JPH10282090A - 血清または血漿分離用組成物 - Google Patents

血清または血漿分離用組成物

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JPH10282090A
JPH10282090A JP8930997A JP8930997A JPH10282090A JP H10282090 A JPH10282090 A JP H10282090A JP 8930997 A JP8930997 A JP 8930997A JP 8930997 A JP8930997 A JP 8930997A JP H10282090 A JPH10282090 A JP H10282090A
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JP
Japan
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plasma
composition
serum
resin
dicyclopentadien
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Application number
JP8930997A
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English (en)
Inventor
Hisami Ayaka
久美 綾香
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造後、長時間保管しても流れおよび相分離
程度が非常に少ない血清または血漿分離用組成物を提供
する。 【解決手段】 赤外線吸収スペクトルにおける、−CO
(約1745cm-1)の吸収強度が−CH(約2939
cm-1)の吸収強度の2〜20%であるジシクロペンタ
ジエン樹脂およびシリカを含むことを特徴とする血清ま
たは血漿分離用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血清または血漿分
離用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】生体から採血して得られた血液から血清
や血漿を分離し、その中の種々の物質の量が測定され、
病気の診断や治療に利用されている。血液から血清や血
漿を分離するに際しては、通常、血清または血漿分離用
組成物が利用されている。臨床検査分野においては、通
常、血清または血漿分離用組成物が底部に収容された検
査用容器(採血管)内に採血し、適当時間静置させた
後、遠心分離操作を行うと、遠心力によって血清または
血漿分離用組成物が流動状態となり、また、この血清ま
たは血漿分離用組成物は、予め、血清成分又は血漿成分
と血餅成分又は血球成分の中間の比重を有するように調
整されているため、管底から次第に浮上し、血清層又は
血漿層と血餅層又は血球層との中間に位置して隔壁を形
成するようになり、血清層又は血漿層と血餅層又は血球
層とを分離することができる。
【0003】このような血清または血漿分離用組成物と
しては、種々のものが用いられているが、その一つとし
て特開平1−295163号公報には、シクロペンタジ
エンのオリゴマーおよび微粉末シリカからなるもの;特
開平4−203965号公報には、シクロペンタジエン
のオリゴマー、有機ゲル化剤としてソルビトールと芳香
族アルデヒドとの縮合物および比重調整剤として微粉末
シリカからなるものが提案されている。
【0004】このような血清または血漿分離用組成物を
混練によって製造後、鉛直状態に立てた血液検査用容器
(採血管)の底部に収容し、血清または血漿分離用組成
物の表面が採血管の管軸に対してほぼ垂直になるように
した後、該採血管を横に倒して(水平状態で)長時間放
置すると、保管時の温度変化などによりシリカの分散状
態が不均一になり、血清または血漿分離用組成物が流れ
だしたり、配合成分が相分離するという可能性があっ
た。
【0005】上記の流れと相分離について図1を用いて
更に詳しく説明する。図1は血清または血漿分離用組成
物の流れと相分離の状態を示す断面図である。血液検査
容器1内に血清または血漿分離用組成物2が収容され
て、初期の表面状態が図1に示した表面3のように、採
血管の管軸に対してほぼ垂直になるようにされた後、放
置により血清または血漿分離用組成物が流れて図1に示
した状態になったときの、血清または血漿分離用組成物
2の流れの先端部分2aと初期の表面3との距離Lを本
発明においては流れの程度を表す指標としてL値(m
m)と言い、また、図1に示したように、白色半透明な
血清または血漿分離用組成物2の上に、更に透明な液状
物4が分離することがあり、この現象を相分離という。
この透明な液状物の組成は明らかではないが、配合成分
中に含まれる不純物も含めた複数の成分の混合物と考え
られる。本発明では相分離の程度を表す指標として、白
色半透明な血清または血漿分離用組成物2の流れの先端
部分2aと、透明な液状物4の先端部分4aまでの距離
Aを相分離部の長さA値(mm)という。
【0006】このように血清または血漿分離用組成物が
流れだすと、遠心分離すると血清または血漿中に該組成
物の一部がちぎれて浮遊し、得られた血清または血漿を
用いて血液の自動検査を行う場合、上記のちぎれたもの
が自動検査機のノズルに付着する。また、配合成分が相
分離した場合、相分離成分が血清または血漿よりも低い
比重のものである場合は遠心分離した時に、該成分が血
清または血漿よりも上部に浮いた状態で存在し、そのた
め、得られた血清または血漿を用いて血液の自動検査を
行う場合、自動検査機のノズルの詰まりの原因になる。
これらの問題のため、上記の流れと相分離の点におい
て、更なる改善が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、その目的は、製造後、長時
間保管しても流れおよび相分離程度が非常に少ない血清
または血漿分離用組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の血清または血漿
分離用組成物は、赤外線吸収スペクトルにおける、−C
Oの吸収強度が−CHの吸収強度の2〜20%であるジ
シクロペンタジエン樹脂およびシリカを含むことを特徴
とする。
【0009】本発明で用いられるジシクロペンタジエン
樹脂とは、例えば、シクロペンタジエンが多量体化され
たオリゴマー、および該シクロペンタジエンが2量化さ
れたジシクロペンタジエンが多量体化されたオリゴマー
が挙げられる。このようなオリゴマーは、シクロペンタ
ジエンまたはジシクロペンタジエンを、例えば、ディー
ルスアルダー反応等を利用して多量体化して製造される
ことができる。
【0010】本発明で用いられるジシクロペンタジエン
樹脂は、その赤外線吸収スペクトルにおける、−CO
(約1745cm-1)の吸収強度が−CH(約2939
cm-1)の吸収強度の2〜20%であるジシクロペンタ
ジエン樹脂に限定される。−CO(約1745cm-1
の吸収強度が−CH(約2939cm-1)の吸収強度の
2%未満のジシクロペンタジエン樹脂であると、得られ
る血清または血漿分離用組成物が流れ易くなり、かつ相
分離程度が大きくなり、20%を超えるジシクロペンタ
ジエン樹脂であると該樹脂の酸化が進み茶色に着色する
ので、本発明では上記の範囲に限定され、好ましくは、
−CO(約1745cm-1)の吸収強度が−CH(約2
939cm-1)の吸収強度の2〜10%のものである。
なお、図2に、本発明で用いられるジシクロペンタジエ
ン樹脂の一例の赤外線吸収スペクトルを示した。
【0011】本発明で用いられるシリカは、従来から血
清または血漿分離用組成物に使用されている公知の微粉
末シリカでよく、これは、得られる分離剤の比重調整の
ためとチクソトロピー性を付与するために使用される。
【0012】本発明の血清または血漿分離用組成物にお
いて、シリカの使用量は、少なくなると比重調整とチク
ソトロピー性付与の効果が少なくなり、多くなると上記
の効果が強くなりすぎるので、ジシクロペンタジエン樹
脂100重量部に対して1.8〜2.3重量部が好まし
い。
【0013】本発明の血清または血漿分離用組成物に
は、必要に応じて、更に、ゲル化剤、粘度調整剤などを
配合してもよい。上記ゲル化剤としては、公知のもので
よく、例えば、ジベンジリデンソルビトール、プロピレ
ングリコールが挙げられ、上記粘度調整剤としても、公
知のものでよく、例えば、フタル酸エステルが挙げられ
る。
【0014】本発明の血清または血漿分離用組成物は、
ジシクロペンタジエン樹脂、シリカおよび、必要に応じ
て、ゲル化剤、粘度調整剤などを配合した後、均一に混
合することによって得られる。該組成物の比重は、血清
成分又は血漿成分と血餅成分又は血球成分の中間の比重
(1.03〜1.08程度)が好ましい。
【0015】
【作用】本発明の血清または血漿分離用組成物において
は、ジシクロペンタジエン樹脂として、その赤外線吸収
スペクトルにおける、−CO(約1745cm-1)の吸
収強度が−CH(約2939cm-1)の吸収強度の2〜
20%であるものが使用されるが、これはジシクロペン
タジエン樹脂がある程度、酸化されたものであることを
意味する。シリカはジシクロペンタジエン樹脂の酸化部
分と結合して、架橋状態となるので、ジシクロペンタジ
エン樹脂の酸化部分を本発明の範囲に制限することによ
り、最適の架橋状態となり、それによりジシクロペンタ
ジエン樹脂とシリカの結合力が増し、得られる血清また
は血漿分離用組成物を製造後、長時間保管しても流れお
よび相分離程度が非常に少なくなるものと推定される。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を説明す
る。 (実施例1)赤外線吸収スペクトルにおける、−CO
(1745.6cm-1)の吸収強度が−CH(293
9.1cm-1)の吸収強度の2%に相当するジシクロペ
ンタジエン樹脂(トーネックス社製、ECR−238の
1グレード)93.25重量部、シリカ(トクヤマ社
製、レオロシルDM−30S)1.9重量部、ゲル化剤
としてジベンジリデンソルビトール(新日本理化社製、
ゲルオールD)20重量%ジメチルスルホキシド溶液
0.35重量部、および粘度調整剤としてフタル酸エス
テル(三菱ガス化学社製、PL−200)4.5重量部
からなる配合物を良く混練して血清または血漿分離用組
成物を調製した。得られた組成物は、比重1.049
(25℃)、粘度11万センチポイズ(25℃)であっ
た。
【0017】(実施例2)実施例1におけるジシクロペ
ンタジエン樹脂の代わりに、赤外線吸収スペクトルにお
ける、−CO(1745.6cm-1)の吸収強度が−C
H(2939.1cm-1)の吸収強度の5%に相当する
ジシクロペンタジエン樹脂(トーネックス社製、ECR
−238の1グレード)を用いたことの他は、実施例1
と同様にして血清または血漿分離用組成物を調製した。
【0018】(比較例1)実施例1におけるジシクロペ
ンタジエン樹脂の代わりに、赤外線吸収スペクトルにお
ける、−CO(1745.6cm-1)の吸収強度が−C
H(2939.1cm-1)の吸収強度の0%に相当する
ジシクロペンタジエン樹脂(トーネックス社製、ECR
−238の1グレード)を用いたことの他は、実施例1
と同様にして血清または血漿分離用組成物を調製した。
【0019】(比較例2)実施例1におけるジシクロペ
ンタジエン樹脂の代わりに、赤外線吸収スペクトルにお
ける、−CO(1745.6cm-1)の吸収強度が−C
H(2939.1cm-1)の吸収強度の25%に相当す
るジシクロペンタジエン樹脂(トーネックス社製、EC
R−238の1グレード)を用いたことの他は、実施例
1と同様にして血清または血漿分離用組成物を調製し
た。
【0020】性能評価 実施例1、2および比較例1、2で用いたジシクロペン
タジエン樹脂の黄色度、並びに実施例1、2および比較
例1、2で得られた血清または血漿分離用組成物のチク
ソトロピー性、流れの程度(L値)、相分離部の長さ
(A値)を以下のようにして測定し、結果を表1に示し
た。
【0021】黄色度 JIS K 7103(プラスチックの黄色度及び黄変
度試験方法)に準拠して測定した。単位はYIであり、
数値が大きいほど黄色度が大きいことを示す。 チクソトロピー性 E型粘度計(東機産業社製)を用い、コーンロータ3°
×R14を使用し、温度25℃にて、回転数0.5rp
mと1.0rpmで粘度を測定し、(0.5rpmで得
られた測定値)/(1.0rpmで得られた測定値)の
商で表す。
【0022】流れの程度(L値)及び相分離部の長さ
(A値) 得られた血清または血漿分離用組成物を、調製の翌日、
10ml(内径14mmφ×100mm)容のポリエチ
レンテレフタレートからなる血液検査容器の底部に1.
2g収容した。このように血清または血漿分離用組成物
が収容された血液検査容器を各10本ずつ用意した。ま
ず、試験に先立って各血液検査容器中の血清または血漿
分離用組成物の表面(血液検査容器の管軸に対して垂直
になっている)の位置を、血液検査容器の外周面に印を
つけることによりマークしておいた。
【0023】血液検査容器を空気循環式乾燥機にいれ、
横に倒した状態(すなわち水平状態)にして60℃で2
4時間加温した。その後、従来技術の項に詳しく定義し
た流れの程度(L値)及び相分離部の長さ(A値)をノ
ギスで測定し、それぞれ平均値を算出した。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明の血清または血漿分離用組成物の
構成は上記の通りであり、製造後、長時間保管しても流
れおよび相分離程度が非常に少ない血清または血漿分離
用組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】血清または血漿分離用組成物の流れと相分離の
状態を示す断面図である。
【図2】本発明で用いられるジシクロペンタジエン樹脂
の一例の赤外線吸収スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 血液検査容器 2 血清または血漿分離用組成物 2a 流れの先端部分 3 血清または血漿分離用組成物の表面 4 透明な液状物 4a 透明な液状物の先端部分 A 相分離部の長さ L 流れの程度を表す指標

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線吸収スペクトルにおける、−CO
    の吸収強度が−CHの吸収強度の2〜20%であるジシ
    クロペンタジエン樹脂およびシリカを含むことを特徴と
    する血清または血漿分離用組成物。
JP8930997A 1997-04-08 1997-04-08 血清または血漿分離用組成物 Pending JPH10282090A (ja)

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