JPH10279683A - シロキサン組成物を製造する方法 - Google Patents

シロキサン組成物を製造する方法

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JPH10279683A
JPH10279683A JP10039181A JP3918198A JPH10279683A JP H10279683 A JPH10279683 A JP H10279683A JP 10039181 A JP10039181 A JP 10039181A JP 3918198 A JP3918198 A JP 3918198A JP H10279683 A JPH10279683 A JP H10279683A
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phosphazene base
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cyclosiloxane
catalyst
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JP10039181A
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Remy Bischoff
レミイ・ビショフ
Richard Taylor
リチャード・テイラー
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Dow Corning Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
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    • C08G77/08Preparatory processes characterised by the catalysts used
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    • C08G77/06Preparatory processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L83/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】化粧品用組成物の重要な成分である揮発性の、
環状のポリシロキサン(シクロシロキサンとしても知ら
れている)中に高粘度のポリシロキサンが分散されてい
る組成物の製造方法の提供 【解決手段】式(1)に示すホスファゼン塩基による触
媒作用下、揮発性のシクロシロキサンの開環重合を行う
工程、及びシクロシロキサンの開環重合が完了する前に
重合反応を停止させる工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シロキサン組成物
の製造方法に関するものであり、より詳細には揮発性
の、環状のポリシロキサン(シクロシロキサンとしても
知られている)中に高粘度のポリシロキサンが分散され
ている組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シクロシロキサンは、シリコーン業界に
おいて重要な中間体であり、主として重合の出発モノマ
ーである。シクロシロキサンの調製法として、幾つかの
一般的なルートが知られている。ヒドロキシ基で末端を
ブロックされている直鎖状ポリジオルガノシロキサンと
共に、それらは、対応するジオルガノジハロシランの加
水分解の生成物として形成される。環状及び/又は直鎖
状のポリジオルガノシロキサンの混合物はまた、塩基等
の触媒の存在下で、反応によって平衡させられたり、
「分解」させられたりして、より望まれる環状及び直鎖
状の平衡混合物を形成し得る。
【0003】シクロシロキサンの重合用に様々な触媒が
知られている。例としては、アルカリ金属の水酸化物、
アルカリ金属のアルコキサイド、又はアルカリ金属の水
酸化物とアルコールとの錯体、アルカリ金属のシラノレ
ート、及びホスホニトリルハライド(時々、酸性のホス
ファゼンと呼ばれる)が挙げられる。この様な重合は、
バルク、溶媒(非極性又は極性の有機溶媒)、又はエマ
ルジョン中で行われ得る。末端をブロックする試薬もま
た、ポリマーの分子量を調節するため及び/又は官能性
を付与するために使用され得る。触媒と反応して活性を
失わせる中和剤を使用することによって重合を終わらせ
得る。殆どの場合、触媒はポリマー生成物中に残るが、
濾過等によって取り除かれるのが望ましい。
【0004】環状のポリシロキサン中の高粘度のポリシ
ロキサンからなるディスパージョンは、以前より知られ
ており、商業的に入手可能である。これらのディスパー
ジョンは、様々な有用な特徴を有しており、多くの化粧
用組成物の重要な成分である。それらは一般的に、高粘
度のシロキサンを低粘度の環状のシロキサンからなる媒
体に、物理的に混合することによって調製される。この
方法は、長ったらしくて飽き飽きするものであり、高粘
度の物質は、数m2/sにのぼる粘度を有すので、ある
程度均一なディスパージョンを確実にするのに多くのエ
ネルギーを必要とする。取扱粘度を減少させ、それ故に
分散を容易にするために、環状のシロキサン中に分散さ
せる前に、溶媒中に高粘度の物質を溶解させることは可
能である。しかしながら、これは、溶媒が存在し除去す
る必要があるという余分な欠点を製造業者に残してい
る。この欠点は、環状のシロキサン物質がある程度揮発
性であり溶媒が除去される時少なくとも部分的に除去さ
れ得るので、ますます深刻である。
【0005】欧州特許第0503825号明細書には、
ホスホニトリルハライド又は選択された金属化合物であ
る触媒を用いて、揮発性のシクロシロキサンの存在下
で、加水分解性のシロキサンを選択的に濃縮することに
よる、揮発性のシクロシロキサン中の高粘度のシロキサ
ンからなるディスパージョンの製造方法が開示されてい
る。これは、揮発性のシクロシロキサン中の加水分解性
のシロキサンからなる第1のディスパージョンを製造す
る必要があり、最終の生成物の濾過が、触媒の残渣を除
去するのに必要とされるという、欠点をもつ。
【0006】我々は、揮発性のシクロシロキサン中の高
粘度のシロキサンからなるディスパージョンは、ホスフ
ァゼン塩基によって触媒作用を及ぼされるシクロシロキ
サンの開環重合によって、単一の工程で製造され得るこ
とをここで見出した。
【0007】ホスファゼン塩基は、非常に強い塩基であ
ることが知られている。多くのホスファゼン塩基及びそ
れらの合成ルートは、文献、例えばSchwesinger 等の
「Liebigs Ann.1996年、1055〜1081頁」に記載されてい
る。実験室スケールでは、シクロシロキサンの開環重合
にホスファゼン塩基触媒を使用することが、Molenberg
及びMollerの「Macromol Rapid Commun. 16, 449〜453
頁(1995年)」に記載されている。
【0008】オクタメチルシクロテトラシロキサン(D
4、ここでDは−Si(CH32O−単位を表す。)
を、メタノールとホスファゼン塩基I(ヘキサン中1m
ol溶液として使用された)(図1)の存在下、トルエ
ン溶液中で重合した。全ての成分を反応前に注意深く乾
燥させ、酸素及び水が1ppm未満しか含有されてない
アルゴン雰囲気下で反応を行った。メタノールをホスフ
ァゼン塩基によって脱プロトン化させて、反応を開始さ
せるメトキシドイオンを形成させた。同様の反応系は、
Van Dyke及びClarson によって、「Poly Prep ACS Div
Polym Chem 1996年、第37巻、668頁」で使用されてい
る。この場合、テトラフェニルテトラメチルシクロテト
ラシロキサン、即ちD4のフェニルメチル類縁体が重合
された。触媒系は、Molenberg 及びMollerでのものと同
じであり、再度、全ての反応成分を予め注意深く乾燥さ
せた。ホスファゼン塩基触媒を、D4の重量を基準とし
て800ppm以上の量で使用した。
【0009】
【発明の開示】我々は、ホスファゼン塩基で触媒作用を
及ぼされた重合が、揮発性のシクロシロキサン中に分散
された高粘度のポリシロキサンの混合物を製造するのに
適合され得ることを見出した。我々はまた、ヘキサン/
メタノ−ル活性触媒が、不安定な重合挙動を与え得るこ
とも見出した。それ故に、我々は、再現可能な重合を与
える、好ましくは溶媒を必要としない、触媒媒体を更に
捜し求めた。我々は、驚くべきことに、水の存在下、ホ
スファゼン塩基触媒を用いて、シクロシロキサンの開環
重合を行うことができることを見出した。最も簡単な場
合では、シクロシロキサンの出発物質を乾燥させるため
の、特別な工程を取らないことで、十分な水が簡単に供
給され得る。水の存在を確実にするためには、完全に無
水の状態を避けるだけで十分である。非常に少量の水、
例えば数分子が、重合を起こさせるのに十分であること
が見出された。更には、我々は、先行技術の教示とは対
照的に、例えばメタノールを使用することによって、メ
トキシドイオンを形成させることは必須ではないことを
も見出した。
【0010】この様に本発明は、揮発性のシクロシロキ
サン中の高粘度のシロキサンからなるディスパージョン
の製造方法を提供するものであり、それは、ホスファゼ
ン塩基による触媒作用下、揮発性のシクロシロキサンの
開環重合を行い、シクロシロキサンの開環重合が完了す
る前に重合反応を停止させることからなる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明によって製造されるディス
パージョン中の高粘度のシロキサンは、典型的に10
0,000〜5,000,000、より好ましくは500,
000〜1,000,000の分子量のゴムであり得る。
本明細書中で、分子量が使用される場合は、他のことわ
りが無いかぎり、数平均分子量を意図する。ディスパー
ジョン中のゴムの重量%は、5%〜40%であるのが好
ましく、より好ましくは15%〜35%である。約15
%のゴムを含有するディスパージョンの場合は、組成物
の粘度は25℃で5000〜10000mm2/sであ
り得る。
【0012】望まれる組成物がゴムを15%含有する場
合、シクロシロキサン出発物質の85%は重合されない
ようにしなければならない。我々は、驚くべきことに、
シクロシロキサンが僅か15%の転化率で重合された後
に、ゴムの大きさのポリマーをを形成することが可能で
あることを見出した。混合物中のポリマーが僅か15%
のディスパージョンで、25℃で5000mm2/sよ
り高い目標の粘度に到達するのには、350,000よ
り大きい分子量が必要とされる。高分子量のポリマー
は、初期の触媒濃度が低い場合にのみ達成され得る。
【0013】ホスファゼン塩基は、存在している僅かな
量の水と反応して重合を開始させる非常に活性な水酸化
物イオンを形成する。ホスファゼン塩基はまた、存在し
得る或る他の化学基、例えばシラノール又はアルコール
とも反応して、同様に活性な重合を開始させる種を形成
するであろう。ホスファゼン塩基は、フッ化物又は水酸
化物等の強い陰イオンと共に、重合を開始させる際に活
性であるイオンの形態であってもよい。
【0014】ホスファゼン塩基は、重合にとって非常に
効果的な触媒であるので、比較的低い割合、例えばシク
ロシロキサンの重量を基準として、1〜500重量pp
mで存在し得る。好ましい範囲は、2〜200ppmで
あり、より好ましくは5〜50ppmである。実際に使
用される触媒の割合は、求める重合生成物によって選択
されるであろう。
【0015】反応に存在する水の割合は、一般的にホス
ファゼン塩基1mol当たり、少なくとも0.5mo
l、好ましくはホスファゼン塩基1mol当たり0.5
〜10mol、より好ましくはホスファゼン塩基1mo
l当たり1mol〜10molである。水をより高めの
割合で使用することも可能であり、これは、以下により
詳細に記載されるとおり、重合反応の制御をより効果的
にするという利点を有している。
【0016】原則として、いかなるホスファゼン塩基で
も、本発明で使用するのに適している。ホスファゼン塩
基は、以下の核構造P=N−P=Nを有する(式中、N
のフリーの原子価は、水素、炭化水素、−P=N又は=
P−Nに結合しており、またPのフリーの原子価は、−
N又は=Nに結合している)。適するホスファゼン塩基
の多く、Schwesinger 等(上記参照)に記載されてい
る。幾つかのホスファゼン塩基は、スイスのFluka Chem
ie社から商業的に入手可能である。ホスファゼン塩基
は、少なくとも3つのリン原子を有するのが好ましい。
幾つかの好ましいホスファゼン塩基は、以下の一般式の
ものである。:
【0017】
【化2】 ((R1 2N)3P=N−)x(R1 2N)3-xP=NR2 [((R1 2N)3P=N−)x(R1 2N)3-xP−N
(H)R2+[A]- または[((R1 2N)3P=N−)y(R1 2N)4-yP]+
[A]-
【0018】(式中、R1 は水素又は任意に置換されて
いる炭化水素基、好ましくはC1〜C4のアルキル基であ
り、若しくはその内の同じ窒素原子に結合している2つ
のR1基は、結合してヘテロ環好ましくは5−又は6−
員環を完成してもよい、なおそれぞれの位置でR1 は同
じであっても異なっていてもよい;R2 は水素又は任意
に置換されている炭化水素基、好ましくはC1〜C20
アルキル基、より好ましくはC1〜C10のアルキル基で
ある;xは1、2又は3、好ましくは2又は3である;
yは1、2、3又は4、好ましくは2、3又は4であ
る;Aは陰イオン、好ましくはフッ化物、水酸化物、炭
酸塩、シラノレート、アルコキサイド、又は重炭酸塩で
ある。)
【0019】特に好ましい化合物においては、R1 はメ
チルで、R2 はターシャリブチル又はターシャリオクチ
ルであり、xは3、yは4、及びAはフッ化物又は水酸
化物である。好ましい化合物は、図1に示されるホスフ
ァゼン塩基Iである。
【0020】重合は、バルク又は溶媒の存在下で行われ
得る。好ましくは、重合はバルクで行われるのがよい。
ホスファゼン塩基触媒は、ヘキサン又はヘプタン等の炭
化水素溶剤中で希釈されてもよいし、ポリジオルガノシ
ロキサン等のシリコーン系流体中に分散されてもよい。
ホスファゼン塩基触媒が初期にヘキサン等の溶媒中に存
在する場合、ヘキサンは真空下で蒸発させることによっ
て除去され得、触媒はシリコーン系流体中に分散され
て、安定な透明な溶液を与える。このシリコーンに溶解
された触媒を、重合反応に使用する場合、触媒は、均一
に分散し、再現可能な結果を与える。触媒はまた、水に
溶解させられ得、これは下記に記載されるとおり、より
重合反応を緩和し制御をし易くするという利点を有す
る。
【0021】重合反応は、周囲温度下又は加熱下で行わ
れ得る。好ましい温度範囲は、20℃〜200℃であ
り、好ましくは80℃〜150℃である。加熱、例えば
100℃以上の加熱は、下記に記載されるとおり、触媒
活性が緩和される場合に、適当である。重合にかかる時
間は、選択された系での触媒の活性に、また所望のポリ
マー生成物に依存するであろう。緩和がないと、ホスフ
ァゼン塩基触媒は、数秒で、D4等のシクロシロキサン
を高分子量のポリマーに転換させるのに十分な活性であ
る。
【0022】出発物質は、シクロシロキサン(環状のシ
ロキサンとしても知られている)である。シクロシロキ
サンに関連する記載はまた、本発明に従う方法によって
得られるディスパージョンの揮発性のシクロシロキサン
部分にも適用する。揮発性を有するというのは、シクロ
シロキサンが分子中に12個以下のケイ素原子しか持た
ないことを意味する。有用な環状のシロキサンはよく知
られており、商業的に入手可能な物質である。それら
は、一般式(R2SiO)n (式中、Rは水素、又は任意
に置換された炭素原子を8つまで有するアルキル、アル
ケニル、アリール、アルカリール又はアラルキル基を表
し、nは3〜12の値を有する整数を表す)を有する。
Rは例えばフッ素又は塩素等のハロゲンによって、置換
されていてもよい。アルキル基は、例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、トリフルオロプロピル、n−ブチ
ル、セカンダリーブチル及びターシャリブチルであり得
る。アルケニル基は、例えば、ビニル、アリル、プロペ
ニル及びブテニルであり得る。アリール及びアラルキル
基は、例えば、フェニル、トリル及びベンゾイルであり
得る。好ましい基は、メチル、エチル、フェニル、ビニ
ル及びトリフルオロプロピルである。全てのR基の少な
くとも80%が、メチル又はフェニル基であるのが好ま
しく、最も好ましくはメチル基である。実質的に全ての
R基がメチル基であるのが最も好ましい。nの値が3〜
6であるのが好ましく、最も好ましくは4又は5であ
る。適する環状のシロキサンの例としては、オクタメチ
ルシクロテトラシロキサン、デカメチルペンタシクロシ
ロキサン、シクロペンタ(メチルビニル)シロキサン、
シクロテトラ(フェニルメチル)シロキサン及びシクロ
ペンタメチルヒドロシロキサンが挙げられる。1つの特
に適する商業的に入手可能な物質は、オクタメチルシク
ロテトラシロキサンとデカメチルシクロペンタシロキサ
ンとの混合物である。
【0023】Rがメチルである場合、化合物はDnと呼
ばれ、例えば式中のnが4の場合、化合物はD4と呼ば
れる。反応混合物は一般に、触媒を添加する前に、溶解
している二酸化炭素を除去するために、不活性ガス好ま
しくは窒素で、パージされる。反応が非常に速いので、
反応混合物を激しく混合して、触媒の均一分散を確かに
する。混合が不十分であると、触媒を反応に添加する時
に、触媒がゴムのビーズの中に包み込まれることになり
得、次いで触媒はゴムの粒子を拡散するのに幾分時間が
かかり、反応を遅くする。
【0024】本発明によって製造されたディスパージョ
ンの必要とされる粘度は、反応の間粘度を監視し、必要
な時に反応を停止させることによって達成され得る。重
合反応の停止は、ホスファゼン塩基触媒を中和させる試
薬を添加することによって達成される。適する試薬は、
二酸化炭素、酢酸等の酸、リン酸シリル、ホスホン酸シ
リル、クロロシラン、及びポリアクリル酸である。好ま
しい冷却剤は、気体状の形態の二酸化炭素又は液状の二
酸化炭素である。「ドライアイス」ペレットの使用も可
能であり、この使用又は液状の二酸化炭素の使用は、急
速に同時に反応を冷却させる。
【0025】末端ブロック剤は、反応中にポリマーの分
子量を制御するため、及び/又は所望の末端基をポリマ
ーに加えるために含有され得る。適する末端ブロック剤
は、例えば25℃で粘度範囲が1〜150,000mm2
/sのポリシロキサン、特には一般式MDx M(式中M
はトリメチルシリルであり、Dは−Si(CH32O−
であり、xは0〜20の値を有する。)のポリジメチル
シロキサンである。末端ブロック剤は、1又はそれ以上
の、ヒドロキシ、ビニル、水素又はアミノ等の官能基を
有していてもよい。水はまた、ヒドロキシ官能基を導入
して、末端ブロック剤としても作用する。
【0026】ポリマーにとって特に好ましい末端基は、
SiOH又はSiMe4 である(式中、Meはメチル基を表
す)。添加された水の存在下で、SiOH末端のゴム
が、サイクル中に混合物として得られ得る。水の濃度に
よって、ゴムの分子量が決まる。従って、いかなる鎖長
のSiOH官能性ポリマーでも得られ得る。末端ブロッ
ク剤としての水の使用は、より制御して反応をゆっくり
させるという、更なる利点を有する。
【0027】我々は、ホスファゼン塩基触媒の調製中
に、空気が触媒溶液と非常に速く反応して、結果的に不
溶性の液相を導く濁った物質を与える、ということを見
出した。これは、水及び/又は二酸化炭素と触媒が反応
して、不溶性の水酸化物又は炭酸塩を形成するためであ
る、と考えられる。我々はまた、触媒のこの不活性化
は、例えば加熱、不活性ガスによるパージ又はそれを減
圧することによって、回復させ得ることも見出した。こ
れにより、重合反応を緩和又は制御するのが可能にな
る。これは、触媒が緩和されない場合に生じる、非常に
速い反応を考慮すると特に利点である。これらの反応で
使用される触媒が非常に低レベルであるので(1〜10
ppm程の低さであり得る)、水及び二酸化炭素との反
応は、反応を制御して、再現可能な結果を得るためには
考慮に入れる必要がある。
【0028】水にホスファゼン塩基を溶解させることに
よって(その中でそれは非常に可溶性で、かつ非常に安
定である)、触媒の活性は非常により制御可能になり、
生成されるポリマーは分子量の低めのものである。これ
は、水が触媒抑制剤として、また末端ブロック剤として
作用することによって生じる。水の抑制効果は、例えば
加熱することによって、存在する水の量を減少させるこ
とで、低くなり得る。100℃より低い温度下では、重
合の速度は、水又は二酸化炭素の存在下で、比較的ゆっ
くりであり、例えば、ゴムの粘度に到達するまでに24
時間以上までかかる。100℃以上の温度(例えば10
0〜150℃)では、重合はより早めで、例えば高粘度
に到達するまでに5〜60分までかかる。反応のこの様
な制御はまた、水が、アルコール(例えば、メタノール
又はエタノール等のC1〜C6 のアルコール)と混合又
は、それに置き換えられても達成され得る。
【0029】我々はまた、シクロシロキサンとホスファ
ゼン塩基触媒との混合物を、空気及び/又は二酸化炭素
に晒すことによって、重合を防止し得ることをも見出し
た。次いで、例えばその混合物を加熱(例えば100℃
〜140℃まで、数秒間)することによって、空気及び
/又は二酸化炭素を単に除去することで、重合を開始さ
せ得る(「重合の指令」)。D4触媒混合物(触媒2〜
50ppm)は、長期間(7日間まで)、20℃の空気
中で安定である。
【0030】開環平衡重合によるシロキサンポリマーを
合成する従来の方法では、小環(5〜10%、D4〜D
10)、大環(5〜10%、D11〜D50)及びポリ
マー(80〜90%)から典型的になり得る生成物を製
造していた。本発明は、開環重合によって、大環が低レ
ベルのポリマーディスパージョンの製造を可能にする。
ホスファゼン塩基触媒を使用することによって、本発明
による例えばD4の開環重合で、大環を全部で1重量%
未満しか含有しないポリマーディスパージョンを製造す
るのが可能である。
【0031】本発明によって製造されたポリマーディス
パージョンの熱重量分析(TGA)では、ポリマーは高
い熱安定性を有することが示されている。高分子量のゴ
ムは450℃より高い分解開始温度で製造される。高い
熱安定性は、生成物中に残っている触媒残渣が非常に低
レベルであることに起因する。触媒残渣が少ないことは
また、濾過工程を通常は必要としないことも意味し、そ
れは非常に重量なプロセス上の利点である。
【0032】以下の実施例は本発明を説明する。他のこ
とわりがない限り、全ての部及び%は重量によるもので
あり、使用されるホスファゼン塩基は図1に示される一
般式Iのもの(Fluka 社から商業的に入手可能、カタロ
グ番号79421)である。
【0033】
【実施例】 実施例1 シロキサン流体中のホスファゼン塩基溶液の調製 ヘキサメチルジシロキサン1.33g及びオクタメチル
−シクロテトラシロキサン48.67gからなる混合物
を、溶液に窒素ガスを2時間通気することによって、シ
ュレンクフラスコ中で脱ガスした。次いで、溶液にヘキ
サン中のホスファゼン塩基Iの1.0Mの溶液を1ml
添加した。溶液の粘度は即座に、撹拌するにつれて上昇
し始めた。室温で24時間の平衡の後、混合物は、続く
ジメチルシクロシロキサン重合のために、触媒溶液とし
て使用できる状態になった。
【0034】実施例2 ヘプタン中のホスファゼン塩基溶液の調製 ヘプタン(n−ヘキサンよりも揮発性が低い)中の触媒
溶液を、以下のとおり調製した:窒素下、シュレンク管
で、ヘプタン49cm3 及びn−ヘキサン中のホスファ
ゼン塩基1mol/lを1ml混合した。最終の触媒の
濃度は0.02mol/lであった。
【0035】実施例3 サーモスタットの付いた、機械式の撹拌機が取り付けら
れている、ガラスの反応器中で、窒素下、バルクで、ビ
ニル末端ブロック剤の存在下、D4の非平衡重合を行っ
た。水に溶解した触媒の重量を、シリンジ内で測定し、
反応混合物に注入した。ホスファゼン塩基を環状化合物
に添加するとすぐに、ストップウオッチを作動させた。
冷却後、得られるポリマー混合物を毛管ガスクロマトグ
ラフィー(GC)及びサイズ排除クロマトグラフィー
(SEC)で分析した。
【0036】結果を下記表1、2及び3に示す。表1
中、ホスファゼンの濃度は10ppmである。触媒添加
後約13分10秒で、反応混合物を二酸化炭素を用いて
冷却し、二酸化炭素とトルエン中の酢酸を用いて急冷し
た(×100過剰)。製造された混合物の粘度は、1
3,000cSであった。
【0037】表2において、ホスファゼンの濃度は、5
ppmであった。触媒添加後約6分30秒で、反応混合
物を二酸化炭素を用いて冷却し、二酸化炭素とトルエン
中の酢酸を用いて急冷した(×100過剰)。表3にお
いて、ホスファゼンの濃度は、5ppmであった。触媒
添加後約11分で、反応混合物を二酸化炭素を用いて冷
却し、二酸化炭素とトルエン中の酢酸を用いて急冷した
(×20過剰)。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】実施例4 実施例3の手順に従って、末端ブロック剤MDx M(D
C200流体、10cs)を、D4の重合の間使用し
て、環状化合物組成物中のゴムの中のポリマーの分子量
を制御した。それぞれの目標の分子量(期待されたMピ
ーク)のために、ポリマー1mol当たり1molの末
端ブロック剤を使用した。理論的な分子量(計算された
Mピーク)は以下のとおり、D4の部分転化率で計算す
ることができる: 計算されたMピーク=期待されたMピーク×ポリマー% 下記表4の結果は、SECで測定された分子量は理論的
なMピークに従うことを示している。
【0042】
【表4】
【0043】実施例5 実施例4の方法と同様の方法で、様々な大きさのSiO
H官能性ポリマーを導く末端ブロック剤として作用する
水の影響を調査した。ホスファゼン塩基の商業的溶液
(ヘキサン中1mol/l)と予め混合されている、様
々な濃度の水を用いて、反応を行った。下記表5は、理
論的な計算されたMピークと、SECで測定された実験
的なMピークとは、よく一致することを示している。
【0044】
【表5】
【0045】この様に、分子量を制御しながら、シラノ
ール末端のポリマーを含有する環状化合物中のゴム混合
物を合成することが可能である。水はまた、重合中にお
いてよく制御させるために、重合を遅らせるという利点
も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホスファゼン塩基触媒ButP4の構造を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチャード・テイラー イギリス国、シーエフ63・8エイチティ、 バリー、セイント・ポールズ・アベニュー 11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホスファゼン塩基による触媒作用下、揮
    発性のシクロシロキサンの開環重合を行うことからな
    る、揮発性のシクロシロキサン中の高粘度のシロキサン
    からなるディスパージョンの製造方法であって、シクロ
    シロキサンの開環重合が完了する前に、重合反応を停止
    させることを特徴とする前記方法。
  2. 【請求項2】 重合反応を二酸化炭素又は酸を添加する
    ことによって停止させる、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ホスファゼン塩基が、シクロシロキサン
    の重量を基準として1〜500重量ppmの量で存在
    し、かつ水もホスファゼン塩基1mol当たり少なくと
    も0.5molの量で存在する、請求項1又は2に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 ホスファゼン塩基が下記一般式の1つに
    該当する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方
    法: 【化1】 ((R1 2N)3P=N−)x(R1 2N)3-xP=NR2 [((R1 2N)3P=N−)x(R1 2N)3-xP−N
    (H)R2+[A]- または[((R1 2N)3P=N−)y(R1 2N)4-yP]+
    [A]- (式中、R1 は水素又は任意に置換されている炭化水素
    基であり、若しくはその内の同じ窒素原子に結合してい
    る2つのR1 基は、結合してヘテロ環を完成してもよ
    く、なおそれぞれの位置でR1 は同じであっても異なっ
    ていてもよい;R2は水素又は任意に置換されている炭
    化水素基である;xは1、2又は3である;yは1、
    2、3又は4である;Aは陰イオンである。)
  5. 【請求項5】 触媒活性を抑制する試薬又は条件が、初
    期に存在しており、次いで、抑制剤又は条件の影響を減
    らすことによって重合を開始させる、請求項1ないし4
    のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の方法によって製造された、揮発性のシクロシロキサン
    中の高粘度のシロキサンからなるディスパージョンであ
    って、それが分子量100,000〜5,000,000
    の高粘度のシロキサンを5〜40重量%含有する前記デ
    ィスパージョン。
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