JPH10283950A - 偏向装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組み込み作業性を良くし、材料の節減を図
る。 【解決手段】 複数のコイルホビン１を一体成型するこ
とで、コイルボビン１のフリンジ部３同士が連結部５で
接続されてコイルボビンユニットＡが構成される。この
コイルボビンユニットＡの各コイルボビン１には、磁性
体１０が１回の操作でセットされる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョン受像
機やディスプレイ装置等に装着される偏向装置に係り、
特に電子銃側の端部に補助偏向装置が設けられ、その補
助偏向装置が有する複数個のコイルボビンの筒部の外周
部に線材を巻き付けると共に、コイルボビン筒部内に磁
性体を挿入した偏向装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電子銃側の端部に補助偏向装置が設けら
れ、その補助偏向装置が有する複数個のコイルボビンの
筒部の外周部に線材を巻き付けると共に、コイルボビン
筒部内に磁性体を挿入する偏向装置において、図７は従
来のコイルボビンと磁性体の組立状態を示す平面図、図
８はゲート付きの状態を示す平面図である。

【０００３】図７に示すように、コイルボビン１はそれ
ぞれ個別に成型されて独立しており、各コイルボビン１
に磁性体１０の脚部が挿入される。また図８に示すよう
に、４個取り型の場合には４本のゲート６の各端部にそ
れぞれボビン１が連結されている。

【０００４】このように従来の偏向装置は、コイルボビ
ン１が個々に分かれて取り付けられている。そしてコイ
ルボビン１に個別に磁性体１０が挿入されている。この
ように構成された偏向装置が偏向ヨークのネック部の近
傍に配置され、偏向装置から発生させる磁界によって電
子ビームの方向が調整される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来の偏向装置は上述
したように、補助偏向装置にコイルボビンを個々に取り
付けるので、取り付け作業に時間がかかり、作業効率が
悪い。また、各コイルボビンの巻数が違う場合、区別を
付ける必要があり、磁性体の組み込み作業性に欠点があ
った。

【０００６】さらに、コイルボビンはプラスチックの成
型品で作られており、金型は多数個取りによって作られ
ていることが多いので、ゲート部分の材料が増えるた
め、コイルボビンの材料費が高くなるなどの欠点があ
る。

【０００７】本発明は、上記従来技術の欠点を解消し、
低コストで、製造工数を少なくすることのできる偏向装
置を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的は、電子銃側の
端部に補助偏向装置が設けられ、その補助偏向装置が有
する複数個のコイルボビンの筒部の外周部に線材を巻き
付けると共に、コイルボビン筒部内に磁性体を挿入する
偏向装置を対象とするものである。

【０００９】そして前記複数個のコイルボビンを並行に
配置して、各コイルボビンの端部どうしが連結部で一体
に連結されていることを特徴とするものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１ないし図３には本発明の実施
の形態の偏向装置、具体的にはコンバーゼンス補正用の
偏向装置が示されている。図４は、コイルボビンの成型
時の状態を示す図である。

【００１１】図１ないし図３において、コイルボビン１
はプラスチック製で、筒部２と、筒部２の両端に設けら
れたフリンジ部３と、コイルボビン１の一方の端部（フ
リンジ部３）どうしを繋いでいる連結部５とからなり、
これらが合成樹脂で一体成型されてコイルボビンユニッ
トＡが構成されている。これらの図に示されているよう
に各コイルボビン１は連結部５の一方の側から並行に延
びており、また、前記筒部２内が磁性体挿入空間４にな
っており（図１参照）、各磁性体挿入空間４には磁性体
１０の脚部が挿入される。

【００１２】図２は図１と同様に二連結のコイルボビン
１を有するコイルボビンユニットＡ、図３は三連結のコ
イルボビン１を有するコイルボビンユニットＡをそれぞ
れ示している。

【００１３】２つのコイルボビン１，１を連結部５で連
結した二連結のコイルボビンユニットＡの場合、各コイ
ルボビン１の磁性体挿入空間４に磁性体１０が挿入され
るように、２つの脚部１０ａ，１０ｂを有する磁性体１
０が用いられる。

【００１４】また、３つのコイルボビン１を連結部５で
接続した三連結のコイルボビンユニットＡの場合、各コ
イルボビン１の磁性体挿入空間４に磁性体１０が挿入さ
れるように、３つの脚部１０ａ，１０ｂ，１０ｃを有す
る磁性体１０が用いられる。いずれの場合も、１回のセ
ット動作で、各コイルボビン１に磁性体１０（脚部１０
ａ，１０ｂあるいは脚部１０ａ，１０ｂ，１０ｃ）をセ
ットすることができ、従って組み込み作業性を向上する
ことができる。

【００１５】図４は、二連のコイルボビンユニットＡを
２組成型した状態を示す。同図に示すようにコイルボビ
ン１は４個あるが、二連のコイルボビンユニットＡが２
組であるので、ゲート６は２本で済み、図７に示す従来
例と比較して明らかな如くゲートの材料を半分以上減ら
すことができる。

【００１６】図５は、この偏向装置を組み込んだ状態の
偏向ヨークの平面図である。同図に示されているように
この偏向装置が２個対向するように偏向ヨーク１１に組
み込まれている。コイルボビン１とコイルボビン１の空
間に、コンバーゼンス補正用の鉄板を挿入、配置するこ
ともできる。

【００１７】図６は、他の実施の形態に係る偏向装置の
一部を断面にした側面図である。この例の場合、連結部
５の磁性体１０と対向する側の側面にコイルボビン１か
ら次のコイルボビン１まで延びた溝７が形成され、その
溝７にコイルボビン１に巻装される線材８が挿入されて
いる。このように溝７を形成してその中に線材８を挿入
すれば、磁性体１０との絶縁が確実となる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数個のコイルボビンを一体に成型してコイルボビンユニ
ットを構成したので、１回の組み込み作業で複数のコイ
ルボビンに磁性体を同時にセットすることができ、磁性
体の組み込み作業性が向上する。またコイルボビン成型
後のゲートの材料費を抑えることができ、コストの低減
が図れる。

【００１９】さらに複数個のコイルボビンを一体に連結
することにより、コイルボビン相互間の位置ずれが無く
なり、コンバーゼンス補正が正確に行なわれ、さらにま
た、コイルボビンに対して巻線し易くなるなどの特長を
有している。

【００２０】さらに請求項２記載のように、連結部の磁
性体と対向する側面に線材を収納する溝が形成されおれ
ば、線材と磁性体の絶縁が確実となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる偏向装置の一実施の形態を示す
要部分解斜視図である。

【図２】二連結コイルボビンに磁性体を組み込んだ状態
を示す平面図である。

【図３】三連結コイルボビンに磁性体を組み込んだ状態
を示す平面図である。

【図４】二連結コイルボビンにおける２個取り型のゲー
ト付きの状態を示す平面図である。

【図５】偏向装置を組み込んだ状態の偏向ヨークの平面
図である。

【図６】本発明の他の実施の形態に係る偏向装置の一部
を断面にした側面図である。

【図７】従来のコイルボビンに磁性体を組み込んだ状態
を示す平面図である。

【図８】従来のコイルボビン（４個取り型）におけるゲ
ート付きの状態を示す平面図である。

【符号の説明】

１ コイルボビン ２ 筒部 ３ フリンジ部 ４ 磁性体挿入空間 ５ 連結部 ６ ゲート ７ 溝 ８ 線材 １０ 磁性体 １０ａ，１０ｂ，１０ｃ 脚部 １１ 偏向ヨーク Ａ コイルボビンユニット

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子銃側の端部に補助偏向装置が設けら
   れ、その補助偏向装置が有する複数個のコイルボビンの
   筒部の外周部に線材を巻き付けると共に、コイルボビン
   筒部内に磁性体を挿入する偏向装置において、 前記複数個のコイルボビンを並行に配置して、各コイル
   ボビンの端部どうしが連結部で一体に連結されているこ
   とを特徴とする偏向装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載において、前記連結部の磁
   性体と対向する側面に前記線材を収納する溝が形成され
   ていることを特徴とする偏向装置。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載において、前記偏
   向装置がコンバーゼンス補正用の偏向装置であることを
   特徴とする偏向装置。