6で示す内部電極部分を削
ると、上述した全ての調整を行うことができる。いずれ
においても、誘電体フィルタの完成後に調整を行って、
歩留りの向上やコスト低減を図ることができる点で有効
な手法である。
【0068】なお、調整作業を簡便に行うため、図37
(A)に示すように、正面からみた電極形状をL字形状
あるいはL字パターンとした方がよい。図37(B)に
示す例では、誘電体部分に段部(凹部)573A,57
3Bがそれぞれ設けられており、L字状の結合用容量電
極571A,571Bがそれら段部573A,573B
内に形成されている。この例によれば、結合用容量電極
571A,571Bが共振器表面から1段下がっている
ので、表面側からケースなどの金属が接近しても、その
影響が低減される。図37(C)に示す例は、結合用容
量電極575A,575Bを、上面からみたときにL字
状となるように、すなわち誘電体共振器の接合面と端面
側でL字状となるように形成した例である。この例で
も、上面からの金属ケースの影響が低減され、また端面
側からの調整も可能となるという利点がある。入出力用
の容量電極についても、同様である。
【0069】
【実施例18】次に、図38及び図39を参照しながら
実施例18について説明する。この実施例は、誘電体フ
ィルタを実装する基板の電極パターンの改良である。例
えば、図30(A)の誘電体フィルタに対する電極パタ
ーンは、図38(A)に示すようになる。誘電体共振器
500A,500Bは、基板570上に点線で示すよう
に配置される。電極パターン572A,572Bには、
誘電体共振器500A,500Bの入出力用容量電極5
02A,502Bが接続され、電極パターン574に
は、誘電体共振器500A,500Bの外部電極506
A,506Bが接続される。
【0070】この場合において、アース用の電極パター
ン574の短絡端側576の位置を、図中に矢印FKで
示すように変化させると、周波数特性も変化する。同図
(B)には、誘電体フィルタの周波数特性の一例が示さ
れており、フィルタ特性の中心周波数(通過帯域の中心
周波数)はfe,その両脇の極の周波数はf1,f2であ
る。アース用電極パターン574の短絡端側576の位
置を基板570の端縁に近づけて電極面積を大きくする
と、同図(B)における極の位置が中心周波数feから遠
ざかる。逆に、電極パターン574の短絡端側576の
位置を基板570の端縁から離して電極面積を小さくす
ると、同図(B)における極の位置が中心周波数feに近
づくようになる。
【0071】次に、図39を参照して他の電極パターン
の実施例を説明する。この実施例は、アース用の電極パ
ターンの改良である。誘電体共振器500A,500B
は、上述したように開放端側まで外部電極506A,5
06Bが形成されている。従って、アース用電極パター
ンも、同様に開放端側まで延長形成されており、延長部
578が設けられている。
【0072】ここで、同図(B)において、延長部57
8の部分に半田580を付けたとすると、誘電体共振器
500A,500Bの接合時に半田580が矢印FLで
示すように電極パターン576の広面積領域に吸い寄せ
られ若しくは引っ張られ、延長部578が良好に半田付
けできない可能性がある。そこで、本実施例では、同図
(A)に示すように、延長部578の取付け部分に切り
込み又はスリット582を形成し、これによって半田の
吸い寄せが防止されている。
【0073】
【実施例19】次に、図40を参照しながら実施例19
について説明する。この実施例は、誘電体共振器の基板
側の角部に電極が形成されている場合に好適である。同
図(A)はその一例であり、誘電体共振器600A,6
00Bの開放端側には、結合用容量電極602A,60
2B,入出力用容量電極604A,604B,外部電極
606A,606Bがそれぞれ形成されている。中心孔
には内部電極608A,608Bがそれぞれ形成されて
いる。他方、基板610上には、入出力用容量電極60
4A,604Bに対応する電極パターン612A,61
2Bと、外部電極606A,606Bに対応する電極パ
ターン614が形成されている。
【0074】ところで、本実施例では、誘電体共振器6
00A,600Bの角部が丸み(いわゆるR)を付けた
曲線状又は円弧状となっており、接合した状態で電極6
06A,606B及び電極パターン614の間に空間6
09が形成される形状となっている。そして、この空間
609の部分に半田を充填することで、基板上への誘電
体共振器の取付けが行われている。このような構成とす
ることで、(1)基板マウント時に半田が良好に接続し
ているかどうかを確認することができる,(2)基板と
誘電体フィルタとの接続が強固となる,(3)同図(A)
中に点線で示す3個所の接合部分における半田量を合せ
ることができる,などの利点がある。
【0075】なお、同図(A)の実施例では、誘電体共
振器の4つの角部を全部曲線状としたが、同図(B)に
示すように少なくとも基板側のみとしても十分である。
また、同図(C)や(D)に示すような形状としてもよ
い。(C)は角部に軸方向に沿って平面620を形成し
たものであり、(D)は凹面622を形成した例であ
る。
【0076】
【他の実施例】この発明には数多くの実施の形態があ
り、以上の開示に基づいて多様に改変することが可能で
ある。 (1)前記実施例では内部電極と外部電極が一端で短絡
されているが、両端が開放されているタイプの誘電体共
振器もあり、そのようなものに対しても本発明は適用可
能である。その他、容量電極を始めとする各電極や誘電
体素体の形状は、必要に応じて適宜変更してよい。使用
する材料や製造方法も、公知のものを用いてよい。
【0077】(2)前記実施例では、主として同一構成
の誘電体共振器を接合して誘電体フィルタを得たが、も
ちろん異なる構成のものを接合してもよい。また、誘電
体共振器以外の部品を接合することも任意である。
【0078】(3)前記実施例に示したフィルタ特性も
一例であり、必要に応じた特性のものを設計してよい。
また、フィルタ以外の他の誘電体共振器装置にも適用可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の構成と等価回路を示す図で
ある。
【図2】本発明で使用される誘電体共振器の例を示す図
である。
【図3】本発明で使用される誘電体共振器の例を示す図
である。
【図4】本発明で使用される誘電体共振器の例を示す図
である。
【図5】本発明で使用される誘電体共振器の例を示す図
である。
【図6】本発明で使用される誘電体素体の例を示す図で
ある。
【図7】本発明で使用される誘電体共振器の他の例を示
す図である。
【図8】実施例1の周波数特性を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例2の構成と周波数特性を示す図
である。
【図10】本発明の実施例3の構成と周波数特性を示す
図である。
【図11】本発明の実施例4の構成と等価回路を示す図
である。
【図12】実施例4の周波数特性を示すグラフである。
【図13】本発明の実施例5の構成,等価回路及び周波
数特性を示す図である。
【図14】本発明の実施例6の構成を示す図である。
【図15】本発明の実施例6の構成を示す図である。
【図16】本発明の実施例6の構成を示す図である。
【図17】本発明の実施例6の構成と等価回路を示す図
である。
【図18】本発明の実施例6の構成を示す図である。
【図19】本発明の実施例7の製造方法を示す図であ
る。
【図20】フィルタ特性の調整箇所を示す図である。
【図21】本発明の実施例8の製造方法を示す図であ
る。
【図22】高調波対策の必要性を示す図である。
【図23】本発明の実施例9の構成と周波数特性を示す
図である。
【図24】本発明の実施例10の構成と周波数特性を示
す図である。
【図25】本発明の実施例11の構成と周波数特性を示
す図である。
【図26】本発明の実施例12の構成を示す図である。
【図27】本発明の実施例13の印字位置を示す図であ
る。
【図28】本発明で使用される他の誘電体共振器の構成
を示す図である。
【図29】本発明で使用される他の誘電体共振器の構成
を示す図である。
【図30】本発明の実施例14の構成を示す図である。
【図31】本発明の実施例14の構成を示す図である。
【図32】実施例15の比較例の誘電体共振器とその周
波数特性の一例を示す図である。
【図33】本発明の実施例15の構成とその周波数特性
を示す図である。
【図34】前記実施例例15の変形例を示す図である。
【図35】本発明の実施例16の構成を示す図である。
【図36】本発明の実施例17の構成を示す図である。
【図37】本発明の実施例17の構成を示す図である。
【図38】本発明の実施例18の構成と周波数特性を示
す図である。
【図39】本発明の実施例18の構成を示す図である。
【図40】本発明の実施例19の構成を示す図である。
【図41】背景技術の誘電体フィルタを示す斜視図であ
る。
【符号の説明】 10,20,50,52,54,56,58,60,6
2,64,66,68,74,76,78,84,8
6,88,90,92,94,96,102,104,
108,110,112,114,120,122,1
24,126,128,130,134,136,13
8,140,142,144,148,150,15
4,214,216,222,224,300,30
2,400,410,412,500,500A,50
0B,510,510A,510B,520,520
A,520B,530,530A,530B,540,
550,568A,568B,569A,569B,6
00A,600B700A,700B…誘電体共振器 12,28,36,38,40,42,156,20
0,202…誘電体素体 14,148B,150B…貫通孔 16,16A,16B,84B,86B,88A,90
A,92A,134A,136A,300E,302
E,528,538,608A,608B…内部電極 18,18A,18B,102A,104A,112
A,114A,154A,404,410A,412
A,506,506A,506B,516,516A,
516B,526,536,536A,536B,60
6A,606B,704A,704B…外部電極 20…短絡導体 22,24,26,30,32,34,34A,44,
44A,44B,50A,50B,52A,52B,5
4A,54B,56A,56B,58A,58B,60
A,60B,62A,62B,64A,64B,66
A,68A,68B,74A,76A,78A,84
A,86A,94A,96A,124A,126A,1
28A,130A,134B,134C,136B,1
36C,152A,152B,154B,154C,2
14A,214B,216A,216B,300A,3
00B,302A,302B,300C,302C,3
00D,302D,502,502A,502B,50
4,504A,504B,512,512A,512
B,514,514A,514B,522,522A,
522B,524,524A,524B,532,53
2A,532B,534,534A,534B,54
2,552,544,554,571A,571B,5
75A,575B,602A,602B,604A,6
04B,702A,702B,706A,706B…容
量電極 46…コイル電極 70…チップコンデンサ 72,80,106,310,570,610…基板 82A,82B…コイル 98,132,218,220,304…ケース 100…チップ部品 112B,114B…開口 128B,130B…導体パターン 138A,140A,156A…凹部 146…誘電体板 148A,150A,402…小径部 152…容量板 156B…凹凸 204,206…導体皮膜 208,210…結合導体 212…ニッケル皮膜 226…Agペースト 312…延設部 414,416,416…印字領域 550,551,552…接合領域 560,562,564…凹み 573A,573B…段部 572A,572B,574,576,612A,61
2B,614…電極パターン 580…半田 582…スリット 609…空間 C,C1,C2,C3,Ca,Cb,Cc,C10,C1
2,C20,C21,C22,C23,C31,C32,C33,C5
0,C51,C60〜C64…キャパシタ FA〜FL…矢印 L1,L2…インダクタンス PA〜PC,P1〜P6…削り個所 RS,RS1,RS2,RS10,RS12,RS60,RS61
…共振部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小坂 武史 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 (72)発明者 吉森 健二 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 (72)発明者 五十嵐 雅夫 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に貫通孔を有する誘電体素体;こ
    の誘電体素体の貫通孔側に形成された内部電極;誘電体
    素体の外側に形成された外部電極;それら内部電極及び
    外部電極を接続する短絡電極;内部電極との間でキャパ
    シタンスを得るための少なくとも一つの容量電極;を備
    えたことを特徴とする誘電体共振器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の誘電体共振器において、
    前記容量電極は、自己の内部電極もしくは隣接する誘電
    体共振器の内部電極との間でキャパシタンスを得ること
    を特徴とする誘電体共振器。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の誘電体共振器にお
    いて、前記外部電極を、誘電体共振器の軸方向に延長し
    て開放端側まで形成したことを特徴とする誘電体共振
    器。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の誘電体共振器
    において、前記容量電極の少なくとも一つを、前記誘電
    体素体の2つの面にまたがるL字状としたことを特徴と
    する誘電体共振器。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4記載の誘電体共
    振器において、前記容量電極を、素体外周上に円環状に
    形成したことを特徴とする誘電体共振器。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3,4又は5記載の誘電
    体共振器において、前記容量電極を、誘電体素体内に設
    けられた凹部に形成したことを特徴とする誘電体共振
    器。
  7. 【請求項7】 軸方向に貫通孔を有する誘電体素体;こ
    の誘電体素体の貫通孔側に形成された内部電極;誘電体
    素体の外側に形成された外部電極;それら内部電極及び
    外部電極を接続する短絡電極;前記内部電極に接続され
    たインダクタンスを得るためのコイル電極;を備えたこ
    とを特徴とする誘電体共振器。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5,6又は7記
    載の誘電体共振器を複数用いたことを特徴とする誘電体
    共振器装置。
  9. 【請求項9】 複数の誘電体共振器によって構成されて
    おり、少なくとも一つの誘電体共振器の内部電極が短絡
    電極のみと接続していることを特徴とする誘電体共振器
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の誘電体共振器装
    置において、結合用のキャパシタンスを得るための容量
    電極のうち、隣接するものを接合したことを特徴とする
    誘電体共振器装置。
  11. 【請求項11】 請求項8,9又は10記載の誘電体共
    振器装置において、前記容量電極のうちの該当するもの
    の間に回路素子を接続したことを特徴とする誘電体共振
    器装置。
  12. 【請求項12】 請求項8,9,10又は11記載の誘
    電体共振器装置において、内部電極とアースとの間に他
    のキャパシタンスを形成したことを特徴とする誘電体共
    振器装置
  13. 【請求項13】 請求項8,9,10,11又は12記
    載の誘電体共振器装置において、外部電極の接合にAg
    ペーストを用いるとともに、容量電極の接合に半田を用
    いたことを特徴とする誘電体共振器装置。
  14. 【請求項14】 請求項8,9,10,11,12又は
    13記載の誘電体共振器装置において、外部電極に接合
    される基板上の電極パターンに、半田の吸込みを防止す
    るためのスリットを設けたことを特徴とする誘電体共振
    器装置。
JP10278497A 1997-03-14 1997-04-05 誘電体共振器及びそれを使用した装置 Withdrawn JPH10284904A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10278497A JPH10284904A (ja) 1997-04-05 1997-04-05 誘電体共振器及びそれを使用した装置
US09/038,870 US6081174A (en) 1997-03-14 1998-03-11 Wave filter having two or more coaxial dielectric resonators in juxtaposition
EP98301877A EP0865094A3 (en) 1997-03-14 1998-03-13 Wave filter having two or more coaxial dielectric resonators in juxtaposition
US09/504,351 US6275125B1 (en) 1997-03-14 2000-02-15 Wave filter having two or more coaxial dielectric resonators in juxtaposition

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10278497A JPH10284904A (ja) 1997-04-05 1997-04-05 誘電体共振器及びそれを使用した装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10284904A true JPH10284904A (ja) 1998-10-23

Family

ID=14336771

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10278497A Withdrawn JPH10284904A (ja) 1997-03-14 1997-04-05 誘電体共振器及びそれを使用した装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10284904A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6489860B1 (en) Surface acoustic wave duplexer with first and second package ground patterns
KR960000137B1 (ko) 자기 차폐하는 윗면과 아랫면이 있는 반파 공진기 유전체 필터
EP0793289A1 (en) Multilayered frequency separator
US6521976B2 (en) Multilayer LC composite component
US6731046B2 (en) Surface acoustic wave element and manufacturing method of the same
JPH0998056A (ja) 弾性表面波装置
JPH10270976A (ja) 分波器パッケージ
US6621378B2 (en) Filter
JP2007325047A (ja) 電子部品
JP2002124847A (ja) 弾性表面波装置
JPH10284904A (ja) 誘電体共振器及びそれを使用した装置
KR100759737B1 (ko) 분파 필터 패키지
JPH09186504A (ja) デュプレックス誘電体フィルター
JP2000013167A (ja) フィルタ
JP2000295007A (ja) 積層形バンドパスフィルタ
JPH1197962A (ja) 高周波部品
JPH1075144A (ja) Lcバンドパスフィルタ及びその周波数特性調整方法
JPH09107207A (ja) 誘電体フィルタ
JP2003023332A (ja) 電子回路用配線基板
JPH05167309A (ja) 誘電体フィルタ
JP2003289232A (ja) 積層型電子部品の周波数調整方法
JPH0897606A (ja) 誘電体フィルタの特性調整方法
JPH06334412A (ja) 誘電体積層共振器および誘電体フィルタ
JP2001076936A (ja) チップインダクタおよびチップトランスおよびチップバルントランスおよびチップトロイダルコイルおよび複同調回路およびチップインダクタの実装方法並びに複同調回路の同調周波数の調整方法
JPH07283496A (ja) 複合電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040706