JP2002022514A - 熱式フローセンサ、流量計、流速検出方法、テーブル作成方法および関係式作成方法 - Google Patents

熱式フローセンサ、流量計、流速検出方法、テーブル作成方法および関係式作成方法

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JP2002022514A JP2000207769A JP2000207769A JP2002022514A JP 2002022514 A JP2002022514 A JP 2002022514A JP 2000207769 A JP2000207769 A JP 2000207769A JP 2000207769 A JP2000207769 A JP 2000207769A JP 2002022514 A JP2002022514 A JP 2002022514A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱式フローサンサの設計の自由度を高め、設
計を容易とする。 【解決手段】 上流側感温抵抗体Ruと下流側感温抵抗
体Rdとを直列に接続し、演算増幅器U1のフィードバ
ックループに接続して定電流を供給する。定電流は直列
接続の下流側感温抵抗体Rd側端Cから供給し、上流側
感温抵抗体Ru側の端Aは、一端がGNDに接続された
固定抵抗Riの他端に接続して、一定電圧に維持する。
上流側感温抵抗体Ruと下流側感温抵抗体Rdとの端子
電圧の差電圧として出力される流速信号Vduは、オフ
セット電圧Voffを加算回路13で加算されて流速信
号Vdu0としてマイコン5に出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガス流量計、フ
ローメータなどの分野に利用され、流体の流速を測定す
る熱式フローセンサおよび流速検出方法、流体の流量を
測定する流量計、ならびに、これらに使用するテーブル
作成方法および関係式作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の熱式フローサンサについては、例
えば、特開平11−287685号公報に開示されてい
る。
【0003】図14は、特開平11−287685号公
報にも開示されている従来の熱式フローセンサの回路図
である。図14において、符号F1はセンサ駆動部であ
る。センサ駆動部F1の符号Rs1、Rs2は感温抵抗
体である。この感温抵抗体Rs1とRs2は流体の上流
と下流に位置するように設置される。符号I1は電流源
である。電流源I1とRs1はa点で接続される。感温
抵抗体Rs1とRs2はb点で接続される。符号U1は
反転増幅器、符号U2はボルテージホロワである。反転
増幅器U1のフィードバックループ中のb点、c点に感
温抵抗体Rs2が接続される。ボルテージホロワU2は
a点の電圧をd点に出力する。反転増幅器U1の出力は
e点に出力する。符号F2は差電圧検出部である。差電
圧検出部F2は、Rs1の端子電圧とRs2の端子電圧
の差をg点に出力する。符号F3は増幅部である。増幅
部F3の符号A1、A2、A3は増幅器である。これら
は、それぞれd点、e点、g点の電圧を増幅して出力す
る。
【0004】上記の回路構成で、感温抵抗体Rs1とR
s2の抵抗値は等しくする。感温抵抗体Rs1とRs2
は大きな抵抗温度係数を持つものを用いる。感温抵抗体
Rs1とRs2は流体温度に対し高い温度になるように
熱せられる。これは、例えば、電流源I1による定電流
でジュール熱を感温抵抗体Rs1、Rs2自体に生じさ
せることで熱するようにすることができる。また、例え
ば、熱源を他に設け、感温抵抗体Rs1とRs2が熱せ
られるようにしてもよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術のセンサ
駆動部F1はb点を基準に動作する。すなわち、b点は
反転増幅器U1により仮想接地されている。単電源での
動作の場合は、i点の電圧をGNDではなく、電源電圧
の半分の電圧などにして回路を動作させることができ
る。
【0006】しかしながら、実際は感温抵抗体Rs1側
には電流源I1が必要であるため、電流源I1を構成す
るために電圧の余裕が感温抵抗体Rs2側に比べ必要と
なる。b点の電圧を中心に感温抵抗体Rs1とRs2は
動作し、その電源電圧側に電流源I1があるため、電流
源I1は電源電圧に近い電圧範囲で動作させる必要があ
る。また、流体の温度や流速により、感温抵抗体Rs1
の抵抗値は変化するため、a点の電圧は逐次変化する。
そして、電流源I1を構成する場合、定電流ダイオード
などで直接に定電流を発生させるよりも、電圧−電流変
換を行う方が温度特性の良いものを構成しやすい。定電
圧源の方が製品の種類も多く温度特性の良いものを選択
しやすいためである。
【0007】このような電圧−電流変換により定電圧を
発生する場合、前記従来技術のように電池を電源に用
い、電源電圧そのものが変化する構成とすると、b点の
電圧より高い電圧範囲が狭いため、電流の基準となる電
圧を与えるのが困難になり、熱式フローサンサの設計の
自由度が低く、回路設計が困難であるという不具合があ
る。
【0008】また、流体の温度が一定であれば、流体の
流れがないときにおける2つの感温抵抗体Rs1とRs
2の電圧差も一定であるが、流体の温度が変動すると、
流体の流れがないときにおける2つの感温抵抗体Rs1
とRsの電圧差も変動するため、流体に流れが発生した
のか、流体に流れは発生せず流体の温度が変化したのか
区別がつかず、正確なゼロ流量を判断できないという不
具合も生じる。
【0009】この発明の目的は、熱式フローサンサの設
計の自由度を高め、設計を容易とすることである。
【0010】この発明の目的は、感温抵抗体の端子電圧
の差を示す電圧の大きさにばらつきが発生しても、修正
できるようにすることである。
【0011】この発明の目的は、前記修正を簡易な回路
構成で実現することである。
【0012】この発明の目的は、前記修正を長期間安定
した動作が可能な回路構成で実現することである。
【0013】この発明の目的は、前記修正を長期間安定
的に動作させることができ、製造コストを低減させるこ
とができる回路構成で実現することである。
【0014】この発明の目的は、簡単な回路構成によ
り、熱式フローサンサの設計の自由度を高め、設計を容
易とすることである。
【0015】この発明の目的は、この場合に上流側感温
抵抗体を定電流の供給側、下流側感温抵抗体を電圧固定
側としても、両感温抵抗体の差電圧を検出できるように
することである。
【0016】この発明の目的は、前記の場合に下流側感
温抵抗体を定電流の供給側、上流側感温抵抗体を電圧固
定側として、両感温抵抗体の差電圧を検出するための回
路構成を簡易なものとすることである。
【0017】この発明の目的は、温度特性良く駆動用の
定電流を発生させることである。
【0018】この発明の目的は、流体の温度が変化して
流速検出信号がドリフトしても、温度補償を行って、流
体に流れがない状態を正確に検出することである。
【0019】この発明の目的は、前記温度補償をより簡
易に行うことである。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、流体の上流側および下流側に各々配置されて加熱さ
れる感温抵抗体である上流側感温抵抗体および下流側感
温抵抗体を備え、前記両感温抵抗体の抵抗値の差に基づ
いて前記流体の流速を検出する熱式フローセンサにおい
て、前記両感温抵抗体は直列に接続されて同一の定電流
の供給を受けるものであり、この両感温抵抗体の直列接
続の一端は前記定電流の供給側に接続され、他端の電圧
は一定に固定されていることを特徴とする熱式フローセ
ンサである。
【0021】したがって、両感温抵抗体の直列接続にお
ける低い方の端子電圧を固定することで、従来は両感温
抵抗体の接続点を中心に電圧を固定し、それより低い電
圧範囲に持たせていた電圧の余裕分を、両感温抵抗体の
接続点より高い電圧範囲にまわすことができるので、熱
式フローサンサの設計の自由度を高め、設計を容易とす
ることができる。
【0022】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の熱式フローセンサにおいて、前記両感温抵抗体の端子
電圧の差を示す電圧を出力する検出回路と、この検出回
路の出力電圧にオフセット電圧を加算または減算して当
該出力電圧の大きさを調節する加算器または減算器と、
を備えていることを特徴とする。
【0023】したがって、感温抵抗体の製造誤差などに
起因して、両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧の大
きさにばらつきが発生しても、これを必要なだけ調節し
て修正することができる。
【0024】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の熱式フローセンサにおいて、抵抗値の変更により前記
加算または減算されるオフセット電圧の大きさを可変可
能とする半固定抵抗を備えていることを特徴とする。
【0025】したがって、簡易な回路構成で、オフセッ
ト電圧の加算または減算によって、両感温抵抗体の端子
電圧の差を示す電圧の大きさのばらつきを修正すること
ができる。
【0026】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の熱式フローセンサにおいて、前記出力電圧を検出する
検出手段と、この検出した電圧の大きさに応じて前記オ
フセット電圧の大きさを求める演算手段と、前記加算器
または減算器に前記オフセット電圧を出力するD/Aコ
ンバータと、前記演算手段で求めた大きさの前記オフセ
ット電圧を出力するように前記D/Aコンバータに制御
信号を出力する制御手段と、を備えていることを特徴と
する。
【0027】したがって、D/Aコンバータを用いるこ
とで、半固定抵抗を用いる請求項3の発明と比べて長期
間安定した動作が可能となる。
【0028】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
の熱式フローセンサにおいて、複数の抵抗が直列に接続
され入力電圧を当該抵抗で分圧することで複数の大きさ
の電圧を出力可能な電圧源と、前記出力電圧を検出する
検出手段と、この検出した電圧の大きさに応じて前記複
数の電圧のうち一つを前記オフセット電圧として選択す
る選択手段と、この選択した電圧を前記加算器または減
算器に出力させる制御手段と、を備えていることを特徴
とする。
【0029】したがって、請求項3,4の発明と比べ
て、長期間安定的に動作させることができ、製造コスト
を低減させることができる。
【0030】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれかの一に記載の熱式フローセンサにおいて、前記
両感温抵抗体の直列接続の他端は、一端がGNDに接続
されている抵抗の他端と接続され、この抵抗の抵抗値が
一定であることにより前記両感温抵抗体の直列接続の他
端の電圧を一定に固定していることを特徴とする。
【0031】したがって、抵抗を用いた簡単な回路構成
により、両感温抵抗体の直列接続における低い方の端子
電圧を固定して、熱式フローサンサの設計の自由度を高
め、設計を容易とすることができる。
【0032】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の
いずれかの一に記載の熱式フローセンサにおいて、前記
上流側感温抵抗体は前記定電流の供給側に接続され、前
記下流側感温抵抗体は前記電圧固定側に接続されてい
て、前記検出回路は、前記両感温抵抗体の接続点におけ
る電圧を基準電圧として前記両感温抵抗体の直列接続に
対する入力電圧を反転増幅する反転増幅器と、前記固定
された電圧を基準電圧として前記反転増幅器の出力電圧
を非反転増幅する非反転増幅器と、前記固定電圧の前記
非反転増幅器への入力をバッファリングする演算増幅器
と、を備えていることを特徴とする。
【0033】したがって、上流側感温抵抗体を定電流の
供給側、下流側感温抵抗体を電圧固定側としても、固定
電圧の非反転増幅器への入力をバッファリングして、両
感温抵抗体の差電圧を検出することができる。
【0034】請求項8に記載の発明は、請求項1〜6の
いずれかの一に記載の熱式フローセンサにおいて、前記
下流側感温抵抗体は前記定電流の供給側に接続され、前
記上流側感温抵抗体は前記電圧固定側に接続されてい
て、前記検出回路は、前記両感温抵抗体の接続点におけ
る電圧を基準電圧として前記両感温抵抗体の直列接続に
対する入力電圧を反転増幅する第1の反転増幅器と、前
記固定された電圧を基準電圧として前記第1の反転増幅
器の出力電圧を反転増幅する第2の反転増幅器と、を備
えていることを特徴とする。
【0035】したがって、2つの反転増幅器を用いるだ
けで、流体の流速信号を取り出すことができるので、流
速を検出する回路構成を簡易なものとすることができ
る。
【0036】請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の
いずれかの一に記載の熱式フローセンサにおいて、前記
両感温抵抗体の直列接続がフィードバックループに接続
され非反転入力端子に一定電圧が入力されて前記定電流
を出力する演算増幅器を備え、前記両感温抵抗体の直列
接続のうち一端側は前記演算増幅器の反転入力端子に他
端側は前記演算増幅器の出力端子にそれぞれ接続されて
いることを特徴とする。
【0037】したがって、温度特性良く定電流を発生さ
せることができる。
【0038】請求項10に記載の発明は、流体の上流側
および下流側に各々配置されて加熱される感温抵抗体で
ある上流側感温抵抗体および下流側感温抵抗体を備え、
前記両感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流
速を検出する熱式フローセンサにおいて、前記両感温抵
抗体は同一の定電流の供給を受けるものであり、前記流
体の温度を測定する温度センサと、この測定した温度に
基づいて前記流速の検出信号について温度補償を行う温
度補償手段と、を備えていることを特徴とする熱式フロ
ーセンサである。
【0039】したがって、流体の温度が変化して流速検
出信号がドリフトしても、温度補償をおこなって流体に
流れがない状態を正確に検出することができる。
【0040】請求項11に記載の発明は、請求項10に
記載の熱式フローセンサにおいて、前記温度補償手段
は、前記流体の温度と当該流体の流れがないときの前記
流速の検出信号との関係を示すテーブルを記憶するテー
ブル記憶手段と、このテーブルを参照して前記流体の流
れがないときの前記流速の検出信号について補正値を求
めるテーブルルックアップ手段と、この補正値により前
記流速の検出信号を補正する補正手段と、を備えている
ことを特徴とする。
【0041】したがって、流体の温度と流体の流れがな
いときの流速の検出信号との関係を示すテーブルを参照
し、流速の検出信号についての補正値を求めて補正を行
うことで温度補償を行うことができる。
【0042】請求項12に記載の発明は、請求項10に
記載の熱式フローセンサにおいて、前記温度補償手段
は、前記流体の温度と当該流体の流れがないときの前記
流速の検出信号との関係を示す関係式に基づく演算を行
って、前記流体の流れがないときの前記流速の検出信号
について補正値を求める補正値演算手段と、この補正値
により前記流速の検出信号を補正する補正手段と、を備
えていることを特徴とする。
【0043】したがって、流体の温度と流体の流れがな
いときの流速の検出信号との関係を示す関係式に基づく
演算を行って、流速の検出信号についての補正値を求め
て補正を行うことで温度補償を行うことができる。
【0044】請求項13に記載の発明は、請求項12に
記載の熱式フローセンサにおいて、前記補正値演算手段
は、前記関係式として特定の温度での流れがないときに
おける前記流体の流速の検出信号および前記温度センサ
による測定温度の変化率を使用した一次式を用い、これ
らの変化率を求める演算を行って前記補正値を求めるも
のである。
【0045】したがって、流体の流速の検出信号および
温度センサによる測定温度の変化率を使用した一次式を
用いることにより、この1次式の定数項部分をなくすこ
とができるので、温度ドリフトの影響を1つの係数で表
わすことができ、より簡易に温度補償を行うことが可能
となる。
【0046】請求項14に記載の発明は、請求項11〜
13の何れかの一に記載の熱式フローセンサにおいて、
前記補正手段は、前記流速の検出信号に前記補正値を減
算または加算して前記補正を行うことを特徴とする。
【0047】したがって、流速の検出信号に補正値を減
算または加算するだけで簡易に温度補償を行うことがで
きる。
【0048】請求項15に記載の発明は、請求項1〜1
4の何れかの一に記載の熱式フローセンサと、この熱式
フローセンサの出力信号を前記流体の流量を示す流量信
号に変換する第1の流量変換手段と、を備えていること
を特徴とする流量計である。
【0049】したがって、請求項1〜14の何れかの一
に記載の熱式フローセンサを備えた流量計を得ることが
できる。
【0050】請求項16に記載の発明は、請求項16に
記載の流量計において、フルイディック流量計と、この
フルイディック流量計の出力信号を前記流体の流量を示
す流量信号に変換する第2の流量変換手段と、前記第1
の流量変換手段が出力する流量信号と前記第2の流量変
換手段が出力する流量信号とのうちのひとつを択一的に
選択することで、前記流量の測定は高流量域を前記フル
イディック流量計でおこない低流量域を前記熱式フロー
センサでおこなう選択手段と、を備えていることを特徴
とする。
【0051】したがって、請求項1〜14の何れかの一
に記載の熱式フローセンサを備えた流量計を得ることが
できる。
【0052】請求項17に記載の発明は、流体の上流側
および下流側に各々加熱される感温抵抗体である上流側
感温抵抗体および下流側感温抵抗体を配置して、前記両
感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流速を検
出する流速検出方法において、前記両感温抵抗体は直列
に接続されて同一の定電流を供給されるものであり、こ
の両感温抵抗体の直列接続の一端は前記定電流の供給側
とし、他端の電圧は一定に固定した状態で、前記定電流
の供給を開始する供給工程と、この供給があるときに前
記両感温抵抗体の抵抗値の差を検出して前記流体の流速
を検出する検出工程と、を含んでなることを特徴とする
流速検出方法である。
【0053】したがって、両感温抵抗体の直列接続にお
ける低い方の端子電圧を固定することで、従来は両感温
抵抗体の接続点を中心に電圧を固定し、それより低い電
圧範囲に持たせていた電圧の余裕分を、両感温抵抗体の
接続点より高い電圧範囲にまわすことができるので、熱
式フローサンサの設計の自由度を高め、設計を容易とす
ることができる。
【0054】請求項18に記載の発明は、請求項17に
記載の流速検出方法において、前記両感温抵抗体の端子
電圧の差を示す電圧にオフセット電圧を加算または減算
して、当該電圧の大きさを調節することを特徴とする。
【0055】したがって、感温抵抗体の製造誤差などに
起因して、両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧の大
きさにばらつきが発生しても、これを必要なだけ調節し
て修正することができる。
【0056】請求項19に記載の発明は、流体の上流側
および下流側に各々加熱される感温抵抗体である上流側
感温抵抗体および下流側感温抵抗体を配置して、前記両
感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流速を検
出する流速検出方法において、前記両感温抵抗体には同
一の定電流を供給するものであり、前記流体の温度を測
定する温度測定工程と、この測定した温度に基づいて前
記流速の検出信号について温度補償を行う温度補償工程
と、を含んでなることを特徴とする流量測定方法であ
る。
【0057】したがって、流体の温度が変化して流速検
出信号がドリフトしても、温度補償をおこなって流体に
流れがない状態を正確に検出することができる。
【0058】請求項20に記載の発明は、請求項19に
記載の流量測定方法において、前記温度補償工程は、予
め前記流体の温度と当該流体の流れがないときの前記流
速の検出信号との関係を示すテーブルを用意し、このテ
ーブルを参照して前記流体の流れがないときの前記流速
の検出信号について補正値を求めることで行うことを特
徴とする。
【0059】したがって、テーブルを参照し、流速の検
出信号についての補正値を求めて補正を行うことで温度
補償を行うことができる。
【0060】請求項21に記載の発明は、請求項19に
記載の流量測定方法において、前記温度補償工程は、予
め前記流体の温度と当該流体の流れがないときの前記流
速の検出信号との関係を示す関係式を用意し、この関係
式に基づく演算を行って、前記流体の流れがないときの
前記流速の検出信号について補正値を求めることで行う
ことを特徴とする。
【0061】したがって、関係式に基づく演算を行っ
て、流速の検出信号についての補正値を求めて補正を行
うことで温度補償を行うことができる。
【0062】請求項22に記載の発明は、流体の上流側
および下流側に各々加熱される感温抵抗体である上流側
感温抵抗体および下流側感温抵抗体を配置して、前記両
感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流速を検
出するに際し、前記両感温抵抗体の端子電圧の差を示す
電圧にオフセット電圧を加算または減算して当該電圧の
大きさを調節する処理で、当該処理のため参照するテー
ブルを作成するテーブル作成方法において、異なる複数
の環境温度で前記流体の流れのない状態で前記差電圧の
値と前記流体の温度とを測定する測定工程と、この両測
定値を対応付けた前記テーブルを作成するテーブル作成
工程と、を含んでなることを特徴とするテーブル作成方
法である。
【0063】したがって、流速の検出信号について温度
補償を行うために使用する補正値を求めるためのテーブ
ルを作成することができる。
【0064】請求項23に記載の発明は、流体の上流側
および下流側に各々加熱される感温抵抗体である上流側
感温抵抗体および下流側感温抵抗体を配置して、前記両
感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流速を検
出するに際し、前記両感温抵抗体の端子電圧の差を示す
電圧の大きさを調節する処理で、当該処理のための演算
に使用する関係式を作成する関係式作成方法において、
異なる複数の環境温度で前記流体の流れのない状態で前
記差電圧の値と前記流体の温度とを測定する測定工程
と、この両測定値から前記関係式を求める関係式作成工
程と、を含んでなることを特徴とする関係式作成方法で
ある。
【0065】したがって、流速の検出信号について温度
補償を行うために使用する補正値を求めるための関係式
を作成することができる。
【0066】請求項24に記載の発明は、請求項23に
記載の関係式作成方法において、前記関係式作成工程
は、特定の温度を基準として前記差電圧および前記温度
の各変化率を求め、この変化率の関係を示す1次式を前
記関係式として求めることを特徴とする。
【0067】したがって、より簡易に温度補償を行うこ
とが可能な関係式を作成することができる。
【0068】請求項25に記載の発明は、請求項23ま
たは24に記載の関係式作成方法において、前記関係式
作成工程は、前記複数の環境温度における前記測定の値
に最小二乗法を適用して前記関係式を求めるものであ
る。
【0069】したがって、正確な温度ドリフトを示す関
係式を得ることができる。
【0070】
【発明の実施の形態】[発明の実施の形態1]この発明
の一実施の形態を、発明の実施の形態1として説明す
る。
【0071】図1は、この発明の実施の形態1であるL
PGメータ1の回路図である。このLPGメータ1は、
この発明の流量計を実施するもので、流体(この例では
LPG)の低流量域を測定するための熱式フローセンサ
2と、流体の高流量域を測定するためのフルイディック
流量計3と、LPGメータ1で測定した流体の流量を表
示するディスプレイ4と、LPGメータ1を集中的に制
御するマイコン5とを備え、流体の流量を測定して表示
する装置である。
【0072】熱式フローセンサ2の回路構成について説
明する。上流側感温抵抗体Ru、下流側感温抵抗体Rd
は、それぞれ流体の上流側、下流側に配置され、自ら発
するジュール熱により加熱される、大きな抵抗温度係数
をもつ同一特性の感温抵抗体であり、B点で直列に接続
されている。
【0073】演算増幅器U1は、そのフィードバックル
ープに上流側感温抵抗体Ruと下流側感温抵抗体Rdの
直列接続が接続され、非反転入力端子に一定電圧Vgが
入力されて、上流側感温抵抗体Ruと下流側感温抵抗体
Rdに定電流I1を出力する。上流側感温抵抗体Ruと
下流側感温抵抗体Rdの直列接続のうち、上流側感温抵
抗体Ru側は演算増幅器U1の反転入力端子に下流側感
温抵抗体Rd側は演算増幅器U1の出力端子にそれぞれ
接続されている。
【0074】第1の反転増幅器である反転増幅器11
は、演算増幅器U2ならびに抵抗R1aおよびR1bか
らなり、両感温抵抗体RuとRdの接続点Bにおける電
圧を基準電圧として、両感温抵抗体RuとRdの直列接
続に対する入力電圧を反転増幅する。抵抗R1a,R1
bは反転増幅器11の増幅率を−1倍に調節するもので
ある。第2の反転増幅器である反転増幅器12は、演算
増幅器U3ならびに抵抗R2aおよびR2bからなり、
A点の固定された電圧(後述)を基準電圧として、反転
増幅器11の出力電圧を反転増幅する。抵抗R2a,R
2bは反転増幅器12の増幅率を調節するものである。
反転増幅器11および12で検出回路を構成する。
【0075】両感温抵抗体RuとRdの直列接続の一
端、この例で下流側感温抵抗体Rd側端は演算増幅器U
1の出力端子と接続されているが、他端、この例では上
流側感温抵抗体Ru側端は、一端がGNDに接続されて
いる固定抵抗Riの他端と接続され、この抵抗Riの抵
抗値が一定で演算増幅器U1から定電流が供給されるこ
とにより、両感温抵抗体RuとRdの直列接続における
一端、この例では上流側感温抵抗体Ru側端の電圧を一
定に固定している。
【0076】反転増幅器U1に与えられた電圧Vgと抵
抗Riにより決められる電流がU1のフィードバックル
ープ中を流れる。この電流Ihは、 Ih=Vg/Ri により定まる。
【0077】A点の電圧は反転増幅器11により反転増
幅される。反転増幅器11の基準電圧はB点の電圧とな
るので、下流側感温抵抗体Rdの電圧がB点を基準に反
転される。反転増幅器11の出力はA点の電圧を基準電
圧として反転増幅器12により反転増幅される。この増
幅率Gは,抵抗R2aとR2bにより次のように決ま
る。 G=−R2b/R2a
【0078】A点の電圧は演算増幅器U1の仮想接地効
果によりVgと同電圧となる。反転増幅器12の出力V
duは、上流側感温抵抗体Ruの端子電圧をVu、下流
側感温抵抗体Rdの端子電圧をVdとして、 Vdu=G(Vd−Vu)+Vg となる。
【0079】流体に流れが無ければ、端子電圧VdとV
uは等しいため、出力VduはVgとなる。電圧Vgは
演算増幅器U1,U2,U3が動作可能な電圧以上に設
定する。通常のオペアンプは電源電圧近傍の入力電圧で
は動作せず、トランジスタ1個分の0.7程度の余裕を
電源電圧側にとる必要がある。
【0080】このLPGメータ1を単電源で動作させる
ことを考えると、電圧VgはGNDから0.7V以上の
電圧にすることが望ましい。しかし、入力電圧範囲を電
源電圧範囲までに広げた演算増幅器もあるため、0.7
V以下にする選択も可能である。また、流体の流速によ
って反転増幅器U2の出力は電圧Vgより小さい値とな
る。その小さくなる大きさは“Vd−Vu”で決まる。
よって、少なくとも“Vg−(Vd−Vu)”の最小電
圧(最大流速のとき)が演算増幅器の動作入力電圧範囲
に入るように、電圧Vgを決定する。
【0081】以上のような構成とすることで、両感温抵
抗体RuとRdに電力を供給して駆動する回路中で現れ
る最大の電圧はC点の電圧であり、最小の電圧はGND
となる。よって、C点の電圧以上の電圧を電源とすれ
ば、単電源動作が可能となる。
【0082】流体の流速がゼロで流体の温度が予測しう
る最大値の場合に、両感温抵抗体Ru、Rdの抵抗値は
最大値となる。このときC点の電圧は最大となる。よっ
て、回路で必要な動作電圧の最大値がはっきりと決定で
きる。そのため、より効率的な電源を用いることが可能
となる。
【0083】また、両感温抵抗体Ru,Rdの直列接続
における低い方の端子電圧であるA点の電圧を固定する
ことで、従来は両感温抵抗体Ru,Rdの接続点B点を
中心に電圧を固定し、それより低い電圧範囲に持たせて
いた電圧の余裕分を、両感温抵抗体Ru,Rdの接続点
Bより高い電圧範囲にまわすことができるので、熱式フ
ローサンサ2の設計の自由度を高め、設計を容易とする
ことができる。
【0084】さらに、2段の反転増幅器11,12を用
いるだけで、両感温抵抗体Ru,Rdの電圧差を反転増
幅器12の出力として取り出して、流体の流速信号とす
ることができるので、流速を検出する回路構成を簡易な
ものとすることができる。
【0085】ところで、両感温抵抗体Ru,Rdがまっ
たく同じ特性で抵抗値も等しい場合、流体の流れがない
状態での出力Vduは、電圧Vgと等しい。つまり、流
速信号にとって電圧Vgは仮想的なGNDと考えること
ができる。しかし、実際の感温抵抗体Ru,Rdにはば
らつきがあり、まったく等しい特性のものを2つ用意す
ることは困難である。
【0086】両感温抵抗体RuとRdの特性に違いがあ
る場合、特に抵抗値に違いがある場合は、流体の流れが
ない状態において出力Vduは電圧Vgと等しくならな
い。下流側感温抵抗体Rdの抵抗値が上流側感温抵抗体
Ruに比べ小さいと、流体の流れが無い時の出力Vdu
の電圧は電圧Vgより小さくなる。また、逆に下流側感
温抵抗体Rdの抵抗値がRuに比べ大きいと、出力Vd
uの電圧はVgより大きくなる。
【0087】電池などを電源にした低電圧動作をさせた
い電子機器の場合、使用できる電圧範囲を有効に使用す
ることが望ましい。ばらつきによる出力電圧の違いがあ
る場合、ばらつきに対する余裕分を広く取る必要が生
じ、流速信号分の電圧範囲を狭くしなくてはならない。
これは流速信号の精度を悪化させる。このようなことを
避けるには、両感温抵抗体RuとRdの特性を揃えるよ
う選別する必要がある。このような選別には費用がかか
り、両感温抵抗体RuとRdの製造歩留まりなどを悪化
させる。
【0088】そこで、このLPGメータ1では、加算器
13を設けている。ここの加算器13は、演算増幅器U
4および抵抗R3a,R3bならびにR3cからなり、
出力Vduと所定値のオフセット電圧Voffを加算し
た電圧Vdu0を出力して、両感温抵抗体Ru,Rdの
抵抗値のばらつきによる出力Vduの電圧Vgからのず
れを修正する。これにより、余裕分に必要となる電圧を
吸収し、次段の装置への出力Vdu0での流速信号成分
を、より広い電圧範囲で出力することが可能となる。す
なわち、オフセット電圧Voffは、出力Vdu0の出
力が電圧Vgと等しくなるような大きさに設定する。
【0089】オフセット電圧Voffの大きさは、半固
定抵抗14により調整可能としている。すなわち、実際
の製作工程では、両感温抵抗体Ru,Rdのばらつきの
他に、抵抗R1a、R2bなどの抵抗のばらつきや、演
算増幅器U2,U3自体のばらつきも存在する。このよ
うなばらつきを含めると、オフセット電圧Voffの決
定は、使用する両感温抵抗体Ru,Rdと使用するその
他の電子部品の組み合わせが決定された後であることが
望ましい。そこで、実際に使用する電子部品が組み付け
られた状態において、オフセット電圧Voffの大きさ
を半固定抵抗14で変更できるようにして、簡単な回路
構成で、オフセット電圧Voffを個々のLPGメータ
1ごとに決定できるようにしている。なお、出力Vdu
の値をオフセット電圧Voff分下げて出力Vdu0と
する場合などには、加算器13に代えて減算器を用いて
もよい。
【0090】熱式フローセンサ2は、両感温抵抗体Ru
とRdとは別に、流体の両感温抵抗体Ru,Rdの発す
る熱の影響を受けにくい位置に配置される、抵抗温度係
数の高い抵抗である測温抵抗体Rfを備えている。この
測温抵抗体Rfは、一端がGNDに接続され、他端から
は所定の電流源I2により発熱しないような微弱な定電
流を供給される。この測温抵抗体Rfの端子電圧Vfは
流体の温度を検出する信号となるので、測温抵抗体Rf
は流体の温度を検出する温度センサとなる。
【0091】熱式フローセンサ2から出力された流速信
号Vdu0と温度検出信号Vfから最終的に流速信号V
du0z(後述)を得るまでの処理はマイコン5により
実行されるので、かかる処理の流れを、温度補償手段を
実現する図2のフローチャートを参照して説明する。
【0092】まず、マイコン5(のCPU)は、両感温
抵抗体Rd,Ruに定電流の供給を開始する(ステップ
S1)。これにより供給工程を実現している。そして、
流速信号Vdu0と温度検出信号Vfの値を取り込む
(ステップS2)。これにより検出工程を実現してい
る。次に、マイコン5は、テーブル記憶手段を実現する
そのROM(またはEEPROMなどの不揮発性メモ
リ)に格納されているテーブル15(図3参照)をルッ
クアップする。このテーブル15には、温度検出信号V
fの値(流体温度)に、流体に流れがない状態での流速
信号Vdu0の補正値Vdu0tが対応付けられて格納
されている。補正値Vdu0tは、流体の流速が0の状
態で、様々な大きさの温度検出信号Vfが検出されたと
きの、流速信号Vdu0の検出値である。そして、テー
ブル15上で実際に観測された温度検出信号Vfの値に
最も近い温度検出信号Vfに対応した補正値Vdu0t
を読み取る(ステップS3)。これによりテーブルルッ
クアップ手段を実現している。テーブル15で参照した
補正値Vdu0tと実際に観測される流速信号Vdu0
の値を比較することで、流体の流速がゼロであるか否か
を判断することができる。
【0093】すなわち、テーブル15から参照した補正
値Vdu0tを実際に観測される流速信号Vdu0の値
から減算すると(ステップS4)、流速信号Vdu0z
を得る。これにより補正手段を実現している。流速信号
Vdu0zは流体の温度変化分を考慮した温度補償後の
流速信号を示すものであり、温度補償がされた正確な流
速信号となる。ステップS2により温度測定工程を実現
し、ステップS3,S4により温度補償工程を実現して
いる。
【0094】前記の処理で使用したテーブル15の作成
は次のように行う。すなわち、温度補償手段を実現した
図4のフローチャートに示すように、熱式フローセンサ
2を異なる複数の温度下において、流体の流量がゼロの
状態で、各温度での温度信号Vfと流速信号Vdu0と
を測定する(ステップS11)。これにより測定工程を
実現している。例えば、想定する流体の温度範囲が0℃
〜50℃だとしたら、流速ゼロの状態で、流体の温度を
0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃と変化
させ(この温度間隔は様々に選択することができる)、
温度信号Vfと流速信号Vdu0の値を取得する。そし
て、このようにして得られた各温度信号Vfと各補正値
Vdu0tとを対応付けて各温度信号Vfと各補正値V
du0tとを対応付けて格納したテーブルであるテーブ
ル15を作成する(ステップS12)。これによりテー
ブル作成工程を実現している。
【0095】前記の処理では、テーブル15を用いて温
度補償を行ったが、温度補償は、テーブル15のルック
アップに代えて、次のように所定の関係式を用いた演算
で行ってもよい。
【0096】すなわち、流体に流れがない状態での流速
信号Vdu0と温度検出信号Vfとの関係は、下式
(1)のような1次式で表すことができる。
【0097】 Vdu0f=A×Vf+B …… (1) この1次式において、A、Bは1次式の係数であり、補
正値Vdu0fは温度検出信号Vfの示す温度に相当す
る流体の流量がゼロのときにおける流速信号Vdu0の
値である。補正値Vdu0fの値と実際に観測される流
速信号Vdu0の値を比較することで、流体の流速がゼ
ロであるか否か検討することができる。
【0098】次に、(1)式を用いて、熱式フローセン
サ2から出力される流速信号Vdu0と温度検出信号V
fから最終的に流速信号Vdu0zを得るまでのマイコ
ン5による処理を、図5のフローチャートを参照して説
明する。
【0099】まず、両感温抵抗体Rd,Ruに定電流の
供給を開始する(ステップS21)。これにより供給工
程を実現している。マイコン5(のCPU)は、流速信
号Vdu0と温度検出信号Vfの値を取り込む(ステッ
プS22)。これにより検出工程を実現している。次
に、マイコン5は、検出した温度検出信号Vfを(1)
式に代入して、補正値Vdu0fを求める(ステップS
23)。これにより補正値演算手段を実現する。そし
て、補正値Vdu0fを実際に観測された流速信号Vd
u0の値から減算して、温度補償がなされた流速信号V
du0zを得る(ステップS24)。これにより補正手
段を実現する。流速信号Vdu0zは流体の温度変化に
よる流速信号Vdu0の変化分が差し引かれることにな
り、流速信号Vdu0zを用いることでより正確なゼロ
流量を算出することができる。ステップS23により温
度測定工程を実現し、ステップS23,S24により温
度補償工程を実現している。
【0100】(1)式の1次式は、図6のフローチャー
トのような工程で求める。すなわち、熱式フローセンサ
2を異なる複数の温度下において、流体の流量がゼロの
状態で、各温度での温度検出信号Vfと流速信号Vdu
0とを測定する(ステップS31)。これにより測定工
程を実現している。例えば、想定する流体の温度範囲が
0℃〜50℃だとしたら、流速ゼロの状態で、流体の温
度を少なくとも2つ、例えば0℃、50℃と変化させ
(この温度間隔は様々に選択することができる)、温度
検出信号Vfと流速信号Vdu0の値を取得する。そし
て、各温度検出信号Vfと流速信号Vdu0との値か
ら、グラフの作成などによって(1)式の1次式を作成
する(ステップS32)。これにより関係式作成工程を
実現している。
【0101】また、前記(1)式に代えて、温度検出信
号Vfの変化率Vfrと流速信号Vdu0の変化率Vd
u0rの関係を示す1次式である(2)式を用いて、温
度補償を行うようにしてもよい。
【0102】 Vdu0r=A×Vfr …… (2) この(2)式は、図7に示すフローチャートのような工
程で求めることができる。すなわち、ある基準温度と他
の異なる温度との少なくとも2つの温度で、流体の流量
ゼロの状態での温度検出信号Vfと、流速信号Vdu0
とを検出する(ステップS41)。これにより測定工程
を実現している。
【0103】そして、流体温度に相当する温度検出信号
Vfの値を基準温度での温度検出信号Vf0を基準とし
た変化率Vfrで表す(ステップS42)。例えば、変
化率Vfrは、 Vfr=Vf/Vf0−1 …… (3) と求める。
【0104】そして、温度検出信号Vf0と同じく、基
準温度で流体の流量ゼロである際の流速信号Vdu00
を基準とした流速信号Vdu0の値を変化率Vdu0r
で表す(ステップS42)。これは、例えば、 Vdu0r=Vdu0/Vdu00−1 …… (4) と求める。
【0105】そして、変化率Vfrと、変化率Vdu0
rとの関係式となる1次式を求める(ステップS4
3)。これは、例えば、 Vdu0r=A×Vfr+B となるA,Bを決定することで求まる。A,Bは図6の
工程のように、少なくとも2つの温度における流体の流
量ゼロでの温度検出信号Vf、流速信号Vdu0の値を
求め、決定することができる。ここで、Vdu0rとV
frの値は変化率で表してあるため、基準温度ではとも
にゼロとなる。よって1次式の前記定数Bはゼロであ
り、省くことができる。したがって、(2)式が得られ
る。ステップS42,S43により関係式作成工程を実
現している。
【0106】そして、(2)〜(4)式を用い、温度補
償をともなった流体の流速測定は、マイコンにより、温
度補償手段を実現する図8に示すフローチャートのよう
な処理で行う。すなわち、流速信号Vdu0、温度検出
信号Vfを取込み(ステップS51)、この流速信号V
du0、温度検出信号Vfから、変化率Vdu0r、V
frを求める(Vf0,Vdu00の値は予め用意され
ている)(ステップS52)。
【0107】そして、求めた変化率Vfrを(2)式の
1次式に代入して、流体の流量がゼロのときの流速信号
Vdu0の補正値Vdu0fを算出する(ステップS5
3)。これにより補正値演算手段を実現している。すな
わち、 Vdu0f=A×Vfr である。そして、変化率Vdu0rから変化率Vdu0
fを減算することにより、温度補償後の流速信号Vdu
0zが求められる(ステップS54)。これにより補正
手段を実現している。すなわち、 Vdu0z=Vdu0r−Vdu0f である。これにより、流速信号Vdu0zは温度による
変化率Vdu0rの変化分を取り除くことができ、より
正確な流速ゼロの状態を検出することができる。ステッ
プS51により温度測定工程を実現し、ステップS52
〜S54から温度補償工程を実現している。
【0108】なお、(1)(2)式の1次式の定数A,
Bを求める際には、最小二乗法を用いる。すなわち、図
6、図7の工程では、2つの温度での温度検出信号Vf
と流速信号Vdu0によりA,Bを決定している。これ
は1次式の2点を得て、1次式を決定することであり、
係数A,Bは一意に決定できる。しかし、より正確な流
速ゼロの際の温度変動を決定するため、観測する温度の
数を増やし、3点以上の温度検出信号Vfと流速信号V
du0の値を得た場合などは、一意に1次式を求めるこ
とはできない。このようなときは、ステップS22,S
43で、観測した温度検出信号Vfと流速信号Vdu0
を用い、それぞれ測定点の誤差が最小となるよう最小二
乗法により1次式を決定する。
【0109】以上のようにして、マイコン5は、熱式フ
ローセンサ2から流速信号Vdu0zを得ることができ
る。また、周知の構成のフルイディック流量計3からも
流体の流速信号を得ることができる。熱式フローセンサ
2、フルイディック流量計3のそれぞれから得られた流
速信号は、マイコン5で流体の流量を示す信号に変換さ
れる。これにより第1、第2の流量変換手段を実現して
いる。この2つの流量信号は、選択的にディスプレイ4
に出力されて、流体の流量がディスプレイ4に表示され
る。この流量信号の使い分けは、流体の流速が高流速域
にあるときはフルイディック流量計3を用いて計測した
流量信号を用い、流体の流速が低流速域にあるときは熱
式フローセンサ2を用いて計測した流量信号を用いるよ
うに行う。これにより選択手段を実現している。その場
合の、流体の流速が高流速域にあるか、低流速域にある
かの判断は、例えば、フルイディック流量計3を用いて
計測した流量信号により判断すればよい。
【0110】なお、図1では、高流速域を熱式フローセ
ンサ2で、低流速域をフルイディック流量計3で測定し
て、流体の流量を測定する構成であるLPGメータ1を
示したが、フルイディック流量計3を設けず、高流速域
から低流速域までをすべて熱式フローセンサ2で検出す
る構成としてもよい。
【0111】[発明の実施の形態2]この発明における
別の実施の形態を、発明の実施の形態2として説明す
る。
【0112】図9は、この発明の実施の形態2であるL
PGメータ1の回路図である。図9において、図1と同
様の回路要素などは発明の実施の形態1と共通であるた
め、図9に図1と同一の符号を付して、詳細な説明を省
略する。
【0113】図9のLPGメータ1が図1のものと相違
する点は以下のとおりである。まず、図1の構成では、
上流側感温抵抗体Ruは下流側感温抵抗体RdよりGN
D側に配置されているが、これは、この図9の構成のよ
うに入れ替えて構成することもできる。この場合、扱う
電圧の方向を逆向きにすればよい。具体的には図1の反
転増幅器12の増幅率を正になるよう回路を変更し、非
反転増幅器を構成すればよい。具体的には、図9に示す
ように、反転増幅器12に代えて、演算増幅器U3bな
らびに抵抗R2aおよびR2bからなる非反転増幅器1
6を介装する構成が考えられる。
【0114】しかしながら、この回路構成だと、演算増
幅器U3bの反転入力端子側のインピーダンスが低くな
り、直接A点と接続できなくなる。そのため、演算増幅
器U3aをA点と演算増幅器U3bの反転入力端子との
間にバッファとして介装する必要がある。そのため、電
子部品の点数を削減して製造コストを削減するために
は、発明の実施の形態1のように上流側感温抵抗体Ru
は下流側感温抵抗体RdよりGND側に配置するのがよ
い。
【0115】[発明の実施の形態3]この発明における
別の実施の形態を、発明の実施の形態3として説明す
る。
【0116】図10は、この発明の実施の形態3である
LPGメータ1の回路図である。図10において、図1
と同様の回路要素などは発明の実施の形態1と共通であ
るため、図10に図1と同一の符号を付して、詳細な説
明を省略する。
【0117】図10のLPGメータ1が図1のものと相
違する点は以下のとおりである。まず、半固定抵抗14
に代えてD/Aコンバータ17が用意されていて、この
D/Aコンバータ17が加算器13にオフセット電圧V
offを出力する。すなわち、マイコン5が流速信号V
du0の大きさが最適なものとなるように、適切な大き
さのオフセット電圧Voffのデジタル信号をD/Aコ
ンバータ17に出力する。D/Aコンバータ17は、こ
のデジタル信号をD/A変換して、アナログのオフセッ
ト電圧Voffを出力する。
【0118】マイコン5の具体的な処理は図11のフロ
ーチャートに示すようになる。まず、マイコン5は、オ
フセット電圧Voffが加算されていない流速信号Vd
u0を取り込み(ステップS61)、流速信号Vdu0
が最適な値となるようなオフセット電圧Voffの値を
求めて(ステップS62)、そのオフセット電圧Vof
fのデジタル信号をD/Aコンバータ17に出力する
(ステップS63)。ステップS61により検出手段
を、ステップS62により演算手段を、S63により制
御手段を実現している。
【0119】D/Aコンバータ17を用いることで、半
固定抵抗を用いる発明の実施の形態1の場合に比べて長
期間安定した動作が可能となる。
【0120】[発明の実施の形態4]この発明における
別の実施の形態を、発明の実施の形態4として説明す
る。
【0121】図11は、この発明の実施の形態3である
LPGメータ1の回路図である。図11において、図1
と同様の回路要素などは発明の実施の形態1と共通であ
るため、図11に図1と同一の符号を付して、詳細な説
明を省略する。
【0122】図11のLPGメータ1が図1のものと相
違する点は以下のとおりである。まず、半固定抵抗14
に代えて直列に接続された複数の抵抗、例えば抵抗R4
a,R4b,R4cが介装されている。この抵抗R4
a,R4b,R4cによりオフセット電圧Voffを分
圧し、これらの抵抗の1つ分、2つ分または3つ分の端
子電圧を、スイッチ18の切り換えにより選択的に加算
器13に出力することができる。これにより、電圧源を
構成し、加算器13に段階的に異なる大きさのオフセッ
ト電圧Voffを供給することが可能となる。マイコン
5は、流速信号Vdu0の大きさが最適なものとなるよ
うに、スイッチ18の切り換えによりオフセット電圧V
offを選択する。スイッチ18に代えてジャンパー線
を用いてもよい。
【0123】マイコン5の具体的な処理は次のようにな
る。まず、マイコン5は、オフセット電圧Voffが加
算されていない流速信号Vdu0を取り込み(ステップ
S71)、流速信号Vdu0が最も適切な値となるよう
なオフセット電圧Voffを出力できるスイッチ18の
切り換えを判断して(ステップS72)、その切り換え
になるように、スイッチ18に制御信号を出力する(ス
テップS73)。ステップS71により検出手段を、ス
テップS72により選択手段を、ステップS73により
制御手段を実現している。
【0124】この例では、最適なオフセット電圧Vof
fの精緻な選択をすることができず、ばらつきに対する
余裕を広く取る必要が生じるかもしれないが、発明の実
施の形態1のように半固定抵抗を用いる場合や、発明の
実施の形態3のようにD/Aコンバータを使う場合に比
べて、長期間安定的に動作させることができ、製造コス
トを低減させることができる。
【0125】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、両感温抵抗体
の直列接続における低い方の端子電圧を固定すること
で、従来は両感温抵抗体の接続点を中心に電圧を固定
し、それより低い電圧範囲に持たせていた電圧の余裕分
を、両感温抵抗体の接続点より高い電圧範囲にまわすこ
とができるので、熱式フローサンサの設計の自由度を高
め、設計を容易とすることができる。
【0126】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の熱式フローセンサにおいて、感温抵抗体の製造誤差な
どに起因して、両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧
の大きさにばらつきが発生しても、これを必要なだけ調
節して修正することができる。
【0127】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の熱式フローセンサにおいて、簡易な回路構成で、オフ
セット電圧の加算または減算によって、両感温抵抗体の
端子電圧の差を示す電圧の大きさのばらつきを修正する
ことができる。
【0128】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の熱式フローセンサにおいて、D/Aコンバータを用い
ることで、半固定抵抗を用いる請求項3の発明と比べて
長期間安定した動作が可能となる。
【0129】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
の熱式フローセンサにおいて、請求項3,4の発明と比
べて、長期間安定的に動作させることができ、製造コス
トを低減させることができる。
【0130】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれかの一に記載の熱式フローセンサにおいて、抵抗
を用いた簡単な回路構成により、両感温抵抗体の直列接
続における低い方の端子電圧を固定して、熱式フローサ
ンサの設計の自由度を高め、設計を容易とすることがで
きる。
【0131】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の
いずれかの一に記載の熱式フローセンサにおいて、上流
側感温抵抗体を定電流の供給側、下流側感温抵抗体を電
圧固定側としても、固定電圧の非反転増幅器への入力を
バッファリングして、両感温抵抗体の差電圧を検出する
ことができる。
【0132】請求項8に記載の発明は、請求項1〜6の
いずれかの一に記載の熱式フローセンサにおいて、2つ
の反転増幅器を用いるだけで、流体の流速信号を取り出
すことができるので、流速を検出する回路構成を簡易な
ものとすることができる。
【0133】請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の
いずれかの一に記載の熱式フローセンサにおいて、温度
特性良く定電流を発生させることができる。
【0134】請求項10に記載の発明は、流体の温度が
変化して流速検出信号がドリフトしても、温度補償をお
こなって流体に流れがない状態を正確に検出することが
できる。
【0135】請求項11に記載の発明は、請求項10に
記載の熱式フローセンサにおいて、流体の温度と流体の
流れがないときの流速の検出信号との関係を示すテーブ
ルを参照し、流速の検出信号についての補正値を求めて
補正を行うことで温度補償を行うことができる。
【0136】請求項12に記載の発明は、請求項10に
記載の熱式フローセンサにおいて、流体の温度と流体の
流れがないときの流速の検出信号との関係を示す関係式
に基づく演算を行って、流速の検出信号についての補正
値を求めて補正を行うことで温度補償を行うことができ
る。
【0137】請求項13に記載の発明は、請求項12に
記載の熱式フローセンサにおいて、流体の流速の検出信
号および温度センサによる測定温度の変化率を使用した
一次式を用いることにより、この1次式の定数項部分を
なくすことができるので、温度ドリフトの影響を1つの
係数で表わすことができ、より簡易に温度補償を行うこ
とが可能となる。
【0138】請求項14に記載の発明は、請求項11〜
13の何れかの一に記載の熱式フローセンサにおいて、
流速の検出信号に補正値を減算または加算するだけで簡
易に温度補償を行うことができる。
【0139】請求項15に記載の発明は、請求項1〜1
4の何れかの一に記載の熱式フローセンサを備えた流量
計を得ることができる。
【0140】請求項16に記載の発明は、請求項1〜1
4の何れかの一に記載の熱式フローセンサを備えた流量
計を得ることができる。
【0141】請求項17に記載の発明は、両感温抵抗体
の直列接続における低い方の端子電圧を固定すること
で、従来は両感温抵抗体の接続点を中心に電圧を固定
し、それより低い電圧範囲に持たせていた電圧の余裕分
を、両感温抵抗体の接続点より高い電圧範囲にまわすこ
とができるので、熱式フローサンサの設計の自由度を高
め、設計を容易とすることができる。
【0142】請求項18に記載の発明は、請求項17に
記載の流速検出方法において、感温抵抗体の製造誤差な
どに起因して、両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧
の大きさにばらつきが発生しても、これを必要なだけ調
節して修正することができる。
【0143】請求項19に記載の発明は、流体の温度が
変化して流速検出信号がドリフトしても、温度補償をお
こなって流体に流れがない状態を正確に検出することが
できる。
【0144】請求項20に記載の発明は、請求項19に
記載の流量測定方法において、テーブルを参照し、流速
の検出信号についての補正値を求めて補正を行うことで
温度補償を行うことができる。
【0145】請求項21に記載の発明は、請求項19に
記載の流量測定方法において、関係式に基づく演算を行
って、流速の検出信号についての補正値を求めて補正を
行うことで温度補償を行うことができる。
【0146】請求項22に記載の発明は、流速の検出信
号について温度補償を行うために使用する補正値を求め
るためのテーブルを作成することができる。
【0147】請求項23に記載の発明は、流速の検出信
号について温度補償を行うために使用する補正値を求め
るための関係式を作成することができる。
【0148】請求項24に記載の発明は、請求項23に
記載の関係式作成方法において、より簡易に温度補償を
行うことが可能な関係式を作成することができる。
【0149】請求項25に記載の発明は、請求項23ま
たは24に記載の関係式作成方法において、正確な温度
ドリフトを示す関係式を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1であるLPGメータの
回路図である。
【図2】前記LPGメータの熱式フローセンサから出力
された流速信号と温度検出信号から最終的に温度補償後
の流速信号を得るまでの処理を示すフローチャートであ
る。
【図3】前記温度補償に用いるテーブルを説明する図で
ある。
【図4】前記テーブルの作成手順を説明するフローチャ
ートである。
【図5】前記LPGメータの熱式フローセンサから出力
された流速信号と温度検出信号から最終的に温度補償後
の流速信号を得るまでの処理の他の例を示すフローチャ
ートである。
【図6】前記温度補償に用いる関係式の作成手順を説明
するフローチャートである。
【図7】前記関係式の他の例について作成手順を説明す
るフローチャートである。
【図8】前記関係式を用いる温度補償をともなった流体
の流速測定の手順を説明するフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態2であるLPGメータの
回路図である。
【図10】この発明の実施の形態3であるLPGメータ
の回路図である。
【図11】前記LPGメータで流速信号にオフセット電
圧を加算する処理を説明するフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態4であるLPGメータ
の回路図である。
【図13】前記LPGメータで流速信号にオフセット電
圧を加算する処理を説明するフローチャートである。
【図14】従来の熱式フローセンサの回路図である。
【符号の説明】
Ru 上流側感温抵抗体 Rd 下流側感温抵抗体 U1 演算増幅器 U2 演算増幅器 B 接続点 R1a 抵抗 R1b 抵抗 U3 演算増幅器 R2a 抵抗 R2b 抵抗 U4 演算増幅器 R3a 抵抗 R3b 抵抗 Rf 温度センサ I2 電流源 U3b 演算増幅器 U3a 演算増幅器 R4a 抵抗 R4b 抵抗 1 流量計 2 熱式フローセンサ 3 フルイディック流量計 4 ディスプレイ 5 マイコン 11 反転増幅器 12 反転増幅器 13 加算器 14 半固定抵抗 15 テーブル 16 非反転増幅器 17 D/Aコンバータ 18 スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01F 15/04 G01F 1/68 201A 201B Fターム(参考) 2F030 CA10 CC13 CD13 CD15 CE02 CE21 2F031 AC01 AD03 AF10 2F035 EA04 EA05 EA09

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の上流側および下流側に各々配置さ
    れて加熱される感温抵抗体である上流側感温抵抗体およ
    び下流側感温抵抗体を備え、 前記両感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流
    速を検出する熱式フローセンサにおいて、 前記両感温抵抗体は直列に接続されて同一の定電流の供
    給を受けるものであり、 この両感温抵抗体の直列接続の一端は前記定電流の供給
    側に接続され、他端の電圧は一定に固定されていること
    を特徴とする熱式フローセンサ。
  2. 【請求項2】 前記両感温抵抗体の端子電圧の差を示す
    電圧を出力する検出回路と、 この検出回路の出力電圧にオフセット電圧を加算または
    減算して当該出力電圧の大きさを調節する加算器または
    減算器と、を備えていることを特徴とする請求項1に記
    載の熱式フローセンサ。
  3. 【請求項3】 抵抗値の変更により前記加算または減算
    されるオフセット電圧の大きさを可変可能とする半固定
    抵抗を備えていることを特徴とする請求項2に記載の熱
    式フローセンサ。
  4. 【請求項4】 前記出力電圧を検出する検出手段と、 この検出した電圧の大きさに応じて前記オフセット電圧
    の大きさを求める演算手段と、 前記加算器または減算器に前記オフセット電圧を出力す
    るD/Aコンバータと、 前記演算手段で求めた大きさの前記オフセット電圧を出
    力するように前記D/Aコンバータに制御信号を出力す
    る制御手段と、を備えていることを特徴とする請求項2
    に記載の熱式フローセンサ。
  5. 【請求項5】 複数の抵抗が直列に接続され入力電圧を
    当該抵抗で分圧することで複数の大きさの電圧を出力可
    能な電圧源と、 前記出力電圧を検出する検出手段と、 この検出した電圧の大きさに応じて前記複数の電圧のう
    ち一つを前記オフセット電圧として選択する選択手段
    と、 この選択した電圧を前記加算器または減算器に出力させ
    る制御手段と、を備えていることを特徴とする請求項2
    に記載の熱式フローセンサ。
  6. 【請求項6】 前記両感温抵抗体の直列接続の他端は、
    一端がGNDに接続されている抵抗の他端と接続され、
    この抵抗の抵抗値が一定であることにより前記両感温抵
    抗体の直列接続の他端の電圧を一定に固定していること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかの一に記載の熱式
    フローセンサ。
  7. 【請求項7】 前記上流側感温抵抗体は前記定電流の供
    給側に接続され、 前記下流側感温抵抗体は前記電圧固定側に接続されてい
    て、 前記検出回路は、 前記両感温抵抗体の接続点における電圧を基準電圧とし
    て前記両感温抵抗体の直列接続に対する入力電圧を反転
    増幅する反転増幅器と、 前記固定された電圧を基準電圧として前記反転増幅器の
    出力電圧を非反転増幅する非反転増幅器と、 前記固定電圧の前記非反転増幅器への入力をバッファリ
    ングする演算増幅器と、を備えていることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかの一に記載の熱式フローセン
    サ。
  8. 【請求項8】 前記下流側感温抵抗体は前記定電流の供
    給側に接続され、 前記上流側感温抵抗体は前記電圧固定側に接続されてい
    て、 前記検出回路は、 前記両感温抵抗体の接続点における電圧を基準電圧とし
    て前記両感温抵抗体の直列接続に対する入力電圧を反転
    増幅する第1の反転増幅器と、 前記固定された電圧を基準電圧として前記第1の反転増
    幅器の出力電圧を反転増幅する第2の反転増幅器と、を
    備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの
    一に記載の熱式フローセンサ。
  9. 【請求項9】 前記両感温抵抗体の直列接続がフィード
    バックループに接続され非反転入力端子に一定電圧が入
    力されて前記定電流を出力する演算増幅器を備え、 前記両感温抵抗体の直列接続のうち一端側は前記演算増
    幅器の反転入力端子に他端側は前記演算増幅器の出力端
    子にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1
    〜8のいずれかの一に記載の熱式フローセンサ。
  10. 【請求項10】 流体の上流側および下流側に各々配置
    されて加熱される感温抵抗体である上流側感温抵抗体お
    よび下流側感温抵抗体を備え、 前記両感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流
    速を検出する熱式フローセンサにおいて、 前記両感温抵抗体は同一の定電流の供給を受けるもので
    あり、 前記流体の温度を測定する温度センサと、 この測定した温度に基づいて前記流速の検出信号につい
    て温度補償を行う温度補償手段と、を備えていることを
    特徴とする熱式フローセンサ。
  11. 【請求項11】 前記温度補償手段は、 前記流体の温度と当該流体の流れがないときの前記流速
    の検出信号との関係を示すテーブルを記憶するテーブル
    記憶手段と、 このテーブルを参照して前記流体の流れがないときの前
    記流速の検出信号について補正値を求めるテーブルルッ
    クアップ手段と、 この補正値により前記流速の検出信号を補正する補正手
    段と、を備えていることを特徴とする請求項10に記載
    の熱式フローセンサ。
  12. 【請求項12】 前記温度補償手段は、 前記流体の温度と当該流体の流れがないときの前記流速
    の検出信号との関係を示す関係式に基づく演算を行っ
    て、前記流体の流れがないときの前記流速の検出信号に
    ついて補正値を求める補正値演算手段と、 この補正値により前記流速の検出信号を補正する補正手
    段と、を備えていることを特徴とする請求項10に記載
    の熱式フローセンサ。
  13. 【請求項13】 前記補正値演算手段は、前記関係式と
    して特定の温度での流れがないときにおける前記流体の
    流速の検出信号および前記温度センサによる測定温度の
    変化率を使用した一次式を用い、これらの変化率を求め
    る演算を行って前記補正値を求めるものである請求項1
    2に記載の熱式フローセンサ。
  14. 【請求項14】 前記補正手段は、前記流速の検出信号
    に前記補正値を減算または加算して前記補正を行うこと
    を特徴とする請求項11〜13の何れかの一に記載の熱
    式フローセンサ。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14の何れかの一に記載の
    熱式フローセンサと、 この熱式フローセンサの出力信号を前記流体の流量を示
    す流量信号に変換する第1の流量変換手段と、を備えて
    いることを特徴とする流量計。
  16. 【請求項16】 フルイディック流量計と、 このフルイディック流量計の出力信号を前記流体の流量
    を示す流量信号に変換する第2の流量変換手段と、 前記第1の流量変換手段が出力する流量信号と前記第2
    の流量変換手段が出力する流量信号とのうちのひとつを
    択一的に選択することで、前記流量の測定は高流量域を
    前記フルイディック流量計でおこない低流量域を前記熱
    式フローセンサでおこなう選択手段と、を備えているこ
    とを特徴とする請求項16に記載の流量計。
  17. 【請求項17】 流体の上流側および下流側に各々加熱
    される感温抵抗体である上流側感温抵抗体および下流側
    感温抵抗体を配置して、 前記両感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流
    速を検出する流速検出方法において、 前記両感温抵抗体は直列に接続されて同一の定電流を供
    給されるものであり、 この両感温抵抗体の直列接続の一端は前記定電流の供給
    側とし、他端の電圧は一定に固定した状態で、前記定電
    流の供給を開始する供給工程と、 この供給があるときに前記両感温抵抗体の抵抗値の差を
    検出して前記流体の流速を検出する検出工程と、を含ん
    でなることを特徴とする流速検出方法。
  18. 【請求項18】 前記両感温抵抗体の端子電圧の差を示
    す電圧にオフセット電圧を加算または減算して、当該電
    圧の大きさを調節することを特徴とする請求項17に記
    載の流速検出方法。
  19. 【請求項19】 流体の上流側および下流側に各々加熱
    される感温抵抗体である上流側感温抵抗体および下流側
    感温抵抗体を配置して、 前記両感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流
    速を検出する流速検出方法において、 前記両感温抵抗体には同一の定電流を供給するものであ
    り、 前記流体の温度を測定する温度測定工程と、 この測定した温度に基づいて前記流速の検出信号につい
    て温度補償を行う温度補償工程と、を含んでなることを
    特徴とする流量測定方法。
  20. 【請求項20】 前記温度補償工程は、 予め前記流体の温度と当該流体の流れがないときの前記
    流速の検出信号との関係を示すテーブルを用意し、 このテーブルを参照して前記流体の流れがないときの前
    記流速の検出信号について補正値を求めることで行うこ
    とを特徴とする請求項19に記載の流量測定方法。
  21. 【請求項21】 前記温度補償工程は、 予め前記流体の温度と当該流体の流れがないときの前記
    流速の検出信号との関係を示す関係式を用意し、 この関係式に基づく演算を行って、前記流体の流れがな
    いときの前記流速の検出信号について補正値を求めるこ
    とで行うことを特徴とする請求項19に記載の流量測定
    方法。
  22. 【請求項22】 流体の上流側および下流側に各々加熱
    される感温抵抗体である上流側感温抵抗体および下流側
    感温抵抗体を配置して、前記両感温抵抗体の抵抗値の差
    に基づいて前記流体の流速を検出するに際し、前記両感
    温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧にオフセット電圧を
    加算または減算して当該電圧の大きさを調節する処理
    で、当該処理のため参照するテーブルを作成するテーブ
    ル作成方法において、 異なる複数の環境温度で前記流体の流れのない状態で前
    記差電圧の値と前記流体の温度とを測定する測定工程
    と、 この両測定値を対応付けた前記テーブルを作成するテー
    ブル作成工程と、を含んでなることを特徴とするテーブ
    ル作成方法。
  23. 【請求項23】 流体の上流側および下流側に各々加熱
    される感温抵抗体である上流側感温抵抗体および下流側
    感温抵抗体を配置して、前記両感温抵抗体の抵抗値の差
    に基づいて前記流体の流速を検出するに際し、前記両感
    温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧の大きさを調節する
    処理で、当該処理のための演算に使用する関係式を作成
    する関係式作成方法において、 異なる複数の環境温度で前記流体の流れのない状態で前
    記差電圧の値と前記流体の温度とを測定する測定工程
    と、 この両測定値から前記関係式を求める関係式作成工程
    と、を含んでなることを特徴とする関係式作成方法。
  24. 【請求項24】 前記関係式作成工程は、特定の温度を
    基準として前記差電圧および前記温度の各変化率を求
    め、この変化率の関係を示す1次式を前記関係式として
    求めることを特徴とする請求項23に記載の関係式作成
    方法。
  25. 【請求項25】 前記関係式作成工程は、前記複数の環
    境温度における前記測定の値に最小二乗法を適用して前
    記関係式を求めるものである請求項23または24に記
    載の関係式作成方法。
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