JPH10279558A - N−アルキルカルバゾールの製造方法 - Google Patents

N−アルキルカルバゾールの製造方法

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JPH10279558A
JPH10279558A JP10030198A JP3019898A JPH10279558A JP H10279558 A JPH10279558 A JP H10279558A JP 10030198 A JP10030198 A JP 10030198A JP 3019898 A JP3019898 A JP 3019898A JP H10279558 A JPH10279558 A JP H10279558A
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クラウス・デルピー
Gert Dr Nagl
ゲルト・ナグル
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レオンハルト・ウンフエアドルベン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下記一般式(I) 【化1】 (R1は、(C1-C6)-アルキルであり、Y は、水素、(C1-
C6)-アルキル、(C1-C6)-アルコキシ、ニトロまたはハロ
ゲンである)で表されるN-アルキルカルバゾールを製造
する方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(II) 【化2】 で表されるカルバゾールと式(III) R1-X (III) (X は
ハロゲン原子である)で表されるアルキルハライドとを
不活性溶媒中で無機塩基および式(IV)R2R3N-(CH2) n -N
R4R5 (IV)(n は、2〜8の整数であり、R2、R3および
R4は、水素または(C1-C4)-アルキルであり、そしてR
5は、水素、(C1-C4)-アルキル、アミノ-(C1-C 4)- アル
キルまたはN,N-ジ(C1-C4)-アルキルアミノ-(C1-C4)- ア
ルキルである)で表される触媒の存在下に反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒の存在下にカ
ルバゾールをアルキルハライドと反応させることによっ
てN-アルキルカルバゾールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】N-アルキルカルバゾール、特にN-エチル
カルバゾールは、価値ある染料および顔料を製造するた
めの重要な中間体である(例えばUllmann's Enzyklopae
die der Technischen Chemie, 3rd edition, volume 5,
page 80および4th edition, volume 9, page 120; W.
Herbst and K. Hunger, "Industrielle Pigmente", VCH
Weinheim, pp. 521-527, 1987参照)。
【0003】カルバゾールへのN-アルキル基の導入は、
例えばアルキルハライド、ジアルキルスルフェートおよ
びアルキルアレーンスルホネートを使用したカルバゾー
ルまたはカルバゾライド(carbazolide) のアルキル化に
より行われる(例えばHouben-Weyl, Methoden der Orga
nischen Chemie, Volume E 6a (1994), pp.975-976参
照)。
【0004】使用することのできるその他のアルキル化
剤は、ジエチルN-(o-トリル)ホスホラミデート(phosp
horamidate) (J. Heterocycl. Chem. 18, 315(198
1))、ジアルコキシカルベニウムテトラフルオロボレー
ト(Liebigs Ann. Chem. 1987, 509)、ジエチルカーボ
ネート(ドイツ特許出願公開第A 4324707 号明細書)お
よびシュウ酸ジエチル(Tetrahedron 46, 6113(1990))
である。
【0005】ジアルキルスルフェートまたはアルキルア
レーンスルホネートの使用は、これらの化合物の毒性お
よび発ガン性のために、生態学的および職業衛生的な理
由から費用のかかる手段を取る必要があるという欠点を
有している。ジエチルN-(o- トリル) ホスホラミデート
またはジアルコキシカルベニウムテトラフルオロボレー
トを使用する場合には、得られる収率は、N-エチルカル
バゾールの理論的な収率のわずか30%または67%であ
る。副生成物の生成および処理は、著しい経済的および
環境的な欠点につながる。
【0006】塩基触媒の存在下にアルキル化剤としてジ
エチルカーボネートを使用した場合には、N-エチルカル
バゾールの理論的な収率の90%を超える収率を達成する
ためには、170 〜240 ℃の非常に高い温度および24時間
までの長い反応時間が必要とされる。従って、この方法
は、非経済的な高いエネルギー消費および望ましくない
空間/時間収率を伴う。
【0007】N-エチルカルバゾールは、カルバゾールと
水酸化カリウムを反応させ、そして中間体であるカルバ
ゾライドカリウムをエチルクロライドでエチル化するこ
とによって工業的に製造される(例えばBIOS Final Rep
ort 968, p.197参照)。この方法においても、長い反応
時間および高い反応温度が経済的な欠点となる。これら
の欠点を改善するために、カルバゾールまたはアルカリ
金属カルバゾライドのアルキル化反応に一連の触媒が使
用されてきた。しかしながら、ベンゼンおよび50%濃度
の水酸化ナトリウム水溶液の二相混合物中での相間移動
触媒としてのベンジルトリエチルアンモニウムクロライ
ドの存在下におけるエチルブロマイドを用いたカルバゾ
ールのエチル化ではN-エチルカルバゾールの理論的な収
率のわずか86.2%しか得られない(Bull. Chem. Soc. J
pn. 54, 1897(1981))。
【0008】ベンゼン/水酸化カリウム二相混合物中で
のカルバゾールとエチルブロマイドとの反応に相間移動
触媒としてポリエチレングリコールジアルキルエーテル
を使用した場合には、理論値の92%の収率でN-エチルカ
ルバゾールを得るためにこれらの触媒は当モル量で使用
しなければならない。(Bull. Chem. Soc. Jpn. 56,280
(1983) )。
【0009】これらの場合には、アルキル化剤として特
に反応性エチルブロマイドまたは当モル量の相間移動触
媒を使用する必要があり、これによりこれらの方法も経
済的および生態学的に不利となる。ヨーロッパ特許出願
公開第A 557993号明細書には、例えば1,2-ジクロロベン
ゼンおよび48%濃度の水酸化ナトリウム水溶液からなる
二相系において触媒としてトリアルキルアミンを使用し
てカルバゾールをエチルクロライドと反応させることか
らなるN-アルキルカルバゾールの製造方法が開示されて
いる。9時間の反応時間および100 ℃の反応温度で、N-
エチルカルバゾールの理論的な収率の90%をはるかに超
える収率が得られる。しかしながら、この方法の工業的
な欠点は、水性硫酸を用いた追加的な洗浄工程によっ
て、アルキル化において最初に得られる有機生成物相か
ら使用した触媒を取り除かなければならない点にある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】驚くべきことに、特定
の触媒を使用することによって上記の欠点、特にヨーロ
ッパ特許出願公開第A 557993号明細書に記載された方法
の欠点を克服できることが見出された。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)
【0012】
【化3】 (式中、R1は、(C1-C6)-アルキルであり、そしてY は、
水素、(C1-C6)-アルキル、(C1-C6)-アルコキシ、ニトロ
またはハロゲンである)で表されるN-アルキルカルバゾ
ールを製造する方法において、下記一般式(II)
【0013】
【化4】 で表されるカルバゾールと下記一般式(III) R1-X (III) (式中、X はハロゲン原子である)で表されるアルキル
ハライドとを、不活性溶媒中で無機塩基および下記一般
式(IV) R2R3N-(CH2) n -NR4R5 (IV) (式中、n は、2〜8の整数であり、R2、R3およびR
4は、互いに無関係に、水素または(C1-C4)-アルキルで
あり、そしてR5は、水素、(C1-C4)-アルキル、アミノ-
(C1-C4)- アルキルまたはN,N-ジ(C1-C4)-アルキルアミ
ノ-(C1-C4)- アルキルである)で表される触媒の存在下
に反応させることからなる上記方法を提供する。
【0014】アルキル基は、直鎖状であるか、または分
岐鎖状であることができる。R1としての(C1-C3)-アルキ
ルは、例えばメチル、エチル、プロピル、n-ブチル、i-
ブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチルまたはヘキ
シルである。Y としてのアルコキシ中のアルキル基およ
びR2、R3、R4またはR5としての(C1-C4)-アルキル、アミ
ノ-(C1-C4)- アルキルまたはN,N-ジ(C1-C4)-アルキルア
ミノ-(C1-C4)- アルキルも同様である。
【0015】Y またはX としてのハロゲン原子は、例え
ばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素であることができ
る。式(I) の化合物のうち、R1が(C1-C4)-アルキル、特
に好ましくはメチルまたはエチルでありそしてY が水素
である化合物が好ましい。式(III) のアルキルハライド
は、好ましくはアルキルヨージド、ブロマイドまたはク
ロライドである。特に好ましいのは、アルキルクロライ
ドである。例えば、メチルクロライド、メチルブロマイ
ド、メチルヨージド、エチルクロライド、エチルブロマ
イド、n-プロピルクロライド、n-プロピルブロマイド、
イソブチルクロライド、イソブチルブロマイド、n-ペン
チルクロライドまたはn-ヘキシルクロライドを使用する
ことができる。特に好ましいのはエチルクロライドであ
る。式(III) のアルキルハライドは、式(I) のカルバゾ
ール1モルに対して、好ましくは1.0 〜1.8 モル、特に
好ましくは1.1 〜1.5 モルの量で使用される。
【0016】本発明の方法では、使用される無機塩基
は、特にアルカリ金属アルコキシドおよびヒドロキシ
ド、オキシド、カーボネートおよびアルカリ金属および
アルカリ土類金属の第三ホスフェートまたはそれらの混
合物であることができる。例としては、ナトリウムメト
キシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三ブトキシ
ド、リチウムヒドロキシド、ナトリウムヒドロキシド、
カリウムヒドロキシド、ナトリウムカーボネート、カリ
ウムカーボネート、三ナトリウムホスフェート、カルシ
ウムオキシド、カルシウムヒドロキシドおよびバリウム
ヒドロキシドが挙げられる。
【0017】好ましい無機塩基は、リチウムヒドロキシ
ド、ナトリウムヒドロキシドおよびカリウムヒドロキシ
ド、特に好ましくはナトリウムヒドロキシドおよびカリ
ウムヒドロキシドである。アルカリ金属ヒドロキシド
は、特に好ましくは濃縮された特に40〜60%濃度水溶液
の形態で使用される。無機塩基は、式Iのカルバゾール
1モルに対して0.9 〜3.0 当量、特に好ましくは1.1 〜
2.0 当量の量で使用される。
【0018】本発明による方法に使用することのできる
不活性溶媒は、有機化学に通常使用され、当業者に公知
の不活性溶媒である。例としては、特にトルエン、o-キ
シレン、m-キシレン、p-キシレン、メシチレン、2-クロ
ロトルエン、3-クロロトルエン、4-クロロトルエン、モ
ノクロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン、1,3-ジクロ
ロベンゼン、1,4-ジクロロベンゼン、N-エチルカルバゾ
ールおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0019】好ましい溶媒は、トルエン、キシレン、モ
ノクロロベンゼンおよび1,2-ジクロロベンゼンであり、
特に1,2-ジクロロベンゼンである。この不活性溶媒は、
式IIのカルバゾールの単位重量部当たり好ましくは0.5
〜10重量部、特に好ましくは1〜5重量部の量で使用さ
れる。式IVの触媒において、n は好ましくは2〜6、特
に好ましくは3であり、R2、R3、R4およびR5は好ましく
は水素、メチルまたはエチル、特にメチルである。
【0020】例えばエチレンジアミン、2-エチルアミノ
エチルアミン、2-ジエチルアミノエチルアミン、3-ジメ
チルアミノプロピルアミン、3-ジエチルアミノプロピル
アミン、N,N,N',N'-テトラメチルプロパン-1,3- ジアミ
ン、N,N-ジエチル-N',N'- ジメチルプロパン-1,3- ジア
ミン、N,N,N',N'-テトラメチルブタン-1,4- ジアミン、
1-ジエチルアミノ-4- アミノペンタン、N,N,N',N'-テト
ラメチルヘキサン-1,6- ジアミン、N,N-ジメチルジプロ
ピレントリアミン、ビス(3-ジメチルアミノプロピル)
アミン、N,N,N',N'',N''- ペンタメチルジエチレントリ
アミンおよびN,N,N',N'',N''- ペンタメチルジプロピレ
ントリアミンを使用することが可能である。N,N,N',N'-
テトラメチルプロパン-1,3- ジアミンおよびN,N-ジエチ
ル-N',N'- ジメチルプロパン-1,3- ジアミンが好まし
く、N,N,N',N'-テトラメチルプロパン-1,3- ジアミンが
特に好ましい。
【0021】式IVの触媒は、使用されるカルバゾール1
モル当たり好ましくは0.001 〜0.05モル、特に好ましく
は0.005 〜0.02モルの量で使用される。最も最近の従来
技術と比較すると、同等の変換を達成するために著しく
少ない量しか必要ない。これによって生態学的および経
済的利点が得られる。さらに驚くべきことに、相分離の
後に触媒が水性相に存在し、多くとも痕跡量しか有機生
成物相には存在しないので、式IVの触媒を使用すること
によって、水性硫酸を用いた生成物相の後処理を省略す
ることができる。この簡略化された後処理によって、従
来技術と比較して本発明の方法により経済的な利点が得
られる。
【0022】本発明による方法は、好ましくは70〜160
℃、特に好ましくは80〜130 ℃の温度で行われる。本発
明による方法は、例えばオートクレーブに式IIのカルバ
ゾール、不活性溶媒、水性アルカリ金属水酸化物および
式IVの触媒を導入し、そして100 ℃の反応温度および高
くとも5バールの圧力で撹拌しながらエチルクロライド
を計量添加することによって行うことができる。次い
で、生成するN-エチルカルバゾールを基準とするカルバ
ゾール含有量が所望の限界を下回るまで、例えば1%未
満または0.1 %未満になるまで、反応混合物をさらに2
〜10時間100 ℃で撹拌する。
【0023】反応が終了した後に、沈殿する無機塩を水
で溶解する。相分離の後で得られる有機相は、N-エチル
カルバゾールの理論的な収率の95%を超える高収率およ
び高純度のために、さらに精製操作をすることなく直接
引き続いての反応、例えばニトロ化に使用することがで
きる。
【0024】
【実施例】以下の実施例は、本発明を説明するものであ
り、限定するものではない。記載されている含有量は、
重量%である。 実施例1 3リットル容量の加熱可能なハステロイ製オートクレー
ブに、502gのカルバゾール(3.0 モル)、680gのo-ジク
ロロベンゼン、480gの50%濃度水酸化ナトリウム溶液
(6.0 モル)および4.4gのN,N,N',N'-テトラメチルプロ
パン-1,3- ジアミン(0.034 モル)を導入する。このオ
ートクレーブを、窒素で不活性にして閉じ、100 ℃の内
部温度まで加熱する。閉じることのできるキャピラリー
を介して反応用オートクレーブと接続されている貯蔵用
オートクレーブ内で、273gのエチルクロライド(4.2 モ
ル)を75〜80℃の内部温度に加熱し、それによって圧力
を高くとも5バールとする(記載される全ての圧力はゲ
ージ圧である)。圧力差を用いて、反応用オートクレー
ブの内部圧力が4バールを超えないような速度で、この
エチルクロライドを反応用オートクレーブに100 ℃の内
部温度でニードルバルブを介して計量添加する。全体の
添加時間は2時間である。添加後、撹拌を100℃でさら
に4時間続け、次いでこの混合物を撹拌しながら約40℃
に冷却し、そして反応混合物をオートクレーブからアス
ピレーターに移す。400gのo-ジクロロベンゼン、次いで
1000g の水を使用して、反応混合物の残部をオートクレ
ーブからアスピレーターにすすぎ出す。塩化ナトリウム
が完全に水性相中に溶解するまでアスピレーターの内容
物を激しく撹拌し、そして内容物を分液漏斗に移す。水
性相を取り除いた後に、1670g のo-ジクロロベンゼン中
のN-エチルカルバゾールの溶液が得られる。ガスクロマ
トグラフィーによる分析の結果、この溶液は、34.8%の
N-エチルカルバゾール、0.1 %未満のカルバゾール、お
よび0.01%未満のN,N,N',N'-テトラメチルプロパン-1,3
- ジアミンを含有する。この結果得られる転化は完全で
あり、収率は理論値の99.3%である。 比較例1 実施例1に記載された装置に502gのカルバゾール(3.0
モル)、680gのo-ジクロロベンゼン、480gの50%濃度水
酸化ナトリウム溶液(6.0 モル)および3.4gのトリエチ
ルアミン(0.034 モル)を導入する。実施例1と同様の
手段を用いて、273gのエチルクロライド(4.2 モル)を
計量添加する。全体の添加時間は6時間である。添加
後、混合物を100 ℃でさらに4時間撹拌し、次いで撹拌
しながら約40℃に冷却し、そして反応混合物をオートク
レーブからアスピレーターに移す。400gのo-ジクロロベ
ンゼン、次いで1000g の水を使用して、反応混合物の残
部をオートクレーブからアスピレーターにすすぎ出す。
塩化ナトリウムが完全に水性相中に溶解するまでアスピ
レーターの内容物を激しく撹拌し、そして混合物を濾過
する。フィルターケーキを100gのo-ジクロロベンゼンで
洗浄し、吸引乾燥する。濾液を分液漏斗に移す。水性相
を取り除いた後に、1736g のo-ジクロロベンゼン中のN-
エチルカルバゾールの溶液が得られる。ガスクロマトグ
ラフィーによる分析の結果、この溶液は、31.1%のN-エ
チルカルバゾール、0.6 %のカルバゾール、および0.08
%のトリエチルアミンを含有する。乾燥した後のフィル
ターケーキの重量は28g であり、薄層クロマトグラフィ
ーの結果純粋なカルバゾールである。従ってカルバゾー
ルの転化は92.3%でしかない。 実施例2 502gのカルバゾール(3.0 モル)、680gのo-ジクロロベ
ンゼン、480gの50%濃度水酸化ナトリウム溶液(6.0 モ
ル)および20.6g のN,N,N',N'-テトラメチルヘキサン-
1,6- ジアミン(0.12モル)を実施例1に記載した装置
に導入し、273gのエチルクロライド(4.2 モル)を2時
間かけて計量添加する。この混合物をさらに100 ℃で3
時間撹拌し、次いで撹拌しながら約40℃に冷却し、そし
て反応混合物をオートクレーブからアスピレーターに移
す。400gのo-ジクロロベンゼン、次いで1000g の水を使
用して、反応混合物の残部をオートクレーブからアスピ
レーターにすすぎ出す。塩化ナトリウムが完全に水性相
中に溶解するまでアスピレーターの内容物を激しく撹拌
し、そして混合物を分液漏斗に移す。水性相を取り除い
た後に、1680g のo-ジクロロベンゼン中のN-エチルカル
バゾールの溶液が得られる。ガスクロマトグラフィーに
よる分析の結果、この溶液は、34.7%のN-エチルカルバ
ゾールおよび0.1 %未満のカルバゾールを含有する。従
って転化は完全であり、収率は理論値の99.6%である。 実施例3 N-エチルカルバゾールを実施例2と同様に製造するが、
13.9g (0.12モル)のN,N,N',N'-テトラメチルエタン-
1,2- ジアミンを、20.6g (0.12モル)のN,N,N',N'-テ
トラメチルヘキサン-1,6- ジアミンの代わりに使用す
る。これにより、1675g のo-ジクロロベンゼン中のN-エ
チルカルバゾールの溶液が得られる。ガスクロマトグラ
フィーによる分析の結果、この溶液は、34.5%のN-エチ
ルカルバゾールおよび0.1 %未満のカルバゾールを含有
する。従って転化は完全であり、収率は理論値の98.8%
である。
【0025】以下の表は、式Iのその他のN-アルキルカ
ルバゾールの例を示しており、これは3列に記載された
式III のアルキル化剤および4列に記載された式IVの触
媒を使用して、本発明の方法によって高収率で製造する
ことができる。
【0026】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゲルト・ナグル ドイツ連邦共和国、61338 ニーダードル フエルデン、ウルメンヴエーク、6 (72)発明者 レオンハルト・ウンフエアドルベン ドイツ連邦共和国、61130 ニツダーアウ、 ヨハン− ペーター− バツハ− ストラ ーセ、3

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1は、(C1-C6)-アルキルであり、そしてY は、
    水素、(C1-C6)-アルキル、(C1-C6)-アルコキシ、ニトロ
    またはハロゲンである)で表されるN-アルキルカルバゾ
    ールを製造する方法において、下記一般式(II) 【化2】 で表されるカルバゾールと下記一般式(III) R1-X (III) (式中、X はハロゲン原子である)で表されるアルキル
    ハライドとを、不活性溶媒中で無機塩基および下記一般
    式(IV) R2R3N-(CH2) n -NR4R5 (IV) (式中、n は、2〜8の整数であり、R2、R3およびR
    4は、互いに無関係に、水素または(C1-C4)-アルキルで
    あり、そしてR5は、水素、(C1-C4)-アルキル、アミノ-
    (C1-C4)- アルキルまたはN,N-ジ(C1-C4)-アルキルアミ
    ノ-(C1-C4)- アルキルである)で表される触媒の存在下
    に反応させることからなる上記方法。
  2. 【請求項2】 式(I) で表される化合物において、R1
    メチルまたはエチルであり、Y が水素である請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 使用される式III のアルキルハライド
    が、メチルクロライド、メチルブロマイド、メチルヨー
    ジド、エチルクロライド、エチルブロマイド、n-プロピ
    ルクロライド、n-プロピルブロマイド、イソブチルクロ
    ライド、イソブチルブロマイド、n-ペンチルクロライド
    またはn-ヘキシルクロライドである請求項1または2に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 式III のアルキルハライドが、式IIのカ
    ルバゾール1モルに対して1.0 〜1.8 モル、好ましくは
    1.1 〜1.5 モルの量で使用される請求項1〜3のいずれ
    かに記載の方法。
  5. 【請求項5】 使用される無機塩基が、アルカリ金属ア
    ルコキシドおよびヒドロキシド、オキシド、カーボネー
    トおよびアルカリ金属およびアルカリ土類金属の第三ホ
    スフェートまたはその混合物である請求項1〜4のいず
    れかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 無機塩基が、式IIのカルバゾール1モル
    に対して0.9 〜3.0当量、好ましくは1.1 〜2.0 当量の
    量で使用される請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 使用される不活性溶媒が、トルエン、o-
    キシレン、m-キシレン、p-キシレン、メシチレン、2-ク
    ロロトルエン、3-クロロトルエン、4-クロロトルエン、
    モノクロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン、1,3-ジク
    ロロベンゼン、1,4-ジクロロベンゼン、N-エチルカルバ
    ゾールまたはその混合物である請求項1〜6のいずれか
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】 式IVの触媒において、n が2〜6、好ま
    しくは3の整数であり、そしてR2、R3、R4およびR5が好
    ましくは水素、メチルまたはエチル、特に好ましくはメ
    チルである請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 使用される式IVの触媒が、エチレンジア
    ミン、2-エチルアミノエチルアミン、2-ジエチルアミノ
    エチルアミン、3-ジメチルアミノプロピルアミン、3-ジ
    エチルアミノプロピルアミン、N,N,N',N'-テトラメチル
    プロパン-1,3- ジアミン、N,N-ジエチル-N',N'- ジメチ
    ルプロパン-1,3- ジアミン、N,N,N',N'-テトラメチルブ
    タン-1,4- ジアミン、1-ジエチルアミノ-4- アミノペン
    タン、N,N,N',N'-テトラメチルヘキサン-1,6- ジアミ
    ン、N,N-ジメチルジプロピレントリアミン、ビス(3-ジ
    メチルアミノプロピル)アミン、N,N,N',N'',N''- ペン
    タメチルジエチレントリアミンまたはN,N,N',N'',N''-
    ペンタメチルジプロピレントリアミンである請求項1〜
    8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 式IVの触媒が、使用されるカルバゾー
    ル1モル当たり0.001 〜0.05モル、好ましくは0.005 〜
    0.02モルの量で使用される請求項1〜9のいずれかに記
    載の方法。
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