JPH10279695A - 調色粉体塗料の製造方法 - Google Patents

調色粉体塗料の製造方法

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JPH10279695A
JPH10279695A JP9099564A JP9956497A JPH10279695A JP H10279695 A JPH10279695 A JP H10279695A JP 9099564 A JP9099564 A JP 9099564A JP 9956497 A JP9956497 A JP 9956497A JP H10279695 A JPH10279695 A JP H10279695A
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powder coating
pigment
coating material
powder
producing
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JP9099564A
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English (en)
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Manji Tsutsui
万司 筒井
Susumu Takeda
進 武田
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Original Assignee
TSUTSUI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製造された粉体塗料の色目が使用目的の色目と
異なるときその調色を容易に行えるようにすること。 【構成】粉体塗料100重量部に対して着色粒子を含有
し該着色粒子の粒子径が大きくても20ミクロンである
着色剤を該着色粒子として0.01〜15重量部練肉を
伴なわない攪拌機により攪拌混合をする調色粉体塗料の
製造方法。着色剤が顔料製造工程におけるケーキ又はス
ラリー、市販顔料を液体中で粉砕、分散させた分散液、
樹脂と顔料を練肉し粉砕した高濃度顔料含有樹脂粉体又
は乾式粉砕機で粉砕した顔料の分散液である。 【効果】上記目的を達成し、塗膜も着色粒子の脱落や劣
化がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、簡便に粉体塗料の色目
を調整することができる調色粉体塗料の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料として、例えば熱硬化性着色粉
体塗料は、粉体塗料用樹脂、硬化剤及び着色顔料をミキ
サーで混合した後、二軸エクストルーダー等の混練機を
使用して溶融練肉し、ついで冷却、粉砕、分級する、い
わゆる溶融練肉・粉砕法により製造されている。このよ
うな方法で製造された粉体塗料は、予め使用目的の色目
が得られるように着色顔料を配合するが、実際に製造さ
れてみると製造後の粉体塗料の色目は使用目的の色目と
異なることがあり、その色目の調整、すなわち調色をす
る必要がある。その調色の方法として、不足する色目の
別の粉体塗料を追加して単に攪拌混合するだけでは、斑
点となって均一な色目にならないため、このような方法
は行なわれず、結局、一旦溶融練肉・粉砕法により製造
された粉体塗料に不足する色目の顔料を追加して再度溶
融練肉・粉砕法により粉体塗料を製造しなければならな
いない。製造された粉体塗料の光沢が異なった場合に
も、その光沢を調整するには光沢を増加できる材料又は
光沢を減少する材料を追加して上記と同様に再度溶融練
肉・粉砕法により粉体塗料を製造しなければならないな
い。なお、本願においては、「色目」、「調色」とは
「色相」と「光沢」の少なくともいずれか一方のことを
意味するものとする。このような方法で粉体塗料の調色
を、樹脂タイプが異なる粉体塗料を製造した後や、異な
った色の粉体塗料を製造した後に行なおうとすると、そ
の都度粉体塗料製造の全ラインをクリーニングしなけれ
ばならない面倒があり、特に少量や多色の粉体塗料の受
注は困難である。また、粉体塗料に顔料を添加してエク
ストルーダーで溶融練肉すると、粉体塗料の樹脂がその
粉体塗料の製造時の溶融練肉時の加熱のほかに目的の色
目に合うまで顔料を添加して繰り返し加熱されるので、
その加熱の度毎に特に熱硬化性樹脂においてその変質を
おこさせることがある。この変質は塗膜に凹凸を生じさ
せてその光沢を無くすことがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらを改善するため
に、公表特許平4−504431号公報には、通常の粉
体塗料の粒子径10〜30ミクロンより微細な粒子径の
平均粒子径が10ミクロン以下の異なった色の粉体塗料
を混合して調色する方法が記載されているが、粉体塗料
にはエポキシ樹脂系、ハイブリッド系、TGIC硬化型
ポリエステル系、ウレタン系ポリエステル樹脂系、アク
リル樹脂系など樹脂のタイプにより多くの種類があり、
異なるタイプの樹脂の粉体塗料を混合して調色すると、
一般に粉体塗料の顔料と樹脂の比率の相違はそれほどは
なく、したがって混ぜられる樹脂も少なくはないため、
樹脂同志の相溶性がよくない場合には塗膜が不均一にな
り光沢や塗膜強度等の塗膜性能を悪くするので、それぞ
れの樹脂のタイプ毎にその同じタイプ内で複数の粉体塗
料を混合して調色する必要があり、樹脂タイプ毎に上記
の微細粒子の粉体塗料を原色の数に等しいだけの種類用
意する必要があり、多くの在庫を必要とするという問題
を生じる。また、特開平8−176468号公報には、
衝撃式打撃手段を用いて、調色しようとする粉体塗料粒
子の表面に硬化剤、硬化触媒、顔料などを埋没あるいは
固着させ、固定化する調色方法が記載されているが、こ
の方法によると、熱硬化性粉体塗料は打撃による発熱に
より局部的に加熱されて硬化反応が促進され、塗装され
た際に塗膜の流れが悪くなったり、「ブツ」といわれる
塊りが発生したりすることがある。また、巨大な二次凝
集顔料からなる一般的な市販顔料をそのまま使用してい
るので、顔料の一部は樹脂に埋没して付着しているが、
巨大な二次粒子を形成している大部分の顔料は樹脂と分
離された状態で存在するため、塗装した後塗膜表面を紙
や布で軽く擦るだけで顔料が剥離してこれらに付着する
という問題点があり、実用的ではない。また、特開平8
−183916号公報には、透明性の熱可塑性樹脂と顔
料を単に混合して透明な着色した熱可塑性粉体塗料を得
ることが記載されているが、使用する樹脂が熱可塑性で
ある上に、巨大な二次凝集顔料からなる一般的な市販顔
料を使用しているため、樹脂との単なる混合、すなわち
練肉を伴なわない混合だけでは、塗膜形成の際顔料が表
面に浮き出て、紙や布で擦ると、顔料が脱落してこれら
に付着するという問題点がある。
【0004】本発明の第1の目的は、樹脂のタイプ毎に
原色の数に等しい種類の粉体塗料を用意する必要がな
く、在庫を多くしなくても済む調色粉体塗料の製造方法
を提供することにある。本発明の第2の目的は、調色す
る工程で粉体塗料に含有される樹脂が変質しないような
調色粉体塗料の製造方法を提供することにある。本発明
の第3の目的は、塗装後の塗膜から着色粒子が浮き出た
り、脱落することがない調色粉体塗料の製造方法を提供
することにある。本発明の第4の目的は、特に少量や多
色の粉体塗料の注文にも応じることができ、用途拡大が
できるように簡便に製造できる調色粉体塗料の製造方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討の結果、0.3ミクロン以下の
超微粒子である一次粒子の着色粒子は粒子径が小さくな
るほど凝集して二次粒子の着色粒子を形成し、さらにそ
の二次粒子が凝集する二次凝集により巨大な粒子に成長
している着色粒子からなる顔料等は、その二次粒子の大
きさが大きくても20ミクロン(20ミクロン以下)で
あれば、通常の攪拌機を用いても粉体塗料の粒子表面に
着色粒子を付着させ、固定化することができ、その結果
塗装後加熱造膜する際に着色粒子は塗膜の中に埋没し、
紙や布で擦っても着色粒子がこれらに付着することがな
いことを見出し、本発明をするに至った。したがって、
本発明は、(1)、製造された粉体塗料の色目を使用目
的の色目に調整した調色粉体塗料の製造方法において、
該粉体塗料100重量部に対して着色粒子を含有し該着
色粒子の粒子径が大きくても20ミクロンである着色剤
を該着色粒子として0.01〜15重量部添加し練肉を
伴なわない攪拌機により攪拌混合をする工程を有する調
色粉体塗料の製造方法を提供するものである。また、本
発明は、(2)、製造された粉体塗料の色目を使用目的
の色目に調整した調色粉体塗料の製造方法において、該
粉体塗料100重量部に対して着色粒子を含有し該着色
粒子の粒子径が大きくても15ミクロンである着色剤を
該着色粒子として0.01〜5重量部添加し練肉を伴な
わない攪拌機により攪拌混合する工程を有する調色粉体
塗料の製造方法、(3)、着色剤が顔料製造工程におい
て得られるケーキ又はスラリーである上記(1)又は
(2)の調色粉体塗料の製造方法、(4)、着色剤が二
次凝集した着色粒子からなる顔料を液体中で粉砕し分散
させて得られる粉砕顔料分散液である請求項1又は2に
記載の調色粉体塗料の製造方法、(5)、着色剤が粉体
塗料用樹脂30重量部ないし90重量部と、二次凝集し
た着色粒子からなる顔料70重量部ないし5重量部を溶
融練肉し、粉砕して得られる高濃度粉砕顔料含有樹脂粉
体である上記(1)又は(2)の調色粉体塗料の製造方
法、(6)、着色剤が二次凝集した着色粒子からなる顔
料を乾式粉砕機により粉砕した粉砕顔料分散液である上
記(1)又は(2)の調色粉体塗料の製造方法、
(7)、粉体塗料が熱硬化性樹脂を使用し溶融練肉・粉
砕法により製造した着色又は無着色の粉体塗料である上
記(1)ないし(6)のいずれかの調色粉体塗料の製造
方法を提供するものである。
【0006】本発明において、「製造された粉体塗料」
とは、通常使用されている粉体塗料を言い、市販されて
いる粉体塗料は全て含まれるが、熱硬化性粉体塗料とし
ては、エポキシ樹脂系、ハイブリッド系(エポキシ−ポ
リエステル系、エポキシ−アクリル系等)、ポリエステ
ル系、アクリル樹脂系、アクリル・ポリエステルハイブ
リッド系、フッソ樹脂系その他の上述した樹脂系などが
挙げられる。また、熱可塑性粉体塗料としては、ポリエ
チレン樹脂系等のポリオレフィン樹脂系、ポリ塩化ビニ
ル樹脂系、ポリアミド系、エチレン−酢酸ビニル樹脂
系、フッソ樹脂系、ポリエステル樹脂系などを例示する
ことができる。これらの粉体塗料の粒子径としては、平
均粒子径が5μm〜100μm、特に静電粉体塗料とし
ては平均粒子径が5μm〜40μm、流動浸漬用粉体塗
料としては平均粒子径が30μm〜100μmを例示す
ることができる。これらの粉体塗料は通常上記した溶融
練肉・粉砕法により製造されている。
【0007】また、「着色剤」は、「着色粒子を含有す
る」が、この着色粒子には、通常、粉体塗料に使用され
る全ての無機系顔料と有機系顔料が含まれる。無機系顔
料としては、酸化チタン、べんがら、クロムチタンイエ
ロー、黄色酸化鉄、カーボンブラックなどを例示するこ
とができる。有機系顔料としては、アゾ系、ペリレン
系、縮合アゾ系、ニトロ系、ニトロソ系、フタロシアニ
ン系、アントラキノン系、キナクリドン系などが挙げら
れる。具体的にはレーキレッド、ファストイエロー、ジ
スアゾイエロー、パーマネントレッド等のアゾ系顔料、
ナフトールイエロー等のニトロ系、ピグメントグリーン
B、ナフトールグリーン等のニトロソ系、フタロシアニ
ンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン
系、インダスレンブルー、ジアントラキノニルレッド等
のアントラキノン系が例示される。
【0008】これら無機系顔料と有機系顔料の多くは水
中にそれぞれの前駆化合物を非水溶性として析出させて
生成し、1μm以下の微粒子として生成しているが、水
分を含んでいるため濾過、乾燥の過程を経て市販品とさ
れる。この濾過、乾燥の過程で微粒子は凝集し、数十ミ
クロン〜数百ミクロンもの巨大な二次凝集体を形成して
しまう。このことから、市販品の顔料は二次凝集した着
色粒子からなる顔料である。これを微粒子にするために
は大きいエネルギーが必要であり、しかも再凝集しない
ように粒子間に介在する物質が必要であり、液状の塗料
や印刷インキにおいては、油や樹脂溶液と顔料を混合
し、ロールミルやビーズミルなどの分散機を使用して二
次凝集した着色粒子からなる顔料をほぐし、できるだけ
一次粒子に近づける練肉工程を経ることにより製造し、
平滑な塗膜が得られるようにしている。ところで、樹脂
や粉体塗料に市販の顔料を単に攪拌混合することにより
調色しようとする提案も成されてきたが、ドライブレン
ド法、すなわち主に混合しようとするものが空中で浮遊
する過程で混合される混合方法であって、壁面に強く接
触したり、混合しようとする物に大きな剪断力がかかる
ようなことのない混合方法、具体的にはV型ミキサーや
リボンブレンダーを用いた混合方法では、上記したよう
に二次凝集により巨大な粒子を形成している市販の顔料
をそのまま混合するに過ぎず、その混合物の塗装後の塗
膜は光沢や平滑性が劣るばかりでなく、塗膜表面を紙や
布で擦るとこれらに顔料が付着し、顔料が塗膜から脱落
し易いという問題を生じる。このことは、ドライブレン
ド法と同様に単に攪拌混合する通常の粉体の攪拌機を使
用した場合も同様である。なお、V型ミキサーとは、V
字型筒体の両端上部から混合しようとするものを入れ、
蓋をしたのち上下方向に回転させるものであり、リボン
ブレンダーは筒体内部で螺旋状のリボンを回転させ混合
しようとするものを軸方向に進行させながら混合するも
のである。これらの攪拌機は、一般の粉体塗料製造用の
上記したエクストルーダーのように、剪断力がかかって
着色粒子を粉砕するものとは異なり、着色粒子対する粉
砕力が弱いように設計されているものである。ところ
が、上述したように、顔料等の着色粒子の二次粒子の大
きさが大きくても20ミクロン(20ミクロン以下)、
好ましくは大きくても15ミクロン(15ミクロン以
下)であれば、単に攪拌混合する方法、すなわち練肉を
行なわない攪拌混合方法、具体的には上述したドライブ
レンド法や、通常の粉体の攪拌機(例えばヘンシェルミ
キサー)により攪拌するだけでも、この微細粒子と粉体
塗料との混合物の塗装後の塗膜は平滑性や光沢が良好な
上、その塗膜を紙や布で擦ってもこれらに着色剤の付着
がなく、通常の粉体塗料と同様の性能が得られるように
できる。攪拌機としては粉体の乾式混合で使用される各
種の混合攪拌機を使用することができ、例えば容器回転
式混合機としては円筒型混合機、二重円錐型混合機、正
立法型混合機、双子円錐型混合機が挙げられ、容器固定
型混合機としてはリボン型混合機、スクリュー型混合機
などを使用することができる。特に流動化型混合機は混
合力が強く、十分な効果が得られるが、長時間混合する
と混合機内の温度が上昇して熱硬化性粉体塗料の場合に
は硬化が進む上に、粒子が破砕されるので、できるだけ
短時間で攪拌を行なうことが好ましい。粉体塗料と着色
剤の混合の際には、本発明の目的を損なわない範囲で、
必要に応じて艶消し剤、滑剤、帯電防止剤、導電剤等の
各種添加剤を適宜混合してもよい。なお、本発明におい
て、「練肉を伴なわない攪拌機により攪拌混合」とは、
その攪拌機が設計仕様からは溶融練肉やその他の練肉を
行なうものとはされておらないこと、あるいはこれらが
行われるものでもそこまでは行わないことを意味し、換
言すれば少なくとも着色粒子の粉砕を行なうことを予定
しておらず、単に粉体を混合することを目的とするもの
であり、「着色粒子の粉砕を伴なわない攪拌機により攪
拌混合」、「粉体塗料と着色粒子に(ほとんど)剪断力
がかからず、それぞれの粒度を維持することができる攪
拌混合」としてもよい。
【0009】本発明においては、粉体塗料100重量部
に対して上記の粒子径が大きくても20ミクロン、好ま
しくは大きくても15ミクロンの微細粒子を0.01〜
15重量部、好ましくは0.01〜10重量部、さらに
好ましくは0.01〜5重量部混合する。15重量部よ
り多くなると粉体塗料の塗膜の可撓性などの機械的物性
を劣化させたり、光沢を低下させる。また、0.01重
量部より少ないと色目の調整をすることができないこと
がある。
【0010】本発明において「着色剤」は、上記粒子径
の着色粒子を含有するが、その形態としては、顔料製造
工程において得られるケーキ又はスラリー、二次凝集し
た着色粒子からなる顔料を液体中で粉砕し分散させて得
られる粉砕顔料分散液、粉体塗料用樹脂(上記した粉体
塗料用樹脂が挙げられるが、他の樹脂と相溶性の良い、
例えばエポキシ樹脂が好ましい)30重量部ないし90
重量部と、二次凝集した着色粒子からなる顔料70重量
部ないし5重量部を溶融練肉し、粉砕して得られる高濃
度粉砕顔料含有樹脂粉体(微粒子顔料マスターバッ
チ)、二次凝集した着色粒子からなる顔料を乾式粉砕機
により粉砕した粉砕顔料分散液であることが好ましい。
これらはそれぞれ単独で使用してもよいが、複数を併用
してもよい。二次凝集した着色粒子からなる顔料の粉砕
には、ロールミル、ビーズミル、エクストルーダーなど
を使用することができ、その粉砕した上記粒子径の着色
粒子を液体や樹脂等の分散媒体に分散させることができ
る。
【0011】このような着色剤を上記粒子径の微細粒子
として上記の割合だけ粉体塗料に添加すると、単に攪拌
混合を行なうだけあるいはこれを繰り返すだけで元の粉
体塗料の色目を使用目的の色目に変更することができ、
簡便に効率よく色目の微調整を行うことができる。この
ことは、粉体塗料の製造は、最初の原料を配合した時点
で製品の色目が決まり、溶剤型塗料のように製造の途中
で色目を変更することができず、製品の粉体塗料は製品
試験で色目が色差で1以上になると不合格になり、出荷
できなくなるという事情の中で、その不合格品を合格品
に簡単に変えることができることを意味し、従来は上述
したように一旦製造された粉体塗料の色目の不合格品に
顔料を加えて再度溶融練肉・粉砕法により作り直し、こ
れを色目が合うまで繰り返さなければならないことに比
べれば、調色した粉体塗料の生産効率を高めその生産性
を著しく向上させることができる。それのみならず、こ
の従来の方法では溶融練肉する際にエクストルーダーを
通すときに加熱することにより熱硬化性粉体塗料は硬化
が進み、「ブツ」を生じることもあり、製品の粉体塗料
の塗膜の光沢が減少したり、貯蔵安定性(貯蔵中に硬化
が使用できなくなる)が悪くなるなどの問題を生じるの
に比べ、これらの問題がなく粉体塗料の塗膜の性能のみ
ならず、その貯蔵、在庫、輸送等の取扱い性能を向上さ
せることができる。このように、調色粉体塗料の製造が
容易であれば、一般的に粉体塗料の色目を分類すると、
白系、クリーム系、ブラウン系、グレイ系などが多く、
それぞれ僅かに異なる色目が無数に要求される中で、従
来は塗料メーカーに特注品を発注してから納品するまで
に数週間を要しており、急場に間に合わないことがあ
り、それが溶剤型塗料と比較して大きな問題点であり、
用途の拡大に大きな障害になっていた点を改善し、基本
的な色目の粉体塗料を在庫しておけば、僅かに異なる色
彩や光沢の塗料が必要になったときは、簡単に、短時間
で目的の色目の粉体塗料を提供することができ、必要な
色目の半製品を作っておき、色目や光沢を微調整するこ
とにより多くの種類の製品が短時間で製造でき、溶剤型
塗料に匹敵する利便性を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下の実施例により説明する。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 (着色剤の製造) (1)顔料製造工程での顔料スラリーの製造 硫酸法酸化チタンの製造工程において、原料のイルメナ
イトを硫酸で溶解し、鉄分を除去した後、不溶性懸濁物
を沈降させて得た上澄み液から、硫酸チタニルを加水分
解して不溶性の白色含水酸化チタンを沈殿させる。沈殿
物を濾別し洗浄後、ルチル化転移促進塩類を加え、キル
ンで焼成してルチル型酸化チタン素材を得る。この酸化
チタン素材を乾式粉砕し、水と分散剤を加えて湿式粉砕
し、遠心分離により粗級分級を行なう。分級後の微粒子
含有スラリーは表面処理槽に移され、金属水酸化物の表
面被覆処理が行なわれる。その処理液を中和し、pHを
調整する。このようにして微粒子酸化チタンの40グラ
ム/リットルの濃度のスラリーを得、これを着色剤とす
る。下記のグラインドメータ測定法で粒子径を測定した
ところ5ミクロンであった。 (グラインドメータによる粒子径測定法)順次深くなる
溝を形成した金属板を鏡面仕上げし、その溝の深さを予
め測定し、目盛りを付しておく。この溝全体に液状にし
た試料を満たし、スクレーパーを溝の深い方から浅い方
へ引いて試料を掻き取り、すじの出はじめた溝の深さの
目盛りを読む。すじは粒子が潰されてひきづられた跡で
あるのでその出はじめがその試料の最大粒子径となる。 (2)液体中で顔料を粉砕し分散させた粉砕顔料分散液
の製造 水48.5重量部、バイエル社製黄色酸化鉄顔料(商品
名バイフェロックスイエロー(一次粒子径0.2μm
(カタログ記載値))40重量部、分散剤としてビック
・ケミー社製Disperbyk 1.5重量部を加
え、分散攪拌機(単なる攪拌混合をする攪拌機)で攪拌
した。上記グラインドメーターにより最大粒子径を測定
したところ、23μmであった。この分散液を三井鉱山
株式会社製アトライターMA−1Sで超硬質ボールを使
用して1時間分散処理し、これを着色剤とする。グライ
ドメータによる最大粒子径は11μmであった。 (3)高濃度粉砕顔料含有樹脂粉体(微粒子顔料マスタ
ーバッチ)の製造 油化シェルエポキシ社製エポキシ樹脂(商品名エピコー
ト1004)70重量部と上記のバイエル社製黄色酸化
鉄顔料(商品名バイフェロックス イエロー420)3
0重量部を混合した後、BUSS社製コニーダーPR4
6で溶融練肉し、冷却後ジェットミルで粉砕し、これを
着色剤とする。この着色剤50重量部をメチルエチルケ
トン50重量部で溶解した溶液をグラインドメーターで
最大粒子径を測定したところ、15μmであった。 (4)乾式粉砕機により粉砕した顔料の粉砕顔料分散液
の製造 上記のバイエル社製黄色酸化鉄顔料(商品名バイフェロ
ックス イエロー420)を三井鉱山株式会社製アトラ
イターMA−1Sで超硬質ボールを使用して1時間粉砕
した後、その20重量部と、水80重量部と、ビック・
ケミー社製Disperbyk 1.5重量部を加え、
攪拌機(単なる攪拌混合をする攪拌機)で分散し、その
分散液を着色剤とする。グラインドメーターで最大粒子
径を測定したところ、18μmであった。
【0014】実施例1 標準粉体塗料とてブラウン色のTGIC(トリグリシジ
ルイソシアネート)硬化型ポリエステル系粉体塗料10
0重量部に対し、上記(1)で製造した着色剤を酸化チ
タンとして1.50重量部加え、三井鉱山株式会社製ヘ
ンシェルミキサーで3分間攪拌混合(単なる攪拌混合)
して調色した。得られた調色粉体塗料を鉄板に静電粉体
塗装し、膜厚40ミクロンの塗膜を形成した。そして、
光沢、色相を測定し、さらに塗膜に白色コピー用紙を当
てて指先で押しながら20回擦り、このコピー用紙の着
色度合を調べ、塗膜からの「色移り」の有無を調べた。
また、粉体塗料の架橋度(硬化)が進むと塗膜の平滑性
が悪くなるので、塗膜の表面を観察しその凹凸の程度を
「塗膜の性状」として肉眼で観察した。これらの結果を
粉体塗料と着色剤との組成比とともに表1に示す。な
お、光沢、色相の測定法は以下のとおりである。 (光沢の測定法)JIS−K−5400 7.6項に規
定された鏡面光沢度測定法に基づき、入射角と受光角が
それぞれ60度における反射率を測定した。 (色相の測定法)JIS−K−5400 7.4.2項
に規定された塗膜の色の計測法に基づき、塗膜の色を測
定し、三刺激値を求め、さらに標準品との色差を求め
る。
【0015】実施例2〜4 実施例1において、上記(1)で得られた着色剤の代わ
りに上記(2)〜(4)で得られたそれぞれの着色剤を
用い、これらのそれぞれと標準粉体塗料との組成比(着
色剤は顔料分としてのもの)を表1に示す値にした以外
は同様にして実施例2〜4の調色粉体塗料を製造し、そ
れぞれについて実施例1と同様に試験した結果を表1に
示す。
【0016】比較例1 実施例1において、上記(1)で得られた着色剤の代わ
りに上記のバイエル社製黄色酸化鉄顔料(商品名バイフ
ェロックス イエロー420)を用い、これと標準粉体
塗料との組成比を表1に示す値にした以外は同様にして
比較例1の調色粉体塗料を製造し、これについても実施
例1と同様に試験した結果を表1に示す。
【0017】比較例2 実施例1において、上記(1)で得られた着色剤を使用
せず、標準粉体塗料のみを用いた以外は同様にして比較
例2の調色粉体塗料を製造し、これについても実施例1
と同様に試験した結果を表1に示す。これは塗膜の性能
を調べる際の比較の標準となるものである。
【0018】比較例3 実施例1において、上記(1)で得られた着色剤を使用
せず、上記のバイエル社製黄色酸化鉄顔料(商品名バイ
フェロックス イエロー420)を市販品のままで標準
粉体塗料と表1に示す割合で混合した後、エクストルー
ダーを用いた標準の溶融練肉・粉砕法により比較例3の
調色粉体塗料を製造し、これについても実施例1と同様
に試験した結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1の結果から、比較例2の標準のものに
比べ、実施例のものはいずれも光沢が劣らないか、優
れ、また、色差ΔEも大きく変化し、色相が変化してお
り、調色されたことが分かる。また、実施例のものはい
ずれも色移りがないが、比較例1は色移りが著しくあ
り、市販の顔料を粉体塗料に単に混合しただけの粉体塗
料の塗膜は顔料が脱落し易いことがわかる。また、比較
例3は調色のための配合物をエクストルーダーを通し加
熱を繰り返したため、熱硬化性粉体塗料の樹脂の架橋が
進行し、これにより溶融粘度が高くなったため塗膜の平
滑度が悪くなり、凹凸を生じ平滑度が低下していること
がわかる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、粉体塗料に所定の粒子
径の着色粒子を含有する着色剤を所定の割合単に攪拌混
合するだけで調色粉体塗料を製造できるので、樹脂のタ
イプ毎に原色の数に等しい種類の粉体塗料を用意する必
要がなく、したがって在庫を多くしなくても済み、ま
た、調色する工程で粉体塗料に含有される樹脂が変質せ
ず、平滑な塗膜が得られ、また、塗装後の塗膜から着色
粒子が浮き出たり、脱落することがなく、さらに製造が
簡単であるので特に少量や多色の粉体塗料の注文にも応
じることができ、これにより粉体塗料の用途拡大を図る
ことができ、その利便性を溶剤型塗料の場合の利便性に
近づけることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製造された粉体塗料の色目を使用目的の
    色目に調整した調色粉体塗料の製造方法において、該粉
    体塗料100重量部に対して着色粒子を含有し該着色粒
    子の粒子径が大きくても20ミクロンである着色剤を該
    着色粒子として0.01〜15重量部添加し練肉を伴な
    わない攪拌機により攪拌混合をする工程を有する調色粉
    体塗料の製造方法。
  2. 【請求項2】 製造された粉体塗料の色目を使用目的の
    色目に調整した調色粉体塗料の製造方法において、該粉
    体塗料100重量部に対して着色粒子を含有し該着色粒
    子の粒子径が大きくても15ミクロンである着色剤を該
    着色粒子として0.01〜5重量部添加し練肉を伴なわ
    ない攪拌機により攪拌混合する工程を有する調色粉体塗
    料の製造方法。
  3. 【請求項3】 着色剤が顔料製造工程において得られる
    ケーキ又はスラリーである請求項1又は2に記載の調色
    粉体塗料の製造方法。
  4. 【請求項4】 着色剤が二次凝集した着色粒子からなる
    顔料を液体中で粉砕し分散させて得られる粉砕顔料分散
    液である請求項1又は2に記載の調色粉体塗料の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 着色剤が粉体塗料用樹脂30重量部ない
    し90重量部と、二次凝集した着色粒子からなる顔料7
    0重量部ないし5重量部を溶融練肉し、粉砕して得られ
    る高濃度粉砕顔料含有樹脂粉体である請求項1又は2に
    記載の調色粉体塗料の製造方法。
  6. 【請求項6】 着色剤が二次凝集した着色粒子からなる
    顔料を乾式粉砕機により粉砕した粉砕顔料分散液である
    請求項1又は2に記載の調色粉体塗料の製造方法。
  7. 【請求項7】 粉体塗料が熱硬化性樹脂を使用し溶融練
    肉・粉砕法により製造した着色又は無着色の粉体塗料で
    ある請求項1ないし6のいずれかに記載の調色粉体塗料
    の製造方法。
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