JP4153573B2 - 1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドの製法 - Google Patents

1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドの製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドの製法に関する。さらに詳しくは、三環式ジアゼピンバソプレシン拮抗薬、オキシトシン拮抗薬などの中間体原料として好適に使用しうる1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロールカルボキサルデヒドの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドは、水素化ナトリウムを縮合剤として用い、ピロール−2−カルボキサルデヒドとニトロベンジルブロマイドとをN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中で反応させることによって製造されている。
【0003】
しかしながら、前記水素化ナトリウムは、水分の存在下で分解し、水素ガスが発生するので、火災や爆発などに対する安全設備などを要するという欠点がある。また、水素化ナトリウムを安全に使用するために、該水素化ナトリウムをパラフィンであらかじめ希釈する方法が考えられているが、このようにパラフィンで希釈した場合には、使用時にパラフィンを除去するという煩雑な操作を必要とするので、工業的生産性の観点から、かかる方法は決して好ましいものではない。
【0004】
また、前記ニトロベンジルブロマイドは、熱や衝撃によって爆発するおそれがある化合物であるため、該ニトロベンジルブロマイドを調製したのち、結晶として単離し、そののち使用したり、乾燥させたのち使用することは、安全性の面から、回避することが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、水素化ナトリウムを使用しなくても、効率よく、安全に1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドを製造しうる方法を提供することを目的とする。
【0006】
さらに、本発明は、ニトロベンジルブロマイドを安全に使用して1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドを効率よく製造しうる方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、
(1) ニトロトルエンと臭素とをモノクロロベンゼンと水との混合溶媒中で反応させて得られた一般式(I):
【0008】
【化4】
Figure 0004153573
【0009】
で表わされるニトロベンジルブロマイドの反応溶液と、式(II):
【0010】
【化5】
Figure 0004153573
【0011】
で表わされるピロール−2−カルボキサルデヒドとを、モノクロロベンゼンと水との混合溶媒中で、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムから選ばれる無機アルカリおよび相間移動触媒の存在下、50〜70℃で反応させることを特徴とする一般式(III):
【0012】
【化6】
Figure 0004153573
【0013】
で表わされる1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドの製法であって、
前記ピロール - - カルボキサルデヒド1当量に対して、前記無機アルカリの使用量が1.0〜5当量、前記相間移動触媒の使用量が0.005〜0.1当量であり、
前記水の使用量が、前記無機アルカリ100重量部に対して100〜2000重量部、前記モノクロロベンゼンの使用量が、水100重量部に対して500〜2000重量部である、
一般式 (III) で表わされる1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドの製法
(2) ピロール−2−カルボキサルデヒド、無機アルカリおよび相間移動触媒をモノクロロベンゼンと水との混合溶媒に溶解させたのち、得られた混合溶液に、ニトロベンジルブロマイドの反応溶液を添加する前記(1)記載の1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドの製法、並びに
(3) ニトロベンジルブロマイドの使用量が、ピロール−2−カルボキサルデヒド1当量に対して、0.5〜2.0当量である前記(1)または(2)記載の1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドの製法
関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の製法によれば、
一般式(I):
【0015】
【化7】
Figure 0004153573
【0016】
で表わされるニトロベンジルブロマイドと、式(II) :
【0017】
【化8】
Figure 0004153573
【0018】
で表わされるピロール−2−カルボキサルデヒドとを、有機溶媒と水との混合溶媒中で、無機アルカリおよび相間移動触媒の存在下で反応させることにより、一般式(III) :
【0019】
【化9】
Figure 0004153573
【0020】
で表わされる1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドが得られる。
【0021】
前記一般式(I)で表わされるニトロベンジルブロマイドの具体例としては、2−ニトロベンジルブロマイド、3−ニトロベンジルブロマイドおよび4−ニトロベンジルブロマイドがあげられる。
【0022】
前記ニトロベンジルブロマイドを安全に使用するためには、かかるニトロベンジルブロマイドのみ(固体)をそのまま使用するのではなく、ニトロベンジルブロマイド溶液として用いることが好ましい。かかるニトロベンジルブロマイド溶液としては、例えば、ニトロベンジルブロマイドを溶媒に溶解させた溶液、ニトロトルエンと臭素とを溶媒中で反応させて得られたニトロベンジルブロマイドの反応溶液などがあげられる。これらのニトロベンジルブロマイド溶液の中では、ニトロベンジルブロマイドの反応溶液は、ピロール−2−カルボキサルデヒドとの反応にそのままの状態で使用することができるので、生産性に優れるという利点があるのみならず、ニトロベンジルブロマイドを単独で使用した場合のような爆発などの危険性を回避することができるという利点があるので、本発明においては好適に使用しうるものである。
【0023】
前記ニトロベンジルブロマイド溶液に用いられる溶媒としては、本発明においては、有機溶媒と水との混合溶媒を好適に使用することができる。
【0024】
前記有機溶媒としては、例えば、四塩化炭素、エチレンジクロライドなどのハロゲン化炭化水素、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族化合物などがあげられる。これらの有機溶媒のなかでは、モノクロロベンゼンは、本発明において好適に使用しうるものである。
【0025】
前記有機溶媒と水との割合は、特に限定がないが、通常、生産性の観点から、水100重量部に対して、有機溶媒500重量部〜2000重量部程度が好ましい。
【0026】
また、前記ニトロベンジルブロマイド溶液におけるニトロベンジルブロマイドの濃度は、特に限定がないが、通常、操作性および生産性の観点から、10〜20重量%程度であることが好ましい。
【0027】
一般式(I)で表わされるニトロベンジルブロマイドと、式(II)で表わされるピロール−2−カルボキサルデヒドとの反応は、前記したように、有機溶媒と水との混合溶媒中で、無機アルカリと相間移動触媒の存在下で行なわれる。
【0028】
前記有機溶媒と水との混合溶媒としては、前記ニトロベンジルブロマイド溶液に用いられる溶媒と同様のものが例示される。なお、前記ニトロベンジルブロマイド溶液を用いる場合、前記反応の際に用いられる混合溶媒は、反応終了後に溶媒を回収する際の操作性の観点から、前記ニトロベンジルブロマイド溶液に用いられている混合溶媒と同一種類であることが好ましい。
【0029】
前記反応の際に用いられる混合溶媒の使用量〔ニトロベンジルブロマイド溶液を用いる場合には、かかるニトロベンジルブロマイド溶液に含まれる溶媒の使用量を含む〕は、特に限定がないが、通常、ピロール−2−カルボキサルデヒド100重量部に対して、100〜2000重量部程度、好ましくは200〜1000重量部程度であればよい。
【0030】
本発明においては、ニトロベンジルブロマイドとピロール−2−カルボキサルデヒドとを混合溶媒中で反応させるが、このとき、ピロール−2−カルボキサルデヒドを混合溶媒に溶解させたのち、得られた混合溶液に、ニトロベンジルブロマイドを添加することが、不純物の生成抑制の観点から好ましい。
【0031】
ニトロベンジルブロマイドと、ピロール−2−カルボキサルデヒドとの使用割合は、ピロール−2−カルボキサルデヒド1当量に対して、生産性の観点から、ニトロベンジルブロマイドが0.5当量以上、好ましくは1.0当量以上となるように調整することが望ましく、また、多量のニトロベンジルブロマイドが残存した際の危険性の回避の観点から、ニトロベンジルブロマイドが2.0当量以下、好ましくは1.1当量以下となるように調整することが望ましい。
【0032】
前記ニトロベンジルブロマイドとピロール−2−カルボキサルデヒドとの反応は、無機アルカリおよび相間移動触媒の存在下で行なわれるが、該無機アルカリおよび相間移動触媒を、あらかじめ前記混合溶媒に溶解させておき、得られた混合溶液にニトロベンジルブロマイドを添加することが好ましい。
【0033】
前記無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。なお、前記無機アルカリは、そのままの状態で使用することができるが、本発明においては、あらかじめ水に溶解させておき、水溶液として使用することが、操作の簡略化の点で好ましい。この場合、水の使用量は、特に限定がないが、通常、無機アルカリ100重量部に対して100〜2000重量部程度であればよい。
【0034】
前記無機アルカリの使用量は、ピロール−2−カルボキサルデヒド1当量に対して、生産性(収率)の観点から、1.0当量以上であることが望ましく、またコストの削減の観点から、5当量以下、好ましくは1.5当量以下であることが望ましい。
【0035】
前記相間移動触媒としては、例えば、テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(BAC)、テトラブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイドなどの四級アンモニウム塩などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。前記相間移動触媒の使用量は、ピロール−2−カルボキサルデヒド1当量に対して、生産性(収率)の観点から、0.001当量以上、好ましくは0.005当量以上であることが望ましく、またコストの削減の観点から、1当量以下、好ましくは0.1当量以下であることが望ましい。
【0036】
前記ニトロベンジルブロマイドとピロール−2−カルボキサルデヒドとの反応は、前記したように、例えば、ピロール−2−カルボキサルデヒド、無機アルカリおよび相間移動触媒を混合溶媒に溶解させたのち、得られた混合溶液に、ニトロベンジルブロマイドを添加することにより、行なうことができる。このとき、前記混合溶液の液温は、通常、10〜80℃程度、好ましくは50〜70℃程度であることが望ましい。
【0037】
前記ニトロベンジルブロマイドとして、ニトロベンジルブロマイド溶液を用いる場合には、かかるニトロベンジルブロマイド溶液の液温は、通常、10〜80℃程度であればよい。また、ニトロベンジルブロマイドの添加は、例えば、滴下などにより、1〜10時間程度の時間をかけて徐々に行なうことが、反応時の発熱のコントロールの観点から好ましい。
【0038】
前記ニトロベンジルブロマイドとピロール−2−カルボキサルデヒドとを反応させる際の雰囲気については特に限定がないが、通常、大気であってもよく、また窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスであってもよい。また、反応時間は、原料の仕込み量などの条件によって異なるので一概には決定することができないが、通常、10分間〜24時間、なかんづく30分間〜4時間程度である。
【0039】
反応の終点は、例えば、反応液を採取し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析で原料であるピロール−2−カルボキサルデヒドに基づくピークが消失していることを確認することによって行なうことができる。
【0040】
かくして、1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドを得ることができるが、反応液には、不純物が含まれているので、必要により、かかる不純物を除去し、1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドを単離してもよい。前記1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドの単離は、例えば、反応液から水層を除去し、有機層を水などで洗浄し、エバポレーターなどで溶媒を留去して濃縮したのち、得られた濃縮物にメタノールを添加し、結晶を析出させ、冷却し、濾過し、得られたケーキをメタノールで洗浄し、次いで乾燥させることによって行なうことができる。
【0041】
本発明の製法は、従来のような安全性に難がある水素化ナトリウムを必要としないため、1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドを安全に製造することができる。
【0042】
また、ニトロベンジルブロマイドとしてニトロベンジルブロマイド溶液を用いた場合、ニトロベンジルブロマイドを単独で使用した場合のような爆発などの危険性を回避することができるという利点があり、さらにニトロベンジルブロマイド溶液としてニトロベンジルブロマイドの反応溶液を用いた場合、ピロール−2−カルボキサルデヒドとの反応にそのままの状態で使用することができるので、生産性に優れるという利点がある。
【0043】
したがって、本発明の製法は、安全性に優れ、しかも工業的生産性に優れるという画期的な製法である。
【0044】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0045】
製造例1
1リットル容のフラスコに、モノクロロベンゼン450ml、水90ml、2−ニトロトルエン164.5g(1.2モル)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4gを仕込み、70℃に加熱した。攪拌下、同温度でフラスコ内に臭素95.9g(0.6モル)および25%水酸化ナトリウム水溶液100gを滴下し、1時間経過したのち、反応溶液を20℃に冷却し、静置した。
【0046】
次に、分離した水層を除去し、有機層780mlを得た。
【0047】
得られた有機層をガスクロマトグラフィー(GC)で分析したところ、2−ニトロベンジルブロマイドの含量は106.7g(0.494モル)であった。
【0048】
また、得られた2−ニトロベンジルブロマイドの2−ニトロトルエンに対する収率は、41.2%、臭素に対する収率は82.3%であった。
【0049】
製造例2
1リットル容のフラスコに、モノクロロベンゼン450ml、水90ml、3−ニトロトルエン164.5g(1.2モル)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル5gを仕込み、70℃に加熱した。攪拌下、同温度でフラスコ内に臭素95.9g(0.6モル)および25%水酸化ナトリウム水溶液100gを滴下し、1時間経過したのち、反応溶液を20℃に冷却し、静置した。
【0050】
次に、分離した水層を除去し、有機層783mlを得た。
【0051】
得られた有機層をガスクロマトグラフィー(GC)で分析したところ、3−ニトロベンジルブロマイドの含量は110.7g(0.513モル)であった。
【0052】
また、得られた3−ニトロベンジルブロマイドの3−ニトロトルエンに対する収率は、42.7%、臭素に対する収率は85.4%であった。
【0053】
実施例1
1リットル容のフラスコに、水65ml、苛性ソーダ22gおよびモノクロロベンゼン75mlを仕込み、攪拌しながら、ピロール−2−カルボキサルデヒド34.1g(0.359モル)および相間移動触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイドの50%水溶液2.3gを添加し、55℃に加熱した。
【0054】
次に、製造例1で得られた2−ニトロベンジルブロマイドの反応溶液623ml(2−ニトロベンジルブロマイド85.2g、0.394モル含有)を同温度で3時間かけてフラスコ内に滴下したのち、さらに1時間攪拌して反応を終了させた。
【0055】
反応の終点は、反応液の一部を採取し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析し、原料であるピロール−2−カルボキサルデヒドに基づくピークが消失していることで確認した。
【0056】
反応終了を確認した後、熱時に攪拌を止め静置し、水層を除去し、次いで有機層を温水400mlで洗浄した。
【0057】
洗浄した有機層をエバポレーターを用いてモノクロロベンゼンを留去し、内容物が215gになるまで濃縮したのち、メタノール400mlを濃縮した有機層に添加し、反応生成物の結晶を析出させた。
【0058】
得られた結晶の一部を採取し、HPLCで分析したところ、かかる分析によって得られたピークが、これとは別に特開平7−157486号公報に記載の方法に基づいて調製した黄褐色の1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロールカルボキサルデヒドのHPLCのピークと同一であることから、前記結晶は、1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロールカルボキサルデヒドであることが確認された。
【0059】
次に、反応生成物の結晶を析出させた溶液を5℃以下に冷却し、濾過し、得られたケーキをメタノール200mlで洗浄したのち、減圧乾燥機で乾燥し、淡黄褐色の1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロールカルボキサルデヒド72.7g(0.316モル)を得た。
【0060】
得られた1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロールカルボキサルデヒドのピロール−2−カルボキサルデヒドに対する収率は88%、HPLCで分析した化学純度は99.5%であり、また融点は135℃であった。
【0061】
実施例2
1リットル容のフラスコに、水65ml、苛性ソーダ22gおよびモノクロロベンゼン75mlを仕込み、攪拌しながら、ピロール−2−カルボキサルデヒド34.1g(0.359モル)および相間移動触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイドの50%水溶液2.3gを添加し、55℃に加熱した。
【0062】
次に、製造例2で得られた3−ニトロベンジルブロマイドの反応溶液603ml(3−ニトロベンジルブロマイド85.2g、0.394モル含有)を同温度で3時間かけてフラスコ内に滴下したのち、さらに1時間攪拌して反応を終了させた。
【0063】
反応の終点は、反応液の一部を採取し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析し、原料であるピロール−2−カルボキサルデヒドに基づくピークが消失していることで確認した。
【0064】
反応終了を確認した後、熱時に攪拌を止め静置し、水層を除去し、次いで有機層を温水400mlで洗浄した。
【0065】
洗浄した有機層をエバポレーターを用いてモノクロロベンゼンを留去し、内容物が215gになるまで濃縮したのち、メタノール400mlを濃縮した有機層に添加し、反応生成物の結晶を析出させた。
【0066】
次に、反応生成物の結晶を析出させた溶液を5℃以下に冷却し、濾過し、得られたケーキをメタノール200mlで洗浄したのち、減圧乾燥機で乾燥し、黄褐色の1−(3−ニトロベンジル)−2−ピロールカルボキサルデヒド72.7g(0.316モル)を得た。
【0067】
得られた1−(3−ニトロベンジル)−2−ピロールカルボキサルデヒドのピロール−2−カルボキサルデヒドに対する収率は88%、HPLCで分析した化学純度は99.4%であり、また融点は140℃であった。
【0068】
実施例3
1リットル容のフラスコに、水65ml、水酸化カリウム30gおよびモノクロロベンゼン75mlを仕込み、攪拌しながら、ピロール−2−カルボキサルデヒド34.1g(0.359モル)および相間移動触媒としてベンジルトリエチルアンモニウムクロライド6gを添加し、55℃に加熱した。
【0069】
次に、製造例1と同様にして得られた2−ニトロベンジルブロマイドの反応溶液624ml(2−ニトロベンジルブロマイド85.2g、0.394モル含有)を同温度で5時間かけてフラスコ内に滴下したのち、さらに2時間攪拌して反応を終了させた。
【0070】
反応の終点は、反応液の一部を採取し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析し、原料であるピロール−2−カルボキサルデヒドに基づくピークが消失していることで確認した。
【0071】
反応終了を確認した後、熱時に攪拌を止め静置し、水層を除去し、次いで有機層を温水400mlで洗浄した。
【0072】
洗浄した有機層をエバポレーターを用いてモノクロロベンゼンを留去し、内容物が215gになるまで濃縮したのち、メタノール400mlを濃縮した有機層に添加し、反応生成物の結晶を析出させた。
【0073】
得られた結晶の一部を採取し、HPLCで分析したところ、かかる分析によって得られたピークが、これとは別に特開平7−157486号公報に記載の方法に基づいて調製した黄褐色の1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロールカルボキサルデヒドのHPLCのピークと同一であることから、前記結晶は、1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロールカルボキサルデヒドであることが確認された。
【0074】
次に、反応生成物の結晶を析出させた溶液を5℃以下に冷却し、濾過し、得られたケーキをメタノール200mlで洗浄したのち、減圧乾燥機で乾燥し、淡黄褐色の1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロールカルボキサルデヒド71.9g(0.312モル)を得た。
【0075】
得られた1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロールカルボキサルデヒドのピロール−2−カルボキサルデヒドに対する収率は87%、HPLCで分析した化学純度は99.2%であり、また融点は135℃であった。
【0076】
実施例4
1リットル容のフラスコに、水65ml、苛性ソーダ22gおよびモノクロロベンゼン75mlを仕込み、攪拌しながら、ピロール−2−カルボキサルデヒド34.1g(0.359モル)、製造例1と同様にして得られた2−ニトロベンジルブロマイドの反応溶液624ml(2−ニトロベンジルブロマイド85.2g、0.394モル含有)および相間移動触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイドの50%水溶液2.3gを添加し、55℃に加熱したのち、さらに4時間攪拌した。
【0077】
反応の終点は、反応液の一部を採取し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析し、原料であるピロール−2−カルボキサルデヒドに基づくピークが消失していることで確認した。
【0078】
反応終了を確認した後、熱時に攪拌を止め静置し、水層を除去し、次いで有機層を温水400mlで洗浄した。
【0079】
洗浄した有機層をエバポレーターを用いてモノクロロベンゼンを留去し、内容物が215gになるまで濃縮したのち、メタノール400mlを濃縮した有機層に添加し、反応生成物の結晶を析出させた。
【0080】
得られた結晶の一部を採取し、HPLCで分析したところ、かかる分析によって得られたピークが、これとは別に特開平7−157486号公報に記載の方法に基づいて調製した黄褐色の1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロールカルボキサルデヒドのHPLCのピークと同一であることから、前記結晶は、1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロールカルボキサルデヒドであることが確認された。
【0081】
次に、反応生成物の結晶を析出させた溶液を5℃以下に冷却し、濾過し、得られたケーキをメタノール200mlで洗浄したのち、減圧乾燥機で乾燥し、褐色の1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロールカルボキサルデヒド72g(0.313モル)を得た。
【0082】
得られた1−(2−ニトロベンジル)−2−ピロールカルボキサルデヒドのピロール−2−カルボキサルデヒドに対する収率は87.1%、HPLCで分析した化学純度は95.7%であり、また融点は132℃であった。
【0083】
以上の結果から、実施例1〜4の方法は、従来の方法に用いられている火災や爆発に対するおそれがあるとされている水素化ナトリウムを用いず安全に、しかも収率よく1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドを製造することができることがわかる。
【0084】
また、実施例1〜4の方法においては、ニトロベンジルブロマイドの溶液が用いられているため、ニトロベンジルブロマイドを単独で使用した場合のような爆発などの危険性を回避することができ、さらにニトロベンジルブロマイド溶液がニトロベンジルブロマイドの反応溶液であるため、ピロール−2−カルボキサルデヒドとの反応にそのままの状態で使用することができるので、生産性に優れるという利点があることがわかる。
【0085】
【発明の効果】
本発明の製法によれば、水素化ナトリウムを使用しなくても、効率よく、安全に1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドを製造することができる。
【0086】
また、ニトロベンジルブロマイドとしてニトロベンジルブロマイド溶液を用いた場合、ニトロベンジルブロマイドを単独で使用した場合のような爆発などの危険性を回避することができ、さらにニトロベンジルブロマイド溶液としてニトロベンジルブロマイドの反応溶液を用いた場合、ピロール−2−カルボキサルデヒドとの反応にそのままの状態で使用することができるので、生産性に優れるという利点がある。

Claims (3)

  1. ニトロトルエンと臭素とをモノクロロベンゼンと水との混合溶媒中で反応させて得られた一般式(I):
    Figure 0004153573
    で表わされるニトロベンジルブロマイドの反応溶液と、式(II):
    Figure 0004153573
    で表わされるピロール−2−カルボキサルデヒドとを、モノクロロベンゼンと水との混合溶媒中で、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムから選ばれる無機アルカリおよび相間移動触媒の存在下、50〜70℃で反応させることを特徴とする一般式(III):
    Figure 0004153573
    で表わされる1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドの製法であって、
    前記ピロール - - カルボキサルデヒド1当量に対して、前記無機アルカリの使用量が1.0〜5当量、前記相間移動触媒の使用量が0.005〜0.1当量であり、
    前記水の使用量が、前記無機アルカリ100重量部に対して100〜2000重量部、前記モノクロロベンゼンの使用量が、水100重量部に対して500〜2000重量部である、
    一般式 (III) で表わされる1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドの製法。
  2. ピロール−2−カルボキサルデヒド、無機アルカリおよび相間移動触媒をモノクロロベンゼンと水との混合溶媒に溶解させたのち、得られた混合溶液に、ニトロベンジルブロマイドの反応溶液を添加する請求項1記載の1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドの製法。
  3. ニトロベンジルブロマイドの使用量が、ピロール−2−カルボキサルデヒド1当量に対して、0.5〜2.0当量である請求項1又は2記載の1−ニトロベンジル−2−ピロールカルボキサルデヒドの製法。
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