JPH10281589A - 熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の熱交換器に用いられる分岐，合流用の三
又パイプは入口と出口パイプとは９０度の位置関係とな
っているため分岐の場合は冷媒が分岐点の壁に直角に流
れがぶつかり、合流の場合は互いに向き合った二方向か
ら流れる冷媒が合流点にてぶつかり合うために圧力損
失，冷媒音の増加となっていた。 【解決手段】上記課題を解決するために分岐，合流に用
いる三又パイプの形状をＴ字からＹ字に変更し、冷媒の
流れを９０度から９０度以上の分流，合流に変えること
により圧力損失の低減を図る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機用熱交
換器として好適な分岐，合流流路の成形方法にかかわる
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、このような熱交換器の冷媒回路の
分岐，合流部分は図４，図５に示すようにＴ字管を曲げ
て成形するため合流の場合は入口，分岐の場合は出口の
パイプに対して出口，入口のパイプは直角な位置関係と
なっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような熱交換器の
冷媒流路の分岐，合流方法では、冷媒の圧力損失が高く
熱交換器の効率を悪化させている。すなわち、分岐の場
合は入口から入った冷媒は直角な二方向に分流されるた
め一度分岐点の壁にぶつかり９０度方向を変え流れるた
め圧力損失が高くなる。合流の場合は互いに向き合った
冷媒が合流点でぶつかり９０度向きを変え出口パイプの
方向へ流れるため圧力損失が高くなっていた。また、こ
の分岐点，合流点での圧力損失の増加は、冷房，暖房時
の性能低下及び運転中の冷媒音の原因にもなっていた。

【０００４】その対策として図４，図５，図６の
（ａ)，(ｂ）に示すように例えば合流の場合は入口側の
２本のパイプと同じ方向に出口のパイプを引き出すこと
により合流する二つの流れを９０度より浅い角度で合流
させたり、出口パイプの引き出す方向に制約がある場合
は図７（ａ)，(ｂ）に示す様に三又の別部品にて分流，
合流点の角度αを浅くすることにより圧力損失の低減を
行っていたが、部品点数の増加や収納スペースの増加な
どの問題がある。冷媒の分岐回路についての実施例とし
て、実公平6−45810号公報に示すように切り替え弁によ
り二分割された冷凍サイクル中の潤滑油の循環不良を改
善するための合流管が提案されているが、収納スペース
増加の問題があり、圧力損失低減や冷媒脈動による騒音
低減，分岐管に関するものでない。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の熱交換器は、複
数の冷媒回路からなる空気調和器の熱交換器において、
分岐もしくは合流する部分の分岐，合流管の形状を工夫
したものである。

【０００６】即ち、本発明の熱交換器分岐，合流管は、
分岐管の場合は入口管に対し出口管、合流管の場合は出
口管に対し入口管を９０度以上の角度にて分岐，合流さ
せる形状としたものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら本発明を
詳述する。

【０００８】図３は空気調和機の冷凍サイクル系統図で
あり冷房時の冷媒の流れを矢印にて示している。まず、
圧縮機１により吐出された高温，高圧のガス冷媒は四方
弁４を通り室外側熱交換器３へと供給される。そこで熱
交換機の温度分布の均一化や、圧力損失低減のため、初
めに上下に分流し、さらに分岐管７ａにより二流路に分
岐し、最終的に４つの冷媒回路に分岐されている。この
入口分岐管７ａでの冷媒の状態はガス状態であり高速な
流れとなっているが、比較的スペースに余裕があるため
図６に示す様な入口に対し同一平面上で分岐する分岐管
を用いることにより少ない圧力損失で良好な分岐を行っ
ている。次に、上下で二流路ずつ分岐された冷媒は途中
状態をガス状態から冷却され液状態への凝縮行程経て、
合流管７ｂにより合流される。

【０００９】この場合、合流管部の冷媒は完全に凝縮し
きれていないため気液の二層流となっているため管内の
流れはガス，液が交互に流れたりする不安定な状態とな
り、これが原因で冷媒脈動による騒音発生や、圧力損失
の増加を招いていたが、本発明の図１に示す合流管を用
いることにより、流れが浅い角度で合流するため互いの
影響を受けにくくなり圧力損失も低く、騒音も少ない合
流を行う。熱交換器を出た後に上下に分かれた冷媒は合
流し減圧器５を通り低温，低圧状態になった液冷媒は１
本の配管により室内側熱交換器２へと流れる。ここでも
一流路にて入った冷媒は、熱交換機の温度分布の均一化
や、圧力損失低減のため、分岐管６ａにて上下の冷媒回
路へと分岐されるが、前記室外側の入口分岐管と違いス
ペースが小さいために入口に対し直角方向へと分岐され
るものを用いるため、圧力損失が大きくなる傾向にあ
る。

【００１０】そこで、本発明の分岐管を用いることによ
り、より大きな角度にてスムーズに分岐させ圧力損失の
低減を図っている。分岐された液冷媒は、熱交換を行い
蒸発し液から流速を増したガス状態となり合流管６ｂに
て合流するが、出口管に対し大きな角度で合流する本発
明の合流管を用い、対向し合流する従来のものに対し図
２（ａ)，(ｂ）に示すように入口管が出口管方向に互い
に向き合うようにすることにより、互いの流れの影響を
少なくし合流点での圧力損失を少なくする。

【００１１】合流した冷媒は１本の配管により室外機ヘ
戻り、四方弁を通過し圧縮機へ戻る。

【００１２】ヒートポンプ式空気調和機では、四方弁４
を点線の位置に切り替えることにより冷媒の流れを逆転
させ冷房，暖房を切り替える。

【００１３】暖房運転においては、前記冷房運転と冷媒
の流れが逆転するため、圧縮機１により高温，高圧状態
のガス冷媒は室内側熱交換器２へと流れ、分岐管６ｂを
通り凝縮され液状態となり合流管６ａにて合流し室外機
に戻り、減圧器５を通り室外側熱交換器３に流れ分岐管
７ｂを経て蒸発しガス状態となり、合流管７ａにて再び
合流し圧縮機１に戻る。このときの分岐管，合流管にお
いても前記冷房時と同じように圧力損失の低下，冷媒脈
動による冷媒音の低減も図っている。

【００１４】本発明の分岐，合流管を示した図１，図２
の（ａ)，(ｂ）は、左側が分岐管、右側が合流管として
の内部の冷媒の流れを示している。

【００１５】図１は熱交換器中に取り付けられる三又パ
イプで、分岐の場合は入口管９ａから入ってきた冷媒は
分岐部９ｃにて別れ出口管９ｂに分かれていく、このと
き入口管と出口管とのなす角度αは大きくなるほど入口
パイプからの流れをスムーズに分岐でき、圧力損失低減
に対して効果はある。また、合流の場合も浅い角度で二
方向からの流れを合流させるためスムーズな流れの合流
管となる。

【００１６】図２は熱交換器の入口や出口によく用いら
れる三又パイプで、前記図１の三又パイプより入口管と
出口管の角度αは構造的に大きく取りやすく効果も大き
い。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、熱交換器の分岐，合流
部において圧力損失の低減が図れるため、熱交換器の効
率が改善され、冷房，暖房性能の向上，運転時の冷媒音
低減が可能になる。また、構造が簡単なため、安価なコ
ストにて部品を提供できるとともに収納スペースの縮小
も図れる

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す熱交換器中間に取付け
る分岐，合流管を示す説明図。

【図２】本発明の一実施例を示す熱交換器入口，出口に
取付ける分岐，合流管を示す説明図。

【図３】本発明の一実施例を示す空気調和機の冷凍サイ
クル系統図。

【図４】従来の熱交換器中間に取付ける分岐，合流管を
示す説明図。

【図５】従来の熱交換器入口、出口に取付ける分岐，合
流管を示す説明図。

【図６】従来の熱交換器分岐，合流管を示す説明図。

【図７】従来の熱交換器分岐，合流管を示す説明図。

【符号の説明】

１…圧縮機、２…室内側熱交換器、３…室外側熱交換
器、４…四方弁、５…減圧器、６ａ，６ｂ…室内分岐
（合流）管、７ａ，７ｂ…室外分岐（合流）管、８ａ…
合流管出口、８ｂ…合流管入口、８ｃ…合流部、９ａ…
分岐管入口、９ｂ…分岐管出口、９ｃ…分岐部。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一カ所の入り口パイプより冷媒を入れてな
   る一流路の冷媒回路部分と、途中にて分岐させ二流路の
   冷媒回路を有する熱交換器において、分岐部の三又パイ
   プの形状を入口のパイプに対し９０度以上の角度にて分
   岐させたことを特徴とした熱交換器。
2. 【請求項２】二流路の冷媒回路部分と、途中にて合流さ
   せ一流路の冷媒回路を有する熱交換器において、合流部
   の三又パイプの形状を対面する入口のパイプを合流後の
   出口パイプに対し９０度以上の角度にて合流させたこと
   を特徴とした熱交換器。
3. 【請求項３】一カ所以上の入口パイプより冷媒を入れて
   なる一流路以上の冷媒回路部分と、途中にて更に複数の
   流路に分岐する冷媒回路を有する熱交換器において、該
   流路の分岐部において請求項１の三又パイプを有するこ
   とを特徴とした熱交換器。
4. 【請求項４】二流路以上の冷媒回路と、途中にて複数箇
   所にて合流させる冷媒回路数を有する熱交換器におい
   て、該流路の合流部において請求項２の三又パイプを有
   することを特徴とした熱交換器。