JPH10284231A - セラミックヒータおよびその製造方法 - Google Patents

セラミックヒータおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH10284231A
JPH10284231A JP9241397A JP9241397A JPH10284231A JP H10284231 A JPH10284231 A JP H10284231A JP 9241397 A JP9241397 A JP 9241397A JP 9241397 A JP9241397 A JP 9241397A JP H10284231 A JPH10284231 A JP H10284231A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic
lead portion
external lead
coating layer
heater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9241397A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirobumi Suzuki
鈴木  博文
Makoto Shirai
白井  誠
Masayuki Kobayashi
正幸 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP9241397A priority Critical patent/JPH10284231A/ja
Publication of JPH10284231A publication Critical patent/JPH10284231A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック体内部にヒータ部および内部リー
ド部を備え、セラミック体表面に、W、Mo、Reの少
なくとも1種類からなる外部リード部を備えたセラミッ
クヒータにおいて、外部リード部と電力投入用リード線
とを、CuまたはCu合金材料からなるろう材にて良好
にろう付け可能とする。 【解決手段】 セラミック体4内部に、Wからなるヒー
タ部2、リード部3、および内側電極6を備え、セラミ
ック体4表面に、Wからなる外側電極7を備えるセラミ
ックヒータにおいて、Wと化合可能で、かつ、Cuと固
溶可能なNi99wt%−Bwt%からなる第1めっき
層81を、外側電極7の表面に形成し、この第1めっき
層81と電力投入用リード潜5とを、Cuからなるろう
材82にてろう付けすることにより、外側電極7と第1
めっき層81とが化合し、かつ、第1めっき層81とろ
う材82とが固溶する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素センサ等に設
けられるセラミックヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平8−148260号公報に
は、セラミック体の内部に、発熱部と、この発熱部と電
気的に導通する内部リード部とを備え、セラミック体の
表面に、内部リード部と電気的に導通する外部リード部
を備え、この外部リード部に電力投入用リード線をろう
付けしたセラミックヒータが提案されている。
【0003】そして、ろう付け時に用いるろう材には、
セラミックヒータの使用環境における冷熱差による熱応
力を良好に吸収可能な硬度を有し、かつ、耐マイグレー
ション性を有する材料として、Cuが用いられている。
また、外部リード部は、セラミック体との接合性に優れ
る材料として、Wから構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、Cuからな
るろう材は、Wからなる外部リード部との接合性がさほ
ど優れておらず、セラミックヒータの組付時等の外的衝
撃により、外部リード部と電力投入用リード線との接合
が破壊される恐れがあった。すなわち、ろう付け時にお
いて、CuはW粒子間の微少隙間にくさび状にささるだ
けであり、化合も固溶もしないため、この接合強度がW
の粒径や表面状態によって大きく変化してしまい、ろう
材と外側リード部との接合性がさほど優れないのであ
る。
【0005】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、セラミック体内部に、ヒータ部と、このヒータ部に
電気的に接続される内部リード部とを備え、セラミック
体表面に、W、Mo、Reの少なくとも1種類からなる
外部リード部を備えたセラミックヒータにおいて、外部
リード部とリード線とを、CuまたはCu合金材料から
なるろう材にて良好にろう付け可能とすることを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、外部リード部を構成する材料(つま
り、W、Mo、Reの少なくとも1種類からなる第1導
電材料)と化合または固溶可能で、かつ、CuまたはC
u合金材料と化合または固溶可能な第2導電材料からな
る外部リード部被覆層(81)を、外部リード部(7)
の表面に形成し、この外部リード部被覆層(81)と電
力投入用リード部(5)とを、CuまたはCu合金材料
からなるろう材(82)にてろう付けしており、外部リ
ード部(7)と外部リード部被覆層(81)、および、
外部リード部被覆層(81)とろう材(82)が、化合
または固溶している。
【0007】このような手段によれば、外部リード部
(7)と外部リード部被覆層(81)との接合強度、お
よび、外部リード部被覆層(81)とろう材(82)と
の接合強度が常に良好に得られ、外部リード部(7)と
外部リード線(5)とが良好に固定される。なお、上記
ろう付けは高温な環境(例えば1500〜1600℃)
で行なわれるので、このろう付け時において、上記化合
または固溶を行なうとよい。これによれば、上記化合ま
たは固溶を行なうための特別な手段が別に必要ないので
好ましい。
【0008】上記第2導電材料としては、Ni、Ni合
金材料、Pt、Au等が挙げられ、このNi合金材料と
しては、Ni−B合金材料(例えばNi99wt%−B
1wt%)やNi−P合金材料等が挙げられる。また、
Cu合金材料とはCuを60wt%以上含むもののこと
であり、Cuへの添加材料としては、Au、Pd、Ni
等が挙げられる。
【0009】また、Ni、Ni合金材料、Pt、Au等
は、W、Mo、Reよりも耐熱性に優れているので、N
iやNi合金材料からなる外部リード部被覆層(81)
によれば、外部リード部(7)の耐熱性を確保できる。
ここで、上記化合または固溶は高温な環境で行なわれる
が、このとき、外部リード部被覆層(81)の平均厚さ
に比例して、外部リード部被覆層(81)とろう材(8
2)との化合または固溶の範囲が広くなる。そして、こ
の範囲が、外部リード部被覆層(81)とセラミック体
(4)との界面まで達すると、外部リード部被覆層(8
1)とセラミック体(4)との接合強度が低下してしま
う。この接合強度が低下すると、セラミックヒータの組
付時等における物理的外力や、セラミックヒータの使用
中における熱応力等が加わることにより、外部リード部
(7)がセラミック体(4)から剥がれることがある。
【0010】そして、後述する実験によれば、外部リー
ド部被覆層(81)の平均厚さが8μm以上である場
合、外部リード部(7)とセラミック体(4)との接合
強度が低下することが確認されている。従って、外部リ
ード部被覆層(81)の平均厚さを8μm以下とするの
が好ましい。また、後述する実験によれば、外部リード
部被覆層(81)の平均厚さが4μm以下であれば、外
部リード部(7)とセラミック体(4)との接合強度が
保たれることが確認されている。よって、外部リード部
被覆層(81)の平均厚さを4μm以下とするのが好ま
しい。
【0011】また、外部リード部被覆層(81)の上記
した効果を良好に発揮させるために、この外部リード部
被覆層(81)の平均厚さを2μm以上とするのが好ま
しい。ここで、セラミックヒータのろう付け部近傍が、
例えば600℃程度に高温である場合、Cuからなるろ
う材(82)が腐食して、このセラミックヒータを使用
するにつれて、外部リード線(5)と外部リード部
(7)との間の抵抗が大幅に大きくなったり、外部リー
ド線(5)と外部リード部(7)との接合が損傷する恐
れがある。
【0012】これに対して本発明では、CuまたはCu
合金材料よりも耐熱性に優れる第3導電材料からなるろ
う材被覆層(83)を、ろう材(82)の表面に設けて
いる。これによれば、ろう材被覆層(83)により、ろ
う材(82)を腐食性雰囲気から保護することができ、
ろう材(82)の耐腐食性が得られるので、上記抵抗の
増大や上記接合の損傷といった恐れは抑制される。
【0013】なお、上記第3導電材料としては、Niや
Ni合金材料等が挙げられ、このNi合金材料として
は、Ni−B合金材料(例えばNi99wt%−B1w
t%)やNi−P合金材料等が挙げられる。このろう材
被覆層(83)の上記した効果を良好に発揮させるため
に、この外部リード部被覆層(81)の平均厚さを2μ
m以上とするのが好ましい。また、ろう材被覆層(8
3)を形成する際のコスト面からみて、ろう材被覆層
(83)の平均厚さは8μm以下とするのが好ましい。
【0014】そして、外部リード部被覆層(81)やろ
う材被覆層(83)は、製造上無電解めっきにて行なう
ことが好ましく、この無電解めっきが可能な材料とし
て、Ni−B合金材料やNi−P合金材料が挙げられ
る。なお、ろう付け時やセラミックヒータの使用時等の
高温な環境において、Ni−P合金材料では、PがNi
をもろくするようにはたらく恐れがあるため、Ni−B
合金材料を用いるのが好ましい。
【0015】上記したセラミック体(4)としては、断
面円状の棒形状のものや、板形状のものが挙げられる。
本発明のセラミックヒータの製造方法は、外部リード部
(7)の表面に外部リード部被覆層(81)を形成する
工程と、この工程の後、ろう材(82)にて外部リード
部被覆層(81)と電力投入用リード部(5)とをろう
付けする工程とを包含している。
【0016】また、セラミック体(4)が断面円状の棒
形状である場合の製造方法は、断面円状の棒形状のセラ
ミック中軸(41)の表面、および、板状のセラミック
シート(42)の一面(42a)の少なくとも一方に、
前記ヒータ部(2)および前記内部リード部(3、6、
422)を設ける第1工程と、この第1工程の後、セラ
ミックシート(42)の一面(42a)を内側にして、
セラミックシート(42)をセラミック中軸(41)の
表面に巻き付ける第2工程と、セラミックシート(4
2)の他面(42b)に外部リード部(7)を設ける第
3工程と、第2工程および第3工程の後、セラミックシ
ート(42)とセラミック中軸(41)とを一体的に焼
成する第4工程とを包含している。なお、第3工程は、
第1工程の前に行なってもよいし、第1工程と第2工程
の間に行なってもよい。
【0017】また、セラミック体(4)が板形状である
場合の製造方法は、板状の第1セラミックシート(4
3)の一面(43a)、および、板状の第2セラミック
シート(44)の一面(44a)の少なくとも一方に、
ヒータ部(2)および内部リード部(3、6、422)
を設ける第1工程と、この第1工程の後、両セラミック
シート(43、44)の一面(43a、44a)同志が
対向するように、両セラミックシート(43、44)を
積層する第2工程と、両セラミックシート(43、4
4)の一面(43a、44a)以外の面(4a)に外部
リード部(7)を設ける第3工程と、第2工程および第
3工程の後、両セラミックシート(43、44)を一体
的に焼成する第4工程とを包含している。なお、第3工
程は、第1工程の前に行なってもよいし、第1工程と第
2工程の間に行なってもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明を、車両の排気管1
01内を流れる排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃
度検出器100に適用したものである。酸素濃度検出器
は、ジルコニア等の酸素イオン電動性固体電解質からな
るコップ状の検出素子33を備え、この検出素子33の
内外面のそれぞれに、多孔質白金電極を有している。こ
の検出素子33は、酸素濃淡電池の原理により排気ガス
中の酸素濃度を検出するものである。また、検出素子3
3はある程度加熱されていないと、正確に酸素濃度を検
出できないため、この検出素子33の内部にセラミック
ヒータ1を装着することにより、この検出素子33の未
加熱時(例えば、排気ガス温度が低いエンジン始動直
後)において、検出素子33を加熱している。
【0019】検出素子33は、筒状で金属製のハウジン
グ24内に収容されており、このハウジング24は、ネ
ジ部23により排気管101に装着されている。そし
て、ハウジング24の一端側に装着されるコップ状の金
属カバー21により、検出素子33の底部31側が覆わ
れている。この金属カバー21は排気管101内に配置
され、この金属カバー21には、図1中矢印方向に流れ
る排気ガスを内部へ導入する排気ガス導入口25が形成
されている。
【0020】次に、セラミックヒータ1について説明す
る。図2および図3に示すように、セラミックヒータ1
は、通電により発熱するヒータ部2と、このヒータ部2
に電気的に接続されるリード部(内部リード部)3と、
このリード部3に電気的に接続される内側電極(内部リ
ード部)6とを、セラミック体4の内部に備えている。
そして、セラミック体4の外周面には、内側電極6に対
向するように外側電極7が形成されるとともに、内部の
ヒータ部2に電力を供給するための電力供給用リード線
5が外側電極7に接合されている。
【0021】ここで、セラミック体4は、Al2 3
のセラミック材料からなり、ヒータ部2、リード部3、
内側電極6、および、外側電極7はWからなり、リード
線5はNiからなる。リード部3は、抵抗値を下げるた
めに線状に複数本形成してなる。また、図1に示すよう
に、ヒータ部2側は排気管101内に配置され、リード
線5側は排気管101外に配置されている。
【0022】図3に示すように、セラミック体4は、セ
ラミック中軸41と、このセラミック中軸41の外周面
に巻き付けられるセラミックシート42とから構成され
ており、セラミックシート42の一面42aに、ヒータ
部2、リード部3、および、内部電極6を形成し、セラ
ミックシート42の他面42bに外側電極7(図2
(a)参照)を形成した後、このセラミックシート42
を中軸41に巻き付け、これらを一体的に焼成してい
る。この製造方法については後で詳しく説明する。
【0023】また、図2(b)に示すように、セラミッ
クシート42のうち、内側電極6と外側電極7との間に
は、スルーホール421が形成されており、このスルー
ホール421には、Wからなるスルーホール充填部(内
部リード部)422が形成されている。このスルーホー
ル充填部422により、内側電極6と外側電極7とが電
気的に接続される。
【0024】そして、外側電極7の表面には、Ni99
wt%−B1wt%(第2導電材料)からなる第1めっ
き層(外部リード部被覆層)81が形成されており、こ
の第1めっき層81の表面と、リード線5の端部とが、
Cuからなるろう材82にてろう付けされている。さら
に、ろう材82の表面、第1めっき層81の表面、およ
び、リード線5の端部表面には、Ni99%−B1%
(第3導電材料)からなる第2めっき層(ろう材被覆
層)83が形成されている。なお、第1めっき層81の
平均厚さは4μm、第2めっき層82の平均厚さは8μ
m、ろう材82の平均厚さは、第1、第2めっき層8
1、82よりも大幅に大きく、数百μm程度である。
【0025】次に、上記セラミックヒータ1の製造方法
を図4に基づいて説明する。まず、Al2 3 粉末を9
5%に対して、CaO粉末、MgO粉末、SiO2粉末
を合わせて5%の割合で混合してセラミック粉末を用意
し、この粉末に対して、有機バインダ、有機溶剤を混合
してスラリ状とする(図4中原料混合工程)。
【0026】このスラリを厚さ0.3mmにシート成形
し、さらに、所望の大きさ(例えば72mm×9mm)
に切り出すことにより、セラミックシート42を成形す
る(図4中セラミックシート成形工程)。このセラミッ
クシート42に対して、スルーホール421を形成し、
このスルーホール421内部に導電性ペーストを印刷に
より充填する(図4中スルーホール印刷工程)。その
後、上記セラミックシート42の一面42aに、Wペー
スト(W粉末と有機溶剤とを混合したもの)を用いて、
ヒータ部2およびリード部3のパターンをスクリーン印
刷する(図4中ヒータ部、リード部印刷工程)。
【0027】その後、Wペーストを用いて、セラミック
シート42の一面42aに内側電極6のパターンを、他
面42bに外側電極7のパターンを、両面印刷する(図
4中電極印刷工程)。その後、ヒータ部2、リード部
3、および、内側電極6を全て覆うように、セラミック
シート42と同一原料からなる混合物をペースト化した
ものをコート印刷する(図4中コート印刷工程)。
【0028】次に、上記したセラミック粉末と水溶性バ
インダを混合してスラリ状とし(図4中原料混合工
程)、このスラリを押出成形により直径3mmの丸棒を
成形し(図4中押出成形工程)、この丸棒を長さ72m
mに切断して、セラミック中軸41を成形する(図4中
セラミック中軸成形工程)。その後、セラミック中軸4
1の表面に、セラミックシート42の一面42aを内側
にしてこのシート42を巻き付けて一体化し(図4中巻
き付け工程)、この一体物を、窒素−水素雰囲気、温度
1500〜1600℃において1時間焼成し(図4中焼
成工程)、セラミック体4とする。
【0029】なお、図2(a)は、焼成後における状態
を示し、図3は、焼成前における状態を示すものである
が、ヒータ部2、リード部3、内側電極6、外側電極7
等は、焼成前と焼成後とで、同じ符号を用いて説明して
いる。次に、第1めっき層81を形成する第1めっき層
形成工程(図4参照)として、まず、セラミック体4
を、70℃のアルカリ洗浄液(日本カニゼン社製 K−
100)にて10分洗浄して、外側電極7表面の酸化膜
を除去する。その後、このセラミック体4を純水および
塩酸にて洗浄してから、室温程度の活性化液(日本カニ
ゼン社製 レッドシューマ)に5分間浸漬して、外側電
極7表面にパラジウムイオンを付与する。
【0030】その後、このセラミック体4を純水、塩
酸、湯(80℃)にて洗浄してから、60℃のめっき液
(日本カニゼン社製 SB−55 Ni99%−B1
%)に15分間浸漬して、外側電極4表面にNi99%
−B1%を2〜4μm析出させて、第1めっき層81を
形成する。次に、外側電極7にリード線5の端部をろう
付けするろう付け工程(図4参照)として、上記めっき
層81が形成されたセラミック体4を純水、湯(80
℃)にて洗浄した後、直径0.4mm、長さ4mmのC
u100%からなるろう材を、外側電極7とリード線5
(直径0.6mm)の端部との間に設置した状態で、接
着剤にて仮組付けする。その後、上記仮組付け体を、1
050〜1100℃の真空炉内に設置して、外側電極7
と端部とがろう材82にて接合される。
【0031】次に、第2めっき層83を形成する第2め
っき層形成工程(図4参照)として、まず、セラミック
体4を、70℃のアルカリ洗浄液(日本カニゼン社製
K−100)にて10分洗浄して、外側電極7表面の酸
化膜を除去する。その後、このセラミック体4を純水お
よび塩酸にて洗浄してから、室温程度の活性化液(日本
カニゼン社製 レッドシューマ)に5分間浸漬して、外
側電極7表面にパラジウムイオンを付与する。
【0032】その後、このセラミック体4を純水、塩
酸、湯(80℃)にて洗浄してから、60℃のめっき液
(日本カニゼン社製 SB−55 Ni99%−B1
%)に30分間浸漬して、外側電極4表面にNi99%
−B1%を4〜6μm析出させて、第2めっき層82を
形成する。本実施形態によれば、ろう付け時の高温環境
(例えば1050〜1100℃)において、外側電極7
と第1めっき層81とが化合し、かつ、第1めっき層8
1とろう材82とが固溶するので、外側電極7とリード
線5とを良好にろう付けできる。
【0033】また、Ni99%−B1%は、Wよりも耐
熱性に優れているので、Ni99%−B1%からなる第
1めっき層81によれば、外側電極7の耐熱性を確保で
きる。ここで、セラミックヒータ1の作動時(エンジン
始動直後)は、ヒータ部2の発熱により、ろう付け部近
傍が例えば300℃程度となり、排気ガス温度がある程
度上昇してセラミックヒータ1を停止したとき(エンジ
ン定常作動時)は、排気管101からの熱の影響によ
り、ろう付け部近傍が例えば600℃程度となる。これ
に対して本発明では、ろう材82よりも耐熱性に優れる
Ni99%−B1%からなる第2めっき層83を、ろう
材82の表面に設けているので、ろう材82の耐腐食性
を保つことができる。
【0034】次に、第1めっき層81の平均厚さと、外
側電極7の接合強度との関係に関する実験について説明
する。まず、第1めっき層81の平均厚さを2μm、4
μm、8μmとして、第2めっき層83を形成しないセ
ラミックヒータを、それぞれ図5に示すグラフ中のプロ
ットに対応する数だけ用意した。そして、セラミック体
4を治具にて固定した状態で、セラミック体4から垂直
的に離れる方向にリード線5を所定の力で引っ張ったと
きの引張強度(N)を測定した。なお、リード線5部位
が切断されたものをグラフ中白抜きで示し、リード線5
部位が切断される前に外側電極7がセラミック体4から
剥がれたものをグラフ中黒塗りで示した。
【0035】そして、リード線5部位が切断されたもの
は、外側電極7とセラミック体4との接合強度が良好で
あると判断し、外側電極7がセラミック体4から剥がれ
たものは、外側電極7とセラミック体4との接合強度が
弱いと判断した。この結果、第1めっき層81の平均厚
さが8μm以上に関しては、接合強度の弱いものが存在
し、第1めっき層81の平均厚さが4μm以下であれ
ば、外側電極7とセラミック体4との接合強度を良好に
保つことができることがわかった。
【0036】なお、本実施形態では、上述のようなNi
合金材料により実験を行なったが、Ni、Pt、Auに
ついて同じ実験を行なっても、同様の結果が得られるこ
とが本発明者の経験からわかっているので、請求項にお
いては、Ni、Pt、Auについても、第1めっき層8
1の平均厚さが8μm以下であることが好ましく、さら
には4μm以下であることが好ましいとしている。
【0037】(第2の実施形態)本実施形態では、図6
に示すように、セラミックヒータ1を平板タイプとした
ものである。このセラミックヒータ1のセラミック体4
は、図7に示すように、2枚の第1、第2セラミックシ
ート43、44から構成されている。そして、第2セラ
ミックシート44の一面44aにヒータ部2、リード部
3、および内側電極6を配置した後、第2セラミックシ
ート44の一面44aと第1セラミックシート43の一
面43aとが対向するように、両セラミックシート4
3、44を積層し、さらに、セラミック体4の側面4a
に、外側電極7を形成した後、一体的に焼成している。
【0038】なお、内側電極6の縁部がセラミックシー
ト43の縁部に沿うように形成されており、内側電極6
の縁部と外側電極7とが電気的に接続されている。そし
て、外側電極7の表面に第1めっき層81を形成した
後、上記第1の実施形態と同様にして第1めっき層81
表面にリード線5をろう付けし、さらに、上記第1の実
施形態と同様にして、リード線5の端部表面、ろう材
(図示せず)の表面、および、第1めっき層81の表面
に、第2めっき層(図示せず)を形成している。
【0039】なお、本実施形態では、セラミックシート
43、44を72mm×9mmとしており、このシート
43、44の形成方法や、ヒータ部2等の印刷方法等
は、上記第1の実施形態で述べたものに準じる。 (他の実施形態)上記したセラミック体4の形状に限定
されることはなく、例えば、図3において、外側電極7
およびスルーホール充填部422を廃止し、さらに、ス
ルーホール421よりも大きな接合用窓をセラミックシ
ート42に形成し、この接合用窓において、本発明のろ
う付けを行なうようにしてもよい。
【0040】また、第1の実施形態におけるセラミック
体4の製造工程において、セラミック中軸41表面にヒ
ータ部2およびリード部3を形成してもよい。また、セ
ラミック中軸41表面にセラミックシート42を巻き付
けてから、外部電極7を印刷し、その後、焼成してもよ
い。また、第2の実施形態におけるセラミック体4の製
造工程において、セラミックシート43、44を積層す
る前に、外部電極7を印刷してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる酸素濃度検出
装置の断面図である。
【図2】(a)は、第1の実施形態に係わるセラミック
ヒータの概略的な斜視図、(b)は(a)のA−A断面
図である。
【図3】第1の実施形態に係わるセラミックヒータの展
開図である。
【図4】第1の実施形態に係わるセラミックヒータの製
造工程説明図である。
【図5】第1の実施形態に係わるセラミックヒータにお
ける第1めっき層の平均厚さと引張強度との関係を示す
グラフである。
【図6】第2の実施形態に係わるセラミックヒータの概
略的な斜視図である。
【図7】第2の実施形態に係わるセラミックヒータの展
開図である。
【符号の説明】 4…セラミック体、2…ヒータ部、3…リード部(内部
リード部)、6…内側電極(内部リード部)、7…外側
電極(外部リード部)、422…スルーホール充填部
(内部リード部)、81…第1めっき層(外部リード部
被覆層)、5…リード線、82…ろう材。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック材料からなるセラミック体
    (4)と、 前記セラミック体(4)内部に設けられるヒータ部
    (2)と、 前記セラミック体(4)内部に設けられ、前記ヒータ部
    (2)に電気的に接続される内部リード部(3、6、4
    22)と、 前記セラミック体(4)表面に設けられるとともに、前
    記内部リード部(3、6、422)と電気的に接続さ
    れ、W、Mo、Reの少なくとも1種類からなる第1導
    電材料にて構成された外部リード部(7)と、 前記外部リード部(7)の表面に形成され、前記第1導
    電材料と化合または固溶可能で、かつ、CuまたはCu
    合金材料と化合または固溶可能な第2導電材料からなる
    外部リード部被覆層(81)と、 CuまたはCu合金材料からなるろう材(82)にて前
    記外部リード部被覆層(81)とろう付けされる電力投
    入用リード部(5)とを備え、 前記外部リード部被覆層(81)と前記外部リード部
    (7)、および、前記外部リード部被覆層(81)と前
    記ろう材(82)とが化合または固溶していることを特
    徴とするセラミックヒータ。
  2. 【請求項2】 前記外部リード部被覆層(81)と前記
    電力投入用リード部(5)とをろう付けするときに、前
    記外部リード部被覆層(81)と前記外部リード部
    (7)、および、前記外部リード部被覆層(81)と前
    記ろう材(82)とが化合または固溶することを特徴と
    する請求項1に記載のセラミックヒータ。
  3. 【請求項3】 前記外部リード部被覆層(81)の平均
    厚さは8μm以下であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のセラミックヒータ。
  4. 【請求項4】 前記外部リード部被覆層(81)の平均
    厚さは4μm以下であることを特徴とする請求項3に記
    載のセラミックヒータ。
  5. 【請求項5】 前記外部リード部被覆層(81)はN
    i、Ni合金材料、Au、Ptのいずれか1つからなる
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記
    載のセラミックヒータ。
  6. 【請求項6】 前記ろう材(82)の表面には、Cuま
    たはCu合金材料よりも耐熱性に優れる第3導電材料か
    らなるろう材被覆層(83)が形成されていることを特
    徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のセラ
    ミックヒータ。
  7. 【請求項7】 前記ろう材被覆層(83)は、Ni、N
    i合金材料、Pt、Auのいずれか1つからなることを
    特徴とする請求項6に記載のセラミックヒータ。
  8. 【請求項8】 前記セラミック体(4)は断面円状の棒
    形状であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれ
    か1つに記載のセラミックヒータ。
  9. 【請求項9】 前記セラミック体(4)は板形状である
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記
    載のセラミックヒータ。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1つに記
    載のセラミックヒータの製造方法であって、 前記外部リード部(7)の表面に前記外部リード部被覆
    層(81)を形成する工程と、 この工程の後、前記ろう材(82)にて前記外部リード
    部被覆層(81)と前記電力投入用リード部(5)とを
    ろう付けする工程とを包含することを特徴とするセラミ
    ックヒータの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載のセラミックヒータの
    製造方法であって、 断面円状の棒形状のセラミック中軸(41)の表面、お
    よび、板状のセラミックシート(42)の一面(42
    a)の少なくとも一方に、前記ヒータ部(2)および前
    記内部リード部(3、6、422)を設ける第1工程
    と、 前記第1工程の後、前記セラミックシート(42)の前
    記一面(42a)を内側にして、前記セラミックシート
    (42)を前記セラミック中軸(41)の表面に巻き付
    ける第2工程と、 前記セラミックシート(42)の他面(42b)に前記
    外部リード部(7)を設ける第3工程と、 前記第2工程および前記第3工程の後、前記セラミック
    シート(42)と前記セラミック中軸(41)とを一体
    的に焼成する第4工程とを包含することを特徴とするセ
    ラミックヒータの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載のセラミックヒータの
    製造方法であって、 板状の第1セラミックシート(43)の一面(43
    a)、および、板状の第2セラミックシート(44)の
    一面(44a)の少なくとも一方に、前記ヒータ部
    (2)および前記内部リード部(3、6、422)を設
    ける第1工程と、 前記第1工程の後、前記両セラミックシート(43、4
    4)の前記一面(43a、44a)同志が対向するよう
    に、前記両セラミックシート(43、44)を積層する
    第2工程と、 前記両セラミックシート(43、44)の前記一面(4
    3a、44a)以外の面(4a)に前記外部リード部
    (7)を設ける第3工程と、 前記第2工程および前記第3工程の後、前記両セラミッ
    クシート(43、44)を一体的に焼成する第4工程と
    を包含することを特徴とするセラミックヒータの製造方
    法。
JP9241397A 1997-04-10 1997-04-10 セラミックヒータおよびその製造方法 Pending JPH10284231A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9241397A JPH10284231A (ja) 1997-04-10 1997-04-10 セラミックヒータおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9241397A JPH10284231A (ja) 1997-04-10 1997-04-10 セラミックヒータおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10284231A true JPH10284231A (ja) 1998-10-23

Family

ID=14053738

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9241397A Pending JPH10284231A (ja) 1997-04-10 1997-04-10 セラミックヒータおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10284231A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0930282A1 (en) * 1998-01-16 1999-07-21 Denso Corporation Ceramic-metal junction structure and a method for manufacturing the same
JP2001273967A (ja) * 2000-03-27 2001-10-05 Ibiden Co Ltd セラミックヒーター
US6794614B2 (en) * 2001-03-08 2004-09-21 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Ceramic heater with lead wire connection having brazing material containing a predominant amount of copper
JP2005331502A (ja) * 2004-04-21 2005-12-02 Denso Corp セラミックヒータ及びこれを内蔵するガスセンサ
DE10100125B4 (de) * 2000-04-14 2015-01-08 Kyocera Corp. Keramische Heizvorrichtung

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0930282A1 (en) * 1998-01-16 1999-07-21 Denso Corporation Ceramic-metal junction structure and a method for manufacturing the same
JP2001273967A (ja) * 2000-03-27 2001-10-05 Ibiden Co Ltd セラミックヒーター
JP4514279B2 (ja) * 2000-03-27 2010-07-28 イビデン株式会社 セラミックヒーター
DE10100125B4 (de) * 2000-04-14 2015-01-08 Kyocera Corp. Keramische Heizvorrichtung
US6794614B2 (en) * 2001-03-08 2004-09-21 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Ceramic heater with lead wire connection having brazing material containing a predominant amount of copper
JP2005331502A (ja) * 2004-04-21 2005-12-02 Denso Corp セラミックヒータ及びこれを内蔵するガスセンサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101766999B1 (ko) 전기 가열식 촉매 컨버터
US7276841B2 (en) Thick film electrode and multilayer ceramic electronic device
KR100841271B1 (ko) 세라믹 히터 및 그 제조방법
US4668375A (en) Electric connection terminal for a sensor element utilizing ceramics
JP2020034435A (ja) センサ素子
US7078659B2 (en) Corrosion resistance structure of ceramic heater and gas sensor equipped with same
US4395319A (en) Lean sensor
JP2020034443A (ja) センサ素子
JP4034900B2 (ja) ヒータ付き酸素センサ及びその製造方法
JP2001165440A (ja) グロープラグ及びその製造方法
JP5275427B2 (ja) ガスセンサ
JP7265558B2 (ja) センサ素子
JPH10284231A (ja) セラミックヒータおよびその製造方法
CN112567235A (zh) 颗粒状物质检测传感器元件
JP4413362B2 (ja) 積層型ガスセンサ素子及びその製造方法並びにそれを備えるガスセンサ
US8058592B2 (en) Ceramic heater, gas sensor, and method of producing ceramic heater
JP2003347013A (ja) セラミックヒータ
JP3677920B2 (ja) 酸素濃度検出器
JP3162324B2 (ja) セラミックヒータ及び酸素センサ
WO2020203027A1 (ja) ガスセンサのセンサ素子
JP4539802B2 (ja) ガスセンサ素子及びガスセンサ
CN112567234A (zh) 颗粒状物质检测传感器元件
JP4824340B2 (ja) 電気素子を製作する方法ならびに電気素子、特にセンサエレメント
JPH08148260A (ja) セラミックヒータ
JP3740410B2 (ja) 検出素子