JP2004093321A - ブリッジ回路形検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブリッジ回路構成品の自己発熱による抵抗値変化による影響を補正して計測精度を向上させる。
【解決手段】感圧抵抗体RSと、抵抗器R1、R2、R3で構成されるブリッジ回路を有する圧力検出回路において、電源投入時ブリッジ構成部品の自己発熱により発生するブリッジの不平衡電圧をブリッジ回路のc点、d点間の電圧ΔVcdとして検出し、同時にブリッジ構成部品の自己発熱により生じる抵抗値変化をブリッジ電圧検出回路4でブリッジ回路のa点、b点間で変動する電圧ΔVabの変動電圧として検出し、これらの信号をマイクロコンピュータシステム5伝達することによりブリッジ構成部品の自己発熱により発生した電圧ΔVcdを電圧ΔVabでドリフト分を零あるいは規定値内に入るよう自動補正することにより高い測定精度を保証する。
【選択図】 図1
【解決手段】感圧抵抗体RSと、抵抗器R1、R2、R3で構成されるブリッジ回路を有する圧力検出回路において、電源投入時ブリッジ構成部品の自己発熱により発生するブリッジの不平衡電圧をブリッジ回路のc点、d点間の電圧ΔVcdとして検出し、同時にブリッジ構成部品の自己発熱により生じる抵抗値変化をブリッジ電圧検出回路4でブリッジ回路のa点、b点間で変動する電圧ΔVabの変動電圧として検出し、これらの信号をマイクロコンピュータシステム5伝達することによりブリッジ構成部品の自己発熱により発生した電圧ΔVcdを電圧ΔVabでドリフト分を零あるいは規定値内に入るよう自動補正することにより高い測定精度を保証する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブリッジ回路を用いたブリッジ回路形検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
抵抗体を用いてブリッジ回路を構成し、抵抗体の抵抗値が温度、圧力など計測対象となる物理量の変化に応じて変動することを利用した各種検出器が実用化されている。例えば、温度調節器の温度センサや、圧力計測の圧力センサなどに広く適用されている。
図4はブリッジ回路を用いた圧力あるいは温度などの物理量検出システムのブロック線図、たとえば、ガスクロマトグラフ等に用いられている圧力検出システムのブロック線図である。
【0003】
図において、RSは感圧用抵抗体(以下、「感圧抵抗体」と云う)であり、圧力測定のためにこの感圧抵抗体RSを密閉容器に入れ、計測すべき雰囲気気体が密閉容器内に導入されるようになっている。R1、R2、R3は抵抗器で圧力検出回路において感圧抵抗体RSと組み合わされてブリッジ回路を構成する。一般にこの回路はホイートストンブリッジ回路として知られ、圧力計測時以外この回路は平衡状態保つよう設計されている。1は定電流回路でブリッジ回路a点、b点間に定電流Iを供給する。2は増幅器で感圧抵抗体RSの抵抗値変化に応じて発生するブリッジ回路のc点、d点間の電圧Vcdを入力し増幅する。3は電圧測定回路で、増幅器2からの信号を受け、予め決められた関数に従って入力電圧に対応する圧力値を計測値として出力する。通常、この様なブリッジ回路において各抵抗器の抵抗値は、感圧抵抗体RSに計測すべき圧力がかかっていない場合、電圧測定点のc点、d点間の電圧Vcdはほぼ零になるよう設定されている。今回の例に示すように圧力を検出するセンサとしてこのブリッジ回路を利用する場合、圧力変動に応じて変化する感圧抵抗体RSの抵抗値を、ブリッジ回路の不平衡によって生じる電圧Vcdとして検出し、電圧測定回路3により圧力測定値として出力することができる。
上記は圧力検出器について説明したが、ブリッジ回路を物理量計測用として利用することは圧力のみならず温度や重量など物理量の変化に対し抵抗値が変化する対象の変動検出とその計測に広く応用されてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のブリッジ回路を用いる検出器においては、検出部を構成する各部品の設置場所の差異や部品の自己発熱による温度変化によって生じる計測誤差の問題があった。この影響を少なくするためブリッジ回路全体を同じ環境下に置くことが実用化されてきた。しかしながら、ブリッジ回路に流れる電流で感圧抵抗体RSと抵抗体R1〜R3との抵抗温度係数の差から生じるドリフト信号の自動補正は未だ解決されていない問題である。本発明はこのドリフト変動を自動的に補正する機能を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明が提供するブリッジ回路形検出器は、上記課題を解決するために、物理量の変位分を検出するためのブリッジ回路と、このブリッジに供給する定電流回路とで構成される検出器において、自己発熱に起因するブリッジ回路の合成抵抗値の変動を検出して、これをドリフト補正用信号として発生させるドリフト信号発生手段と、このドリフト信号を受けてドリフト分を除去演算するマイクロコンピュータシステムを設けたものである。したがってブリッジ回路を流れる電流による自己発熱に起因するドリフト信号が自動的に除去され、計測精度が飛躍的に向上する。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明によるブリッジ回路及びこれを用いた物理量検出システムのブロック線図を示す。この図において図4と同一の符号で示される構成部品は、図4と同一である。図においてRSは感圧抵抗体であり、R1、R2、R3は抵抗器で圧力検出回路において感圧抵抗体RSと組み合わされてブリッジ回路を構成する。1は定電流回路でブリッジ回路a点、b点間に定電流Iを供給する。2は増幅器でブリッジ回路のc点、d点間に発生する電圧Vcdを入力し、これを増幅する。3は電圧測定回路で、増幅器2からの入力電圧に対応する圧力値を計測値として出力する。4はブリッジ回路のa点、b点間の電圧Vabを検出するブリッジ電圧検出回路であり、ブリッジ回路全体の合成抵抗変動を電圧変動値として検出することができる。5はマイクロコンピュータシステムで、ブリッジ電圧検出回路4からの信号を受けて電圧測定回路3からの計測値を補正する機能を有する。
通常圧力変動を検出する場合、感圧抵抗体RSの抵抗値変化をブリッジ回路のc点、d点間に発生する電圧Vcdで検出する。電圧Vcdは、次の(1)式で表わされる。
Vcd=Vab*(R1*R2−RS*R3)/(R1+R3)*(RS+R2)―――(1)
一般にこの様なブリッジ回路においては、感圧抵抗体RSに計測すべき圧力がかかっていない場合、ブリッジ回路のc点とd点間の電圧Vcdがほぼ零になるよう各抵抗器の抵抗値を設定する。このように電圧Vcdが零の状態になるときは、次の条件による。
R1*R2=RS*R3―――(2)
圧力を検出するセンサとしてこのブリッジ回路を利用する場合、感圧抵抗体RSが圧力変動に応じた抵抗値変化を生じさせ、圧力変動に比例した電気信号として電圧Vcdを検出する。圧力変動信号としての電圧Vcdは増幅器2で増幅された後、電圧測定回路3に伝達され予め決められた関数に従って入力電圧に対応する圧力値を表示あるいは出力する。
本発明は定電流回路1から定電流Iが供給されるブリッジ回路のa点、b点両端間の電圧変動を検出するブリッジ電圧検出回路4とマイクロコンピュータシステム5を備えることによりブリッジ構成品の温度ドリフトによって生じる測定誤差を自動補正する点に特徴を有している。以下にブリッジ回路に電圧検出回路1とマイクロコンピュータシステム5を備え、これを用いた本発明による物理量検出システム機能の詳細を説明する。
図1に示す感圧抵抗体RSと抵抗器R1〜R3で構成されるブリッジ回路に定電流回路1から定電流Iが供給されたときのブリッジ回路a、b点間にかかる電圧をVabとする。いま、図2に示すようにブリッジ回路全体の合成抵抗値をZとし、定電流回路1からブリッジ回路に供給される定電流をIとすると、電圧Vabは
Vab=I*Z―――(3)
で表わされる。
ブリッジ回路の合成抵抗値Zは、圧力変動による感圧抵抗器RSの抵抗値変化時の他、ブリッジ回路への電源投入時などにブリッジ回路に流れる電流により抵抗温度係数の差によって図3に示すように感圧抵抗体RSと抵抗器R1〜R3に抵抗値変化が生ずる。この抵抗値変化の差がドリフト信号発生の要因となる。ブリッジ回路の合成抵抗値は固有抵抗値Zに定電流Iによって生じる発熱温度tによる抵抗値変位分ΔZ(t)を加えた抵抗値となり、電圧Vabは次の(4)式に示すように自己発熱温度の関数となる。
Vab(t)=I(Z+ΔZ(t))―――(4)
ブリッジを構成する感圧抵抗体RSと抵抗器R1〜R3の温度変化に対応する抵抗温度係数が同じであれば(2)式で示すホイートストンブリッジの条件を満足し、感圧抵抗体RSに圧力変動が与えられない限りブリッジ回路c点、d点間の電圧Vcdは0状態を保ち、自己発熱での温度変化によるドリフト変動は発生しない。しかしながら、一般に感圧抵抗体RSと抵抗器R1〜R3の抵抗温度係数は異なっており、電源投入時からブリッジ回路に流れる電流によって生じる各抵抗体は、自己発熱により図3に示すように抵抗値変化が生じブリッジ回路の平衡状態が崩れ、これがドリフト出力の要因となる。この抵抗値変化によりでブリッジc点、d点間の電圧Vcdは次の(5)式に示すように温度の関数になる。
Vcd(t)=Vcd+ΔVcd(t)―――(5)
このように感圧抵抗体RSと抵抗器R1〜R3の自己発熱での温度による抵抗値の差はホイートストンブリッジの零バランスを崩すことになり、その不平衡によりブリッジ回路c点、d点間に電圧ΔVcd(t)が発生する。電圧Vcd(t)は増幅器2で増幅され電圧測定回路3に伝達される。一方、ブリッジ回路の自己発熱による抵抗変化を上述の(4)式に示す電圧Vab(t)としても検出する。
ブリッジ回路を流れる定電流Iにより生じる温度変化で発生するドリフト要素を補正するための電圧ΔVabをブリッジ電圧検出回路2で検出し、この電圧ΔVabをマイクロコンピュータシステム2に伝達することにより、コンピュータ内で下記(6)式で示される補正関数F(t)を作成する。
F(t)=ΔVcd(t)/ΔVab(t)―――(6)
この補正関数をマイクロコンピュータシステム5に記憶し、ブリッジ回路の自己発熱で生じるドリフトによる誤差分の補正を自動的に行う。
ブリッジ回路の感圧抵抗体RSや抵抗器R1〜R3が電流による自己発熱による温度変化率dt/dT(tは温度、Tは時間)が図3のT1時に示す時間経過後、0あるいは限定された一定値以内になった時、補正分は一定値として計測補正値となる。即ち、この一定値をΔVcalとすると計測値Sは次の(7)式で表わすことができる。
S=F(Vcd+ΔVcal)―――(7)
通常、ブリッジ回路の感圧抵抗体RSや抵抗器R1〜R3の電流による抵抗値の変化率は図3に示されるように一定時間後は極めて小さくなり、抵抗値は安定する。このためドリフト分の補正は図3に示す「電源オン時」から温度の安定するT1時の温度補正関数の適用でT1時以降は上記で説明したように確定した一定値補正で十分計測精度を保つことができる。上記(6)及び(7)式に示される関数あるいは固定値の設定はマイクロコンピュータシステム内に記憶し、計測する毎にこれらを設定することも可能であるが、計測環境が大きく変化しない限りは、通常記憶されているこれらの関数あるいは固定値を使って自動補正することができる。
以上説明したように本発明によるブリッジ回路を用いた検出器は、ブリッジ回路を流れる電流による自己発熱を起因とするドリフト信号を上記(6)式、あるいは(7)式で示す補正関数により自動補正することを可能とし、精度の高い計測を可能とした。
【0007】
上記の実施例は圧力センサであるが、本発明はこれに限らず、熱伝導度検出器、歪ゲージ、真空計など様々な検出器に適用できる。また、上記説明においてはブリッジ回路の合成抵抗値Zの変動値をブリッジ回路a点、b点間の電圧Vabの変動電圧としてブリッジ電圧検出回路で検出して、ドリフト出力の補正用信号として利用する説明を行ったが、必ずしもこの補正システムに限られることはない。
本発明の応用として、ブリッジ回路に定電圧電源を供給する場合、電源投入時からブリッジ回路構成品の自己発熱が一定となるT1時までのブリッジ回路の電圧Vcdを経時的に計測してマイクロコンピュータシステムに記憶し、これらのデータをベースに補正関数を作成し、この関数にしたがってドリフト信号の補正することも可能である。
以上詳述したように本発明によるブリッジ回路形検出器は、測定誤差となるブリッジ回路のドリフト電圧発生分を予め設定可能とした補正関数により、設定誤差以内に自動補正するので、計測精度を向上させることができる。
【0008】
【発明の効果】
本発明のブリッジ回路形検出器は、ブリッジ回路構成部品の自己発熱による抵抗値の変動を、ブリッジ回路の合成抵抗値の変動として検出するとともに、これを電圧変換した電圧変動値を温度と時間の補正関数として除去演算するマイクロコンピュータを備えたものであり、計測精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である物理量検出システムのブロック線図である。
【図2】ブリッジ両端印加電圧変動検出部ブロック線図である。
【図3】電源投入時、自己発熱による感圧抵抗体と抵抗器の抵抗値変動図である。
【図4】従来技術の実施例である物理量検出システムのブロック線図である。
【符号の説明】
1−−−定電流回路
2−−−増幅器
3−−−電圧測定回路
4−−−ブリッジ電圧検出回路
5−−−マイクロコンピュータシステム
6−−−ブリッジ合成回路
RS−−−感圧抵抗器
R1〜R3−−−抵抗器
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブリッジ回路を用いたブリッジ回路形検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
抵抗体を用いてブリッジ回路を構成し、抵抗体の抵抗値が温度、圧力など計測対象となる物理量の変化に応じて変動することを利用した各種検出器が実用化されている。例えば、温度調節器の温度センサや、圧力計測の圧力センサなどに広く適用されている。
図4はブリッジ回路を用いた圧力あるいは温度などの物理量検出システムのブロック線図、たとえば、ガスクロマトグラフ等に用いられている圧力検出システムのブロック線図である。
【0003】
図において、RSは感圧用抵抗体(以下、「感圧抵抗体」と云う)であり、圧力測定のためにこの感圧抵抗体RSを密閉容器に入れ、計測すべき雰囲気気体が密閉容器内に導入されるようになっている。R1、R2、R3は抵抗器で圧力検出回路において感圧抵抗体RSと組み合わされてブリッジ回路を構成する。一般にこの回路はホイートストンブリッジ回路として知られ、圧力計測時以外この回路は平衡状態保つよう設計されている。1は定電流回路でブリッジ回路a点、b点間に定電流Iを供給する。2は増幅器で感圧抵抗体RSの抵抗値変化に応じて発生するブリッジ回路のc点、d点間の電圧Vcdを入力し増幅する。3は電圧測定回路で、増幅器2からの信号を受け、予め決められた関数に従って入力電圧に対応する圧力値を計測値として出力する。通常、この様なブリッジ回路において各抵抗器の抵抗値は、感圧抵抗体RSに計測すべき圧力がかかっていない場合、電圧測定点のc点、d点間の電圧Vcdはほぼ零になるよう設定されている。今回の例に示すように圧力を検出するセンサとしてこのブリッジ回路を利用する場合、圧力変動に応じて変化する感圧抵抗体RSの抵抗値を、ブリッジ回路の不平衡によって生じる電圧Vcdとして検出し、電圧測定回路3により圧力測定値として出力することができる。
上記は圧力検出器について説明したが、ブリッジ回路を物理量計測用として利用することは圧力のみならず温度や重量など物理量の変化に対し抵抗値が変化する対象の変動検出とその計測に広く応用されてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のブリッジ回路を用いる検出器においては、検出部を構成する各部品の設置場所の差異や部品の自己発熱による温度変化によって生じる計測誤差の問題があった。この影響を少なくするためブリッジ回路全体を同じ環境下に置くことが実用化されてきた。しかしながら、ブリッジ回路に流れる電流で感圧抵抗体RSと抵抗体R1〜R3との抵抗温度係数の差から生じるドリフト信号の自動補正は未だ解決されていない問題である。本発明はこのドリフト変動を自動的に補正する機能を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明が提供するブリッジ回路形検出器は、上記課題を解決するために、物理量の変位分を検出するためのブリッジ回路と、このブリッジに供給する定電流回路とで構成される検出器において、自己発熱に起因するブリッジ回路の合成抵抗値の変動を検出して、これをドリフト補正用信号として発生させるドリフト信号発生手段と、このドリフト信号を受けてドリフト分を除去演算するマイクロコンピュータシステムを設けたものである。したがってブリッジ回路を流れる電流による自己発熱に起因するドリフト信号が自動的に除去され、計測精度が飛躍的に向上する。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明によるブリッジ回路及びこれを用いた物理量検出システムのブロック線図を示す。この図において図4と同一の符号で示される構成部品は、図4と同一である。図においてRSは感圧抵抗体であり、R1、R2、R3は抵抗器で圧力検出回路において感圧抵抗体RSと組み合わされてブリッジ回路を構成する。1は定電流回路でブリッジ回路a点、b点間に定電流Iを供給する。2は増幅器でブリッジ回路のc点、d点間に発生する電圧Vcdを入力し、これを増幅する。3は電圧測定回路で、増幅器2からの入力電圧に対応する圧力値を計測値として出力する。4はブリッジ回路のa点、b点間の電圧Vabを検出するブリッジ電圧検出回路であり、ブリッジ回路全体の合成抵抗変動を電圧変動値として検出することができる。5はマイクロコンピュータシステムで、ブリッジ電圧検出回路4からの信号を受けて電圧測定回路3からの計測値を補正する機能を有する。
通常圧力変動を検出する場合、感圧抵抗体RSの抵抗値変化をブリッジ回路のc点、d点間に発生する電圧Vcdで検出する。電圧Vcdは、次の(1)式で表わされる。
Vcd=Vab*(R1*R2−RS*R3)/(R1+R3)*(RS+R2)―――(1)
一般にこの様なブリッジ回路においては、感圧抵抗体RSに計測すべき圧力がかかっていない場合、ブリッジ回路のc点とd点間の電圧Vcdがほぼ零になるよう各抵抗器の抵抗値を設定する。このように電圧Vcdが零の状態になるときは、次の条件による。
R1*R2=RS*R3―――(2)
圧力を検出するセンサとしてこのブリッジ回路を利用する場合、感圧抵抗体RSが圧力変動に応じた抵抗値変化を生じさせ、圧力変動に比例した電気信号として電圧Vcdを検出する。圧力変動信号としての電圧Vcdは増幅器2で増幅された後、電圧測定回路3に伝達され予め決められた関数に従って入力電圧に対応する圧力値を表示あるいは出力する。
本発明は定電流回路1から定電流Iが供給されるブリッジ回路のa点、b点両端間の電圧変動を検出するブリッジ電圧検出回路4とマイクロコンピュータシステム5を備えることによりブリッジ構成品の温度ドリフトによって生じる測定誤差を自動補正する点に特徴を有している。以下にブリッジ回路に電圧検出回路1とマイクロコンピュータシステム5を備え、これを用いた本発明による物理量検出システム機能の詳細を説明する。
図1に示す感圧抵抗体RSと抵抗器R1〜R3で構成されるブリッジ回路に定電流回路1から定電流Iが供給されたときのブリッジ回路a、b点間にかかる電圧をVabとする。いま、図2に示すようにブリッジ回路全体の合成抵抗値をZとし、定電流回路1からブリッジ回路に供給される定電流をIとすると、電圧Vabは
Vab=I*Z―――(3)
で表わされる。
ブリッジ回路の合成抵抗値Zは、圧力変動による感圧抵抗器RSの抵抗値変化時の他、ブリッジ回路への電源投入時などにブリッジ回路に流れる電流により抵抗温度係数の差によって図3に示すように感圧抵抗体RSと抵抗器R1〜R3に抵抗値変化が生ずる。この抵抗値変化の差がドリフト信号発生の要因となる。ブリッジ回路の合成抵抗値は固有抵抗値Zに定電流Iによって生じる発熱温度tによる抵抗値変位分ΔZ(t)を加えた抵抗値となり、電圧Vabは次の(4)式に示すように自己発熱温度の関数となる。
Vab(t)=I(Z+ΔZ(t))―――(4)
ブリッジを構成する感圧抵抗体RSと抵抗器R1〜R3の温度変化に対応する抵抗温度係数が同じであれば(2)式で示すホイートストンブリッジの条件を満足し、感圧抵抗体RSに圧力変動が与えられない限りブリッジ回路c点、d点間の電圧Vcdは0状態を保ち、自己発熱での温度変化によるドリフト変動は発生しない。しかしながら、一般に感圧抵抗体RSと抵抗器R1〜R3の抵抗温度係数は異なっており、電源投入時からブリッジ回路に流れる電流によって生じる各抵抗体は、自己発熱により図3に示すように抵抗値変化が生じブリッジ回路の平衡状態が崩れ、これがドリフト出力の要因となる。この抵抗値変化によりでブリッジc点、d点間の電圧Vcdは次の(5)式に示すように温度の関数になる。
Vcd(t)=Vcd+ΔVcd(t)―――(5)
このように感圧抵抗体RSと抵抗器R1〜R3の自己発熱での温度による抵抗値の差はホイートストンブリッジの零バランスを崩すことになり、その不平衡によりブリッジ回路c点、d点間に電圧ΔVcd(t)が発生する。電圧Vcd(t)は増幅器2で増幅され電圧測定回路3に伝達される。一方、ブリッジ回路の自己発熱による抵抗変化を上述の(4)式に示す電圧Vab(t)としても検出する。
ブリッジ回路を流れる定電流Iにより生じる温度変化で発生するドリフト要素を補正するための電圧ΔVabをブリッジ電圧検出回路2で検出し、この電圧ΔVabをマイクロコンピュータシステム2に伝達することにより、コンピュータ内で下記(6)式で示される補正関数F(t)を作成する。
F(t)=ΔVcd(t)/ΔVab(t)―――(6)
この補正関数をマイクロコンピュータシステム5に記憶し、ブリッジ回路の自己発熱で生じるドリフトによる誤差分の補正を自動的に行う。
ブリッジ回路の感圧抵抗体RSや抵抗器R1〜R3が電流による自己発熱による温度変化率dt/dT(tは温度、Tは時間)が図3のT1時に示す時間経過後、0あるいは限定された一定値以内になった時、補正分は一定値として計測補正値となる。即ち、この一定値をΔVcalとすると計測値Sは次の(7)式で表わすことができる。
S=F(Vcd+ΔVcal)―――(7)
通常、ブリッジ回路の感圧抵抗体RSや抵抗器R1〜R3の電流による抵抗値の変化率は図3に示されるように一定時間後は極めて小さくなり、抵抗値は安定する。このためドリフト分の補正は図3に示す「電源オン時」から温度の安定するT1時の温度補正関数の適用でT1時以降は上記で説明したように確定した一定値補正で十分計測精度を保つことができる。上記(6)及び(7)式に示される関数あるいは固定値の設定はマイクロコンピュータシステム内に記憶し、計測する毎にこれらを設定することも可能であるが、計測環境が大きく変化しない限りは、通常記憶されているこれらの関数あるいは固定値を使って自動補正することができる。
以上説明したように本発明によるブリッジ回路を用いた検出器は、ブリッジ回路を流れる電流による自己発熱を起因とするドリフト信号を上記(6)式、あるいは(7)式で示す補正関数により自動補正することを可能とし、精度の高い計測を可能とした。
【0007】
上記の実施例は圧力センサであるが、本発明はこれに限らず、熱伝導度検出器、歪ゲージ、真空計など様々な検出器に適用できる。また、上記説明においてはブリッジ回路の合成抵抗値Zの変動値をブリッジ回路a点、b点間の電圧Vabの変動電圧としてブリッジ電圧検出回路で検出して、ドリフト出力の補正用信号として利用する説明を行ったが、必ずしもこの補正システムに限られることはない。
本発明の応用として、ブリッジ回路に定電圧電源を供給する場合、電源投入時からブリッジ回路構成品の自己発熱が一定となるT1時までのブリッジ回路の電圧Vcdを経時的に計測してマイクロコンピュータシステムに記憶し、これらのデータをベースに補正関数を作成し、この関数にしたがってドリフト信号の補正することも可能である。
以上詳述したように本発明によるブリッジ回路形検出器は、測定誤差となるブリッジ回路のドリフト電圧発生分を予め設定可能とした補正関数により、設定誤差以内に自動補正するので、計測精度を向上させることができる。
【0008】
【発明の効果】
本発明のブリッジ回路形検出器は、ブリッジ回路構成部品の自己発熱による抵抗値の変動を、ブリッジ回路の合成抵抗値の変動として検出するとともに、これを電圧変換した電圧変動値を温度と時間の補正関数として除去演算するマイクロコンピュータを備えたものであり、計測精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である物理量検出システムのブロック線図である。
【図2】ブリッジ両端印加電圧変動検出部ブロック線図である。
【図3】電源投入時、自己発熱による感圧抵抗体と抵抗器の抵抗値変動図である。
【図4】従来技術の実施例である物理量検出システムのブロック線図である。
【符号の説明】
1−−−定電流回路
2−−−増幅器
3−−−電圧測定回路
4−−−ブリッジ電圧検出回路
5−−−マイクロコンピュータシステム
6−−−ブリッジ合成回路
RS−−−感圧抵抗器
R1〜R3−−−抵抗器
Claims (1)
- 四辺形の一辺に被測定部位に取り付けられ被測定現象に感応して抵抗値変化を生ぜしめるセンサー部を有するブリッジ回路と、前記ブリッジ回路に定電流を供給する定電流電源と、定電流を供給されたブリッジ回路の入力両端の電圧を測定する電圧測定回路と、前記ブリッジ回路の不平衡電圧を入力しこれを増幅する増幅回路と、前記増幅回路及び前記電圧測定回路からの両出力信号を入力し測定値を出力する検出器において、自己発熱に起因するブリッジ回路の合成抵抗値の変動を補正信号として検出する検出手段と、この検出手段によるドリフト信号を、除去演算するマイクロコンピュータシステムを設けたことを特徴とするブリッジ回路形検出器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002254424A JP2004093321A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | ブリッジ回路形検出器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002254424A JP2004093321A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | ブリッジ回路形検出器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004093321A true JP2004093321A (ja) | 2004-03-25 |
Family
ID=32060194
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002254424A Pending JP2004093321A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | ブリッジ回路形検出器 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004093321A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1308694C (zh) * | 2005-11-03 | 2007-04-04 | 北京科技大学 | 一种电阻的测量方法及测量装置 |
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2002
- 2002-08-30 JP JP2002254424A patent/JP2004093321A/ja active Pending
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