JPH10278303A - 廃液容器、廃液回収ユニットおよびこれらを搭載したインクジェットプリント装置 - Google Patents

廃液容器、廃液回収ユニットおよびこれらを搭載したインクジェットプリント装置

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JPH10278303A
JPH10278303A JP793898A JP793898A JPH10278303A JP H10278303 A JPH10278303 A JP H10278303A JP 793898 A JP793898 A JP 793898A JP 793898 A JP793898 A JP 793898A JP H10278303 A JPH10278303 A JP H10278303A
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ink
absorber
waste liquid
waste
liquid
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JP793898A
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Masaya Uetsuki
雅哉 植月
Norihiro Kawatoko
徳宏 川床
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクおよびこのインクを不溶化する処理液
を用いてプリントを行うインクジェットプリント装置に
おいて廃インクおよび廃処理液を吸収した保持する構成
に関して低コストで使い勝手の良いものとする。 【解決手段】 廃インク回収用吸収体9Aと廃処理液回
収用吸収体9Bとを一体のものとし、この吸収体9A,
9Bに対する廃インクの導入部である滴下点Aと廃処理
液に関する同様の滴下点Bとを、これら一体の吸収体9
A,9Bのそれぞれ最も離れた端部に設定する。これに
より、排出される廃インクおよび廃処理液がそれぞれに
ついて設定される吸収体の容量に対してアンバランスを
生じたとしても、インク漏れや吸収体の無駄を無くすこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃液容器、廃液回収
ユニットおよびインクジェットプリント装置に関し、詳
しくは、インクおよびインクを不溶化または凝集させる
プリント性向上液を用いてプリントを行うインクジェッ
トプリント装置における排出インク等の処理に関する廃
液容器、廃液回収ユニットおよびインクジェットプリン
ト装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】インクジェットプリント装置では、インク
ジェットヘッドのインク吐出性能を維持するための吐出
回復処理が行われることが一般的に知られている。この
吐出回復処理としては、その回復の程度や回復処理の直
接的な目的に応じて種々の構成が取られている。
【0003】例えば、インクジェットプリント装置が使
用されない状態で長時間経過した後プリントを行う場合
に、吸引または加圧回復処理することでインクジェット
ヘッドの吐出口内からインクを排出する処理を行い、長
期間の放置によって吐出口内のインク路等で生成した気
泡や増粘インクを排出する処理が行われる。また、プリ
ント中に特定の吐出口でインク吐出が行われない場合や
一定の時間吐出が行われないような場合に、主に増粘し
たインクの除去を目的として、いわゆる予備吐出が行わ
れる。この予備吐出は、ヘッドにキャッピングを行うキ
ャップあるいは予備吐出用の吐出受けに対して所定回数
のインク吐出を行うものである。さらに、インクジェッ
トヘッドの吐出口面をゴムブレード等によってワイピン
グする処理も行われることが知られている。このワイピ
ング処理は、吐出口面に付着したインク滴、水滴、ゴミ
等を除去する目的で行われるものであり、これにより、
インクの吐出方向の偏向等を防止することができる。そ
して、このワイピング処理が行われた後には、インクジ
ェットヘッドからのインク吐出を確保するため、あるい
はそれぞれ異なる種類のインクを吐出する複数のヘッド
間にわたってワイピングを行う場合には混色を防止する
ために予備吐出と同様の処理が行われる。
【0004】さらには、インクジェットヘッドとインク
タンクとをそれぞれ個別に交換するタイプのインクジェ
ットプリント装置では、ヘッドまたはタンクが交換され
たときにはヘッド内にインクを充填しヘッドとタンクと
の間をインクにより連通させるために上述の吸引または
加圧回復処理等が行われることがある。
【0005】インクジェットプリント装置では、以上の
ように吐出回復処理が行われそれによって廃インクが生
じるが、この廃インクを収容する構成が設けられる。例
えば交換タイプのインクタンク内を2層構造として、一
方にはヘッドに供給するインクを貯留し他方には廃イン
クを保持するようにしたものが知られている。しかし、
この構成は、インクの供給系と廃インクの排出系を別個
に備え交換の際の接続等のための構成が比較的複雑にな
る場合がある。また、この構成は比較的大型のプリント
装置に用いられるものであり、小型化された装置には用
い難いものである。
【0006】また、廃インクを収容、保持するための構
成として、プリント装置の所定個所に固定的に吸収体を
設け、この部分に廃インクを導き、吸収体で廃インクを
吸収して保持するものがある。この吸収体を用いた廃イ
ンク保持のため構成は、メインテナンスの容易性等の点
からインクジェットプリント装置で広く用いられるもの
である。
【0007】ところで、インクジェットプリント装置で
得た記録物の耐水性を向上させるため、また、画質を向
上させるために、インクと反応してインクに不溶化また
は凝集を生じさせる所定の液体(以下、これを処理液と
いう)をインクと同様に吐出する構成が、本願人により
提案されている。例えば、この処理液をインクに重ねて
またはその近傍に吐出し、プリント媒体上でインクを不
溶化または凝集を生じさせると、水によるインクの滲み
が生じ難くなるとともに濃度を増すことが知られてい
る。また、異なる色のインクが吐出される領域の境界部
分での混色を防止することもできる。このように画質向
上の目的のために用いる観点から、上記処理液はプリン
ト性向上液とも称される。
【0008】この処理液を吐出するヘッドについても、
前述したインクを吐出するヘッドの場合と同様に吐出回
復処理が行われ、その廃液を保持するための構成が設け
られる。この場合、両方の廃液が1か所に排出されると
その領域でインクが処理液の作用で不溶化あるいは凝集
してしまい十分に吸収体が使用されない状態で廃液回収
画できなくなるおそれがあり、排出されたインクと処理
液とは、それぞれ別個の吸収体により保持される構成が
一般的である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、処理液
を用いた場合の上記廃インクおよび廃処理液を保持する
構成にあっては、インクおよび処理液の排出量にアンバ
ランスを生じる場合がある。
【0010】例えば、コート紙と称される特殊なプリン
ト媒体を用いる場合は、処理液を使用しなくてもインク
の滲みを生じず、また、耐水性に優れたプリント物を得
られることから、このプリント媒体にプリントを行うと
きは処理液の吐出を行わないことがある。従って、この
場合には処理液を吐出するヘッドの吐出回復処理はイン
クを吐出するヘッドに対する回復処理程頻繁に行う必要
はなくなる。
【0011】このような処理液を用いないプリントが比
較的多く行われる場合には、処理液の廃液を保持する吸
収体に無駄を生じその分のコスト増加を招くことにな
る。
【0012】また、廃インク量が極端に多くなるような
用いられ方をした場合には、処理液を回収する吸収体は
ほとんど使用されていないにもかかわらず、インクを回
収する吸収体側では保持しきれない廃インクが吸収体か
ら漏れ出ることが考えられ、これによって装置内が廃イ
ンクにより汚染されるおそれもある。
【0013】例えば、図12(a)〜(d)に示すよう
に、廃インク11の回収用吸収体8Aと廃処理液12用
吸収体8B(図12(a)で示されるように吸収体8
A,8B中A,Bの符号で示される部分はそれぞれ廃イ
ンク11、廃処理液12の滴下点である)それぞれの吸
収体8Aおよび8Bとが互いに連結されていない場合に
は、図5(b),(c)に示すように廃液の累積量が増
加していくにつれて、保持量にアンバランスを生じて吸
収体8Bが無駄になる場合が生じたり、また、図12
(d)に示すように、廃インク11の量が極端に多くな
り、吸収体8Aの保持能力を一時的に越えオーバフロー
を生じることがある。
【0014】本発明は、上記課題を解消するためになさ
れたものであり、その目的とするところは廃インクおよ
び廃処理液を吸収して保持する構成に関して低コストで
使い勝手の良い廃液容器、廃液回収ユニットおよびイン
クジェットプリント装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明にかかる構成は、記録画像を形成するために
用いられる液体であって、記録画像の形成に利用されな
かった廃液を回収する廃液容器において、前記液体は着
色成分を含んだインクと、前記インクを不溶化または凝
集させる処理液と、を含み、前記廃液容器は、その内部
に前記液体を回収するための吸収体を有するとともに、
前記インクを回収するための第1回収部を備えたインク
回収部と、前記処理液を回収するための第2回収部を備
えた処理液回収部と、をそれぞれ異なる位置に備えてい
ることを特徴とする。
【0016】また、インクジェットヘッドによって記録
画像を形成する際に用いられる液体であって、記録画像
の形成に利用されなかった廃液を回収する廃液回収部を
備えたインクジェット記録装置において、前記液体は着
色成分を含んだインクと、前記インクを不溶化または凝
集させる処理液と、を含み、前記廃液回収部は、前記液
体を回収するための吸収体を有するとともに、前記イン
クを回収するための第1回収部と、前記処理液を回収す
るための第2回収部と、をそれぞれ異なる位置に備えて
いることを特徴とする。
【0017】さらに、インクおよび該インクを不溶化ま
たは凝集させるプリント性向上液をそれぞれ吐出するヘ
ッドを用いて、プリント媒体にプリントを行うインクジ
ェットプリント装置であって、インクおよびプリント性
向上液を別個に補集する補集手段と、該補集手段が補集
したインクおよびプリント性向上液を吸収することによ
って保持する吸収体であって、該吸収体の異なる部位
に、前記補集したインクおよびプリント性向上液を導入
する部位を有した吸収体と、を具えたことを特徴とす
る。
【0018】さらにまた、インクおよび該インクを不溶
化または凝集させるプリント性向上液をそれぞれ吐出す
るヘッドを用いて、プリント媒体にプリントを行うイン
クジェットプリント装置に配設される廃液回収ユニット
において、インクおよびプリント性向上液を別個に補集
する補集手段と、前記補集手段が補集したインクおよび
プリント性向上液を吸収することによって保持する吸収
体であって、該吸収体の異なる部位に、前記補集したイ
ンクおよびプリント性向上液を導入する部位を有した吸
収体と、を具えたことを特徴とする。
【0019】以上の構成によれば、インクジェットプリ
ント装置における吐出回復処理等で排出された廃インク
および廃処理液は、補集手段によって別個に補集され、
これらを吸収して保持するための吸収体においてそれぞ
れ異なる位置に導入されるので、それぞれの排出量に応
じて、吸収体におけるそれぞれの保持される領域を拡げ
て行き、廃インクおよび廃処理液の領域が接触する時点
でその吸収体を使い切ることができる。そして、この場
合に、廃インクおよび廃処理液の排出量がそれぞれにつ
いて想定される吸収体の容量に対してアンバランスがあ
ってもインク等の漏れや吸収体の無駄を無くすことがで
きる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0021】図1は本発明の一実施形態に係るインクジ
ェットプリント装置の吐出回復機構を模式的に示す上面
図である。なお、同図に示す回復機構以外の構成は、一
般的に知られている、いわゆるシリアルプリンタと同様
のものであるので、その図示および説明は省略する。
【0022】図1に示すように、イエロー(Y),マゼ
ンタ(M),シアン(C)それぞれのインクを吐出する
インクジェットヘッド1Y,1Mおよび1Cがキャリッ
ジ2に搭載される。同様に、黒(BK)についての2つ
のインクジェットヘッド1BK1および1BK2と、こ
れら黒のヘッドに挟れて配設された処理液を吐出する処
理液吐出ヘッド1Sとがキャリッジ2に搭載される。ま
た、これら6個のインクジェットヘッドの各色インクお
よび処理液毎に、それらのインクまたは処理液を貯留す
るタンク(不図示)がキャリッジ2に搭載されるもので
あり、これらタンクおよびヘッドはそれぞれ個別的にキ
ャリッジ2に対し装着、抜脱できる構成となっている。
さらに、本実施形態で用いるインクジェットヘッドおよ
び処理液吐出ヘッドは、各吐出口に対応して電気熱変換
素子を有し、この素子が発生する熱エネルギーを利用し
てインクに気泡を生じさせこの気泡の圧力によってイン
クを吐出する方式のものである。
【0023】各ヘッドを搭載したキャリッジ2は、プリ
ント領域および図1に示す吐出回復機構が設けられる範
囲を移動走査できるよう構成され、これによって、各ヘ
ッドに対して次のような回復処理を行うことができる。
【0024】すなわち、各ヘッドは、キャリッジ2の移
動に伴なって、順次予備吐出受け5または予備吐出受け
5Sに対向し、これにより、ヘッド1Y,1M,1C,
1BK2および1BK1からは予備吐出受け5に対して
それぞれ所定吐出回数の予備吐出を行うことができる。
同様に、ヘッド1Sが予備吐出受け5Sに対向するとき
に所定吐出数の予備吐出を行うことができる。
【0025】キャリッジ2がホームポジションに移動し
たときは、各ヘッドはそれぞれ対応するキャップ3Y,
3M,3C,3BK2,3Sおよび3BK1と対向する
ことができる。これにより、例えばプリントを行わない
ときは各ヘッドに対しキャッピングを行い、インクの増
粘等を防止することができる。なお、このキャッピング
動作のため、各キャップに対応するヘッドに対して進退
移動できる構成となっている。
【0026】このキャッピングの構成を用い、吸引回復
処理を行うことができる。すなわち、各ヘッドをキャッ
ピングした状態で、それぞれのキャップに対応して設け
られたポンプ4Y,4M,4C,4BK2,4Sおよび
4BK1を作動させることにより各キャップ内を負圧と
しそれぞれのヘッドの吐出口からインクを吸引排出する
ことができる。
【0027】キャリッジ2が、さらに図中右側へ移動す
ると、ブレード等を備えたユニット6と対向することが
でき、これにより、次のようなワイピングおよび拭き動
作を行うことができる。
【0028】図2に示すように、ユニット6は各ヘッド
に対応してそれぞれ2枚のブレード61Y,61M,6
1C,61BK2,61S,61BK1および62Y,
62M,62C,62BK2,62S,62BK1と、
拭き部材63Y,63M,63C,63BK2,63
S,63BK1とを備えており、これらブレードおよび
拭き部材を、各対応するヘッドの吐出口面に当接すると
ともに、図2の矢印で示すように、キャリッジ2の移動
方向とは垂直な方向に移動できるように構成されてい
る。これにより、まず一方の方向の移動により各ヘッド
の吐出口面は、2枚のブレードによって順次ワイピング
され吐出口面に付着したインク滴、処理液等が除去さ
れ、その後、他方の方向の移動により拭き部材によって
摺擦されて主に吐出口面の膜状の凝集物が除去される。
そして、このワイピング等の動作が終了するとキャリッ
ジ2の移動により、上述と同様にして各ヘッドを予備吐
出受け5または5Sに対向させ、上記ワイピング後の予
備吐出を行う。
【0029】図3は、図1および図2について上述した
本実施形態の吐出回復機構を用いたプリント動作等の一
例を示すフローチャートである。
【0030】同図に示すように、プリント動作に伴なっ
て、吸引回復処理、ワイピング(拭き動作を含む)およ
び予備吐出が行われ、吸収体に保持すべき廃インクや廃
処理液が生じるが、以下、図3に示す動作について、簡
単に説明する。
【0031】図3に示す処理は、装置電源のオン、すな
わちソフトパワーオンによって起動され、ステップS3
01で吸引タイミングを監視するための吸引タイマが所
定時間を計数したか否かが判断され、所定時間に達した
と判断されたときは、ステップS302で吸引回復処理
が行われる。次に、プリント開始か否かが判断され(ス
テップS303)、プリント司令がある場合には、所定
量、例えば1ライン分のプリント動作が行われる(ステ
ップS308)。この際、用いるプリント媒体が普通紙
であるときは、前述したように処理液に関する回復処理
を行わない制御の設定を行い(ステップS304,S3
05)、また、吸引タイマによる監視を行う(ステップ
S306,S307)。
【0032】所定量のプリント動作を終了すると、ワイ
ピングおよび予備吐出に関する処理を行い(ステップS
309〜S313)、プリント待機状態(ステップS3
03)に戻る。また、例えば1ページ分のプリントが終
了したときは、一連の排紙に関する動作を行う(ステッ
プS314〜S322)。
【0033】本発明の一実施形態を図4(a)ないし
(e)に示す。図4(a)は廃液回収用の吸収体9がほ
ぼ長方形状とされたもので、その両端領域部分は廃イン
ク11と廃処理液12を回収するための廃液滴下点であ
り、第1回収部Aと廃処理液を回収するための第2回収
部Bとされている。したがって、第1回収部A側がイン
ク回収部となり、第2回収部B側が処理液回収部とな
る。
【0034】1部材で構成される吸収体9の両端の領域
にインクおよび処理液を回収する回収部A,Bを設けた
ことによって回収される廃液量がインクと処理液とで異
なっても吸収体9のほぼ全範囲を有効に廃液回収部とし
て利用できる。
【0035】なお、図4(b)ないし(e)は、廃液を
回収する様子を廃液回収の経過に従って順を追って示し
たものである。図4(b)から(d)に至るにつれ廃液
の回収量が増加し、図4(e)では廃インクと廃処理液
12とが吸収体の一部で相互浸透部分13を構成し、相
互浸透部分13において処理液によってインクが不溶化
し、吸収体9における廃液の吸収、拡散がほとんどでき
なくなる状態を示している。
【0036】図4の例では、吸収体9の両端領域でイン
クおよび処理液を回収する構成としたことで廃液は吸収
体の中央部側へと拡散浸透してゆきインクおよび処理液
の廃液量が均等でない場合でもいずれも廃液の量に左右
されることなく吸収体全体を廃液回収のための領域とし
て良好に利用可能にできた。
【0037】なお、吸収体の構成は略長方形としたがこ
れに限られず、円筒状のものであっても同様に使用でき
る。このような構成の吸収体を採用することで、インク
ジェットプリント装置における比較的細く長い空間部分
に設置することができるため省スペース化を達成し易
い。つまり、プリント装置におけるプラテンの下部など
のデッドスペースを吸収体の設置場所として利用し易
く、廃液回収用に特別にスペースをとる必要がなくな
る。
【0038】ところで、上述した吸収体9は装置内に設
置される構成として説明したが、吸収体9はトレーなど
の廃液容器内に配設された上でプリント装置内部に配置
する構成としてもよく、さらには廃液容器をプリント装
置に対して着脱可能にし、廃液量を検出、検知すること
で交換して使用する構成としてもよい。もちろん、吸収
体9のみの構成でも交換可能な構成とすることは有効で
ある。
【0039】また、廃液を回収する吸収体9としては、
液体を適度に保持する機能を備えた材料であれば特に限
定されるものではないが、スポンジ等の多孔質体や繊維
状体により構成されたもの、あるいは高分子吸収体また
は高分子吸収体を紙状体にまぶした部材等が好適に使用
可能である。
【0040】本発明の他の実施形態を図5に示す。図5
に示される吸収体9は一部吸収体9が欠けた略コの字形
態をしている。吸収体9が欠けた部分を挟んだ2つの領
域には、プリント装置の廃液補集部材から排出された廃
インクを回収するための第1回収部(図5上の符号A)
と、廃処理液を回収するための第2回収部(図5上の符
号B)が位置している。そしてこれら第1回収部が位置
した領域側が廃インク回収部9Aとして、また第2回収
部が位置した領域側が廃処理液回収部9Bとして機能す
る。
【0041】上述のように第1回収部Aと第2回収部B
とは、これらを結ぶ仮想直線aが吸収体の切欠き部を横
切るような位置に配されている。
【0042】このように吸収体9に切欠き部を設け、こ
れを横切るような仮想線a上に廃液の滴下点を配したこ
とによって、切欠き部分が廃液の拡散のための障壁とな
り、2種の液体の相互浸透状態を遅らせることができ、
吸収体の全体を良好に使用することを可能にする。
【0043】図5に示される構成例では吸収体の切欠き
部はわずかなものであるが、図6に示すように深く切り
欠いた構成とされていることはより好ましい。
【0044】すなわち、図5で示される構成では廃イン
クが滴下されるA領域のインク量が多い場合、切欠き部
分が少ないために早々に廃処理液回収領域9Bへ廃イン
クが回り込む虞があり、この場合相互浸透状態を早期に
構成してしまい、場合によっては吸収体全体を廃液回収
部材として良好に利用できない状態もおこりえる。
【0045】これに対して図6で示されるように深く切
り込まれている場合には、例えば廃インク量が多くても
廃インク回収領域9Aの全体が廃インクで満たされた後
に廃処理液回収領域9Bとの連結部10に至り、その後
に廃処理液回収領域9Bに廃インクが拡散浸透してい
き、廃処理液回収領域9B内で相互浸透部が構成される
ことになり、廃液量がインクと処理液とで不均一であっ
ても吸収体全体を良好に利用することが可能となる。
【0046】廃液の拡散浸透の様子を図7(a)ないし
(d)に示す。吸収体9は、廃インク回収用の吸収体
(廃インク回収領域)9Aと廃処理液回収用の吸収体
(廃処理液回収領域)9Bを有し、Xで示された領域
(連結部10)で両吸収体が連結し略コの字形状にした
ものである(または、吸収体は、吸収体の一部を切欠
き、連結部を介して廃インク回収吸収体9Aと廃処理液
回収吸収体9Bとに領域分担した構成とも表現でき
る)。図7(a)に示されるように廃インク回収用吸収
体9AにはAで示される位置に、また廃処理液回収用吸
収体9BにはBで示される位置に、それぞれ吐出回復処
理で生じた廃インク11および廃処理液12が滴下され
る。そして、回収処理の回数が増すにしたがって吸収体
に回収される廃液の累積量も増大し、図7(b),
(c)に示されるように廃液は吸収体を拡散浸透してい
く。すなわち、滴下された廃液は滴下された累積量に応
じて吸収体に保持される領域を拡大していく。本例では
廃インク11の回収量が均一ではない場合を示してお
り、廃インク11が連結部10を通過して廃処理液回収
領域9Bに回り込んでいる状態を図7(d)に示す。そ
して両廃液(廃インク11および廃処理液12)が出会
った時点で廃液の回収は終了状態を迎える。
【0047】図5ないし図7に示した略コの字状の吸収
体9を使用する構成では、1つの吸収体9に所望の切欠
き部分を設け、両廃液(廃インクおよび廃処理液)の回
収領域を分断する構成としてもよく、また、2部材の吸
収体を例えば連通部において接続した構成であっても良
い。また、切欠き部分には障害物として壁状のものが設
けられても良い。また、吸収体はプリント装置に直接配
されてもよく、また容器あるいはトレー状の部材内に上
述のような構成の吸収体が収納された上で上述のような
構成をとっても良いことは言うまでもない。
【0048】また、図6に示すように廃インク回収部A
と廃処理液回収部Bとを仮想直線aで連結した距離l
と、切欠きとして形成した不連続部を回避し吸収体を経
由して廃インク回収部と廃処理液回収部とを連結した最
短距離L(一点鎖線で示す)と、の関係が、3l<Lを
満足することは好ましい。
【0049】さらに、連結部10は、廃インクを回収す
る領域の幅もしくは廃処理液を回収する領域の幅のうち
広い方の幅に対して2倍以内の範囲にあることは好まし
い。
【0050】ここで、吸収体としては、液体を適度の保
持する機能を備えた材料であれば特に限定されるもので
はないが、スポンジ等の多孔質体や繊維状体により構成
されたもの、あるいは高分子吸収体または高分子吸収体
を紙状体にまぶした部材等が好適に使用可能である。な
お、繊維状体では廃液の滴下点から連結部方向に向かっ
て一方向に繊維を配置した構成のものを使用してもよ
く、フェルト状のものであっても良い。方向性を有した
繊維を使用する場合には廃インクを良好に導くことが可
能である。
【0051】ここで、図7に示す吸収体の形状、サイズ
等については次の2通りのものが考えられる。第1に
は、従来例のように廃インク用吸収体と廃処理液用吸収
体を別個のものとするときに、プリンタの使用期間等を
考慮して定められるそれぞれのサイズ、形状のものを単
に連結したものである。なお、この場合、廃インク用吸
収体7Aは、図1および図2に示した本実施形態の構成
から明らかなように5個のヘッドから排出される廃イン
クを保持するものであり、1個のヘッドに対応した廃処
理液用吸収体7Bと比較して、より大きなサイズのもの
となる(図7には、そのサイズの差は示されていな
い)。第2の場合は、それぞれの吸収体7Aおよび7B
について上記従来例のものを合せたものを2等分するサ
イズのものとする例であり、この場合は、図7に示すよ
うに、吸収体7Aおよび7Bは同一のサイズとなる。
【0052】上記いずれの場合においても、それぞれの
設定される吸収体の容量に対し排出される廃インクおよ
び廃処理液にアンバランスがあっても、吸収体に保持さ
れる廃インクと廃処理液とがそれぞれの領域を拡げて行
き、図7(d)に示すように、互いに接触する時点で吸
収体のほぼ全域を廃インクまたは廃処理液が満たすよう
にすることができる。
【0053】図8にさらに別の実施形態を示す。図8は
廃インク回収部と廃処理液回収部とが2箇所において連
結部10を有するように切欠き部によって切欠かれた構
成としたものである。そして、廃インク回収部の廃イン
クの滴下部分Aと廃処理液回収部の廃処理液の滴下部分
Bとを連結する仮想直線aは上述の切欠き部が仮想直線
を横切るように設けられ不連続部とされている。
【0054】また、廃インク回収部9Aと廃処理液回収
部9Bとが2箇所において連結部10,10を有するよ
うに切欠き部によって切欠かれた構成の他の例を図9に
示す。図8の例では廃インク回収部と廃処理液回収部と
を1つづつ有していたが、図9の例では2箇所の廃イン
ク回収部9A1,9A2と1箇所の廃処理液回収部9B
が配されている。そして、廃インク回収部9A1と廃処
理液回収部9Bとを結ぶ仮想直線a1、廃インク回収部
9A2と廃処理液回収部9Bとを結ぶ仮想直線a2を分
断するようにして2箇所の切欠き部が設けられている。
【0055】また、図10に示すように図4で示した吸
収体の構成に対して一部に切欠き部を設けて、廃インク
回収部9Aの廃インクの滴下部Aと廃処理液回収部9B
の廃処理液の滴下部分Bとを連結する仮想直線を横切る
不連続部を有した構成とすることもできる。
【0056】さらに他の例として、図11(a)ないし
(c)を示す。
【0057】この図ではインクの滴下部分Aを有する廃
インク回収領域9Aを構成する吸収体と廃処理液の滴下
部分Bを有する処理液回収領域9Bを構成する吸収体は
図中にXで示した部分(連結部10)を介して接続され
ている。
【0058】このXは各導入部分から吸収体内で最も遠
い部分c,dから厚みの3倍程度の部分で接合されてい
る。
【0059】インクを用いたプリントヘッド内の増粘し
たインク、混色したインク、インク充填の際に排出され
るインクは図1に示したインク用予備吐出受け、インク
用ポンプなどを経由して吸収体へと排出される。排出さ
れた廃インクは吸収体のAの部分へ導かれる。処理液に
ついても同様に、プリントヘッド内の増粘した処理液、
インク充填の際に排出される処理液は予備吐出受け、イ
ンク用ポンプを経由して吸収体のB部分に導かれる。
【0060】この図のような位置で吸収体同士を接合す
ると、インク、処理液の排出量が均一である場合には均
等に浸透するため問題無い。しかし、インク、処理液の
排出量の差が大きく不均一な場合は、たとえば図11に
示したようにインク側のインク排出・拡散の速度が非常
に大きい場合には、ある時点で図11(b)のように接
合部分Xを経由してインクが処理液側の吸収体に浸透し
てしまう。その後継続してインク、処理液が排出された
場合は図11(c)のように吸収体内部に空隙(Y)が
ありインクは浸透できるにもかかわらず、処理液はこれ
以上浸透できずあふれてしまうという現象が発生するこ
とがあり、好ましくない状態を招く場合もある。
【0061】なお、以上説明したインク染料を不溶化す
る処理液は、一例として以下のようにして得ることがで
きる。
【0062】すなわち、下記の成分を混合溶解した後、
さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ
(商品名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社
製)にて加圧濾過した後、NaOHでpHを4.8に調
整し、処理液A1を得ることができる。
【0063】 [A1の成分] カチオン性化合物の低分子成分 ステアリルトリメチルアンモニウム塩 2.0部 (商品名;エレクトロストリッパQE、花王株式会社製) または、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド (商品名;ユータミン86P、花王株式会社製) カチオン性化合物の高分子成分 ジアリルアミン塩酸塩と二酸化イオウとの共重合体 3.0部 (平均分子量;5000) (商品名;ポリアミンスルホンPAS−92、 日東紡績株式会社製) チオジグリコール 10部 水 残部 また、上記処理液と混合し不溶化するインクの好適な例
として以下のものを挙げることができる。
【0064】すなわち、下記の成分を混合し、さらにポ
アサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品
名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社製)に
て加圧濾過してイエロー,マゼンタ,シアン,ブラック
のインクY1,M1,C1,K1を得ることができる。
【0065】 Y1 C.I.ダイレクトイエロー142 2部 チオジグリコール 10部 アセチレノールEH 0.05部 (川研ファインケミカル株式会社製) 水 残部 M1 染料をC.I.アシッドレッド289;2.5部に代え
た以外はY1と同じ組成 C1 染料をC.I.アシッドブルー9;2.5部に代えた以
外はY1と同じ組成 K1 染料をC.I.フードブラック2;3部に代えた以外は
Y1と同じ組成 以上示したそれぞれ処理液(液体組成物)とインクとの
混合において、本発明では、上述した処理液とインクが
被プリント材上あるいは被プリント材に浸透した位置で
混合する結果、反応の第1段階として処理液中に含まれ
ているカチオン性物質の内、低分子量の成分またはカチ
オン性オリゴマーとインクに使用しているアニオン性基
を有する水溶性染料とがイオン的相互作用により会合を
起こし、瞬間的に溶液相から分離を起こす。
【0066】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマー
との会合体が処理液中に含まれる高分子成分により吸着
されるために、会合で生じた染料の凝集体のサイズがさ
らに大きくなり、被プリント材の繊維間の隙間に入り込
みにくくなり、その結果として固液分離した液体部分の
みが記録紙中にしみこむことにより、プリント品位と定
着性との両立が達成される。同時に上述したようなメカ
ニズムにより生成したカチオン物質の低分子成分または
カチオン性オリゴマーとアニオン性染料で形成される凝
集体は粘性が大きくなり、液媒体の動きとともに移動す
ることがないので、フルカラーの画像形成時のように隣
接したインクドットが異色のインクで形成されていたと
しても互いに混じり合うようなことはなく、ブリーデイ
ングも起こらない。また、上記凝集体は本質的に水不溶
性であり形成された画像の耐水性は完全なものとなる。
また、ポリマーの遮蔽効果により形成された画像の耐光
堅牢性も向上するという効果も有する。
【0067】本明細書において使用される「不溶化」ま
たは「凝集」の用語は、前記第1段階のみの現象また
は、第1段階と第2段階の両方を含んだ現象を意味す
る。
【0068】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0069】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被プリント材については特に制限されるものではな
く、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等の
いわゆる普通紙を好適に用いることができる。もちろん
インクジェットプリント用に特別に作製したコート紙や
OHP用透明フィルムも好適に使用でき、また、一般の
上質紙や光沢紙も好適に使用可能である。
【0070】なお、本発明を実施するにあたって、使用
するインクは特に上述の染料インクに限るものではな
く、顔料を分散させた顔料インクを用いることもできる
し、使用する処理液はその顔料を凝集させるものを用い
ることができる。前記した無色液体A1と混合して凝集
を引き起こす顔料インクの一例として以下のものを挙げ
ることができる。すなわち、下記に述べるようにして、
それぞれ顔料とアニオン性化合物とを含むイエロー,マ
ゼンタ,シアン,ブラックの各色インク、Y2,M2,
C2およびK2を得ることができる。
【0071】ブラックインクK2 アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径の
ガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時
間分散処理を行った。分散後の粘度は9cps、pHは
10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗大
粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカーボンブラ
ック分散体を作製した。
【0072】 (カーボンブラック分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 40部 ・カーボンブラック Mogul L (キャブラック製) 24部 ・グリセリン 15部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含
有されたインクジェット用のブラックインクK2を得
た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0073】イエローインクY2 アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチ
ルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量1
1,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノ
ールアミン)を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、ブラックインクK2の作製の場合と同様に分散処
理を行い、重量平均粒径103nmのイエロー色分散体
を作製した。
【0074】 (イエロー分散体の組成) ・P−2水溶液(固形分20%) 35部 ・C.I.ピグメントイエロー180 24部 (ノバパームイエロー PH−G、ヘキスト製) ・トリエチレングリコール 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部 ・イソプロピルアルコール 0.5部 ・水 135部 上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料
が含有されたインクジェット用のイエローインクY2を
得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0075】シアンインクC2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径120nmのシアン色分散
体を作製した。
【0076】 (シアン色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 30部 ・C.I.ビグメントブルー15:3 24部 (ファストゲンブル−FGF、大日本インキ化学) ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料
が含有されたインクジェット用のシアンインクC2を得
た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
【0077】マゼンタインクM2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径115nmのマゼンタ色分
散体を作製した。
【0078】 (マゼンタ色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 20部 ・C.I.ピグメントレッド122(大日本インキ化学) 24部 ・グリセリン 15部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔
料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクM2
を得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクジェットプリント装置における吐出回復処理等で
排出された廃インクおよび廃処理液は、補集手段によっ
て別個に補集され、これらを吸収して保持するための吸
収体において、最も離れた部位に導入されるので、それ
ぞれの排出量に応じて、吸収体におけるそれぞれの保持
される領域を拡げて行き、廃インクおよび廃処理液の領
域が接触する時点でその吸収体を使い切ることができ
る。そして、この場合に、廃インクおよび廃処理液の排
出量がそれぞれについて想定される吸収体の容量に対し
てアンバランスがあってもインク等の漏れや吸収体の無
駄を無くすことができる。
【0080】この結果、低コストで使い勝手の良いイン
クジェットプリント装置を提供することができる。
【0081】また、本発明で説明したような吸収体構成
にすることにより、インクと処理液のインク排出に不均
一があったとしても吸収体を有効に使いきることが可能
となり、従来の廃インク吸収体の容量を変えることな
く、記録装置をより長寿命の記録装置とすることができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリ
ント装置の吐出回復処理に関する構成を模式的に示す図
である。
【図2】図1に示すブレード等のユニットの構成の概略
を示す模式的斜視図である。
【図3】図1および図2に示す構成に基づく、プリント
動作およびそれに伴う吐出回復動作の一例を示すフロー
チャートである。
【図4】(a)〜(e)は本発明の一実施形態に係る、
廃インクおよび廃処理液を保持するための吸収体および
これら液体の排出に伴う保持領域の変化を示す図であ
る。
【図5】本発明に係る他の実施形態による廃液吸収体の
構成例を示す図である。
【図6】本発明に係るさらに他の実施形態による廃液吸
収体の構成例を示す図である。
【図7】(a)〜(d)は図6に示した吸収体例におけ
る、廃液の排出に伴う保持領域の変化を示す図である。
【図8】本発明に係る別の実施形態による廃液吸収体の
構成例を示す図である。
【図9】本発明に係るさらに別の実施形態による廃液吸
収体の構成例を示す図である。
【図10】本発明に係る他の実施形態による廃液吸収体
の構成例を示す図である。
【図11】(a)〜(c)は本発明の他の実施形態に係
る吸収体およびこの吸収体における廃インクおよび廃処
理液の保持領域の変化を示す図である。
【図12】従来の廃液回収部の一例を示す図である。
【符号の説明】
1Y,1M,1C,1BK1,1BK2 インクジェッ
トヘッド 1S 処理吐出ヘッド 3Y,3M,3C,3BK1,3BK2,3S キャッ
プ 4Y,4M,4C,4BK1,4BK2,4S ポンプ 5 インク用予備吐出受け 5S 処理液用予備吐出受け 6 ブレード等のユニット 7A,7B,9 吸収体 61Y,61M,61C,61BK1,61BK2,6
1S 第1ブレード 62Y,62M,62C,62BK1,62BK2,6
2S 第2ブレード 63Y,63M,63C,63BK1,63BK2,6
3S 拭き部材

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録画像を形成するために用いられる液
    体であって、記録画像の形成に利用されなかった廃液を
    回収する廃液容器において、 前記液体は着色成分を含んだインクと、前記インクを不
    溶化または凝集させる処理液と、 を含み、 前記廃液容器は、その内部に前記液体を回収するための
    吸収体を有するとともに、前記インクを回収するための
    第1回収部を備えたインク回収部と、前記処理液を回収
    するための第2回収部を備えた処理液回収部と、をそれ
    ぞれ異なる位置に備えていることを特徴とする廃液容
    器。
  2. 【請求項2】 前記吸収体は、前記第1回収部と前記第
    2回収部とを結ぶ仮想線を横切る不連続部を有し一部で
    連結した領域を有していることを特徴とする請求項1に
    記載の廃液容器。
  3. 【請求項3】 前記吸収体は、前記第1回収部と前記第
    2回収部とを結ぶ仮想線を横切る不連続部を有し2個所
    で連結した領域を有していることを特徴とする請求項1
    に記載の廃液容器。
  4. 【請求項4】 前記連結した領域は、前記廃液容器の側
    壁に沿っていることを特徴とする請求項2または3に記
    載の廃液容器。
  5. 【請求項5】 前記連結した領域は、狭窄された領域と
    して構成されていることを特徴とする請求項2または3
    に記載の廃液容器。
  6. 【請求項6】 前記インク回収部と処理液回収部とは、
    想定される廃液量の比に応じて前記廃液容器内で区分さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の廃液容器。
  7. 【請求項7】 前記不連続部は前記吸収体が切り欠かれ
    ていることを特徴とする請求項2または3に記載の廃液
    容器。
  8. 【請求項8】 前記不連続部は仕切壁によって分断され
    ていることを特徴とする請求項2または3に記載の廃液
    容器。
  9. 【請求項9】 前記吸収体は多孔質体であることを特徴
    とする請求項1に記載の廃液容器。
  10. 【請求項10】 前記吸収体は繊維材によって構成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の廃液容器。
  11. 【請求項11】 前記繊維材は一方向に繊維を揃えて構
    成されていることを特徴とする請求項8に記載の廃液容
    器。
  12. 【請求項12】 前記繊維材はフェルトであることを特
    徴とする請求項8に記載の廃液容器。
  13. 【請求項13】 前記第1回収部と前記第2回収部とは
    前記吸収体の形状に沿った距離に関して最も離間した領
    域に配されていることを特徴とする請求項1に記載の廃
    液容器。
  14. 【請求項14】 前記第1回収部と第2回収部とを仮想
    直線で連結した距離lと、前記不連続部を回避し吸収体
    を経由して前記第1回収部と第2回収部とを連結した最
    短距離Lと、の関係が、 3l<L を満足することを特徴とする請求項1に記載の廃液容
    器。
  15. 【請求項15】 前記連結した領域は、前記インクを回
    収する領域の幅もしくは前記処理液を回収する領域の幅
    のうち広い方の幅に対して2倍以内の範囲にあることを
    特徴とする請求項1に記載の廃液容器。
  16. 【請求項16】 インクジェットヘッドによって記録画
    像を形成する際に用いられる液体であって、 記録画像の形成に利用されなかった廃液を回収する廃液
    回収部を備えたインクジェット記録装置において、 前記液体は着色成分を含んだインクと、前記インクを不
    溶化または凝集させる処理液と、 を含み、 前記廃液回収部は、前記液体を回収するための吸収体を
    有するとともに、前記インクを回収するための第1回収
    部と、前記処理液を回収するための第2回収部と、をそ
    れぞれ異なる位置に備えていることを特徴とするインク
    ジェットプリント装置。
  17. 【請求項17】 前記廃液回収部は、前記インクジェッ
    ト記録装置に固定的に備えられ、前記吸収体が交換可能
    に構成されていることを特徴とする請求項16に記載の
    インクジェットプリント装置。
  18. 【請求項18】 前記廃液回収部は、前記吸収体を収納
    した廃液容器として構成され、前記インクジェット記録
    装置に対して交換可能に構成されていることを特徴とす
    る請求項16に記載のインクジェットプリント装置。
  19. 【請求項19】 前記インク回収部と処理液回収部と
    は、想定される廃液量の比に応じて前記廃液容器内で区
    分されていることを特徴とする請求項16に記載のイン
    クジェットプリント装置。
  20. 【請求項20】 前記吸収体は、前記第1回収部と前記
    第2回収部とを結ぶ仮想線を横切る不連続部を有し一部
    で連結した領域を有していることを特徴とする請求項1
    6に記載のインクジェットプリント装置。
  21. 【請求項21】 前記吸収体は、前記第1回収部と前記
    第2回収部とを結ぶ仮想線を横切る不連続部を有し2個
    所で連結した領域を有していることを特徴とする請求項
    16に記載のインクジェットプリント装置。
  22. 【請求項22】 前記連結した領域は、狭窄された領域
    として構成されていることを特徴とする請求項20また
    は21に記載のインクジェットプリント装置。
  23. 【請求項23】 前記連結した領域は、前記廃液容器の
    側壁に沿っていることを特徴とする請求項20または2
    1に記載のインクジェットプリント装置。
  24. 【請求項24】 前記不連続部は前記吸収体が切り欠か
    れていることを特徴とする請求項20または21に記載
    のインクジェットプリント装置。
  25. 【請求項25】 前記不連続部は仕切壁によって分断さ
    れていることを特徴とする請求項20または21に記載
    のインクジェットプリント装置。
  26. 【請求項26】 前記吸収体は多孔質体であることを特
    徴とする請求項16に記載のインクジェットプリント装
    置。
  27. 【請求項27】 前記吸収体は繊維材によって構成され
    ていることを特徴とする請求項16に記載のインクジェ
    ットプリント装置。
  28. 【請求項28】 前記繊維材は一方向に繊維を揃えて構
    成されていることを特徴とする請求項27に記載のイン
    クジェットプリント装置。
  29. 【請求項29】 前記繊維材はフェルトであることを特
    徴とする請求項27に記載のインクジェットプリント装
    置。
  30. 【請求項30】 前記第1回収部と前記第2回収部とは
    前記吸収体の形状に沿った距離に関して最も離間した領
    域に配されていることを特徴とする請求項16に記載の
    インクジェットプリント装置。
  31. 【請求項31】 前記第1回収部と第2回収部とを仮想
    直線で連結した距離lと、前記不連続部を回避し吸収体
    を経由して前記第1回収部と第2回収部とを連結した最
    短距離Lと、の関係が、 3l<L を満足することを特徴とする請求項16に記載のインク
    ジェットプリント装置。
  32. 【請求項32】 前記連結した領域は、前記インクを回
    収する領域の幅もしくは前記処理液を回収する領域の幅
    のうち広い方の幅に対して2倍以内の範囲にあることを
    特徴とする請求項16に記載のインクジェットプリント
    装置。
  33. 【請求項33】 インクおよび該インクを不溶化または
    凝集させるプリント性向上液をそれぞれ吐出するヘッド
    を用いて、プリント媒体にプリントを行うインクジェッ
    トプリント装置であって、 インクおよびプリント性向上液を別個に補集する補集手
    段と、 該補集手段が補集したインクおよびプリント性向上液を
    吸収することによって保持する吸収体であって、該吸収
    体の異なる部位に、前記補集したインクおよびプリント
    性向上液を導入する部位を有した吸収体と、 を具えたことを特徴とするインクジェットプリント装
    置。
  34. 【請求項34】 前記吸収体の導入する部位は、当該吸
    収体の形状に沿った距離に関して最も離れた部位である
    ことを特徴とする請求項33に記載のインクジェットプ
    リント装置。
  35. 【請求項35】 前記インクおよびプリント性向上液を
    吐出するヘッドは、それぞれ熱エネルギーを利用してイ
    ンクおよびプリント性向上液に気泡を生じさせ、該気泡
    の圧力によってそれぞれインクおよびプリント性向上液
    を吐出することを特徴とする請求項33または34に記
    載のインクジェットプリント装置。
  36. 【請求項36】 インクおよび該インクを不溶化または
    凝集させるプリント性向上液をそれぞれ吐出するヘッド
    を用いて、プリント媒体にプリントを行うインクジェッ
    トプリント装置に配設される廃液回収ユニットにおい
    て、 インクおよびプリント性向上液を別個に補集する補集手
    段と、 前記補集手段が補集したインクおよびプリント性向上液
    を吸収することによって保持する吸収体であって、該吸
    収体の異なる部位に、前記補集したインクおよびプリン
    ト性向上液を導入する部位を有した吸収体と、 を具えたことを特徴とする廃液回収ユニット。
  37. 【請求項37】 前記吸収体の導入する部位は、当該吸
    収体の形状に沿った距離に関して最も離れた部位である
    ことを特徴とする請求項36に記載の廃液回収ユニッ
    ト。
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