JPH10277972A - マニプレータ装置 - Google Patents

マニプレータ装置

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JPH10277972A
JPH10277972A JP8544597A JP8544597A JPH10277972A JP H10277972 A JPH10277972 A JP H10277972A JP 8544597 A JP8544597 A JP 8544597A JP 8544597 A JP8544597 A JP 8544597A JP H10277972 A JPH10277972 A JP H10277972A
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Akio Hashimoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、異なる第1および第2の雰囲気状
態の一方の雰囲気状態で駆動腕によって作業を行なう際
に、その雰囲気状態中に塵が飛散するのを防止すること
ができるようにして、作業の対象となる部品の品質およ
び歩留りが低下するのを防止することができるマニプレ
ータ装置を提供するものである。 【解決手段】 駆動軸67と第2アーム62の連結部分およ
び駆動軸60と第1アーム49の連結部分を真空ダストシー
ル71、72によって密閉するとともに、駆動軸46と中空支
持部材41を真空シール74、75によって密閉し、第2アー
ム62、駆動軸60、第1アーム49および中空支持部材41を
貫通孔77、76、49a、60a、62aによって連通し、貫通
孔77、76、49a、60a、62aの圧力を真空チャンバー内
の圧力に対して所定範囲内の圧力に設定される第3の雰
囲気状態になるように調整する配管および真空ポンプを
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、半導体基
板やLCD基板等を移送することができるマニプレータ
装置に関し、詳しくは、異なる雰囲気状態に設置された
駆動部と駆動腕を有するマニプレータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、半導体の高性能化、高密度化、高
集積化は目覚しいものがあるが、その一方で他の工業製
品に比較して歩留りも低く、その不良の発生原因として
は塵によるものが殆どである。この不良原因となる塵
は、半導体の微細な絶縁層の幅より大きな粒径のものが
殆どであるため、絶縁層の幅より大きな粒径の塵を無く
すための努力が続いているが、この塵が相変らず最大の
不良発生原因となっている。
【0003】また、半導体の市場ニーズは高性能化、高
密度化、高集積化の要求が益々高まっており、その市場
ニーズに対応するために絶縁層の幅の微細化は益々高い
ものが要求されている。したがって、製品不良の原因と
なる塵の粒径もより一層微細化し、その数は指数関数的
に増大し、不良原因に占める割合は益々増えている。こ
のような半導体は、真空チャンバー内において真空下で
公知のプロセスを経て製造されるのが一般的であり、こ
の真空チャンバー内でマニプレータ装置等の移送装置で
保持されることにより、製造プロセス位置に搬送されて
この位置で製造作業が行なわれている。
【0004】ここで、従来のこの種のマニプレータ装置
の構造を図8に基づいて説明する。図8(a)におい
て、1、2は関節3を支点として揺動可能な一対のリン
クであり、このリンク1、2の関節3はモータ等の駆動
源に連結されている。このリンク1、2の先端部には関
節4、5を介してリンク6、7の基端部が取付けられて
おり、このリンク6、7の先端部には図示しない基板を
保持するハンド8が取付けられ、このリンク6、7の先
端部はベルト10に連続し、ハンド8を駆動する関節を構
成している。
【0005】また、リンク1、2の基端部には関節11、
12を介してリンク13、14の基端部が取付けられており、
このリンク13、14の先端部は図示しない基板を保持する
ハンド15が取付けられ、このリンク13、14の先端部はベ
ルト17に接続され、ハンド15を駆動する関節を構成して
いる。また、上述した各関節4、5、11、12、ハンド
8、15と各リンク6、7、13、14の連結部分は、図8
(b)に示すように、一方のリンクまたはハンドを構成
する部材Aに取付けられた軸部材Bが軸受Cを介して他
方のリンクまたはハンドを構成する部材Dに回転自在に
連結される構造になっている。
【0006】このマニプレータ装置は各リンク1、2、
6、7、13、14が真空チャンバー内に設けられており、
ハンド8、15で基板を保持してチャンバー内において無
塵状態でプロセス処理を行なう。ところで、このような
マニプレータ装置では、軸部材Bおよび軸受Cによって
連結された機械的接触運動を行なう部材Aと部材Dを有
する上に、この部材Aと部材Dの間に隙間が形成されて
いたため、この連結部の接触運動によって発生する摩耗
粉Xが矢印で示すように隙間を通して真空中に放出され
てしまい、半導体の製造不良の原因となってしまった。
【0007】そこで、このような不具合を解消するため
に、従来、図9に示すように駆動アーム内を密閉するよ
うにしたものがある。図9(a)(b)において、21は
真空シール22によって真空チャンバー外の大気と真空状
態の真空チャンバー内を隔離する隔壁であり、この隔壁
21からは大気圧下に設けられた図示しない第1の駆動モ
ータによって駆動される制御軸23aに取付けられた第1
アーム23が突出している。この第1アーム23には制御軸
24aに取付けられた第2アーム24が取付けられており、
この第2アーム24には制御軸25に取付けられたハンド26
が取付けられている。
【0008】また、第1アーム23の内部空間にはプーリ
27が設けられており、このプーリ27は大気圧下に設けら
れた図示しない第2の駆動モータの制御軸28によって駆
動されるようになっている。また、この制御軸28と制御
軸23aの間には真空シール29が介装されており、この真
空シール29によって第1アーム23内は大気に対して遮断
される。
【0009】また、プーリ27はベルト30によって制御軸
24aに接続されており、第2アーム24はベルト30および
制御軸24aを介して駆動される。また、制御軸24a内に
は第1アーム23に連結された制御軸31が設けられてお
り、この制御軸31は第2アーム25内に設けられたプーリ
32、ベルト33およびプーリ34を介して制御軸25に連結さ
れている。そして、第1アーム23が駆動されると、ハン
ド26は制御軸31、プーリ32、ベルト33およびプーリ34を
介して駆動されるようになっている。
【0010】また、制御軸25と第2アーム24の連結部お
よび制御軸24aと第2アーム25の連結部には磁性流体を
備えた真空ダストシール35、36が介装されており、第
1、2アーム23、24は磁性流体からなる真空ダストシー
ル35、36によって真空状態に対して密閉可能になってい
る。このマニプレータ装置には、第1、2アーム23、24
にそれぞれ形成された開口部23b、24bにフィルター3
7、38を設けることにより、第1、2アーム23、24内か
ら機械的接触によって発生する摩耗粉等の塵が飛散する
のを防止するようになっている。
【0011】さらに、第1、2アーム23、24内は大気圧
と完全に遮断されるため、このフィルター37、38を通し
て第1、2アーム23、24内とその周囲を気体呼吸用とし
て連通させることにより、第1、2アーム23、24内が大
気圧下から真空状態に減圧されるときに第1、2アーム
23、24内を周囲の気圧(真空圧)と同圧にして真空ダス
トシール35、36が破損するのを防止するようにしてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のマニプレータ装置にあっては、フィルター3
7、38によって第1、2アーム23、24から比較的大きな
塵が発生するのを防止することができるが、このフィル
ター37、38から矢印で示すように微小な塵Yが飛散する
のを防止することができず、防塵効果を十分に発揮する
ことができなかった。この結果、真空下で半導体を製造
する際等に半導体に塵が付着して歩留りが低下してい
た。
【0013】そこで本発明は、異なる第1および第2の
雰囲気状態の一方の雰囲気状態で駆動腕によって作業を
行なう際に、その雰囲気状態中に塵が飛散するのを防止
することができるようにして、作業の対象となる部品の
品質および歩留りが低下するのを防止することができる
マニプレータ装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するために、中空支持部材内に設けられ
た駆動部と、該中空支持部材から突出して設けられると
ともに前記駆動部によって駆動される少なくとも1つ以
上の運動軸を有し、作業の対象となる部品を保持して移
動する少なくとも1つ以上の駆動腕と、を備え、前記中
空支持部材が第1の雰囲気状態内に設置されるととも
に、前記駆動腕が前記第1の雰囲気状態と異なる第2の
雰囲気状態内に設置されるマニプレータ装置において、
前記駆動腕および運動軸に形成され、該駆動腕と運動軸
を連通する第1貫通孔と、前記中空支持部材に形成さ
れ、前記第1貫通孔に連通する第2貫通孔と、前記運動
軸と駆動腕の連結部に設けられ、第2の雰囲気状態と前
記第1貫通孔の連通を遮断して第1貫通孔を密閉する第
1密閉部材と、前記運動軸と中空支持部材の連結部に設
けられ、前記第2の雰囲気状態と第1の貫通孔の連通を
遮断して第1貫通孔と第2貫通孔を密閉する第2密閉部
材と、前記第2貫通孔に接続され、該第2貫通孔を介し
て第1貫通孔に連通することにより、第1貫通孔内の圧
力を第2の雰囲気状態の圧力に対して所定範囲内の圧力
に設定される第3の雰囲気状態になるように調整する圧
力調整手段と、を設けたことを特徴としている。
【0015】その場合、運動軸と駆動腕の連結部に設け
られた密閉部材によって駆動腕内を第2の雰囲気状態に
対して完全に遮断して密閉するとともに、駆動腕内を第
1貫通孔および第2貫通孔を通して圧力調整手段に連通
して第2の雰囲気状態の圧力に対して所定範囲内の圧力
に設定される第3の雰囲気状態にすることができるの
で、駆動腕と運動軸の機械的な接触によって発生した塵
が第2の雰囲気状態中に飛散するのを完全に防止するこ
とができる。
【0016】また、圧力調整手段によって駆動腕内の圧
力を第3の雰囲気状態になるように調整することができ
るため、駆動腕内を密閉状態にしても駆動腕内の圧力を
第3の雰囲気状態にすることができ、密閉部材が第1の
雰囲気状態との圧力差によって破損するのを防止するこ
とができる。この結果、異なる第1および第2の雰囲気
状態の一方の雰囲気状態で駆動腕によって作業を行なう
際に、その雰囲気状態中に塵が飛散するのを防止するこ
とができ、作業の対象となる部品の品質および歩留りが
低下するのを防止することができる。
【0017】請求項2記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項1記載の発明において、前記中空支持
部材内に、該中空支持部材内を前記第1および第3の雰
囲気状態に隔離するとともに駆動部の動力を運動軸に伝
達する動力導入隔壁を設け、該隔壁に対して第1の雰囲
気状態内に位置するように前記駆動部を配置するととも
に、前記第2貫通孔を第3の雰囲気状態に晒すように前
記中空支持部材の所定箇所に設けたことを特徴としてい
る。
【0018】その場合、動力入力隔壁によって中空支持
部材の内部が第1の雰囲気状態と第3の雰囲気状態に区
画されるため、中空支持部材の内部を第1の雰囲気状態
と第3の雰囲気状態に区画するためのシール部材を少な
くすることができる。請求項3記載の発明は、上記課題
を解決するために、請求項1または2記載の発明におい
て、前記第1の雰囲気状態が大気圧であるとともに、前
記第2の雰囲気状態が真空圧であることを特徴としてい
る。
【0019】その場合、真空下で製造される半導体基板
やLCD基板等に塵等が付着するのを防止することがで
き、半導体やLCD等の品質および歩留りを向上させる
ことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1〜3は本発明に係るマニプレー
タ装置の第1実施形態を示す図であり、真空下で半導体
を製造する装置に適用される例を示している。まず、構
成を説明する。図1、2において、40は第2の雰囲気を
構成する真空チャンバーと第1の雰囲気を構成する真空
チャンバー外(大気中)を区画する隔壁であり、この隔
壁40は大気側に配置された中空支持部材41と一体的に形
成されている。
【0021】また、中空支持部材41内にはブラケット42
が設けられており、このブラケット42には駆動部を構成
する制御モータ43が取付けられている。この制御モータ
43の出力軸の先端部には非円形拡径部(例えば楕円形)
44が取付けられており、この非円形拡径部44は可撓性の
軸受47を介して薄い金属からなる可撓性部材45の内周面
に接触している。
【0022】この可撓性部材45は一端部がブラケット42
に固定されるとともに、他端部の外周面に円周方向に亘
って外歯45aが形成され、この外歯45aは運動軸を構成
する中空状の駆動軸46の底部内周面に形成された内歯46
aに噛合可能になっており、この内歯46aは外歯45aよ
りも多い歯数を有している。そして、制御モータ43によ
り非円形拡径部44が回転すると、非円形拡径部44の長径
部分に押し広げられて可撓性の軸受47が撓み、その撓み
に応じて可撓性部材45が非円形拡径部44の回転に伴って
撓みながら外歯45aが駆動軸46の内歯46aに順次接触す
ることにより、駆動軸46が外歯45a、内歯46aの歯数差
に応じてゆっくり減速回転するようになっている。
【0023】この駆動軸46は軸受48を介して中空支持部
材41に回転自在に支持されているとともに、中空支持部
材41から真空チャンバー側に突出しており、駆動腕を構
成し、内部に貫通孔49aが形成された第1アーム49に一
体的に取付けられている。また、駆動軸46には駆動部を
構成する制御モータ50が取付けられており、この駆動モ
ータ50の出力軸には駆動軸46内に設けられたプーリ51が
取付けられている。このプーリ51はベルト52を介してプ
ーリ53に取付けられており、このプーリ53は非円形拡径
部(例えば、楕円形)54と一体的に形成されている。
【0024】この非円形拡径部54は可撓性の軸受55を介
して薄い金属からなる可撓性部材56の内周面の所定箇所
に接触している。この可撓性部材56は一端部が軸受57
a、57bを介して第1アーム49に回転自在に取付けられ
た回転軸56aに固定されるとともに、他端部の外周面に
円周方向に亘って外歯56bが形成され、この外歯56bは
駆動軸46の内周面に形成された内歯46bに噛合可能にな
っており、この外歯56bは内歯46bよりも多い歯数を有
している。
【0025】そして、制御モータ50によりベルト52を介
して非円形拡径部54が回転すると、非円形拡径部54の長
径部分に押し広げられて可撓性の軸受55が撓み、その撓
みに応じて可撓性部材56が非円形拡径部54の回転に伴っ
て撓みながら外歯56bが駆動軸46の内歯46bに順次接触
することにより、可撓性部材56が内歯46b、外歯56bの
歯数差に応じてゆっくり減速回転することにより、回転
軸56aを回転する。
【0026】また、回転軸56aにはプーリ58が取付けら
れており、このプーリ58はベルト59を介して運動軸を構
成する駆動軸60の外周部に連結されている。この駆動軸
60は軸受61a、61bを介して第1アーム49に回転自在に
設けられており、この駆動軸60は駆動腕を構成し、貫通
孔62aを有する第2アーム62に一体的に取付けられてい
る。
【0027】したがって、上述したように制御モータ50
によって回転軸56aが回転すると、プーリ58、ベルト5
9、駆動軸60を介して第2アーム62が揺動するようにな
っている。また、駆動軸60は貫通孔60aが形成されてお
り、この貫通孔60a内には第1アーム49に固定された固
定軸63が貫通している。この固定軸63には軸受64a、64
bを介して第2アーム62が揺動自在に取付けられている
とともに、外周部に取付けられたプーリ65がベルト66を
介してプーリ68に連結しており、このプーリ68は運動軸
を構成する駆動軸67に取付けられている。この駆動軸67
は軸受69a、69bを介して第2アーム62に回転自在に取
付けられており、この駆動軸67は図示しない半導体(部
品)を保持するハンド70に連結されている。
【0028】したがって、第1アーム49に対して第2ア
ーム62が揺動すると、ベルト66を介して駆動軸67が回転
することにより、ハンド70が第2アーム62の揺動位置に
拘らず、第2アーム62に対して常に同じ向きに位置す
る。一方、第1アーム49の貫通孔49aおよび第2アーム
62の貫通孔62aは貫通孔60aによって連通しているとと
もに、駆動軸67と第2アーム62の連結部分および駆動軸
60と第1アーム49の連結部分には公知の磁性流体を備え
た真空ダストシール(第1密閉部材)71、72が介装され
ている。このため、貫通孔49a、60aおよび62aは真空
ダストシール71、72によって真空チャンバー内との連通
が遮断され、密閉されている。
【0029】また、回転軸56aと駆動軸46の間には磁性
流体を備えた真空シール73が介装されているとともに、
中空支持部材41と駆動軸46の間には磁性流体を備えた真
空シール(第2密閉部材)74、75が介装されており、こ
れら各真空シール73〜75は真空チャンバー内と中空支持
部材41の連通を遮断して中空支持部材41内を密閉してい
る。
【0030】また、第1アーム49および中空支持部材41
には貫通孔76、77が形成されており、この貫通孔76、77
は貫通孔49aに連通している。また、貫通孔77には一端
部が図示しない真空ポンプに接続された図示しない配管
の他端部が連結されており、貫通孔77は真空ポンプによ
って真空吸引されるようになっている。したがって、貫
通孔76、49a、60aおよび62a全体が連通していること
から、貫通孔77が真空吸引されると、貫通孔49a、60
a、62a内は真空引きされるようになっている。
【0031】本実施形態は、貫通孔76、49a、60aおよ
び62aが第1貫通孔を形成するとともに、貫通孔77が第
2貫通孔を形成することにより、各貫通孔49a、60a、
62aが真空チャンバー内と遮断されて連通するようにな
っており、配管および真空ポンプにより真空引きされる
と、真空チャンバー内の圧力との差が少なくなるよう
に、または同圧になるように調整されるようになってい
る。
【0032】すなわち、本実施形態では、配管および真
空ポンプが圧力調整手段を構成しており、この圧力調整
手段は貫通孔49a、60a、62a内の圧力を第2の雰囲気
状態の圧力に対して所定範囲内の圧力に設定される第3
の雰囲気状態になるように調整している。なお、貫通孔
49a、60a、62a内を第3の雰囲気状態に調整するため
には、送風量が可変可能なポンプを使用したり、送風量
が一定の場合には配管に圧力調整弁を設ければ良い。
【0033】また、中空支持部材41と駆動軸46の間に真
空シール74、75を介装したため、貫通孔77と真空チャン
バー内の第2の雰囲気状態とが遮断されて、貫通孔49
a、60a、62aが第3の雰囲気状態に密閉される。ま
た、真空シールと真空ダストシールの相違点を簡単に説
明すると、真空ダストシールは磁性流体の粘度が低く、
シール両端面の圧力許容差が1気未満の箇所に使用さ
れ、真空シールは磁性流体の粘度が高く、シール両端面
の圧力許容差が1気圧以上の箇所に使用されるものであ
る。
【0034】次に、作用を説明する。半導体の製造プロ
セスには、複数枚の半導体基板を一括して処理するバッ
チ処理と1枚ずつ処理する枚葉処理があるが、何れの処
理にあっても真空下に減圧された真空チャンバー内で無
塵状態で製造プロセスを実行する必要がある。何れの処
理にあっても、真空チャンバー内でハンド70によって単
数またはユニット化された複数の半導体基板を保持して
移動する。
【0035】ここで、バッチ処理と枚葉処理について簡
単に説明する。バッチ処理では、半導体基板を大気中で
ハンド70で保持して、真空チャンバー内のプロセス処理
位置に移送し、真空チャンバー内を真空引きした後、半
導体の製造プロセスを行なう。この真空引きにはプロセ
スと同等の時間を要する。また、枚葉処理では、真空引
きの時間を節約するために真空環境中で半導体基板をプ
ロセス装置の所定位置に移送する必要があり、真空チャ
ンバーに連通した真空予備室に多数枚設置された半導体
基板をハンド70で1枚ずつプロセス装置の所定位置に移
送する。
【0036】本実施形態のマニプレータ装置では、製造
プロセスを実行する前に真空ポンプによって貫通孔77、
76を通して貫通孔49a、60aおよび62a内を真空チャン
バー内の気圧に近くなるように、または略同等になるよ
うに減圧して第3の雰囲気状態に設定した後、製造プロ
セスを実行する。また、真空チャンバー内でハンド70に
よって半導体基板を移送するとき、駆動軸67と第2アー
ム62の連結部分、駆動軸60と第1アーム49の連結部分、
駆動軸46と中空支持部材41の連結部分の機械的な接触に
よって微小な摩耗粉からなる塵が発生するが、この塵
は、何れも貫通孔77、76、49a、60a、62aによって画
成される第3の雰囲気状態内に飛散するだけであり、第
1アーム49および第2アーム62から真空チャンバー内に
飛散することがない。
【0037】すなわち、本実施形態では、駆動軸67と第
2アーム62の連結部分および駆動軸60と第1アーム49の
連結部分を真空ダストシール71、72によって密閉すると
ともに、駆動軸46と中空支持部材41を真空シール74、75
によって密閉し、第2アーム62、駆動軸60、第1アーム
49および中空支持部材41を貫通孔77、76、49a、60a、
62aによって連通し、さらに、貫通孔77、76、49a、60
a、62a内を第3の雰囲気状態になるように調整する配
管および真空ポンプを設けたため、上記各連結部分の機
械的な接触によって微小な摩耗粉からなる塵が第1アー
ム49および第2アーム62から真空チャンバー内に飛散す
るのを防止することができる上に、第1および第2アー
ム49、62内を密閉状態にしても第1および第2アーム4
9、62内を第3の雰囲気状態にすることができ、真空ダ
ストシール71、72が大気圧との圧力差によって破損する
のを防止することができる。
【0038】この結果、異なる第1および第2の雰囲気
状態の一方の雰囲気状態で第1アーム49および第2アー
ム62によって半導体の製造作業を行なう際に、その雰囲
気状態中に塵が飛散するのを防止することができ、半導
体の品質および歩留りが低下するのを防止することがで
きる。なお、本実施形態では、2つの駆動アーム49、62
を有するマニプレータ装置に適用しているが、駆動アー
ムの数は1つでも良く、また、図3に示すように、2つ
のハンド78a、78bを有する3つの駆動アーム79a〜79
cから構成しても良い。すなわち、本実施形態のマニプ
レータ装置は少なくとも1つ以上の駆動アームを有する
ものに適用することができる。
【0039】図4は本発明に係るマニプレータ装置の第
2実施形態を示す図であり、中空支持部材内に動力導入
隔壁を設けた例を示している。なお、本実施形態では、
第1アーム、第2アームの構成は第1実施形態と同様で
あり、中空支持部材内の構成が第1実施形態と異なるの
みであるため、その部分の説明を行なう。図4におい
て、81は第2の雰囲気を構成する真空チャンバーと第1
の雰囲気を構成する真空チャンバー外(大気中)を区画
する隔壁であり、この隔壁81は下方の大気側に配置され
た中空支持部材82と一体的に形成されている。
【0040】また、中空支持部材82の下端部にはステン
レス等の金属からなる可撓性部材(動力導入隔壁)83の
一端部側のフランジ部83aが固定されており、この可撓
性部材83の他端部は有底筒状に形成され、この他端部は
フランジ部83a側から運動軸を構成する駆動軸84の内周
部に向かって延在している。また、可撓性部材83のフラ
ンジ部83aには駆動部としての中空制御モータ85が取付
けられており、この中空制御モータ85の中空出力軸86の
先端部には非円形拡径部(例えば楕円形)86aが形成さ
れ、非円形拡径部86aは可撓性の軸受87を介して可撓性
部材83の内周面の略中央部に接触している。
【0041】この可撓性部材83の外周面には円周方向に
亘って外歯83cが形成され、この外歯83cは駆動軸84の
底部内周面に形成された内歯84aに噛合可能になってお
り、この内歯84aは外歯83cよりも多い歯数を有してい
る。そして、中空制御モータ85により非円形拡径部86a
が回転すると、非円形拡径部86aの長径部分に押し広げ
られて可撓性の軸受87が撓み、その撓みに応じて可撓性
部材83が非円形拡径部86aの回転に伴って撓みながら外
歯83cが駆動軸84の内歯84aに順次接触することによ
り、駆動軸84が外歯83c、内歯84aの歯数差に応じてゆ
っくり減速回転する。
【0042】また、中空制御モータ85にはブラケット88
を介して駆動部としての制御モータ89が取付けられてお
り、この制御モータ89の出力軸90は中空出力軸86内を貫
通して可撓性部材83の他端部側に向かって延在してい
る。この出力軸90の先端部には非円形拡径部(例えば楕
円形)90aが形成され、非円形拡径部90aは可撓性の軸
受91を介して可撓性部材83の内周面の他端部側に接触し
ている。
【0043】この可撓性部材83の外周面には円周方向に
亘って外歯83bが形成され、この外歯83bは駆動軸84に
回転自在に支持された中空状のプーリ93の同軸上に配置
された内周面に形成された内歯93aに噛合可能になって
おり、この内歯93aは外歯83bよりも多い歯数を有して
いる。なお、プーリ93は第1実施形態と同様にベルト59
を介して運動軸を構成する駆動軸60の外周部に連結され
ている。
【0044】そして、制御モータ89により非円形拡径部
90aが回転すると、非円形拡径部90aの長径部分に押し
広げられて可撓性の軸受91が撓み、その撓みに応じて可
撓性部材83が非円形拡径部90aの回転に伴って撓みなが
ら外歯83bがプーリ93の内歯93aに順次接触することに
より、プーリ93が外歯83b、内歯93aの歯数差に応じて
ゆっくり減速回転する。
【0045】また、中空支持部材82は軸受92を介して駆
動軸84に連結されるとともに、中空支持部材82と駆動軸
84の間には真空ダストシール(第2密閉部材)94が設け
られており、この真空ダストシール94は真空チャンバー
と第3の雰囲気状態を画成可能な駆動軸84の貫通孔(第
1貫通孔)84aの連通を遮断している。また、中空支持
部材82には第2貫通孔を構成するとともに真空ダストシ
ール94によって真空チャンバーと画成される貫通孔95が
設けられており、この貫通孔95は貫通孔84aを介して第
1アーム49の貫通孔49a側に連通している。
【0046】この貫通孔95には一端部が図示しない真空
ポンプに接続された図示しない配管の他端部が連結され
ており、貫通孔95は真空ポンプによって真空吸引される
ようになっている。したがって、貫通孔95、84a、49
a、60aおよび62a全体が連通しているため、貫通孔95
が真空吸引されると、第1実施形態と同様に貫通孔84
a、49a、60a、62a内が真空引きされるようになって
いる上に、塵が貫通孔84a、49a、60a、62a内から外
部に飛散するのを防止することができ、第1実施形態と
同様の効果を得ることができる。
【0047】また、本実施形態は、中空支持部材82内
に、中空支持部材82内を貫通孔49a、84a内の第3の雰
囲気状態と大気圧である第1の雰囲気状態とに隔離する
とともに中空制御モータ85および制御モータ89の動力を
駆動軸84およびプーリ93に伝達する可撓性部材83を設
け、可撓性部材83に対して大気圧側に位置するように中
空制御モータ85および制御モータ89を配置するととも
に、貫通孔95を第3の雰囲気状態に晒すように中空支持
部材82の所定箇所に設けたものであり、このようにする
ことによって、中空支持部材82の内部を第3の雰囲気状
態と大気の雰囲気状態に区画するためのシール部材を少
なくすることができる。
【0048】図5、6は本発明に係るマニプレータ装置
の第3実施形態を示す図であり、駆動腕をリンクに適用
した例を示している。図5、6において、100は第2の
雰囲気を構成する真空チャンバーと第1の雰囲気を構成
する真空チャンバー外(大気中)を区画する隔壁であ
り、この隔壁100は大気側に配置された中空支持部材101
と一体的に形成されている。また、中空支持部材101内
には軸受102a、102bを介して駆動軸103が回転自在に
取付けられており、この駆動軸103は中空支持部材101か
ら真空チャンバー内に突出する駆動腕としての第1リン
ク104に一体的に取付けられている。
【0049】また、中空支持部材101内には軸受105a、
105bを介して駆動軸106が回転自在に取付けられてお
り、この駆動軸106は中空支持部材101から真空チャンバ
ー内に突出する駆動腕としての第1リンク107に一体的
に取付けられている。また、駆動軸103、106の外周部に
はマグネット108、109が取付けられており、このマグネ
ット108、109はコイル(駆動部)110、111に励磁される
ことにより、駆動軸103、106を回転させ、第1リンク10
4、107を揺動させるようになっている。
【0050】また、マグネット108、109とコイル110、1
11は中空支持部材101に形成されたブラケット(動力導
入隔壁)112によって隔離されており、中空支持部材101
内はこのブラケット112によって大気の雰囲気状態と第
3の雰囲気状態とに隔離され、コイル110、111を大気側
に配置している。また、第1リンク104の先端部には運
動軸を構成する駆動軸113が取付けられており、この駆
動軸113には軸受114を介して駆動腕を構成する第2リン
ク115が揺動自在に取付けられている。また、第1リン
ク107の先端部にも第1リンク104側と同様に運動軸を構
成する駆動軸が取付けられており、この駆動軸には軸受
を介して駆動腕を構成する第2リンク115が揺動自在に
取付けられている。
【0051】また、第2リンク115の先端部には軸受116
を介して運動軸を構成する駆動軸117が取付けられてお
り、この駆動軸117には図示しない半導体(部品)を保
持するハンド118が取付けられている。また、2つの第
2リンク115内、駆動軸113内、第1リンク104、107内お
よび駆動軸103、106内にはそれぞれ第1貫通孔を構成す
る貫通孔119〜124(第1リンクの一方は図6中、図示し
ていない)が形成されており、この貫通孔119〜124は互
いに連通している。
【0052】また、中空支持部材101の下端部には第2
貫通孔を構成する貫通孔125が形成されており、この貫
通孔125は貫通孔124に連通している。また、この貫通孔
125には配管126の一端部が取付けられており、この配管
126の他端部は図示しない真空ポンプに接続されてい
る。このため、貫通孔125が真空ポンプによって真空吸
引されると、貫通孔119〜124が連通していることから、
貫通孔119〜124内が真空引きされる。
【0053】また、駆動軸117と第2リンク115の先端部
の連結部分、駆動軸113と第2リンク115の基端部の連結
部分、駆動軸106と第1リンク104の連結部分および中空
支持部材101と駆動軸103の連結部分には第1実施形態と
同様の機能を有する真空ダストシール(第1密閉部材)
127〜129および真空ダストシール(第2密閉部材)130
が介装されており、ブラケット112によって貫通孔119〜
124内は大気の雰囲気状態から遮断されている。
【0054】すなわち、本実施形態は、2つの第2リン
ク115内、駆動軸113内、第1リンク104、107内および駆
動軸103、106内に貫通孔119〜124を形成することによ
り、各貫通孔119〜124を真空チャンバー内と遮断して連
通するようになっており、配管126および真空ポンプに
より真空引きすると、真空チャンバー内の気圧との差が
少なくなるように、または同圧になる第3の雰囲気状態
に調整されるようになっている。なお、本実施形態で
は、配管126および真空ポンプが圧力調整手段を構成し
ている。
【0055】また、図5中、118aは駆動軸117同士を連
結するベルトであり、このベルト118は、第1リンク10
4、107が同調しないで駆動された場合であっても、第2
リンク115の一方を他方に引っ張ることにより、第2ハ
ンド118が常に一定に位置になるように調整するもので
ある。次に、作用を説明する。
【0056】本実施形態の半導体の製造プロセスにあっ
ても、第1実施形態と同様に、真空チャンバー内でハン
ド118よって単数またはユニット化された複数の半導体
基板を保持して所定の製造位置に移送することが必要で
ある。本実施形態のマニプレータ装置では、製造プロセ
スを実行する前に真空ポンプによって配管126および貫
通孔125〜119を通して貫通孔119〜125内を真空チャンバ
ー内の気圧に近くなるように、または略同等になるよう
に減圧した後、製造プロセスを実行する。
【0057】そして、本実施形態では、コイル110、111
によりマグネット108、109を励磁して駆動軸103、106を
回転させると、第1リンク104、107の先端部が近接、ま
たは離隔するように揺動するため、このリンク104、107
に連結された第2リンク115の基端部が近接、または離
隔するため、ハンド118が所定方向に沿って前進または
後進して、半導体基板を移送する。
【0058】このとき、駆動軸117と第2リンク115の先
端部の連結部分、駆動軸113と第2リンク115の基端部の
連結部分の機械的な接触によって微小な摩耗粉からなる
塵が発生するが、この塵は、何れも貫通孔119〜124によ
って画成される第3の雰囲気状態内に飛散するだけであ
り、貫通孔119〜124内から真空チャンバー内に飛散する
ことがない。
【0059】また、真空ポンプによって貫通孔119〜124
の圧力を第3の雰囲気状態になるように調整する配管12
6および真空ポンプを設けたため、第1リンク104、107
および第2リンク115内を密閉状態にしても第1リンク1
04、107および第2リンク105内の圧力差を真空チャンバ
ー内の圧力を第3の雰囲気状態にすることができ、真空
ダストシール127〜129が大気圧との圧力差によって破損
するのを防止することができ、第1実施形態と同様の効
果を得ることができる。
【0060】また、本実施形態では、ブラケット112に
よって中空支持部材101の第3の雰囲気状態と大気の雰
囲気状態に離隔し、大気側にコイル110、111を配置した
ため、中空支持部材101の内部を第3の雰囲気状態と大
気の雰囲気状態に区画するためのシール部材を少なくす
ることができる。なお、本実施形態では、駆動腕を一対
の第1リンク104、107および一対の第2リンク115から
なる2対のリンクを有するマニプレータ装置に適用して
いるが、このリンクは3対以上あっても良い。
【0061】図7は本発明に係るマニプレータ装置の第
4実施形態を示す図であり、駆動腕として動力導入隔壁
のないリンクに適用した例を示している。なお、本実施
形態では、第2リンクの構成は第3実施形態と同様であ
り、中空支持部材内の構成および第1リンクの構成が第
3実施形態と異なるのみであるため、その部分の説明を
行なう。
【0062】図7において、141は第2の雰囲気を構成
する真空チャンバーと第1の雰囲気を構成する真空チャ
ンバー外(大気中)を区画する隔壁であり、この隔壁14
1は大気側に配置された中空支持部材142と一体的に形成
されている。また、中空支持部材142の下端部には駆動
部としての中空制御モータ143が取付けられており、こ
の中空制御モータ143の中空出力軸144の先端部には非円
形拡径部(例えば楕円形)144aが形成され、非円形拡
径部144aは可撓性の軸受145を介して中空状の可撓性部
材146の下端部に接触している。
【0063】この可撓性部材146の下端部の外周面には
円周方向に亘って外歯146aが形成されており、この外
歯146aは中空支持部材142の内周面に形成された内歯14
2aに噛合可能になっており、この内歯142aは外歯146
aよりも多い歯数を有している。また、可撓性部材146
の上端部は運動軸を構成する駆動軸147の下端部に固定
されている。
【0064】そして、中空制御モータ143により非円形
拡径部144aが回転すると、非円形拡径部144aの長径部
分に押し広げられて可撓性の軸受145が撓み、その撓み
に応じて可撓性部材146が非円形拡径部144aの回転に伴
って撓みながら内歯146aが中空支持部材142の内歯142
aに順次接触することにより、可撓性部材146と共に駆
動軸147が内歯142a、外歯146aの歯数差に応じてゆっ
くり減速回転する。
【0065】また、中空制御モータ143にはブラケット1
50を介して駆動部としての制御モータ148が取付けられ
ており、この制御モータ148の出力軸149は中空出力軸14
4および可撓性部材146内を貫通して駆動軸147の下端部
側に延在している。この出力軸149の先端部には非円形
拡径部(例えば楕円形)149aが形成され、非円形拡径
部149aは可撓性の軸受151介して中空状の可撓性部材15
2の内周面の下端部側に接触している。
【0066】この可撓性部材152の外周面には円周方向
に亘って外歯152aが形成され、この外歯152aは駆動軸
147の内周面に形成された内歯147aに噛合可能になって
おり、この内歯147aは外歯152aよりも多い歯数を有し
ている。また、可撓性部材152の上端部は運動軸を構成
する駆動軸153の下端部に固定されている。そして、制
御モータ148により非円形拡径部149aが回転すると、非
円形拡径部149aの長径部分に押し広げられて可撓性の
軸受151が撓み、その撓みに応じて可撓性部材152が非円
形拡径部149aの回転に伴って撓みながら外歯152aが駆
動軸147aの内歯147aに順次接触することにより、可撓
性部材152と共に駆動軸153が内歯147a、外歯152aの歯
数差に応じてゆっくり減速回転する。
【0067】なお、駆動軸147および駆動軸153は第3実
施形態と同様の構成を有する第1リンク104、107と一体
的に形成されている。駆動軸147と駆動軸153の間および
中空支持部材142と駆動軸153の間には軸受154、155が介
装されているとともに、駆動軸147と駆動軸153の間およ
び中空支持部材142と駆動軸153の間には第1実施形態と
同様の機能を有する真空シール156a、156b、157a、1
57b(第2密閉手段)が配設されており、中空支持部材
141内の駆動部側は真空チャンバー内の雰囲気と遮断さ
れて密閉されている。
【0068】また、駆動軸147には貫通孔159が形成され
ており、この貫通孔159は貫通孔123を介して貫通孔121
に連通している。また、駆動軸153には貫通孔160が形成
されており、この貫通孔160は貫通孔123と貫通孔124を
介して貫通孔122を連通している。また、中空支持部材1
41には貫通孔(第2貫通孔)161が形成されており、こ
の貫通孔161は貫通孔159に連通している。
【0069】また、貫通孔161には一端部が図示しない
真空ポンプに接続された図示しない配管の他端部が連結
されており、貫通孔161は真空ポンプによって真空吸引
されるようになっている。したがって、貫通孔119〜12
4、159、160全体が連通していることから、貫通孔161が
真空吸引されると、貫通孔119〜124、159、160内は真空
引きされて第3の雰囲気状態に設定される。
【0070】本実施形態にあっても、貫通孔119〜124、
159、160内が第3の雰囲気状態に設定される上に、塵が
貫通孔119〜124、159、160内から外部に飛散するのを防
止することができ、第1実施形態と同様の効果を得るこ
とができる。なお、上記各実施形態にあっては、半導体
の製造を行なうマニプレータ装置に適用され、アームや
リンクが真空チャンバー内に配置され、駆動側のモータ
やコイルが大気側に配置されているが、このマニプレー
タ装置はこれに限定されるものではない。
【0071】すなわち、異なる第1の雰囲気状態および
第2の雰囲気状態の一方にアームやリンク等の作業側の
駆動腕を配置し、他方にモータやコイル等の駆動側を配
設するようなものであれば何でも良い。例えば、宇宙空
間と宇宙船内、放射能雰囲気内と放射能雰囲気外、有毒
ガス雰囲気内と有毒ガス雰囲気外、腐食ガス雰囲気内と
腐食ガス雰囲気外等の異なる2つの雰囲気で作業を行な
うマニプレータ装置であれば良い。
【0072】但し、放射能雰囲気内、有毒ガス雰囲気
内、腐食ガス雰囲気内等にアームやリンクを配設した場
合には、圧力調整手段によってアーム内やリンク内の圧
力をその雰囲気内の圧力と同等または若干高めに設定す
る必要がある。また、上記各実施形態では、駆動アーム
やリンクが水平面内で揺動するマニプレータに適用して
いるが、これに限らず、水平面と直交する方向に移動す
るものに適用しても良い。
【0073】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、運動軸と
駆動腕の連結部に設けられた密閉部材によって駆動腕内
を第2の雰囲気状態に対して完全に遮断して密閉すると
ともに、駆動腕内を第1貫通孔を第2貫通孔を第3の雰
囲気状態になるようにしているので、駆動腕と運動軸の
機械的な接触によって発生した塵が第2の雰囲気状態中
に飛散するのを完全に防止することができる。
【0074】また、圧力調整手段によって駆動腕内の圧
力を第3の雰囲気状態になるように調整することができ
るため、駆動腕内を密閉状態にしても駆動腕内の圧力を
第3の雰囲気状態にすることができ、密閉部材が第1の
雰囲気状態との圧力差によって破損するのを防止するこ
とができる。この結果、異なる第1および第2の雰囲気
状態の一方の雰囲気状態で駆動腕によって作業を行なう
際に、その雰囲気状態中に塵が飛散するのを防止するこ
とができ、作業の対象となる部品の品質および歩留りが
低下するのを防止することができる。
【0075】請求項2記載の発明によれば、中空支持部
材の内部が第1の雰囲気状態と第3の雰囲気状態に区画
されるため、中空支持部材の内部を第1の雰囲気状態と
第3の雰囲気状態に区画するためのシール部材を少なく
することができる。請求項3記載の発明によれば、真空
下で製造される半導体基板やLCD基板等に塵等が付着
するのを防止することができ、半導体やLCD等の品質
および歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマニプレータ装置の第1実施形態
を示す図であり、その上面図である。
【図2】その要部正面断面図である。
【図3】マニプレータ装置の他の態様を示すその上面図
である。
【図4】本発明に係るマニプレータ装置の第2実施形態
を示す図であり、その要部断面図である。
【図5】本発明に係るマニプレータ装置の第3実施形態
を示す図であり、その上面図である。
【図6】第3実施形態のマニプレータ装置の要部正面断
面図である。
【図7】本発明に係るマニプレータ装置の第4実施形態
を示す図であり、その要部断面図である。
【図8】(a)は従来のリンク式のマニプレータ装置の
上面図、(b)はそのマニプレータ装置の運動軸部分の
断面図である。
【図9】(a)は従来のアーム式のマニプレータ装置の
上面図、(b)はそのマニプレータ装置の要部正面断面
図である。
【符号の説明】
41、82、101、142 中空支持部材 43、50、89、148 制御モータ(駆動部) 46、60、84、103、106、113、117、147、153 駆動軸
(運動軸) 49 第1アーム(駆動腕) 49a、62a、76、77、119〜124、159、160 貫通孔
(第1貫通孔) 62 第2アーム(駆動腕) 71、72、127、128、129 真空ダストシール(第1密
閉手段) 73、94、130、156a、156b、157a、157b 真空シ
ール(第2密閉手段) 83 可撓性部材(動力導入隔壁) 85、143 中空制御モータ(駆動部) 104、107 第1リンク(駆動腕) 110、111 コイル(駆動部) 112 ブラケット(動力導入隔壁) 115 第2リンク(駆動腕) 126 配管(圧力調整手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空支持部材内に設けられた駆動部と、該
    中空支持部材から突出して設けられるとともに前記駆動
    部によって駆動される少なくとも1つ以上の運動軸を有
    し、作業の対象となる部品を保持して移動する少なくと
    も1つ以上の駆動腕と、を備え、前記中空支持部材が第
    1の雰囲気状態内に設置されるとともに、前記駆動腕が
    前記第1の雰囲気状態と異なる第2の雰囲気状態内に設
    置されるマニプレータ装置において、 前記駆動腕および運動軸に形成され、該駆動腕と運動軸
    を連通する第1貫通孔と、 前記中空支持部材に形成され、前記第1貫通孔に連通す
    る第2貫通孔と、 前記運動軸と駆動腕の連結部に設けられ、第2の雰囲気
    状態と前記第1貫通孔の連通を遮断して第1貫通孔を密
    閉する第1密閉部材と、 前記運動軸と中空支持部材の連結部に設けられ、前記第
    2の雰囲気状態と第1の貫通孔の連通を遮断して第1貫
    通孔と第2貫通孔を密閉する第2密閉部材と、 前記第2貫通孔に接続され、該第2貫通孔を介して第1
    貫通孔に連通することにより、第1貫通孔内の圧力を第
    2の雰囲気状態の圧力に対して所定範囲内の圧力に設定
    される第3の雰囲気状態になるように調整する圧力調整
    手段と、を設けたことを特徴とするマニプレータ装置。
  2. 【請求項2】前記中空支持部材内に、該中空支持部材内
    を前記第1および第3の雰囲気状態に隔離するとともに
    駆動部の動力を運動軸に伝達する動力導入隔壁を設け、
    該隔壁に対して第1の雰囲気状態内に位置するように前
    記駆動部を配置するとともに、 前記第2貫通孔を第3の雰囲気状態に晒すように前記中
    空支持部材の所定箇所に設けたことを特徴とする請求項
    1記載のマニプレータ装置。
  3. 【請求項3】前記第1の雰囲気状態が大気圧であるとと
    もに、前記第2の雰囲気状態が真空圧であることを特徴
    とする請求項1または2記載のマニプレータ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008307682A (ja) * 2008-07-18 2008-12-25 Nabtesco Corp 真空状態に減圧された処理室内部のアームを駆動する搬送装置
JP2010110868A (ja) * 2008-11-07 2010-05-20 Ulvac Japan Ltd 基板搬送装置
JP2012067795A (ja) * 2010-09-21 2012-04-05 Sinfonia Technology Co Ltd 真空シール機構、真空ロボット

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