JPH10279657A - 新規エポキシ樹脂、その製造方法、及び、エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

新規エポキシ樹脂、その製造方法、及び、エポキシ樹脂組成物

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JPH10279657A
JPH10279657A JP9208797A JP9208797A JPH10279657A JP H10279657 A JPH10279657 A JP H10279657A JP 9208797 A JP9208797 A JP 9208797A JP 9208797 A JP9208797 A JP 9208797A JP H10279657 A JPH10279657 A JP H10279657A
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JP
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epoxy resin
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phenol
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JP9208797A
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Koji Miwa
広治 三輪
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲンを導入することなく、優れた難然効
果を発現し、更に硬化物の耐熱性、耐水性の良好なエポ
キシ樹脂を得る。 【解決手段】 ベンゾグアナミンとフェノールとホルム
アルデヒドとを反応させて得られるフェノール樹脂に、
エピクロルヒドリンを反応させて得られる新規エポキシ
樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体封止材料
や、プリント配線板、塗料、成形材料などの各種用途に
有効である。本発明は各種用途にて要求される特性を満
たし、特に難燃性において優れた特性を有する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、その優れた特性ゆえに
上記の各種産業用途にて幅広く使用される素材である。
【0003】それらの用途で一様に必要とされる性能の
ひとつに難燃性能があるが、一般的なエポキシ樹脂の場
合は充分な難燃性能を有していないため、各種の難燃剤
を併用したり、エポキシ樹脂にハロゲン基を導入するな
どして難燃性を付与するのが現状である。しかし、前者
の場合は、併用する配合物によるエポキシ樹脂諸特性へ
の悪影響や、プロセスが複雑化する欠点があり、後者の
場合は、近年ダイオキシンに代表されるような有機ハロ
ゲン物質の毒性が大きな問題となっており、ハロゲンの
使用量を低減するか、ハロゲンに代替できる他の難燃処
方が強く求められている。
【0004】そこで従来よりハロゲンの使用量を低減す
る方法として、例えば、特開昭63−3016号公報に
は、リン酸誘導体をエポキシ樹脂中のエポキシ基に反応
させたリン変性エポキシ樹脂を添加系の難然剤として用
いる技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭63−
3016号公報記載のリン変性エポキシ樹脂を、添加系
の難然剤として使用した場合、難然効果を維持したまま
ハロゲン含有量を低減できるものの、硬化物の耐熱性や
耐水性の低下を招く他、該エポキシ樹脂の製造工程にお
いてゲル化し易く製造が困難なものであった。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、主剤と
して使用するエポキシ樹脂自体にハロゲンを導入するこ
となく高い難燃性を持たせるとともに、耐熱性や耐水性
等のエポキシ樹脂硬化物に要求される諸特性を著しく向
上させ、更に、その製造工程においてゲル化を伴うこと
なく容易に製造し得る新規エポキシ樹脂、その製造方
法、及び、該エポキシ樹脂と硬化剤とを含有するエポキ
シ樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定構造の複素環構造
を分子構造内に導入することにより、その難燃効果が最
大限に発揮させ、また、硬化物の耐熱性にも優れ、更
に、容易に製造し得ることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0008】すなわち本発明は、下記一般式(1)で表
される構造を分子構造中に有する新規エポキシ樹脂。
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R1、R2は、水素原子、アルキ
ル基、フェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシルアル
キル基、エーテル基、エステル基、酸基、不飽和基、シ
アノ基、ハロゲン原子、或は、−NH−で示される結節
基のいずれかを表わす。)、 フェノール類と、下記一般式(2)で示される化合物
と、アルデヒド類とを縮合物反応して、フェノール樹脂
を得、次いで、これとエピハロヒドリンとを反応させる
ことを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R1、R2は、水素原子、アミノ
基、アルキル基、フェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロ
キシルアルキル基、エーテル基、エステル基、酸基、不
飽和基、シアノ基又はハロゲン原子のいずれかを表わ
す)、及び、下記一般式(1)で表される構造を分子構
造中に有する新規エポキシ樹脂(A)
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R1、R2は、水素原子、アルキ
ル基、フェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシルアル
キル基、エーテル基、エステル基、酸基、不飽和基、シ
アノ基、ハロゲン原子、又は、−NH−で示される結節
基のいずれかを表わす。)と、硬化剤(B)とを必須成
分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物に関す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の新規エポキシ樹脂は、既
述の通り、下記一般式(1)で表される構造を分子構造
中に有するものである。
【0016】
【化7】
【0017】(式中、R1、R2は、水素原子、アルキ
ル基、フェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシルアル
キル基、エーテル基、エステル基、酸基、不飽和基、シ
アノ基、ハロゲン原子、或は、−NH−で示される結節
基のいずれかを表わす。)、このエポキシ樹脂の具体的
構造としては、特に限定されるものではないが、上記一
般式(1)で示される構造を分子構造中に組み込まれた
フェノール樹脂のポリグリシジルエーテルであることが
好ましい。具体的には、上記一般式(1)で示される構
造を分子構造中に組み込まれたフェノール樹脂として、
フェノール類の芳香環に前記一般式(1)で示される構
造が、メチレン基を介して結合しているものが好ましく
挙げられる。更に具体的には、一般式(1)で示される
構造中の−NH−基がそれぞれメチレン基を介してフェ
ノール類同士を結節した構造(構造1)、一般式(1)
で示される構造中の−NH−基がメチレン基を介してフ
ェノール類の分子末端に結合した構造(構造2)、或
は、一般式(1)で示される構造同士がメチレン基を介
して結合した重合体が、メチレン基を介してフェノール
類に結合した構造(構造3)、構造1〜構造3が1分子
中に共存する構造、或は、これらの構造を有する種々の
フェノール樹脂の混合物が挙げられる。
【0018】また、ここで構造式(1)で示される構造
として、R1、R2の置換基は任意に選択し得るもので
あるが、好ましくは、R1が−NH−であって、かつ、
R2がフェニル基のもの、R1が−NH−であって、か
つ、R2が−NH−のもの、R1が−NH−であって、
かつ、R2がメチル基のもの等が本発明の効果が顕著に
なる点から好ましい。
【0019】また、構造式(1)で示される構造中の−
NH−基が、メチレン基を介して結合するフェノール類
としては特に制限されないが、具体的には、フェノー
ル、あるいはクレゾール、キシレノール、エチルフェノ
ール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、オクチル
ェノールなどのアルキルフェノール類、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシ
ン、カテコールなどの多価フェノール類、ヒドロキシナ
フタレン、ジヒドロキシナフタレンなどのナフトール
類、ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミ
ノフェノール、及び、これらフェノール類のノボラック
樹脂が挙げられる。なかでも、耐熱性に優れる点からフ
ェノール類のノボラック樹脂が好ましい。
【0020】この様な新規エポキシ樹脂中に含まれる前
記構造式(1)で示される構造は、特にその含有量は制
限されるものではないが、硬化物の難然効果及び耐熱性
の点から、モル比率で、一般式(1)中のトリアジン環
/エポキシ樹脂中のエポキシ基=0.01〜7となる割
合であることが好ましい。
【0021】また、新規エポキシ樹脂は、150℃での
溶融粘度が0.1〜100ポイズのものであることが、
各種用途における作業性が良好であり、特に半導体封止
材料として、フィラーの高充填が可能となる点から好ま
しい。
【0022】この様な新規エポキシ樹脂を製造する方法
としては、特に制限されるものではないが、フェノール
類と、下記一般式(2)で示される化合物と、アルデヒ
ド類とを縮合物反応して、フェノール樹脂を得、次い
で、これとエピハロヒドリンとを反応させる本発明の製
造方法が、容易に目的物を得ることができ、かつ、生成
物の難然効果並びに耐熱性が優れる点から好ましい。
【0023】
【化8】
【0024】(式中、R1、R2は、水素原子、アミノ
基、アルキル基、フェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロ
キシルアルキル基、エーテル基、エステル基、酸基、不
飽和基、シアノ基又はハロゲン原子のいずれかを表わ
す)
【0025】ここで、フェノール類とは、前記したもの
が何れも使用し得るが、特に好ましく使用されるノボラ
ック樹脂を用いる場合には、ノボラック原料となるフェ
ノール類を、下記一般式(2)で示される化合物と、ア
ルデヒド類とを縮合物反応して、フェノール樹脂とし、
次いで、これとエピハロヒドリンとを反応させればよ
い。また、これらのフェノール類は、その使用にあたっ
て1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併
用も可能である。
【0026】次に、前記一般式(2)で示される化合物
は、具体的には特に構造が限定されるものではないが、
難然効果が著しく良好になる点からメラミン、あるいは
アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどのグアナミン
誘導体が好ましい。これらの化合物も使用にあたって1
種類のみに限定されるものではなく2種以上を併用する
ことも可能である。
【0027】また、本発明の製造方法で用いられるアル
デヒド類は、特に限定されるものではないが、取扱いの
容易さの点からホルムアルデヒドが好ましい。ホルムア
ルデヒドとしては、限定するものではないが、代表的な
供給源としてホルマリン、パラホルムアルデヒド等が挙
げられる。
【0028】次に、具体的な反応方法としては、例え
ば、まず、前記したフェノール類とアルデヒド類と一般
式(2)で示される化合物とを反応させ、トリアジン環
を有する化合物を含むフェノール樹脂を合成する。系の
pHは4〜10好ましくは5〜9の条件下で反応させ
る。この時、触媒を用いても、用いなくても良い。触媒
の種類は特に限定されるものではないが、一般式(2)
で示される化合物の多くが塩基性溶液に容易に溶解する
ことから塩基性触媒を使用することが好ましい。塩基性
触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化バリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土
類金属の水酸化物、およびこれらの酸化物、アンモニ
ア、1〜3級アミン類、ヘキサメチレンテトラミン、炭
酸ナトリウム等が挙げられる。
【0029】また、各原料の反応順序も特に制限はな
く、フェノール類、アルデヒド類をまず反応させてから
一般式(2)で示される化合物を加えても、逆に一般式
(2)で示される化合物とアルデヒド類を反応させてか
らフェノール類を加えても、同時に全ての原料を加えて
反応させても良い。
【0030】この時、フェノール類及び一般式(2)で
示される化合物に対するアルデヒド類のモル比は特に限
定されるものではないが、モル比で、[フェノール類+
一般式(2)で示される化合物]/アルデヒド類=1/
0.2〜1/0.9が好ましく、1/0.4〜1/0.
8が、溶融粘度を適正範囲に調整できる点から好まし
い。また、またフェノール類に対する一般式(2)で示
される化合物の重量比は特に制限するものではないが、
モル比で一般式(2)で示される化合物/フェノール類
=10/90〜98/2、好ましくは30/70〜95
/5となる範囲であることが難然効果、耐熱性、耐水性
等の硬化物性能が著しく良好となる点から好ましい。
【0031】また反応制御の面から各種溶媒の存在下で
反応を行うこともできる。この際溶媒としては、特に限
定されないが、例えばアセトン、MEK、トルエン、キ
シレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、メタノール、エタノール等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独または適宜に2種以上の混合溶剤
として使用することができる。
【0032】反応終了後、必要に応じて未反応のアルデ
ヒド類、フェノール類、溶媒等を常圧蒸留、真空蒸留等
の常法にしたがって除去する。この時、ノボラック樹脂
を得るときの常法にしたがい、加熱とともに蒸留するこ
とが好ましい。
【0033】この様にして得られたトリアジン環を有す
るフェノール樹脂に、エピクロルヒドリンを反応させエ
ポキシ化する。反応モル比は特に限定しないが、フェノ
ール性水酸基に対しエピクロルヒドリンを1〜10倍当
量、アルカリ金属水酸化物を1〜1.5倍当量使用する
のが好ましい。
【0034】この様にして得られた新規エポキシ樹脂
は、単独熱硬化によって硬化物を得ることができるた
め、単独で各種用途に使用し得るが、硬化剤との併用に
より、本発明のエポキシ樹脂組成物とすることができ
る。
【0035】本発明のエポキシ樹脂組成物で用いられる
硬化剤は特に限定しないが、通常エポキシ樹脂の硬化剤
として常用されている化合物はすべて使用することがで
きる。例えばフェノールノボラック樹脂、オルソクレゾ
ールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹
脂、ビスフェノールFノボラック樹脂、フェノール類−
ジシクロペンタジエン重付加型樹脂、ジヒドロキシナフ
タレンノボラック樹脂、キシリデン基を結接基とした多
価フェノール類、フェノール−アラルキル樹脂、ナフト
ール類樹脂ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミンなどの脂肪族アミン類、メタフェニレンジアミン、
ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホ
ンなどの芳香族アミン類、ポリアミド樹脂およびこれら
の変性物、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ヘキサ
ヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸などの酸無水物系
硬化剤、ジシアンジアミド、イミダゾール、BF3 −
アミン錯体、グアニジン誘導体等の潜在性硬化剤等が挙
げられる。
【0036】また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、そ
の他のエポキシ樹脂と併用してもよい。その他のエポキ
シ樹脂としては、たとえばビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ
樹脂、芳香族エステル型エポキシ樹脂、環状脂肪族エス
テル型エポキシ樹脂、脂肪族エステル型エポキシ樹脂、
エーテルエステル型エポキシ樹脂、およびエポキシ化大
豆油の如き非グリシジル系エポキシ樹脂およびこれらの
臭素あるいは塩素等のハロゲン置換体等が挙げられる。
【0037】この際のエポキシ樹脂組成物に用いる溶剤
としては、特に限定されず、必要に応じて、上記した各
種溶剤を用いることができる。
【0038】さらに必要に応じて種々の添加剤、充填剤
等を適宜配合することができる。充填剤、添加剤として
は、一般的に知られているものを使用できるが、例えば
シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、カ
シュー油重合物、二硫化モリブデン、水酸化アルミニウ
ム、タルク、クレー、黒鉛、グラファイト、ゴム粒、ア
ルミニューム粉、銅粉、真ちゅう粉等が挙げられる。こ
れらの充填剤等は単独でも、2種類以上混合して使用し
てもよい。またその使用量も用途、要求性能によって調
整されるべきものである。
【0039】また必要に応じ、本発明の効果を損なわな
い範囲で各種の難燃剤を添加することもできる。難燃剤
は特に限定しないが、例えばリン系難燃剤やハロゲン系
難燃剤、無機系難燃剤が挙げられる。
【0040】またエポキシ樹脂と硬化剤からなる、硬化
性組成物に対し、必要に応じて硬化促進剤を併用するこ
とができる。硬化促進剤としては、一般にエポキシ化合
物の硬化に用いられている種々のものの使用が可能であ
る。例えばイミダゾールおよびその誘導体、ホスフィン
化合物、アミン類、BF3アミン化合物などが例示され
る。
【0041】本発明のエポキシ樹脂組成物は、更に、繊
維基材を用いて複合材を製造することもできる。この際
繊維基材としては、例えばガラス繊維、セラミック繊
維、石綿繊維、炭素繊維、ステンレス繊維のような無機
繊維、綿、麻のような天然繊維、ポリエステル、ポリア
ミドのような合成有機繊維等が挙げられる。これらの繊
維を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使
用してもよい。これらの中でも、性能、価格等を考慮す
ると、ガラス繊維を主にしたものが好ましい。繊維基材
の形状に関しても、何ら限定するものではなく、短繊
維、長繊維、ヤーン、マット、シート等、どのようなも
のでもよい。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれらに制限されるものではない。
【0043】実施例1 フェノール94部、メラミン9.4部に41.5%ホル
マリン51部、およびトリエチルアミン0.47部を加
え、発熱に注意しながら徐々に100℃まで昇温した。
100℃にて3時間反応させた後、常圧下にて水を除去
しながら180℃まで2時間かけて昇温し、次に減圧下
にて未反応のフェノールを除去し、軟化点107℃のフ
ェノール樹脂組成物を得た。
【0044】このフェノール樹脂組成物17部にエピク
ロルヒドリン50部を加え45℃に加熱し溶解させた。
さらに20%水酸化ナトリウム溶液33部を3時間かけ
て滴下した。滴下終了後30分保持した。その後、静置
分液し下層(水層)を除去した。
【0045】次に過剰のエピクロルヒドリンを蒸留回収
し、メチルイソブチルケトン20部を加え溶解した。2
0%水酸化ナトリウム水溶液0.5部を加え70℃で3
時間保持した後、静置分液し水層を除去した。揮発分を
蒸留除去して軟化点95℃,エポキシ当量200,加水
分解性塩素1500ppm、トリアシ゛ン環/エホ゜キシ基モル比0.
12,150℃溶融粘度40ポイズのエポキシ樹脂を得た。
【0046】実施例2 フェノール94部、ベンゾグアナミン70部、41.5
%ホルマリン47部、トリエチルアミン0.35部を加
え80℃にて4時間反応させた。次に常圧下にて水を除
去しながら180℃まで2時間かけて昇温し、次いで減
圧下にて未反応のフェノールを除去し、軟化点132℃
のフェノール樹脂組成物を得た。
【0047】このフェノール樹脂組成物17部にエピク
ロルヒドリン50部を加え45℃に加熱し溶解させた。
さらに20%水酸化ナトリウム溶液33部を3時間かけ
て滴下した。滴下終了後30分保持した。その後静置分
液し下層(水層)を除去した。
【0048】次に過剰のエピクロルヒドリンを蒸留回収
し、メチルイソブチルケトン20部を加え溶解した。2
0%水酸化ナトリウム水溶液0.5部を加え70℃で3
時間保持した後、静置分液し水層を除去した。揮発分を
蒸留除去して軟化点100℃,エポキシ当量210,加
水分解性塩素1500ppm、トリアシ゛ン環/エホ゜キシ基モル比
0.4,150℃溶融粘度20ポイズのエポキシ樹脂を得た。
【0049】比較例1 フェノール60部にシュウ酸0.1部加え100℃に加
熱する。41.5%ホルマリン40部を2時間で滴下し
た。次に常圧下にて水を除去しながら180℃まで2時
間かけて昇温し、次いで減圧下にて未反応のフェノール
を除去し、軟化点100℃のフェノール樹脂組成物を得
た。
【0050】このフェノール樹脂組成物17部にエピク
ロルヒドリン50部を加え45℃に加熱し溶解させた。
さらに20%水酸化ナトリウム溶液33部を3時間かけ
て滴下した。滴下終了後30分保持した。その後静置分
液し下層(水層)を除去した。
【0051】次に過剰のエピクロルヒドリンを蒸留回収
し、メチルイソブチルケトン20部を加え溶解した。2
0%水酸化ナトリウム水溶液0.5部を加え70℃で3
時間保持した後、静置分液し水層を除去した。揮発分を
蒸留除去して軟化点95℃,エポキシ当量180,加水
分解性塩素2000ppmのエポキシ樹脂を得た。
【0052】比較例2 オルソクレゾール50部にシュウ酸1部加え100℃に
加熱する。41.5%ホルマリン50部を2時間で滴下
した。次に常圧下にて水を除去しながら180℃まで2
時間かけて昇温し、次いで減圧下にて未反応のフェノー
ルを除去し、軟化点100℃のフェノール樹脂組成物を
得た。
【0053】このフェノール樹脂組成物17部にエピク
ロルヒドリン50部を加え45℃に加熱し溶解させた。
さらに20%水酸化ナトリウム溶液33部を3時間かけ
て滴下した。滴下終了後30分保持した。その後静置分
液し下層(水層)を除去した。
【0054】次に過剰のエピクロルヒドリンを蒸留回収
し、メチルイソブチルケトン20部を加え溶解した。2
0%水酸化ナトリウム水溶液0.5部を加え70℃で3
時間保持した後、静置分液し水層を除去した。揮発分を
蒸留除去して軟化点95℃のエポキシ当量210,加水
分解性塩素1000ppmのエポキシ樹脂を得た。
【0055】比較例3 比較例2で得たエポキシ樹脂90部とメラミン10部を
溶融混合し、エポキシ当量211のエポキシ樹脂を得
た。
【0056】比較例4 比較例3で得たエポキシ樹脂90部とメラミン10部を
溶融混合し、エポキシ当量233のエポキシ樹脂を得
た。
【0057】比較例5 エポキシ当量360で臭素含有量48%のテトラブロモ
ビスフェノールA型エポキシ樹脂90部とモノフェニル
ホスファイト10部、MIBK50部を混合溶解し80
℃で反応させた。約1時間後にゲル化し合成不能とな
る。
【0058】比較例6 エポキシ当量360で臭素含有量48%のテトラブロモ
ビスフェノールA型エポキシ樹脂90部とジフェニルホ
スファイト10部、MIBK50部を混合溶解し80℃
で反応させた。1時間反応後に揮発分を蒸留除去して、
エポキシ当量1500のエポキシ樹脂を得た。このリン
変性エポキシ樹脂と比較例1のエポキシ樹脂を、比較例
1のエポキシ樹脂/リン変性エポキシ樹脂=70/30
の重量割合で溶融混合し、エポキシ当量250のエポキ
シ樹脂を得た。
【0059】実施例1、2および比較例1〜4、6のエ
ポキシ樹脂のそれぞれに対し、フェノライトTD−21
31(フェノールノボラック樹脂 水酸基当量104
[大日本インキ化学工業(株)製])を、エポキシ基と水
酸基が当量になるよう溶融混合した。この混合物100
部に硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン1部を加
え微粉砕した。これを170℃で3mm厚にプレス成形
した。さらに成形物は180℃で2時間保持し完全に硬
化させた。この成形物を幅12.7mm,長さ130m
mの試験片とした。試験片を垂直に立て、10秒間炎に
さらした後、自己消火するまでの時間を消炎時間として
測定した。また、2分以上燃焼が継続するか、下端から
5cm以上の高さまで燃焼した場合には「燃焼」とし
た。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】*1:硬化物中のトリアシ゛ン環重量%計算値,*
2:DMA,*3:煮沸5時間
【0062】実施例1,2は比較例1,2に対し明らか
に難燃効果があり、その他の物性値はほぼ同等の値を維
持している。また、比較例3,4ではトリアシ゛ン化合物が硬
化物中で相溶していないため、外観が濁っており、難燃
効果も得られないばかりでなく耐熱性や耐水性も比較例
1,2に対し悪化している。比較例5はリン変性エポキ
シの合成反応が不安定であることを示している。比較例
6のゲル化しないようにリン変性エポキシを得た場合に
比較しても、実施例1,2の性能は全ての面で優れるこ
とが分かる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、ハロゲンを使用しない
で高い難燃性を付与し、耐熱性、耐水性等のエポキシ樹
脂硬化物に要求される諸特性を損なうことなく、かつ、
ゲル化を伴うことなく容易に製造し得る新規エポキシ樹
脂、その製造方法、及び、該エポキシ樹脂と硬化剤とを
含有するエポキシ樹脂組成物を提供できる。
【0064】さらに本発明のエポキシ樹脂及びエポキシ
樹脂組成物は、プリント配線板、半導体封止、塗料、成
形など幅広い用途において有用である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される構造を分子
    構造中に有する新規エポキシ樹脂。 【化1】 (式中、R1、R2は、水素原子、アルキル基、フェニ
    ル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシルアルキル基、エー
    テル基、エステル基、酸基、不飽和基、シアノ基、ハロ
    ゲン原子、或は、−NH−で示される結節基のいずれか
    を表わす。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)で示される構造を分子構造
    中に有するフェノール樹脂のポリグリシジルエーテルで
    ある請求項1記載の新規エポキシ 樹脂。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で示される構造を、モル比
    率で、一般式(1)中のトリアジン環/エポキシ樹脂中
    のエポキシ基=0.01〜7となる割合で含有する請求
    項2記載の新規エポキシ樹脂。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で示される構造を分子構造
    中に有しており、かつ、150℃での溶融粘度が0.1
    〜50ポイズのものである請求項1、2又は3記載の新
    規エポキシ樹脂。
  5. 【請求項5】 フェノール類と、下記一般式(2)で示
    される化合物と、アルデヒド類とを縮合物反応して、フ
    ェノール樹脂を得、次いで、これとエピハロヒドリンと
    を反応させることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方
    法。 【化2】 (式中、R1、R2は、水素原子、アミノ基、アルキル
    基、フェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシルアルキ
    ル基、エーテル基、エステル基、酸基、不飽和基、シア
    ノ基又はハロゲン原子のいずれかを表わす)
  6. 【請求項6】 フェノール類と、一般式(2)で示され
    る化合物と、アルデヒド類との反応比率が、モル比で、
    [フェノール類+一般式(2)で示される化合物]/ア
    ルデヒド類=1/0.2〜1/0.9で、かつ、一般式
    (2)で示される化合物/フェノール類=10/90〜
    98/2である請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 フェノール類と、下記一般式(2)で示
    される化合物と、アルデヒド類との縮合物反応を塩基性
    触媒の存在下に行い、フェノール樹脂を得る請求項5又
    は6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 下記一般式(1)で表される構造を分子
    構造中に有する新規エポキシ樹脂(A) 【化3】 (式中、R1、R2は、水素原子、アルキル基、フェニ
    ル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシルアルキル基、エー
    テル基、エステル基、酸基、不飽和基、シアノ基、ハロ
    ゲン原子、又は、−NH−で示される結節基のいずれか
    を表わす。)と、硬化剤(B)とを必須成分とすること
    を特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 エポキシ樹脂(A)が、一般式(1)で
    示される構造を分子構造中に有するフェノール樹脂のポ
    リグリシジルエーテルである請求項8記載の組成物。
  10. 【請求項10】 エポキシ樹脂(A)が、一般式(1)
    で示される構造を、モル比率で、一般式(1)中のトリ
    アジン環/エポキシ樹脂中のエポキシ基=0.01〜7
    となる割合で含有するものである請求項9記載の組成
    物。
  11. 【請求項11】 エポキシ樹脂(A)が、一般式(1)
    で示される構造を分子構造中に有しており、かつ、15
    0℃での溶融粘度が0.1〜100ポイズのものである
    請求項8、9又は10記載の組成物。
  12. 【請求項12】 エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)に
    加え、更に硬化促進剤(C)を含有する請求項8〜11
    の何れか1つに記載の組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101395018B1 (ko) * 2010-05-13 2014-05-16 주식회사 엘지화학 잉크젯용 잉크 조성물, 이를 이용한 컬러필터 및 이를 포함하는 표시장치
CN115572460A (zh) * 2022-09-09 2023-01-06 山东海科创新研究院有限公司 低色度、磷卤复合环氧树脂组合物及所得覆铜板基板

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