JPH10281833A - 流量測定装置及び流量測定方法 - Google Patents

流量測定装置及び流量測定方法

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JPH10281833A
JPH10281833A JP9119153A JP11915397A JPH10281833A JP H10281833 A JPH10281833 A JP H10281833A JP 9119153 A JP9119153 A JP 9119153A JP 11915397 A JP11915397 A JP 11915397A JP H10281833 A JPH10281833 A JP H10281833A
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱抵抗体の経時劣化や流体の温度変化を懸
念することなく流体の流量を正確に測定する。 【解決手段】 流体の流動方向に第1,2の発熱抵抗体
122,123を順番に配置し、これらの発熱抵抗体1
22,123に電力を供給して発熱温度を温度測定手段
126,127により測定し、流量算出手段133によ
り2つの発熱温度の差分を一方の発熱抵抗体122,1
23の発熱温度で除算する。流体の流動により上流側の
第1の発熱抵抗体122から下流側の第2の発熱抵抗体
123に伝達される熱量に対応して流体の流量を算出す
るので、流体の流量を正確に測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスメータ、フロ
ーメータ等の分野で用いられる流量測定装置であって、
特に、流体の流れによる発熱抵抗体の抵抗値の温度変化
を利用して流速を測定する感熱式の流量測定装置及び流
量測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フルイディック流体素子を用いた
流量計が従来の積分型の膜式メータに代わる次世代のガ
スメータとして盛んに研究されている。しかしながら、
フルイディック流体素子は、150〔L/H〕(“L”
はリットルを示す;以下同じ)以下の低流量は測定でき
ないので、低流量域の流量測定装置としてマイクロブリ
ッジ上に流体に晒される発熱抵抗体を配した感熱式のフ
ローセンサなる流量測定装置が用いられている。
【0003】このような流量測定装置(フローセンサ)
として、従来より種々の方式が提案されている。
【0004】第1の方式として、平衡ブリッジ回路を利
用して発熱抵抗体を定温度駆動させる方式の流量測定装
置が、実公平7−51618号公報、実公平7−117
436号公報、特開平5−312616号公報等に記載
されている。このような流量測定装置の一従来例を図3
4に基づいて説明する。ここで例示する流量測定装置1
は、平衡ブリッジ回路2を有しており、この平衡ブリッ
ジ回路2は、測温抵抗体3と発熱抵抗体4とを有してい
る。これらの抵抗体3,4は、抵抗温度係数が同一であ
り、その抵抗温度係数は大きい。前記測温抵抗体3に
は、抵抗温度係数が小さい温度設定抵抗体5が接続され
ており、これらの抵抗体3,5により測温抵抗体部6が
形成されている。この測温抵抗体部6には第3の抵抗体
7が接続されており、前記発熱抵抗体4には第4の抵抗
体8が接続されている。これらの抵抗体7,8は、抵抗
温度係数が同一であり、その抵抗温度係数は小さい。こ
れらの抵抗体7,8が接続されることにより、前記平衡
ブリッジ回路2が形成されている。
【0005】前記抵抗体3,4の接続点9は接地されて
おり、前記抵抗体7,8の接続点10には、制御トラン
ジスタ11を介して直流電源12が接続されている。ま
た、前記抵抗体6,7の接続点13と、前記抵抗体4,
8の接続点14とには、差動増幅器15が接続されてお
り、この差動増幅器15が前記制御トランジスタ11に
フィードバック接続されている。
【0006】このような構成の流量測定装置1では、測
温抵抗体3と発熱抵抗体4とが流体の流路に配置され、
平衡ブリッジ回路2のバランスが維持されるようフィー
ドバック制御が実行される。平衡ブリッジ回路2がバラ
ンスした状態では、発熱抵抗体4が消費している電力が
流体の流量に対応しているので、この状態で差動増幅器
15の出力や接続点14の電圧を測定すれば流体の流量
を測定することができる。このような流量測定装置1に
よれば、流体の流動に対応して変動する平衡ブリッジ回
路2のバランスをフィードバック制御することにより、
流体の流量を測定することができる。しかし、このよう
な流量測定装置1では、流体の温度が変化すると流量の
測定結果に誤差が発生するので、流体の温度に対応して
流量の測定結果を補正する必要がある。
【0007】このため、例えば、特開平4−20411
9号公報に記載された流量測定装置では、測温抵抗体を
平衡ブリッジ回路に対して着脱自在とし、平衡ブリッジ
回路から離脱させた測温抵抗体を定電流駆動して電圧降
下を測定し、この測定結果から流体の温度を算出するよ
うにしている。また、特開平5−164583号公報に
記載された流量測定装置では、定電圧駆動する発熱抵抗
体とは別個に定電流駆動する測温抵抗体を設け、この測
温抵抗体から得る流体の温度データを発熱抵抗体から得
る流量データに乗算することにより、流体の温度による
流量の測定誤差を補正するようにしている。さらに、特
開平2−120621号公報に記載された流量測定装置
では、1個の発熱抵抗体の上流と下流とに一対の測温抵
抗体を1個ずつ配置し、これらの測温抵抗体を含む平衡
ブリッジ回路を形成している。一対の測温抵抗体の温度
差に対応したデータを平衡ブリッジ回路のバランス変動
から検出し、一対の測温抵抗体の抵抗値から発熱抵抗体
の発熱温度に対応したデータを検出する。温度差のデー
タを発熱温度のデータで除算することにより、流体の流
量に対応したデータを得るようにしている。
【0008】第2の方式として、流路の上流と下流とに
発熱抵抗体を配置して各々を定電流駆動により発熱さ
せ、これらの発熱抵抗体の抵抗値の変化に基づき流体の
流量を測定する定電流駆動型のものがある。
【0009】このような流量測定装置の一従来例として
例えば特公平3−52028号公報中に示される例を図
35を参照して説明する。ここで例示する流量測定装置
21は、抵抗温度係数が各々大きい第1の発熱抵抗体2
2と第2の発熱抵抗体23とを有しており、これらの第
1,2の発熱抵抗体22,23は、例えば、プリント配
線により配線基板(図示せず)の表面に形成されてい
る。前記第1,2の発熱抵抗体22,23には、第1,
2の測定手段となる第1,2の演算増幅器24,25が
個々に接続されており、ここにフィードバックループ2
6,27が形成されている。
【0010】一対の入力端子28にはポテンショメータ
29が接続されており、このポテンショメータ29には
抵抗体30,31を介して前記フィードバックループ2
6,27が接続されている。このため、前記入力端子2
8から前記フィードバックループ26,27の部分が、
前記第1,2の発熱抵抗体22,23に電圧可変で電流
一定の電力を供給する第1,2の給電手段として機能す
る。これらのフィードバックループ26,27には抵抗
体32〜35及び第3の演算増幅器36が接続されてお
り、この第3の演算増幅器36とアース端子37とが一
対の出力端子38に個々に接続されている。
【0011】このような構成の流量測定装置21は、ガ
ス等の流体の流量を測定することができる。その場合、
配線基板を流体の流路に適切に配置することにより、第
1,2の発熱抵抗体22,23を流体の流動方向に従っ
て順番に位置させる。この状態で入力端子28からフィ
ードバックループ26,27に電力が供給されると、そ
の第1の発熱抵抗体22と第2の発熱抵抗体23とは、
電圧可変で電流一定の電力が供給されて発熱する。
【0012】この状態で流体が流動すると、上流の第1
の発熱抵抗体22から下流の第2の発熱抵抗体23に熱
量が移動するので、抵抗温度係数が大きい第1の発熱抵
抗体22は抵抗値が低下し、やはり抵抗温度係数が大き
い第2の発熱抵抗体23は抵抗値が増加する。しかし、
フィードバックループ26,27の電流量は一定に維持
されるので、フィードバックループ26の出力電圧は増
加し、フィードバックループ27の出力電圧は低下し、
この電位差が第3の演算増幅器36により検出される。
このように検出される電位差は流体の流量に対応してい
るので、出力端子38の出力電圧から流体の流量を検出
することができる。
【0013】また、このような定電流駆動型の流量測定
装置に関する信号処理系の構成例としては、例えば、特
公平6−64080号公報に示されるようなものがあ
る。図36にその電気的な構成を書換えて示す。この流
量測定装置41では、まず、流体の流路中に配設される
2つの感温抵抗(発熱抵抗体)42,43が直列接続さ
れて設けられている。また、センサ周囲の温度を測定す
るために用いられる感温抵抗44も設けられ、この感温
抵抗44には電流源45が接続されている。感温抵抗4
4と電流源45との接続点P11に+入力端子が接続され
たオペアンプ46が設けられ、このオペアンプ46の出
力端子が、直列接続された抵抗体列の一端(感温抵抗4
2の一端)に接続されている。また、感温抵抗42,4
3の接続点P12から出力端子が引き出されている。
【0014】このような構成において、抵抗体列にオペ
アンプ46の出力電圧を供給し、接続点P12の電圧変化
により流量を測定するものである。ここに、感温抵抗4
4は周囲温度を測定するために用いられており、接続点
11の電圧は周囲温度に対応して変化する。よって、オ
ペアンプ46の出力電圧も周囲温度に対応して変化する
ことになる。これにより、接続点P12に得られる出力電
圧の周囲温度による影響が除かれる。
【0015】また、他例として、例えば、特表平8−5
09066号公報に示されるようなものがある。図37
にその電気的な構成を書換えて示す。この流量測定装置
51の例では、平衡ブリッジ回路52を形成する4つの
抵抗体53,54,55,56が用いられている。この
内、抵抗体55,56には実質的に等しい特性を持つ通
常の抵抗体が用いられている。一方、抵抗体53,54
は流体の流路57中に配設されるものであり、電力供給
を受けて発熱する実質的に等しい特性を持つ発熱抵抗体
が用いられている。ここでは、抵抗体53側が上流側に
設定されている。平衡ブリッジ回路52の抵抗体54,
56の接続点には電流源58が接続され、抵抗体53,
55の接続点にはトランジスタ62が接続されている。
また、抵抗体53,54の接続点Aはオペアンプ59の
−入力端子に接続されている。このオペアンプ59の+
入力端子は接地され、−入力端子と出力端子との間には
帰還抵抗60が接続されている。これにより、接続点A
はオペアンプ59により仮想接地されている。一方、抵
抗体55,56の接続点Bはオペアンプ61の−入力端
子に接続されている。このオペアンプ61の+入力端子
は接地され、−入力端子と出力端子との間に抵抗体55
とトランジスタ62とが接続された形となっている。
【0016】このような構成において、流路57中の流
体の流れによって平衡ブリッジ回路52の平衡状態が崩
れるが、接続点Aを仮想接地に保つためにこの接続点A
へ流れる電流量が変化する。この接続点Aの電流の変化
はオペアンプ59の出力として得られる。よって、この
オペアンプ59の出力を監視することにより流体の流量
を測定できるというものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】この種の感熱式の流量
測定装置では、前述したように流体の温度(環境温度)
が変化すると流量の測定結果に誤差が発生するので、流
体の温度に対応して流量の測定結果を補正する必要があ
る。同時に、感熱式の流量測定装置は、低流量域の流量
測定を受け持つものであり、流体が流れていない流量
“0”状態の測定も正確に行えることが重要であるが、
この流量“0”なる出力を出す状態も環境温度によって
変動してしまうので、測定の精度を上げるには、流量
“0”状態をも考慮した温度安定性を図る必要がある。
【0018】ところが、特開平4−204119号公報
方式の流量測定装置では、流体の流量と温度とを測定す
るが、流量の測定結果を温度に基づいて補正する機能は
ない。また、特開平5−164583号公報方式の流量
測定装置では、発熱抵抗体が経時劣化して流量データが
変化した場合、これを補正して正確な流量を測定するこ
とはできない。この点、特開平2−120621号公報
方式の流量測定装置によれば、発熱抵抗体が経時劣化し
ても、これに関係なく流体の流量を測定することができ
るものの、測温抵抗体がヒータにより加熱されている必
要があり、長期間の使用では劣化により測定に誤差を生
ずるとともに、平衡ブリッジ回路への電力供給により測
温抵抗体も発熱してしまい、その発熱温度が環境温度や
流量により変動するため、測温抵抗体の抵抗値に基づい
た流量の測定結果に誤差が発生する。
【0019】結局、これらの流量測定装置は、何れも平
衡ブリッジ回路を利用して流体の流量を測定するが、こ
れは平衡ブリッジ回路のバランスが維持される必要があ
る。しかし、平衡ブリッジ回路を形成する複数の抵抗体
には経時劣化が発生し、特に発熱抵抗体は劣化の度合が
発熱温度や使用環境により相違するので、平衡ブリッジ
回路のバランスを長期に保証することは困難である。ま
た、平衡ブリッジ回路を利用する場合、平衡ブリッジ回
路自体にかかる電圧に比べて発熱抵抗体にかかる電圧は
低くならざるを得ず、例えば、電池駆動の流量計を構成
しようとする場合には、使用できる電圧範囲が狭くなっ
てしまい、発熱抵抗体にかけられる電圧が著しく低くな
ってしまう。この結果、発熱抵抗体の抵抗値の選択範囲
が狭まってしまったり、製造法によっては実現が難しい
抵抗値を選定しなくてはならなくなってしまう。
【0020】一方、特公平3−52028号公報中に示
されるような図35の如き流量測定装置21では、流体
の流動方向に従って配置した第1,2の発熱抵抗体2
2,23を一定電流で駆動し、その両端電圧の差分から
流体の流量を測定するものの、この測定結果は流体の流
量のみを反映しておらず、流体の温度が影響しているの
で、これでは流体の流量を正確に測定することはできな
い。
【0021】この点について、以下に詳述する。まず、
発熱抵抗体の抵抗値“R”は、所定温度で流量“0”の
基準状態での発熱抵抗値“R0 ”、基準温度と発熱抵抗
体の温度との差分“dT”、発熱抵抗体の抵抗温度係数
“α”、により“R=R0 (1+α・dT)”として近
似される。つまり、発熱抵抗体の抵抗値Rは、その温度
により変化する。また、流体中の発熱抵抗体の温度は、
この発熱抵抗体に通電される電流のジュール熱による発
熱温度と流体の温度とを加算し、その熱量から流体に移
動する熱量を減算した温度である。
【0022】上述のような流量測定装置21の場合、上
流側の第1の発熱抵抗体22と下流側の第2の発熱抵抗
体23とは、流体の温度に対応して抵抗値が変化するの
で、一定電流が通電されているとジュール熱も変化して
発熱温度も変化する。流体はジュール熱の一部を奪い取
るので、ジュール熱が変化すると第1,2の発熱抵抗体
22,23から流体に移動する熱量も変化する。
【0023】第1,2の演算増幅器24,25は、上述
のような要因に関連した第1,2の発熱抵抗体22,2
3の発熱温度に対応した電圧を出力し、これらの電圧の
差分を第3の演算増幅器36が流体の流量の測定結果と
して出力するので、この出力結果は、第1,2の発熱抵
抗体22,23から流体に移動する熱量の差分を反映し
ており、これは流体の温度により変化することになる。
しかも、第1,2の発熱抵抗体22,23の抵抗温度係
数や基準温度での抵抗値が相違する場合、流体が流動し
なくとも温度が変化すると出力結果が発生することにな
り、流体の流動の有無(流量“0”)さえ判定すること
が困難である。
【0024】さらに、特公平6−64080号公報中に
示されるような図36の流量測定装置41の如き例によ
る場合、感温抵抗42,43,44に関して周囲温度の
影響を取り除くためにはこれらの抵抗値を特定の条件が
成り立つように調整する必要があり、製作上、困難であ
る。また、特表平8−509066号公報中に示される
ような図37の流量測定装置51の如き例による場合、
平衡ブリッジ回路52を構成する抵抗体中で抵抗体5
3,54は発熱を伴うため劣化しやすく、平衡ブリッジ
回路52の平衡状態を長期に渡って保つことが難しく、
ガスメータ等への適用に向かない。
【0025】そこで、本発明は、流体の流動により上流
側の発熱抵抗体から下流側の発熱抵抗体に奪われる熱量
を直接的ないしは間接的に測定して、流量信号を取り出
すことで、流体の流量の“0”状態の測定を適正に行え
るとともに、流体温度等の環境温度の影響を受けること
なく、適正に低流量域の流量を測定できる流量測定装置
及び流量測定方法を提供することを目的とする。
【0026】また、本発明は、環境温度の影響を受ける
ことなく適正に流量を測定できる簡単な構成の流量測定
装置を提供することを目的とする。
【0027】また、本発明は、環境温度の影響を受けな
いようにするための発熱抵抗体の発熱温度の測定誤差を
低減できる流量測定装置を提供することを目的とする。
【0028】また、本発明は、発熱抵抗体を形成するた
めの設計上の自由度を損なうことなく、環境温度の影響
を受けずに適正に流量を測定できる流量測定装置を提供
することを目的とする。
【0029】また、本発明は、発熱抵抗体の発熱温度の
測定に比較して同等の要因値を簡単に測定することで、
環境温度の影響を受けずに適正に流量を測定できる流量
測定装置を提供することを目的とする。
【0030】さらには、本発明は、流体中に晒される2
つの発熱抵抗体の抵抗値の変化に基づき流体の流量を測
定する際に、測定結果に及ぼす電流値の影響を小さくし
て、測定精度を向上させ得る流量測定装置を提供するこ
とを目的とする。
【0031】加えて、本発明は、動作電圧を低くして長
期に渡って電池駆動も可能な流量測定装置を提供するこ
とを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
流体の流路に配置される第1の発熱抵抗体と、この第1
の発熱抵抗体の下流に配置される第2の発熱抵抗体と、
前記第1,2の発熱抵抗体の各々に電力を供給する給電
手段と、前記第1,2の発熱抵抗体の各々の発熱要因値
を直接的又は間接的に測定する測定手段と、測定された
前記第1の発熱抵抗体の発熱要因値を前記第2の発熱抵
抗体の発熱要因値から減算する減算処理手段と、この減
算結果と測定された前記第1又は第2の発熱抵抗体の一
方の発熱要因値とを乗除演算する演算処理手段とを備え
る。従って、給電手段から供給される電力により各々発
熱する第1,2の発熱抵抗体が、流体の流動方向に従っ
て順番に配置されているので、流体の流動により上流側
の第1の発熱抵抗体の熱量が下流側の第2の発熱抵抗体
に伝達される。このように伝達される熱量は、流体の流
量と発熱抵抗体の発熱温度とに対応しているので、測定
手段により第1,2の発熱抵抗体の各々の発熱温度に直
接的又は間接的に対応する発熱要因値を測定して、減算
処理手段によりそれらの発熱要因値間の差分をとり、演
算処理手段により差分と一方の発熱抵抗体の温要因値と
を用いて除算又は乗算なる演算処理を行えば、この演算
結果は流体の流量に対応したものとなる。なお、ここで
いう流量は、単位時間に単位面積を通過する流体の容量
を意味しており、これは流速と同義である。また発熱要
因値とは、直接的には各発熱抵抗体の発熱温度を意味す
るが、上流側の第1の発熱抵抗体から下流側の第2の発
熱抵抗体に伝達される熱量に基づき変動する要因値であ
ればよく、発熱抵抗体の抵抗値、発熱抵抗体に印加され
る両端電圧等に基づく間接的なものであってもよい。
【0033】請求項2記載の発明は、流体の流路に配置
される第1の発熱抵抗体と、この第1の発熱抵抗体の下
流に配置される第2の発熱抵抗体と、前記第1,2の発
熱抵抗体に各々電力を供給する給電手段と、前記第1,
2の発熱抵抗体の各々の発熱温度を測定する温度測定手
段と、測定された前記第1の発熱抵抗体の発熱温度を前
記第2の発熱抵抗体の発熱温度から減算する減算処理手
段と、この減算結果を測定された前記第1又は第2の発
熱抵抗体の一方の発熱温度で除算する除算処理手段とを
備える。従って、給電手段から供給される電力により各
々発熱する第1,2の発熱抵抗体が、流体の流動方向に
従って順番に配置されているので、流体の流動により上
流側の発熱抵抗体の熱量が下流側の発熱抵抗体に伝達さ
れる。このように伝達される熱量は、流体の流量と発熱
抵抗体の発熱温度とに対応しているので、除算処理手段
により第1,2の発熱抵抗体の発熱温度の差分を一方の
発熱抵抗体の発熱温度により除算すれば、この計算結果
は流体の流量に対応したものとなる。
【0034】請求項3記載の発明は、請求項2記載の流
量測定装置において、給電手段は、1個の駆動電源から
なり、この駆動電源と第1,2の発熱抵抗体とが直列に
接続されている。従って、1個の駆動電源から第1,2
の発熱抵抗体に電力が順番に供給されるので、第1,2
の発熱抵抗体の電流量が完全に同一となる。このため、
第1,2の発熱抵抗体の各々の発熱温度が正確に検出さ
れ、これらの発熱温度に基づいて流体の流量が正確に測
定される。
【0035】請求項4記載の発明は、請求項2又は3記
載の流量測定装置において、除算処理手段は、差分を算
出するための2つの発熱温度の少なくとも一方に定数を
乗算する。従って、第1,2の発熱抵抗体の温度係数が
製造誤差等のために相違しても、これが定数の乗算によ
り計算上は同一となるよう補正される。
【0036】請求項5記載の発明は、請求項2,3又は
4記載の流量測定装置において、第1,2の発熱抵抗体
に供給される各々の電流量を測定する電流検出手段を備
え、温度測定手段は、前記電流検出手段による電流量の
測定結果に基づいて前記第1,2の発熱抵抗体の各々の
発熱温度を算出する。従って、第1,2の発熱抵抗体に
供給される電流量が電流検出手段により測定され、この
測定結果に基づいて温度測定手段により第1,2の発熱
抵抗体の各々の発熱温度が測定される。このため、第
1,2の発熱抵抗体の発熱温度が実際の電流量に基づい
て測定され、これらの発熱温度に基づいて流量が測定さ
れる。
【0037】請求項6記載の発明は、請求項2ないし5
の何れか一記載の流量測定装置において、第1,2の発
熱抵抗体に対して熱的に絶縁された位置に配置される第
3の抵抗体と、この第3の抵抗体に発熱には不充分な電
力を供給する第3の給電手段と、前記第3の抵抗体の温
度を測定する第3の測定手段とを備え、温度測定手段
は、前記第3の抵抗体の測定温度に基づいて前記第1,
2の発熱抵抗体の各々の発熱温度を算出する。従って、
第1,2の発熱抵抗体に対して熱的に絶縁された第3の
抵抗体に第3の給電手段から電力が供給されるが、この
電力により第3の抵抗体は発熱しないので、第3の測定
手段により電気的に測定される第3の抵抗体の温度は流
体の温度と同一である。この測定温度に基づいて温度測
定手段により第1,2の発熱抵抗体の各々の発熱温度が
算出され、これらの発熱温度に従って流体の流量が算出
される。
【0038】請求項7記載の発明は、請求項2ないし6
の何れか一記載の流量測定装置において、第1,2の発
熱抵抗体の各々の抵抗値を測定する抵抗測定手段と、測
定された各々の抵抗値を記憶する抵抗記憶手段とを備
え、温度測定手段は、記憶された抵抗値に基づいて前記
第1,2の発熱抵抗体の各々の発熱温度を算出する。従
って、第1,2の発熱抵抗体の抵抗値が抵抗測定手段に
より各々測定されて抵抗記憶手段により各々記憶され、
このように記憶された抵抗値に基づいて温度測定手段に
より第1,2の発熱抵抗体の各々の発熱温度が算出さ
れ、これらの発熱温度に従って流体の流量が算出され
る。
【0039】請求項8記載の発明は、流体の流路に配置
される抵抗温度係数が大きい第1の発熱抵抗体と、この
第1の発熱抵抗体と抵抗温度係数及び基準状態での抵抗
値が同一で前記第1の発熱抵抗体の下流に配置される第
2の発熱抵抗体と、前記第1の発熱抵抗体に電圧可変で
電流一定の電力を供給する第1の給電手段と、この第1
の給電手段と同一の電力を前記第2の発熱抵抗体に供給
する第2の給電手段と、前記第1の発熱抵抗体の両端電
圧を測定する第1の測定手段と、前記第2の発熱抵抗体
の両端電圧を測定する第2の測定手段と、前記第1の測
定手段の測定電圧を前記第2の測定手段の測定電圧から
減算する減算処理手段と、その減算結果を前記第1の測
定手段の測定電圧で除算する除算処理手段とを備える。
従って、第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵抗体とは、抵
抗温度係数が大きく同一であり、基準状態での抵抗値も
同一である。これらの第1,2の発熱抵抗体が、流体の
流動方向に従って順番に配置され、これらの第1,2の
発熱抵抗体に第1,2の給電手段から相互に同一で定電
流の電力が各々供給される。この電力の供給により第
1,2の発熱抵抗体が各々発熱するので、流体が流動す
ると上流側の第1の発熱抵抗体の熱量が下流側の第2の
発熱抵抗体に伝達される。このとき、抵抗温度係数が大
きい第1,2の発熱抵抗体の各々に供給されている電力
が電流一定なので、第1,2の発熱抵抗体の各々の両端
電圧は各々の発生熱量に対応することになり、これらの
両端電圧が第1,2の測定手段により各々測定される。
そして、第1の測定手段の測定電圧が減算処理手段によ
り第2の測定手段の測定電圧から減算され、この減算結
果が除算処理手段により第1の測定手段の測定電圧で除
算されるので、この計算結果は流体の流量に線形に対応
し、流量が“0”の場合には計算結果も“0”となる。
【0040】請求項9記載の発明は、流体の流路に配置
される抵抗温度係数が大きい第1の発熱抵抗体と、この
第1の発熱抵抗体の下流に配置される抵抗温度係数が大
きい第2の発熱抵抗体と、前記第1の発熱抵抗体に電圧
可変で電流一定の電力を供給する第1の給電手段と、前
記第2の発熱抵抗体に電圧可変で電流一定の電力を供給
する第2の給電手段と、前記第1の発熱抵抗体の両端電
圧を測定する第1の測定手段と、前記第2の発熱抵抗体
の両端電圧を測定する第2の測定手段と、前記第1の測
定手段の測定電圧に所定の補正係数を乗算する係数乗算
手段と、その乗算結果を前記第2の測定手段の測定電圧
から減算する減算処理手段と、その減算結果を前記第1
の測定手段の測定電圧で除算する除算処理手段とを備え
る。従って、抵抗温度係数が各々大きい第1の発熱抵抗
体と第2の発熱抵抗体とが、流体の流動方向に従って順
番に配置され、これらの第1,2の発熱抵抗体の各々に
第1,2の給電手段から電流一定の電力が個々に供給さ
れる。この電力の供給により第1,2の発熱抵抗体が各
々発熱するので、流体が流動すると上流側の第1の発熱
抵抗体の熱量が下流側の第2の発熱抵抗体に伝達され
る。このとき、抵抗温度係数が大きい第1,2の発熱抵
抗体の各々に供給されている電力が電流一定なので、第
1,2の発熱抵抗体の各々の両端電圧は各々の発生熱量
に対応することになり、これらの両端電圧が第1,2の
測定手段により各々測定される。そして、第1の測定手
段の測定電圧に係数乗算手段により所定の補正係数が乗
算され、この乗算結果が減算処理手段により第2の測定
手段の測定電圧から減算される。この減算結果が除算処
理手段により第1の測定手段の測定電圧で除算されるの
で、この計算結果は流体の流量に線形に対応し、流量が
“0”の場合には計算結果も“0”となる。なお、本発
明でいう補正係数は、各種条件に従って設定される
“0”でない数値であり、例えば、“1”でもよく、好
ましくは流体の流量が“0”の場合に除算処理手段の出
力結果が“0”となる数値である。
【0041】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
流量測定装置において、係数乗算手段は、所定温度で流
量“0”の基準状態での第2の発熱抵抗体の抵抗値を第
1の発熱抵抗体の抵抗値で除算した結果の数値が補正係
数として設定されている。従って、この補正係数が係数
乗算手段により第1の発熱抵抗体の両端電圧に乗算さ
れ、この乗算結果が第2の発熱抵抗体の両端電圧から減
算され、この減算結果が第1の発熱抵抗体の両端電圧で
除算されるので、第1,2の発熱抵抗体の抵抗値等が相
違しても、流体の流量が“0”の場合には計算結果が
“0”となる。
【0042】請求項11記載の発明は、請求項9記載の
流量測定装置において、係数乗算手段は、所定温度で流
量“0”の基準状態での第2の測定手段の測定電圧を第
1の測定手段の測定電圧で除算した結果の数値が補正係
数として設定されている。従って、この補正係数が係数
乗算手段により第1の発熱抵抗体の両端電圧に乗算さ
れ、この乗算結果が第2の発熱抵抗体の両端電圧から減
算され、この減算結果が第1の発熱抵抗体の両端電圧で
除算されるので、第1,2の発熱抵抗体の抵抗値等が相
違しても、流体の流量が“0”の場合には計算結果が
“0”となる。
【0043】請求項12記載の発明は、請求項8又は9
記載の流量測定装置において、第1の測定手段の測定電
圧をm乗するm乗処理手段と、第2の測定手段の測定電
圧をn乗するn乗処理手段と、除算処理手段の除算結果
に前記m乗処理手段のm乗結果と前記n乗処理手段のn
乗結果とを乗算する結果補正手段とを備える。従って、
m乗処理手段により第1の測定手段の測定電圧がm乗さ
れ、n乗処理手段により第2の測定手段の測定電圧がn
乗され、これらのm乗結果とn乗結果とが結果補正手段
により除算処理手段の除算結果に乗算される。第1の発
熱抵抗体と第2の発熱抵抗体との温度補正の割合が
“m,n”により調節されるので、流体の流量の測定結
果に対する温度の影響が軽減される。なお、本発明でい
う“m,n”も各種条件に従って設定される数値であ
り、好ましくは流体の温度が変化しても流量の測定結果
が変化しない数値である。
【0044】請求項13記載の発明は、請求項12記載
の流量測定装置において、“m=1,n=1”である。
従って、実質的にm乗処理手段によるm乗とn乗処理手
段によるn乗とが計算されない。
【0045】請求項14記載の発明は、請求項12記載
の流量測定装置において、“m+n=1.5”なる関係
を満足する。従って、第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵
抗体との温度補正の割合が最適に調節される。
【0046】請求項15記載の発明は、流体の流路に配
置される抵抗温度係数が大きい第1の発熱抵抗体と、こ
の第1の発熱抵抗体と抵抗温度係数及び基準状態での抵
抗値が同一で前記第1の発熱抵抗体の下流に配置される
第2の発熱抵抗体と、前記第1の発熱抵抗体に電圧可変
で電流一定の電力を供給する第1の給電手段と、この第
1の給電手段と同一の電力を前記第2の発熱抵抗体に供
給する第2の給電手段と、前記第1の発熱抵抗体の両端
電圧を測定する第1の測定手段と、前記第2の発熱抵抗
体の両端電圧を測定する第2の測定手段と、この第2の
測定手段の測定電圧から前記第1の測定手段の測定電圧
を減算する減算処理手段と、この減算結果に前記第2の
測定手段の測定電圧を乗算する乗算処理手段とを備え
る。従って、第1,2の発熱抵抗体は、抵抗温度係数が
大きく同一であり、基準状態での抵抗値も同一である。
このような第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵抗体とが、
流体の流動方向に従って順番に配置され、これらの第
1,2の発熱抵抗体に第1,2の給電手段から相互に同
一で定電流の電力が各々供給される。この電力の供給に
より第1,2の発熱抵抗体が各々発熱するので、流体が
流動すると上流側の第1の発熱抵抗体の熱量が下流側の
第2の発熱抵抗体に伝達される。このとき、抵抗温度係
数が大きい第1,2の発熱抵抗体の各々に供給されてい
る電力が電流一定なので、第1,2の発熱抵抗体の各々
の両端電圧は各々の発生熱量に対応することになり、こ
れらの両端電圧が第1の測定手段と第2の測定手段とに
より各々測定される。そして、減算処理手段により第2
の測定手段の測定電圧から第1の測定手段の測定電圧が
減算され、この減算結果に乗算処理手段により第2の測
定手段の測定電圧が乗算されるので、この計算結果は流
体の流量に線形に対応し、流量が“0”の場合には計算
結果も“0”となる。
【0047】請求項16記載の発明は、流体の流路に配
置される抵抗温度係数が大きい第1の発熱抵抗体と、こ
の第1の発熱抵抗体の下流に配置される抵抗温度係数が
大きい第2の発熱抵抗体と、前記第1の発熱抵抗体に電
圧可変で電流一定の電力を供給する第1の給電手段と、
前記第2の発熱抵抗体に電圧可変で電流一定の電力を供
給する第2の給電手段と、前記第1の発熱抵抗体の両端
電圧を測定する第1の測定手段と、前記第2の発熱抵抗
体の両端電圧を測定する第2の測定手段と、この第2の
測定手段の測定電圧から前記第1の測定手段の測定電圧
を減算する減算処理手段と、前記第1の測定手段の測定
電圧に所定の補正係数を乗算する係数乗算手段と、その
乗算結果を前記減算処理手段の減算結果に加算する加算
処理手段と、その加算結果に前記第2の測定手段の測定
電圧を乗算する乗算処理手段とを備える。従って、抵抗
温度係数が各々大きい第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵
抗体とが、流体の流動方向に従って順番に配置され、こ
れらの第1,2の発熱抵抗体の各々に第1,2の給電手
段から電流一定の電力が個々に供給される。この電力の
供給により第1,2の発熱抵抗体が各々発熱するので、
流体が流動すると上流側の第1の発熱抵抗体の熱量が下
流側の第2の発熱抵抗体に伝達される。このとき、抵抗
温度係数が大きい第1,2の発熱抵抗体の各々に供給さ
れている電力が電流一定なので、第1,2の発熱抵抗体
の各々の両端電圧は各々の発生熱量に対応することにな
り、これらの両端電圧が第1,2により各々測定され
る。そして、減算処理手段により第2の測定手段の測定
電圧から第1の測定手段の測定電圧が減算され、係数乗
算手段により第1の測定手段の測定電圧に所定の補正係
数が乗算され、この乗算結果が加算処理手段により減算
処理手段の減算結果に加算される。この加算結果に乗算
処理手段により第2の測定手段の測定電圧が乗算される
ので、この計算結果は流体の流量に線形に対応し、流量
が“0”の場合には計算結果も“0”となる。なお、本
発明でいう補正係数は、各種条件に従って設定される数
値であり、例えば、“0”でもよく、好ましくは流体の
流量が“0”の場合に除算処理手段の出力結果が“0”
となる数値である。
【0048】請求項17記載の発明は、請求項16記載
の流量測定装置において、係数乗算手段は、所定温度で
流量“0”の基準状態での第2の発熱抵抗体の抵抗値を
第1の発熱抵抗体の抵抗値で除算した結果を“1”から
減算した結果の数値が補正係数として設定されている。
従って、この補正係数が第1の発熱抵抗体の両端電圧に
乗算され、この乗算結果が第1の発熱抵抗体と第2の発
熱抵抗体との両端電圧の差分に加算され、この加算結果
に第2の発熱抵抗体の両端電圧が乗算されるので、第
1,2の発熱抵抗体の抵抗値等が相違しても、流体の流
量が“0”の場合には計算結果が“0”となる。
【0049】請求項18記載の発明は、請求項16記載
の流量測定装置において、係数乗算手段は、所定温度で
流量“0”の基準状態での第2の測定手段の測定電圧を
第1の測定手段の測定電圧で除算した結果を“1”から
減算した結果の数値が補正係数として設定されている。
従って、この補正係数が第1の発熱抵抗体の両端電圧に
乗算され、この乗算結果が第1の発熱抵抗体と第2の発
熱抵抗体との両端電圧の差分に加算され、この加算結果
に第2の発熱抵抗体の両端電圧が乗算されるので、第
1,2の発熱抵抗体の抵抗値や電流量が相違しても、流
体の流量が“0”の場合には計算結果が“0”となる。
【0050】請求項19記載の発明は、請求項16記載
の流量測定装置において、係数乗算手段は、所定温度で
流量“0”の基準状態での減算処理手段の減算結果を第
1の測定手段の測定電圧で除算して正負の符号を反転さ
せた結果の数値が補正係数として設定されている。従っ
て、この補正係数が第1の発熱抵抗体の両端電圧に乗算
され、この乗算結果が第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵
抗体との両端電圧の差分に加算され、この加算結果に第
2の発熱抵抗体の両端電圧が乗算されるので、この乗算
結果は流体の流量が“0”の場合に“0”となり、減算
処理手段や第1の測定手段の誤差が補償された状態で測
定結果が算出される。
【0051】請求項20記載の発明は、請求項15又は
16記載の流量測定装置において、第1の測定手段の測
定電圧を(m−1)乗するm乗処理手段と、第2の測定
手段の測定電圧をn乗するn乗処理手段とを備え、乗算
処理手段は、加算処理手段の加算結果に前記m乗処理手
段の(m−1)乗結果と前記n乗処理手段のn乗結果と
を乗算する。従って、m乗処理手段により第1の測定手
段の測定電圧が(m−1)乗され、n乗処理手段により
第2の測定手段の測定電圧がn乗され、これらの(m−
1)乗結果とn乗結果とが乗算処理手段により加算処理
手段の加算結果に乗算される。この乗算結果は流体の流
量に対応したものとなり、第1の発熱抵抗体と第2の発
熱抵抗体との温度補正の割合が“m,n”により調節さ
れている。なお、上述のようにm乗処理手段は第1の測
定手段の測定電圧を(m−1)乗なので、本来は“(m
−1)乗処理手段”と呼称すべきものであるが、ここで
は本質的に相違ないので表現を簡略化するために“m乗
処理手段”と呼称している。
【0052】請求項21記載の発明は、請求項8ないし
20の何れか一記載の流量測定装置において、第1の測
定手段と第2の測定手段との少なくとも一方の測定電圧
と減算処理手段の減算結果とをアナログ値からデジタル
値に変換するA/D変換器と、そのデジタル変換された
減算結果と測定電圧とを加算するデジタル加算手段と、
その加算結果を前記第1の測定手段と前記第2の測定手
段との他方の測定電圧として置換する置換処理手段とを
備える。従って、第1の測定手段と第2の測定手段との
少なくとも一方の測定電圧と減算処理手段の減算結果と
がA/D変換器によりアナログ値からデジタル値に変換
され、このデジタル変換された減算結果と測定電圧とが
デジタル加算手段により加算され、この加算結果が第1
の測定手段と第2の測定手段との他方の測定電圧として
置換処理手段により置換されるので、流量の測定結果の
算出に第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵抗体との両方の
両端電圧が同時に利用されない。
【0053】請求項22記載の発明は、請求項21記載
の流量測定装置において、係数乗算手段は、所定温度で
流量“0”の基準状態での第2の測定手段の測定電圧に
対応させた数値から減算処理手段の減算結果に対応させ
た数値を減算した結果で、前記減算処理手段の減算結果
に対応した数値の符号を反転させた数値を除算した結果
の数値が補正係数として設定されている。従って、この
補正係数の算出にも第2の発熱抵抗体の両端電圧のみ利
用されて第1の発熱抵抗体の両端電圧は利用されないよ
うにできる。
【0054】請求項23記載の発明は、抵抗温度係数が
大きい第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵抗体とを流体の
流動方向に従って順番に位置させ、前記第1の発熱抵抗
体と前記第2の発熱抵抗体とを電圧可変で電流一定の電
力の供給により各々発熱させ、流体の流動により第1の
発熱抵抗体から第2の発熱抵抗体に移動する熱量に基づ
いて流量を測定する流量測定方法において、前記第1の
発熱抵抗体と前記第2の発熱抵抗体との両端電圧を各々
測定し、前記第1の発熱抵抗体の両端電圧に所定の補正
係数を乗算し、この乗算結果を前記第2の発熱抵抗体の
両端電圧から減算し、この減算結果を前記第1の発熱抵
抗体の両端電圧で除算するようにした。従って、この計
算結果は流体の流量に線形に対応し、流量が“0”の場
合には計算結果も“0”となる。
【0055】請求項24記載の発明は抵抗温度係数が大
きい第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵抗体とを流体の流
動方向に従って順番に位置させ、前記第1の発熱抵抗体
と前記第2の発熱抵抗体とを電圧可変で電流一定の電力
の供給により各々発熱させ、流体の流動により第1の発
熱抵抗体から第2の発熱抵抗体に移動する熱量に基づい
て流量を測定する流量測定方法において、前記第1の発
熱抵抗体と前記第2の発熱抵抗体との両端電圧を各々測
定し、この第2の発熱抵抗体の両端電圧から前記第1の
発熱抵抗体の両端電圧を減算し、前記第1の発熱抵抗体
の両端電圧に所定の補正係数を乗算し、この乗算結果を
両端電圧の減算結果に加算し、この加算結果に前記第2
の発熱抵抗体の両端電圧を乗算するようにした。従っ
て、この計算結果は流体の流量に線形に対応し、流量が
“0”の場合には計算結果も“0”となる。
【0056】請求項25記載の発明は、流体の流路に配
置される第1の発熱抵抗体と、この第1の発熱抵抗体の
下流に配置されて前記第1の発熱抵抗体と電流的に直列
に接続された第2の発熱抵抗体と、これらの第1,2の
発熱抵抗体の抵抗体列に対して定電流を流す定電流源
と、前記第1の発熱抵抗体の端子電圧を測定する第1の
電圧測定手段と、前記第2の発熱抵抗体の端子電圧を測
定する第2の電圧測定手段とを備える。従って、第1の
発熱抵抗体と第2の発熱抵抗体とが電流的に直列に接続
されているので、これらの発熱抵抗体に対して1つの定
電流源により等しい電流を流すことができ、よって、流
量測定に及ぼす電流値の影響を小さくすることができ
る。
【0057】請求項26記載の発明は、請求項25記載
の流量測定装置において、第1の電圧測定手段の出力電
圧と第2の電圧測定手段の出力電圧との差を演算する減
算手段を備える。従って、請求項25記載の流量測定装
置に減算手段を追加することにより、第1,2の発熱抵
抗体の抵抗値の差の測定精度が向上する。
【0058】請求項27記載の発明は、流体の流路に配
置される第1の発熱抵抗体と、この第1の発熱抵抗体の
下流に配置されてその接続経路内にゼロ電位点を持たせ
て前記第1の発熱抵抗体と電流的に直列に接続された第
2の発熱抵抗体と、これらの第1,2の発熱抵抗体の抵
抗体列に対して定電流を流す定電流源とを備える。従っ
て、第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵抗体とが電流的に
直列に接続されているので、これらの発熱抵抗体に対し
て1つの定電流源により等しい電流を流すことができ、
よって、流量測定に及ぼす電流値の影響を小さくするこ
とができる。特に、一方の発熱抵抗体の一端の電圧を正
に、他方の発熱抵抗体の一端の電圧を負に設定すること
により、これらの発熱抵抗体をつなぐ接続経路内にゼロ
電位点を持たせることができ、これらの発熱抵抗体の端
子電圧の測定に必要な電圧値を低く抑えることができ
る。この結果、回路の動作電圧を低く設定することがで
き、例えば、電池駆動する上で有利となる。
【0059】請求項28記載の発明は、請求項27記載
の流量測定装置において、第1の発熱抵抗体の両端の端
子電圧の内で絶対値の大きい方の端子電圧と第2の発熱
抵抗体の両端の端子電圧の内で絶対値の大きい方の端子
電圧とを加算する加算手段を備える。従って、請求項2
7記載の流量測定装置に加算手段を追加することによ
り、第1,2の発熱抵抗体の抵抗値の差の測定精度が向
上する。
【0060】請求項29記載の発明は、流体の流路に配
置される抵抗温度係数が大きい第1の発熱抵抗体と、こ
の第1の発熱抵抗体と抵抗温度係数及び基準状態での抵
抗値が同一で前記第1の発熱抵抗体の下流に配置されて
電流的に直列に接続された第2の発熱抵抗体と、直列に
接続された第1,2の発熱抵抗体の抵抗体列に対して定
電流を流す定電流源と、前記第1の発熱抵抗体と前記第
2の発熱抵抗体との接続点を仮想接地により定電圧に保
つオペアンプとを備える。従って、第1,2の発熱抵抗
体の接続点をオペアンプの仮想接地により定電圧に保つ
ので、請求項27記載の発明のようにゼロ電位点を持た
せるための抵抗等を要せず、さらに低い動作電圧で回路
を動作させることができる。
【0061】請求項30記載の発明は、請求項29記載
の流量測定装置において、直列に接続された抵抗体列の
両端間の電圧を加算する加算手段を備える。従って、請
求項29記載の流量測定装置に加算手段を追加すること
により、第1,2の発熱抵抗体の抵抗値の差の測定精度
が向上する。
【0062】請求項31記載の発明は、請求項30記載
の流量測定装置において、加算手段の入力前段にインピ
ーダンス変換手段を備える。従って、第1,2の発熱抵
抗体に流れる電流に加算手段が与える影響はインピーダ
ンス変換手段によって低減する。
【0063】請求項32記載の発明は、請求項31記載
の流量測定装置において、加算手段、インピーダンス変
換手段に各々オペアンプを用い、仮想接地により接続点
を定電圧に保つためのオペアンプを含むこれらの3つの
オペアンプとして、同一のシリコンウエハ上に形成され
て同一のパッケージに封入されたオペアンプを用いるよ
うにした。従って、全てのオペアンプのオフセット電圧
を同じ程度にすることができ、第1,2の発熱抵抗体の
抵抗値差の測定精度が向上する。
【0064】請求項33記載の発明は、請求項25ない
し32の何れか一記載の流量測定装置において、抵抗体
列に対して流す電流値を任意の時点でゼロにするスイッ
チ手段を備える。従って、流量測定を行う必要がない時
には電流値をゼロにすることで無駄に消費する電力が低
減する。よって、特に電池駆動の場合において、電池交
換なしで測定動作を行わせ得る期間を長くすることがで
きる。
【0065】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
ないし図3に基づいて説明する。本実施の形態の流量測
定装置121は、図1に示すように、第1,2の発熱抵
抗体122,123を有しており、これらの発熱抵抗体
122,123には、給電手段としての第1,2の定電
流源124,125が個々に接続されている。
【0066】前記第1,2の発熱抵抗体122,123
は、例えば、抵抗温度係数が3000〔ppm/℃〕 程度
の白金の薄膜として、1個の基板(図示せず)の表面に
並設されており、流体の流動方向に従って順番に配置さ
れる。前記定電流源124,125は、定電流の電力を
前記発熱抵抗体122,123に供給するので、これら
の発熱抵抗体122,123は、供給される電力のジュ
ール熱に対応して一定の熱量で発熱する。
【0067】前記第1,2の発熱抵抗体122,123
の一端は接地されており、他端には温度測定手段である
温度測定装置126,127が個々に接続されている。
これらの温度測定装置126,127には、1個の温度
計128も接続されており、前記発熱抵抗体122,1
23の発熱温度を各々測定する。
【0068】つまり、これらの温度測定装置126,1
27は、電圧測定器129,130と温度算出器13
1,132とを各々有しており、前記電圧測定器12
9,130は、前記第1,2の発熱抵抗体122,12
3の端子電圧を各々測定する。前記温度計128は、流
体の流路に配置され、流動に関係なく流体の温度を測定
する。前記温度算出器131,132は、前記発熱抵抗
体122,123の温度係数が予め設定されており、こ
れらの発熱抵抗体122,123の発熱温度ΔTU,Δ
TL を端子電圧と流体温度とに基づいて各々算出する。
【0069】前記温度測定装置126,127には、除
算処理手段として流量算出装置133が接続されてい
る。この流量算出装置133は2つの発熱温度ΔTU ,
ΔTLの差分“ΔTU −ΔTL ”を、ここでは上流側
の第1の発熱抵抗体122の発熱温度ΔTU で除算す
る。この計算結果 f(u)=(ΔTU −ΔTL )/ΔTU は、流体の流量の測定結果として出力端子134から信
号出力される。
【0070】このような構成において、本実施の形態の
流量測定装置121により流体の流量を測定する場合
は、その流体の流路に第1,2の発熱抵抗体122,1
23を流動方向に従って順番に配置するとともに、流路
の内部で流動の影響を受けない位置に温度計128を配
置する。
【0071】そこで、前述のように流路に順番に配置し
た第1,2の発熱抵抗体122,123に定電流源12
4,125から定電流を通電すると、これらの発熱抵抗
体122,123は、定電流に対応した一定熱量で発熱
する。この発熱により第1,2の発熱抵抗体122,1
23の抵抗値は温度係数に対応して変化するが、この抵
抗値に対応した端子電圧が電圧測定器129,130に
より各々測定される。この電圧値と温度計128により
測定される流体の温度とに対応して、発熱抵抗体12
2,123の発熱温度ΔTU ,ΔTL が温度算出器13
1,132により各々算出される。
【0072】つまり、ここでは第1,2の発熱抵抗体1
22,123が定電流Iで駆動されるので、その端子電
圧Vが測定されれば、抵抗値Rは“R=V/I”として
算出される。そして、発熱抵抗体122,123の基準
温度T0 での抵抗値をR0 、温度係数をαとすると、こ
の発熱抵抗体122,123が基準温度T0 より発熱温
度△Tだけ高温に発熱したときの抵抗値Rは“R=R0
(1+α△T)”となるので、発熱抵抗体122,12
3の基準時の抵抗値R0 と温度係数αとが設定されてい
れば、発熱時の抵抗値Rから発熱温度△Tが算出され
る。
【0073】発熱する第1,2の発熱抵抗体122,1
23は、流体の流量に対応して冷却されるが、流体の流
動方向に対応して順番に配置されているので、上流側の
第1の発熱抵抗体122からの熱量は流体により下流側
の第2の発熱抵抗体123に伝達される。このため、図
2に示すように、第1,2の発熱抵抗体122,123
の発熱温度ΔTU ,ΔTL には、流体の流量に対応して
温度差が発生する。
【0074】このように上流側の第1の発熱抵抗体12
2から下流側の第2の発熱抵抗体123に伝達される熱
量は、流体の流量とこれらの発熱抵抗体122,123
の発熱温度ΔTU ,ΔTL とに対応している。そこで、
流量算出装置133により、2つの発熱温度ΔTU ,Δ
TL の差分“ΔTU −ΔTL ”を上流側の第1の発熱抵
抗体122の発熱温度ΔTU で除算すれば、図3に示す
ように、この計算結果f(u)は流体の流量に正確に対応
したものとなる。
【0075】なお、流体の流動方向が反転した場合、前
述のように測定する流量f(u)の正負も反転するので、
本実施の形態の流量測定装置121は、流体の流量を測
定するとともに流動方向も判定することができ、反転し
た流体の流量も正確に測定することができる。
【0076】本実施の形態の流量測定装置121は、前
述のように流体の流量を正確に測定することができ、こ
の測定を流体の流動により伝達される熱量に基づいて算
出しているので、発熱抵抗体122,123の抵抗値が
経時変化したり、流体の温度が変化しても、流体の流量
を正確に測定することができる。しかも、平衡ブリッジ
回路を形成することなく発熱抵抗体122,123に電
力を直接に供給しているので、消費電力が少なく電源を
電池としても長期間の動作が可能である。さらに、発熱
抵抗体122,123を所望の温度に発熱させることが
容易なので、発熱抵抗体122,123の形成の自由度
も良好である。
【0077】なお、本発明は本実施の形態に限定される
ものではなく、各種の変形を許容する。例えば、本実施
の形態では、温度測定装置126,127や流量算出装
置133を専用のアナログ回路により形成することを想
定したが、これをA/D変換器(Analog/Digital C
onvertor)を入力端子に備えたマイクロコンピュータに
より形成することも可能である。また、本実施の形態で
は、発熱抵抗体122,123の発熱温度ΔTU ,ΔT
L の差分を一方の発熱温度ΔTU で除算した計算結果f
(u)を、実際に“(ΔTU −ΔTL )/ΔTU ”として
算出することを例示したが、これを変形して“1−ΔT
L /ΔTU ”として算出することも可能である。
【0078】さらに、図4に示すように、演算処理手段
(除算処理手段)である流量算出装置142が、差分を
算出する2つの発熱温度ΔTU ,ΔTL の少なくとも一
方に定数Aを乗算することも可能である。このようにし
た流量測定装置141は、流体が停止した状態の第1,
2の発熱抵抗体122,123の発熱温度が製造誤差等
のために相違するような場合でも、これが定数Aの乗算
により計算上は同一となるよう補正することができるの
で、流体の流量を正確に測定することができる。
【0079】例えば、流量測定装置141がマイクロコ
ンピュータの場合、定数Aはメモリにパラメータとして
設定すればよく、発熱抵抗体122,123の微妙な製
造誤差を容易に補正できることになる。この計算の数式
“(ΔTU −A・ΔTL )/ΔTU ”も、当然ながら
“1−A・ΔTL /ΔTU ”として算出することが可能
である。
【0080】つぎに、本発明の第二の実施の形態を図5
に基づいて説明する。なお、本実施の形態の流量測定装
置151に関し、前述した流量測定装置121と同一部
分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以下の実
施の形態でも、順次同様とする)。
【0081】まず、本実施の形態の流量測定装置151
は、前述した流量測定装置121と同様に、第1,2の
発熱抵抗体122,123を有しているが、これらの発
熱抵抗体122,123が直列に接続されており、ここ
に給電手段である駆動電源として1個の定電流源152
も直列に接続されている。このため、温度測定装置12
6は、第1の発熱抵抗体122の両端に接続されてお
り、温度測定装置127は、第2の発熱抵抗体123の
両端に接続されている。
【0082】このような構成において、本実施の形態の
流量測定装置151は、前述した流量測定装置121と
同様に流体の流量を測定する。その場合、本実施の形態
の流量測定装置151では、1個の定電流源152が第
1,2の発熱抵抗体122,123の両方に定電流を供
給するので、第1,2の発熱抵抗体122,123に正
確に同一の電流を通電することができ、より正確に流体
の流量を測定することができる。また、装置の構造が単
純であり、省電力化、小型軽量化、生産性向上等を図る
ことができる。
【0083】さらに、本発明の第三の実施の形態を図6
に基づいて説明する。本実施の形態の流量測定装置16
1は、第1,2の発熱抵抗体122,123と1個の定
電流源152とが直列に接続されているが、この定電流
源152と第1の発熱抵抗体122との中間に補助抵抗
体162も直列に接続されている。この補助抵抗体16
2の両端には電流検出手段である電流測定装置163も
接続されており、この電流測定装置163は、温度測定
手段である第1,2の温度測定装置164,165の温
度算出器166,167に接続されている。
【0084】前記補助抵抗体162は、第1,2の発熱
抵抗体122,123とは相違して極端に温度係数が低
く、定電流源152から供給される電力により発熱しな
い。前記電流測定装置163は、前記補助抵抗体162
の両端の電圧を測定し、この電圧と前記補助抵抗体16
2の抵抗値から電流量を算出する。前記温度測定装置1
64,165の温度算出器166,167は、前記補助
抵抗体162の電流量の測定結果と第1,2の発熱抵抗
体122,123の各々の端子電圧から第1,2の発熱
抵抗体122,123の各々の抵抗値を算出し、これら
の抵抗値に基づいて発熱抵抗体122,123の発熱温
度を各々算出する。
【0085】このような構成において、本実施の形態の
流量測定装置161により流体の流量を測定する場合、
流路に順番に配置された第1,2の発熱抵抗体122,
123に定電流源152から定電流を通電されるが、こ
の定電流は補助抵抗体162にも同様に通電されるの
で、この電流量が電流測定装置163により測定されて
温度測定装置164,165の温度算出器166,16
7に出力される。これらの温度算出器166,167
は、入力された補助抵抗体162の電流量と第1,2の
発熱抵抗体122,123の各々の端子電圧から、これ
らの発熱抵抗体122,123の抵抗値を算出し、これ
らの抵抗値と発熱抵抗体122,123の温度係数と温
度計128により測定される流体温度とから、発熱抵抗
体122,123の発熱温度ΔTU ,ΔTL を各々算出
する。流量算出装置142は、2つの発熱温度ΔTU ,
ΔTL の差分“ΔTU −A・ΔTL ”を上流側の第1の
発熱抵抗体122の発熱温度ΔTU により除算し、この
計算結果f(u)を流体の流量に正確に対応した信号とし
て出力する。
【0086】本実施の形態の流量測定装置161は、前
述のように第1,2の発熱抵抗体122,123の抵抗
値を、これに直列に接続された補助抵抗体162の電流
量に基づいて算出するので、より正確に流体の流量を測
定することができる。このように第1,2の発熱抵抗体
122,123の電流量を実測するので、駆動電源は定
電流源152である必要がなく電圧源でもよい。
【0087】本発明の第四の実施形態を図7に基づいて
説明する。本実施の形態の流量測定装置171では、第
1,2の発熱抵抗体122,123や補助抵抗体162
とは別個に第3の抵抗体172が設けられており、この
第3の抵抗体172には第3の給電手段として専用の定
電流源173が接続されている。前記第3の抵抗体17
2には、第3の測定手段として専用の温度測定装置17
4の電圧測定器175が接続されており、この温度測定
装置174の温度算出器176が、発熱抵抗体122,
123の温度測定装置164,165の温度算出器16
6,167に接続されているので、これらの温度算出器
166,167に温度計128は接続されていない。
【0088】前記第3の抵抗体172は、発熱抵抗体1
22,123と同一の構造に形成されているが、前記定
電流源173は、前記第3の抵抗体172を発熱させな
い出力で定電流を供給する。前記第3の抵抗体172
は、例えば、流体の流動方向において発熱抵抗体12
2,123より上流に配置されることにより、これらの
発熱抵抗体122,123に対して熱的に絶縁された位
置に配置される。
【0089】前記温度測定装置174は、前記第3の抵
抗体172の発熱温度を測定し、温度測定装置164,
165の温度算出器166,167は、前記第3の抵抗
体172の発熱温度に基づいて発熱抵抗体122,12
3の発熱温度を算出する。つまり、前記第3の抵抗体1
72は電力の供給により発熱しないので、その温度は流
体の温度と同一であり、これに基づいて発熱抵抗体12
2,123の発熱温度が算出される。
【0090】このような構成において、本実施の形態の
流量測定装置171により流体の流量を測定する場合、
第1,2の発熱抵抗体122,123とともに第3の抵
抗体172も流体の流路に配置するが、この第3の抵抗
体172は発熱抵抗体122,123に対して熱的に絶
縁された位置に配置する。このような状態で、発熱抵抗
体122,123は定電流源152から供給される定電
流により発熱するが、第3の抵抗体172は定電流源1
73から供給される定電流により発熱することはない。
【0091】このような第3の抵抗体172の温度を、
温度測定装置174が第3の抵抗体172の端子電圧と
温度係数と定電流源173の電流量から算出するので、
この温度に基づいて温度測定装置164,165が発熱
抵抗体122,123の発熱温度ΔTU ,ΔTL を各々
算出する。前述のように発熱しない第3の抵抗体172
の温度は流体の温度と同一なので、これに基づいて発熱
抵抗体122,123の発熱温度ΔTU ,ΔTL は正確
に算出され、これらの発熱温度から流量算出装置142
により流体の流量が正確に算出される。
【0092】本実施の形態の流量測定装置171は、前
述のように第3の抵抗体172により流体の温度を実測
するので、これに基づいて流体の流量を正確に測定する
ことができ、専用の温度計128を設ける必要がない。
【0093】つぎに、本発明の第五の実施の形態を図8
に基づいて説明する。本実施の形態の流量測定装置18
1では、第1,2の発熱抵抗体122,123に給電手
段である駆動電源として接続された定電流源182は、
第1,2の発熱抵抗体122,123を発熱させる大電
流と発熱させない小電流とを切換自在に出力する。ここ
では温度測定装置164,165が、第1,2の発熱抵
抗体122,123の抵抗値を測定する抵抗測定手段と
して機能し、ここに抵抗記憶手段である記憶装置183
が接続されている。この記憶装置183には前記定電流
源182が接続されており、この定電流源182が小電
流を出力するタイミングで前記記憶装置183は温度算
出器176の温度出力に基づき基準状態の抵抗値に換算
した第1,2の発熱抵抗体122,123の抵抗値R0
を記憶する。このように記憶された抵抗値R0 は、前記
定電流源182が大電流を出力するタイミングで前記記
憶装置183から温度測定装置164,165に出力さ
れるので、これらの温度測定装置164,165は、入
力される基準状態の抵抗値R0 に基づいて第1,2の発
熱抵抗体122,123の発熱温度ΔTU ,ΔTL を算
出する。
【0094】このような構成において、本実施の形態の
流量測定装置181では、例えば、流量測定の開始以前
の初期設定の時点で、定電流源182が第1,2の発熱
抵抗体122,123に小電流を出力し、これらの第
1,2の発熱抵抗体122,123が発熱しない基準状
態の抵抗値R0 が記憶装置183に各々記憶される。
【0095】このような初期設定を完了して流量測定を
開始する時点では、定電流源182が第1,2の発熱抵
抗体122,123に大電流を出力するので、これらの
第1,2の発熱抵抗体122,123の発熱温度ΔTU
,ΔTL が温度測定装置164,165により測定さ
れる。この時、記憶装置183から温度測定装置16
4,165に、第1,2の発熱抵抗体122,123の
発熱しない基準状態の抵抗値R0 が出力されるので、こ
れに基づいて第1,2の発熱抵抗体122,123の発
熱温度ΔTU ,ΔTL が正確に算出され、これらの発熱
温度から流量算出装置142により流体の流量が正確に
算出される。
【0096】本実施の形態の流量測定装置181は、前
述のように第1,2の発熱抵抗体122,123の基準
状態の抵抗値R0 を実測するので、これに基づいて流体
の流量を正確に測定することができ、例えば、第1,2
の発熱抵抗体122,123に経時劣化が発生しても流
量の測定精度が低下しない。
【0097】なお、ここでは第1,2の発熱抵抗体12
2,123の基準状態の抵抗値R0に基づいて発熱温度
ΔTU ,ΔTL を算出することを例示したが、第1,2
の発熱抵抗体122,123の基準状態の抵抗値に基づ
いて流量算出の数式を補正することも可能である。例え
ば、抵抗値R0 の経時変化の度合が第1,2の発熱抵抗
体122,123で相違する場合には、これが計算上で
同一となるよう流量算出の数式の定数Aを設定すること
が好ましい。
【0098】また、前述した流量測定装置181では、
第1,2の発熱抵抗体122,123に1個の定電流源
182から同一の電力を供給することを想定したが、図
9に例示する流量測定装置191のように、第1,2の
発熱抵抗体122,123に給電手段である第1,2の
定電流源192,193を個々に接続し、第2の発熱抵
抗体123に供給する電力を第1の発熱抵抗体122よ
り低く設定することも可能である。このような構造の流
量測定装置191では、定電流源192,193と第
1,2の発熱抵抗体122,123との中間に一対の補
助抵抗194,195を個々に設け、これらの補助抵抗
194,195に第1,2の電流測定装置196,19
7を個々に接続する。
【0099】つまり、下流側の第2の発熱抵抗体123
は、上流側の第1の発熱抵抗体122から熱量が伝達さ
れるので、その発熱温度を低下させても流量の測定精度
が阻害されない。このため、前述した流量測定装置19
1では、第2の発熱抵抗体123に供給する電力を低減
することにより、全体の消費電力を低減し、発熱抵抗体
123の経時劣化も軽減している。
【0100】さらに、前述した流量測定装置191で
は、5個の抵抗体122,123,172,194,1
95に5個の測定装置164,165,174,19
6,197を個々に接続することを例示したが、図10
に例示する流量測定装置201のように、抵抗体12
2,123,172,194,195に入力切り替え装
置202を介して1個の電圧測定装置203を接続し、
この電圧測定装置203に出力切り替え装置204を介
して温度測定装置205〜207や電流測定装置20
8,209を接続することも可能である。
【0101】この場合、切り替え装置202,204に
より各部を時分割に機能させる必要はあるが、電圧測定
装置203が1個なので5個の抵抗体122,…の端子
電圧を同一の特性で測定することができ、より正確に流
体の流量を測定することができる。
【0102】本発明の第六の実施の形態を図11ないし
図13に基づいて説明する。本実施の形態の流量測定装
置221では、第1の発熱抵抗体22と第2の発熱抵抗
体23との抵抗温度係数及び基準状態での抵抗値が同一
であり、第1,2の測定手段となる第1,2の演算増幅
器24,25が個々に接続されてフィードバックループ
26,27が形成されている。これらのフィードバック
ループ26,27の入力端子でもある第1,2の演算増
幅器24,25の負側の入力端子には、抵抗体222,
223を個々に介して基準電圧“Vref ”の入力端子2
24が接続されており、第1,2の演算増幅器24,2
5の正側の入力端子には、抵抗体225,226を介し
てアース端子227に接続されているので、これらの部
分が第1,2の給電手段として機能する。
【0103】そして、本実施の形態の流量測定装置22
1では、フィードバックループ26,27の出力端子に
A/D変換器228が接続されており、このA/D変換
器228にマイクロプロセッサ229の通信I/F(I
nterface…図示せず)が接続されている。このマイクロ
プロセッサ229は、その主体としてハードウェアであ
るCPU(Central Processing Unit…図示せず)
を有しており、このCPUには、ROM(Read Only
Memory)、RAM(Random Access Memory)、前記
通信I/F等のハードウェア(何れも図示せず)が接続
されている。
【0104】前記CPUは、例えば、前記通信I/Fに
各種データが入力されると、これを利用した各種のデー
タ処理を各種プログラムに対応して実行し、この処理結
果を前記通信I/Fからデータ出力する。前記ROMに
は、このようなデータ処理を前記CPUに実行させるた
めのプログラムが記録されており、前記RAMには、前
記CPUがデータ処理に利用する各種のワークエリアが
確保されている。
【0105】このように前記CPUがプログラムを読み
取って各種の処理動作を実行することにより、各種機能
が各種手段として実現されている。このような各種手段
として、本実施の形態の流量測定装置221は、係数乗
算手段230、減算処理手段231、除算処理手段23
2、結果出力手段233等を有している。つまり、これ
らの手段230〜233として前記CPUを機能させる
ためのプログラムが、前記ROMにソフトウェアとして
記録されている。
【0106】前記A/D変換器228は、前記第1,2
の演算増幅器24,25の測定電圧“Vu ,Vd ”をア
ナログ値からデジタル値に各々変換し、前記係数乗算手
段230は、デジタル化された前記第1の演算増幅器2
4の測定電圧“Vu ”に所定の補正係数を乗算する。こ
の補正係数は、ここでは所定温度で流量“0”の基準状
態での前記第2の発熱抵抗体23の抵抗値“Rd ”を前
記第1の発熱抵抗体22の抵抗値“Ru ”で除算した結
果の数値として設定されており、例えば、前記CPUが
読取自在なパラメータとして前記ROMに記録されてい
る。ただし、ここでは前記第1,2の発熱抵抗体22,
23の抵抗温度係数及び基準状態での抵抗値が同一であ
り、これら第1,2の発熱抵抗体22,23に通電され
る電流量も同一なので、補正係数は“1”として設定さ
れている。
【0107】前記減算処理手段231は、前記係数乗算
手段230の乗算結果を第2の演算増幅器25の測定電
圧“Vd ”から減算し、前記除算処理手段232は、前
記減算処理手段231の減算結果を第1の演算増幅器2
4の測定電圧“Vu ”で除算し、前記結果出力手段23
3は、前記除算処理手段232の除算結果を、流体の流
量に対応したデジタルデータとして前記通信I/Fによ
り外部出力する。つまり、前記マイクロプロセッサ22
9の前記ROMには、前記CPUを前記手段230〜3
3として機能させるためのプログラムが記録されてい
る。
【0108】このような構成において、本実施の形態の
流量測定装置221も、ガス等の流体の流量を測定し、
この測定結果をデジタルデータとして外部出力する。そ
の場合、やはり配線基板の配置により第1,2の発熱抵
抗体22,23を流体の流動方向に従って順番に位置さ
せ、この状態で第1の発熱抵抗体22と第2の発熱抵抗
体23とを電圧可変で電流一定の電力の供給により発熱
させる。この状態で流体が流動すると、上流側の第1の
発熱抵抗体22から下流側の第2の発熱抵抗体23に熱
量が移動するので各々の抵抗値が変化するが、フィード
バックループ26,27の電流量は一定に維持されて出
力電圧が各々変化する。
【0109】例えば、フィードバックループ26の場
合、第1の演算増幅器24の出力端子が負側の入力端子
に第1の発熱抵抗体22を介してフィードバック接続さ
れているので、第1の演算増幅器24の正負の入力端子
の電圧は同一となる。ここで第1の演算増幅器24の正
側の入力端子は抵抗体225を介してアース端子22
7,に接続されているので、その正負の入力端子の電圧
は“0”である。
【0110】この第1の演算増幅器24の電圧“0”の
入力端子と基準電圧“Vref ”の入力端子224との間
には、抵抗値“R1”の抵抗体222が介在しているの
で、この抵抗体222には“I1=Vref/R1 ”の定
電流が通電され、この定電流が第1の発熱抵抗体22に
も通電される。同様に、抵抗体223にも“I2=Vre
f/R2 ”の定電流が通電され、この定電流が第2の発
熱抵抗体23にも通電される。
【0111】つまり、第1,2の発熱抵抗体22,23
は抵抗値“Ru ,Rd ”が変化しても一定の電流“I
1,I2”が通電されるので、流体の流量が変化して第
1,2の発熱抵抗体22,23の抵抗値“Ru ,Rd ”
が変化すると、その両端電圧である第1,2の演算増幅
器24,25の測定電圧“Vu =I1・Ru ,Vd =I
2・Rd ”が変化する。これらの測定電圧“Vu ,Vd
”は、A/D変換器228によりA/D変換されてか
らマイクロプロセッサ229に入力されるので、このマ
イクロプロセッサ229では、入力データに対して所定
のデータ処理を実行する。
【0112】つまり、第1の演算増幅器24の測定電圧
“Vu ”に補正係数“A”が乗算され、この乗算結果
“A・Vu ”が第2の演算増幅器25の測定電圧“Vd
”から減算される。この減算結果“Vd −A・Vu ”
が第1の演算増幅器24の測定電圧“Vu ”で除算さ
れ、この除算結果“(Vd −A・Vu )/Vu ”が流体
の流量に対応したデジタルデータとして外部出力され
る。
【0113】例えば、このデジタルデータを実際の流量
に換算してディスプレイ(図示せず)に表示出力すれ
ば、流体の流量をユーザに報知するようなことができ、
デジタルデータに基づいて流量の調整弁(図示せず)を
フィードバック制御すれば、流体の流量を一定に維持す
るようなことができる。
【0114】本実施の形態の流量測定装置221は、第
1,2の演算増幅器24,25の測定電圧“Vu ,Vd
”の差分を流量の測定結果とせず、これらの測定電圧
“Vu,Vd ”に基づいて所定の演算処理を実行するこ
とにより、流体の流量を良好に測定することができ、流
動の有無を正確に判定することもできる。このことを以
下に順次詳述する。
【0115】まず、前述のように発熱する第1,2の発
熱抵抗体22,23が流体の流動方向に従って順番に配
置されているので、第1の発熱抵抗体22から熱量が移
動した流体が第2の発熱抵抗体23の表面を流動するこ
とになり、第1の発熱抵抗体22は流体の流動により第
2の発熱抵抗体23よりも良好に冷却される。従って、
これらの第1,2の発熱抵抗体22,23の両端電圧
“Vu ,Vd ”には、 Vd =A・Vu +f(u)・Vu なる関係が成立する。この場合、“f(u)”は流体の流
量“u”により変化する関数であり、“A”は所定の係
数である。なお、この係数“A”は、第1,2の発熱抵
抗体22,23の条件の相違を補正するものなので、第
1,2の発熱抵抗体22,23の抵抗値“Ru ,Rd ”
が同一で、通電される電流量“I1,I2”も同一の場
合には“1”である。
【0116】そして、流体の流量が“0”の場合、第
1,2の発熱抵抗体22,23の両端電圧“Vu ,Vd
”には“Vd =A・Vu ”の関係が成立し、この関係
は流体の流量に対応して変化する。この流量による変化
は、上流側の第1の発熱抵抗体22の熱量を下流側の第
2の発熱抵抗体23に流体が移動させることに起因する
と想定され、これは“f(u)・Vu ”と表現される。
【0117】換言すると、この関数“f(u)”は流体の
流量を示す信号となり、これは上記数式から f(u)=(Vd −A・Vu )/Vu となる。つまり、本実施の形態の流量測定装置221の
ように、第1の発熱抵抗体22の両端電圧“Vu ”に補
正係数“A”を乗算し、この乗算結果を第2の発熱抵抗
体23の両端電圧“Vd ”から減算し、この減算結果を
第1の発熱抵抗体22の両端電圧“Vu ”で除算すれ
ば、この除算結果“f(u)”が流体の流量に対応したデ
ジタルデータとなる。
【0118】つまり、図12に示すように、流体の流量
が変化すると、第1,2の発熱抵抗体22,23の両端
電圧“Vu ,Vd ”は非線形に変化するが、図13に示
すように、計算結果“f(u)”は線形に略変化するの
で、このデジタルデータから流体の流量を測定すること
ができる。このように流体の流量を測定すれば、流量が
“0”の場合には測定結果も“0”となるので、流体の
流動の有無を正確に判定することもできる。
【0119】特に、本実施の形態の流量測定装置221
では、第1の発熱抵抗体22の両端電圧“Vu ”に補正
係数“A”を乗算しているので、第1,2の発熱抵抗体
22,23の抵抗値や通電量が相違する場合でも、流動
の有無を正確に判定することができる。しかし、前述の
ように第1,2の発熱抵抗体22,23の抵抗値や通電
量が同一の場合には、補正係数“A”は“1”となるの
で係数乗算手段230を省略することができる。この場
合、マイクロプロセッサ229のプログラム構造を簡略
化することができ、処理負担を軽減して処理速度を向上
させることができる。
【0120】ただし、第1,2の発熱抵抗体22,23
の抵抗値や通電量が相違する場合には、補正係数“A”
を適切に設定する必要があり、これは流体の流量が
“0”の場合には“f(u)”が“0”となるよう設定す
ることが好ましい。例えば、流量測定装置221に高度
な精度が要求される場合、補正係数“A”の乗算を省略
するためには第1,2の発熱抵抗体22,23を精密に
同一に形成する必要があるが、これは製造上の理由から
困難である。
【0121】その場合、流体の流量を“0”として第
1,2の発熱抵抗体22,23に同一の電流“I”を通
電して各々の抵抗値“Ru ,Rd ”を測定し、その比率
“Rd/Ru ”を補正係数“A”として係数乗算手段2
30に設定すれば、流量測定装置221は第1,2の発
熱抵抗体22,23の抵抗値等が相違しても、流量が
“0”の場合には測定結果“f(u)”が“0”となる。
【0122】なお、前述のような補正係数“A”を実際
に設定する作業としては、第1,2の発熱抵抗体22,
23を配線基板上に形成してから、所定温度で流量
“0”の基準状態での各々の抵抗値“Ru ,Rd ”を測
定し、その比率“Rd /Ru ”の数値を係数乗算手段2
30のプログラムの補正係数“A”のパラメータとして
マイクロプロセッサ229のROMに記録すればよく、
単純な作業で補正係数“A”を適切に設定することがで
きる。
【0123】ただし、前述のように第1,2の発熱抵抗
体22,23の抵抗値“Ru ,Rd”に基づいて補正係
数“A”を設定すると、その電流量が同一の場合には問
題ないが、電流量の相違には対応することができない。
このような場合には、実際に電源や通電の部分の回路ま
で形成してから、基準状態での第1,2の発熱抵抗体2
2,23の両端電圧“Vu ,Vd ”を第1,2の演算増
幅器24,25により測定し、“Vd /Vu =A”とし
て補正係数を設定することが好ましい。
【0124】この場合、流量測定装置221は第1,2
の発熱抵抗体22,23の抵抗値や電流量が相違して
も、流量が“0”の場合には測定結果“f(u)”が
“0”となり、流動の有無を良好に判定することができ
る。なお、このような補正係数も必要なハードウェアの
製作後にソフトウェアとしてマイクロプロセッサ229
のROMに記録すればよく、単純な作業で補正係数
“A”を適切に設定することができる。
【0125】なお、本発明は本実施の形態に限定される
ものではなく、各種の変形を許容する。例えば、本実施
の形態では、ROM等にソフトウェアとして記録されて
いるプログラムに従ってCPUがデータ処理を実行する
ことにより、流量測定装置221の各種手段が実現され
ることを例示した。しかし、このような各種手段の各々
を固有のハードウェアとして製作することも可能であ
り、一部をソフトウェアとしてRAM等に記録するとと
もに一部をハードウェアとして製作することも可能であ
る。また、所定のソフトウェアが記録されたRAM等や
各部のハードウェアを、例えば、ファームウェアとして
製作することも可能である。
【0126】さらに、本実施の形態では、流体の流量に
線形に対応して流量が“0”の場合に“0”となる測定
結果“f(u)”を算出しているが、この測定結果“f
(u)”には流体の温度の情報が含まれており、図14に
示すように、流体の温度が変化すると測定結果“f
(u)”の傾斜も変化するので流量を正確に測定すること
は困難である。
【0127】これが問題となる場合には、第1の発熱抵
抗体22の両端電圧“Vu ”をm乗するm乗処理手段、
第2の発熱抵抗体23の両端電圧“Vd ”をn乗するn
乗処理手段、除算処理手段232の除算結果“f(u)”
にm乗処理手段のm乗結果とn乗処理手段のn乗結果と
を乗算する結果補正手段、を新規に付加することが好ま
しい。つまり、これらの手段としてCPUを機能させる
ためのプログラムが、ROMにソフトウェアとして記録
されている。
【0128】この場合、第1の発熱抵抗体22の両端電
圧“Vu ”のm乗結果と、第2の発熱抵抗体23の両端
電圧“Vd ”のn乗結果とが、流体の流量に対応したデ
ジタルデータ“f(u)”に乗算されるので、この乗算結
果“f2(u)”は、流体の流量に良好に対応して温度の
影響が少ないものとなる。このことを以下に詳述する。
なお、以下の数式では、例えば、“Vu ”のm乗を“V
u [m乗]”のように表現する。
【0129】まず、第1の発熱抵抗体22の抵抗値“R
u ”は、基準温度での抵抗値“Ru0”、基準温度との温
度差“dT”、抵抗温度係数“αu ”により“Ru =R
u0(1+αu ・dT)”となる。温度が変化しても抵抗
体の電流量Iが一定ならば、“I・Ru =I・Ru0(1+
αu ・dT)”となり、基準温度での両端電圧を“Vu
0”とすると、両端電圧は Vu =Vu0(1+αu ・dT) となる。この場合、“Vu0”は定数であるので第1の発
熱抵抗体22の両端電圧“Vu ”は流体の温度により変
化することになり、これは第2の発熱抵抗体23の両端
電圧“Vd ”でも同一である。
【0130】そこで、ここでは流体の流量に対応したデ
ジタルデータ“f(u)”に第1,2の発熱抵抗体22,
23の両端電圧“Vu ,Vd ”を所定回数ずつ乗算する
ことにより、流量測定装置221に必要な温度領域で流
量の測定結果に対する温度の影響を最小とする。前述し
た演算は f2(u)=f(u)・Vu [m乗]・Vd [n乗] であるので、これは f2(u)={(Vd −A・Vu )/Vu }f(u)・Vu
[m乗]・Vd [n乗] となる。
【0131】例えば、“m=n=0”とした場合、当然
ながら流量の測定結果は補正されず、図14に示すよう
に、流体の温度に影響されたものとなる。“m=n=
0.5”とすると、図15に示すように、流量の測定結
果に対する温度の影響が軽減されることが確認され、
“m=n=0.75”とすると、図16に示すように、
流量の測定結果に温度が影響する割合が最小となり、
“m=n=1”とすると、図17に示すように、また温
度の影響が増加することが確認された。
【0132】従って、前述した乗数“m,n”は、実際
には各種条件に従って最適に設定されるが、その最適な
一例は“m=n=0.75”である。このように設定し
た乗数“m,n”まで第1,2の発熱抵抗体22,23
の両端電圧“Vu ,Vd ”を乗算し、これを流量の測定
結果“f(u)”に乗算して補正された測定結果“f2
(u)”を算出すれば、流体の流量を温度に関係なく正確
に測定することができる。
【0133】なお、ここでは演算処理を簡略化するた
め、“m=n”とすることを例示したが、第1,2の発
熱抵抗体22,23の両端電圧“Vu ,Vd ”が略同一
ならば、“m+n=1.5”であればよく、図18に示
すように、“m=0,n=1.5”としても温度の影響
を最小として流量を良好に測定することができる。
【0134】また、前述のように乗数“m,n”が整数
でないと、その演算処理が煩雑なので、“m=n=1”
として処理の負担を軽減して速度を向上させることも実
用的である。さらに、ここでは第1の発熱抵抗体22の
両端電圧“Vu ”のm乗値と第2の発熱抵抗体23の両
端電圧“Vd ”のn乗値とを除算処理手段232の除算
結果“(Vd −A・Vu )/Vu ”に乗算しているが、
この除算結果の分母には“Vu ”が存在している。つま
り、減算処理手段231の減算結果“Vd −A・Vu ”
に第1の発熱抵抗体22の両端電圧“Vu ”の(m−
1)乗値と第2の発熱抵抗体23の両端電圧“Vd ”の
n乗値とを乗算してもよく、その場合は除算処理手段2
32を省略することができる。
【0135】さらに、ここではm乗処理手段とn乗処理
手段とを個々に設けることを想定したが、これを1個の
累乗処理手段として設け、これにパラメータとして乗数
“m,n”を適宜提供する乗数提供手段を組み合わせて
もよい。
【0136】つぎに、本発明の第七の実施の形態を図1
9に基づいて説明する。本実施の形態の流量測定装置2
41では、第1,2の演算増幅器24,25が抵抗体3
2〜35とともに減算処理手段である第3の演算増幅器
36に接続されており、抵抗体32,33の抵抗値が同
一であるとともに抵抗体34,35の抵抗値が同一なの
で、これらの抵抗体32〜35とともに第3の演算増幅
器36は差動増幅器として機能する。この第3の演算増
幅器36もA/D変換器228を介してマイクロプロセ
ッサ229に接続されており、このマイクロプロセッサ
229には、係数乗算手段242、加算処理手段24
3、乗算処理手段244等が設けられている。
【0137】前記第3の演算増幅器36は、第2の発熱
抵抗体23の両端電圧“Vd ”から第1の発熱抵抗体2
2の両端電圧“Vu ”を減算し、前記係数乗算手段24
2は、第1の発熱抵抗体22の両端電圧“Vu ”に所定
の補正係数“e”を乗算する。この補正係数“e”は、
各種条件に従って適切に設定されるが、ここでは所定温
度で流量“0”の基準状態での第2の発熱抵抗体23の
抵抗値“Rd ”を第1の発熱抵抗体22の抵抗値“Ru
”で除算した結果“A”を“1”から減算した結果の
数値“e=1−A”として設定されている。
【0138】前記加算処理手段243は、前記第3の演
算増幅器36が差動増幅した出力電圧“Vdu”を増幅率
で除算して差分電圧“V′du”に換算し、これを前記係
数乗算手段242の乗算結果“e・Vu ”に加算する。
前記乗算処理手段244は、前記加算処理手段243の
加算結果“V′du+e・Vu ”に前記第2の発熱抵抗体
23の両端電圧“Vd ”を乗算し、この乗算結果
“(V′du+e・Vu )・Vd ”を結果出力手段233
は流量の測定結果“f2(u)”としてデータ出力する。
【0139】このような構成において、本実施の形態の
流量測定装置241も、前述した流量測定装置21と同
様に、ガス等の流体の流量を測定し、この測定結果をデ
ジタルデータとして外部出力する。その場合、第1,2
の演算増幅器24,25により測定された第1,2の発
熱抵抗体22,23の両端電圧“Vu ,Vd ”は、第3
の演算増幅器36により抵抗体32,34の抵抗値の比
率で差動増幅され、この差分電圧“Vdu”もマイクロプ
ロセッサ229に入力される。
【0140】このマイクロプロセッサ229では、第3
の演算増幅器36で差動増幅された差分電圧“Vdu”
が、その増幅率で除算されて差分電圧“V′du”に換算
される。さらに、第1の発熱抵抗体22の両端電圧“V
u ”に所定の補正係数“e”が乗算され、この乗算結果
“e・Vu ”と差分電圧“V′du”とが加算され、この
加算結果“V′du+e・Vu ”に第2の発熱抵抗体23
の両端電圧“Vd ”が乗算される。すると、この乗算結
果 f2(u)=(V′du+e・Vu )Vd は、第1,2の発熱抵抗体22,23の両端電圧“Vu
,Vd ”に比較して、流体の流量に線形に近似したも
のとなる。
【0141】なお、上記数式 f2(u)=(V′du+e・Vu )Vd を変形すると、 f2(u)=(Vd −Vu +e・Vu )Vd ={(Vd −A・Vu )/Vu }・Vu ・Vd となり、これは前述した“m=n=1”の場合の“f2
(u)”と同一である。つまり、本実施の形態の流量測定
装置241は、流体の温度の影響を最小として流量を正
確に測定することができる。
【0142】しかも、第1,2の発熱抵抗体22,23
の両端電圧“Vu ,Vd ”の差分電圧の検出をマイクロ
プロセッサ229のソフトウェアによるデジタル演算で
行わず、ハードウェアである第3の演算増幅器36のア
ナログ演算で実行し、これを増幅してからマイクロプロ
セッサ229に入力しているので、A/D変換器228
の分解能が低くとも流量を緻密に測定することができ
る。
【0143】特に、本実施の形態の流量測定装置241
では、第1の発熱抵抗体22の両端電圧“Vu ”に補正
係数“e”を乗算しているので、第1,2の発熱抵抗体
22,23の抵抗値や通電量が相違する場合でも、流動
の有無を正確に判定することができる。しかし、前述の
ように第1,2の発熱抵抗体22,23の抵抗値や通電
量が同一の場合には、補正係数“e”は“0”となるの
で係数乗算手段242と加算処理手段243とを省略す
ることができる。この場合、マイクロプロセッサ229
のプログラム構造を簡略化することができ、処理負担を
軽減して処理速度を向上させることができる。
【0144】ただし、第1,2の発熱抵抗体22,23
の抵抗値や通電量が相違する場合には、補正係数“e”
を適切に設定する必要があり、これは流体の流量が
“0”の場合に“f(u)”が“0”となるよう設定する
ことが好ましい。その場合、基準状態で第1,2の発熱
抵抗体22,23に同一の電流“I”を通電して各々の
抵抗値“Ru ,Rd ”を測定し、その比率“Rd /Ru
”を“1”から減算して補正係数“e=1−(Rd /
Ru )”を算出し、これを係数乗算手段242に設定す
ればよい。
【0145】ただし、上述のように第1,2の発熱抵抗
体22,23の抵抗値“Ru ,Rd”に基づいて補正係
数“e”を設定すると、その電流量の相違には対応でき
ないので、より好ましくは、実際に電源や通電の部分の
回路まで形成してから、基準状態での第1,2の発熱抵
抗体22,23の両端電圧“Vu ,Vd ”を第1,2の
演算増幅器24,25により測定し、“1−(Vd /Vu
)”を補正係数“e”として設定することが好ましい。
【0146】さらに好ましくは、基準状態での差分電圧
“V′du”を第1の発熱抵抗体22の両端電圧“Vu ”
で除算し、その正負の符号を反転させた結果の数値“−
V′du/Vu ”を補正係数“e”として設定することも
可能である。つまり、第3の演算増幅器36が出力する
差分電圧“Vdu”は、差動増幅やオフセット電圧の影響
が大きいので、これをマイクロプロセッサ229が増幅
率で乗算して差分電圧“V′du”を算出しても、これら
の差分電圧“V′du”“Vdu”の整合性は低い。
【0147】このような状態で補正係数“e”を上述の
ように第1,2の発熱抵抗体22,23の両端電圧“V
u ,Vd ”に基づいて設定しても、これと差分電圧
“V′du”との整合性は低いので流量の測定結果の精度
も低い。しかし、この補正係数“e”は、第1,2の発
熱抵抗体22,23の両端電圧“Vu ,Vd ”の微妙な
相違を示すパラメータであり、この微妙な相違をアナロ
グ演算で検出して増幅してからマイクロプロセッサ22
9に入力して復元した数値が差分電圧“V′du”なの
で、これを利用すれば補正係数“e”の精度を向上させ
ることができる。
【0148】なお、このように差分電圧“V′du”に基
づいて補正係数“e”を算出すると、ここに第3の演算
増幅器36のオフセット電圧等の誤差が含まれる懸念は
あるが、これは差動増幅した差分電圧“Vdu”をマイク
ロプロセッサ229により増幅率で除算して差分電圧
“V′du”に換算することにより圧縮されるので、補正
係数“e”を高精度に設定することができる。
【0149】つぎに、本発明の第八の実施の形態を図2
0に基づいて説明する。本実施の形態の流量測定装置2
51では、前述した流量測定装置241等に対して回路
構造が等価的に簡略化されており、第1,2の発熱抵抗
体22,23の各々に第1,2の給電手段である第1,
2の定電流源252,253が個々に直結されている。
第1,2の発熱抵抗体22,23の各々には第1,2の
測定手段である第1,2の測定回路254,255が個
々に接続されており、これらの第1,2の測定回路25
4,255がA/D変換器228を介してマイクロプロ
セッサ229に各々接続されている。前記第1,2の測
定回路254,255は減算処理手段である差動増幅回
路256にも接続されており、この差動増幅回路256
もA/D変換器228を介してマイクロプロセッサ22
9に接続されている。
【0150】このマイクロプロセッサ229には、新規
にm乗処理手段257とn乗処理手段258とが付加さ
れており、これに対応して乗算処理手段259の設定内
容が変更されている。前記m乗処理手段257は、第1
の発熱抵抗体22の両端電圧“Vu ”を(m−1)乗
し、前記n乗処理手段258は、第2の発熱抵抗体23
の両端電圧“Vd ”をn乗する。前記乗算処理手段25
9は、加算処理手段243の加算結果である“V′du+
e・Vu ”に(m−1)乗結果である“Vu [(m−
1)乗]”とn乗結果である“Vd [n乗]”とを乗算
し、この乗算結果 (V′du+e・Vu )・Vu [(m−1)乗]・Vd
[n乗] を結果出力手段233は流量の測定結果“f3(u)”と
してデータ出力する。
【0151】なお、前記m乗処理手段257は、上述の
ように第1の発熱抵抗体22の両端電圧“Vu ”を(m
−1)乗するので、正確には(m−1)乗処理手段と呼
称するべきものであるが、ここでは本質的に相違ないの
で表現を簡略化するために“m乗処理手段”と呼称す
る。
【0152】このような構成において、本実施の形態の
流量測定装置251では、第1,2の発熱抵抗体22,
23の両端電圧“Vu ,Vd ”と差分電圧“Vdu”とが
マイクロプロセッサ229に入力され、このマイクロプ
ロセッサ229では、差分電圧“Vdu”が差動増幅回路
256の増幅率で除算されて差分電圧“V′du”に換算
され、第1の発熱抵抗体22の両端電圧“Vu ”に所定
の補正係数“e”が乗算される。さらに、この乗算結果
“e・Vu ”と差分電圧“V′du”とが加算され、第1
の発熱抵抗体22の両端電圧“Vu ”が(m−1)乗さ
れるとともに、第2の発熱抵抗体23の両端電圧“Vd
”がn乗される。そして、これらの(m−1)乗結果
“Vu [(m−1)乗]”とn乗結果“Vd [n乗]”
とが加算結果“V′du+e・Vu ”に乗算され、この乗
算結果“(V′du+e・Vu )・Vu [(m−1)乗]
・Vd [n乗]”が流量の測定結果“f3(u)”として
データ出力される。
【0153】このように測定結果“f3(u)”を算出す
ると、これは第1の発熱抵抗体22と第2の発熱抵抗体
23との温度補正の割合が“m,n”により調節されて
いるので、流体の流量を温度に関係なく正確に測定する
ことができる。また、このように算出した測定結果“f
3(u)”では、その正負により流体の流動方向を判定す
ることもできる。
【0154】さらに、本発明の第九の実施の形態を図2
1に基づいて説明する。本実施の形態の流量測定装置2
61では、マイクロプロセッサ229に新規にデジタル
加算手段262が付加されており、このデジタル加算手
段262に対応してn乗処理手段263の設定内容が変
更されている。また、第2の測定回路255は差動増幅
回路256には接続されているがマイクロプロセッサ2
29には接続されておらず、前記n乗処理手段263に
は、前記デジタル加算手段262を介して第1の測定回
路254と差動増幅回路256とが接続されている。な
お、ここでいう接続は、必ずしも物理的な結線のみを意
味しておらず、ソフトウェアによる論理的なリンクも含
んでいる。
【0155】前記デジタル加算手段262は、デジタル
変換された差分電圧“Vdu”と第1の発熱抵抗体22の
両端電圧“Vu ”とを加算し、前記n乗処理手段263
は、この加算結果“Vdu+Vu ”を第2の発熱抵抗体2
3の両端電圧“Vd ”に換えてn乗する。つまり、これ
らの手段262,263の動作の連係が、ここでは測定
電圧を置換する置換処理手段として機能している。
【0156】このような構成において、本実施の形態の
流量測定装置261では、流量を測定する処理動作に第
2の発熱抵抗体23の両端電圧“Vd ”を利用せず、こ
れを差分電圧“Vdu”と第1の発熱抵抗体22の両端電
圧“Vu ”との加算結果“Vdu+Vu ”で代用する。
【0157】つまり、前述のように差分電圧“Vdu”は
微弱な信号なので外乱の影響が大きく、これと第1,2
の発熱抵抗体22,23の両端電圧“Vu ,Vd ”との
計算上の整合性が取れないことがある。しかし、2つの
両端電圧“Vu ,Vd ”の一方を、他方と差分電圧“V
du”との加算結果で代用すれば、計算上の整合性を取る
ことができるので、流体の流量を正確に測定することが
できる。
【0158】なお、本実施の形態では、第1の発熱抵抗
体22の両端電圧“Vu ”と差分電圧“Vdu”との加算
結果で第2の発熱抵抗体23の両端電圧“Vd ”を代用
しているが、当然ながら、この第2の発熱抵抗体23の
両端電圧“Vd ”と差分電圧“Vdu”との加算結果で第
1の発熱抵抗体22の両端電圧“Vu ”を代用すること
も可能である。
【0159】また、このように流量測定に第2の発熱抵
抗体23の両端電圧“Vd ”のみ利用して第1の発熱抵
抗体22の両端電圧“Vu ”を利用しない場合には、こ
れに対応して係数乗算手段242の補正係数“e”を変
更することが好ましい。つまり、基準状態での第2の発
熱抵抗体23の両端電圧“Vd ”に対応させた数値から
差動増幅回路256の差分電圧“Vdu”に対応させた数
値を減算し、差動増幅回路256の差分電圧“Vdu”に
対応した数値の符号を反転させ、この数値“−Vdu”を
上述の減算結果“Vd −Vdu”で除算し、この除算結果
の数値“−Vdu/(Vd −Vdu)”を係数乗算手段24
2に補正係数“e”として設定する。
【0160】この場合、係数乗算手段242の補正係数
“e=−Vdu/(Vd −Vdu)”の算出に、第2の発熱
抵抗体23の両端電圧“Vd ”のみ利用されて第1の発
熱抵抗体22の両端電圧“Vu ”は利用されないので、
前述のように流量測定にも第2の発熱抵抗体23の両端
電圧“Vd ”のみ利用して第1の発熱抵抗体22の両端
電圧“Vu ”を利用しないようにすれば、演算処理の全
体的な整合性が向上する。
【0161】本発明の第十の実施の形態を図21に基づ
いて説明する。なお、本実施の形態の説明に先立ち、前
提となる流量測定装置241の構成を図23を参照して
再検討する。これは、前述した第七の実施の形態に相当
する構成を書換えて示すものである。図示の流量測定装
置241においては、演算増幅器24の出力電圧Vuに
は第1の発熱抵抗体22の抵抗値に対応した出力が得ら
れ、演算増幅器25の出力電圧Vd には第2の発熱抵抗
体23の抵抗値に対応した出力が得られる。従って、演
算増幅器36の差電圧Vduとしては、第1,2の発熱抵
抗体22,23の抵抗値の差に対応した電圧値が得られ
る。ここに、第1,2の発熱抵抗体22,23は電流に
より発熱するが、その熱は流体と熱的な結合関係にある
ため、流体によって冷されることになる。この奪われる
熱の量は流体の速度に対応する。つまり、流体によって
熱を奪われると第1,2の発熱抵抗体22,23の抵抗
値は奪われた熱量に対応して低下するので、第1,2の
発熱抵抗体22,23の抵抗値から流体の流速を知るこ
とができることになる。
【0162】ところが、このような流量測定装置241
でも、詳細に検討すると、まだ改良の余地がある。この
点について、以下に詳細に説明する。まず、この流量測
定装置241では、図23に例示するように、第1,2
の発熱抵抗体22,23に対して別々の電流源から一定
電流Iu ,Id を供給している。ここに、これらの第
1,2の発熱抵抗体22,23へ供給される電流値が変
化した場合に、どのような影響があるかの測定結果につ
いて説明する。
【0163】この測定例では、第1,2の発熱抵抗体2
2,23として、ともに約500Ω程度の同じ抵抗値を
有し、その抵抗温度係数が約3300ppm/℃ 程度で同
じ値を持つものを用いた。これらの第1,2の発熱抵抗
体22,23へ流す電流は同じ2mAとした。いま、流
体の温度を25℃に保ち、流体の流速を変化させた。こ
のとき、第1の発熱抵抗体22側の電流若しくは第2の
発熱抵抗体23側の電流が変化した場合に差電圧Vduが
どのような影響を受けるかを測定したものである。減算
器として機能する演算増幅器36の増幅率は1とした。
【0164】図24は第1の発熱抵抗体22側の電流I
u を変化させたときの差電圧Vduの変化の様子を示す。
この測定例によれば、電流Iu が0.002Aのときの
流体の流れ0〔L/H〕,100〔L/H〕,200
〔L/H〕相当による差電圧Vduの出力が、電流Iu の
変化により変わることがわかる。電流Iu が0.002
05Aに変化すると、100〔L/H〕相当のときの差
電圧Vduの値は、電流Iu が0.002Aで0〔L/
H〕相当時の差電圧Vduの値より小さくなっている。こ
のように電流Iu の変化が差電圧Vduの値に大きく影響
する。
【0165】次に、電流Iu ,Id が等しく変化した場
合の測定例を図25に示す。即ち、I=Iu =Id と
し、Iが変化した場合の差電圧Vduの出力を示してい
る。図24と図25との測定結果を比較すると、図25
における差電圧Vduの変化の方が小さいことがわかる。
つまり、図23に示したような構成で第1,2の発熱抵
抗体22,23に対する電流源が別々であると、差電圧
Vduが変化しやすいことがわかる。
【0166】そこで、本実施の形態の流量測定装置31
1では、流体中に晒される第1,2の発熱抵抗体の抵抗
値の変化に基づき流体の流量を測定する場合に、測定結
果に及ぼす電流値の影響を小さくして、測定精度を向上
させ得るように構成されている。まず、電力の供給を受
けて発熱する第1,2の発熱抵抗体22,23が設けら
れている。これらの発熱抵抗体22,23は大きな抵抗
温度係数を有するものであって、ともに流体の流路中に
配設される、即ち、流体の熱的な結合がある箇所に設置
されるもので、例えば、第1の発熱抵抗体22が上流側
とされる。これらの第1,2の発熱抵抗体22,23は
定電流Iを流す定電流源312とともに直列に接続され
ている。これにより、第1,2の発熱抵抗体22,23
が電流的に直列に接続された抵抗体列313が形成され
ている。また、第1の発熱抵抗体22のA,B点の電圧
A ,VB に基づき端子電圧V1 を測定する第1の電圧
測定手段として電圧測定装置314が設けられている。
即ち、電圧測定装置314は電圧VA ,VB の差を演算
して第1の発熱抵抗体22のA,B点間の電圧に対応し
た端子電圧V1 を出力する。同様に、第2の発熱抵抗体
23のB,C点の電圧VB ,VC に基づき端子電圧V2
を測定する第2の電圧測定手段として電圧測定装置31
5が設けられている。即ち、電圧測定装置315は電圧
B ,VC の差を演算して第2の発熱抵抗体23のB,
C点間の電圧に対応した端子電圧V2を出力する。ここ
に、これらの電圧測定装置314,315の入力インピ
ーダンスは、第1,2の発熱抵抗体22,23のインピ
ーダンスに比べて十分大きな値に設定されている。
【0167】このような構成において、定電流源312
からの定電流IはA点から第1の発熱抵抗体22へ流
れ、さらにB点から第2の発熱抵抗体23へ流れる。よ
って、第1,2の発熱抵抗体22,23には等しい定電
流Iが流れる。よって、A,B,C点の電圧VA
B ,VC は、発熱抵抗体22,23の抵抗値をR1
2で表すものとすると、 VA =I×(R1 +R2 ) VB =I×R2C =0 となる。よって、電圧測定装置314はVA −VB を求
めることにより、例えば、 V1 =I×R なる端子電圧V を出力する。同様に、電圧測定装置
315はVB −VC を求めることにより、例えば、 V2 =I×R2 なる端子電圧V2 を出力する。つまり、端子電圧V1
第1の発熱抵抗体22の抵抗値に対応した電圧値とな
り、端子電圧V2 は第2の発熱抵抗体23の抵抗値に対
応した電圧値となる。
【0168】従って、本実施の形態によれば、第1,2
の発熱抵抗体22,23は定電流Iによって発熱する
が、流体中に晒されているため、この熱は流体へ奪われ
る。このとき、奪われる熱は流体の流速に対応してい
る。一方、第1,2の発熱抵抗体22,23はその温度
により抵抗値が変化するため、これらの第1,2の発熱
抵抗体22,23の抵抗値に対応した端子電圧V1 ,V
2 は流体の流速に対応した値となるので、流量を求める
ことができる。この際、第1,2の発熱抵抗体22,2
3は抵抗体列313として電流的に直列に接続されてい
るので、これらの発熱抵抗体22,23に対して1つの
定電流源312により常に等しい電流を流すことがで
き、よって、流量測定に及ぼす電流値の影響を小さくす
ることができ、測定精度を向上させることができる。
【0169】本発明の第十一の実施の形態を図26に基
づいて説明する。本実施の形態の流量測定装置321で
は、電圧測定装置314,315の出力電圧である端子
電圧V1 ,V2 の差電圧V3 を演算する減算手段として
減算装置322が付加されている。この減算装置322
も構成的には電圧測定装置314,315と同様であ
る。
【0170】従って、減算装置322は V3 =V1 −V2 =I×(R1 −R2 ) なる差電圧V3 を出力する。よって、差電圧V3 も第
1,2の発熱抵抗体22,23の抵抗値の差に対応した
値となる。従って、減算装置322を追加することによ
り、第1,2の発熱抵抗体22,23の抵抗値の差の測
定精度が向上する。
【0171】本発明の第十二の実施の形態を図27に基
づいて説明する。本実施の形態の流量測定装置331で
は、第1,2の発熱抵抗体22,23間に抵抗体332
を介在させて電流的に直列接続された抵抗体列333が
形成されている。ここに、抵抗体332は発熱抵抗体2
2,23とは異なり小さな抵抗温度係数のものが用いら
れ、かつ、流体と熱的に関係しない箇所に配設されてい
る。
【0172】本実施の形態においては、第1,2の発熱
抵抗体22,23は各々オペアンプ334,335の帰
還ループ内に接続されて設けられている。即ち、第1の
発熱抵抗体22の一端のD点はオペアンプ334の出力
端子に接続され、他端のE点はオペアンプ334の−入
力端子に接続されている。同様に、第2の発熱抵抗体2
3の一端のG点はオペアンプ335の出力端子に接続さ
れ、他端のF点はオペアンプ335の−入力端子に接続
されている。発熱抵抗体22,23間に介在された抵抗
体332は、一端のE点でオペアンプ334の−入力端
子に接続され、他端のF点でオペアンプ335の−入力
端子に接続されている。前記オペアンプ334,335
の各々の+入力端子には電圧VH ,VI が入力されるよ
うに定電圧源336,337が接続されている。J点は
回路の基準電圧のゼロ電圧点である。これにより、後述
するように、3つの抵抗体22,23,332は経路
D,E,F,Gにおいて電流的に直列に接続されている
ことになり、かつ、E〜F点間の何れかの箇所がゼロ電
位点となる。
【0173】ここに、オペアンプの入力インピーダンス
は大きく、その入力端子には電流が流れない。従って、
オペアンプ334の出力からの電流はD点から第1の発
熱抵抗体22へ流れる。この第1の発熱抵抗体22へ流
れる電流はE点へ向い流れる。このとき、E点からオペ
アンプ334の−入力端子へは電流が流れない。よっ
て、第1の発熱抵抗体22からE点へ流れた電流は抵抗
体332を通りF点へ流れる。この場合も、F点からオ
ペアンプ335の−入力端子へは電流が流れない。よっ
て、抵抗体332からF点へ流れた電流は第2の発熱抵
抗体23を通りG点、従って、オペアンプ335の出力
端子側へ流れる。よって、3つの抵抗体22,23,3
32は、経路D,E,F,Gにおいて電流的に直列に接
続されている。
【0174】このような構成において、オペアンプ33
4,335は各々発熱抵抗体22,23によりフィード
バック制御されているため、+入力端子と−入力端子と
は仮想接地され、等電位となる。つまり、オペアンプ3
34の−入力端子に接続されたE点の電圧は電圧VH
等しくなり、同様に、オペアンプ335の−入力端子に
接続されたF点の電圧は電圧VI と等しくなる。
【0175】この結果、E点からF点へ向かって抵抗体
332を流れる電流Iは、オームの法則に従い、 I=(VH −VI )/R3 となる。この際、抵抗体22,23,332は電流的に
直列に接続されているため、この電流Iはオペアンプ3
34から流れ出し、D,E,F,G点の経路を経てオペ
アンプ335へ流れる。
【0176】いま、電圧VH ,VI を一定電圧とし、抵
抗体332の抵抗値が変化しないものとすれば、電流I
は定電流となる。これにより、第1,2の発熱抵抗体2
2,23に対しても常に定電流を流すことができる。従
って、本実施の形態の場合には、一定電圧VH ,VI
供給する定電圧源336,337とオペアンプ334,
335との組み合わせにより定電流源338が形成され
ている。
【0177】この時、D点の電圧VD とG点の電圧VG
は、各々 VD =I×R1 +VHG =−I×R2 +VI となる。ここで、例えば、VH =1V,VI =−1Vと
したとき、電流I=2mAとするには、 R3 =(1−(−1))/0.002=1000 となり、抵抗体332の抵抗値を1kΩとすればよいこ
とになる。
【0178】このような定電流Iが流れることにより、
第1,2の発熱抵抗体22,23は発熱する。ここに、
これらの発熱抵抗体22,23は大きな抵抗温度係数を
持つため、環境温度や流体の温度や流体の流れにより抵
抗値が変化する。この抵抗値の変化の範囲が各々約50
0〜750Ω程度の抵抗体を用いた場合、D点には2〜
2.5Vの電圧が現われ、G点には−2〜−2.5Vの
電圧が現われる。そこで、D点の電圧VD から定電圧V
H を減算すると、第1の発熱抵抗体22の両端間の端子
電圧に対応した電圧が求められる。同様に、G点の電圧
G から定電圧VI を減算すると、第2の発熱抵抗体2
3の両端間の端子電圧に対応した電圧が求められる。
【0179】ちなみに、本実施の形態では、VH =1
V,VI =−1Vとしたが、VH =0.5V,VI =−
0.5Vの如く低電圧化し、抵抗体332の抵抗値を5
00Ωとすると、D点の電圧VD の電圧の範囲は1.5
〜5V、G点の電圧VG の電圧の範囲は−1.5〜−2
Vとなる。また、VI =0Vとすれば、F点が0Vとな
る。これにより、定電圧源337を省略することができ
る。このとき、VH =1Vとし、抵抗体332の抵抗値
を500Ωとすれば、D点の電圧VD の電圧の範囲は2
〜2.5V、G点の電圧VG の電圧の範囲は−1〜−
1.5Vとなる。
【0180】このように、E点の電圧を正にし、F点の
電圧を負にすることにより、発熱抵抗体22,23をつ
なぐ経路EF間にゼロ電位点を持たせることができ、発
熱抵抗体22,23の端子電圧の測定に必要な電圧の大
きさを低く抑えることができる。この点は、例えば電池
駆動等のガスメータ等においては大きなメリットとな
る。
【0181】なお、本実施の形態に関して、第1,2の
発熱抵抗体22,23は何れが上流側であってもよく
(以下の各実施の形態でも同様である)、VH ,VI
正・負に関しても逆にVH 側を負,VI 側を正としても
よい。
【0182】本発明の第十三の実施の形態を図28に基
づいて説明する。本実施の形態の流量測定装置341で
は、オペアンプ334,335の出力電圧であるVD
Gを加算する加算手段である加算器342が付加され
ている。VD は第1の発熱抵抗体22の両端の端子電圧
の内で絶対値の大きい方の端子電圧を意味し、VG は第
2の発熱抵抗体23の両端の端子電圧の内で絶対値の大
きい方の端子電圧を意味する。前記加算器342はオペ
アンプ343とこのオペアンプ343に対する入力、帰
還用の複数の抵抗体344〜347とにより構成されて
いる。
【0183】このような構成において、抵抗体344,
345の抵抗値を等しくし、電圧VH ,VI をVH =−
I なる関係とすると、D点の電圧VD とG点の電圧V
G は前述した式より、 VD =I×R1 +VHG =−I×R2 −VH となる。
【0184】接続経路D,E,F,Gにおいて、ゼロ電
位点は点E〜F間に存在する。従って、第1の発熱抵抗
体22の両端の点D,Eの電圧の絶対値は点Dの方が大
きい。同様に、第2の発熱抵抗体23の両端の点F,G
の電圧の絶対値は点Gの方が大きい。そこで、加算器3
42は点Dの電圧VD と点Gの電圧VG とを加算し、加
算電圧VK として出力する。この加算電圧VK は VK =−R6 ×(VD /R4 +VG /R5 ) となる。従って、前式を代入すると、 VK =−R6 /R4 ×{I×R1 +VH +(I×R2 )−VH } =−R6 /R4 ×I×(R1 −R2 ) となる。
【0185】この結果、電圧VH ,VI の値を一定とす
ると、電流Iは定電流となる。すると、この式から加算
器342の加算電圧VK は第1,2の発熱抵抗体22,
23の抵抗値の差に比例した出力になることがわかる。
よって、この加算器342の出力により発熱抵抗体2
2,23の抵抗値の差の成分のみを抽出することがで
き、測定精度が向上する。
【0186】本発明の第十四の実施の形態を図29に基
づいて説明する。本実施の形態の流量測定装置351で
は、図22に示したような抵抗体列313中の第2の発
熱抵抗体23がオペアンプ352の帰還ループに接続さ
れて構成されている。即ち、発熱抵抗体22,23の接
続点Bがオペアンプ352の−入力端子に接続され、発
熱抵抗体23の他端側のC点がオペアンプ352の出力
端子に接続されている。これにより、発熱抵抗体22,
23の接続点Bはオペアンプ352により仮想接地され
ている。オペアンプ352の+入力端子には任意の一定
電圧VL が与えられている。
【0187】このような構成において、定電流源312
からの定電流IはA点から第1の発熱抵抗体22へ流
れ、さらにB点へ向かう。このB点へ流れる電流は、入
力インピーダンスの大きなオペアンプ352の−入力端
子へは流れず、第2の発熱抵抗体23へ流れ、C点へ向
かう。ここに、第1,2の発熱抵抗体22,23は電流
的に直列に接続されていることになる。
【0188】このとき、オペアンプ352は第2の発熱
抵抗体23によりフィードバック制御されるため、その
−入力端子と+入力端子との間は仮想接地となり、等電
位となる。つまり、B点の電圧はL点の一定電圧VL
等しくなる。よって、A点の電圧VA ,C点の電圧VC
は、 VA =I×R1 +VLC =−I×R2 +VL となる。これにより、電圧VA ,VC は各々の発熱抵抗
体22,23の抵抗値に比例した値になることがわか
る。
【0189】よって、本実施の形態によれば、定電流I
を流すことにより、第1,2の発熱抵抗体22,23は
発熱する。ここに、これらの発熱抵抗体22,23は大
きな抵抗温度係数を持つため、環境温度や流体の温度や
流体の流れにより抵抗値が変化する。この抵抗値の変化
の範囲が各々約500〜750Ω程度の抵抗体を用い、
一定電圧VL =0Vとし、定電流I=2mAとした場
合、A点には1〜1.5Vの電圧が現われ、C点には−
1〜−1.5Vの電圧が現われる。これらの電圧の変化
から流体の流れを知ることができる。この結果、発熱抵
抗体22,23を直列接続し、定電流を流す場合であっ
ても、図27や図28の抵抗体332のようなゼロ電位
点を持たせるための抵抗等を要せず、さらに低い電圧で
回路を動作させることができる。
【0190】本発明の第十五の実施の形態を図30に基
づいて説明する。本実施の形態の流量測定装置361で
は、抵抗体列313の両端間の電圧、即ち、A点の電圧
AとC点の電圧VC とを加算する加算手段である加算
器362が付加されている。この加算器362は構成的
には加算器342と同じであり、オペアンプ343とこ
のオペアンプ343に対する入力、帰還用の複数の抵抗
体344〜347とにより構成されている。従って、加
算器362から出力される加算電圧VK は、 VK =−R6 ×(VA /R4 +VC /R5 ) となる。いま、VL =0V、抵抗体344,345の抵
抗値を等しくすると、上式は、 VK =−R6 /R4 ×{I×R1 +(−1)×R2 } =−R6 /R4 ×I×(R1 −R2 ) となる。
【0191】従って、電流Iを一定とすると、加算器3
62の加算出力VK は第1,2の発熱抵抗体22,23
の抵抗値の差に比例した値となる。よって、この加算器
362の出力により発熱抵抗体22,23の抵抗値の差
の成分のみを抽出することができ、測定精度が向上す
る。
【0192】本発明の第十六の実施の形態を図31に基
づいて説明する。本実施の形態の流量測定装置371で
は、図30に示した構成に加えて、A点と加算器362
の+入力側との間に電圧フォロワによりインピーダンス
変換手段372として機能するオペアンプ373が介在
されている。
【0193】このような構成において、まず、オペアン
プ373がない場合(図30の構成の場合)を考察す
る。この場合、定電流源312からの電流Iの一部はA
点から加算器362側に向い流れる。この分岐電流は加
算器362の入力インピーダンスに依存するよって、A
点から第1,2の発熱抵抗体22,23側へ流れる電流
は定電流Iとはならず減ってしまう。また、A点の電圧
A は第1の発熱抵抗体22の抵抗値により変化する。
A点の電圧VA が変化すると、A点から加算器362へ
流れる電流も変化する。ここに、流量を正確に測定する
ためには、第1,2の発熱抵抗体22,23の抵抗値の
変化を精密に測定する必要があるが、A点から加算器3
62へ漏れる電流の変化は第1,2の発熱抵抗体22,
23の抵抗値の測定の誤差の一因となる。
【0194】この点、本実施の形態のように、加算器3
62の入力段にオペアンプ373を介在させることによ
り、このような不都合が回避される。即ち、インピーダ
ンス変換手段372の入力インピーダンスはオペアンプ
373の入力インピーダンスにより規定されるが、この
オペアンプ373の入力インピーダンスは理想的には無
限大であり、実際の製品においても、106 〜109 Ω
程度のものが存在している。従って、例えば、第1の発
熱抵抗体22の抵抗値としては103 Ω程度のものを用
い、オペアンプ373には入力インピーダンスの大きい
ものを用いれば、A点からオペアンプ373側に流れる
電流を無視できる程度に少なく抑えることができる。従
って、第1,2の発熱抵抗体22,23に流れる電流I
に加算器362が与える影響をオペアンプ373の大き
な入力インピーダンスによって低減させることができ
る。
【0195】本発明の第十七の実施の形態を図32に基
づいて説明する。本実施の形態の流量測定装置381
は、図示例からもわかるように、構成的には図31に示
した流量測定装置371の場合と全く同様であるが、こ
の構成に用いられている3つのオペアンプ343,35
2,373が同じシリコンウエハ上に形成されて同じパ
ッケージに封入されたものが用いられている点を特徴と
している。具体的には、BURR‐BROWN社製のO
PA404や、LINEAR TECHNOLOGY社
製のLT1179のような4回路入りオペアンプの内3
回路分をオペアンプ343,352,373として用い
ることにより容易に実現できる。この場合、加算器36
2における抵抗体344,345,346の抵抗値は等
しくする。
【0196】このような同一パッケージのオペアンプを
用いるのはオペアンプに存在するオフセット電圧を考慮
したためである。即ち、オペアンプにはオフセット電圧
が存在し、仮想接地動作状態にあっても、現実には−入
力端子と+入力端子との間を同一電圧にするのは難し
い。そこで、オペアンプのオフセット電圧を考える。3
つのオペアンプ343,352,373のオフセット電
圧を各々VO1,VO2,VO3とすると、接続点であるB点
の電圧VB は、 VB =−VO1 となる。ここに、定電流源312から電流Iが流れる
と、A点及びC点の電圧VA ,VC は、 VA =VB +I×R1 =I×R1 −VO1C =VB −I×R2 =−I×R2 −VO1 となる。オペアンプ373の出力電圧VA は、 VA =VA −VO2 =I×R1 −VO1−VO2 となる。
【0197】ここでは、抵抗体344,345,346
の抵抗値は等しいので、R4 =R5=R6 =Rとする
と、加算器362から出力される加算電圧VK は、 VK =VO3−{(VA −VO3)/R+(VC −VO3)/R}×R =−3×VO3−VA −VC =−3×VO3+2×VO1+VO2−I×(R2 −R1 ) となる。つまり、第1,2の発熱抵抗体22,23の抵
抗値の差成分の他にオペアンプ343,352,373
のオフセット電圧VO1,VO2,VO3成分が加算電圧VK
中に残ってしまう。
【0198】例えば、LINEAR TECHNOLO
GY社製のLT1179の場合、環境温度25℃におい
て100μV程度のオフセット電圧を生ずることがあ
る。さらに、オフセット電圧は環境温度や経時的な影響
を受けても変化してしまう。
【0199】この点、3つのオペアンプ343,35
2,373のオフセット電圧が等しく、VO1=VO2=V
O3=VO であるとすると、上式は、 VK =−I×(R2 −R1 ) となり、オフセット電圧の影響を受けなくなる。
【0200】ここに、完全に等しいオフセット電圧を持
つオペアンプを作製するのは極めて困難であるが、同じ
シリコンウエハ上に形成されたものを用いればオフセッ
ト電圧が極めて近似したものを揃えることができる。例
えば、前述したBURR‐BROWN社製のOPA40
4や、LINEAR TECHNOLOGY社製のLT
1179のような4回路入りオペアンプの内3回路分を
オペアンプ343,352,373として用いれば、オ
ペアンプ間のオフセット電圧の違いを最小にすることが
できる。特に、同一パッケージに封入されたものを用い
れば、3つのオペアンプ343,352,373を熱的
にも同じ状態にすることができる。この結果、オフセッ
ト電圧の温度変化に対しても3つのオペアンプ343,
352,373のオフセット電圧の変化を同じ傾向に揃
えることができ、第1,2の発熱抵抗体22,23の抵
抗値測定に与えるオフセット電圧の影響を最小にするこ
とができる。
【0201】なお、実施する上では、例示した2つのI
C商品例に限らず、かつ、オペアンプICにも限らず、
図示の如く回路全体をシリコンウエハ上に作製して同一
のパッケージに封入するようにしたものであってもよ
い。
【0202】本発明の実施の第十八の形態を図33に基
づいて説明する。本実施の形態の流量測定装置391
は、例えば図32に示した構成の流量測定装置381に
適用されており、この流量測定装置381の回路382
を動作させるための電池等による電源392が設けら
れ、この電源392から前記回路382への電力供給を
断続するスイッチ手段としてスイッチ393が設けられ
ている。このスイッチ393は外部から制御回路によっ
て自動的に任意の時点で任意に開閉し得るものである。
【0203】このような構成において、流量を測定する
場合には、スイッチ393を閉じて電源392から電力
を回路382へ供給する。これにより、回路382は前
述したような動作を行うことができ、第1,2の発熱抵
抗体22,23へは電流が供給される。一方、流量を測
定する必要がない時にはスイッチ393を開放させるこ
とにより電源392から回路382への電力の供給を止
める。これにより、回路382は動作できなくなり、第
1,2の発熱抵抗体22,23へも電流が流れなくな
る。このように、流量測定を行う必要がない時には電流
値をゼロにすることで無駄に消費する電力を低減させる
ことができる。特に、電源392を電池とする場合にお
いては、電池交換なしで測定動作を行わせ得る期間を長
くすることができる。
【0204】なお、測定を行う必要がない場合に第1,
2の発熱抵抗体22,23へ流す電流をゼロとするため
に回路382への電力供給をスイッチ393で断つよう
にしたが、定電流源312から抵抗体列313への接続
経路を断つことにより、この電流をゼロとするようにし
てもよい。また、本実施の形態が適用される回路382
としては、図32に示したような回路に限らず、前述し
た第十ないし第十六の何れの実施の形態であっても同様
に適用し得る。
【0205】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、流体の流
路に配置される第1の発熱抵抗体と、この第1の発熱抵
抗体の下流に配置される第2の発熱抵抗体と、第1,2
の発熱抵抗体の各々に電力を供給する給電手段と、第
1,2の発熱抵抗体の各々の発熱要因値を直接的又は間
接的に測定する測定手段と、測定された第1の発熱抵抗
体の発熱要因値を第2の発熱抵抗体の発熱要因値から減
算する減算処理手段と、この減算結果と測定された第1
又は第2の発熱抵抗体の一方の発熱要因値とを乗除演算
する演算処理手段とを備えたので、流体の流動により上
流の発熱抵抗体から下流の発熱抵抗体に伝達される熱量
に対応した発熱要因値に基づき流体の流量を算出するこ
ととなり、流体の流量を正確に測定することができ、発
熱抵抗体の経時劣化による流量の測定精度の低下を防止
することができ、また、平衡ブリッジ回路を形成するこ
となく給電手段から発熱抵抗体に直接に電力を供給する
ので、発熱抵抗体の消費電力を軽減することができ、所
望の温度に発熱する発熱抵抗体を容易に形成することが
できる。
【0206】請求項2記載の発明によれば、流体の流路
に配置される第1の発熱抵抗体と、この第1の発熱抵抗
体の下流に配置される第2の発熱抵抗体と、第1,2の
発熱抵抗体に各々電力を供給する給電手段と、第1,2
の発熱抵抗体の各々の発熱温度を測定する温度測定手段
と、測定された第1の発熱抵抗体の発熱温度を第2の発
熱抵抗体の発熱温度から減算する減算処理手段と、この
減算結果を測定された第1又は第2の発熱抵抗体の一方
の発熱温度で除算する除算処理手段とを備えたので、流
体の流動により上流の発熱抵抗体から下流の発熱抵抗体
に伝達される熱量に対応して流体の流量を算出すること
となり、流体の流量を正確に測定することができ、発熱
抵抗体の経時劣化による流量の測定精度の低下を防止す
ることができ、また、平衡ブリッジ回路を形成すること
なく給電手段から発熱抵抗体に直接に電力を供給するの
で、発熱抵抗体の消費電力を軽減することができ、所望
の温度に発熱する発熱抵抗体を容易に形成することがで
きる。
【0207】請求項3記載の発明によれば、給電手段が
1個の駆動電源からなり、この駆動電源と第1,2の発
熱抵抗体とが直列に接続されているので、第1,2の発
熱抵抗体に完全に同一の電流を供給させることができ、
第1,2の発熱抵抗体が発生する熱量を完全に同一とし
て正確に流体の流量を測定することができ、小型軽量化
や生産性向上を図ることもできる。
【0208】請求項4記載の発明によれば、除算処理手
段が、差分を算出するための2つの発熱温度の少なくと
も一方に定数を乗算するようにしたので、第1,2の発
熱抵抗体の温度係数が製造誤差や経時劣化のために相違
しても、これを定数の乗算により計算上で同一とするこ
とができ、よって、発熱抵抗体の製造誤差や経時劣化に
関係なく流体の流量を正確に測定することができる請求
項5記載の発明によれば、第1,2の発熱抵抗体に供給
される各々の電流量を測定する電流検出手段を備え、温
度測定手段が、電流検出手段による電流量の測定結果に
基づいて第1,2の発熱抵抗体の各々の発熱温度を算出
するようにしたので、第1,2の発熱抵抗体の発熱温度
が実測した電流量に基づいて算出されるため、より正確
に流体の流量を測定することができる。
【0209】請求項6記載の発明によれば、第1,2の
発熱抵抗体に対して熱的に絶縁された位置に配置される
第3の抵抗体と、この第3の抵抗体に発熱には不充分な
電力を供給する第3の給電手段と、第3の抵抗体の温度
を測定する第3の測定手段とを備え、温度測定手段が、
第3の抵抗体の測定温度に基づいて第1,2の発熱抵抗
体の各々の発熱温度を算出するようにしたので、第1,
2の発熱抵抗体の発熱温度が流体の温度の実測値に基づ
いて算出されるため、より正確に流体の流量を測定する
ことができる。
【0210】請求項7記載の発明によれば、第1,2の
発熱抵抗体の各々の抵抗値を測定する抵抗測定手段と、
測定された各々の抵抗値を記憶する抵抗記憶手段とを備
え、温度測定手段が、記憶された抵抗値に基づいて第
1,2の発熱抵抗体の各々の発熱温度を算出するように
したので、第1,2の発熱抵抗体の発熱温度が基準状態
の抵抗値に基づいて算出されるため、より正確に流体の
流量を測定することができる。
【0211】請求項8記載の発明によれば、流体の流路
に配置される抵抗温度係数が大きい第1の発熱抵抗体
と、この第1の発熱抵抗体と抵抗温度係数及び基準状態
での抵抗値が同一で第1の発熱抵抗体の下流に配置され
る第2の発熱抵抗体と、第1の発熱抵抗体に電圧可変で
電流一定の電力を供給する第1の給電手段と、この第1
の給電手段と同一の電力を第2の発熱抵抗体に供給する
第2の給電手段と、第1の発熱抵抗体の両端電圧を測定
する第1の測定手段と、第2の発熱抵抗体の両端電圧を
測定する第2の測定手段と、第1の測定手段の測定電圧
を第2の測定手段の測定電圧から減算する減算処理手段
と、その減算結果を第1の測定手段の測定電圧で除算す
る除算処理手段とを備えたので、第1の測定手段の測定
電圧が第2の測定手段の測定電圧から減算され、この減
算結果が第1の測定手段の測定電圧で除算されるため、
この計算結果は流量が“0”の場合には“0”となるの
で、これに基づいて流体の流動の有無を正確に判定する
ことができ、上述の計算結果は流体の流量に線形に対応
するため、これに基づいて流体の流量を測定することも
できる。
【0212】請求項9記載の発明によれば、流体の流路
に配置される抵抗温度係数が大きい第1の発熱抵抗体
と、この第1の発熱抵抗体の下流に配置される抵抗温度
係数が大きい第2の発熱抵抗体と、第1の発熱抵抗体に
電圧可変で電流一定の電力を供給する第1の給電手段
と、第2の発熱抵抗体に電圧可変で電流一定の電力を供
給する第2の給電手段と、第1の発熱抵抗体の両端電圧
を測定する第1の測定手段と、第2の発熱抵抗体の両端
電圧を測定する第2の測定手段と、第1の測定手段の測
定電圧に所定の補正係数を乗算する係数乗算手段と、そ
の乗算結果を第2の測定手段の測定電圧から減算する減
算処理手段と、その減算結果を第1の測定手段の測定電
圧で除算する除算処理手段とを備えたので、第1の測定
手段の測定電圧に所定の補正係数が乗算され、この乗算
結果が第2の測定手段の測定電圧から減算され、この減
算結果が第1の測定手段の測定電圧で除算されるため、
第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵抗体との抵抗値や電流
量等の条件が相違しても、流量が“0”の場合には上述
の計算結果を“0”とすることができるので、これに基
づいて流体の流動の有無を正確に判定することができ、
上述の計算結果は流体の流量に線形に対応するため、こ
れに基づいて流体の流量を測定することもできる。
【0213】請求項10記載の発明によれば、係数乗算
手段は、所定温度で流量“0”の基準状態での第2の発
熱抵抗体の抵抗値を第1の発熱抵抗体の抵抗値で除算し
た結果の数値が補正係数として設定されているので、こ
の補正係数が第1の発熱抵抗体の両端電圧に乗算される
ため、第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵抗体との抵抗値
等が相違しても、流体の流量が“0”の場合には計算結
果を“0”とすることができ、流体の流動の有無を正確
に判定することができる。
【0214】請求項11記載の発明によれば、所定温度
で流量“0”の基準状態での第2の測定手段の測定電圧
を第1の測定手段の測定電圧で除算した結果の数値が補
正係数として設定されているので、この補正係数が第1
の発熱抵抗体の両端電圧に乗算されるため、第1の発熱
抵抗体と第2の発熱抵抗体との抵抗値や電流量が相違し
ても、流体の流量が“0”の場合には計算結果を“0”
とすることができ、流体の流動の有無を正確に判定する
ことができる。
【0215】請求項12記載の発明によれば、第1の測
定手段の測定電圧をm乗するm乗処理手段と、第2の測
定手段の測定電圧をn乗するn乗処理手段と、除算処理
手段の除算結果にm乗処理手段のm乗結果とn乗処理手
段のn乗結果とを乗算する結果補正手段とを備えている
ので、流体の流量の測定結果である計算結果が、第1の
発熱抵抗体の両端電圧のm乗結果と第2の発熱抵抗体の
両端電圧のn乗結果との乗算により補正されるため、第
1の発熱抵抗体と第2の発熱抵抗体との温度補正の割合
が乗数“m,n”により調節され、流体の流量の測定結
果に対する温度の影響を軽減することができ、流体の流
量を温度に関係なく正確に測定することができる。
【0216】請求項13記載の発明によれば、“m=
1,n=1”であるので、流体の流量の測定結果である
計算結果に第1の発熱抵抗体の両端電圧のm乗結果と第
2の発熱抵抗体の両端電圧のn乗結果とを乗算する演算
処理を、累乗を必要としない単純な乗算として実行する
ことができ、演算処理を単純化してハードウェアやソフ
トウェアの構造を簡略化することができる。
【0217】請求項14記載の発明によれば、“m+n
=1.5”なる関係を満足するので、第1の発熱抵抗体
と第2の発熱抵抗体との温度補正の割合を最適に調節で
きるため、流体の流量を温度に関係なく正確に測定する
ことができる。
【0218】請求項15記載の発明によれば、流体の流
路に配置される抵抗温度係数が大きい第1の発熱抵抗体
と、この第1の発熱抵抗体と抵抗温度係数及び基準状態
での抵抗値が同一で第1の発熱抵抗体の下流に配置され
る第2の発熱抵抗体と、第1の発熱抵抗体に電圧可変で
電流一定の電力を供給する第1の給電手段と、この第1
の給電手段と同一の電力を第2の発熱抵抗体に供給する
第2の給電手段と、第1の発熱抵抗体の両端電圧を測定
する第1の測定手段と、第2の発熱抵抗体の両端電圧を
測定する第2の測定手段と、この第2の測定手段の測定
電圧から第1の測定手段の測定電圧を減算する減算処理
手段と、この減算結果に第2の測定手段の測定電圧を乗
算する乗算処理手段とを備えたので、第2の測定手段の
測定電圧から第1の測定手段の測定電圧が減算され、こ
の減算結果に第2の測定手段の測定電圧が乗算されるた
め、この計算結果は流量が“0”の場合には“0”とな
るので、これに基づいて流体の流動の有無を正確に判定
することができ、上述の計算結果は流体の流量に線形に
対応するため、これに基づいて流体の流量を測定するこ
ともできる。
【0219】請求項16記載の発明によれば、流体の流
路に配置される抵抗温度係数が大きい第1の発熱抵抗体
と、この第1の発熱抵抗体の下流に配置される抵抗温度
係数が大きい第2の発熱抵抗体と、第1の発熱抵抗体に
電圧可変で電流一定の電力を供給する第1の給電手段
と、第2の発熱抵抗体に電圧可変で電流一定の電力を供
給する第2の給電手段と、第1の発熱抵抗体の両端電圧
を測定する第1の測定手段と、第2の発熱抵抗体の両端
電圧を測定する第2の測定手段と、この第2の測定手段
の測定電圧から第1の測定手段の測定電圧を減算する減
算処理手段と、第1の測定手段の測定電圧に所定の補正
係数を乗算する係数乗算手段と、その乗算結果を減算処
理手段の減算結果に加算する加算処理手段と、その加算
結果に第2の測定手段の測定電圧を乗算する乗算処理手
段とを備えたので、第2の測定手段の測定電圧から第1
の測定手段の測定電圧が減算され、第1の測定手段の測
定電圧に所定の補正係数が乗算され、この乗算結果が上
述の減算結果に加算され、この加算結果に第2の測定手
段の測定電圧が乗算されるため、第1の発熱抵抗体と第
2の発熱抵抗体との抵抗値や電流量等の条件が相違して
も、流量が“0”の場合に上述の計算結果を“0”とす
ることができるため、これに基づいて流体の流動の有無
を正確に判定することができ、上述の計算結果は流体の
流量に線形に対応するので、これに基づいて流体の流量
を測定することもできる。
【0220】請求項17記載の発明によれば、係数乗算
手段が、所定温度で流量“0”の基準状態での第2の発
熱抵抗体の抵抗値を第1の発熱抵抗体の抵抗値で除算し
た結果を“1”から減算した結果の数値が補正係数とし
て設定されているので、この補正係数が第1の発熱抵抗
体の両端電圧に乗算されるため、第1の発熱抵抗体と第
2の発熱抵抗体との抵抗値等が相違しても、流体の流量
が“0”の場合には計算結果を“0”とすることがで
き、流体の流動の有無を正確に判定することができる。
【0221】請求項18記載の発明によれば、係数乗算
手段が、所定温度で流量“0”の基準状態での第2の測
定手段の測定電圧を第1の測定手段の測定電圧で除算し
た結果を“1”から減算した結果の数値が補正係数とし
て設定されているので、この補正係数が第1の発熱抵抗
体の両端電圧に乗算されるため、第1の発熱抵抗体と第
2の発熱抵抗体との抵抗値等が相違しても、流体の流量
が“0”の場合には計算結果を“0”とすることがで
き、流体の流動の有無を正確に判定することができる。
【0222】請求項19記載の発明によれば、係数乗算
手段が、所定温度で流量“0”の基準状態での減算処理
手段の減算結果を第1の測定手段の測定電圧で除算して
正負の符号を反転させた結果の数値が補正係数として設
定されているので、この補正係数が第1の発熱抵抗体の
両端電圧に乗算されるため、第1の発熱抵抗体と第2の
発熱抵抗体との抵抗値等が相違しても、流体の流量が
“0”の場合には計算結果を“0”とすることができ、
特に、補正係数の算出に第1の発熱抵抗体と第2の発熱
抵抗体との差分電圧を利用することができるので、より
正確に流体の流動の有無を判定することができる。
【0223】請求項20記載の発明によれば、第1の測
定手段の測定電圧を(m−1)乗するm乗処理手段と、
第2の測定手段の測定電圧をn乗するn乗処理手段とを
備え、乗算処理手段は、加算処理手段の加算結果にm乗
処理手段の(m−1)乗結果とn乗処理手段のn乗結果
とを乗算するようにしたので、流体の流量の測定結果で
ある計算結果が、第1の発熱抵抗体の両端電圧の(m−
1)乗結果と第2の発熱抵抗体の両端電圧のn乗結果と
の乗算により補正されるため、第1の発熱抵抗体と第2
の発熱抵抗体との温度補正の割合が乗数“m,n”によ
り調節され、流体の流量の測定結果に対する温度の影響
を軽減することができるので、流体の流量を温度に関係
なく正確に測定することができる。
【0224】請求項21記載の発明によれば、第1の測
定手段と第2の測定手段との少なくとも一方の測定電圧
と減算処理手段の減算結果とをアナログ値からデジタル
値に変換するA/D変換器と、そのデジタル変換された
減算結果と測定電圧とを加算するデジタル加算手段と、
その加算結果を第1の測定手段と第2の測定手段との他
方の測定電圧として置換する置換処理手段とを備えたの
で、流量の測定結果の算出に第1の発熱抵抗体と第2の
発熱抵抗体との両方の両端電圧が同時に利用されず、そ
の一方と差分電圧とが利用されるため、2つの両端電圧
と差分電圧とを同時に利用することによる演算処理の不
整合を防止することができ、演算処理の整合性を確保し
て流体の流量を正確に測定することができる。
【0225】請求項22記載の発明によれば、係数乗算
手段は、所定温度で流量“0”の基準状態での第2の測
定手段の測定電圧に対応させた数値から減算処理手段の
減算結果に対応させた数値を減算した結果で、減算処理
手段の減算結果に対応した数値の符号を反転させた数値
を除算した結果の数値が補正係数として設定されている
ので、この補正係数の算出にも第2の発熱抵抗体の両端
電圧のみ利用されて第1の発熱抵抗体の両端電圧は利用
されないため、2つの両端電圧と差分電圧とを同時に利
用することによる演算処理の不整合を防止することがで
き、演算処理の整合性を確保して流体の流量を正確に測
定することができる。
【0226】請求項23記載の発明によれば、第1の発
熱抵抗体と第2の発熱抵抗体との両端電圧を各々測定
し、第1の発熱抵抗体の両端電圧に所定の補正係数を乗
算し、この乗算結果を第2の発熱抵抗体の両端電圧から
減算し、この減算結果を第1の発熱抵抗体の両端電圧で
除算するようにしたので、第1の発熱抵抗体の両端電圧
に所定の補正係数が乗算され、この乗算結果が第2の発
熱抵抗体の両端電圧から減算され、この減算結果が第1
の発熱抵抗体の両端電圧で除算されるため、第1の発熱
抵抗体と第2の発熱抵抗体との抵抗値や電流量等の条件
が相違しても、流量が“0”の場合に上述の計算結果を
“0”とすることができ、これに基づいて流体の流動の
有無を正確に判定することができ、上述の計算結果は流
体の流量に線形に対応するため、これに基づいて流体の
流量を測定することもできる。
【0227】請求項24記載の発明によれば、第1の発
熱抵抗体と第2の発熱抵抗体との両端電圧を各々測定
し、この第2の発熱抵抗体の両端電圧から第1の発熱抵
抗体の両端電圧を減算し、第1の発熱抵抗体の両端電圧
に所定の補正係数を乗算し、この乗算結果を両端電圧の
減算結果に加算し、この加算結果に第2の発熱抵抗体の
両端電圧を乗算するようにしたので、第2の発熱抵抗体
の両端電圧から第1の発熱抵抗体の両端電圧が減算さ
れ、第1の発熱抵抗体の両端電圧に所定の補正係数が乗
算され、この乗算結果が上述の減算結果に加算され、こ
の加算結果に第2の発熱抵抗体の両端電圧が乗算される
ため、第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵抗体との抵抗値
や電流量等の条件が相違しても、流量が“0”の場合に
上述の計算結果を“0”とすることができ、これに基づ
いて流体の流動の有無を正確に判定することができ、上
述の計算結果は流体の流量に線形に対応するので、これ
に基づいて流体の流量を測定することもできる。
【0228】請求項25記載の発明によれば、流体の流
路に配置される第1の発熱抵抗体と、この第1の発熱抵
抗体の下流に配置されて第1の発熱抵抗体と電流的に直
列に接続された第2の発熱抵抗体と、これらの第1,2
の発熱抵抗体の抵抗体列に対して定電流を流す定電流源
と、第1の発熱抵抗体の端子電圧を測定する第1の電圧
測定手段と、第2の発熱抵抗体の端子電圧を測定する第
2の電圧測定手段とを備えたので、第1,2の発熱抵抗
体に対して1つの定電流源により常に等しい電流を流す
ことができ、よって、流量測定に及ぼす電流値の影響を
小さくすることができる。
【0229】請求項26記載の発明によれば、第1の電
圧測定手段の出力電圧と第2の電圧測定手段の出力電圧
との差を演算する減算手段を備えたので、第1,2の発
熱抵抗体の抵抗値の差の測定精度を向上させることがで
きる。
【0230】請求項27記載の発明によれば、流体の流
路に配置される第1の発熱抵抗体と、この第1の発熱抵
抗体の下流に配置されてその接続経路内にゼロ電位点を
持たせて第1の発熱抵抗体と電流的に直列に接続された
第2の発熱抵抗体と、これらの第1,2の発熱抵抗体の
抵抗体列に対して定電流を流す定電流源とを備えたの
で、第1,2の発熱抵抗体に対して1つの定電流源によ
り常に等しい電流を流すことができ、よって、流量測定
に及ぼす電流値の影響を小さくすることができ、特に、
一方の発熱抵抗体の一端の電圧を正に、他方の発熱抵抗
体の一端の電圧を負に設定することにより、これらの発
熱抵抗体をつなぐ接続経路内にゼロ電位点を持たせるこ
とができるので、これらの発熱抵抗体の端子電圧の測定
に必要な電圧値を低く抑えることができ、よって、回路
の動作電圧を低く設定することができ、例えば、電池駆
動する上で有利となる。
【0231】請求項28記載の発明によれば、第1の発
熱抵抗体の両端の端子電圧の内で絶対値の大きい方の端
子電圧と第2の発熱抵抗体の両端の端子電圧の内で絶対
値の大きい方の端子電圧とを加算する加算手段を備えた
ので、第1,2の発熱抵抗体の抵抗値の差の測定精度を
向上させることができる。
【0232】請求項29記載の発明によれば、流体の流
路に配置される抵抗温度係数が大きい第1の発熱抵抗体
と、この第1の発熱抵抗体と抵抗温度係数及び基準状態
での抵抗値が同一で第1の発熱抵抗体の下流に配置され
て電流的に直列に接続された第2の発熱抵抗体と、直列
に接続された第1,2の発熱抵抗体の抵抗体列に対して
定電流を流す定電流源と、第1の発熱抵抗体と第2の発
熱抵抗体との接続点を仮想接地により定電圧に保つオペ
アンプとを備えたので、請求項27記載の発明のように
ゼロ電位点を持たせるための抵抗等を要せず、さらに低
い電圧で回路を動作させることができる。
【0233】請求項30記載の発明によれば、直列に接
続された抵抗体列の両端間の電圧を加算する加算手段を
備えたので、第1,2の発熱抵抗体の抵抗値の差の測定
精度を向上させることができる。
【0234】請求項31記載の発明によれば、加算手段
の入力前段にインピーダンス変換手段を備えたので、第
1,2の発熱抵抗体に流れる電流に加算手段が与える影
響を入力インピーダンスの大きいインピーダンス変換手
段によって低減させることができる。
【0235】請求項32記載の発明によれば、加算手
段、インピーダンス変換手段に各々オペアンプを用い、
仮想接地により接続点を定電圧に保つためのオペアンプ
を含むこれらの3つのオペアンプとして、同一のシリコ
ンウエハ上に形成されて同一のパッケージに封入された
オペアンプを用いるようにしたので、全てのオペアンプ
のオフセット電圧を同じ程度にすることができ、第1,
2の発熱抵抗体の抵抗値差の測定精度を向上させること
ができる。
【0236】請求項33記載の発明によれば、抵抗体列
に対して流す電流値を任意の時点でゼロにするスイッチ
手段を備えたので、流量測定を行う必要がない時には電
流値をゼロにすることで無駄に消費する電力を低減させ
ることができ、よって、特に電池駆動の場合において、
電池交換なしで測定動作を行わせ得る期間を長くするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の流量測定装置を示
すブロック図である。
【図2】第1,2の発熱抵抗体の流量による発熱温度の
変化を示す特性図である。
【図3】流量の算出結果と実際の流量との関係を示す特
性図である。
【図4】一変形例の流量測定装置を示すブロック図であ
る。
【図5】本発明の第二の実施の形態の流量測定装置を示
すブロック図である。
【図6】本発明の第三の実施の形態の流量測定装置を示
すブロック図である。
【図7】本発明の第四の実施形態の流量測定装置を示す
ブロック図である。
【図8】本発明の第五の実施の形態の流量測定装置を示
すブロック図である。
【図9】第一の変形例の流量測定装置を示すブロック図
である。
【図10】第二の変形例の流量測定装置を示すブロック
図である。
【図11】本発明の第六の実施の形態の流量測定装置を
示すブロック図である。
【図12】流体の流量の変化と第1,2の発熱抵抗体の
両端電圧の変化との関係を示す特性図である。
【図13】流体の流量の変化と測定結果との関係を示す
特性図である。
【図14】3種類の温度での流量の測定結果を示す特性
図である。
【図15】3種類の温度での流量の測定結果を所定の乗
数で補正した状態を示す特性図である。
【図16】乗数を変更した状態を示す特性図である。
【図17】さらに乗数を変更した状態を示す特性図であ
る。
【図18】さらに乗数を変更した状態を示す特性図であ
る。
【図19】本発明の第七の実施の形態の流量測定装置を
示すブロック図である。
【図20】本発明の第八の実施の形態の流量測定装置を
示すブロック図である。
【図21】本発明の第九の実施の形態の流量測定装置を
示すブロック図である。
【図22】本発明の第十の実施の形態の流量測定装置を
示す回路図である。
【図23】検討のための構成を示す回路図である。
【図24】その測定結果を示すVdu−Iu 特性図であ
る。
【図25】その条件を変えた場合の測定結果を示すVdu
−Iu 特性図である。
【図26】本発明の第十一の実施の形態の流量測定装置
を示す回路図である。
【図27】本発明の第十二の実施の形態の流量測定装置
を示す回路図である。
【図28】本発明の第十三の実施の形態の流量測定装置
を示す回路図である。
【図29】本発明の第十四の実施の形態の流量測定装置
を示す回路図である。
【図30】本発明の第十五の実施の形態の流量測定装置
を示す回路図である。
【図31】本発明の第十六の実施の形態の流量測定装置
を示す回路図である。
【図32】本発明の第十七の実施の形態の流量測定装置
を示す回路図である。
【図33】本発明の第十八の実施の形態の流量測定装置
を示す回路図である。
【図34】第1の従来例の流量測定装置を示すブロック
図である。
【図35】第2の従来例の流量測定装置を示すブロック
図である。
【図36】第3の従来例の流量測定装置を示す回路図で
ある。
【図37】第4の従来例の流量測定装置を示す回路図で
ある。
【符号の説明】
22 第1の発熱抵抗体 23 第2の発熱抵抗体 24 第1の測定手段 25 第2の測定手段 26 第1の給電手段 27 第2の給電手段 36 減算処理手段 122 第1の発熱抵抗体 123 第2の発熱抵抗体 124,125 給電手段 126,127 温度測定手段 133,142 除算処理手段(演算処理手段) 152 駆動電源(給電手段) 163 電流検出手段 164,165 温度測定手段,抵抗測定手段 172 第3の抵抗体 173 第3の給電手段 174 第3の測定手段 182 給電手段 183 抵抗記憶手段 192,193 給電手段 196,197 電流検出手段 205,206 温度測定手段 207 第3の測定手段 228 A/D変換器 230 係数乗算手段 231 減算処理手段 232 除算処理手段 242 係数乗算手段 243 加算処理手段 244 乗算処理手段 252 第1の給電手段 253 第2の給電手段 254 第1の測定手段 255 第2の測定手段 256 減算処理手段 257 m乗処理手段 258 n乗処理手段 259 乗算処理手段 262 デジタル加算手段 263 m乗処理手段 312 定電流源 313,333 抵抗体列 338 定電流源 342 加算手段 362 加算手段 393 スイッチ手段 314 第1の電圧測定手段 315 第2の電圧測定手段 322 減算手段 342 加算手段 343 オペアンプ 352 オペアンプ 362 加算手段 372 インピーダンス変換手段 373 オペアンプ

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流路に配置される第1の発熱抵抗
    体と、 この第1の発熱抵抗体の下流に配置される第2の発熱抵
    抗体と、 前記第1,2の発熱抵抗体の各々に電力を供給する給電
    手段と、 前記第1,2の発熱抵抗体の各々の発熱要因値を直接的
    又は間接的に測定する測定手段と、 測定された前記第1の発熱抵抗体の発熱要因値を前記第
    2の発熱抵抗体の発熱要因値から減算する減算処理手段
    と、 この減算結果と測定された前記第1又は第2の発熱抵抗
    体の一方の発熱要因値とを乗除演算する演算処理手段
    と、を備えることを特徴とする流量測定装置。
  2. 【請求項2】 流体の流路に配置される第1の発熱抵抗
    体と、 この第1の発熱抵抗体の下流に配置される第2の発熱抵
    抗体と、 前記第1,2の発熱抵抗体に各々電力を供給する給電手
    段と、 前記第1,2の発熱抵抗体の各々の発熱温度を測定する
    温度測定手段と、 測定された前記第1の発熱抵抗体の発熱温度を前記第2
    の発熱抵抗体の発熱温度から減算する減算処理手段と、 この減算結果を測定された前記第1又は第2の発熱抵抗
    体の一方の発熱温度で除算する除算処理手段と、を備え
    ることを特徴とする流量測定装置。
  3. 【請求項3】 給電手段は、1個の駆動電源からなり、
    この駆動電源と第1,2の発熱抵抗体とが直列に接続さ
    れていることを特徴とする請求項2記載の流量測定装
    置。
  4. 【請求項4】 除算処理手段は、差分を算出するための
    2つの発熱温度の少なくとも一方に定数を乗算すること
    を特徴とする請求項2又は3記載の流量測定装置。
  5. 【請求項5】 第1,2の発熱抵抗体に供給される各々
    の電流量を測定する電流検出手段を備え、温度測定手段
    は、前記電流検出手段による電流量の測定結果に基づい
    て前記第1,2の発熱抵抗体の各々の発熱温度を算出す
    ることを特徴とする請求項2,3又は4記載の流量測定
    装置。
  6. 【請求項6】 第1,2の発熱抵抗体に対して熱的に絶
    縁された位置に配置される第3の抵抗体と、この第3の
    抵抗体に発熱には不充分な電力を供給する第3の給電手
    段と、前記第3の抵抗体の温度を測定する第3の測定手
    段とを備え、温度測定手段は、前記第3の抵抗体の測定
    温度に基づいて前記第1,2の発熱抵抗体の各々の発熱
    温度を算出することを特徴とする請求項2ないし5の何
    れか一記載の流量測定装置。
  7. 【請求項7】 第1,2の発熱抵抗体の各々の抵抗値を
    測定する抵抗測定手段と、測定された各々の抵抗値を記
    憶する抵抗記憶手段とを備え、温度測定手段は、記憶さ
    れた抵抗値に基づいて前記第1,2の発熱抵抗体の各々
    の発熱温度を算出することを特徴とする請求項2ないし
    6の何れか一記載の流量測定装置。
  8. 【請求項8】 流体の流路に配置される抵抗温度係数が
    大きい第1の発熱抵抗体と、 この第1の発熱抵抗体と抵抗温度係数及び基準状態での
    抵抗値が同一で前記第1の発熱抵抗体の下流に配置され
    る第2の発熱抵抗体と、 前記第1の発熱抵抗体に電圧可変で電流一定の電力を供
    給する第1の給電手段と、 この第1の給電手段と同一の電力を前記第2の発熱抵抗
    体に供給する第2の給電手段と、 前記第1の発熱抵抗体の両端電圧を測定する第1の測定
    手段と、 前記第2の発熱抵抗体の両端電圧を測定する第2の測定
    手段と、 前記第1の測定手段の測定電圧を前記第2の測定手段の
    測定電圧から減算する減算処理手段と、 その減算結果を前記第1の測定手段の測定電圧で除算す
    る除算処理手段と、を備えることを特徴とする流量測定
    装置。
  9. 【請求項9】 流体の流路に配置される抵抗温度係数が
    大きい第1の発熱抵抗体と、 この第1の発熱抵抗体の下流に配置される抵抗温度係数
    が大きい第2の発熱抵抗体と、 前記第1の発熱抵抗体に電圧可変で電流一定の電力を供
    給する第1の給電手段と、 前記第2の発熱抵抗体に電圧可変で電流一定の電力を供
    給する第2の給電手段と、 前記第1の発熱抵抗体の両端電圧を測定する第1の測定
    手段と、 前記第2の発熱抵抗体の両端電圧を測定する第2の測定
    手段と、 前記第1の測定手段の測定電圧に所定の補正係数を乗算
    する係数乗算手段と、 その乗算結果を前記第2の測定手段の測定電圧から減算
    する減算処理手段と、 その減算結果を前記第1の測定手段の測定電圧で除算す
    る除算処理手段と、を備えることを特徴とする流量測定
    装置。
  10. 【請求項10】 係数乗算手段は、所定温度で流量
    “0”の基準状態での第2の発熱抵抗体の抵抗値を第1
    の発熱抵抗体の抵抗値で除算した結果の数値が補正係数
    として設定されていることを特徴とする請求項9記載の
    流量測定装置。
  11. 【請求項11】 係数乗算手段は、所定温度で流量
    “0”の基準状態での第2の測定手段の測定電圧を第1
    の測定手段の測定電圧で除算した結果の数値が補正係数
    として設定されていることを特徴とする請求項9記載の
    流量測定装置。
  12. 【請求項12】 第1の測定手段の測定電圧をm乗する
    m乗処理手段と、第2の測定手段の測定電圧をn乗する
    n乗処理手段と、除算処理手段の除算結果に前記m乗処
    理手段のm乗結果と前記n乗処理手段のn乗結果とを乗
    算する結果補正手段とを備えることを特徴とする請求項
    8又は9記載の流量測定装置。
  13. 【請求項13】 “m=1,n=1”であることを特徴
    とする請求項12記載の流量測定装置。
  14. 【請求項14】 “m+n=1.5”なる関係を満足す
    ることを特徴とする請求項12記載の流量測定装置。
  15. 【請求項15】 流体の流路に配置される抵抗温度係数
    が大きい第1の発熱抵抗体と、 この第1の発熱抵抗体と抵抗温度係数及び基準状態での
    抵抗値が同一で前記第1の発熱抵抗体の下流に配置され
    る第2の発熱抵抗体と、 前記第1の発熱抵抗体に電圧可変で電流一定の電力を供
    給する第1の給電手段と、 この第1の給電手段と同一の電力を前記第2の発熱抵抗
    体に供給する第2の給電手段と、 前記第1の発熱抵抗体の両端電圧を測定する第1の測定
    手段と、 前記第2の発熱抵抗体の両端電圧を測定する第2の測定
    手段と、 この第2の測定手段の測定電圧から前記第1の測定手段
    の測定電圧を減算する減算処理手段と、 この減算結果に前記第2の測定手段の測定電圧を乗算す
    る乗算処理手段と、を備えることを特徴とする流量測定
    装置。
  16. 【請求項16】 流体の流路に配置される抵抗温度係数
    が大きい第1の発熱抵抗体と、 この第1の発熱抵抗体の下流に配置される抵抗温度係数
    が大きい第2の発熱抵抗体と、 前記第1の発熱抵抗体に電圧可変で電流一定の電力を供
    給する第1の給電手段と、 前記第2の発熱抵抗体に電圧可変で電流一定の電力を供
    給する第2の給電手段と、 前記第1の発熱抵抗体の両端電圧を測定する第1の測定
    手段と、 前記第2の発熱抵抗体の両端電圧を測定する第2の測定
    手段と、 この第2の測定手段の測定電圧から前記第1の測定手段
    の測定電圧を減算する減算処理手段と、 前記第1の測定手段の測定電圧に所定の補正係数を乗算
    する係数乗算手段と、 その乗算結果を前記減算処理手段の減算結果に加算する
    加算処理手段と、 その加算結果に前記第2の測定手段の測定電圧を乗算す
    る乗算処理手段と、を備えることを特徴とする流量測定
    装置。
  17. 【請求項17】 係数乗算手段は、所定温度で流量
    “0”の基準状態での第2の発熱抵抗体の抵抗値を第1
    の発熱抵抗体の抵抗値で除算した結果を“1”から減算
    した結果の数値が補正係数として設定されていることを
    特徴とする請求項16記載の流量測定装置。
  18. 【請求項18】 係数乗算手段は、所定温度で流量
    “0”の基準状態での第2の測定手段の測定電圧を第1
    の測定手段の測定電圧で除算した結果を“1”から減算
    した結果の数値が補正係数として設定されていることを
    特徴とする請求項16記載の流量測定装置。
  19. 【請求項19】 係数乗算手段は、所定温度で流量
    “0”の基準状態での減算処理手段の減算結果を第1の
    測定手段の測定電圧で除算して正負の符号を反転させた
    結果の数値が補正係数として設定されていることを特徴
    とする請求項16記載の流量測定装置。
  20. 【請求項20】 第1の測定手段の測定電圧を(m−
    1)乗するm乗処理手段と、第2の測定手段の測定電圧
    をn乗するn乗処理手段とを備え、乗算処理手段は、加
    算処理手段の加算結果に前記m乗処理手段の(m−1)
    乗結果と前記n乗処理手段のn乗結果とを乗算すること
    を特徴とする請求項15又は16記載の流量測定装置。
  21. 【請求項21】 第1の測定手段と第2の測定手段との
    少なくとも一方の測定電圧と減算処理手段の減算結果と
    をアナログ値からデジタル値に変換するA/D変換器
    と、そのデジタル変換された減算結果と測定電圧とを加
    算するデジタル加算手段と、その加算結果を前記第1の
    測定手段と前記第2の測定手段との他方の測定電圧とし
    て置換する置換処理手段とを備えることを特徴とする請
    求項8ないし20の何れか一記載の流量測定装置。
  22. 【請求項22】 係数乗算手段は、所定温度で流量
    “0”の基準状態での第2の測定手段の測定電圧に対応
    させた数値から減算処理手段の減算結果に対応させた数
    値を減算した結果で、前記減算処理手段の減算結果に対
    応した数値の符号を反転させた数値を除算した結果の数
    値が補正係数として設定されていることを特徴とする請
    求項21記載の流量測定装置。
  23. 【請求項23】 抵抗温度係数が大きい第1の発熱抵抗
    体と第2の発熱抵抗体とを流体の流動方向に従って順番
    に位置させ、前記第1の発熱抵抗体と前記第2の発熱抵
    抗体とを電圧可変で電流一定の電力の供給により各々発
    熱させ、流体の流動により第1の発熱抵抗体から第2の
    発熱抵抗体に移動する熱量に基づいて流量を測定する流
    量測定方法において、前記第1の発熱抵抗体と前記第2
    の発熱抵抗体との両端電圧を各々測定し、前記第1の発
    熱抵抗体の両端電圧に所定の補正係数を乗算し、この乗
    算結果を前記第2の発熱抵抗体の両端電圧から減算し、
    この減算結果を前記第1の発熱抵抗体の両端電圧で除算
    するようにしたことを特徴とする流量測定方法。
  24. 【請求項24】 抵抗温度係数が大きい第1の発熱抵抗
    体と第2の発熱抵抗体とを流体の流動方向に従って順番
    に位置させ、前記第1の発熱抵抗体と前記第2の発熱抵
    抗体とを電圧可変で電流一定の電力の供給により各々発
    熱させ、流体の流動により第1の発熱抵抗体から第2の
    発熱抵抗体に移動する熱量に基づいて流量を測定する流
    量測定方法において、前記第1の発熱抵抗体と前記第2
    の発熱抵抗体との両端電圧を各々測定し、この第2の発
    熱抵抗体の両端電圧から前記第1の発熱抵抗体の両端電
    圧を減算し、前記第1の発熱抵抗体の両端電圧に所定の
    補正係数を乗算し、この乗算結果を両端電圧の減算結果
    に加算し、この加算結果に前記第2の発熱抵抗体の両端
    電圧を乗算するようにしたことを特徴とする流量測定方
    法。
  25. 【請求項25】 流体の流路に配置される第1の発熱抵
    抗体と、 この第1の発熱抵抗体の下流に配置されて前記第1の発
    熱抵抗体と電流的に直列に接続された第2の発熱抵抗体
    と、 これらの第1,2の発熱抵抗体の抵抗体列に対して定電
    流を流す定電流源と、 前記第1の発熱抵抗体の端子電圧を測定する第1の電圧
    測定手段と、 前記第2の発熱抵抗体の端子電圧を測定する第2の電圧
    測定手段と、を備えることを特徴とする流量測定装置。
  26. 【請求項26】 第1の電圧測定手段の出力電圧と第2
    の電圧測定手段の出力電圧との差を演算する減算手段を
    備えることを特徴とする請求項25記載の流量測定装
    置。
  27. 【請求項27】 流体の流路に配置される第1の発熱抵
    抗体と、 この第1の発熱抵抗体の下流に配置されてその接続経路
    内にゼロ電位点を持たせて前記第1の発熱抵抗体と電流
    的に直列に接続された第2の発熱抵抗体と、 これらの第1,2の発熱抵抗体の抵抗体列に対して定電
    流を流す定電流源と、を備えることを特徴とする流量測
    定装置。
  28. 【請求項28】 第1の発熱抵抗体の両端の端子電圧の
    内で絶対値の大きい方の端子電圧と第2の発熱抵抗体の
    両端の端子電圧の内で絶対値の大きい方の端子電圧とを
    加算する加算手段を備えることを特徴とする請求項27
    記載の流量測定装置。
  29. 【請求項29】 流体の流路に配置される抵抗温度係数
    が大きい第1の発熱抵抗体と、 この第1の発熱抵抗体と抵抗温度係数及び基準状態での
    抵抗値が同一で前記第1の発熱抵抗体の下流に配置され
    て電流的に直列に接続された第2の発熱抵抗体と、 直列に接続された第1,2の発熱抵抗体の抵抗体列に対
    して定電流を流す定電流源と、 前記第1の発熱抵抗体と前記第2の発熱抵抗体との接続
    点を仮想接地により定電圧に保つオペアンプと、を備え
    ることを特徴とする流量測定装置。
  30. 【請求項30】 直列に接続された抵抗体列の両端間の
    電圧を加算する加算手段を備えることを特徴とする請求
    項29記載の流量測定装置。
  31. 【請求項31】 加算手段の入力前段にインピーダンス
    変換手段を備えることを特徴とする請求項30記載の流
    量測定装置。
  32. 【請求項32】 加算手段、インピーダンス変換手段に
    各々オペアンプを用い、仮想接地により接続点を定電圧
    に保つためのオペアンプを含むこれらの3つのオペアン
    プとして、同一のシリコンウエハ上に形成されて同一の
    パッケージに封入されたオペアンプを用いるようにした
    ことを特徴とする請求項31記載の流量測定装置。
  33. 【請求項33】 抵抗体列に対して流す電流値を任意の
    時点でゼロにするスイッチ手段を備えることを特徴とす
    る請求項25ないし32の何れか一記載の流量測定装
    置。
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