JPH10278201A - 合成樹脂シート - Google Patents

合成樹脂シート

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JPH10278201A
JPH10278201A JP9086573A JP8657397A JPH10278201A JP H10278201 A JPH10278201 A JP H10278201A JP 9086573 A JP9086573 A JP 9086573A JP 8657397 A JP8657397 A JP 8657397A JP H10278201 A JPH10278201 A JP H10278201A
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JP
Japan
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synthetic resin
outer layer
resin sheet
core material
multilayer
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Application number
JP9086573A
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English (en)
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Takeshi Kon
健 近
Takashi Fukushima
孝 福島
Mikio Maruyama
幹男 丸山
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TOSHIN SANGYO KK
Diatex Co Ltd
Original Assignee
TOSHIN SANGYO KK
Diatex Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温での熱シールが可能であり、しかも、シ
ール強度が高く、他の基材と重合した複合シートの作製
が容易な合成樹脂シートの提供。 【解決手段】 熱可塑性合成樹脂の延伸物を芯材1と
し、且つ該芯材1の表面へ更に合成樹脂の外層2を被着
してなる複層ヤーン3を縦横に配し、該複層ヤーン3同
志の交差部4を融着してなる合成樹脂シートにおいて、
エチレン70〜99重量%と炭素数が3〜12のα−オ
レフィン30〜1重量%とを共重合して得た密度が0.
880〜0.920g/立方センチメートル、MFRが
0.1〜20g/10分、数平均分子量Mnに対する重
量平均分子量Mwの比(Mw/Mn)が3以下のエチレ
ン・α−オレフィン共重合体樹脂を、前記外層2の主成
分とする複層ヤーン3を、縦横の少なくとも一方に配し
た合成樹脂シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野菜や果樹などの
ベタ掛け、トンネルハウス、農業用ハウスなどに覆設す
る農業用被覆資材、或いは、大根、じゃがいも、たまね
ぎ、ピーマンなどの包装資材、或いは、不織布や通気性
を有するフイルム等の基材と重合してなるハウスラッピ
ング材、ルーフィング材などの建築用資材、或いは、塗
装時のペンキ飛散防止ネットや屋外現場工事用防砂、防
塵、防風用ネットなどの土木建築用資材、更には、台所
や流し台などの水切り用ストレーナー等の資材として多
目的に用いることができる合成樹脂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】芯材に高密度ポリエチレンを用い外層と
して分岐状低密度ポリエチレンが被着された複層ヤーン
を、縦横に配し、且つ該複層ヤーン同志の交差部を融着
してなるシートは、今日、多岐の分野にわたって開発が
進められ、活用されている。例えば、野菜や果樹などの
ベタ掛け、トンネルハウス、農業用ハウスなどに覆設す
る農業用被覆資材、或いは、ペンキ飛散防止ネットや屋
外現場工事用防砂、防塵、防風用ネット等の建築用資材
であって、なかでも広幅、大型の資材にあっては、シー
ト端縁部同志を熱シール(幅つなぎ)して実用に供して
いるのが実情であり、農産物の包装資材、或いは、水切
り用ストレーナーを形成する際には、シートを適当な形
に裁断し、熱シールにて製袋加工するのが一般的であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
如く幅つなぎを施した大型のシートは、強風等でシール
部が剥離するという問題があり、比較的重量のある大
根、ジャガイモ、タマネギ等の農産物を包装する比較的
大型の袋などにあっても、農産物の充填作業、包装され
た農産物をそのままの状態で洗浄する作業、輸送・荷扱
い作業等においてシール部が剥離することが少なくない
といった問題がある。殊に加工速度を向上させて生産性
を高めるべく比較的高い温度でシートの熱シールを行っ
た加工品にあっては、シール部及びシール近傍に存在す
る複層ヤーンの強度が低下し、その部分でシートが破断
し易くなる他、例えば、台所や流し台などの水切り用ス
トレーナーにおいては、製袋加工時のシール強度を確保
すべく比較的高い温度で熱シールを施すことによって、
シール部近傍が収縮し寸法安定性が低下するという問題
も生じる。その他、特に農業用被覆資材や建築用資材に
おいては、ある種の突起部とシートの一部とが接触した
場合、その接触により、融着された縦糸と横糸の交差部
で、芯材と外層樹脂間の剥離や外層樹脂の破壊が生じ、
大きな穴や破れ発生の原因ともなった。
【0004】一方、不織布や通気性を有するフイルム等
の基材と重合してなるハウスラッピング材、ルーフィン
グ材などの建築用資材として用いられる複合シートにお
いては、基材との接着性、基材の補強性及び資材の張り
付け作業性の点で満足したものが得られていないのが現
状であり、従来の合成樹脂シートでは、例えば、通気性
を有するポリエチレン系フイルムとの重合に際して比較
的高い温度が要求されるので、低温での熱ラミ加工が困
難であり、フイルムの収縮に伴う外観不良の発生が余儀
なくされる。
【0005】本発明は、上記実情に鑑みて成されたもの
であって、低温での熱シールが可能であり、しかも、シ
ール強度が高く、他の基材と重合した複合シートの作製
が容易な合成樹脂シートの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明は、熱可塑性合成樹脂の延伸物を芯材
とし、且つ該芯材の表面へ更に合成樹脂の外層を被着し
てなる複層ヤーンを縦横に配し、該複層ヤーン同志の交
差部を融着してなる合成樹脂シートにおいて、エチレン
70〜99重量%と炭素数が3〜12のα−オレフィン
30〜1重量%とを共重合して得た密度が0.880〜
0.920g/立方センチメートル、MFRが0.1〜
20g/10分、GPC(ゲルパーミェーションクロマ
トグラフィー)法で測定された数平均分子量Mnに対す
る重量平均分子量Mwの比(Mw/Mn)が3以下のエ
チレン・α−オレフィン共重合体樹脂を、前記外層の主
成分とする複層ヤーンを、縦横の少なくとも一方に配し
たことを特徴とする。縦横に配した該複層ヤーンを相互
に離隔し通気孔を形成しても良い。更に、前記合成樹脂
シートを重合した複層構造としても良い。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明による合成樹脂シー
トを具体例を挙げて詳細に説明する。図1乃至図2は、
本発明による合成樹脂シートの実施の態様例を示すもの
で、熱可塑性合成樹脂の延伸テープを芯材1とし且つ該
芯材1の両面へ更に合成樹脂の外層2を被着してなる複
層ヤーン3たる複層フラットヤーン3を縦横に配し、該
複層フラットヤーン3同志の交差部4を融着して成るも
のである。
【0008】前記外層2は、エチレン・α−オレフィン
共重合体樹脂を主成分とするものである。該エチレン・
α−オレフィン共重合体樹脂としては、エチレン70〜
99重量%と炭素数が3〜12のα−オレフィン30〜
1重量%とを共重合し、密度(JIS K7112、A
法)が0.880〜0.920g/立方センチメート
ル、熱シール強度及び低温熱シール性の点で好ましくは
0.885〜0.917g/立方センチメートル、メル
トフローレート(JIS K7210)が0.1〜20
g/10分、GPC法で測定された数平均分子量Mnに
対する重量平均分子量Mwの比(Mw/Mn)が3以
下、示差走査熱量測定法(DSC)によって得られる融
解ピークが熱シール強度の点で、複数個示すものより1
山を示すものが好ましい。
【0009】例えば、共重合体の密度が上記範囲未満で
は、複層フラットヤーン3のベタつきにより製織加工性
が悪くなり、密度が上記範囲を越えると、シートの熱シ
ール開始温度が高くなり、芯材1たる延伸テープの強度
を劣化させ、ひいてはシート自体の強度を低下せしめる
結果となる他、シール加工の効率が悪い為に生産性及び
コストの面で不利となる。また、メルトフローレートが
上記範囲未満では、複層フラットヤーン製造工程の加工
性が悪化し、逆に上記範囲を越え、或いはMw/Mnが
3を越えた場合には、熱シール強度が悪く成る。
【0010】このエチレン・α−オレフィン共重合体樹
脂は、高圧イオン重合、気相重合、溶液重合法により製
造されるが、特に、メタロセン化合物とアルミノオキサ
ンとを併用した触媒(特開昭61−130314号、同
60−35006号、同58−19309号、同60−
35008号、特開平5−239232号公報)、ある
いはメタロセン化合物と、これと反応して安定なアニオ
ンを形成する化合物を併用した触媒(EP−A−27
7,004号、国際公開公報W092/01723号)
を用い、圧力200〜3,000kg/平方センチメー
トル、温度125〜250℃、で高圧イオン重合して得
られるものがよい。
【0011】エチレンと共重合される炭素数が3〜12
のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1
−ヘプテン、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキ
セン−1、4,4−ジメチルペンテン−1、オクタデセ
ン等が挙げられる。なかでも1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−ヘプテン、4−メチルペンテン−1が好まし
い。
【0012】外層2は、縦横に配した前記複層フラット
ヤーン3相互の交差部を融着固定するシーラント材とし
て、或いは、その様に加工されて成るシート同志を重合
する際やシートと他の素材とを重合する際のシーラント
材としての役割をも担うものであり、その外層2に上記
材料を用いることによって低温による熱シールが可能と
なり、しかも出来上がったシートは、シール部及びその
近傍においても剥離強度及び破断強度に優れたものとな
る。
【0013】尚、上記材料の組成に関する事項は、それ
ぞれの役割に適した条件の一部を示したものであり、必
要とされる物性を損なわない程度に、例えば、分岐状低
密度ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂を混合し
て用いてもよい。又、外層2に用いる樹脂としては、表
裏ともに同じ特性を有する材料を採用しなくてもよく、
例えば、密度、メルトフローレート、後述する添加助剤
の種類や配合量などが、目的に応じ異なっていてもよ
い。
【0014】一方、芯材1となる熱可塑性樹脂は、中密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ナイロン6、ナイロン6・6、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートなどから選択す
れば良いが、加工性とコスト及び強度の面では高密度ポ
リエチレン、ポリプロピレンが望ましい。該高密度ポリ
エチレンとしては、エチレンの単独重合体、或いは、プ
ロピレンやブテンを例とするα−オレフィンとエチレン
との共重合体、又はそれらの混合物が挙げられ、密度
(JIS K7112、以下省略):約0.940〜
0.960g/立方センチメートル、融点(DSC法に
よる融解終了温度、以下省略):約130〜140℃、
メルトフローレート(JIS K7210、以下省
略):0.3〜2.0g/10分間の条件を満たすもの
を選択する。又、芯材1の主成分としてポリプロピレン
を選択する場合には、プロピレンの単独重合体、或い
は、エチレンを例とするα−オレフィンとプロピレンと
のブロック共重合体、又はそれらの混合物が挙げられ、
密度:約0.890〜0.908g/立方センチメート
ル、融点:約155〜170℃、メルトフローレート:
0.3〜10g/10分間の条件を満たすものを選択す
る。
【0015】芯材1と外層2に用いる樹脂の界面におけ
る接着力は、芯材1の主材たる高密度ポリエチレン或い
は融点の高いポリプロピレンへ、複層フラットヤーン3
の外層2に用いる前記エチレン・α−オレフィン共重合
体樹脂を例えば5〜30重量%程度配合することにより
大幅に高いものとなる。又、融点の高いポリプロピレン
を芯材1に用いることによって、本発明によるシートを
比較的高いシール温度でシール加工しても、熱収縮等に
よる寸法変化が生じないようにすることができる。
【0016】又、剛軟性を制御するには、芯材1に、外
層2に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂以
外に分岐状低密度ポリエチレン、プロピレン・エチレン
ランダム共重合体や前記記載以外の樹脂を、熱シール性
を損なわない範囲で単体または複数配合すれば良い。
【0017】前記素材には、必要に応じて下記成分を本
発明の効果を著しく損なわない範囲で配合することがで
きる。付加し得る成分としては、例えば、酸化防止剤、
熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、防曇剤、保温剤、
抗菌剤、防黴剤、滑剤、アンチブロッキング剤、充填
剤、分散剤、着色剤、難燃剤、導電性付与剤、結晶核
剤、架橋剤、架橋助剤等を挙げられ、これらを適宜組み
合わせて、芯材1や外層2の材料組成物又はフラットヤ
ーンを製造するいずれかの工程で配合すれば良い。尚、
上記素材を配合した材料は、従来の公知の二軸スクリュ
ー押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキシングロ
ール等の混練装置を用いて溶融混練して作成しても良い
し、高濃度のいわゆるマスターバッチを作製し、これを
希釈して使用しても良い。
【0018】上記素材を用い複層フィルムの形成工程及
び裁断工程を経る従来手段を以て、50〜2000デニ
ール、糸幅が0.3〜8mm、肉厚が10〜100μ
m、肉厚構成比が外層:芯材:外層=5:90:5〜2
5:50:25の複層フラットヤーンを形成する。外層
2の厚みは、芯材1である延伸テープの表裏で異なって
いても良く、時には芯材1や外層2を各々複層構造とし
ても良い。また、本発明のシートの剛軟性や滑り性を微
妙に制御すべく、複層フラットヤーン3の引取り方向に
筋状等の微細な凹凸やスプリット加工を施しても良い。
尚、前記複層フイルムを形成する手段には、予め芯材1
となるフイルム及び外層2となるフイルムを形成し、ド
ライラミネート法や熱ラミネート法を用いて複層化する
手段や、予め形成した芯材1となるフイルムに外層2を
押出ラミネートする方法や多層共押出法により積層フイ
ルムとして押出成形する手段などの公知の手段から適宜
選択し用いればよいが、成形の容易さやコスト面並び
に、製品の各層間の接着性および光透過性の点では、多
層共押出法が優れている。
【0019】本発明の合成樹脂シートは、前記の如く形
成された複層フラットヤーンを、縦横約4〜40本/イ
ンチ幅で打ち込み、平織や綾織等が施された織布として
形成されるのが一般的であるが、例えば、断面が円形或
いは楕円形を呈する前記組成の芯材1に、前記組成の外
層2を被着した複層ヤーンを用いても良く、これら複層
ヤーンを縦横や縦・横・斜めに引き揃えて積層してなる
不織布やスプリット加工を施した幅広のウェブを拡幅し
積層し、且つ縦糸と横糸の交差部4が接着されてなる割
繊維不織布として形成しても良い。その際、縦糸と横糸
は、図5乃至図6の様に相互に直交しているのが望まし
く、それによって該シートの収束性が高まる。また、縦
又は横の一方向への収束性を高めるために、縦又は横の
複層ヤーンのデニールや肉厚、打込み本数を異ならせる
場合もあるし、シートの強度や剛軟性を制御するため
に、縦横少なくとも一方向に単層ヤーンや、記述のもの
と素材が異なるヤーンを、縦糸と横糸の交差部4の熱融
着性やシートと他の基材との接着性を損ねない範囲で打
込む場合もある。更に、遮熱・遮光性・美観等を付与す
べく、芯材1又は外層2の少なくとも一方に、黒色や銀
色等に着色された複層ヤーンを用いたり、シートに適当
な印刷などを施しても良い。
【0020】以下、本発明による合成樹脂シートの特性
に関する幾つかの実験結果を示す。表1は材料組成の異
なる(組成1〜12)幾つかのフラットヤーン(サンプ
ル1〜12)について、同じフラットヤーン同志の熱シ
ール強度、引張強度、引張伸度、引張弾性率を示したも
のである。この測定に用いたフラットヤーンは、外層2
の材料にアンチブロッキング剤としてタルクを、スリッ
プ剤としてエルシン酸アミドを適量配合し、芯材1の材
料と共に、材料温度を約230℃に設定し且つ三層丸型
ダイを用いて行った押出工程と、オーブン延伸法により
約110℃下で引取方向へ7倍に延伸する工程と、弛緩
率5%での弛緩熱処理を経て、肉厚構成比が外層:芯
材:外層=15:70:15の繊度:1200デニー
ル、糸幅:6mmの三層フラットヤーンとしたものであ
る(各サンプル1〜12における外層2及び芯材1に用
いた材料の組成1〜12は表2を参照)。
【0021】尚、熱シール強度は、同じフラットヤーン
同志を双方の両側縁が揃うように重ね合わせ、熱板シー
ラーにより、一定の圧力で3秒間10mmに亘る熱シー
ルを施し、引張速度:300mm/分、T型ピールにて
熱シール強度を測定し、全測定値のうち高い方から3
点、低い方から3点を抜粋し、それらの平均値を示した
ものである。熱シール温度は100〜140℃の範囲か
ら5点を選択してある。又、引張強度及び引張伸度、引
張弾性率は、JIS L−1070によって測定したも
のである。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表1より、芯材1の素材として高密度ポリ
エチレン(HDPE)を用いたものとポリプロピレン
(PP)を用いたものとでは、上記特性においてそれぞ
れ各素材特有の傾向がみられている。一般的には、熱シ
ール強度と引張伸度の点では高密度ポリエチレンが勝
り、引張強度と引張弾性率の点ではポリプロピレンが勝
っている。これら特性上の相違点は、本発明による合成
樹脂シートを各分野へ適用させる際に考慮すべきもので
あり、例えば、ハウスラッピング材などの分野において
は、芯材1にポリプロピレンを採用することにより、張
り付け作業性に優れているという優位な特徴を持たせる
ことができる。外層2の組成の違いによる特性の差異を
見ると、引張強度、引張伸度、引張弾性率の点で実用不
可能なサンプルは見受けられないが、熱シール強度の点
では、組成9から組成12のサンプル9〜12で実用に
十分な熱シール強度を得るについては、比較的高温での
熱シールが必要となることが解る。熱シール温度は、外
層2の材料密度に依存しているということも見て取れ
る。
【0025】前記製造方法により得られた複層フラット
ヤーンを、スルザー型織機を用いて平織とした後、13
5℃に設定された熱ロールを接触させ縦横に配したフラ
ットヤーンの交差部を熱融着することによって形成した
合成樹脂シートに関する各種データを表3乃至表5に示
す。
【0026】表3は、繊度:350デニール、糸幅:
1.1mmに設定したこと以外は、前記表1に示すサン
プルと同じ方法で且つ同じ素材(組成1〜12)で形成
した複数種の複層フラットヤーンを用い、打込本数:縦
糸8本/インチ、横糸8本/インチで組織した合成樹脂
シート(シート1〜12)についての、クロス目強度、
熱シール強度、引張強度、引張伸度を示したものであ
る。
【0027】クロス目強度は、先端が鉤状に加工された
直径が1.5mmφの鋼鉄製の固定治具を、各シートに
おける目周縁の複層フラットヤーンに引っ掛け固定し、
シートの他端を引張試験機にて引っ張り、縦糸と横糸が
融着された交差部が破壊する時の引張り力をgfで表
し、縦方向引張強度及び引張伸度はJIS L−109
6によって測定した。又、熱シール強度は、同じシート
を2枚重ね合わせ、クインライト工業(株)製エンドレ
ス式熱溶着機(LHP−W603型)を用い、シール温
度:140℃、シール幅:20mm、シール速度:15
m/分で熱シールし、得られた複層シートを引張試験機
を用い、引張速度:300mm/分、T型ピールにて熱
シール部の熱シール強度を測定し、全測定値のうち高い
方から3点、低い方から3点を抜粋し、それらの平均値
を示したものである。
【0028】
【表3】
【0029】表3では、芯材1の素材の相違による引張
強度及び引張伸度の差は、シート化したことにより小さ
い数字となっているが、やはり異なっており、クロス目
強度においては、大きな差異が見られる。外層の組成の
違いによる熱シール強度の差は、特にMw/Mnの違い
によって大きく現れており、表3では2.2と3.8の
間が臨界とみられる。尚、組成1のサンプル1は製織性
不良の為、得ることができなかった。
【0030】表4は、前記合成樹脂シート(シート2〜
5、7〜10)と、厚さ:30μmのポリエチレン系樹
脂製通気性フイルム6とを図3の如く重ね合わせ、その
表面に125℃に設定された加熱ロールをあてて熱ラミ
ネートを施して成る複合シート(複合シート1〜8)に
ついての、シート(シート2〜5、7〜10)と前記ポ
リエチレン系樹脂製通気性フィルム6間の剥離強度を、
表3の熱シール強度を測定した際と同様の方法で測定
し、熱シール強度として示したものである。尚、該複合
シート(複合シート1〜8)には、引張試験機にて剥離
試験可能なように、部分的に熱シールされていない摘み
部分が設けられている。
【0031】
【表4】
【0032】この剥離試験においては、複合シート6と
複合シート7の間、即ち、外層2の組成8と組成9との
違いによるはっきりした差違いがみられ、Mw/Mn:
2.2と3.8の間で大きな特性の差が出ると考えられ
る。
【0033】表5は、繊度:395デニール、糸幅:
1.8mmに設定したこと以外は、前記表1に示すサン
プルと同じ方法で且つ同じ素材(組成2,3,5,7〜
10)で形成した複数種の複層フラットヤーンを用い、
打込本数:縦糸8.2本/インチ、横糸8.2本/イン
チで組織した合成樹脂シートで袋(袋1〜7)を形成す
る際の、最高製袋速度の測定と、肉眼観察によるシール
部の外観評価の結果を示したものである。最高製袋速度
は、該シートを西部機械(株)製 高速自動製袋機 H
SP−350−C型を用いてシール温度140℃で合掌
ガセット袋(幅:18cm、長さ:27cm)を製造
し、それぞれの袋についてT型ピール強度の最高値が
0.8kg/15mm幅以上となる最短の製袋時間を測
定した。この試みにおいても、組成8の袋5と組成9の
袋6との間ではっきりした違いがみられる。
【0034】
【表5】
【0035】以上の試験結果より、熱シール強度と引張
伸度の点では高密度ポリエチレンが勝り、引張強度と引
張弾性率の点ではポリプロピレンが勝っているという実
態はあるものの、前記実験に用いた組成のうちで熱シー
ル強度を大きく左右する事項は、Mw/Mnであろうと
いうことが推測される。又、外層2の素材の密度は、特
に製織加工性を大きく左右し、熱シール時の温度にも影
響を与えるということが解る。
【0036】
【発明の効果】以上の如く本発明による合成樹脂シート
を使用すれば、130℃程度の比較的低温で熱シールが
でき、且つシート面同志の熱シール強度も比較的高くす
ることができ、引張強度、引張伸度、引張弾性率では従
来の製品に匹敵する特性を持つ。その結果、シール加工
効率が高まり、良質な外観を持つシート製品を安価で提
供できることとなる。しかも、従来のシートと同様に、
用途に応じた機能を付与すべく種々の添加剤を混合する
こともでき、又、複層ヤーンの選択並びにその配列、間
隔の設定も比較的自由であるから、通気性、通水性、遮
光性、遮熱性を有するシートも製造でき、さらに、他の
基材と低温で重合することができるので図3や図4に示
す複合シートの作製も極めて容易で、しかも剥離し難い
という特性も合わせ持つ。したがって、本発明による合
成樹脂シートは、上記特性が相俟って農業用被覆資材、
土木・建築用資材、農産物等包装資材等の広い分野で高
い実用効果を奏することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による合成樹脂シートの一例を示す断面
図である。
【図2】本発明による合成樹脂シートの一例を示す断面
図である。
【図3】本発明による合成樹脂シートの応用例を示す断
面図である。
【図4】本発明による合成樹脂シートの応用例を示す断
面図である。
【図5】本発明による合成樹脂シートの一例を示す平面
図である。
【図6】本発明による合成樹脂シートの一例を示す平面
図である。
【符号の説明】
1 芯材 2 外層 3 複層ヤーン 4 交差部 5 通気孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 幹男 富山県黒部市沓掛2000番地 ダイヤテック ス株式会社黒部工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性合成樹脂の延伸物を芯材(1)
    とし、且つ該芯材(1)の表面へ更に合成樹脂の外層
    (2)を被着してなる複層ヤーン(3)を縦横に配し、
    該複層ヤーン(3)同志の交差部(4)を融着してなる
    合成樹脂シートにおいて、 エチレン70〜99重量%と炭素数が3〜12のα−オ
    レフィン30〜1重量%とを共重合して得た密度が0.
    880〜0.920g/立方センチメートル、MFRが
    0.1〜20g/10分、数平均分子量Mnに対する重
    量平均分子量Mwの比(Mw/Mn)が3以下のエチレ
    ン・α−オレフィン共重合体樹脂を、前記外層(2)の
    主成分とする複層ヤーン(3)を、縦横の少なくとも一
    方に配したことを特徴とする合成樹脂シート。
  2. 【請求項2】 縦横に配した複層ヤーン(3)を相互に
    離隔し通気孔(5)を形成したことを特徴とする請求項
    1記載の合成樹脂シート。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は2記載の合成樹脂シー
    トを重合した複層構造の合成樹脂シート。
JP9086573A 1997-04-04 1997-04-04 合成樹脂シート Pending JPH10278201A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101146828B1 (ko) 2010-02-02 2012-05-21 주식회사 에스엠티네트웍스 인장강도가 우수한 농업용 무적성 필름 및 그 제조방법

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