JP4450958B2 - 熱式フローセンサ - Google Patents

熱式フローセンサ Download PDF

Info

Publication number
JP4450958B2
JP4450958B2 JP2000207769A JP2000207769A JP4450958B2 JP 4450958 B2 JP4450958 B2 JP 4450958B2 JP 2000207769 A JP2000207769 A JP 2000207769A JP 2000207769 A JP2000207769 A JP 2000207769A JP 4450958 B2 JP4450958 B2 JP 4450958B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
temperature sensitive
temperature
sensitive resistors
resistors
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000207769A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002022514A (ja
Inventor
伸一 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Elemex Corp, Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Elemex Corp
Priority to JP2000207769A priority Critical patent/JP4450958B2/ja
Publication of JP2002022514A publication Critical patent/JP2002022514A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4450958B2 publication Critical patent/JP4450958B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)
  • Details Of Flowmeters (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガス流量計、フローメータなどの分野に利用され、流体の流速を測定する熱式フローセンサおよび流速検出方法、流体の流量を測定する流量計、ならびに、これらに使用するテーブル作成方法および関係式作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の熱式フローサンサについては、例えば、特開平11−287685号公報に開示されている。
【0003】
図14は、特開平11−287685号公報にも開示されている従来の熱式フローセンサの回路図である。図14において、符号F1はセンサ駆動部である。センサ駆動部F1の符号Rs1、Rs2は感温抵抗体である。この感温抵抗体Rs1とRs2は流体の上流と下流に位置するように設置される。符号I1は電流源である。電流源I1とRs1はa点で接続される。感温抵抗体Rs1とRs2はb点で接続される。符号U1は反転増幅器、符号U2はボルテージホロワである。反転増幅器U1のフィードバックループ中のb点、c点に感温抵抗体Rs2が接続される。ボルテージホロワU2はa点の電圧をd点に出力する。反転増幅器U1の出力はe点に出力する。符号F2は差電圧検出部である。差電圧検出部F2は、Rs1の端子電圧とRs2の端子電圧の差をg点に出力する。符号F3は増幅部である。増幅部F3の符号A1、A2、A3は増幅器である。これらは、それぞれd点、e点、g点の電圧を増幅して出力する。
【0004】
上記の回路構成で、感温抵抗体Rs1とRs2の抵抗値は等しくする。感温抵抗体Rs1とRs2は大きな抵抗温度係数を持つものを用いる。感温抵抗体Rs1とRs2は流体温度に対し高い温度になるように熱せられる。これは、例えば、電流源I1による定電流でジュール熱を感温抵抗体Rs1、Rs2自体に生じさせることで熱するようにすることができる。また、例えば、熱源を他に設け、感温抵抗体Rs1とRs2が熱せられるようにしてもよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術のセンサ駆動部F1はb点を基準に動作する。すなわち、b点は反転増幅器U1により仮想接地されている。単電源での動作の場合は、i点の電圧をGNDではなく、電源電圧の半分の電圧などにして回路を動作させることができる。
【0006】
しかしながら、実際は感温抵抗体Rs1側には電流源I1が必要であるため、電流源I1を構成するために電圧の余裕が感温抵抗体Rs2側に比べ必要となる。b点の電圧を中心に感温抵抗体Rs1とRs2は動作し、その電源電圧側に電流源I1があるため、電流源I1は電源電圧に近い電圧範囲で動作させる必要がある。また、流体の温度や流速により、感温抵抗体Rs1の抵抗値は変化するため、a点の電圧は逐次変化する。そして、電流源I1を構成する場合、定電流ダイオードなどで直接に定電流を発生させるよりも、電圧−電流変換を行う方が温度特性の良いものを構成しやすい。定電圧源の方が製品の種類も多く温度特性の良いものを選択しやすいためである。
【0007】
このような電圧−電流変換により定電圧を発生する場合、前記従来技術のように電池を電源に用い、電源電圧そのものが変化する構成とすると、b点の電圧より高い電圧範囲が狭いため、電流の基準となる電圧を与えるのが困難になり、熱式フローサンサの設計の自由度が低く、回路設計が困難であるという不具合がある。
【0008】
また、流体の温度が一定であれば、流体の流れがないときにおける2つの感温抵抗体Rs1とRs2の電圧差も一定であるが、流体の温度が変動すると、流体の流れがないときにおける2つの感温抵抗体Rs1とRsの電圧差も変動するため、流体に流れが発生したのか、流体に流れは発生せず流体の温度が変化したのか区別がつかず、正確なゼロ流量を判断できないという不具合も生じる。
【0009】
この発明の目的は、熱式フローサンサの設計の自由度を高め、設計を容易とすることである。
【0010】
この発明の目的は、感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧の大きさにばらつきが発生しても、修正できるようにすることである。
【0013】
この発明の目的は、前記修正を長期間安定的に動作させることができ、製造コストを低減させることができる回路構成で実現することである。
【0015】
この発明の目的は、この場合に上流側感温抵抗体を定電流の供給側、下流側感温抵抗体を電圧固定側としても、両感温抵抗体の差電圧を検出できるようにすることである。
【0016】
この発明の目的は、前記の場合に下流側感温抵抗体を定電流の供給側、上流側感温抵抗体を電圧固定側として、両感温抵抗体の差電圧を検出するための回路構成を簡易なものとすることである。
【0017】
この発明の目的は、温度特性良く駆動用の定電流を発生させることである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、流体の上流側および下流側に各々配置されて加熱される感温抵抗体である上流側感温抵抗体および下流側感温抵抗体を有し、前記両感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流速を検出する熱式フローセンサにおいて、前記両感温抵抗体は直列に接続されて同一の定電流の供給を受けるものであり、この両感温抵抗体の直列接続の一端は前記定電流の供給側に接続され、他端の電圧は一定に固定されており、前記両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧を出力する検出回路と、この検出回路の出力電圧にオフセット電圧を加算または減算して当該出力電圧の大きさを調節する加算器または減算器と、複数の抵抗が直列に接続され入力電圧を当該抵抗で分圧することで複数の大きさの電圧を出力可能な電圧源と、前記出力電圧を検出する検出手段と、この検出した電圧の大きさに応じて前記複数の電圧のうち一つを前記オフセット電圧として選択する選択手段と、この選択した電圧を前記加算器または減算器に出力させる制御手段と、を備えていることを特徴とする熱式フローセンサである。
【0021】
したがって、両感温抵抗体の直列接続における低い方の端子電圧を固定することで、従来は両感温抵抗体の接続点を中心に電圧を固定し、それより低い電圧範囲に持たせていた電圧の余裕分を、両感温抵抗体の接続点より高い電圧範囲にまわすことができるので、熱式フローサンサの設計の自由度を高め、設計を容易とすることができる。さらに、感温抵抗体の製造誤差などに起因して、両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧の大きさにばらつきが発生しても、これを必要なだけ調節して修正することができるとともに、長期間安定的に動作させることができ、製造コストを低減させることもできる。
【0032】
請求項2に記載の発明は、流体の上流側および下流側に各々配置されて加熱される感温抵抗体である上流側感温抵抗体および下流側感温抵抗体を有し、前記両感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流速を検出する熱式フローセンサにおいて、前記両感温抵抗体は直列に接続されて同一の定電流の供給を受けるものであり、この両感温抵抗体の直列接続の一端は前記定電流の供給側に接続され、他端の電圧は一定に固定されており、前記両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧を出力する検出回路と、この検出回路の出力電圧にオフセット電圧を加算または減算して当該出力電圧の大きさを調節する加算器または減算器と、を具備し、前記上流側感温抵抗体は前記定電流の供給側に接続され、前記下流側感温抵抗体は前記電圧固定側に接続されていて、前記検出回路は、前記両感温抵抗体の接続点における電圧を基準電圧として前記両感温抵抗体の直列接続に対する入力電圧を反転増幅する反転増幅器と、前記固定された電圧を基準電圧として前記反転増幅器の出力電圧を非反転増幅する非反転増幅器と、前記固定電圧の前記非反転増幅器への入力をバッファリングする演算増幅器と、を備えていることを特徴とする熱式フローセンサである。
【0033】
したがって、両感温抵抗体の直列接続における低い方の端子電圧を固定することで、従来は両感温抵抗体の接続点を中心に電圧を固定し、それより低い電圧範囲に持たせていた電圧の余裕分を、両感温抵抗体の接続点より高い電圧範囲にまわすことができるので、熱式フローサンサの設計の自由度を高め、設計を容易とすることができる。さらに、感温抵抗体の製造誤差などに起因して、両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧の大きさにばらつきが発生しても、これを必要なだけ調節して修正することができるとともに、上流側感温抵抗体を定電流の供給側、下流側感温抵抗体を電圧固定側としても、固定電圧の非反転増幅器への入力をバッファリングして、両感温抵抗体の差電圧を検出することもできる。
【0034】
請求項3に記載の発明は、流体の上流側および下流側に各々配置されて加熱される感温抵抗体である上流側感温抵抗体および下流側感温抵抗体を有し、前記両感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流速を検出する熱式フローセンサにおいて、前記両感温抵抗体は直列に接続されて同一の定電流の供給を受けるものであり、この両感温抵抗体の直列接続の一端は前記定電流の供給側に接続され、他端の電圧は一定に固定されており、前記両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧を出力する検出回路と、この検出回路の出力電圧にオフセット電圧を加算または減算して当該出力電圧の大きさを調節する加算器または減算器と、を具備し、前記下流側感温抵抗体は前記定電流の供給側に接続され、前記上流側感温抵抗体は前記電圧固定側に接続されていて、前記検出回路は、前記両感温抵抗体の接続点における電圧を基準電圧として前記両感温抵抗体の直列接続に対する入力電圧を反転増幅する第1の反転増幅器と、前記固定された電圧を基準電圧として前記第1の反転増幅器の出力電圧を反転増幅する第2の反転増幅器と、を備えていることを特徴とする熱式フローセンサである。
【0035】
したがって、両感温抵抗体の直列接続における低い方の端子電圧を固定することで、従来は両感温抵抗体の接続点を中心に電圧を固定し、それより低い電圧範囲に持たせていた電圧の余裕分を、両感温抵抗体の接続点より高い電圧範囲にまわすことができるので、熱式フローサンサの設計の自由度を高め、設計を容易とすることができる。さらに、感温抵抗体の製造誤差などに起因して、両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧の大きさにばらつきが発生しても、これを必要なだけ調節して修正することができるとともに、2つの反転増幅器を用いるだけで、流体の流速信号を取り出すことができるので、流速を検出する回路構成を簡易なものとすることもできる。
【0036】
請求項に記載の発明は、流体の上流側および下流側に各々配置されて加熱される感温抵抗体である上流側感温抵抗体および下流側感温抵抗体を有し、前記両感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流速を検出する熱式フローセンサにおいて、前記両感温抵抗体は直列に接続されて同一の定電流の供給を受けるものであり、この両感温抵抗体の直列接続の一端は前記定電流の供給側に接続され、他端の電圧は一定に固定されており、前記両感温抵抗体の直列接続がフィードバックループに接続され非反転入力端子に一定電圧が入力されて前記定電流を出力する演算増幅器を備え、前記両感温抵抗体の直列接続のうち一端側は前記演算増幅器の反転入力端子に他端側は前記演算増幅器の出力端子にそれぞれ接続されていることを特徴とする熱式フローセンサである
【0037】
したがって、両感温抵抗体の直列接続における低い方の端子電圧を固定することで、従来は両感温抵抗体の接続点を中心に電圧を固定し、それより低い電圧範囲に持たせていた電圧の余裕分を、両感温抵抗体の接続点より高い電圧範囲にまわすことができるので、熱式フローサンサの設計の自由度を高め、設計を容易とすることができる。さらに、温度特性良く定電流を発生させることができる。
【0070】
【発明の実施の形態】
[発明の実施の形態1]
この発明の一実施の形態を、発明の実施の形態1として説明する。
【0071】
図1は、この発明の実施の形態1であるLPGメータ1の回路図である。このLPGメータ1は、この発明の流量計を実施するもので、流体(この例ではLPG)の低流量域を測定するための熱式フローセンサ2と、流体の高流量域を測定するためのフルイディック流量計3と、LPGメータ1で測定した流体の流量を表示するディスプレイ4と、LPGメータ1を集中的に制御するマイコン5とを備え、流体の流量を測定して表示する装置である。
【0072】
熱式フローセンサ2の回路構成について説明する。上流側感温抵抗体Ru、下流側感温抵抗体Rdは、それぞれ流体の上流側、下流側に配置され、自ら発するジュール熱により加熱される、大きな抵抗温度係数をもつ同一特性の感温抵抗体であり、B点で直列に接続されている。
【0073】
演算増幅器U1は、そのフィードバックループに上流側感温抵抗体Ruと下流側感温抵抗体Rdの直列接続が接続され、非反転入力端子に一定電圧Vgが入力されて、上流側感温抵抗体Ruと下流側感温抵抗体Rdに定電流I1を出力する。上流側感温抵抗体Ruと下流側感温抵抗体Rdの直列接続のうち、上流側感温抵抗体Ru側は演算増幅器U1の反転入力端子に下流側感温抵抗体Rd側は演算増幅器U1の出力端子にそれぞれ接続されている。
【0074】
第1の反転増幅器である反転増幅器11は、演算増幅器U2ならびに抵抗R1aおよびR1bからなり、両感温抵抗体RuとRdの接続点Bにおける電圧を基準電圧として、両感温抵抗体RuとRdの直列接続に対する入力電圧を反転増幅する。抵抗R1a,R1bは反転増幅器11の増幅率を−1倍に調節するものである。第2の反転増幅器である反転増幅器12は、演算増幅器U3ならびに抵抗R2aおよびR2bからなり、A点の固定された電圧(後述)を基準電圧として、反転増幅器11の出力電圧を反転増幅する。抵抗R2a,R2bは反転増幅器12の増幅率を調節するものである。反転増幅器11および12で検出回路を構成する。
【0075】
両感温抵抗体RuとRdの直列接続の一端、この例で下流側感温抵抗体Rd側端は演算増幅器U1の出力端子と接続されているが、他端、この例では上流側感温抵抗体Ru側端は、一端がGNDに接続されている固定抵抗Riの他端と接続され、この抵抗Riの抵抗値が一定で演算増幅器U1から定電流が供給されることにより、両感温抵抗体RuとRdの直列接続における一端、この例では上流側感温抵抗体Ru側端の電圧を一定に固定している。
【0076】
反転増幅器U1に与えられた電圧Vgと抵抗Riにより決められる電流がU1のフィードバックループ中を流れる。この電流Ihは、
Ih=Vg/Ri
により定まる。
【0077】
A点の電圧は反転増幅器11により反転増幅される。反転増幅器11の基準電圧はB点の電圧となるので、下流側感温抵抗体Rdの電圧がB点を基準に反転される。反転増幅器11の出力はA点の電圧を基準電圧として反転増幅器12により反転増幅される。この増幅率Gは,抵抗R2aとR2bにより次のように決まる。
G=−R2b/R2a
【0078】
A点の電圧は演算増幅器U1の仮想接地効果によりVgと同電圧となる。反転増幅器12の出力Vduは、上流側感温抵抗体Ruの端子電圧をVu、下流側感温抵抗体Rdの端子電圧をVdとして、
Vdu=G(Vd−Vu)+Vg
となる。
【0079】
流体に流れが無ければ、端子電圧VdとVuは等しいため、出力VduはVgとなる。電圧Vgは演算増幅器U1,U2,U3が動作可能な電圧以上に設定する。通常のオペアンプは電源電圧近傍の入力電圧では動作せず、トランジスタ1個分の0.7程度の余裕を電源電圧側にとる必要がある。
【0080】
このLPGメータ1を単電源で動作させることを考えると、電圧VgはGNDから0.7V以上の電圧にすることが望ましい。しかし、入力電圧範囲を電源電圧範囲までに広げた演算増幅器もあるため、0.7V以下にする選択も可能である。また、流体の流速によって反転増幅器U2の出力は電圧Vgより小さい値となる。その小さくなる大きさは“Vd−Vu”で決まる。よって、少なくとも“Vg−(Vd−Vu)”の最小電圧(最大流速のとき)が演算増幅器の動作入力電圧範囲に入るように、電圧Vgを決定する。
【0081】
以上のような構成とすることで、両感温抵抗体RuとRdに電力を供給して駆動する回路中で現れる最大の電圧はC点の電圧であり、最小の電圧はGNDとなる。よって、C点の電圧以上の電圧を電源とすれば、単電源動作が可能となる。
【0082】
流体の流速がゼロで流体の温度が予測しうる最大値の場合に、両感温抵抗体Ru、Rdの抵抗値は最大値となる。このときC点の電圧は最大となる。よって、回路で必要な動作電圧の最大値がはっきりと決定できる。そのため、より効率的な電源を用いることが可能となる。
【0083】
また、両感温抵抗体Ru,Rdの直列接続における低い方の端子電圧であるA点の電圧を固定することで、従来は両感温抵抗体Ru,Rdの接続点B点を中心に電圧を固定し、それより低い電圧範囲に持たせていた電圧の余裕分を、両感温抵抗体Ru,Rdの接続点Bより高い電圧範囲にまわすことができるので、熱式フローサンサ2の設計の自由度を高め、設計を容易とすることができる。
【0084】
さらに、2段の反転増幅器11,12を用いるだけで、両感温抵抗体Ru,Rdの電圧差を反転増幅器12の出力として取り出して、流体の流速信号とすることができるので、流速を検出する回路構成を簡易なものとすることができる。
【0085】
ところで、両感温抵抗体Ru,Rdがまったく同じ特性で抵抗値も等しい場合、流体の流れがない状態での出力Vduは、電圧Vgと等しい。つまり、流速信号にとって電圧Vgは仮想的なGNDと考えることができる。しかし、実際の感温抵抗体Ru,Rdにはばらつきがあり、まったく等しい特性のものを2つ用意することは困難である。
【0086】
両感温抵抗体RuとRdの特性に違いがある場合、特に抵抗値に違いがある場合は、流体の流れがない状態において出力Vduは電圧Vgと等しくならない。下流側感温抵抗体Rdの抵抗値が上流側感温抵抗体Ruに比べ小さいと、流体の流れが無い時の出力Vduの電圧は電圧Vgより小さくなる。また、逆に下流側感温抵抗体Rdの抵抗値がRuに比べ大きいと、出力Vduの電圧はVgより大きくなる。
【0087】
電池などを電源にした低電圧動作をさせたい電子機器の場合、使用できる電圧範囲を有効に使用することが望ましい。ばらつきによる出力電圧の違いがある場合、ばらつきに対する余裕分を広く取る必要が生じ、流速信号分の電圧範囲を狭くしなくてはならない。これは流速信号の精度を悪化させる。このようなことを避けるには、両感温抵抗体RuとRdの特性を揃えるよう選別する必要がある。このような選別には費用がかかり、両感温抵抗体RuとRdの製造歩留まりなどを悪化させる。
【0088】
そこで、このLPGメータ1では、加算器13を設けている。ここの加算器13は、演算増幅器U4および抵抗R3a,R3bならびにR3cからなり、出力Vduと所定値のオフセット電圧Voffを加算した電圧Vdu0を出力して、両感温抵抗体Ru,Rdの抵抗値のばらつきによる出力Vduの電圧Vgからのずれを修正する。これにより、余裕分に必要となる電圧を吸収し、次段の装置への出力Vdu0での流速信号成分を、より広い電圧範囲で出力することが可能となる。すなわち、オフセット電圧Voffは、出力Vdu0の出力が電圧Vgと等しくなるような大きさに設定する。
【0089】
オフセット電圧Voffの大きさは、半固定抵抗14により調整可能としている。すなわち、実際の製作工程では、両感温抵抗体Ru,Rdのばらつきの他に、抵抗R1a、R2bなどの抵抗のばらつきや、演算増幅器U2,U3自体のばらつきも存在する。このようなばらつきを含めると、オフセット電圧Voffの決定は、使用する両感温抵抗体Ru,Rdと使用するその他の電子部品の組み合わせが決定された後であることが望ましい。そこで、実際に使用する電子部品が組み付けられた状態において、オフセット電圧Voffの大きさを半固定抵抗14で変更できるようにして、簡単な回路構成で、オフセット電圧Voffを個々のLPGメータ1ごとに決定できるようにしている。なお、出力Vduの値をオフセット電圧Voff分下げて出力Vdu0とする場合などには、加算器13に代えて減算器を用いてもよい。
【0090】
熱式フローセンサ2は、両感温抵抗体RuとRdとは別に、流体の両感温抵抗体Ru,Rdの発する熱の影響を受けにくい位置に配置される、抵抗温度係数の高い抵抗である測温抵抗体Rfを備えている。この測温抵抗体Rfは、一端がGNDに接続され、他端からは所定の電流源I2により発熱しないような微弱な定電流を供給される。この測温抵抗体Rfの端子電圧Vfは流体の温度を検出する信号となるので、測温抵抗体Rfは流体の温度を検出する温度センサとなる。
【0091】
熱式フローセンサ2から出力された流速信号Vdu0と温度検出信号Vfから最終的に流速信号Vdu0z(後述)を得るまでの処理はマイコン5により実行されるので、かかる処理の流れを、温度補償手段を実現する図2のフローチャートを参照して説明する。
【0092】
まず、マイコン5(のCPU)は、両感温抵抗体Rd,Ruに定電流の供給を開始する(ステップS1)。これにより供給工程を実現している。そして、流速信号Vdu0と温度検出信号Vfの値を取り込む(ステップS2)。これにより検出工程を実現している。次に、マイコン5は、テーブル記憶手段を実現するそのROM(またはEEPROMなどの不揮発性メモリ)に格納されているテーブル15(図3参照)をルックアップする。このテーブル15には、温度検出信号Vfの値(流体温度)に、流体に流れがない状態での流速信号Vdu0の補正値Vdu0tが対応付けられて格納されている。補正値Vdu0tは、流体の流速が0の状態で、様々な大きさの温度検出信号Vfが検出されたときの、流速信号Vdu0の検出値である。そして、テーブル15上で実際に観測された温度検出信号Vfの値に最も近い温度検出信号Vfに対応した補正値Vdu0tを読み取る(ステップS3)。これによりテーブルルックアップ手段を実現している。テーブル15で参照した補正値Vdu0tと実際に観測される流速信号Vdu0の値を比較することで、流体の流速がゼロであるか否かを判断することができる。
【0093】
すなわち、テーブル15から参照した補正値Vdu0tを実際に観測される流速信号Vdu0の値から減算すると(ステップS4)、流速信号Vdu0zを得る。これにより補正手段を実現している。流速信号Vdu0zは流体の温度変化分を考慮した温度補償後の流速信号を示すものであり、温度補償がされた正確な流速信号となる。ステップS2により温度測定工程を実現し、ステップS3,S4により温度補償工程を実現している。
【0094】
前記の処理で使用したテーブル15の作成は次のように行う。すなわち、温度補償手段を実現した図4のフローチャートに示すように、熱式フローセンサ2を異なる複数の温度下において、流体の流量がゼロの状態で、各温度での温度信号Vfと流速信号Vdu0とを測定する(ステップS11)。これにより測定工程を実現している。例えば、想定する流体の温度範囲が0℃〜50℃だとしたら、流速ゼロの状態で、流体の温度を0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃と変化させ(この温度間隔は様々に選択することができる)、温度信号Vfと流速信号Vdu0の値を取得する。そして、このようにして得られた各温度信号Vfと各補正値Vdu0tとを対応付けて各温度信号Vfと各補正値Vdu0tとを対応付けて格納したテーブルであるテーブル15を作成する(ステップS12)。これによりテーブル作成工程を実現している。
【0095】
前記の処理では、テーブル15を用いて温度補償を行ったが、温度補償は、テーブル15のルックアップに代えて、次のように所定の関係式を用いた演算で行ってもよい。
【0096】
すなわち、流体に流れがない状態での流速信号Vdu0と温度検出信号Vfとの関係は、下式(1)のような1次式で表すことができる。
【0097】
Vdu0f=A×Vf+B …… (1)
この1次式において、A、Bは1次式の係数であり、補正値Vdu0fは温度検出信号Vfの示す温度に相当する流体の流量がゼロのときにおける流速信号Vdu0の値である。補正値Vdu0fの値と実際に観測される流速信号Vdu0の値を比較することで、流体の流速がゼロであるか否か検討することができる。
【0098】
次に、(1)式を用いて、熱式フローセンサ2から出力される流速信号Vdu0と温度検出信号Vfから最終的に流速信号Vdu0zを得るまでのマイコン5による処理を、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0099】
まず、両感温抵抗体Rd,Ruに定電流の供給を開始する(ステップS21)。これにより供給工程を実現している。マイコン5(のCPU)は、流速信号Vdu0と温度検出信号Vfの値を取り込む(ステップS22)。これにより検出工程を実現している。次に、マイコン5は、検出した温度検出信号Vfを(1)式に代入して、補正値Vdu0fを求める(ステップS23)。これにより補正値演算手段を実現する。そして、補正値Vdu0fを実際に観測された流速信号Vdu0の値から減算して、温度補償がなされた流速信号Vdu0zを得る(ステップS24)。これにより補正手段を実現する。流速信号Vdu0zは流体の温度変化による流速信号Vdu0の変化分が差し引かれることになり、流速信号Vdu0zを用いることでより正確なゼロ流量を算出することができる。ステップS23により温度測定工程を実現し、ステップS23,S24により温度補償工程を実現している。
【0100】
(1)式の1次式は、図6のフローチャートのような工程で求める。すなわち、熱式フローセンサ2を異なる複数の温度下において、流体の流量がゼロの状態で、各温度での温度検出信号Vfと流速信号Vdu0とを測定する(ステップS31)。これにより測定工程を実現している。例えば、想定する流体の温度範囲が0℃〜50℃だとしたら、流速ゼロの状態で、流体の温度を少なくとも2つ、例えば0℃、50℃と変化させ(この温度間隔は様々に選択することができる)、温度検出信号Vfと流速信号Vdu0の値を取得する。そして、各温度検出信号Vfと流速信号Vdu0との値から、グラフの作成などによって(1)式の1次式を作成する(ステップS32)。これにより関係式作成工程を実現している。
【0101】
また、前記(1)式に代えて、温度検出信号Vfの変化率Vfrと流速信号Vdu0の変化率Vdu0rの関係を示す1次式である(2)式を用いて、温度補償を行うようにしてもよい。
【0102】
Vdu0r=A×Vfr …… (2)
この(2)式は、図7に示すフローチャートのような工程で求めることができる。すなわち、ある基準温度と他の異なる温度との少なくとも2つの温度で、流体の流量ゼロの状態での温度検出信号Vfと、流速信号Vdu0とを検出する(ステップS41)。これにより測定工程を実現している。
【0103】
そして、流体温度に相当する温度検出信号Vfの値を基準温度での温度検出信号Vf0を基準とした変化率Vfrで表す(ステップS42)。例えば、変化率Vfrは、
Vfr=Vf/Vf0−1 …… (3)
と求める。
【0104】
そして、温度検出信号Vf0と同じく、基準温度で流体の流量ゼロである際の流速信号Vdu00を基準とした流速信号Vdu0の値を変化率Vdu0rで表す(ステップS42)。これは、例えば、
Vdu0r=Vdu0/Vdu00−1 …… (4)
と求める。
【0105】
そして、変化率Vfrと、変化率Vdu0rとの関係式となる1次式を求める(ステップS43)。これは、例えば、
Vdu0r=A×Vfr+B
となるA,Bを決定することで求まる。A,Bは図6の工程のように、少なくとも2つの温度における流体の流量ゼロでの温度検出信号Vf、流速信号Vdu0の値を求め、決定することができる。ここで、Vdu0rとVfrの値は変化率で表してあるため、基準温度ではともにゼロとなる。よって1次式の前記定数Bはゼロであり、省くことができる。したがって、(2)式が得られる。ステップS42,S43により関係式作成工程を実現している。
【0106】
そして、(2)〜(4)式を用い、温度補償をともなった流体の流速測定は、マイコンにより、温度補償手段を実現する図8に示すフローチャートのような処理で行う。すなわち、流速信号Vdu0、温度検出信号Vfを取込み(ステップS51)、この流速信号Vdu0、温度検出信号Vfから、変化率Vdu0r、Vfrを求める(Vf0,Vdu00の値は予め用意されている)(ステップS52)。
【0107】
そして、求めた変化率Vfrを(2)式の1次式に代入して、流体の流量がゼロのときの流速信号Vdu0の補正値Vdu0fを算出する(ステップS53)。これにより補正値演算手段を実現している。すなわち、
Vdu0f=A×Vfr
である。そして、変化率Vdu0rから変化率Vdu0fを減算することにより、温度補償後の流速信号Vdu0zが求められる(ステップS54)。これにより補正手段を実現している。すなわち、
Vdu0z=Vdu0r−Vdu0f
である。これにより、流速信号Vdu0zは温度による変化率Vdu0rの変化分を取り除くことができ、より正確な流速ゼロの状態を検出することができる。ステップS51により温度測定工程を実現し、ステップS52〜S54から温度補償工程を実現している。
【0108】
なお、(1)(2)式の1次式の定数A,Bを求める際には、最小二乗法を用いる。すなわち、図6、図7の工程では、2つの温度での温度検出信号Vfと流速信号Vdu0によりA,Bを決定している。これは1次式の2点を得て、1次式を決定することであり、係数A,Bは一意に決定できる。しかし、より正確な流速ゼロの際の温度変動を決定するため、観測する温度の数を増やし、3点以上の温度検出信号Vfと流速信号Vdu0の値を得た場合などは、一意に1次式を求めることはできない。このようなときは、ステップS22,S43で、観測した温度検出信号Vfと流速信号Vdu0を用い、それぞれ測定点の誤差が最小となるよう最小二乗法により1次式を決定する。
【0109】
以上のようにして、マイコン5は、熱式フローセンサ2から流速信号Vdu0zを得ることができる。また、周知の構成のフルイディック流量計3からも流体の流速信号を得ることができる。熱式フローセンサ2、フルイディック流量計3のそれぞれから得られた流速信号は、マイコン5で流体の流量を示す信号に変換される。これにより第1、第2の流量変換手段を実現している。この2つの流量信号は、選択的にディスプレイ4に出力されて、流体の流量がディスプレイ4に表示される。この流量信号の使い分けは、流体の流速が高流速域にあるときはフルイディック流量計3を用いて計測した流量信号を用い、流体の流速が低流速域にあるときは熱式フローセンサ2を用いて計測した流量信号を用いるように行う。これにより選択手段を実現している。その場合の、流体の流速が高流速域にあるか、低流速域にあるかの判断は、例えば、フルイディック流量計3を用いて計測した流量信号により判断すればよい。
【0110】
なお、図1では、高流速域を熱式フローセンサ2で、低流速域をフルイディック流量計3で測定して、流体の流量を測定する構成であるLPGメータ1を示したが、フルイディック流量計3を設けず、高流速域から低流速域までをすべて熱式フローセンサ2で検出する構成としてもよい。
【0111】
[発明の実施の形態2]
この発明における別の実施の形態を、発明の実施の形態2として説明する。
【0112】
図9は、この発明の実施の形態2であるLPGメータ1の回路図である。図9において、図1と同様の回路要素などは発明の実施の形態1と共通であるため、図9に図1と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0113】
図9のLPGメータ1が図1のものと相違する点は以下のとおりである。まず、図1の構成では、上流側感温抵抗体Ruは下流側感温抵抗体RdよりGND側に配置されているが、これは、この図9の構成のように入れ替えて構成することもできる。この場合、扱う電圧の方向を逆向きにすればよい。具体的には図1の反転増幅器12の増幅率を正になるよう回路を変更し、非反転増幅器を構成すればよい。具体的には、図9に示すように、反転増幅器12に代えて、演算増幅器U3bならびに抵抗R2aおよびR2bからなる非反転増幅器16を介装する構成が考えられる。
【0114】
しかしながら、この回路構成だと、演算増幅器U3bの反転入力端子側のインピーダンスが低くなり、直接A点と接続できなくなる。そのため、演算増幅器U3aをA点と演算増幅器U3bの反転入力端子との間にバッファとして介装する必要がある。そのため、電子部品の点数を削減して製造コストを削減するためには、発明の実施の形態1のように上流側感温抵抗体Ruは下流側感温抵抗体RdよりGND側に配置するのがよい。
【0115】
[発明の実施の形態3]
この発明における別の実施の形態を、発明の実施の形態3として説明する。
【0116】
図10は、この発明の実施の形態3であるLPGメータ1の回路図である。図10において、図1と同様の回路要素などは発明の実施の形態1と共通であるため、図10に図1と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0117】
図10のLPGメータ1が図1のものと相違する点は以下のとおりである。まず、半固定抵抗14に代えてD/Aコンバータ17が用意されていて、このD/Aコンバータ17が加算器13にオフセット電圧Voffを出力する。すなわち、マイコン5が流速信号Vdu0の大きさが最適なものとなるように、適切な大きさのオフセット電圧Voffのデジタル信号をD/Aコンバータ17に出力する。D/Aコンバータ17は、このデジタル信号をD/A変換して、アナログのオフセット電圧Voffを出力する。
【0118】
マイコン5の具体的な処理は図11のフローチャートに示すようになる。まず、マイコン5は、オフセット電圧Voffが加算されていない流速信号Vdu0を取り込み(ステップS61)、流速信号Vdu0が最適な値となるようなオフセット電圧Voffの値を求めて(ステップS62)、そのオフセット電圧Voffのデジタル信号をD/Aコンバータ17に出力する(ステップS63)。ステップS61により検出手段を、ステップS62により演算手段を、S63により制御手段を実現している。
【0119】
D/Aコンバータ17を用いることで、半固定抵抗を用いる発明の実施の形態1の場合に比べて長期間安定した動作が可能となる。
【0120】
[発明の実施の形態4]
この発明における別の実施の形態を、発明の実施の形態4として説明する。
【0121】
12は、この発明の実施の形態であるLPGメータ1の回路図である。図12において、図1と同様の回路要素などは発明の実施の形態1と共通であるため、図12に図1と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0122】
12のLPGメータ1が図1のものと相違する点は以下のとおりである。まず、半固定抵抗14に代えて直列に接続された複数の抵抗、例えば抵抗R4a,R4b,R4cが介装されている。この抵抗R4a,R4b,R4cによりオフセット電圧Voffを分圧し、これらの抵抗の1つ分、2つ分または3つ分の端子電圧を、スイッチ18の切り換えにより選択的に加算器13に出力することができる。これにより、電圧源を構成し、加算器13に段階的に異なる大きさのオフセット電圧Voffを供給することが可能となる。マイコン5は、流速信号Vdu0の大きさが最適なものとなるように、スイッチ18の切り換えによりオフセット電圧Voffを選択する。スイッチ18に代えてジャンパー線を用いてもよい。
【0123】
マイコン5の具体的な処理は次のようになる。まず、マイコン5は、オフセット電圧Voffが加算されていない流速信号Vdu0を取り込み(ステップS71)、流速信号Vdu0が最も適切な値となるようなオフセット電圧Voffを出力できるスイッチ18の切り換えを判断して(ステップS72)、その切り換えになるように、スイッチ18に制御信号を出力する(ステップS73)。ステップS71により検出手段を、ステップS72により選択手段を、ステップS73により制御手段を実現している。
【0124】
この例では、最適なオフセット電圧Voffの精緻な選択をすることができず、ばらつきに対する余裕を広く取る必要が生じるかもしれないが、発明の実施の形態1のように半固定抵抗を用いる場合や、発明の実施の形態3のようにD/Aコンバータを使う場合に比べて、長期間安定的に動作させることができ、製造コストを低減させることができる。
【0125】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、両感温抵抗体の直列接続における低い方の端子電圧を固定することで、従来は両感温抵抗体の接続点を中心に電圧を固定し、それより低い電圧範囲に持たせていた電圧の余裕分を、両感温抵抗体の接続点より高い電圧範囲にまわすことができるので、熱式フローサンサの設計の自由度を高め、設計を容易とすることができる。さらに、感温抵抗体の製造誤差などに起因して、両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧の大きさにばらつきが発生しても、これを必要なだけ調節して修正することができるとともに、長期間安定的に動作させることができ、製造コストを低減させることもできる。
【0131】
請求項2に記載の発明は、両感温抵抗体の直列接続における低い方の端子電圧を固定することで、従来は両感温抵抗体の接続点を中心に電圧を固定し、それより低い電圧範囲に持たせていた電圧の余裕分を、両感温抵抗体の接続点より高い電圧範囲にまわすことができるので、熱式フローサンサの設計の自由度を高め、設計を容易とすることができる。さらに、感温抵抗体の製造誤差などに起因して、両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧の大きさにばらつきが発生しても、これを必要なだけ調節して修正することができるとともに、上流側感温抵抗体を定電流の供給側、下流側感温抵抗体を電圧固定側としても、固定電圧の非反転増幅器への入力をバッファリングして、両感温抵抗体の差電圧を検出することもできる。
【0132】
請求項3に記載の発明は、両感温抵抗体の直列接続における低い方の端子電圧を固定することで、従来は両感温抵抗体の接続点を中心に電圧を固定し、それより低い電圧範囲に持たせていた電圧の余裕分を、両感温抵抗体の接続点より高い電圧範囲にまわすことができるので、熱式フローサンサの設計の自由度を高め、設計を容易とすることができる。さらに、感温抵抗体の製造誤差などに起因して、両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧の大きさにばらつきが発生しても、これを必要なだけ調節して修正することができるとともに、2つの反転増幅器を用いるだけで、流体の流速信号を取り出すことができるので、流速を検出する回路構成を簡易なものとすることもできる。
【0133】
請求項に記載の発明は、両感温抵抗体の直列接続における低い方の端子電圧を固定することで、従来は両感温抵抗体の接続点を中心に電圧を固定し、それより低い電圧範囲に持たせていた電圧の余裕分を、両感温抵抗体の接続点より高い電圧範囲にまわすことができるので、熱式フローサンサの設計の自由度を高め、設計を容易とすることができる。さらに、温度特性良く定電流を発生させることできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1であるLPGメータの回路図である。
【図2】前記LPGメータの熱式フローセンサから出力された流速信号と温度検出信号から最終的に温度補償後の流速信号を得るまでの処理を示すフローチャートである。
【図3】前記温度補償に用いるテーブルを説明する図である。
【図4】前記テーブルの作成手順を説明するフローチャートである。
【図5】前記LPGメータの熱式フローセンサから出力された流速信号と温度検出信号から最終的に温度補償後の流速信号を得るまでの処理の他の例を示すフローチャートである。
【図6】前記温度補償に用いる関係式の作成手順を説明するフローチャートである。
【図7】前記関係式の他の例について作成手順を説明するフローチャートである。
【図8】前記関係式を用いる温度補償をともなった流体の流速測定の手順を説明するフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態2であるLPGメータの回路図である。
【図10】この発明の実施の形態3であるLPGメータの回路図である。
【図11】前記LPGメータで流速信号にオフセット電圧を加算する処理を説明するフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態4であるLPGメータの回路図である。
【図13】前記LPGメータで流速信号にオフセット電圧を加算する処理を説明するフローチャートである。
【図14】従来の熱式フローセンサの回路図である。
【符号の説明】
Ru 上流側感温抵抗体
Rd 下流側感温抵抗体
U1 演算増幅器
U2 演算増幅器
B 接続点
R1a 抵抗
R1b 抵抗
U3 演算増幅器
R2a 抵抗
R2b 抵抗
U4 演算増幅器
R3a 抵抗
R3b 抵抗
Rf 温度センサ
I2 電流源
U3b 演算増幅器
U3a 演算増幅器
R4a 抵抗
R4b 抵抗
1 流量計
2 熱式フローセンサ
3 フルイディック流量計
4 ディスプレイ
5 マイコン
11 反転増幅器
12 反転増幅器
13 加算器
14 半固定抵抗
15 テーブル
16 非反転増幅器
17 D/Aコンバータ
18 スイッチ

Claims (4)

  1. 流体の上流側および下流側に各々配置されて加熱される感温抵抗体である上流側感温抵抗体および下流側感温抵抗体を有し、
    前記両感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流速を検出する熱式フローセンサにおいて、
    前記両感温抵抗体は直列に接続されて同一の定電流の供給を受けるものであり、
    この両感温抵抗体の直列接続の一端は前記定電流の供給側に接続され、他端の電圧は一定に固定されており、
    前記両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧を出力する検出回路と、
    この検出回路の出力電圧にオフセット電圧を加算または減算して当該出力電圧の大きさを調節する加算器または減算器と、
    複数の抵抗が直列に接続され入力電圧を当該抵抗で分圧することで複数の大きさの電圧を出力可能な電圧源と、
    前記出力電圧を検出する検出手段と、
    この検出した電圧の大きさに応じて前記複数の電圧のうち一つを前記オフセット電圧として選択する選択手段と、
    この選択した電圧を前記加算器または減算器に出力させる制御手段と、を備えていることを特徴とする熱式フローセンサ。
  2. 流体の上流側および下流側に各々配置されて加熱される感温抵抗体である上流側感温抵抗体および下流側感温抵抗体を有し、
    前記両感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流速を検出する熱式フローセンサにおいて、
    前記両感温抵抗体は直列に接続されて同一の定電流の供給を受けるものであり、
    この両感温抵抗体の直列接続の一端は前記定電流の供給側に接続され、他端の電圧は一定に固定されており、
    前記両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧を出力する検出回路と、
    この検出回路の出力電圧にオフセット電圧を加算または減算して当該出力電圧の大きさを調節する加算器または減算器と、
    を具備し、
    前記上流側感温抵抗体は前記定電流の供給側に接続され、
    前記下流側感温抵抗体は前記電圧固定側に接続されていて、
    前記検出回路は、
    前記両感温抵抗体の接続点における電圧を基準電圧として前記両感温抵抗体の直列接続に対する入力電圧を反転増幅する反転増幅器と、
    前記固定された電圧を基準電圧として前記反転増幅器の出力電圧を非反転増幅する非反転増幅器と、
    前記固定電圧の前記非反転増幅器への入力をバッファリングする演算増幅器と、を備えていることを特徴とする熱式フローセンサ。
  3. 流体の上流側および下流側に各々配置されて加熱される感温抵抗体である上流側感温抵抗体および下流側感温抵抗体を有し、
    前記両感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流速を検出する熱式フローセンサにおいて、
    前記両感温抵抗体は直列に接続されて同一の定電流の供給を受けるものであり、
    この両感温抵抗体の直列接続の一端は前記定電流の供給側に接続され、他端の電圧は一定に固定されており、
    前記両感温抵抗体の端子電圧の差を示す電圧を出力する検出回路と、
    この検出回路の出力電圧にオフセット電圧を加算または減算して当該出力電圧の大きさを調節する加算器または減算器と、
    を具備し、
    前記下流側感温抵抗体は前記定電流の供給側に接続され、
    前記上流側感温抵抗体は前記電圧固定側に接続されていて、
    前記検出回路は、
    前記両感温抵抗体の接続点における電圧を基準電圧として前記両感温抵抗体の直列接続に対する入力電圧を反転増幅する第1の反転増幅器と、
    前記固定された電圧を基準電圧として前記第1の反転増幅器の出力電圧を反転増幅する第2の反転増幅器と、を備えていることを特徴とする熱式フローセンサ。
  4. 流体の上流側および下流側に各々配置されて加熱される感温抵抗体である上流側感温抵抗体および下流側感温抵抗体を有し、
    前記両感温抵抗体の抵抗値の差に基づいて前記流体の流速を検出する熱式フローセンサにおいて、
    前記両感温抵抗体は直列に接続されて同一の定電流の供給を受けるものであり、
    この両感温抵抗体の直列接続の一端は前記定電流の供給側に接続され、他端の電圧は一定に固定されており、
    前記両感温抵抗体の直列接続がフィードバックループに接続され非反転入力端子に一定電圧が入力されて前記定電流を出力する演算増幅器を備え、
    前記両感温抵抗体の直列接続のうち一端側は前記演算増幅器の反転入力端子に他端側は前記演算増幅器の出力端子にそれぞれ接続されていることを特徴とする熱式フローセンサ。
JP2000207769A 2000-07-10 2000-07-10 熱式フローセンサ Expired - Fee Related JP4450958B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000207769A JP4450958B2 (ja) 2000-07-10 2000-07-10 熱式フローセンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000207769A JP4450958B2 (ja) 2000-07-10 2000-07-10 熱式フローセンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002022514A JP2002022514A (ja) 2002-01-23
JP4450958B2 true JP4450958B2 (ja) 2010-04-14

Family

ID=18704476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000207769A Expired - Fee Related JP4450958B2 (ja) 2000-07-10 2000-07-10 熱式フローセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4450958B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6118029B2 (ja) * 2012-03-02 2017-04-19 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
WO2015125277A1 (ja) * 2014-02-21 2015-08-27 富士通株式会社 気体流量測定システム、気体流量測定方法、及び気体流量測定プログラム
CN113156160B8 (zh) * 2021-04-28 2023-06-09 祎智量芯(江苏)电子科技有限公司 气体计量芯片及其的计量方法、气体计量计

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002022514A (ja) 2002-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101652591B (zh) 用于测量质量流控制器中的气体的温度的方法和装置
US8874387B2 (en) Air flow measurement device and air flow correction method
US20160003686A1 (en) Intake air temperature sensor and flow measurement device
JP3628711B2 (ja) 圧力変換器出力を線形化する回路を備えたエアデータ測定システム
JP3493116B2 (ja) 流量測定装置及び流量測定方法
US4190796A (en) Pressure detecting apparatus having linear output characteristic
JP4450958B2 (ja) 熱式フローセンサ
KR20090083125A (ko) 나노 소자 가스 센서를 이용하고 온도 보상이 가능한 가스측정 장치
US7249516B2 (en) Method of operating a resistive heat-loss pressure sensor
JP5724630B2 (ja) 熱電対用増幅回路及び温度監視システム
JP3575573B2 (ja) 熱式空気流量計
US20060021444A1 (en) Method of operating a resistive heat-loss pressure sensor
JP2007285849A (ja) ガス濃度検出装置
JP5437654B2 (ja) 温度測定装置
JP3869169B2 (ja) 液面検出装置
JPH0663801B2 (ja) 流量測定回路
JP6372097B2 (ja) 検出装置、検出回路、センサモジュール及び画像形成装置
JP4904008B2 (ja) 熱式流量計
US20230288459A1 (en) Method for determining an electric current with a shunt arrangement, with compensation of heating in the shunt arrangement generated by the current
JP2001141539A (ja) フローセンサの温度補正方法及びフローセンサ回路
JP6963488B2 (ja) 温度計測装置
JP4820017B2 (ja) フローセンサを用いた流量計測装置
JP3896060B2 (ja) マイクロフローセンサを用いたガス密度測定方法
KR20020080137A (ko) 유량 계측용 센서 및 이를 이용한 질량유량제어장치 및 방법
EP1771711B1 (en) Method of operating a resistive heat-loss pressure sensor

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050914

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20051025

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091030

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100108

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140205

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140205

Year of fee payment: 4

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees